貴方の仮面を身に着けて

貴方の仮面を身に着けて

2007/10/13
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目に見えぬ流れが光りいかずちの恐れは人の記憶に落ちる

太陽の熱した大地を冷やす雨あめつちの理を見る心地する

生温き風吹く夜も青白く冷たき顔を見せる三日月

乾く喉水を求める百日紅褪せる色にも焦がれる思い

汗拭う目先に白き雲湧きて秋近き空高く澄みゆく

重ね行く日々疑わず過ごす時月なき空にも何故と思わず

迷いつつ犬に引かれてゆく道の果てを思いて一人で笑う

鶏頭の赤き飾りを振り立てて軽ろき中身を隠して騒ぐ

柿色に染まりゆく陽の落ちる午後秋駆け足に渡る空かな



風吹きて空再びの狂乱に叫ぶ如きの天変を見る

たわむれを風にまかせてコスモスと蝶は秘密を持ちつつ笑う

半袖の夕暮れ寒き食卓に湯気立ち上る鍋の恋しき

街灯に長く後ろに影を引き見上げる窓に笑い声聞く

侘しさに染み入る紅き色なれど折るを躊躇う彼岸花かな

秋の声聞くといえども残る陽の熱さいまだにさめやらぬ宵

湯上りの肌吹き抜ける風にさえ混じり行く秋彼岸の近し

夜の空月も冷たき光帯び暑き季節も夢の彼方へ

揺れるのは風とトンボと彼岸花儚く過ぎる日々の想いと

夕暮れの色吸い込みて茜色手に暖かき柿の実ひとつ

黄金の波を刈りつつ仰ぎ見る空青くして白鷺の舞う



不可思議な絵を青空に描くのは如何なる巨匠の筆かと思う

静けさを肴に一人飲む酒の染みるは胃の腑ばかりではなく

雨音に見やる窓には笹の葉のうなだれる庭朽ちる草花

風白く小径を抜けるその先に人影もなし秋の夕暮れ




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Last updated  2007/10/13 01:02:01 PM
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龍5777 @ Re:白衣の盾・叫ぶ瞳(3)(03/24) おはようございます。 「この歳で 色香に…
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