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私は自分のことを「運がいい人」だと思っています。なぜなら、人生のターニングポイントで必ずいい方向に導いてくれる人との出会いがあったからです。たとえば中学受験した時のことです。親に勧められたわけではないですが、私立中学に通っていた近所のお兄さんが「私立は楽しい」と言っていたことがきっかけで中学受験をしました。そして、そのままエスカレーター式に高校へ進学し、演劇と出会いました。そして、高校での演劇の経験が経営者感覚を学んだ原点でもあります。 当時、今と変わらず目立ちたがり屋の性格もあり、私は演劇部に物足りなさを感じていました。なぜかというと私の通っていたのは男子校。いくら部活を頑張っても女子は見ていてくれません。それは男子高校生にとっては死活問題です。そこで他校の演劇部から部員をスカウトしてきて、自分で劇団を作ることにしました。しかし、自分たちで劇団を作るということはお金も道具も自ら用意しなくてはなりません。低予算で運営できるように、市営の施設や公園で練習したり、道具を必要としない恋愛ものなどをテーマにしました。しかし演劇をやるための劇場を借りるにはどうしてもお金が必要になります。それは止むを得ないのでチケットの手売りや積み立てをしてお金をかき集めました。とても大変でしたがそこで資金繰りというものを学ぶことができました。また、劇団員の価値観を揃えることにもとても苦労しました。いろいろな学校から集まったメンバーだったため、練習方法や先輩から教わったセオリーも違います。温度感まで何から何まで違いました。それだけバラバラの価値観を1つの目的に向かわせていくことは並大抵のことではありません。ここでも、価値観をそろえる為には徹底したコミュニケーションが必要なんだと学びました。さらに、当時は若かったので何でも自分が中心でやりたいという気持ちがありました。だから役者も裏方も全部自分でやろうとしていました。しかし、1人にできることは限られています。いろいろなことに手をつけると結果的に周りにいる人を苦しめることになる。だから裏方は他の人に任せました。その中で仕事を取捨選択していくことの大切さを学びました。このような経験から今の経営の土台を築き上げることができました。その後、初めてこの業界に携わった時に出会ったのが私の先生とも言える経営者の方でした。自分が率先して働くということがこれほど社員の心を惹きつけるのかを身を持ってそこで学びました。当時の私は20代で、体力も気力も充実していた頃でしたが、それでも足元にも及ばないくらい働いていました。それまで経営者といえば、重役出勤して、社員をこき使っているというようなイメージがありましたが、本当に信念を持っている経営者は違うのだと感じました。コンサル事業をやっていると多くの経営者と話す機会がありますが、その多くは楽をして、いかに人を動かして儲けるかということを考えます。しかし、本当はそうではありません。まず人を動かしたいのなら自分が動かなければいけない。そうでなければ人はついてきません。20代の前半でそれを教えてくれたのがその経営者でした。働いてくれていることに感謝。今日来てくれていることに感謝。そのような基本的なことを忘れて、給料出してるんだから働きに来るの当たり前。そう思っている経営者はやはりうまくいきません。むしろうまくいかない人の相談ばかりコンサルは受けますが、うまくいかない人は「社員が言うこと聞かない」「なんでこんな社員しかこないんだ」「俺の足元にも及ばない」というようなことばかり言っています。一番多いのは、「俺がもう1人いれば会社はもっと違うのに」。私も昔は言っていました。しかし、その言葉が経営者として1番いってはいけない言葉です。そうではなく、考えるべきは今いる社員をどうやって育てるか。例えば社員1人では理事長に叶わなくても、社員3人で理事長1人の能力より頭一個分出る。それでいいと思います。創業者には創業者のプライドがあるのは仕方ありません。自分1人で会社起こして全ての責任を負うということは並大抵のことではありません。しかし自分の時間も寿命にも限りがあります。いずれどこかでバトンタッチする時に自分の分身がもう1人いればと絵空事を言ったって状況は変わりません。だから社員をどのように育てていくかということを真剣に考えていく必要があります。育てていくためにはまず感謝です。どうやったら社員に心地よく働いてもらえるか、喜んでもらえるか、そういうことを考えない経営者のもとでは人は育ちません。理事長 笹谷 寛道
2018.07.30
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バウムは社員教育を始めて今年で9年目に入ります。社員教育を始めたばかりの当時の社員数は10人程度。売り上げは7000万円でした。しかし、今では正社員だけで100人以上。売り上げは5億円を突破しました。このような急成長に伴って、今まで普通にできていた教育スタイルが最近はできなくなってきました。例えば、その最たる例が経営者と従業員の接する時間の捻出です。4週間に1度行っている環境整備点検、半年に1回すべての社員に実施してもらう理事長の鞄持ち。事業所や事業部の各懇親会等々。そのような私が今まで行っていた社内行事は今ではほぼすべて、部長職に任せてあります。特に今年の6月からは現場社員の理事長の鞄持ちを全面的に廃止しました。これでますます現場社員が私と接する時間がなくなることになります。そんな中で自分のやりたいことをどうアピールしていくか。これが今後、現場の社員1人1人がしっかり考えていかなくてはならないことになります。バウムの人事権は経営者ただ一人にしかありません。社員のやりたいことを実現するためにはトップである私が、その人のやりたいことを知っていなければいけません。例えばある社員が採用の仕事がやりたいと思っていても、経営者である私がそれを知らなければそもそも採用課には配属されません。もちろんできるかどうかという適正は人事異動の時に考えます。しかし、1番重要視するのはその仕事を「やりたい」と思っているか。人事の判断材料として、本人がその仕事をのぞんでいるかどうかはウェイトとしてはかなり大きいのです。だからこそ経営者に自分の「やりたい事」を知ってもらう為に、どうしていけばいいのか。そのためには様々な手段があります。一つは直接アピールするということです。方針勉強会や各種イベント、理事長との飲み会。そのように私と接する時間がまったくなくなるというわけではないので、チャンスを生かしていくことは大切です。また、私と直接会えなかったとしてもサンクスギフトを書いていくことや上司経由で推薦してもらえるようにしてもらうという手もあります。吉永部長は前職をいかした仕事をしたいということで今年度から営業本部部長になりました。萬羽課長は採用専属でやりたいということで採用課の課長になりました。佑真課長は大学で勉強したことを生かしたいということで経営事業本部のITソリューション課課長になりました。このような人事は、自分の意思を伝えてくれたからこそできたことであって、教えてくれなければ異動させようと思うこともありませんでした。例えば、Aさんは適正もあってやりたいという意欲もある。Bさんは適正はあるけれど、やりたいというアピールがない。どちらを選ぶかといえば当然Aさんです。同じ適正があるのならば「やりたい」という人を選びます。もちろんやりたい事があるからといってそれが全て実現できるわけではありません。それ相応の実力がなければだめですし、やるといったからには途中で投げ出してはいけません。だからこそしっかり責任を持って全うする。少なくとも、やりたいことがやれないからと言って、不平不満を言ってる人の「やりたいこと」をこちらから知りに行こうとは思いません。自分が引っ込み思案な性格だからとか、アピールが苦手だとか、それであきらめるのならば自分のやりたい仕事も諦めなければいけません。仕事というのは組織の中に限りがあるので、誰もが全員自分のやりたいことができるわけではありません。だからこそ努力ができる人にその仕事を与えます。理事長との飲み会というような長時間経営者を拘束できるようなイベントに手を上げることは重要です。もちろん選ばれる確率はとても低い。しかし、だからと言って最初から手を挙げない人は論外です。採用課の萬羽課長には、採用の仕事に適性があるかどうかと言えば、私にもわかりません。本当です。本当に分からない。何故ならまだバウム自体が新卒採用を始めて5年。ノウハウも大して蓄積されていないうえに、バウム流の採用方法も確立されていないので、そこに配属される社員の適正も図りようがない。強いて言えば、萬羽課長はお世辞にもコミュニケーションが得意とは言えないし、背が高いから圧迫感はあるし、笑顔がぎこちない。けれど、そんな彼が採用と言う仕事にやりがいを見出してしまった(笑)。結果、バウムの全社員が束になっても、採用活動では彼にかないません。採用の仕事が好きだから、萬羽課長は一生懸命学ぶ。そして、成長する。まさに「好きこそものの上手なれ」です。理事長 笹谷 寛道
2018.07.04
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