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いわくつきのデビュー盤 1949年生まれのビリー・ジョエル(Billy Joel)は、ザ・ハッスルズやアッティラというバンドでの活動後、ソロ・デビューを果たす。1971年の本盤『コールド・スプリング・ハーバー~ピアノの詩人(Cold Spring Harbor)』は、そんな彼のデビュー盤だったが、成功したと言えず、セールスも振るわなかった。 何よりも、本盤は“いわくつき”の出来となった。有名な話なのではあるが、本盤は、テープの回転数が速いままマスタリングされ、レコードになってしまった。つまりは、本人の“生声”とは明らかに違う、“テープ早回し”による実際よりも高い声なのである。今の時代の感覚からすると、こんなお粗末な事態はあり得ないだろう。でもって、どうなったかというと、実際に完成したレコードを聴いたビリー・ジョエル本人は、怒ってレコードを地面に投げつけたとか。 確かに、全体を通して聴くと、いくぶんパンチが足りない気がする。才能は感じるのだけれど、個々の楽曲は悪くないのだけれど、どこか作品としての洗練度や完成度が足りないようにも思う。とはいえ、注目すべき楽曲もある。とりわけ、1.「シーズ・ガット・ア・ウェイ」は、1981年のライヴ作『ソングズ・イン・ジ・アティック』からシングル・カットされて全米23位となり、あらためて世に知られるようになった。他の楽曲も、違うタイミングで、違うアレンジで、(そしてもちろん回転速度を変えずに、)世に出ていたらどうなっていたのだろう、と想像しながら聴くのも面白いのではないだろうか。[収録曲]1. She's Got a Way2. You Can Make Me Free3. Everybody Loves You Now4. Why Judy Why5. Falling of the Rain6. Turn Around7. You Look So Good to Me8. Tomorrow Is Today9. Nocturne10. Got to Begin Again1971年リリース。 コールド・スプリング・ハーバー 〜ピアノの詩人/ビリー・ジョエル[CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020年05月30日
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愛しの名曲たち(続編・その2) カーペンターズ(Carpenters)の名曲選の2回目です。今回は、「星空に愛を(コーリング・オキュパンツ)(Calling Occupants of Interplanetary Craft)」です。惑星間を飛行している宇宙船乗員にメッセージを送るというテーマの曲ですが、カナダのバンド、クラトゥの曲をカバーしたもの。カーペンターズのヴァージョンは、全米では大きなヒットとはなりませんでしたが、イギリスやカナダではトップ10入りし、アイルランドではチャート1位を記録しました。7分の長編ですが、アルバム所収のヴァージョンをどうぞ。 ラジオ風イントロから始まり、途中の音作りには実験的要素が多く含まれています。また、ピーター・ナイト指揮のロサンゼルス交響楽団(クレジット上の問題で名前は出せなかったそうですが)や、グレッグ・スミス率いる合唱団が参加しています。個人的にはギター・ソロの部分もなかなかいいと思っています。 続いて、シングル・ヴァージョンもご覧ください。 [収録アルバム]Carpenters / Passage(1977年)カーペンターズ~愛しの名曲たち(記事リンク)(1)「涙の乗車券(Ticket To Ride)」(2)「遥かなる影((They Long To Be) Close To You)」(3)「雨の日と月曜日は(Rainy Days and Mondays)」(4)「スーパースター(Superstar)」(5)「シング(Sing)」(6)「トップ・オブ・ザ・ワールド(Top of the World)」(7)「オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)」(続1)「愛のプレリュード(We've Only Just Begun)」(続2)「星空に愛を(コーリング・オキュパンツ)(Calling Occupants of Interplanetary Craft)」(本記事) パッセージ/カーペンターズ[SHM-CD]【返品種別A】 カーペンターズ/カーペンターズ〜40/40 ベスト・セレクション[SHM-CD] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年05月28日
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愛しの名曲たち(続編・その1) かなり前に、カーペンターズ(Carpenters)の曲をまとめて取り上げたことがありました(詳細は下記リンクを参照)。今回は、その続きということで、不定期更新で前回と同様に7曲ほどを目標に取り上げてみたいと思います。飛び飛びになることもあれば、連続更新となる場合もあるかもしれませんが、よろしくお付き合いください。 まず、最初の曲は、「愛のプレリュード(We've Only Just Begun)」です。ロジャー・ニコルス作曲、ポール・ウィリアムズ作詞による銀行のCMソングが元の曲で、カーペンターズのカバーは、シングルとして1970年に大ヒット(キャッシュボックス1位、ビルボード2位)しました。 いつものように、取り上げる曲のライヴ映像なども載せていきたいと思います。今回は、この同じナンバーの日本でのライヴの模様をご覧ください。1974年、日本武道館でのものです。 [収録アルバム]Carpenters / A Song for You(1970年)カーペンターズ~愛しの名曲たち(記事リンク)(1)「涙の乗車券(Ticket To Ride)」(2)「遥かなる影((They Long To Be) Close To You)」(3)「雨の日と月曜日は(Rainy Days and Mondays)」(4)「スーパースター(Superstar)」(5)「シング(Sing)」(6)「トップ・オブ・ザ・ワールド(Top of the World)」(7)「オンリー・イエスタデイ(Only Yesterday)」 ア・ソング・フォー・ユー/カーペンターズ[SHM-CD]【返品種別A】 ポップス定番ベストセレクション::カーペンターズ 20/20ベスト・オブ・ベスト・セレクション [ カーペンターズ ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020年05月24日
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個人的な思い入れも含めて、これまでのところ最良の盤 1998年にデビューしたスペイン人女性シンガーのマルー(Malú)にとって8枚目のスタジオ盤となったのが、2010年発表の『ゲラ・フリーア(Guerra fría)』である。個人的には思い入れの強い作品で、筆者が1枚通して聴いたものとしては最初の彼女のスタジオ盤だった。そんなこともあって、愛着が強く、繰り返し聴いている。先に結論を述べてしまうと、今のところ、マルーのアルバムの中では最良の出来と言っていいのではないだろうかと思っている。 2009年の『ビベ』(これもかなりのお薦め盤)はスペインで初登場2位だったのだけれど、本盤『ゲラ・フリーア』は、それを上回り、初登場1位となった。その後のアルバム作品もスペインチャートの1位を連続して記録しており、その人気はとどまることを知らない。 本盤の一押しは何と言っても、2.「アオラ・トゥ」。さらに、これ以外にも、お勧めの好曲が目白押しである。ノリのいいポップからしっとりしたバラードまで曲調にバリエーションがあるのも、通して聴いて飽きさせない点と言えるだろう。 筆者のお勧めとしては、まずは、1.「ボイ・ア・ケマールロ・トド」。ポップでありながら、抑揚が効いていて、冒頭で聴き手を一気に惹きつける。比較的ノリのよいナンバーとしては、7.「ベルティゴ」もいい。上記の2.と並ぶ叙情系バラードとしては、5.「ニ・ウン・セグンド」があり、こちらもまたマルーの本領発揮のナンバーである。さらに、ややしっとり気味のバラード調の4.「ブランコ・イ・ネグロ」も筆者のお気に入りだったりする。ついでにもう1曲付け加えておくと、表題曲の9.「ゲラ・フリーア」もハスキーな声と歌唱力が生かされた実に好ナンバーだと思う。 上で述べたように、マルーのアルバム作品の中で、個人的には本作がこれまでのところベストの盤だと思う。まだ未体験で関心のあるという方は、ぜひこの辺を入口に聴いてみていただきたい。[収録曲]1. Voy a quemarlo todo2. Ahora tú 3. Quién4. Blanco y negro5. Ni un segundo6. Libérame7. Vértigo8. Búscame9. Guerra fría10. El apagón11. Así lo haré12. Ni un segundo2010年リリース。 【輸入盤CD】【ネコポス送料無料】Malu / Guerra Fria ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年05月22日
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大編成によるラテン・ロックの進化系 カルロス・サンタナ率いるバンドであるサンタナ(Santana)に参加経験のあるメンバーらが名を連ね、大編成でラテン・ロックにジャズやソウルといった要素をミックスして提示するという壮大な試みが、このアステカ(Azteca)というバンドだった。中心メンバーは、パーカッショニストのコーク・エスコベードとピート・エスコベード兄弟で、メキシコ系の彼ららしく、メキシコ(同地の古代文明のアステカ)をモチーフとしたのだろう。 1972年に彼らの第1作として発表されたのが、この『アステカ(Azteca)』というアルバムであった。実際、曲の内容やモチーフにも、メキシコやラテンといった要素が濃い。 1.「太陽の石(ラ・ピエドラ・デル・ソル)」は、有名なアステカ文明の巨大彫刻モニュメント(俗にいう“アステカ・カレンダー”)そのままの表題。その彫刻は、アルバムのジャケットに再現されているが、よく見ると細部にはミュージシャンや楽器があしらわれている。独特のリズムと展開が印象的な10.「アステカ」は、バンド名そのままの楽曲である。また、上記の1.は、リプライズ的な11.「テーマ~太陽の石」とセットになってアルバムを締めくくる役割も担っている。 他には、2.「マミータ・リンダ」、6.「ピース・エヴリバディ」など、いかにもラテンなリズムの楽曲が印象に残る。 “マンボの王様”ことティト・プエンテの楽曲である8.「アー、アー」も収録されている。 その一方で、特に聴きどころと言えそうなのは、3.「エイント・ガット・ノー・スペシャル・ウーマン」。ボレロ調、アフロ調といった雰囲気の中でヴォーカルをしっかり聴かせながら進行するが、何と言っても聴きものはニール・ショーンの疾走感のあるギター・ソロ。あと、9.「ラヴ・ノット・ゼン」はボレロ調ではあるものの、やや唐突なバラード風ナンバー。通して聴いて飽きないというべきか、はたまた統一性がよく見えないというべきか…。 インストあり、歌ものあり、ラテンあり…といった具合で、統一感が十分かと言うと決してそうでもないのだろう。とはいえ、ラテン・ロック/ジャズなどと言われる音楽がサンタナだけで完結するわけではないという意味で、なかなか面白い作品と言うことができるのではないだろうか。[収録曲]1. La Piedra del Sol2. Mamita Linda3. Ain't Got No Special Woman 4. Empty Prophet 5. Can't Take the Funk Out Of Me6. Peace Everybody7. Non Pacem8. Ah! Ah!9. Love Not Then 10. Azteca11. Theme: La Piedra del Sol1972年リリース。 【国内盤CD】【ネコポス送料無料】アステカ / アステカ[初回出荷限定盤(完全生産限定盤)] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2020年05月19日
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スペイン語ロック名曲選(その5) 少し間が空きましたが、スペイン語ロックの5回目です。先回の「バホ・ラ・ルーナ」に続き、今回もメキシコのロック・バンドの曲なのですが、1990年にシーンに登場し、1990年代にその地位を確立していったフォビア(Fobia)というバンドの代表的ナンバーの一つです。 「ディオス・ベンディーガ・ア・ロス・グサーノス(Dios bendiga a los gusanos)」というのがそのナンバーです。表題は「芋虫たちに神の祝福あれ」という、これまた不可思議なタイトルです。キリスト教国のメキシコなので、ロック音楽とはいえ、“神の祝福”という表現はまあ普通なのでしょうが、そこに“芋虫(グサーノ)”が組み合わさっているのが意外な感じといったところです。 まずは、元のアルバムに所収のヴァージョンをどうぞ。 実は筆者は若き日の彼らの演奏をライヴで見たのですが、その時点では決して演奏力とかライヴパフォーマンスが高いという感じではありませんでした。けれども、後の映像を見ると、堂々としたバンドに成長しました。そんなわけで、もう1つは、最近のライヴでの見事なパフォーマンスをご覧ください。 不定期更新ながらひとまず5回目までスペイン語ロックの名曲選をやりました。いったんここで一区切りとし、また近いうちに第2弾という形で続けられればと思っている次第です。[収録アルバム]Fobia / Fobia(1990年) ↓ベスト盤です。↓ 輸入盤 FOBIA / ROCK LATINO (REMASTER) [CD] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020年05月16日
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リトル・リチャード追悼 つい数日前ですが、リトル・リチャード(Little Richard)が亡くなったとの報道がありました。かねてからガンで闘病中だったとのことで、享年87歳でした。1950年代に人気を博し、人気絶頂期に引退し(1957年)、後に復帰(1962年)。2013年、80歳を超えたところで現役引退を発表していました。ロックンロール音楽の草分けだったこの人物の追悼をと思い、いくつかの映像をご覧いただこうと思います。 まずは、彼の代表的ナンバーである「のっぽのサリー(Long Tall Sally)」と「トゥッティ・フルッティ(Tutti Frutti)」が続けて収められている映像をどうぞ。 続いては、リトル・リチャード自身の後世の映像です。1995年、ロックの殿堂でのパフォーマンスです(ちなみに、ロックの殿堂入りは1986年に果たしています)。 彼の影響を受けたミュージシャンは数知れません。ポール・マッカートニーもその一人と言われますが、若き日のポールがリード・ヴォーカルをとるビートルズの「のっぽのサリー(ロング・トール・サリー)」をどうぞ。 この曲のカバーをもう一つ。ロックの権化のようなアーティストの一人にジョン・フォガティ(元CCR)がいますが、彼による1980年代のライヴの演奏シーンです。 ロックが創られた時代はおろか、その後のロック発展期、さらには、今回の映像の中に出てきた1980年代や1990年代ですら、どんどん遠い過去の歴史と化していく気がします。数年前にはチャック・ベリーも亡くなりましたし(参考過去記事)、上のビートルズのポール・マッカートニーも昨年に喜寿(77歳)を迎えました。時代の移り変わりと言えばそれまでなのかもしれませんが、否応なしに時の流れを感じます。今日のところは、”生きた伝説”だったリトル・リチャードのご冥福をお祈りしたいと思います。 [枚数限定][限定盤]ザ・ファビュラス・リトル・リチャード/リトル・リチャード[CD]【返品種別A】 【輸入盤CD】【ネコポス100円】Little Richard / Very Best Of Little Richard (リトル・リチャード) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年05月13日
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アコースティック演奏、自宅録音の異色作 ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)のイメージはと言えば、圧倒的に“アメリカン・ロッカー”ということになるのだろう。1980年の『ザ・リバー』、大ヒット作となった1984年の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』の狭間で1982年にリリースされた異色作が、この『ネブラスカ(Nebraska)』という作品だった。 大部分の曲は、1982年1月3日にスプリングスティーンの自宅の寝室で録音された。いくつかの曲(「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」、「ピンク・キャデラック」、「ダウンバウンド・トレイン」、「ワーキング・オン・ザ・ハイウェイ」―デモ録音時のタイトルは「チャイルド・ブライド」―)は、後にバンド録音でレコーディングされたが、この録音は、いわゆる弾き語りのシンプルなレコーディングだった。そのようなわけで、“アメリカン・ロッカー”のイメージとはまったく異なるサウンドである。 それにもかかわらず、ビルボード3位というのは、スプリングスティーンの底力というべきか。アーティストたちがリスペクトするアルバムにしばしば挙げられるのに加え、アコースティックで録音されたこれら楽曲のいくつもが、後々のライヴでバンドでも演奏されている。 個々の曲を挙げ始めると全曲になってしまいそうなのだけれど、少しは触れておきたい。1.「ネブラスカ」は無為な殺人を犯した死刑囚を主人公にした歌で、こういう描写はスプリングスティーンの身上でもある。彼のファンにとってライヴ等で外せないのは、2.「アトランティック・シティ」、4.「ジョニー99」、10.「生きる理由(リーズン・トゥ・ビリーヴ)」といったところか。個人的に外せないのは、5.「ハイウェイ・パトロールマン」、7.「ユーズド・カー」、9.「僕の父の家(マイ・ファーザーズ・ハウス)」。いずれも、シンプルに個々のシチュエーションと心情を紡ぐといった内容の曲である。 蛇足ながら、本作には続編的作品がある。1995年リリースの『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』である。内容的に直接的つながりはないのだけれど、ストーリーテラーとしてのブルース・スプリングスティーンという観点に立った時、華々しいロッカーとしての彼のもう一つの顔を知るには、この2枚が必須ということになるだろうか。[収録曲]1. Nebraska2. Atlantic City3. Mansion on the Hill 4. Johnny 99 5. Highway Patrolman6. State Trooper7. Used Cars 8. Open All Night9. My Father's House 10. Reason to Believe1982年リリース。 【輸入盤CD】【ネコポス100円】Bruce Springsteen / Nebraska(ブルース・スプリングスティーン) ネブラスカ [ ブルース・スプリングスティーン ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020年05月11日
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ最近の記事を追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ → つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-L)へ → つづき(M-Z)アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでもありがたい です)をクリックお願いします! ↓ ↓ にほんブログ村 : 人気ブログランキング:
2020年05月07日
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“残った3人”が作り上げたヒット作 デュラン・デュラン(Duran Duran)は、1980年代前半にシーンに登場し、“ニュー・ロマンティック”と呼ばれる流れやMTVの交流に乗って一躍スターダムにのし上がったイギリスのバンドである。1980年代半ばには複数のメンバーがかかわるサイド・プロジェクト(パワー・ステーションおよびアーケイディア)も展開するが、5人編成だったバンドは、ロジャー・テイラーとアンディ・テイラーが脱退することになる。そして、残った3人―サイモン・ル・ボン、ニック・ローズ、ジョン・テイラー―が作り上げた(厳密には数曲でアンディ・テイラーも参加した)アルバムが、1986年リリースの『ノトーリアス(Notorious)』だった。 アルバムは、全米12位、全英16位のセールスを上げ、2曲のヒット・シングルも生み出すことになった。個人的にもよく聴いたアルバムで、1980年代前半のヒット・アルバム(『リオ』や『セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー』)以上に、妙な愛着のあるアルバムだったりする。 いくつか収録曲を挙げてみたい。表題曲の1.「ノトーリアス」と3.「スキン・トレード」が上記の2つのシングル・カットされたヒット・ナンバー。前者は、静けさの中のコーラスから始まるのが妙に印象的で、後者はファルセットのヴォーカルが特徴的だが、いずれも個性的なナンバーに仕上がっている。他に注目したいナンバーとしては、まずは、2.「アメリカン・サイエンス」。ヴォーカルとメロディラインに思わず引き込まれる不思議な魅力を持ったナンバーである。4.「ア・マター・オブ・フィーリング」もサビが頭から離れないナンバーだったりする。前半に注目曲が集中してしまうのだけれど、これは筆者が当時にA面を聴いた回数が圧倒的に多かったからなのかもしれない。ともあれ、メンバー脱退の危機を乗り越えたデュラン・デュランはこの後も活動を続けていくことになった。その意味では、一つの転機となった作品だったと言えるのかもしれない。[収録曲]1. Notorious 2. American Science3. Skin Trade4. A Matter of Feeling5. Hold Me6. Vertigo (Do the Demolition)7. So Misled8. Meet El Presidente9. Winter Marches On10. Proposition1986年リリース。 【輸入盤CD】【ネコポス100円】Duran Duran / Notorious (デュラン・デュラン) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年05月06日
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天才少年から天才アーティストへと踏み出したきっかけの1枚 一般に、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)が本格的なアーティストへと変貌していったのは、プロデュースを手掛けられるようになった1970年(この年にアルバム『涙をとどけて』をリリース)からと言われる。その結果、1970年代前半から半ばかけて、『トーキング・ブック』、『インナーヴィジョンズ』、『キー・オブ・ライフ』といった名作群が生み出されていった。 本盤『アップタイト(Up-Tight)』は、それに先立つ1966年の作品である。『涙をとどけて』が本格的にアーティストへと向かった第一歩だとするならば、そのきっかけを生み出したのは、実は本盤だったとも言える。11歳で見いだされ、12歳でデビューした天才少年には、声変わりが訪れ、数年後には契約打ち切りも検討され始めていたという。けれども、本盤は、そうした発想を否定することにつながった。 表題曲でもある6.「アップタイト」は、R&Bチャートで1位のヒットとなり、さらには、初めてグラミー賞にもノミネートされることになった。また、この曲はスティーヴィーの共作曲でもあり、共作者はシルヴィア・モーイ(彼の芸名から“リトル”を取るようレーベルに提案した人物だったと言われる)、ヘンリー・コズビー(本盤のプロデューサーの一人)だった。さらに、本盤には他にもいくつかの共作曲が含まれている。ちょうどこの時期のスティーヴィーは、作詞作曲者としても頭角を現し、他のアーティストのソングライティングも手掛けるようになっていった時期だった。 本盤からは上記6.の他にもヒットが生まれた。ボブ・ディランのカバーである3.「風に吹かれて」である。これもシングルとしてリリースされ、全米チャート9位、R&Bチャート1位のヒットとなった。本盤自体も全米チャートで33位、R&Bアルバムのチャートで2位の売り上げを残すことになった。 このように、成功を収めたアルバムとなったものの、本盤全体を見ると、統一感のない部分もあるにはある。例えば、11.「コンタクト・オン・ラヴ」は1962年のシングル曲の採録だし、9.「プリティ・リトル・エンジェル」も1964年の録音曲である。それ以外の曲の並びにもどこかちぐはぐに感じる曲配置が感じられないわけでもない。とはいえ、個々の楽曲の演奏や歌唱は確かによくできているし、上で見たような経緯を踏まえると、何かまだまだ模索をしている部分もあったのかと想像させられる。そうした中でも個人的に立ち止まって聴きたい曲として特に推したいものとしては、上記2つのヒット曲に加えて、1.「ラヴ・ア・ゴー・ゴー」、5.「今夜教えて(ティーチ・ミー・トゥナイト)」、10.「ミュージック・トーク」といったところ。後々の堂々たるアーティストとしての完成作には負けるとしても、結局のところ、天才ぶりがこの盤にもしっかり収められている。[収録曲]1. Love a Go Go2. Hold Me3. Blowin' in the Wind4. Nothing's Too Good for My Baby5. Teach Me Tonight6. Uptight (Everything's Alright)7. Ain't That Asking for Trouble8. I Want My Baby Back9. Pretty Little Angel10. Music Talk11. Contract on Love12. With a Child's Heart1966年リリース。 ↓今回の盤はこちら↓ アップタイト [ スティーヴィー・ワンダー ] ↓以下は今回の記事で触れたその他の盤↓ 【輸入盤CD】【ネコポス100円】Stevie Wonder / Signed Sealed & Delivered (スティーヴィー・ワンダー) インナーヴィジョンズ/スティーヴィー・ワンダー[SHM-CD]【返品種別A】 トーキング・ブック [ スティーヴィー・ワンダー ] 【国内盤CD】【ネコポス送料無料】スティーヴィー・ワンダー / キー・オブ・ライフ[2枚組][期間限定盤(期間限定(2017/8/17まで))]【K2017/5/17発売】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年05月03日
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スペイン語ロック名曲選(その4) 先の第2回(前回記事はこちら)に続き、メキシコのロック・バンドのナンバーです。1980年代後半のスペイン語ロックの定番曲の一つに、この「バホ・ラ・ルナ(Bajo la luna)」というのがあります。 “月影の下に”を意味する表題のこのナンバーは、クリスタ・ガジ(Crista Galli)なるバンドの代表曲なのですが、当時は1枚のアルバムを発表しただけのバンドでした。筆者もオリジナル・アルバムは入手できず、“ロック・エン・トゥ・イディオマ”関連の編集盤やエアプレイなどでこの曲ばかりを聴いていたというものです。 続いては、1993年のライヴ(TV番組)の映像です。 今回はさらにもう一つ。後年(2009年)のリミックス・ヴァージョンなるものが存在しますので、そちらもよろしければお聴きください。 [収録アルバム]Crista Galli / Crista Galli(1993年)Crista Galli / Exit(2008年、編集盤) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年05月01日
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