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1枚きりの名作 フィフス・アヴェニュー・バンド(The Fifth Avenue Band)は、1969年に本盤『フィフス・アヴェニュー・バンド(The Fifth Avenue Band)』だけを残し、シーンから姿を消した。この唯一の盤は、ロックにフォーク、カントリー、ジャズといった要素を取り込んだ良質な作品だった。 フィフス・アヴェニュー・バンドは、2つのグループ(エイヴォン・ハーバーとストレンジャーズ)が元になり、1968年に結成された。メンバーは、前者出身のジョン・リンド(ヴォーカル)、マレイ・ウェインストック(キーボード)、そして後者のバンドから合流したピーター・ゴールウェイ(ヴォーカル、ギター)、ケニー・アルトマン(ギター、ベース)、ジェリー・バーナム(ベース、フルート)、さらにはピート・ヘイウッド(ドラムス)の加入によって6人のメンバーとなった。 本盤のレコーディングは、ニューヨークからはるばるロサンゼルスに移動して行われた。その訳は、ラヴィン・スプーンフルのメンバーだったジェリー・イエスターとザル・ヤノフスキーが同地を活動拠点にしていたためという。1968年の末から数か月にわたってLAで録音が行われ、最後はニューヨークで残った曲のプロデュース(エリック・ジェイコブセンによる)が完成し、1969年10月にリリースされた。その内容は起伏やヴァラエティに富んだ親しみやすいロック・ナンバーのオンパレードと言える。 とにかく全編にわたってレベルが高く好曲揃いなのだけれど、敢えて何曲か聴きどころを筆者の嗜好で選んでみたい。まずは、冒頭の1.「ファースト・フレイト」。演奏にキレとメリハリがあり、この曲を含めて本盤の過半を占めるピーター・ゴールウェイの曲作りのよさも光っている。2.「ワン・ウェイ・オア・ジ・アザー」はケニー・アルトマンの作風のセンスの良さとジョン・リンドのヴォーカルが魅力的。これと同じ観点でいいのが、4.「イーデン・ロック」や9.「フェイスフル・ビー・フェアー」で、とくに4.は1969年時点でこの洗練度の高い都会感ただようナンバーが録音されていたこと自体からして見事というほかない。冒頭曲以外にピーター・ゴールウェイ作の注目ナンバーとしては、6.「カラミティ・ジェーン」(この曲は『オハイオ・ノックス』で再録されている)が特にお勧め。それから、ラストの11.「エンジェル」は唯一のジョン・リンドのペンによるナンバー。 よく言われるように、本盤はジャパニーズ・ポップ&ロックの源流の一つ(山下達郎なんかが愛好していたことがよく知られる)ともなった。しかし、残念なことに、その当時、本盤は広く受け入れられることがなく、フィフス・アヴェニュー・バンドの人気に火が付くことはなかった。徐々にメンバーが入れ替わり始め、1970年には解散してしまった。その後、ピーター・ゴールウェイは、オハイオ・ノックス(参考過去記事)やソロの作品を出すことになるが、それらと併せて本盤ももっと再評価されていい。とにかく有名ではないからという理由で聴かれることが少ないのなら、本当にもったいない話と思える代表的な盤の一つである。 [収録曲]1. Fast Freight2. One Way or the Other3. Good Lady of Toronto4. Eden Rock5. Country Time Rhymes6. Calamity Jane7. Nice Folks8. Cockeyed Shame9. Faithful Be Fair10. In Hollywood11. Angel1969年リリース。 フィフス・アヴェニュー・バンド [ フィフス・アヴェニュー・バンド ] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2020年10月30日
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華やかな“全盛期”の集大成作 ピーター・グリーン擁する活動初期にはブルース・ロック色の強かったフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)は、1970年代半ば以降、ポップでソフトなロックへと路線を明確に変え、『噂』(1977年)、『ミラージュ』(1982年)などといったヒット・アルバムを世に送り出した。 こうした“全盛期”のメンバーで臨んだ5枚目(バンドとしては通算18枚目)のアルバムが、1987年発表の『タンゴ・イン・ザ・ナイト(Tango in the Night)』であった。その内容をひとことで表すならば、この時までのバンドの10数年の方向性を集大成したアルバムになったと言えるように思う。実際、リンジー・バッキンガムは、本盤リリース後にバンドを脱退している(その後、1997年に復帰し、2018年まで再在籍)。 注目したい曲としては、まず1.「ビッグ・ラヴ」や7.「リトル・ライズ」が挙げられる。前者はリンジー・バッキンガム、後者はクリスティン・マクヴィー(名前がマクヴィーのままだが、この当時には既に再婚しており、この7.の共作者エディ・キンテラがクリスティンの夫である)がヴォーカルを務めている。他にもいくつかの曲がシングル・リリースされたが、これら2曲は全米・全英ともに10位圏内にチャートインした。同じくクリスティンの3.「エヴリホエア」も好曲で、全英のシングルチャートで4位を記録している。さらに、9.「ウェルカム・セーラ(ウェルカム・トゥ・ザ・ルーム…セーラ)」は、スティーヴィー・ニックスのナンバーで、コカイン中毒のリハビリ施設での体験を歌にしたものとのこと。あと、注目しておきたいのは、10.「ミッドナイト・ラヴ(イズント・イット・ミッドナイト)」。筆者の贔屓目も入っているかもしれないけれど、クリスティン・マクヴィーのカッコよさが光るナンバーだと思う。 ありきたりなまとめ方にはなってしまうが、このフリートウッド・マックの“全盛期”のよさは、やはり3人のヴォーカル体制が肝だったという風に思う。リンジー・バッキンガムのポップで洒落たセンス、スティーヴィー・ニックスの妖艶な魅力、クリスティン・マクヴィーの地道で優れた力量が絶妙のバランスで混じり合っていた。結局、本盤は全米で最高位7位、全英で1位となり、『噂』に次ぐこのバンドのビッグ・セールスを上げたアルバムとなった。余談ながら、筆者は本作のジャケットがなかなか気に入っている。ブレット・リヴィングストーン・ストロングというオーストラリア出身のアーティストによる作品なのだけれど、怪しさと明るさが同居する不思議な絵だったりする。[収録曲]1. Big Love2. Seven Wonders 3. Everywhere 4. Caroline5. Tango in the Night 6. Mystified7. Little Lies8. Family Man9. Welcome to the Room…Sara10. Isn't It Midnight 11. When I See You Again 12. You and I, Part II 1987年リリース。 タンゴ・イン・ザ・ナイト 2017リマスター・エディション/フリートウッド・マック[SHM-CD]【返品種別A】 【輸入盤CD】Fleetwood Mac / Tango In The Night (リマスター盤)【K2017/3/10発売】(フリートウッド・マック) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2020年10月27日
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近藤等則さん、哀悼(3/3) 先日亡くなられたジャズ・トランぺッターの近藤等則さんの演奏をもう少しお聴きいただこうと思います。今年になってコロナ禍が始まってからは、なかなか自由に演奏活動もできなかったのでしょうが、そんな中、『Beyond Corona』というCDを月刊で出されていました(オフィシャルサイト)。その視聴版がネット上にありますので、いくつか動画をピックアップしてみたいと思います。 『Beyond Corona I』が作られたのは今年の5月。その後、毎月のペースで第5弾までが制作されました。最初は緊急事態宣言など自粛まっしぐらの時期でしたが、その第1弾に収められた「On the Earth」です。 続いては、第3弾に収められた「Corona City」。コロナウィルスの影響は大きかったのか、コロナそのものや、新型コロナに関連すると思われる表題の曲がこれらのシリーズには散見されます。 最期となった第5弾は、過去の音源から“日本の秋”をテーマにして作られたものでした。ラストの動画は、本人出演の紹介映像をご覧ください。 ところで、お気づきの方もいるでしょうが、今回の3回に分けた記事では、アーティスト名をそのまま呼び捨てで書くのではなく、“近藤さん”と書きました。余談ではあるのですが、筆者は一時期お酒の席でよく彼とご一緒させていただきました。一言で言えば、“カッコいい生き方を実践している人”だと常々思っていました。71歳での逝去はくれぐれも残念でなりませんが、ご冥福をお祈りいたします。 近藤等則 / Berlin Solo Live 1995 at Taheles [CD] 【取寄商品】 CD/LIPS & WIND -唇に風-/近藤等則/TKC-13 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020年10月23日
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近藤等則さん、哀悼(2/3) 2020年10月17日に急に亡くなられたトランペット奏者、近藤等則さん(享年71歳)の追悼ということで、引き続きいくつかの動画をご覧いただきたいと思います。年を重ねてからのこの人の活動は、派手に人目を引くというよりは、渋さや独自路線といった表現がしっくり来るものだったように思います。 まずは、2015年のライヴのワンシーンをご覧ください。「あなたは恋を知らない(You Don’t Know What Love Is)」の演奏シーンです。スタンダード曲ですが、演奏内容は全然スタンダードではなく、この鬼気迫る演奏は、晩年の演奏に特に顕著に見られたように思います。 同じように魂のこもった迫力の演奏をもう一つご覧いただきたいと思います。2017年3月11日(大震災からちょうど6年後)、福島県楢葉町での「地球を吹く(Blow The Earth)」をご覧ください。大地、地球と直接対話しているかのような演奏が実に印象的というか、それを超えて感動的と言ってもいいように思います。 この人は2010年に東京経済大学の客員教授になったりもし、大学とフリージャズという、一見結びつきにくい組み合わせを実現しました。以下は別の大学での演奏ですが、このライヴ映像(2時間以上の長い映像で、最初の方はなぜか空白?のビデオですが、好みでかいつまんでご覧ください)なんかは、哲学という学問とフリージャズをかけ合わせるという、なかなか面白いというか、こういう刺激的なものがこれからの世の中には必要なんだろうなと感じさせてくれるものです。 あともう少し、この人の演奏を聴き続けたいところですが、再び長くなってきましたので、回を改めて次の更新記事でということにしたいと思います。次回更新まで少々お待ちいただければ幸いです。 【送料無料】 近藤等則 / 喇叭富士 Loves Fuji 【CD】 LIPS & WIND -唇に風ー [ 近藤等則 ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓
2020年10月22日
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近藤等則さん、哀悼(1/3) ジャズ・トランぺッターの近藤等則さん死去というニュース(参考外部リンク)を目にし、驚いています。ライヴを控えていた前日の急逝ということで、本当に突然の訃報でした。追悼の意を込めて、3回に分けて彼の演奏を動画と共に振り返ってみたいと思います。 まずは若かりし頃(と言ってもすでに40歳ぐらいだったわけですが)の演奏をどうぞ。1988年のジャズ・フェスの映像で、近藤等則&IMAによる「YAMI」です。 この少し後の1990年代にはドラマへの出演もありましたが、“武骨な男前”というのが往時の近藤等則という人についての筆者の印象です。そういえば、この当時は、CMにも登場していたりしていました。例えば、一世を風靡したアサヒ・スーパードライにも出演ということがありました。短いですが、その映像をご覧ください。 この人は、ジャンルを問わず様々なミュージシャンとも共演しました。その一例ということで、エレファントカシマシの「東京の空」での共演の映像をどうぞ。2004年のライヴ映像とのことです。 まだ続きがあるのですが、この辺で回を改めたいと思います。近藤等則さんの追悼、今しばらくお付き合いくださればと思います。 いのちは即興だ [ 近藤等則 ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020年10月21日
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スペイン語ロック名曲選・第2弾(その4) マヌ・チャオ(Manu Chao)は、フランス出身のスペイン系アーティスト。スペイン系と言っても、マドリードなどではなく、父はガリシア地方、母はバスク地方の出身で、スペインの中でも“辺境”後にルーツを持っています。彼は、フランコ独裁時代にスペインを逃れてフランスへ脱出した両親のもとに生まれたということだそうです。 1980年代後半から90年代前半にマノ・ネグラで活動した後、彼はソロ活動を展開していきました。2001年作の『…プロクシマ・エスタシオン…エスペランサ(次の停車駅は…希望)』に所収でシングル・カットされた曲のうちの一つがこの「メ・グスタス・トゥ(Me gustas tú)」です(曲の表題は“僕は君のことが好き”の意味です)。 この曲のライヴでの演奏もご覧ください。アメリカはテキサス州オースティンでのライヴの様子とのことです。 [収録アルバム]Manu Chao / …Próxima estación…Esperanza(2001年) 【輸入盤CD】Manu Chao / Proxima Estacion: Esperenza (マヌ・チャオ) ↓こちらはLPです。↓ 【輸入盤LPレコード】Manu Chao / Proxima Estacion: Esperenza (w/CD)(マヌ・チャオ) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2020年10月20日
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ最近の記事へのリンクを追加しています。INDEXページへは、下記もしくは本ブログのトップページのフリーページ欄からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ → つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-L)へ → つづき(M-Z) アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー (1つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓
2020年10月18日
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メンバーが入れ替わり、移ろいゆく中での第5作 フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)のスタジオ第5作として1971年に発表されたのが、『フューチャー・ゲーム(Future Games)』というアルバムだった。当時のフリートウッド・マックはメンバーの入れ替わりが続き、ピーター・グリーンが脱落したのに加えて、ジェレミー・スペンサーも脱退してしまう。ブルース・ロックのバンドから次のステージへの変容過程の最初が、ピーター・グリーンの去った後の前作『キルン・ハウス』だとすれば、ジェレミー・スペンサーが抜けた後、変容過程の第2弾がこの『フューチャー・ゲーム』ということになろう。本盤では、新たなメンバーとしてボブ・ウェルチが加入し、さらには、前作においてコーラスなどで加わったクリスティン・マクヴィー(Christine McVie,クリスティン・パーフェクト)が正式メンバーとしてフル参加している。 過渡期の作品ということで、この前後の作品は影の薄い扱いを受け、ブルース・ロック色全開のバンド初期や、1970年代半ばから後半にかけての“全盛期”の作品みたく、頻繁に取り上げられることもない。けれども、筆者個人としては、どうしても無視できない親しみが本作やその前後の盤にはあったりする。 その理由は何なのかを考えてみると、本盤に関しては以下の2つの特徴から来るものだという気がする。一つめは、そこかしこに漂う“暗さ”や“まったり感”である。引き締まった派手な演奏は期待できない。かといって、後の“全盛期”のしゃきっとした完成度のようなイメージもしない。以上は悪い意味で言っているのではない。本盤は、決して作品としてぼやけているわけでもなく、どこか掴みどころのなさとでも言えるような部分が不思議な魅力になっている。 そしてもう一点は、新加入のボブ・ウェルチとクリスティン・マクヴィーの活躍である。収録の8曲のうち、出色は表題曲の4.「フューチャー・ゲーム」。ウェルチの作のナンバーで、8分超の長尺ながら、上述の“掴みどころのなさ”を象徴している曲と演奏である。次に、クリスティン作の2.「モーニング・レイン」。曲調もクリスティンのヴォーカルも、本盤で最も“カッコいい”ナンバーと言える(ちなみに、同じくクリスティンによる8.「微笑(ショウ・ミー・ア・スマイル)」もおすすめ)。もちろん、これら2人だけが活躍しているわけではない。この頃のフリートウッド・マックの音楽性を主導したのはダニー・カーワンだったが、カーワンの魅力が特に出たものとしては、1.「千年の女(ウーマン・オブ・ア・サウザント・イヤーズ)」。このナンバーのまったり感と浮遊感は、独特のものというだけでなく、本盤を象徴するものだと言える。[収録曲]1. Woman of 1000 Years2. Morning Rain3. What a Shame4. Future Games5. Sands of Time6. Sometimes7. Lay It All Down8. Show Me a Smile1971年リリース。 輸入盤 FLEETWOOD MAC / FUTURE GAMES [CD] ↓本盤を含む複数盤のセット↓ 【送料無料】ORIGINAL ALBUM SERIES[輸入盤]/FLEETWOOD MAC[CD]【返品種別A】 ↓こちらはLP盤です。↓ 【輸入盤LPレコード】Fleetwood Mac / Future Games(フリートウッド・マック) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 “ぽち”応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年10月15日
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魅惑の曲とヴォーカル、ファースト作 フランシスコ・セスペデス(Francisco Céspedes)は、1957年キューバ出身で、メキシコに帰化した男性シンガー。1997年に彼が最初に発表したアルバムが、『ビダ・ロカ(Vida loca)』である。現在に至るまで数年おきに合計10枚近いアルバムを発表している。また、デビュー以前にもソングライターとして活動しいて、ルイス・ミゲルの楽曲を書いたりもしている。 フランシスコ・セスペデスという人は、元キューバ人らしく、キューバの“フィーリン”などの現代音楽のよき伝統を受け継いでいる。彼の紡ぎだす音楽は、軽妙でいて、かといってありきたりではなく、しっかりと個性があるというように思う。このファースト作では、後の諸作に比べるとまだ荒い部分もあるかもしれないが、そうした彼の特徴が十二分に発揮されている。 1曲(4.「レモリーノ」)を除いて、すべての収録曲がセスペデス自身のペンによる。注目したい曲としては、シングルとして好評を得た3.「ビダ・ロカ」や7.「セ・メ・アントハ」が挙げられる。前者はしっとり系のバラードで、後者はミディアム・テンポで聴かせるポップ・ナンバー。さらに、11.「セニョーラ」は、テレビ・ドラマの曲として親しまれた曲。これらとくに有名な曲以外に筆者のお気に入りとしては、1.「トド・エス・ウン・ミステリオ」や5.「ペンサール・エン・ティ」も捨てがたい。 その後、フランシスコ・セスペデスはさらなる進化を遂げ、いくつも好作を残している。すべての作品を聴いているわけではないけれど、他の作品についても機を見て取り上げていきたいと思っている次第である。[収録曲]1. Todo es un misterio 2. Como si el destino3. Vida loca4. Remolino5. Pensar en ti 6. Tú por qué7. Se me antoja 8. Que hago contigo9. Morena 10. Vida vida11. Señora 1997年リリース。 【中古】 Vida Loca / Francisco Cespedes / Warner Music Latina [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年10月12日
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スペイン語ロック名曲選・第2弾(その3) 不定期でお届け中のスペイン語ロックの名曲を取り上げるシリーズの第3回です。カフェ・タクーバ(Café Tacvba)は、メキシコを代表するロック/オルタナ系のバンドです。1990年代からシーンで活躍していて、今ではトップ・バンドとして活動を続けています。 そんな彼らが1996年に発表したサード作『アバランチャ・デ・エクシトス』所収の曲を今回は取り上げてみたいと思います。“ヒット曲の雪崩”というアルバム表題を見ると、ベスト盤のように見えますが、実際にはそうではなく、全編がカバー曲という異色の作品でした。 その中に収められた1曲がこの「オハラー・ケ・ジュエバ・エル・カフェー(Ojalá que llueva café)」です。ドミニカ共和国出身でグラミー受賞の有名アーティスト、フアン・ルイス・ゲラの楽曲で、“コーヒーの雨よ降っておくれ”という意味のタイトルです。 まずは、アルバムのヴァージョンをお聴きください。画面は動かず、上記アルバムのジャケット・イメージのみです。 続いては、カフェ・タクーバのライヴでの演奏シーンです。 この曲の元々の作者がどんなアーティストだったのか気になる人もいるのではないでしょうか。そんなわけで、ライヴでのフアン・ルイス・ゲラの姿もご覧ください。 [収録アルバム]Café Tacvba / Avalancha de Éxitos(1996年)Juan Luis Guerra y 4.40 / Ojalá que llueva café(1989年) ↓ベスト盤です(本記事の曲も収録)↓ Tiempo Transcurrido: The Best of Cafe Tacuba 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2020年10月09日
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エディ・ヴァン・ヘイレン追悼 ヴァン・ヘイレンの中心メンバーでハードロック界の伝説的ギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen,エドワード・ファン・ハーレン)の訃報が報じられました(参考ニュース記事)。ライトハンド奏法で一世を風靡し、ロック・ギター演奏に大きな革新をもたらしたギター奏者でしたが、帰らぬ人となりました。2000年代に入ってから、闘病などの時期が長かったですが、癌により、2020年10月6日、65歳で逝去とのことです。 エディの追悼ということで、何曲か動画とともに振り返りたいと思います。 まずは、初期の有名なナンバーから。ヴァン・ヘイレンのデビュー盤(『炎の導火線』)からのナンバーで、「イラプション(Eruption)」(邦題は「暗闇の爆撃」)です。デビュー盤は1978年でしたが、映像は1986年のライヴのものとのこと。エディのギター・ソロ満開の演奏場面です。 続いては、上のライヴ演奏とは時期が前後しますが、デイヴ・リー・ロスが若々しく上半身半裸で飛び回っていたころの映像です。セカンド作『伝説の爆撃機』からのシングル曲、「踊り明かそう(Dance The Night Away)」です。 そんなデイヴとエディの比較的最近に近いものということで、2010年代に入ってからのライヴ演奏の模様です。アルバム『1984』からのヒット曲の「ジャンプ(Jump)」です。デイヴの独特の動きも、エディの職人ぶりも、長い年月で見た目は変化しても、その本質は変わらずといったところでしょうか。 最後にもう一つ。ヴァン・ヘイレンなるバンドの声と言えば、圧倒的にこのデイヴを思い浮かべる人が多いでしょうが、筆者はサミー・ヘイガーの時代も好みでした(正確にはサミー・ヘイガーの声が好きというだけでもあるのですが)。1985年にデイヴが抜け、サミーが加入、空白期もありましたが、サミーは2000年代初頭までメンバーとしてかかわりました。そんなサミー・ヘイガーとエディ・ヴァン・ヘイレンが共演して、「ロックン・ロール」(L・ツェッペリンのあの曲のことです)を演奏しているというビデオです。 ギター・フリークにとっては、エディ死去というのは、何だか一つの時代が終わったという感じかもしれません。まだ60歳代半ばという年齢でこのタイミングが来てしまったことは残念ですが、安らかに眠らんことをお祈りします。R.I.P.[収録アルバム]Van Halen / Van Halen(炎の導火線)(1978年) ←「暗闇の爆撃」収録Van Halen / Van Halen II(伝説の爆撃機)(1979年) ←「踊り明かそう」収録Van Halen / 1984(1984年) ←「ジャンプ」収録 【輸入盤CD】Van Halen / Van Halen (ヴァン・ヘイレン) 【輸入盤CD】Van Halen / II (ヴァン・ヘイレン) Van Halen バンヘイレン / 1984 輸入盤 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓
2020年10月07日
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脇役としてもリーダーとしても実力を発揮したベース奏者によるリーダー作 オスカー・ペティフォード(Oscar Pettiford)は、1922年オクラホマ生まれのベース奏者(1960年没)。1940年代に本格的に活動を始め、1950年代を通じて様々な吹き込みを残したジャズ・ベーシストの父とも言えるようなミュージシャンである。バップ時代のサイドマンとして、数々の録音を残したほか、ベース奏者としては、さらに、若くして亡くなったことも勘案すると、それなりの数のリーダー作を残している。 本盤『オスカー・ペティフォードの真髄(Oscar Pettiford Vol. 2)』は、『アナザー・ワン(Another One)』というタイトルでもリリースされた盤で、1955年に吹き込まれた。日本盤の『…真髄』という表題のつけ方、こればかりは、個人的にはどうも好みではない(かつてジャズの世界ではこういう仰々しい言い方がもてはやされたのも確かだった)けれど、確かに彼の本質が表現されていて、絶頂期を示す盤という点については、確かにその通りだと思う。 本盤の収録曲は粒ぞろい。ひとことで言えば、外れのない安定した演奏内容だと言えるだろう。1.「アナザー・ワン」や5.「オスカリプソ」、あるいは9.「カマンズ・アカミン」といった演奏のテンポのよさは印象的で、しかもいつ聴いても心地よい。けれども、本盤の最大の聴きどころはというと、3.「スターダスト」と4.「ボヘミア・アフター・ダーク」ということになるだろうか。後者は、ペティフォードの有名なオリジナル曲で、様々な奏者によって演奏されている(例えばこちらは筆者の大のお気に入りだったりする)が、ペティフォードがニューヨークの“クラブ・ボヘミア”を拠点にしていたことによる。前者の3.「スターダスト」は、有名なスタンダード曲だが、ピアノも入っているとはいえ、ほぼベース・ソロに近い演奏内容。ベース奏者の面目躍如の力のこもった名演と言えるように思う。[収録曲]1. Another One2. Minor Seventh Heaven3. Stardust4. Bohemia After Dark5. Oscalypso6. Scorpio7. Titoro8. Don't Squawk9. Kamman's a-Comin'[パーソネル、録音]Oscar Pettiford (b, cello)Donald Byrd, Ernie Royal (tp: 3.を除く)Bob Brookmeyer (v-tb: 3.を除く) Gigi Gryce (as, cl: 3.を除く)Jerome Richardson (ts, cl, fl: 3.を除く)Don Abney (p)Osie Johnson (ds: 3.を除く) 1955年8月12日録音。 【輸入盤】Classic Albums 1953-1960 [ Oscar Pettiford ] 輸入盤 OSCAR PETTIFORD / 7 CLASSIC ALBUMS (DIGI) [4CD] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年10月05日
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名曲揃いの新クインテットによる好実況演奏盤 マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のクインテットは、ジョン・コルトレーン(サックス)のほかレッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)の時代に始まり、メンバーの変遷を経ながら、1960年代には、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)トニー・ウィリアムス(ドラムス)の時代へと移り変わっていく。このうち、後者のメンバーの時期に録音されたライヴ実況盤が、1964年ドイツのベルリンでの演奏を収めた本作『マイルス・イン・ベルリン(Miles in Berlin)』である。 『マイルス・イン・トーキョー』とほぼ同じ時期の録音(東京は1964年7月で、ベルリンは同年9月)だが、メンバーには異動がある。テナー・サックスがサム・リヴァースからウェイン・ショーターに代わっており、その新メンバーでの早速のヨーロッパ公演で録音された音源ということになる。独特の個性があったサム・リヴァースに対し、ウェイン・ショーターはメロディックに流れていくような演奏を意図しているように思える。 本盤の大きな特徴の一つは、その選曲にあるとも言えよう。1.「マイルストーンズ」、2.「枯葉」、3.「ソー・ホワット」、4.「ウォーキン」という曲の並びを見れば一目瞭然だけれど、とにかく代表曲のオンパレードなのである。無論、どの曲にしても、既発表のレコーディングと同じアレンジというわけではなかったり、それぞれ独自性が出されたりしている。とはいえ、これだけ有名曲を並べて、以前とは違うメンバーや異なるアレンジで披露されると、聴く側としては断然盛り上がってしまう。 そんな中でも、個人的に特に注目と思うのは、1.「マイルストーンズ」と3.「ソー・ホワット」。前者は、とにかくマイルスの演奏がスリリング。後者は、マイルスの演奏もさることながら、新加入のウェイン・ショーターがこのメンバーに溶け込んでいく様子がドキュメントのように見えるのが面白い。 余談ながら、当時、本盤はドイツでのみリリースされ、アメリカでは発売されなかった。日本盤も1970年代に入ってから出たとのことである。上述の同じ年の東京でのライヴ(『マイルス・イン・トーキョー』)は1969年にリリースされ、発売のタイミングは違ったわけだけれど、レコーディングのタイミングとしては2か月しか離れておらず、あらためて同じ年のライヴ演奏盤として並べて聴くのもよいのではないだろうか。[収録曲]1. Milestones2. Autumn Leaves3. So What4. Walkin'5. Theme[パーソネル、録音]Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)1964年9月25日録音。 マイルス・イン・ベルリン +1 [ マイルス・デイビス ] マイルス・イン・ベルリン +1/マイルス・デイビス[Blu-specCD2]【返品種別A】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2020年10月02日
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