鈴木 セイヤ 0
全909件 (909件中 51-100件目)
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週木曜日、門別競馬場に出かけてきました。 途中、競馬場近くの牧場の放牧地に、馬の姿が見えました。 草を食む馬たち 草の色の緑も、色鮮やかに感じられる季節になって来ました。 さて、門別競馬場。 ちょっといつもと違う角度からの風景を。 ほんと、広々としてるよね。門別の景色は。 5月25日 第7レース キタサンドライバーで勝った石川倭騎手が、(JRAでの1勝も含めた)全国通算900勝を達成! 外の2番が石川倭騎手 数だけ見ればすごいことですが… 今季は、体調不良による騎乗キャンセル(騎乗停止)から始まる、波乱のシーズンとなっている、彼。開幕2周目から復帰しましたが、結局負担重量が56kg以上の馬しか乗っていません。とりわけ、負担重量が軽い2歳馬戦(いまの季節は牡牝共54kg)には、ひと鞍も乗っていないのです。 昨年は、夏ぐらいまでは54kgの馬には乗っていて、結果も出していました。 今季の競馬に取り組む、彼の心中いかばかりか……。 これは、彼の姿を見るこちら側としても、今シーズン通じての「宿題」…… 今季、先週までの石川倭騎手の成績は、67戦して16勝2着15回。トップの落合玄太騎手が110戦しているのと比べると、6割の騎乗数ですが、勝率は24%、2連対率はなんと!驚きの46%。 限られた機会の中では、突出した成績を残していると言えます。 石川倭の、いまと、これから。 これまで以上に興味を持って注目しています。 ところで。 JRAでは昨年秋に発表された負担重量の変更策にのっとり、今年の2歳馬の負担重量は6月の2歳馬戦のスタートから55kgです。10月には牡は1kg増量され56kg。 地方競馬はどうやら全場、これに追随せずに、2歳馬戦は54kgスタートとなったようです。どうしてそうなったのかがわからないのですが…。JRAが負担重量の変更の理由として掲げた「騎手の健康と福祉」そして「騎手の人材確保」の観点は、地方競馬にとってはもっと切実に言えること。様々な意見もあるでしょうが、是非取り組んで欲しい問題です。 さて、この日5月25日には、重賞のヒダカソウカップが行われました。 勝ったのは、石川倭騎手騎乗のネーロルチェンテ 昨年一昨年と続けて6着だったこのレースを、今回は豪快な「イン捲り」で勝ちました。 文字通り、3度目の正直。 今季ここまで、門別で行われた重賞は4つ 桑村真明騎手がまずエトワール賞と北斗盃で2つ そして石川倭騎手がコスモバルク記念とヒダカソウカップであとの2つ いずれも、昨季もずっと手綱を取ってきた馬たちでの勝利というとこrに、印象深いものがあります。 ネーロルチェンテの次走は、予定通りノースクイーンカップ。 向かないと思われていた内回りコースでもこの強さですから… 得意な舞台でのレースとなる次走は、一層注目されますね。 今週の門別競馬場は、もう昨日からレースが始まっていますね。 今日と明日までで3日間開催。 明日6月1日には、ダートグレード競走の北海道スプリントカップ(Jpn3)が行われます。 かわりまして。 昨日、5月30日。名古屋競馬場に出かけてきました。 東海地区も、一昨日29日に梅雨入りが発表されました。 先週段階の天気予報では、今週はだいたい雨という残念な予報だったのですが……日が近づくにつれて天気予報が変わり、今日明日までは天気はもちそう。昨日も曇りの間に時々晴れる、ぐらいの天候でレースが行われていました。 名古屋からまず最初の話題は「今週のキッチンカー」 ひとつ残念なニュースが入ってきました。 この名古屋競馬場で、開催日連日のように出店してくれていた、あの横綱・白鵬のいた「宮城野部屋直伝」のちゃんこのお店「大ちゃん食堂」が、明日5月31日の東海ダービー当日の出店で、当面最後となります。 あの白鵬も食べていた? 宮城野部屋秘伝の味を、キッチンカー用にアレンジして提供。 この日の塩ちゃんこも美味しく頂きました! 運営していた、海猿さん。 いつもこの笑顔と一緒に、美味しいちゃんこを出してくれていました。 この笑顔に行き会えなくなるのも残念……。 実は宮城野親方(元横綱・白鵬)が観光大使を務める、相撲発祥の地とされる奈良県葛城市で、リアルのちゃんこのお店を出されるとのこと。6月からはそのために、現地に移ることになったそうです。 奈良のお店がうまく行くよう、かげながら応援していきたいです。 いつかまた、その場所に食べに行けるかな? 今日、東海ダービー当日 名古屋競馬場を訪れる方 是非こちらの「大ちゃん食堂」にもお立ち寄りください。 次の話題。 短期移籍で笠松にて騎乗していた保園翔也騎手が、今月いっぱいで所属先の浦和へ戻ります。 30日、東海地区所属としての最後の騎乗がありました。 昨年秋に名古屋へ短期移籍で来て、およそ4ヶ月。そして笠松にも行き、トータルで半年間。そう聞けば長い滞在ですが、 「半年、あっという間でしたね」 ……と、彼は振り返ります。「笠松では、数字を出すことに拘っていたのですが、思うようには勝てませんでした。」 と、残念そう。「競馬そのものについても、勿論得るものはありましたが、競馬以外の部分、仕事の流れとか人間関係とか、そういった面で得たものもすごく大きいものがありました。こちらでは温かく迎えてくれて、いい形で仕事もさせてもらえました。」 レースが終わって、泥も拭う前に話に来てくれました。 もう今日31日には浦和の調整ルームに入って、明日6月1日には浦和での騎乗が控えています。ここから、新たなストーリーを紡いでいけるかどうか。彼の姿に注目していきたいです。 続いての話題。 丸野勝虎騎手3000勝と、今井貴大騎手1500勝(いずれも地方競馬通算) 達成セレモニーが行われました。 今井貴大騎手 昨日30日には11Rマスクトライで勝利 この勝利が地方競馬1501勝目 1989年2月生まれで、34歳 彼と話すときには、とにかくいつも「怪我なく無事で」が合い言葉のようになっています。怪我が多く、長い休みも何度かありました。「古傷が痛むこともある」とも。 当面の目標は2000勝。 これは以前から、ずっと話していること。「身の回りの状況もあるから、とにかくまず2000勝に早く到達できるよう頑張って行きたいです。2000勝まで行ったときに、色んな選択肢が出てくるのではないでしょうか。」 生業として、競馬に携わっていく、その仕事のありようについての率直な思いを話してくれました。 丸野勝虎騎手は、セレモニーが行われた30日にも、7Rベリーナブルーなど2勝 これが地方競馬3003勝目 今年の8月で49歳になる丸野騎手。 常々、この3000勝を「大きな節目」のニュアンスで話していました。 ついに、迎えましたね。3000。 今日31日に行われる東海ダービーには「不動の対抗馬」リストンに騎乗します。 馬のデキもいいらしく、「楽しみだね」と話す丸野騎手。 どんなレースを?と尋ねたところ……「ダービーだからね。遠慮しても仕方がないから。」 ……この言葉には迫力がありました。 どんなレースになるんだろう。 一方、「不動の本命馬」の方も、調整は順調にいったみたい。 セブンカラーズの川西毅調教師 写真中央が川西毅調教師「一週前に速い時計が出ました、それでも馬はまだ全然楽でした。ずっとフケ気味だけど、それは前走も同じ。力は出せる状態です。」 ……と、状態面についてひとしきり話したあと…… 「無事に回ってくればね……『無事に』……」 この「無事に」を繰り返しつぶやくように話す川西調教師。 ダービーだけでなく、競馬に関して、これまで様々な出来事を経てきた彼だからこその、この「無事」言葉の「重み」のようなものが伝わってきました。我々が外から見て、「競馬は何が起きるかわからない」と決まり文句のように言うのとは、全然違う、重み……。 「ずっと追われる立場でここまで来たから。追われる立場って言うのはありますよね。これは本当にキツい。精神的にやられるような感覚です。」 セブンカラーズに携わる人々みんなが、そんなピリピリとした感覚を味わいながら、この大一番を迎えることになるのでしょう。それが「ダービー」。その感覚も、ダービーにその立場で臨む人々しか味わうことが出来ない、特別なもの。 さあ、今日の名古屋はダービーデイ。 ナイター開催ですよ!! 東海ダービーは11R 20時15分に、この場所にいる人々と馬たちが、3年がかりで織り成してきた壮大なドラマの、幕が開きます。
2023年05月31日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日はまず、これまで積み残していたこちらのコーナーから。 名古屋競馬場に来てくれたキッチンカーの食べ物と、運営されている方々の横顔をご紹介する、題して「今週のキッチンカー」(仮題) 今回ご紹介するキッチンカーは、こちら!(取材日は5月3日です) チキンケバブのお店「hesam's」 インスタグラム @hesamfood 薄皮で包んだケバブと、ケバブ丼の2つのメニューが売られていました。 ケバブといえば、やはりこの肉のかたまり、ですよね。 巷では業務用の冷凍ですぐに使えるものも売られているそうなんですが…… このお店ではそれは使わず、自らお肉を焼いて仕込んでいるとのこと。 「手間はすごく掛かるけど、冷凍のものとは味が全然違うよ」と。 頂いてみて、ビックリしたんですが… ケバブって、何だかお肉がパサパサな印象があったんです。それまで。 でも、ここのお肉はとってもジューシー。野菜もたっぷり入って、美味! あとは、ソース ケバブの味の決め手はこのソースで、どこのお店でも作り方は門外不出だとのこと。 ここのソースは、とても食べやすい優しい感じの味がしました。 ご夫婦で、キッチンカーを運営されています。 左がヘサム 右がミカ ミカもブラジル出身だとのこと。 二人とも、もうもの凄く以前から日本にいて、もはや自らのルーツを意識することがなく普通に日本で暮らしているそうです。 元々ふたりは、岐阜の坂祝にあった自動車工場で知り合い、パートナーになったとのこと。 とっても明るいご夫婦。楽しく様々なお話を聞かせてくれました。「去年の2月からこのキッチンカーを始めました。今年の1月からはもうこのキッチンカー一本でやっています。」 キッチンカーを始めた動機を聞いてみると、衝撃の事実が…… 「実は、コロナの間に勤めていた自動車工場の閉鎖が決まったんです。それも、コロナで工場が休業になっている間に、家でニュースを見てそのことを知りました。」 解雇にはならずに、愛知の岡崎の工場に移れるという話だったそうなのですが……「丁度そのタイミングで、工場の近くに家を建てていたんです。それで、岡崎の工場に移ることは出来なくて。岡崎は遠すぎますから。」 何という、人生の運命のいたずら。 コロナで、人生まるっきり変わってしまった、という方が、ここにもおられた。 どうしよう、となって…… 選んだのは、ミカが常々「やってみたかった」と思っていた、飲食の仕事。 一昨年の8月から準備を始めて、7ヶ月ぐらい準備にかけて開業にこぎ着けたそうです。 名古屋競馬場に来てくれたのは、この取材のときで3回目か4回目とのこと。「競馬場に来るようになったのも、昔の土古の競馬場に行ったときにたまたまキッチンカーが出ていて、『こういうところで見せ出したいな』と思ったのがきっかけです。そこから、人に知り合えて、こうしてここに来られるようになりました。」「この仕事をしていると、たまに自信なくなるときもあるけれど……でも、自分たちで考えてやっていける仕事。工場と違って『上のひと』っていうのはいないから。自分たちのせいじゃないのは天気だけですよ(笑)。」 工場勤めから転じて始めたこのキッチンカーの仕事に、大きなやりがいを感じているようでした。「いま、キッチンカー業界は、すごく質が上がってきていると感じます。自分たちも、メニュー1個ではやはり足りません。いま、キッチンカーにほら(中を指差して)調理用の鉄板もつけたんですよ!」 新たな商材、新たなメニューの開発に余念がないようです。 彼らと話していると…… 本当は大変なんだろうけど、それを感じさせない「明るさ」が素晴らしい。 このお店を訪れるだけで、何だか楽しい気持ちになります。 それもまた、キッチンカー、なんじゃないでしょうか。 もう一度 インスタグラム @hesamfood 巷で見つけたら、是非ケバブを試してみて下さい。 いままでの「ケバブ観」が変わるおいしさですよ! さて、競馬の話しも少し。 今夜、重賞の大井記念が行われた大井競馬場に行ってきました。 夕暮れ時から、こんな感じのお客さん方の入り 2週前の羽田盃の時よりも、大勢入って盛り上がっていたな… Lウイング「ロティサリーチキン」のバターチキンカレー カフェでケーキも 大井競馬場は「ご飯どころ」がいっぱいあるから。 ちょっと晩ご飯を食べに来るには最適の場所です(笑) メインレースの大井記念は、セイカメテオポリスが快勝! 吉原寛人騎手 コロナ禍中の制限が撤廃されて、またこうして南関東の重賞での騎乗依頼を受けて活躍出来るようになりました。こういう部分も、ポストコロナの世の中の流れのひとつと言えるでしょう。 明日は門別で乗るらしいので…私も、追いかけて門別に行こうかな(笑)。 明日の門別は、牝馬の重賞・ヒダカソウカップが行われます。 そしていよいよ、来週水曜日は東海ダービーだ…… はやいな。
2023年05月24日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 コロナの感染症法上の位置づけ変更に伴い、世の中の様子も随分変わってきました。様々な制限が撤廃されたり、置かれていた検温とか消毒の機材がなくなったり。 競馬場の出入りも、随分オープンになっていました。 例えば、5月10日水曜日の羽田盃当日に訪れた、大井競馬場。 こちらは、モノレールの駅に近い方の出入り口。 そしてこちらは、バス停のロータリーがある、正門。 入場登録を確かめたり検温をしたりするための「関所」がなくなり、スッキリ。というより、むしろがらーんとした感じになりました。 お客さんの入りは、こんな感じだったな…… メインレースの時にも、コロナ禍の前の賑わいにはまだ及ばぬ感じでした。 これから、なのか それとも、こんなもの、なのか…… 誘導馬となったトロヴァオに行き会えたのは、嬉しいことでした。 現役時代、2歳の時に門別でデビューしたときは、私も競馬場で実況喋っていましたから…この馬のレースも実況したな。当時から気性的にかなり難しいところのある馬で、実際レースでも凄く走ったり全然走らなかったり、ムラなところがありましたよね。 私が実況喋ったレースでは、直線で右に左に大立ち回りだった(汗)。 あの気難しいトロヴァオが、誘導馬になるとは…… とても感慨深いものがあります。 傍らにいらした担当者の方にも、少しお話を聞いてみました。 「はじめのうちは、他の馬がそばにいるとわーっと立ち上がったりしてましたね(苦笑)。でも並んで歩かせる訓練をしたりして、少しずつ慣れてきましたよ。いまのところは誘導馬としては『荒削り』ですね」 この写真を撮ったときには、大人しくお客さんに向かってサービスしていたトロヴァオ。末永く誘導馬として活躍して欲しいです。 羽田盃は、5ヶ月ぶりの実戦だったミックファイアが、圧倒的な勝利を収めました。 御神本訓史騎手 1本指を立てたのは、「まず一冠」の喜びの表れかな 伝えられているように、結構重度の裂蹄に見舞われているこの馬。 馬の周りの人々の熱意と、工夫でつかんだ、羽田盃優勝。 レース後の渡邉和雄調教師の話を聞くと、次が云々、と口にすることがはばかられるぐらい、人々の子ここに至るまで苦労がしのばれました。 東京ダービーは……まず出ることから、ということなのでしょう。 まずはそのスターティングゲートに入れるかどうか。 今後の動向が注目されます。 また、大井にも行こうかな。 久しぶりに、南関東のプレイヤーの方々にもお目にかかれて、いい時間を過ごすことが出来ました。 翌日、11日木曜日には、私としては今シーズン初めて門別競馬場に取材に出かけてきました。 門別の新しい白い砂のコース 1コーナー奥の高台から見ると、こんな感じです。 「白い」で終わってちゃダメですよね(汗) 大切なのは、砂の質感。そして馬場の様子。 「クッションがあって、乗っている感触はよい。」 「脚のカカリがこれまでと違うので、乗っていて馬の走りに違和感があることがある」 「砂を被っても、身体に砂がこびりつかないのが良い(笑)」 騎手に色々と話を聞いてみると、こんな感じの答えが返ってきました。 あとは……レースでのそれぞれの馬のパフォーマンスを見て、私たちも掴んでいく必要がありそうですね。 開幕日、開幕レースからいきなり2連勝 新人騎手のこの人に話を聞くことが出来ました。 阿岸潤一朗騎手 先週の開催までで、早くも4勝をマークしました。 「周りの騎手とか馬とかと『事故』を起こさないようにすること。」 今一番心がけていること、と尋ねると、こんな答えが返ってきました。 自分が新人であるという現状を、冷静に見られる人なんだなと感じます。 開幕日、開幕レースでデビュー初勝利を得たロザシアニン この日もコンビを組んで、連勝となりました。「馬によって、追い方を変えられるようになりたいと思うんですよね。例えば、ズブい馬とスピードがあって行ける馬とだったら、乗り方は変えなければいけないと思うし、先生(所属の佐々木国明調教師)にも追い方については色々と言われていることがあります。そのあたりは、トレーニングなんかもして身につけていきたいです。」 出てきたのは、馬の乗り方の話。デビュー間もない新人らしからぬ感じ。 所属の佐々木国明調教師が、馬に乗るのが大変上手な騎手だったから…… 考え方も、自然とそれを受け継ぐようになって来ているのかも知れません。 デビューして早々から、勝てるかどうか、だけじゃないところが、門別の新人らしいところなのかた。馬にどう乗るのか。他の競馬場以上にそういうことと向き合っていかなければ、この競馬場で馬を仕上げて、レースに乗って結果を出していくことは出来ません。 これからの半年。どんな風に成長していくのか。 また折に触れて話を聞いていきたいです。 そしてシーズンが終わったらすぐに、彼の地元・石狩市にある場外発売所「Aiba石狩」で必ずトークイベントをやりたい。 「ご当地騎手」がどんな活躍をするのか。石狩のお客さま方も熱い視線を送っています。 宮内勇樹騎手とも話をしたんですけれども…… 彼、その後のレースで落馬して怪我をしてしまって。 今週のレースには、乗っていませんね。様子が心配です。 また次回競馬場で行き会えたら、彼の様子もお伝えしますね。 この日のメインレースは、古馬の重賞・コスモバルク記念 シルトプレ もう圧倒的な強さ 全国的な活躍を、見せてくれるのではないだろうか。 半年先の道営記念まで、まずは順調に そしてどんなふうに歩んでいくのか。注目されます 門別にも、また来てみよう、うん。
2023年05月17日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、先週の名古屋競馬から。 ゴールデンウィークの開催の風景を。お伝えします。 まずは、開催初日・5月2日火曜日。 連休の谷間とは言え、一応平日でした。 何が良かったって…… 素晴らしい晴天に恵まれたこと。 空は、このブログでは毎度おなじみの、ナゴヤブルー 1レースが始まる前の場内。 この後更に、お客さま方が続々と詰めかけてみえます。 パドックも、大賑わいでした。 この写真は、3レースのパドック。 残念ながら……このレースに出走を予定していた、現役最高齢競走馬ヒカルアヤノヒメ(牝19歳)の姿がありませんでした。 この写真は、前走 4月10日に出走したときのヒカルアヤノヒメ 出走登録には名前があったので、この日会えるのを楽しみにしていたのですが…会えずに残念。 管理する井上哲調教師によると……「ちょっと歩様がカタくなって、調子が良くないと判断して、今開催の出走は見送りました。馬は毎日運動はしていて元気です。次の機会に向けて、調子を整えていきます。」 ……とのこと。 番組を見ると、次に出走の可能性があるのは、5月30日火曜日の920m戦ではないかと思われます。次の機会には、元気な姿を見せてくれることを願いましょう。 メインレースが近づくにつれてお客さま方が増え レースの時にはスタンド前はもうぎっしり やってきたJRAの騎手と歓談する、細川智史騎手 彼なりにコミュニケーションを取り、何かを学ぶ機会にしようとしていました。 右手前が岩田康成騎手、その隣が戸崎圭太騎手 いよいよ、この日のメインレース。 ダートグレード競走のかきつばた記念(Jpn3)。 最後の直線、2頭の競り合いは力が入りました 場内も地鳴りのような歓声が上がりました 右の緑帽がウィルソンテソーロ その隣の桃帽がドライスタウト 左に少し離れたピンクの勝負服がヘリオスで、これはもう3番手 どちらが前に出ている瞬間もあったと思いますが…… ゴールの瞬間に前にいたのは、ウィルソンテソーロ 勝負所3コーナーあたりから、ルーチェドーロが前に攻め寄せていったシーンでも、場内はもの凄く沸いていました。東海桜花賞を勝って出走権利を掴んだかきつばた記念。もしかして?と思わせるプレーで見せ場を作りました。 櫻井光輔騎手の話「早めに動いて行きました。前回の東海桜花賞の時と比べて、馬場的にもガラッと変わって内が使えない馬場になっていたので、タメてひと脚と言うよりは長くいい脚を使わせたかったので、強気に並びに行くイメージでした。凄く反応が良くて、一瞬3コーナーで夢を見ましたけれども、そこからは離される形になりましたね。よく頑張ってくれたと思います。完全燃焼できたと思います。前走(東海桜花賞で重賞初制覇)が自信になっている部分はありますし、より落ち着いて競馬に臨めるようにはなっていると思います。」 とても満足そうな表情で振り返っていました。 ドライスタウト 本当に惜しかった…… 戸崎圭太騎手の話 「イメージ通りには乗れました。馬もいい感じで走ってくれましたが、マークされるレースで、斤量差(勝ち馬と2.5kg)もあって、このような結果になりましたね。」 川田将雅騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 小手川準調教師の話 「ダートグレード競走の一線級の馬の中に入ると、まだ体型的にも芝馬のような身体で、成長の余地もあるのかなと思っています。いまパトロールビデオ見ながら川田騎手と話をしていましたが、さすがトップジョッキー、戦略があってのハナ差だということだったので、調教師としても本当に良かったです。まだ繊細なところがあり、表情を見ても優しい牝馬みたいなので、もっとたくましくなってくれればと思います。」 その、馬体のこと。 パドックで初めてこの馬を見て、とても気になっていました。 パドックでのウィルソンテソーロ ご覧のように……コロンとした体型。 私、パドックでの馬見とか、全然わからないのですが、それでもさすがにこれはね。ダートグレード競走に出てくるような感じの馬には全然見えません。例えて言えば、サウスヴィグラスのようなダート馬感バリバリの馬の体型と比べると、対極にあるような感じ。動きを見ていると余計にそのように感じます。「歩き方なんかも柔らかいし、芝を使いたくなるのはよくわかります。だから(前走まで管理していた)田中博康調教師も、よく最後『あの』新潟の未勝利戦でよくダートを使ったなと。その選択もすごいなと。そこで芝を使っていたら、今のウィルソンテソーロはなかったかも知れません。」 ウィルソンテソーロの4戦目。それまで田中博康調教師のもとで3戦芝を使われて結果が出ていなかったこの馬が、昨年8月に下旬にJRAの未勝利戦出走の文字通りの「ラストチャンス」で、初めてダート戦に登場しました。結果は……持ったまま大差ぶっちぎりの勝利。それまでの苦戦が何だったのだという、ダートでの強さでした。 そこから4連勝でオープンまで上り詰め、今回からは小手川調教師のもとへ移っての挑戦。見事一発回答で結果を出しました。「(転厩してきて初日に)乗って、田中博康調教師のところで本当によく仕上げてくれたんだな、調教できている馬だなと感じました。」 とも。 このような形で、様々な人々がバトンを持ち、そして受け継いでいって、一頭の馬が活躍していくものなのだと言うことを改めて感じさせた、ウィルソンテソーロの勝利でした。 今後は、帝王賞目標。そのためにもパワーアップが必要、とも話していた小手川調教師。 馬も、そして人々も、次の大きな活躍へ向かって行きます。 翌日、5月3日(水祝) 東海地区の3歳重賞路線の第1関門。東海ダービーのトライアルにも指定されている重賞・駿蹄賞(2000m)が行われました。 大型連休期間中、連日3000人以上のお客さま方が訪れました。 キッチンカーも、いつもより台数が多く集結し、盛況 この開催でもキッチンカーを運営されている方にお話を伺いましたが… それはまた、次の機会にお伝えしますね。 この日は、一日かけて徐々にお客さまの数が増えていった感じ メインレースの頃には、ダートグレード競走開催日だった前日と同じように、多くの方々が馬たちに熱い視線を送りました。 さて、駿蹄賞 この世代断然の存在と目されるセブンカラーズが、東海ダービーに向けて当初の予定通りこのレースをパス。この駿蹄賞のタイトルの行方と共に、東海ダービーで彼女を脅かす馬が現れるのかどうかと言う点でも、注目されました。 レースは、主張して行こうとする馬もおらず、自然体で1番人気のリストンがハナに立ち、そのまま淡々と進みました。 最後の直線 リストンの脚色は衰えず 丸野勝虎騎手も、早々に勝利を確信 今日に関しては、堂々のレース振りでした。 こちらは、敗れたライバルたち。 手前の水色のメンコの馬が、2着のマロンアイス。「今日は展開もあった。次走はダービーへ」とは、管理する川西毅調教師。 その億の桃帽で紫の勝負服の馬が、3着のクフィール。 まだキャリアも浅く、加藤聡一騎手も「本格化は秋以降」と一言。 入れば東海ダービーに出てくる可能性もありますが、賞金的に厳しいかも知れません。 勝った丸野勝虎騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 荒巻透調教師の話 「今日は先行馬に厳しい馬場状態で、ハナに行ったのでドキドキしましたけれども、今日の馬場で行って勝ったので強い競馬だったなと。悪い時計ではないですしね。胴が詰まっているから、その分2000mの距離はどうかなと思っていました。でも、馬も成長しました。来てから一度もアクシデントがない馬で、今回も順調に来ました、手が掛からない馬です。オーナーにも感謝感謝です。」 次走は勿論、東海ダービー。「次(東海ダービーは)は、鬼(セブンカラーズ)がいるから(苦笑)。レベルが違う。チャレンジするつもりで。: 2月のスプリングカップでは歯が立たなかった相手ですが… 改めての挑戦で、リベンジなるかどうか。 注目の東海ダービーは、5月31日。 ナイター開催で行われます。 そろそろ……門別にも、出かけましょうかね。
2023年05月10日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、大型連休前半に私が巡ってきた競馬場の様子を、少しずつ。 まずは、先週の木曜日・4月27日 重賞のオグリキャップ記念が行われた笠松競馬場にお邪魔してきました。 名鉄笠松駅から歩いて競馬場へ。 花の季節にはその色に染まるこの堤防を降りる階段も、もういまはすでに緑の色彩が深まっています。 大型連休直前の平日日中、ではありましたが、ご覧のように多くのお客さま方が競馬場を訪れていました。笠松競馬場での、年に2回のビッグレース。春の最大のハイライトは、やはりこのオグリキャップ記念。それらしい賑わいが、今年は戻ってきました。 良くも悪くも、「客層の変化」の波にまだ完全に飲み込まれていないのがこの競馬場。旧来からの競馬ファンの皆様方の「居場所」が、まだこの競馬場には残されていると言うことでしょう。 春と秋の2回、高齢だった元騎手・安藤勝己さんのトークイベントも、コロナ禍の間はリモート開催でした。今回はかつてのように特設ステージで実施。お客さま方が周囲を十重二十重に囲み、大変盛り上がりました。 安藤勝己さん(右) 左は、名古屋笠松でパドック解説の進行も務める、満ちゃん(長谷川満さん) さて、オグリキャップ記念。 今年は1着賞金2000万円と、地方全国交流のレースとしては破格の高額賞金レースとなりました。2500mという距離も、いまはもう珍しい設定のレース。全国からの遠征馬も意欲満々でこのレースに挑んできました。 残念ながら、出てくれば勝ち負けと思われた佐賀のヒストリーメイカーが、出走取消。 手島勝利調教師に話を聞いたところ、蹄球部(足の裏)を少し痛めたとのこと。大事にしていて直前までは問題なさそうだったのですが、前々日の歩様が良くなく、遠征を断念したそうです。 「(3月に人気で大敗した)はがくれ大賞典が、調子が良かったのに全く動けず不本意な結果でした。その分もと思っていたのですが、残念です。幸いいまはもう回復したので、地元のスプリングカップ(5月14日)に出走させようと思っています。」 まずは、流れを変えること。そこからなのかな。 スプリングカップには、リュウノシンゲンも登場すると聞きました。両馬の対決が注目されます。 さて、話を笠松に戻して。オグリキャップ記念。 ゴール前3頭の大激戦となりました。 コースを2周回ってきて、最後の直線。 番手から抜け出しを図った浦和のカイル(左から2頭目)に対し これを内々でずっとマークしていた高知のグリードパルフェが内をすくって襲いかかる。 そこに…… 後方で脚を溜めていたセイカメテオポリス(大外)が、外を回して捲り追い込み。 最後の直線で追いついてきました。 一番外のセイカメテオポリスが、アタマ差だけ抜けたところがゴール 内のグリードパルフェ、惜しくも2着 真ん中のカイルが3着 なかなか1着が来なかった馬だけに…… 関係の皆さん方、とても嬉しそうでしたね。 一昨年9月の戸塚記念以来、およそ1年半ぶりの勝利でした。 渡邉和雄調教師の話 「白山大賞典とか名古屋グランプリとか、小さなコースでも強い相手と戦ってきたのが、今日のような小回り2周2500mというレースにも生きましたね。次走は多い記念を使って、帝王賞と言いたいところなのですが……夏には弱い馬なので、そこはどうかと。ただ、秋のJBCは大井なので、そこは目指して行きたいです。」 吉原寛人騎手の勝利騎手インタビューの模様は、笠松競馬のYoutubeライブの映像に残っているので、そちらでご覧下さい。 ゴール付近で写真を撮っていて、帰って来なかったことにすぐに気づきました。 名古屋のウインユニファイド……本当に残念でした。 ここまでは、チャンス十分の雰囲気だったが…… この件、馬主さんと沖田明子調教師のTwitterで、詳しく発信されています。 ファンの多かったウインユニファイド。そのファンの気持ちに報いるための情報発信、と言うことだと思います。 状態の急変がなければ、手術を受けるために今日の早朝に北海道に向かって出発しているはず。 手術は今週中にも行われる予定と聞きました。 次の笠松の重賞開催は、5月25日木曜日のぎふ清流カップ(3歳・1400m)です。 続きまして、4月30日日曜日の佐賀競馬場 3歳重賞戦線の佐賀皐月賞(1800m)が行われました。 1ヶ月後に迫った九州ダービー・栄城賞に向けての、最重要ステップレースですね。 昨年度、佐賀競馬移転開設50周年のキャンペーンとして行っていた「うまてなし」 今年度はどうやら「デラックスにパワーアップ」しているようだ。 前日にはかなりの雨が降ったそうですが、この日はご覧のような晴天。 JRAでは天皇賞春が行われるとあり、その馬券を買い求めようという来場客も含めて、競馬場は賑わっていました。 佐賀競馬場に、この人が来ていました。 笹川翼騎手 メインの佐賀皐月賞でブラックサンサンに騎乗 この写真は、それに先立つ4レースでシントーハナノランに騎乗し勝った時のもの 今週は、4日船橋のかしわ記念で、兵庫のイグナイターに騎乗予定 ひとつの大きな話題となっています。 それについて話を聞いてみました。 「何となく話は聞いていましたが、正式に依頼となったのは最近の話です。これだけの馬ですから……躊躇、とまではいきませんが、ふたつ返事でハイ!OKです!!とは、気持ち的にならなかったですね。」 「兵庫の人たちが育ててきて、年度代表馬にまでなった馬ですから。兵庫の人たちの『気持ち』というのがあると思うんです。勿論、騎手としてこういう馬に乗ってみたいという気持ちはありますし、乗せて頂けるのは名誉なこと。でも(自分が乗ることに)賛否両論あるのも、すごくわかります。」 彼が、競馬っていうものをどういう風に捉えているのかが、凄く強く伝わる話です。 「なので、昨日(29日土曜日)追いきりにも乗ってきました。本番レースでは、そういうこの馬に携わってきた人たちの気持ちを背負って走るつもりです。」「『縁』っていうこともあると思うんですよね。たまたま(イグナイター主戦の)田中学さんが乗れなくて、自分に声が掛かってチャンスが巡ってきて…それも含めて、結果が出せるよう頑張りたいです。」 様々な思いが募る馬の周りの人々と、そして馬にとっての、念願のビッグ制覇なるのか。 かしわ記念への、イグナイターと笹川翼の挑戦、本当に楽しみになりました。 さて、メインレースの佐賀皐月賞。 ナイター開催の6レースで行われました。 いつものように、モーモーレッドが先手を主張 1番人気のネオシエルは、行きたい馬を行かせて絶好位4番手 前の3頭が競り合いながら行けば…… ネオシエルにとっては、展開も絶好 直線入り口 ネオシエルが抜け出す 一番内を突くテクノゴールドも、見せ場止まり 抜け出した後、山口勲騎手が後ろを振り向いて確認する余裕があるぐらい。今回はネオシエルの圧勝でした。 惜しかったのは、テクノゴールド 外枠だった分、位置取りが勝ち馬よりもふた呼吸ぐらい後ろに。その分が最後まで挽回できませんでした。依頼されて佐賀まで乗りに来た和田譲治騎手は「折り合いはついていた。よく頑張ってくれましたが……」と残念そうに振り返っていました。 返し馬でのテクノゴールド 園田に遠征した後、外厩で鍛えられて来て、2ヶ月ぶりの実戦となった今回の馬体重がプラス21キロと戻っていたあたり、まだ良くなる余地がありそう。次走も和田譲治騎手で栄城賞に向かうそうです。 もう一頭。大外から追い込んで3着のミヤノウッドリー 佐賀デビューの生え抜き馬で、そのデビューから3連勝。2歳時から活躍して来たのですが……どうにも道中で集中して走れず、肝心なところで重賞制覇を逃して来ました。 この日は、これまで手綱を取ってきた山口勲騎手がネオシエルに乗るため、若手の山田義貴騎手に鞍上スイッチ。東眞市調教師は「手替わりで、少し馬の走りが変わってこないかと期待しているんです」と話していました。 ちょっと写真被ってますが…返し馬でのミヤノウッドリー 果たして……やっぱり今回も、レース中盤までは遊び遊びで追走位置も後方。直線に入ってようやくエンジンが掛かった感じで、もの凄い脚を使って追い上げてきましたが、さすがにそれでは間に合いませんでした。「やっぱり、1コーナーとか全然集中走っていませんでしたね。最後の追い上げを見れば、力は絶対にあるはずなのですが……残念です。最初から手がけてきた馬で、他の馬とは違う雰囲気を初めから持っていた馬。特別に思い入れのある馬ですし、勝たせてやりたいです。」 東調教師も、栄城賞での逆転に向けて、静かに闘志を燃やしていました。 山口勲騎手の勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルのYoutubeの動画でご覧下さい。 九州ダービー栄城賞は、5月28日日曜日。今年も日本ダービーが終わった後の夕方に、佐賀競馬場で「もうひとつのダービー」で、九州3歳チャンピオンを決める戦いが繰り広げられます。 ネオシエルの二冠達成なるのか。 それとも、ライバルの逆転劇があるのか?? いまから楽しみでなりません。 名古屋競馬場の開催が、昨日から始まっています。 昨日、ダートグレード競走のかきつばた記念が行われました。 そして今日は、3歳戦線の重賞・駿蹄賞が行われます。 名古屋の話は……来週まとめてお伝えしますね。
2023年05月03日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回も、名古屋競馬場から。 取材日は、先週の木曜日20日。 重賞の東海クイーンカップ当日です。 実は、この当日北海道から競馬場に駆けつけたのですが… この日の名古屋の最高気温は27.5度。まじか。 吹く風に少しばかり冷たさがあったのに、助けられました。 「大ちゃん食堂」 ほぼ連日来てくれてる、元力士の方が作るちゃんこのキッチンカー この日も元気よく営業中、だったのですが…… ちゃんこメニューの案内に、いつもと違う表示が。「抹茶塩ちゃんこ」 愛知県の、西尾という場所の抹茶を使っているとのこと。 うっすらと、聞いたことはあるような気がしますが……(西尾市公式ホームページより) 愛知県の中程か…… ホームページには、西尾市のお茶の生産についても記されています。 この場所でのお茶の生産は、江戸時代からの歴史があるんですって。 抹茶の生産量は、全国でもトップクラスだとか。 今度、行ってみないと。 こちらが、その西尾抹茶塩味のちゃんこ。ラーメン入り 口に含むと、ほんのりそれとおぼしき風味がして、十分アリな味でした。 もっと抹茶の風味がしてもいいぐらい。野菜と合います。 いつも笑顔が素敵な、元力士の海猿さん「集まるキッチンカー相互で、地場の素材を使っていこう、という話になっていて……いまはこれを試しています。」 抹茶塩ちゃんこは、他所で初めて出して、このときが2回目とのこと。 味についても研究中だそうです。 もともと「ちゃんこ」って、「おすもうさんが作る料理」っていう意味なんだそうで、「こんな味のもの」って決まっているわけではないんですよね。 「おすもうさんのキッチンカーが作る料理」としての新しい味が広がっていけば、楽しくなりますね。 この「大ちゃん食堂」 来週の大型連休の開催は、5月2日から5日まで4日間全日程出店の予定です。 味は、それぞれの日で1種類。 皆さんは、なに味の日に当たるかな? さて、プレイヤーの話題 4月19日水曜日 浅野皓大騎手が、通算100勝達成!(この写真は、愛知県競馬組合から頂戴しました) 11レース 6番人気のエディッタで勝利。 人気のない馬でも一発を狙って乗る、彼らしい騎乗での勝利でした。(この写真も、愛知県競馬組合から頂戴しました) 翌20日木曜日 100勝達成のセレモニーが行われました。 浅野皓大騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 「これで先輩達と対等」という言葉。 これが、いまの若い人たちの意識。 減量がなくなったから、厳しくなる、と口にする若い騎手は、本当に少なくなりました。 このあと、4月21日に101勝目をマークして、めでたく見習い騎手は卒業となり、次の開催からは減量もなくなります。 惜しむらくは、卒業が1ヶ月遅かった。 目標にしていた、3月のうちの卒業は果たすことが出来ず、今年もヤングジョッキーズシリーズに参加することになりました。 このことについて水を向けると…… 「1ヶ月か…仕方ないですね。こうなったら、もう一度JRAに行けるように頑張ります。(昨年末の本選出場の時には)本当に色々なことが勉強になったので。」 今年の名古屋からは、浅野皓大騎手と、ルーキーの大畑慧悟騎手が、ヤングジョッキーズシリーズに出場します。 その4月20日木曜日の1レース なんと!単勝6万円以上という高配当が飛び出しました。 最低人気のシグラップエールが勝って、単勝673.5倍の超高配当 単勝が50514票売れたうち、的中は60票 っていうか、単勝っていう馬券も案外売れてますね。 記録を調べてもらったところ、1987年2月13日に単勝1055.4倍というのがでたことがあり、これが名古屋競馬における単勝の最高配当だそうです。2位以下がどう言う順番なのか、という記録がすぐには見当たらなかったとのことで、今回のが何位なのかはわかりませんが、いずれにしても記録的な高配当であることは間違いなさそうです。 波乱の立役者となった、シグラップエールと丸山真一騎手 こういうそもそも人気のない馬にどう言う気持ちで乗って、勝つものなのか。気になって話を聞いてみました。 「やれそうだとか、全然思ってませんでしたよ(笑)」 第一声はこんな感じ。10着が3本続いていた馬。そりゃ、そうですよね…… 「でもね……」 ん??でも?? 単勝6万馬券の記念撮影(笑)「……砂被るとダメな馬なんで、外枠はいいなと。で、スタートして前の方には行けそうだったので、『行ってしまえ!』っていう感じで。」 これは、馬券を買っている私たちは忘れがちなのですが… どんなに人気のない馬でも、乗っている方には「出来る限りのことをしよう」という意識が、必ずあるはず。そんな気持ちが周囲の状況とかみ合えば、自身でも思いもかけないような結果が出ることもあると言うことなのでしょう。 「あとこのレース、組み合わせの妙で、高齢馬がわりといましたよね。この馬も8歳ですが、若い馬で断然っていう馬もいなかったので。そういう組み合わせにも助けられたんじゃないですかねぇ。」 これはね。地方競馬あるある。 多くの地方競馬の競馬場の場合、JRAのように同じクラスの中で出走レースを選べるわけではないのです。 名古屋の場合、C級の馬を概ね賞金順に上から下まで並べて、それをレースの頭数ごとに上から順番に組み合わせて、レースを編成していきます。単に着取って賞金を稼いだかどうかだけでなく、ここに転入転出の関係も絡んできますから、どうしても並びに「ムラ」が出来る。「C級何組」の組数の上のレースの方が、下のレースよりもメンバー的にたまたま軽くなる、ということが、しばしば起きます。 これはもう、ツキの部分なのですが…… 勝負事ですから。ツキは重要。 まあ、どちらにしても後付けの話ではあるんですが(汗)。 「こんなの、わかんないよ~」の一言で済ませていては、客としても進歩がありませんから(汗)。 色々話してみたら、面白い要素も掘り起こすことが出来ました。 さて、20日木曜日のメインレースは、3歳牝馬の重賞・東海クイーンカップ。 前走後の宣言通り、この馬が出てきました。 セブンカラーズ ここまで6戦6勝 重賞2勝 この日は、パドックでもなぜか落ち着いていて、騎手が乗るまでは曳き手はひとり。しかし、パドックで騎手がまたがると、いつものような気合いを表に出し始めました。 グランダムジャパン3歳シーズンのシリーズ競走でもあり、例年だと南関東や兵庫からシリーズのポイントを狙って有力馬が遠征してくるのですが……今年はこの馬の陣営が早くからこのレースに出ると表明していたので、遠征を回避した馬もいたのでしょう。 ふたをあけてみると… セブンカラーズ 道中は先手を主張する馬を行かせて、好位 2周目3コーナーですーっと加速してたちまち後続を置き去りにすると、直線入り口ではこんな感じで……もうみんなついて行けませんでした。 最後は余力を残して、大差勝ち。 2着との差は2秒8…… 山田祥雄騎手 いまのところは、喜びよりも安堵の方が大きいか…… 大目標は、次なのだから。 予定通り、次走は東海ダービー(5月31日) 山田祥雄騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 あまり大きなことを言うタイプの彼のインタビューでの第一声が……「次元が違う」 これは強く印象に残りました。 川西毅調教師 そもそも、聞けばなんでも返して教えてくれる人だが…… こちらが意識しすぎなのかも知れないけれど、やはりこの馬が走る日は特に緊張感がある。 無事にレースを終えて、表彰式ではこの表情 「レースは、行く馬がいて好位から、今日のレースとしては理想的な形でした。」 確かに。 いままでは、速度の違いで逃げる形になっていましたが、この日は好位からの反応と加速に、これまでと違うセブンカラーズを見ました。 「身体の形が変わってきたましたね。(父の)コパノリッキーよりも(母の父の)スペシャルウィークが出てきているように感じます。今日はフケ気味でテンションが微妙でしたけれども、まだ馬は良くなります。今日はレースの後の息づかいも楽でした。このまま弥富で調整。すぐに乗り込んでいきます。」 囲み取材の記者の方から「ダービーに向けて不安点とかはありますか?」という質問が出ました。 これには「ないですね。」と即答。 「距離は関係ないと思います。それは言い訳にはならない。とりあえず、故障のないように順調にやっていくことだと思っています。」 レース後、馬の様子を確かめる川西調教師 実は、レースの前に川西調教師は、こんなふうにも話していました。 「まだ、全ての馬と勝負付けが済んだとは思っていませんよ。」 セブンカラーズが敢えてパスする、東海3歳馬路線の一冠目・駿蹄賞は、5月3日(水祝)。そこでヴェールを脱いで「打倒!セブンカラーズ」に名乗りを上げる馬が現れるのか。興味は尽きません。 来週はいよいよ、大型連休。 名古屋競馬場が、一年で最も盛り上がる開催。 5月2日(火)のかきつばた記念ともども、どうかお楽しみに!
2023年04月26日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回はまず、先週の稿で拾いきれなかった名古屋ネタから。 今週のキッチンカー(仮題) 名古屋競馬場に来ていた、こちらにお邪魔しました。 キッチンカーのデザインも、木造風の見た目がちょっとおしゃれ お店の名前は Pepo インスタグラム @peee0606pooo キッチンカーでは意外と少ないと思うのですが…… ご覧のように魚系の商材を販売しています。 メインとなるメニューは、こちら 「長崎アジバーガー」もかなり魅力的なのですが… おすすめは「鮪(まぐろ)カツバーガー」 競馬場のような場所の食べ物って、どうしても「肉」中心になりがちだから… 魚が食べられるお店って、ちょっと目を惹きます。 使う素材一つひとつに、こだわりが見られますね。 鮪カツバーガーと、ハニーレモンソーダをセットで カツ自体に掛かってるソースと、チーズと、その上に更にまたタルタルっぽいソースが挟まってる。お魚のカツってどうしても味がシンプルになりがちな印象があるのですが、この鮪カツバーガーはこれ自体で「七色の味」 美味しく頂きました! このキッチンカーを運営されているご夫婦 左が代表の畔栁順平さん。 お話は、右の志歩さんに伺いました。「実家が(名古屋中心部にかつてあった)柳橋の市場で鮮魚問屋をやっていて、私はそこで課業の手伝いの形で働いていました。ところが、柳橋の市場が閉場になってしまって、実家の魚問屋もお店をたたむことになりました。それで、お魚で何か出来ないかと言うことで始めました。」 これが、2019年の秋のこと。 ところが……キッチンカーを始めてすぐにコロナ禍に見舞われて、折角始めたキッチンカーも大苦戦。「始めて、2ヶ月でコロナ禍ですから……テイクアウトに適した食材を探して試行錯誤していましたね。」 いま頂いた鮪カツバーガーも、そうした試行錯誤の末にいまのおいしさにたどり着いたのでしょう。ある意味、このキッチンカーで売られているのは、 「魚屋さんが作る、本物のおさかなバーガー」 ……ですから。どうりで美味しいわけです。 接客をする順平さん おふたりが正式に結婚されたのは「最近」とのこと。 それ以前から、ご一緒にキッチンカーを運営していたんだとか。「私は元々は、布系の手芸品工芸品の展示販売をしていました。お店を出す会場にキッチンカーも出ていて、それで知り合って一緒にやるようになりました。当時は、まさか食べ物を扱うようになるとは、夢にも思いませんでしたね。」 こういうのも、キッチンカーやキッチンカーが出ている「場所」が取り持つ「縁」ですよね。「実は、あとからわかったことなのですが、自分の曾祖父が魚屋だったみたいなんです。こういうのも、何かの縁なんでしょうね……」 将来の夢は、志歩さんが話してくれました。「やはり……魚の仕事が、楽しいんですよね。魚の仕事は父の代で3代目なんです。一旦お店はなくなってしまったけれど、やはり私もまたいずれは『リアル』の店舗でお魚を売って行きたいと思っています。弟もいま魚の仕事の勉強をしているので、出来れば一緒にやっていきたいです。」 なんだか……キッチンカーを通じて 素敵な「人生」に出会えた感じがしました。 そんな美味しくて、うれしい出会いが生まれるのも、競馬場なんだな。 17時過ぎの最終レース後でも、空の色はこんな感じ 日も大分長くなってきました さて。 大型連休前の変則開催で、名古屋競馬は今日19日水曜日からまた新たな開催が始まります。 水木金の3日間デイレースで行われた後、週末を挟んで月曜日はナイターレース。 開催日程に気をつけてお楽しみ下さいね。 今開催のメインレースは、明日20日木曜日に行われる3歳牝馬の重賞・東海クイーンカップ。グランダムジャパン3歳シーズンの中盤に当たるレース、ではあるのですが…… 話題はどうしても、東海ダービーを目指すこの馬一色に。 セブンカラーズ 前走 2月28日のスプリングカップ勝利時の勇姿 前走後、川西毅調教師が示唆していたとおり、2000m戦でゲートの不安が拭えない駿蹄賞ではなく、引き込み線からのスタートとなる1700mの東海クイーンカップに矛先を向けてきました。 すんなりとここもクリアして、東海ダービー戴冠へ「リーチ」となるかどうか。 是非ご注目下さい。 明日は、その注目の一戦を見届けに、名古屋競馬場に行ってきます。
2023年04月19日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 名古屋競馬場からも、新人騎手のデビューの話題を。 一昨日4月10日、大畑慧悟(おおはたけいご)騎手がデビュー 見事!初めての本番レース騎乗を勝利で飾りました。 朝一番から、応援の方々が横断幕をパドックに出しておられました。 パドックを回る馬に停止命令がかかり 初めて実戦に向かう、大畑慧悟騎手(中央の青帽) 馬場に出てくるところで待ち構え、ハッパをかける先輩達 安部幸夫調教師(左の緑のジャンパー) 加藤聡一騎手(その右) いい笑顔で馬場に向かって行きました。 一方……こちらの方は…… レースが近づくにつれて、緊張の面持ち 所属の倉地学調教師 彼はジョッキー出身の調教師ですから、名実ともに「師匠」ということになります。「まずは無事に帰ってくれば、ですね。『ドシッと構えておけ』とだけ言っておきました。緊張は必ずしているだろうけど、ゲートに入ったときにはスッと気持ちが落ち着いて乗れることもありますから。」 どちらかというと、周囲がみんなドキドキしている(汗)。 もちろん、見ている私も。 そんな感じでの、デビュー戦……。 1Rの920m戦 ダイセンストーム(今津博之厩舎) 勝つだけの力はある馬 スタートを決めて、番手から 勝負所で前を捉えに行く、実に落ち着いた騎乗ぶりでした。 見事! デビュー戦で、初勝利!! レースの後には、あちらこちらでホッとした笑顔が見られました。 馬を用意した、今津博之調教師(右)「いや~こちらが緊張しました。馬に勝つ力があるのはわかって乗せてはいても、責任重大だから(汗)。3コーナーから行っていいから、と伝えてありました。その通りに乗ってくれて、勝てて良かった。」 叔父の大畑雅章騎手「自分は乗ってないのに、ドキドキしたよ~~(笑)。ほんとうに、ホッとした。(レースの内容は)デビュー戦としては、十分合格点。直線も真っ直ぐ追えていたしね。」 2レースの終了後、早速! 大畑慧悟騎手の「初勝利セレモニー」が行われました。 予定されていたのは、新人騎手の「紹介セレモニー」だったのですが…… 勝って、すぐにイベントの「看板」掛け替える名古屋競馬の素晴らしさよね(笑) 初勝利のレースとセレモニーの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 大畑慧悟騎手が勝ったレースの後の、倉地学調教師の話「まあまあ、でしたね。ここからどんだけ『頭を使っていけるか』じゃないでしょうか。考えていないと、身体の方がついて行きませんから。」 恐らく自身の経験も踏まえられた、深い言葉だと感じました。 実は、この一昨日4月10日の1レース もうひとつの大きな話題がありました。 現役最高齢競走馬のヒカルアヤノヒメ(牝19歳)が、満19歳の誕生日のこの日、元気にレースに出走しました。 パドックでの姿 向こう側には、いつも出されている紫とピンクの横断幕2枚も見えます 軽快に返し馬からゲートに向かう、ヒカルアヤノヒメ 大畑騎手の応援団だけでなく、彼女の応援の方もしかるべくおられたみたい 1Rからコース際は、結構な賑わいになっていました。 レースは…… この日は大畑慧悟騎手の初勝利に気圧されたわけではないでしょうが…… 走りにいつもの活気が見られず、残念ながら12着の殿でゴール 尾崎章生騎手の話「たまたま920mの番組が続いたので、3開催連続で出走となりました。さすがに中間に乗っていても、少し疲れているのかなと感じましたね。今日はこの馬らしさが出せませんでした。上がりの様子は全く問題ないので、少し休んでもらって、また次の機会ですね。」 次開催の自己条件は距離が1500mであわず、いま発表されている5月初旬の開催は920m戦。番組を見る限り順調なら、次の彼女の出走機会は…… 5月2日(火祝) かきつばた記念当日 ……になるのではないでしょうか。 20歳でも現役、に向けて。 彼女にとっても、また新たな季節、あらたなみちのりがはじまりました。 さて…… 昨日、4月11日のメインレースは、東海桜花賞。 桜花賞と言っても、名古屋のは古馬の短距離の重賞。地方交流で賞金もあるので、例年他場から強豪が集い、興味深いレースになります。 今年は…… 馬もさることながら、こんな方が名古屋に参戦してくれました。 レジェンド・的場文男騎手 出馬が確定して、彼の名前があったとき、正直驚きました。 来てくれるんだ!って。 レースの前には「ファンサービスしたいんだけど……」と申し出て、競馬場オフィシャルの係員の方の立ち会いのもとで、このようにプチサイン会。 ウェイキーを駆って臨んだ東海桜花賞。 レースの結果は、残念ながら6着でした。 ほんと……来てくれてありがとう、です。 名古屋のこの新競馬場で、彼の姿をこのように間近に見る機会があるとは想っていませんでした。この日来場の競馬ファンのお客さま方にとっても、かけがえのない経験になったのではないでしょうか。 レースは。最後の直線で、川崎から参戦の2頭の争いとなりました。 先々週の開催から、逃げが断然有利なコンディション。 逃げたベストマッチョ(写真一番左)が直線半ばでもリードを取り、押し切りかと思われましたが……そこからルーチェドーロ(緑帽桃服)がぐんぐん追い上げてきて、ゴール前接戦に持ち込む。 ルーチェドーロが3/4馬身交わしたところが、ゴール 1番人気に推されていた大井のアヴァンティストは、レース後半で追い上げたものの3着に終わりました。 吉原寛人騎手は、「ゲートが…癖になっちゃってる……」と、スタートでの立ち後れを残念そうに振り返っていました。 「この馬場だし、スタートで位置が取れないと苦しい。(向正面で外に出して進出したのは)あれ以上内で我慢していていもタメごろしになってしまうから、最後、それでも3着まで良く来ましたよ。」 櫻井光輔騎手は、重賞初制覇! 普段調教をつけているルーチェドーロも、実戦で乗るのは初めてでした。貴重なチャンスを見事に生かして、この表情。 管理する池田孝調教師の話「気難しいところのある馬ですが、いつも調教に乗って馬の性格もよくわかっている櫻井騎手が、自分で考えて上手に乗ってくれました。今回結果が出たので、今後は距離についても1600mぐらいは一度挑戦してみることも考えたいです。」 権利が取れた、5月当地のダートグレード競走・かきつばた記念への出否は、今後検討して決めるとのことでした。 櫻井光輔騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 今週の名古屋競馬の開催は、明日4月13日木曜日までです。
2023年04月12日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、名古屋競馬場からのリポート。 先週の、年度最終開催の様子です。(取材日は3月29・30日) まずは、先週までで名古屋での短期移籍での騎乗期間が終わった、この人から。 保園翔也騎手 短期移籍2クール、4ヶ月の間名古屋で仕事をしました。「短期移籍で、技術とか形のないものを得ることも勿論重要なこと。でも、行くからには結果出す……勝たなければと思っていました。」 「短期移籍に出るときに、周囲の人たちに『向こうで何勝するつもり?』と聞かれ『50』と答えていました。周囲には『無理だ』と言われましたが、50という数字も、南関東で曲がりなりにもやってきたという自負や自分なりの自信、そのこと自体が自分の強み、という気持ちがありました。」 名古屋での短期移籍の期間で42勝の成果。 とはいえ、当初はコースやレースの違いに戸惑いもあったか、なかなか勝ち鞍が生まれませんでした。「次の笠松で頑張れば、50勝は達成できる数字。でも出来れば名古屋までで達成したかった。全くダメでもなく、しかし少しだけ足りずに達成できなかったのは、現時点での自分の未熟さだと思います。取りこぼしもありましたし。」 「綺麗なフォームで乗ると言うことは、騎手デビューした直後から意識していました。」 そう衒いなく話す彼。 上背があるだけに、馬に乗っている姿には、華やかさがあります。「御神本さんの綺麗な騎乗フォームをずっと研究し、勉強していました。騎乗姿勢は大事ですよ。格好ばかりだと注意されたこともありますが、そこは馬に対する必要なアプローチの馬による違いで対応しています。強いアプローチが必要な馬はそう乗るし、必要でない馬は、綺麗なフォームで。綺麗に乗っている方が馬も楽なはずですから。」 所属の川西毅調教師と 川西調教師は、移籍当初なかなか結果が出ない時にも「心配ない。すぐに勝ちだすから」と話し、彼を乗せ続けました。「それまで川西調教師とはこれという接点がなかったのに、こうして呼んでもらって本当に有り難く思っています。」 とても仕事がしやすかった。 彼は、川西厩舎での仕事について、こんな風に振り返ります。「(川西調教師は)馬に対しての熱い気持ちが伝わってくる感じがします。色々話しながらうまを手がけていく中で、同じベクトルを共有しながら向かっていける感じがしました。馬を立て直す技術技量は本当に素晴らしい方ですし。」 印象に残る馬として、ホープインザダークという馬の名前が挙がりました。 ちょうど彼が名古屋に来るのと時を同じくして、馬も名古屋に移籍。調教も自身でつけてきて成長させ、馬自身は転入後3ヶ月足らずで4勝を挙げました。(この写真は愛知県競馬組合提供) 3月31日 名古屋での短期移籍最終日 ホープインザダークと共に戦う。結果は残念ながら5着 彼は、この騎乗もとても楽しみにしていました。(この写真も愛知県競馬組合提供)「初めの頃はゲートで立ち上がったり大変な馬だったが、自分が毎日乗って調教して、馬が変わっていくのがわかりました。レースを迎える度に楽しみになる馬でした。」 ホープインザダーク = 暗闇の中の希望 困難な時代の希望となれるように(登録された馬名の意味由来から) 彼も、この馬と共に過ごした時間で、ひとつの希望を見いだしていたのかも知れません。 今日から、短期移籍の滞在先を笠松に移す、保園翔也騎手。 引き続き、東海地区での彼の活躍に、ご注目下さい。 つづきまして。 今日のキッチンカー(仮題) 初めて名古屋競馬場に来てくれたという、こちらのキッチンカーをご紹介します。 REVIVAL(リバイバル) インスタグラム:@revival_kitchencar 珍しい、ライスバーガーのキッチンカーです。 お店の雰囲気と、ざっとメニューがわかる写真 ライスバーガーの具材は、「某チェーン店にないユニークなものを工夫した」とのこと。 お買い得なのは、写真の上の方にある「ランチボックス」で、4種類の具材のうちから好きな具材のライスバーガーを選んで、プラスポテトと唐揚げが入っています。 このお店……っていうか、車。 昨年11月に始めたばかりだとか。 右が代表の古堅(ふるげん)渚さん 左の田中さんと一緒に運営されています。 代表の古堅さんに、お話を伺いました。「一緒に普通の会社員の仕事をしていた仲間なのですが、それぞれのタイミングでやめて、さあ何をしようかってなったときに、キッチンカーをやってみようという話になりました。」 この2~3年の状況が、直接関係あるのかどうかはわかりません。 が、世の中が揺れ動き、色んなことが変化しているときに、こうして女性たちが自ら動いて新しいことを始めるという、このエネルギー。本当に頭が下がります。「何からやっていいかわからず、あれこれ考えて思いついたのが、このライスバーガーをキッチンカーでやったらいいのではないかということ。始めた後、色んな方面から『よくこの商材思いついたね』って言われます。食材自体はすぐにこれ、と決まって、あとはオープンぎりぎりまで研究と改良を重ねて、開業にこぎ着けました。」 ランチボックスは、こんな感じ ライスバーガーの具材は、1番人気という焼肉をチョイス 付け合わせもついているので、食べ応えも十分です「自分も3人子どもがいるので、やっぱり『子どもに何を食べさせるか』っていうことを意識して思いつきました。お米食べて、具材と、あとは野菜も全部いっぺんに摂れて、食べやすくて、っていう感じで。」「キッチンカーの業界は、横のつながりが強いなって思います。イベント会場でキッチンカーをやっている人同士で色々話して、アドバイスをもらえたり……あとは発電機が壊れて困っているときに助けてもらったりしたこともありました。」 そんな繋がりの助けもあり、いまは「十分やっていける」だけの売上も確保できているとのこと。是非とも長く続いて、また競馬場にも来てもらって、競馬場を盛り上げてもらえると有り難いですね。 「別に私たち『落ちた』っていうわけじゃないですけど…(苦笑)、ここから、このお店からまた頑張って復活していくぞ!!っていう気持ちで、お店の名前を『リバイバル』ってつけました。」 女性おふたり、確かにそんな活気に溢れる雰囲気を感じました。 次回は、4月13日木曜日に、また名古屋競馬場に来てくれるそうです。 さて、競馬のお話に戻って。 3月29日には、JRA交流オレンジ賞が行われました。 勝ったのは、永島まなみ騎手が乗るイリスレーン 勝てた機会に、少し話も伺いました「1頭1頭の馬がどんな馬なのか、早く、瞬時に掴むことが大切だと言うことを、先輩達から教わっています。そして、その馬の特徴に合わせて乗ってあげることだと。」 いま心がけていることを、彼女はこんな風に話しました。 実は、前検量の時に見ていて気がついたのですが… 彼女の鞍、とても小さい。 減量がかなり厳しい男性騎手が使うような、たぶん一番小さな鞍 いま4kgの減量があるので、この日の負担重量は50kg 彼女、背丈も結構高いです。 心配になって聞いてみたんですが……こんな答えでした。「実は……筋力を上げるトレーニングしたところ、ふとももなどに筋肉がついてきて「ふくよかに」なってきてしまいまして……(苦笑)。軽い鞍を使っています。軽い負担重量でも、体重で苦労するとかいうことは全然ないです。」 最後に、こんな風にも。「勝って、減量が少なくなれば、それも自然に解決する問題ですし(笑)」 確かに。 騎乗ぶりも、一歩一歩グレードアップしていくことでしょう。 この春デビューしたばかりの、この人にも。 田口貫太騎手「デビューした直後はレースで緊張していたが、いまは落ち着いて乗れていますね。」 この日のレースでは、スタート直後馬が躓いてしまい、残念な結果。「今日はうまくいきませんでしたけれども……いま一番意識しているのは、スタートしてからの位置取りですね。(所属の大橋)調教師からも言われています。」 今日4月5日の笠松でも、JRA交流で自厩舎の馬に騎乗するほか、最終レースにも騎乗。これから地方競馬のファンにとっても、馴染みの存在になっていくことでしょう。 前開催のメインレースは、3月30日に行われた若草賞土古記念(SP1)。 グランダムジャパン3歳シーズンの第2戦として、1500mの距離で行われました。 遠征馬も、それなりに揃っていたと思うのですが…… それにしても、圧倒的だったな…… 兵庫のサラキャサリンが、突っ張り先行から他を圧倒! 最後は2着に5馬身の差をつけつつ、楽々とゴール 松木大地騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 新井隆太(たかひろ)調教師の話 「パドックで気持ちが出ているのは、いつものこと。外に出るとそうなるんです。装鞍所までは大人しくて、輸送も大丈夫な馬です。この馬は、自分の競馬が出来たら、あとは自分との勝負。1500mというのは不安要素ではありましたが、よく頑張ってくれました。距離的にどうかというのはありますが、いまオーナーとも話して、折角だからグランダムを目指していくか、考えていきます。」 松木騎手も「心肺機能は高い馬」と言っており、それが現れたパフォーマンスでした。距離は、どうなんだろう……サラキャサリンの今後の動向が注目されます。 次回も、年度替わりの名古屋競馬場からお送りします。 どうやら、4月10日の開催初日から、話題は盛りだくさんになりそうですよ!【次回予告】(笑)・10日に大畑慧悟騎手がデビューするはず・10日にC級最下級が920m戦なので、ヒカルアヤノヒメが出るはず・11日に東海桜花賞が行われるはず・キッチンカーも楽しみ・その他何かあれば あ……ヒカルアヤノヒメの誕生日って……。 また来週の名古屋競馬も、是非ともお楽しみ下さい!!
2023年04月05日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 この中間は、競馬の取材に出かけられなかったので… サイドネタで。 「馬事文化応援アイドル」として活躍して来た桜花のキセキが、この3月一杯で活動終了することになりました。3月19日土曜日には、東京・渋谷のライブハウスで、解散前本当に最後のラストライブが行われました。(以下の写真は、桜花のキセキ運営の特別な許可を受けて掲載しています) 2018年5月の結成から、5年。 「馬事文化応援アイドル」の名前の通り、競馬場やコロナ禍での競馬配信などでのイベント出演だけではなく、引退馬事業のプロモーションなどの「馬事全般」に関わり、盛り上げてくれた彼女たち。競馬ファンや関係者の皆様なら、どこかのタイミングや場所で彼女たちの活躍するシーンに触れたり、携わったりされた方も多いのではないでしょうか。 かくいう私も、僅かな機会ではありますが、コロナ禍の前のイベントとか、コロナ禍に入ってからの配信などの仕事を彼女たちに手伝ってもらったり、共演させて頂いたこともあり、このラストライブの時には私の方が感謝の気持ちで一杯でした。 元々9人で始まったユニットは、変遷を経て最後は4人。 うち3人は、オリジナルメンバーで、5年間最後まで頑張って駆け抜けました。 成瀬琴 2020年6月に後から加わったメンバー JRAの鹿戸雄一調教師の娘さんということも話題になりましたが、それはあくまで馬や競馬と縁があったという「生い立ち」の話。ライブでの姿は活発そのもので、コロナ禍の間映像や配信で目にしていた姿から感じるイメージよりも、リアルな姿は数段生き生きとして見えました。 予想のステージや配信でも引っ張りだこだった彼女。 私は、仕事でご一緒する機会がなかったのが、残念……。 この日のライブには、ご家族や、「もうちいちゃいころから見て来てるから……」というトレセン界隈の方々も応援に駆けつけていました。 そんな人たちの応援を受けて、これからも馬や競馬に関することに携わっていってくれることでしょう。 望桃美 一度だけ、ばんえい競馬のオフィシャル配信「ばんスタ延長戦」にほんのちょっとだけ出て頂いたことがありました。 このラストライブの中での挨拶で、彼女自身「自分が(アイドルに)向いていないと思ったときもある」と話していたように、彼女はきっとこの活動の中で「自分自身」というものを探し続けていたのかも知れません。 もっと彼女のことをこちらがよく知っていれば、放送とか配信の中でお客さん方と一緒に楽しく過ごしてもらう機会をいっぱい作れたような気がする。 きっと彼女は「これから」の人なんだと。目の前で唄い踊る姿を見て感じました。 一瀬恵菜 子どもの頃から馬や競馬に縁があって、競馬のことを最も生き生きと話し、表現していたのが彼女。私が初めて仕事でご一緒したのが、2019年の年末の札幌でした。星野菜々とふたりでAiba札幌駅前併設のカフェバー「スタンピーズ」にやって来て、一生懸命唄い踊って店内のお客さん方を喜ばせていたのが、本当に印象的でした。 この日の存在感も、やっぱり期待通り、安定の一瀬だったな。 彼女には、その札幌の時の縁もあって、コロナ禍真っ最中の2020年度に不定期配信されていたばんえい競馬のオフィシャル配信「もうひとつのばんスタ」にも出演してもらったことがあります。 「桜花ロス」(笑)の皆さんのために、アーカイブのリンクでも上げとくか。 一瀬恵菜 出演回の様子 Youtubeの彼女の出演部分の動画は、こちらのリンクからご覧下さい この配信の中で、桜花のキセキのこのときまでの「活動の軌跡」も、少し振り返って見ることが出来ますね。 当時、こんな配信作ってたんだ、自分ら。ちょっと懐かしい。 2021年3月に配信した動画なので、いまから2年前のことです。 一瀬は、きっと競馬の仕事を続けていくだろうし、アイドルとしてではなく「馬や競馬を伝える人」としても、きっと競馬や私たち競馬を楽しむ人々を盛り上げてくれるはずです。 星野菜々 活動の最後の方は、ライブのプロデュースとか演出的なことにも彼女が関わっていたようです。確か彼女はDJとしても活動していたはず。 彼女自身もそのように話していたので書きますが…… 正直、3年半前に一瀬恵菜と一緒に札幌に来た時点では、彼女の方は仕事の声がかかることがまだ少なく、私の周囲でも「誰?」みたいな状況でした。多分、彼女自身も様々なことを思い、感じながら粘り強く活動を続けていったのだと思います。 そして、いま。 桜花のキセキのステージを「取り仕切り」(笑)、ステージ上だけでなく見ている私たちをグイグイ引っ張っていたのは、彼女。いまの彼女は、ほかの3人とは全く違う、見る者を惹きつける魅力を身に纏っていました。 馬も競馬も全く縁のないところから活動をスタートさせて、いまここ。 こういうことも「縁」なんですよね。 彼女自身も、この活動に入る前には、まさか馬に乗って弓を引くようになるとは夢にも思っていなかったでしょう。 彼女にも、コロナ禍の間に、ばんえい競馬のオフィシャル配信「もうひとつのばんスタ」に出演してもらったことがありました。 この星野菜々出演回は、まさに「神回」だったな(笑)。 Youtubeの彼女の出演部分のアーカイブは、こちらのリンクからご覧下さい。 彼女が取り組んでいる「流鏑馬」についても、この配信の中で紹介されています。 彼女は、別のアイドルグループに移って活動するんだそうです。 「名前」も変わるかもと言ってました。 どうなるのかな…… この日の別れ際に「競馬の仕事も続けたい」と話していたから。 またそんな機会も作れたらいいなと思っています。 彼女は、4月22~23日に青森県・十和田市で行われる、女性騎手の流鏑馬の祭典「桜流鏑馬」に、今年も出場するそうです。 4月からは、それぞれの道を歩き始める彼女たち。 彼女たちと、馬や競馬との縁に、感謝…… またあおうね! 次回は、今週の名古屋競馬の話題をお送りしますね。
2023年03月29日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 名古屋競馬の先週の開催も、1日だけ出かけてきました。(取材日:3月16日木曜日) 冬場、ナイターレースが続いていた名古屋競馬場も、この開催からはデイレース中心に戻りました。ちょうど気温が上がってきた頃合いで、この日は日差しがポカポカして心地よい一日。ダートグレード競走開催日とあって、午後にかけてお客さまの数も更に増えて盛り上がりました。 相変わらず元気に、エサをねだる チップとポテト 今週のプレイヤー 年度末を迎えて、少し調子が上がって来たかな…… 浅野皓大騎手 年の初めに全く調子が上がらず、1月1ヶ月でまさかの2勝 しかしその後調子を取り戻し、昨日までで今年11勝まで勝ち鞍が伸びました。「流れは良くなっていると思います。自厩舎の力のある馬にも乗せてもらっているので、それでチャンスも増えていますね。」 取材した3月16日は、3レースのアカサカココアで勝利 好発から一人旅の逃げ切りでした「調子が上がって来た要因、ですか?う~~ん、なんだろ……」 ……などと話していると、横から後輩が元気よく入ってきました。「僕のお陰ですよ!僕が勝つと、先輩も勝つんです!!」 細川智史騎手 今季、昨日までに26勝 最近、この二人で連動して勝つことも多いんだとか。 浅野騎手に聞いてみると、まんざらでもない様子。「確かに、最近そう言う面ありますね。間違いない。相乗効果。やはり、後輩に背中を押されている、という感じはあります。」 レースに行けば、相互に戦うライバル同士なのですが…… 馬から降りれば、相互に励まし合い高めあうのもまた、競馬の世界。 名古屋の若手、いまいい感じでエネルギーが巡っているようです。 浅野騎手、残念ながら、ひとつの目標となる「今年度中の見習い卒業」には、あとひと開催で7勝と少々厳しくなってきました。来年度も「ヤング」。ただ、新たに大畑慧悟騎手が入ってくるので、その先導役として、いい役割を果たしてくれるといいですね。 つづきまして、今日のキッチンカー(仮題) これまでも何度か来ていたみたいですが…… こちらのキッチンカーにお邪魔しました。 この色、ティファニーブルーって言うんですって。 鮮やかだけれども優しい色づかいがとっても目を惹く、こちらのキッチンカー。 モンフェリーチェ instagram:mon.felice0319 メニューは何かと盛りだくさんなのですが…… やはり、お昼御飯には炭水化物(笑)。 看板の一番左上にある、「こく旨ちきんカレー」を注文してみました。 これがね……やう゛ぁい、うまい。 プラス50円でチーズトッピング カレールーとごはんが別々になっていて、両方を少しずつ頂くも良し、豪快に上からガッツリかけて食べるも良し。 ごはんの上をよく見ると、乗っているにんじんがちゃんと桜の形に切ってある。こういう「演出」も、ちょっとホッとして嬉しいものです。聞いたら、仕込みの段階でこの形に手作りでしているのだとか。 キッチンカーを運営しているのは、写真左の女性 杉本百香さん 右側の男性は、人手不足のためかり出されたパートナーの方 今日はご夫婦でお店に立っておられました。「始めたのは1年前ぐらい。知り合いの主婦3人で運営しています、それまではそれぞれで小物雑貨やパンを売ったりしていたのですが、『何かやりたいね』という話になり、キッチンカーに行き着きました。」 「女性3人でやっているので、女性の方が集まりやすいイベントに出店することが多いですね。子どもイベントとか、あと、大学とか。」 一見メニューは、他のキッチンカーと変わらないようにも思えますが…… 中身を見ると、先ほどのカレーの中のにんじんがきちんと手間をかけて花の形になっているところなど、女性らしい細やかな気遣いもまた、「美味しさ」の秘密、女性にウケるメニューになっていますよね。「やはり、何か女性だから気がついて出来ること、女性に支持してもらえるようなことが出来たらいいですね。色々アイディアは出ていますよ」 笑顔の絶えないお店。今後の展開にも期待したいです。 また近いうちに、名古屋競馬場にも来て頂きたい! ごちそうさまでした!! この日のメインレースは、ダートグレード競走の名古屋大賞典(Jpn3) 新競馬場に場所を移して、距離は2000mに設定されました。 向正面からスタートして、コースを1周半して最後の直線入り口 内をすくってケイアイパープル(黒帽)が抜け出してきたときには、これはやったか!?と思わせましたが……外を回って動き出していたハギノアレグリアス(赤帽)が、直線で襲いかかる。 最後はアタマ差、ハギノアレグリアスが捉えたところがゴール それにしてもいい勝負でした。 敗れたケイアイパープルの藤岡康太騎手は、上がって来てこの表情 惜敗だけに、その心中推し量れる表情です。「名古屋2回目ということもあって、レース前の雰囲気は良かったです。初速がない馬なのであの位置になりましたが、いままでは揉まれると結果が出ない馬が、今回はいつもと違う形で並ぶところまで行けました。」 手応えも感じた一戦になったようです。 ハギノアレグリアスは、長い休養帰還を屈腱炎の幹細胞移植治療に費やし、ここまで復活してきた馬。昨年11月のみやこステークスと、1月の東海ステークスは惜敗に終わりましたが、ここでついに重賞タイトル獲得となりました。 この開催から、重賞の表彰式はこのようにお客さま方の前で行われるようになりました。 川田将雅騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 四位洋文調教師 JRAの競馬場にプレイヤー取材に行けないので、本当に久しぶりにお目にかかりました。相変わらずの爽やかな笑顔。そして勝利の喜びも、かつてと同じ軽快な口調で語ってくれました。「足元の関係で長く休んでいた馬ですが、ジョッキーが『素質はかなりある』と話していたので、何とかタイトルを取らせてあげたいと思っていました。この2戦はツイていない部分もありましたが、今日はきっちり勝ってくれました。調整は自信を持って出来たし、何しろ(前2日連続で重賞勝ちの)ジョッキーが今週は絶対的でしたから(笑)。」 今後に向けても……「上の舞台へ行きたいですね。賞金の関係もありますが、帝王賞を目指したいです。」 とにかく、まずは無事に元気で。 そして、より大きな舞台でのこの馬の活躍も期待したいです。 四位さんの話も、また長く聞きたいな…… かつて大昔、函館競馬場で、馬場が悪くて馬たちが外ラチ沿いを走るような状況になったときに、検量室の前で記者の方2~3人と一緒に、どんな状況なのか、どんな感覚なのかを30分以上熱弁して教えてくれた、騎手時代の四位さんのことを思い出しました。彼の話は、さほど詳しくない私のような者でも本当にわかりやすい。そして、楽しい。 最終レース。「永遠の若者」がやりました! 12レース カガヤキファイター 丹羽克輝騎手が、64歳の誕生日に見事勝利を取りました!! 上がって来て、このポーズ。 ほんと、「永遠の若者」だわ……この人は。 まだまだ、やりますよ。きっと。 頑張って下さい!! 来週は、何の話にしようかな……。
2023年03月22日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 この中間は取材に出かけられなかったので… 仕事で訪れた場所のご紹介を。 先週から行われている「地方競馬ミルクウィーク」 私は、初日9日の笠松競馬場にお邪魔しました。 笠松競馬場の入り口付近 もう少しすると、ここが花の色あふれる景色に変わります 入場門付近で、ミルクのサンプリング この日は、県北の飛騨地方で作られている、飛騨牛乳でした。 この翌日には南の美濃地方で作られるひるがの牛乳が配布されました。 私も、ミルクウィークのジャンパーを拝借して着てみました この日の笠松競馬場ではたまたま、地元の畜産協会ほかのご協力があり、ミルクウィークに合わせた競馬の予想トークイベントも実施。 私、予想パネラーとして出演させて頂きました。 本場映像から こんな感じで、表彰スペースでなんと一人でのトーク 折角のミルクウィークですから…… 予想だけしていてもらしくないしつまらないので、ミルクに関する様々な話題も同時にお送りしました。 ミルクトーク、盛り上がりましたよ! 意外と知らない、地元のミルクの生産量。岐阜県 33,263トン(全国29位)三重県 56,779トン(全国23位)愛知県 154,055トン(全国 8位)(2021年 牛乳乳製品統計より) 愛知県の8位には、驚きの声が上がっていましたね。私も調べていて、驚きました。愛知県の南東部、渥美半島や豊橋の方面では農業が盛んで、酪農の生産量も多いんだとか。 ただ単に、ミルクを配って終わり、ではなくて…… こうして地元の酪農や、地元産のミルクに興味を持って頂くという意味で、とてもいいイベントになりました。お客さま方のリアクションにも感謝! そして……肝心の競馬予想 痛恨の、抜け目…… 折角人気薄の馬を本命にしたのに、もったいない!! 笠松競馬場でのひととき、お客さま方と、美味しい牛乳とともに、楽しく過ごさせて頂きました。 週末には、旧荒尾競馬場があった荒尾に出かけました。 お仕事の目的地は、その旧荒尾競馬場跡地にある場外発売所「BAOO荒尾」でしたが、午前中の僅かな空き時間を使って、是非行ってみたかったこの場所を訪れました。 三井三池炭鉱の遺構のひとつ、万田坑(まんだこう) 明治日本の産業のありようを今に伝える「世界遺産」に指定されている史跡でもあります。 三井三池炭鉱は、近代日本の産業を支えた、一大産業でした。旧荒尾競馬場があった熊本県荒尾市と、隣の福岡県大牟田市は、いずれもこの三井三池炭鉱の盛衰とともにあるまち。往時の荒尾競馬場は、炭鉱労働者や石炭産業に携わる人々と金が行き交い、隆盛を誇っていたと聞いています。 工具や機材を整えるための作業場 いまにも奥から、作業をする人夫が現れてきそうなぐらい、当時のままリアルに残されています。奥の方の「ご苦労さん」の張り紙が、かつてここに居た人々の「気配」を、一層際立たせます。 「第二竪坑」の入り口。 手前に見えるのが、260m下にある採掘現場へと降りていく「ケージ」。このケージに、25人もの男達が詰め込まれるように乗り込み、地下の現場との間を行き来していたそうです。 竪坑の入り口(右手)と、出入りを管理する小屋 先ほどのケージが上から吊されて、地下260mへと降りていきます ケージを巻き上げる巨大な装置も、そのまま残されていました 実際にこの場所から掘り出された石炭 この黒い「燃える石」が、往時の荒尾競馬を支える大きな力になっていたことは、間違いありません。 競馬の仕事に携わっていると、至る所でこうして「時の流れ」というものに触れることが多くあります。荒尾競馬場はなくなってしまったけれども、別の形で深まったこの場所との「縁」を大切にしていきたい。改めてそう思いました。 場外発売所 BAOO荒尾外観 手前の青いモニュメントは、かつての荒尾競馬場のゴール板を飾っていたもの 荒尾という街には、確かに産業があり、人々が行き交い、そして競馬があった 訪れるたびに、この場所を流れてきた時間と、「縁」を、感じさせてくれる場所です。 BAOO荒尾では、多くのお客さまが競馬を楽しんでおられました 旧荒尾競馬場時代から、この場所で半世紀以上にわたり競馬を見ている、という、「大」がつくベテランさんの姿も。 BAOO荒尾の建屋は、旧荒尾競馬場のトラックの丁度ど真ん中辺りにあります。 そこから、かつてスタンドがあった方向を見ると…… 半年ぐらい前にはまだ残されていたスタンド建屋が、取り壊されてこのように殆ど更地になっていました。 これもまた、時の流れ…… 来週は、名古屋競馬のリポートで。 明日は、ダートグレード競走の名古屋大賞典ですね!
2023年03月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週木曜日、3月2日 久しぶりに川崎競馬場に行ってきました。 2年前の全日本2歳優駿の時に来て以来なので、1年3ヶ月ぶりぐらいかな… 当時はまだ、いろんなことが恐る恐る、でしたが、今はこんな感じ。 往時と変わらぬ雰囲気の競馬場の風景でした。 パドック横のB級グルメが、コロナの前とは店の形を変えて復活してるんですが… この日は、有名だというコロッケを食べました。 あと、とん汁 コロッケ、コロナの前から有名だったらしいですが… 私はなんだか、焼きそばのイメージしかありませんでした。 このコロッケ、何がいいかというと…・揚げたてでサクサクしてる・中身の、ピリリとしたコショウ系のスパイシー感がハンパない・中身のポテトの間に、挽肉が食感わかるほど入ってる……確かにこれはおいしい。250円 とん汁は、「もち巾着」が入ってて、こんなにボリュームがある。 そして、うまし。400円 もう、コロナ前がどうだったかとか、憶えていませんが… やはり、競馬場にはこうしたB級グルメが欠かせませんね。 これがあるだけで、レース間の楽しみと雰囲気がちがいますもの。 スタンドの中は綺麗になって、このようにコーヒーが頂けるお店も。 こうして、古くからあるものに新しいものが加わっていくのが、進化、ですよね。 スタンドの上の方は、もっと進化しているのですが… それはまた、別の機会に。 プレイヤーの取材は、この人から。 久しぶりにお目にかかることが出来ました。 中越琉世騎手 すまぬ…騎乗姿をこの日撮ることが出来ませんでした…… 昨季、門別に短期移籍で乗りに来ていて、その時以来の再会でした。 「門別で経験してから、難しい馬をそこまで難しいと感じることがなくなりました。(門別で所属していた)小国先生は厳しかったけれど、教えてもらって身につけたものが、確かにあると思います」 成績的には、今年まだ1勝。 本人も、南関東に戻ってきてまた苦戦していることはわかっているようで「少しずつですね。あとやるのは自分なので。それはわかっています」 聞けば、ゲート試験で周囲が受かりそうにないと感じていた馬を、きちんとゲートの中で立たせて、ゲートから出して、試験を受からせて、それが騎乗機会に結びついた、なんていう話も出ていました。そうやって、身につけたものを、まさに少しずつ、発揮して出して、機会を得ていくところから、ですよね。 また川崎に様子を見に来て、その時に活躍シーンに行き会えればと楽しみにしています。 この日は、レディースジョッキーズシリーズ川崎が行われました。 地方競馬所属の女性騎手、怪我で欠場した佐々木世麗を除いた8名が集いました。 東海地区には、名古屋が誇るレジェンドのひとり宮下瞳騎手(右からふたりめ) 通算500勝を達成した、木之前葵騎手(その左) 笠松で頑張っている深澤杏花騎手(さらにその左)と、3名も女性騎手がいます。 ……名古屋か笠松、どっちかではやりましょうよ……レース。 売上には、もしかしたら結びつかないかも知れません。頭数が少なくなるので。こういうイベントレースは、手間もかかるでしょう。部内とかの理解も、必要なのかも知れません。 でも、「競馬という物事が、世の中の流れをきちんと汲んで、後押ししている」という意味では、こういうイベントに参画することはとても大切なことだと、わたしは思うんですよね。 今年度は残念でしたが、来年度は是非、関係の皆様よろしくお願いします! 実際、この騎手紹介セレモニーから引き上げてくる宮下瞳騎手に、お客さまエリア側にいるある家族から声がかかりました。 宮下騎手と話している、グレーのニットを着た彼女 この4月から騎手を目指して地方競馬教養センターに入ることが決まっているんですって!間近でレジェンドと話が出来て、さぞかし励みになったのではないでしょうか。 そして……宮下騎手にとっても、彼女を目指して、歩き始める人がいる。 励みになったんじゃないかな。 素晴らしい出会いが生まれました。 この、騎手を志して歩き始める彼女が、いずれすぐに競馬場でプロとしてデビューし、私たちに姿を見せてくれる日がいまから楽しみでなりません。 怪我に気をつけて、頑張って下さい! さて…… 第1戦。名古屋の木之前葵騎手の馬が人気になっていたのですが… 残念、スタートがうまくいかずに、最後方からの競馬を強いられるロス。 勝ったのは、この人でした。 小林捺花(なつか)騎手 昨年デビューの18歳。その昨年は22賞。今年ここまで、8勝 このレースでも積極的なレースで、ライバル達を振り切り逃げ切り。 ゴーグルも外さず完全防備なのは、かなり重度の花粉症なんだとか…… 当日は、彼女の親類一同さまやその知り合いの方、幼なじみのお友達など、「大応援団」が競馬場に大挙していらしていました。幼なじみだという女子たちに話を聞いたら、「初めて競馬場に来て姿を見て、そしたら勝って……(グスン)」と、涙ぐみながら話していました。 頑張っているから、そうして周囲の人たちにも自然と恩返しになっているよね。 私は、初めて映像の中ではない、リアルの彼女の姿に触れることが出来ました。 これ幸いとばかりに、レディースの囲み取材のタイミングで、あれこれと自分のための取材をぶっ込む私(汗)。 「自分にいま騎乗依頼そしてもらえるのは、やはり減量があるから、ですよね。だから、その期待に応えるように、減量を生かせるように、積極的なレースを心がけています。」 とは言え、南関東を取材している方々に話を聞くと「追っての良さも評判になっていますよ。」とのこと。フィジカルも鍛えているらしい、という話も聞こえてきました。 「レディースジョッキーズシリーズは、減量がないから、減量なしで乗るときにどう乗ったらいいのかということを考える、きっかけになりますね。」 単に、女性騎手の祭典、的なイメージではなく、騎手としての自分にこの場をどう生かせるか。 「考えて乗りたい。そして見せ場を作ると言うことを意識して。」 いま彼女が出来ることを、そんな風に話しました。 なんだか、すごく面白い人に出会えた。 取材して、そんな風に感じました。 第2戦 名古屋の宮下瞳騎手が、存在感を発揮! 来年度は……名古屋でもやりましょ。この大会。 最後に、お知らせ。 この週末。3月11日土曜日、12日日曜日の2日間にわたり、九州の熊本県にある場外発売所「BAOO荒尾」にて、場立ち予想トークイベントを行わせて頂くことになりました。 当日は、イベントで予想するばんえい競馬(土曜日)や佐賀競馬(日曜日)の競馬専門紙を、先着でプレゼント。11日土曜日には、北海道の美味しいものが当たるじゃんけん大会も用意されていると聞いています。 JRAは全レース発売している、このBAOO荒尾。 その重賞レースの予想トークも、やろうかなと思っています。 いつもこの場所を訪れている方は是非。 そうでないかたも、是非この週末は、BAOO荒尾でご一緒に競馬を楽しみましょう!!
2023年03月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週も、名古屋競馬場からのリポート。 月~金の5日間、名古屋ベイサイドナイター開催中です! 取材日は、昨日2月28日火曜日 この写真は、14時45分発走の1レースの時に撮影したもの 写真だけ見ると「夏か!?」と突っ込みたくなるような、青い空と明るい日差し。実際には空気はまだ少しヒンヤリとして、吹く風も少々冷たく感じられます。 でももう、春もそこまで来ているのでしょうね。 この日の話題……と行きたいところなのですが(汗) 注目していた騎手の「区切りの勝利」 前回のリポート日のあと、端から達成してしまいました…… 話を聞いたのは、全て昨日2月28日です。 村上弘樹騎手 2月17日金曜日に通算600勝達成!「500勝からこの600勝までは、本当に長かった……」 開口一番、このように話した彼。 「怪我もあったし、減量もきつくなっているし、思うように結果が出せなくてここまで時間がかかりました。」 実際、300勝から400勝までが10ヶ月 その次、400勝から500勝までは1年4ヶ月 そして……そのあと600勝まではなんと1年10ヶ月かかりました 昨日2月28日も、1レース ブレットアーチで勝利(真ん中1番) 今季ここまで12勝 名古屋では11勝でリーディング11位 難しい馬を動かしてもってくるプレーに印象のある、彼。 この日も昼イチから、勇ましいプレーで馬を勝利に導きました。「そういうつもりは勿論ないのですが……500勝の前後は馬も回ってきていたし流れも良くて、知らず知らずのうちに調子に乗っていたのかも知れません。そういう気持ちもないとダメだし、負けず嫌いでもあるので(苦笑)、それが全てダメなことだったとは思わないのですが…。」「弥富に競馬場が移ってきてこの1年……どう乗っていいかわからなくなっていたような気がします。ちゃんと乗れていないなと。レースでも、皆について行けてないなと。そういうことがようやくわかってきました。」 自分の現状を、そんな風に衒いなく話す、彼…… 「いま、落ちるところまで落ちて、ここから先またリーディング5位ぐらいのところまで上がって行ければ、落ちずにずっと7~8位ぐらいでウロウロしているよりも、アピールは出来る。そうすれば、また流れも良くなってくる。いまはそう信じて頑張って行くつもりです。」 次の700勝の時に、どんな心持ちで頑張っているだろうか…… その時まで活躍に注目して、またその時に話を聞いてみたいと思っています。 木之前葵騎手 2月21日火曜日の笠松競馬で通算500勝達成! 取材の2月28日には、3レースをキタノドーベルで勝利!(外1番) これが通算で502勝目でした。「やっぱり、(達成は)笠松でした……」 聞けば、400勝も笠松だったんですって。 あと1勝まで来たところで、怪我で達成が越年してしまっていましたから。とにもかくにも大きな区切りをクリアできて良かったです。 レースに向けての話は、先月怪我から復帰したときにお伝えしているので、そちらで。 明日は川崎競馬場で、レディースジョッキーズシリーズに参戦します。「普段乗ることのない競馬場なので、それが楽しみです。色んなことを吸収してこられたらいいなと思っています。」 本人に聞いたら、「川崎も、乗ったことはあるはずですけれども…いつだったかな…」と、記憶は定かじゃないみたい。調べてみたら、2016年11月2日のロジータ記念でキタノアドラーブルに乗っていたのは確認できました。 明日は成果が出せるでしょうか? 名古屋からは勿論、宮下瞳騎手も参戦! 楽しみにしたいです。 王者・岡部誠騎手 2月23日の笠松メイン・ウインター争覇を勝って、地方競馬通算4700勝達成! 取材日2月28日には、5レースをフェアレーターで勝利! 岡部誠騎手の場合は、JRAでも勝っていますし、マカオに遠征してそこでも勝利があるので、記録はあくまでも「地方競馬通算」。それでも、やはり区切りというのはその人の「歩み」のひとつの目安になります。「笠松でのインタビューでは、『今聞いて知りました』って言ってましたけど……」と水を向けてみると、彼からはこんな答えが返ってきました。「4700っていう数字自体は、特に意識はなかったですね。でも数字を聞いたときに、ああ、5000は近いんだなと。5000となるとやはり意識します。その数字を目標にしたい、達成したいな、という気持ちがメラメラとして湧いてきました。」 昨年の勝利数が299でした。 同じように活躍できるとは限らない仕事ではありますが…計算上はあと1年ちょっとで5000の声を聞くことになりそう。本人に「意識する」と言われれば、やはり見て応援するこちらも意識せずにはいられません。 途轍もなく大きな区切りへのカウントダウンは、すでに始まっています。 この日、2月28日のメインレースは、3歳馬の重賞・スプリングカップ なんと言っても……「あの」馬が、中1週で登場し、注目を集めました。 セブンカラーズ デビューから5戦5勝 今季緒戦となった先々週の準重賞・梅桜賞から、時をおかずに登場してきました。 返し馬での様子 今日も背には山田祥雄騎手 全国交流で行われるこのレースには、高知からデステージョが参戦。 2歳の秋、門別所属時に、ダートグレードの兵庫ジュニアグランプリ3着という戦歴を持つこの馬もまた、セブンカラーズに大きく劣らぬ注目を集めました。 3コーナーからスタートする1700m戦 その最初のゴール板前 セブンカラーズがダッシュを聞かせてハナを奪うと、前走で新春ペガサスカップを勝ったリストンが追いかけるように追随。一方デステージョは、序盤をうまく捌けず、3番手以降の馬群の中。 追いかけていたリストンの脚色が鈍っても、後続の馬群の中からかわって追い上げてくる馬は現れず…… 直線入り口で、すでにセブンカラーズが独走態勢! 悠々とゴールし、後続を6馬身離したセブンカラーズ まさに完勝でした。 デステージョは、最後の最後に凄い脚を使って追い上げましたが……セブンカラーズからは離れたところでの2着争いまで。疲れたリストンをギリギリ交わして2着となりました。 引き上げてくるデステージョと、残念そうな表情の宮川実騎手「スタート後、砂を被って包まれるような形になってしまい、動きたいところで動けませんでした。高知とはまた違う砂質のコースで、砂をかく雰囲気がいつもと違ったように感じました。まだ成長途上の馬で、これから強い調教を課して精神面が成長してくれば、もっとやれる馬になると思います。」 勝ったセブンカラーズ 川西毅調教師の話「レースの前は少しテンションが高かったけれども、レースでは落ち着いて走る馬。この馬に関しては距離がどうという馬ではありません。」 この馬に関して、(自分たちが)少しずつわかることが増えてきた……ここまでの歩みを振り返って、そのように話した川西調教師。 東海ダービーに向けての「さまざまなこと」の青写真は、おおよそ描けている様子に感じられました。 気になる次走は、東海ダービーに向けての最終ステップになります。 一旦放牧に出たあと、どうやら4月20日の東海クイーンカップ(1700m)も候補になる模様。またまた今後の動向が気になります。 山田祥雄騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 「先週よりは、馬がシャキッとしていました。(普通の馬とは)ペースが違うんで……最後は馬が勝手に後続を引き離していきました。」 この日の手応えをこう話した彼も、そろそろ東海ダービーに向けての意識が高まってくるのだろうか…? 今開催の名古屋競馬は、3月3日金曜日までナイターで行われます。
2023年03月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、少し時間が経ってしまいましたが…… 先週の名古屋競馬のリポートを。 先週の名古屋開催は、月曜日~金曜日の5日間のオールナイター開催 この写真は13日月曜日の日中のものなのですが…… あいにくの曇天で、風が吹くと寒い! 覚悟はしていましたが、この季節のナイター開催は取材には結構厳しい環境です。 頑張って、翌14日まで競馬場にお邪魔しました。 13日月曜日の1レース(920m) 19歳牝馬のヒカルアヤノヒメが出走! 通算314戦目のレースに挑みました。 わかりますかね…… さすがにこの季節は冬毛が伸びて、競走馬として体調がトップの季節とは言えない様子。それでも、歩きなんかは元気なところを見せていました。 久しぶりにヒカルアヤノヒメのレースに立ち会って、気がついたのですが…… このような感じで、年配のお客さまがこの時間帯をめがけて大勢お見えになっていました。最近、競馬場には若めのお客さま方が多くなってきたので、目を惹きましたね。皆さんそれぞれで、スマホを構えて彼女の姿を写メにおさめていました。 牝19歳のヒカルアヤノヒメ 年配の方々にとっても、共感するところが多くあるのでしょう。 レースは、スタートを決めて馬群について行く彼女らしい競馬。 ゴールまでに抜かれてしまい、結果は最下位9着、でしたが、このように8着の馬とはハナ差。 騎乗した尾崎章生騎手の話 「スタートは良かったですし、この馬の競馬は出来ました。最後は1頭近くにいたので、それを交わしに行きました。冬場でも変わりなく元気ですし、自己条件が920m戦になっている開催に絞って出走することになりそうです。」 次は少し暖かくなってくれば、毛ヅヤなんかも良くなった姿を見ることが出来るかも知れませんね。 次の話題。 岩手から短期移籍で来ていた陶文峰騎手が、先週の開催までで移籍期間終了となりました。 名古屋滞在中、70戦して3勝の成績でした。 「盛岡とも水沢とも違って、慣れていないから、どうしてもレースは難しかったですね。丁度わかってきたかな、って言うときにこうして短期移籍が終わってしまうのは残念です。でも、とても仕事がしやすい環境でしたし、馬も回してもらって有り難かったです。」 「馬や人との出会いもあって……来てみて良かったです。得たものを生かして、これから頑張って行きたいです。」 短期移籍って、一口に言っても、人によって目的とするところとか、そこで得たいものとかが全く違うもの。彼は彼なりに得たものを携えて、これからまた競馬に携わっていくことになります。 今度は、また岩手で会えたらいいな…… ここで、今週のキッチンカー(仮題) のコーナー!! 今回は、美味しいおむすびととん汁のお店をみつけました。 おむすび屋 HUG MOG 食堂 インスタグラム @omusubiyahugmog もう競馬場には何度も来られてるそうなのですが…これまでたまたま行き会わなくて、私は今回初めてこのお店でお食事を頂戴しました。 小さいキッチンカーですが、POPとのぼりで目立つように営業されてます。 「おむすびで子どもたちを笑顔に」をコンセプトに、競馬場でも元気に営業中! お店をおやりになっている、森藤円香さん「2年前の6月にこのキッチンカーを始めました。実は犬山で『子ども食堂』の活動をしていて、場所も何もかも全て決まってさあスタート!っていう段階まで来たところで、コロナ禍になってしまい……挫折してしまったんです。もの凄く落ち込みましたけれども、何か出来ることをと思い、まずこのキッチンカーを始めてみました。」 この、競馬場のキッチンカー取材を始めてもう1年経ちますが… キッチンカーを始めた皆さん、本当にそれぞれの事情というか、人生模様があります。「キッチンカーを始めても、3ヶ月ぐらいは店を出せる場所すらありませんでした。それこそ近所の空き地とかに出してもまったく流行らなくて。売っているもの(商材)がダメなのかな…と悩みました。」 このように様々な種類のおにぎりが、暖かいとん汁とともに頂けます。「私の中では、おにぎり、だったんですよね。子どもが安心して食べられるし、おやつにもなる。とん汁はこれだけでもおかずになる。そのうち、おにぎりって意外とやっているキッチンカーは少なくて、他と被らないから大人の方にも売れる、やれる、っていうことも見えてきました。売れるようになって来て、健康志向のお母さん方も支持してくれるようになって、口コミでも広がって、こうして続けられています。」 自身も5人のお子さんのお母さんだという店主 その経験が、活動に生かされているのでしょう。 極力添加物を使わない、アレルギーもオーダーがあれば大丈夫なものを出す お子さんが安心して食べられることが、このお店の最大のセールスポイント そして、店主のこの笑顔も。「春からは、もう1台増やして2台でやっていく予定です。キッチンカーでも子ども食堂の活動は出来ていて、むしろ車でいくつかの食材が集まって子ども食堂をやると、それはそれでどこでも出来るメリットがあるっていうこともわかりました。」「リアルな場所の子ども食堂の活動も、諦めてはいないんです。やはりその場所にあって、困った子どもが気軽に食べに来られる、っていうことが大切なので。役場とも話をしていますが、なかなか難しくて。」 大人が遊ぶ競馬場で、子どものことを考える。 貴重な取材の機会を頂きました。インスタグラム @omusubiyahugmog 名古屋競馬場には、1ヶ月に1回ぐらいのペースで来てくれているみたい。 その他イベントなどの場所でも、見かけたら是非立ち寄ってみて下さい。 おにぎりもとん汁も、やさしい味でとっても美味しかったです! 次の話題。 2月16日木曜日 都内のホテルにて、NARグランプリ2022の授賞式が行われました。 名古屋からは、今回も4人ものプレイヤーが受賞しました。 優秀新人騎手賞 塚本征吾 騎手優秀女性騎手賞 宮下瞳 騎手ベストフェアプレイ賞 岡部誠 騎手特別賞 戸部尚実 調教師 売上や、規模で言ったら、他の競馬場に譲るところもあるでしょう。 しかし、NARグランプリとなると、名古屋からは毎年のように複数の受賞者が出ています。これは本当にすごいことだし、素晴らしいこと。外から見ての印象以上の、名古屋競馬の「中身の濃さ」を示しているものだと私は思っています。 残念ながら…… 今回は授賞式当日が自場のナイター開催。 さすがに、競馬をすっぽかして授賞式、というわけにはいきません。 それでも、塚本征吾騎手だけは「将来のことがあるから」と周囲にも勧められ、当日の騎乗を辞退して授賞式に参加しました。 たぶん、当日は長く話も出来ないだろうなと思い(汗) 事前に話を聞かせてもらいました。「実は、賞のこととかは全く意識していなかったです。いまは目の前のレースを一生懸命乗ることしか考えていなくて、そうしたらたまたま、賞が頂けました。自分は、名古屋だけでなく笠松でもたくさん乗せて頂いて、他の誰よりもいい環境でやらせてもらっていると思っていて、そのことに感謝しかないです。」 確かに、笠松でも連日、数多く騎乗しているのが彼。 昨年は、笠松でも397戦して29勝。 名古屋所属騎手の騎乗数としては、王者・岡部誠の406に次ぐものでした。 これが、まだ新人とはいえ、彼がこれまで頑張って築いてきた「位置」「渡邊さん(笠松の渡邊竜也騎手)に教えてもらって、いまちゃんと顔のケアを。化粧水つけて、乳液もつけて、ってやってます」 そういうこともね(笑) 若いうちからしっかりと。 これからも、一つひとつのレースを懸命に乗る彼の姿に、ご注目下さい。 先週の開催のメインレースは、14日火曜日に行われた3歳牝馬の梅桜賞 昨年までは重賞として行われ、遠征馬の出走もあったのですが… 今年は東海所属馬限定の準重賞として行われました。 セブンカラーズ 今回のメンバーではやはり力が図抜けていました 好位で相手に合わせる形でレースを進め、勝負所からは後続を突き放しました 大差勝ち。これで土つかず5連勝!! 山田祥雄騎手 川西毅調教師(写真左から二人目)の話「まだしっくりきませんね。走りがスムーズではない感じ。(育成先から)帰ってきてまだ間がないですし、もっと良くなると思います。相手に合わせた競馬はということは、ずっと言っていること。テーマのひとつです。」 これは、レースの前に聞いた話ではありますが…東海ダービーまでに(梅桜賞を含めて)あと3走、という話も出ていました。 梅桜賞を勝って、あと2走。 1走は、ダービーの前に駿蹄賞でしょう。 残る1走が次走。来週21日火曜日のスプリングC(1700m)なのか、3月末の若草賞(1500m)なのか。動向が注目されます。 名古屋競馬の次の開催は、2月27日(月)~3月3日(金) またまた5日間オールナイター 来週は、もう少し寒さが緩んでくれればいいのですが…… また来週も、名古屋競馬場から話題をお送りします。
2023年02月22日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週は、佐賀記念当日の佐賀競馬場に出かけてきました。(取材日:2月9日木曜日) この日は、夜から雨予報。 日中も雲が多い一日でした。 ドがつく平日で、日中はゆったりした雰囲気でしたが…このあとメインレースにかけて、場内大フィーバーになるとは!! その前に。 プレイヤーの表情もお伝えしていきましょう。 手島勝利調教師のお話を伺うことが出来ました。 先日2月2日に姫路競馬場で行われた重賞・白鷺賞を、ヒストリーメイカーで制覇。JRAでオープン勝ち、重賞でも度々好走歴のある実績馬を預かり、その転入初戦を勝利に導きました。「緊張しましたし、勝ててほんとうにホッとしました。これだけの馬ですから。元々大人しい馬で、レースの当日も装鞍の時だけちょっとうるさくなりましたけれど、馬場に出ても大人しすぎて…大丈夫かなと思うほどでした。レースはもう相手はジンギ1頭に絞って、これにどう勝つかがポイントでしたが、結果うまく行きました。」 まずは緒戦をクリアして、気になるのは今後のこと。「みやこSのあたりで移籍の話があって、その後カノープスS使って、それで移籍となったんですが…その時点ではもう佐賀記念の選考条件には間に合わない状況で。それで姫路に矛先を向けました。いずれはダートグレードをと思っていますが、なかなか番組がなくて……名古屋大賞典という選択肢もありますが、地元を使っておきたい気持ちもあって、3月12日のはがくれ大賞典も見込んでいます。」 こうも加えていました。「ジンギも…はがくれ大賞典に来ると聞いていますしね。」 これが先週の時点の話。 さて、ジンギはいまどうしているかな……?? ヒストリーメイカーが、名前の通りダート戦線に新たな歴史を刻むのか ジンギが遠征してくれば、リベンジなるのかどうかも注目されますね 今後の動向を見守りましょう。 ジョッキーでは、この方とお話しすることが出来ました。 山下裕貴(やましたひろき)騎手 38歳 昨年82勝で、佐賀のリーディング5位 今年はここまで11勝の7位です。「昨年5位でしたから、今年はそれ以上の成績をあげたいです。」 その前の2021年も、更に前の2020年も50勝台でリーディングの真ん中あたりでしたから、昨年は成績的には一段飛躍を見せました。 今の思いを伺うと、数字的なもののほかに、こんな話も出ました。「数字をあげるには…例えば(山口)勲さんのように、『この人を乗せて負けたのであれば仕方ない』という存在にならないといけないと思うんですよね。それを目指してやっていかなければと思っています。」 レースで大切にしていることは何か? 少々抽象的な質問をしてみました。 「うーん、難しい質問ですね…(苦笑)」と少し考えたあと、興味深い答えをもらいました。「『引きずらないこと』じゃないですかね…」 出てきた答えはこれ。「この仕事、いろんな『焦り』があると思うんですよね。1つ1つのレースの中で、例えば出遅れとか想定外のことが起きたときの『焦り』もあれば、もうちょっと大きい話で、ずっと勝てなくて負け続けて、焦ってくるとかもあります。何事につけても『焦り』がよくない。いかに引きずらず、焦りが生まれないようにするかじゃないかなと思います。」 そうは言っても「馬との関係性の中で、自分が調子悪いと感じるときもある」ということですから、結果が出ないときに「引きずらない」というのは、なかなか容易なことではないのでしょう。 この取材にお邪魔した日は、残念ながら勝利には恵まれなかったものの、人気の薄い馬も含めて2着が4回。一定の勝負になりそうな馬に騎乗しているときには、見せ場を作ってくれている印象がある騎手です。「自分はまだ重賞を勝ったことがないのだけれど……それが目標かって言われると、平場も重賞も1勝は1勝っていう気持ちなんですよね。それはかわらないかな。」 その気持ちが、昨年勝ち鞍が伸びた理由なのかも知れませんね。 数字の上で、更に上を見ながら……もしもパートナーにも恵まれて、重賞を勝てたときに、彼がどんな景色を見るのか。デビュー14年目での更なる活躍に期待したいです。 さて、メインレースの佐賀記念(Jpn3) もう…福永祐一騎手のバーデンヴァイラーの独壇場でした 業務エリアで取材をしていたので気がつかなかったのですが…佐賀記念のレースの時には、途轍もない数のお客さまが競馬場に集まっておられました。 この日は、重賞の勝利騎手インタビューも賞典台で公開にて行われまして… ここでも、野外ライブみたいなフィーバーぶり 福永祐一騎手の勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 この日の佐賀記念を最後に、JRAから佐賀に転じて長らく活躍したグレイトパール(牡10歳)が、競走馬としての生活にピリオドを打ちました。 JRAでも重賞2勝。 しかし…それよりも偉大な成績と言えるのは、やはり、佐賀に転じてからの九州大賞典4連覇。4年間、生き物としての衰えもある中で、毎年その時期にまず戦列にいて、そして一定の力を出せる状態でなければ、達成できない記録です。 重度の裂蹄を克服して、佐賀での活躍に繋げたこの馬。 蹄の具合が安定してからは、季節に応じて調子を見極めながらの挑戦でした。とても賢い馬で、何か気になることがあると自分で力をセーブするようなところがあったそうで、佐賀で走れるときと走れないときがはっきりしていたのは、そうした馬の性質性格から来たものだったとか。 昨年、4連覇がかかった九州大賞典の時には、中間の調教にはかつて携わっていた育成の担当の方が携わり、装蹄に関してもかつての装蹄師の方に見てもらったそうです。まさに、これまでこの馬に携わってきたチームの「総力を挙げて」の4連覇達成でした。 最後の佐賀記念は8着 この日569kgの馬体は本当に大きく堂々として見えました。 佐賀で管理していた川田孝好調教師には、私が佐賀に行くようになってから、この馬のことをよく教えてもらってきました。 川田孝好調教師 パドックで、グレイトパールへの騎手の騎乗を補助するのも、これが最後 乗ったのは、倉富隆一郎騎手。 彼にとっても、名古屋での重賞勝利や、九州大賞典4連覇の仕上げに騎乗したことなど、思いの深いうまなのではないでしょうか。「前走のあとは『最後のレースまであと何日』っていう感覚だったんですが…今朝起きてみたら、急に寂しさがこみ上げてきましたね……」 家には帰らず、夜厩舎で休むことも多いと話す川田調教師。居場所が丁度グレイトパールの馬房の真上だった、という話も聞きました。何か様子で感じることがあると、すぐに馬のところに駆けつけられるほど、「寝食を共に」してきたのが、このグレイトパール。 最終レースのあとの引退セレモニー 寒さにもかかわらず、多くの方々が残って馬との別れを惜しみ、関係者の様子を見守っていました。 挨拶する川田調教師「今後については、誘導馬とか、北海道の牧場にとか、様々な選択肢がありました。その中で『九州で種馬になって、九州産の馬出すっていうのはどうか』という話が出て、その方向で話が進みました。宮崎で種牡馬になることになっています。グレイトパールの仔をまた手がけることが出来たら嬉しいですね。」 これが競馬、ですよね。 名優・グレイトパールの旅路は、まだまだこれからも続きます。 カフェFUJIの、オムライスにありつけました。 このてっぺんの旗がすき。 お店で構って下さったお客さま方、ありがとうございましたm(_ _)m 昨日月曜日から、名古屋の開催が始まって、いまは名古屋競馬場に来ています。結構話題もあるので、名古屋の話はまた次週の稿で。
2023年02月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、ちゃんと競馬場に取材に行ってきました(汗)。 重賞の梅見月杯が行われた、名古屋競馬場のリポートです。(取材日:2月2日木曜日) 先週の開催は、月~金の5日間、オールナイター開催。 レースが始まるお昼の時間は、このように陽が出ていてポカポカとした陽気でした。 丁度この写真を撮っている場所からスタンドを隔てて向こう側が、濃尾平野に冷たい風を吹かせる「伊吹山」の方角。風がスタンドに遮られるので、スタンド前は意外と風の冷たさを感じずにすみます。 どこに行っても寒い風がビュウビュウ吹き抜けていた土古の旧競馬場に比べると、海に近い開けた場所にあるのに過ごしやすい感じがしますね。 こういう写真撮ると、なんだか暑そう(熱そう)。 でも陽の光の差し込み方が、冬の角度だ。 2月2日火曜日 2レースでブリリアントギフトが勝利。 騎手から転身して新規開業した戸部尚実調教師は、その初陣を見事勝利で飾りました。(この写真は愛知県競馬組合から頂きました) 初勝利の瞬間 「同門」の加藤聡一騎手が左手を挙げて勝利のポーズ(この写真も、愛知県競馬組合から頂きました) 馬のすぐ左が戸部調教師。「1つ勝てて、気が楽になりました。全然勝てなかったら、色々言われちゃうかなって。でもいきなり勝てるとはビックリした。ビックリして、ホッとしました。」 やはり「安堵」というのが率直な気持ちなのでしょうね。 夜は、このようなコート姿にお帽子を被って臨場。「調教師らしく見えるかなぁ(笑)」 いやいや、なかなかにかっこよい。「開業までも、開業してからもずっと慌ただしくて……今日も深夜2時に仕事を始めて、この時間(12レース前の20時半頃)までずっと飛び回ってました。」 息をつく間もない、とはこのこと。 騎手時代とはまったく異なる雰囲気で競馬に取り組むところが、姿から垣間見えました。 とは言え…お体には気をつけて、頑張って下さい。 続いては、自他共に認める「崖っぷちジョッキー」 今年は頑張ってます!! 加藤誓二騎手 1月だけで4勝の活躍 本人曰く「1月だけで、去年の半年分勝っちゃいました(笑)」 昨年は、年間成績が12勝。 確かに4勝は華々しい活躍と言えるでしょう。「何が違う、ということもしてないですが、いい馬に巡り合わせてもらって、馬が頑張ってくれて、何とか結果が出せています。勝ったレース、全部6番人気以下なんですよ(笑)。今日この後乗るのは、前回2年ぶりに勝てた馬で、今度は人気ですよ。自分でも期待してます。」 ……と話したこの日10Rのパートナーは、パーソナルマキ。 2頭目の橙帽桃色福が、パーソナルマキと加藤誓二騎手 パーソナルマキは2015年門別デビューの10歳牡馬 JRA、高知、南関東と4つの競馬を行き来しながら長く走って、12勝。 前走から名古屋にやってきました。この日のレースは152戦目でした。 この日のレースは、A級の「昇竜戦」。 重賞に出るメンバーが抜けた組み合わせですが、それでもA級ですから。引き続き強敵揃い、ではあったのですが…… 残り100mでライバルを楽々と置き去りに 2馬身差の快勝!! 加藤誓二騎手も、この日は単勝2倍を切る1番人気での勝利でした。 この馬も、沖田明子厩舎なんだよね……「もう10歳だし、ずっと使い込んでいるし、これって言う結果も出ていないからどうなんだろうと思っていましたが……こちらに馬が来てみると、悪いところは何もない。2回続けていい競馬でした。さすがにバリバリのオープン馬相手では苦しいと思いますが、今回のように重賞メンバーが抜けた相手なら、まだいい競馬が出来そうです。」 このパーソナルマキ。 多分そうだろうと思って調べて見たら……2015年の門別での初勝利、私レース実況してました(汗)。馬のことは憶えていて、時々馬券も買ったりしていたのですが、またこのように実馬に巡り会えたことにはちょっとジワります。しかも、場所は名古屋。 元気で頑張って走ってほしい! 注目していきたい馬が、また一等見つかりました。 さてと。今日のメインテーマ。 ようやくこの方が戻ってきました。 木之前葵騎手 調教中に落ちて鎖骨を骨折。10月下旬の開催を最後に戦列を離れ、結局2ヶ月間欠場となりました。「前の年にも鎖骨を骨折して、今度はそれと反対側の右側を骨折してしまいました。コロナの影響で病院には5日間しか入院できなくて、あとは自宅療養でした。痛かったんですが、今回はのんびりしようと割り切って過ごすことが出来ました。いまはリフレッシュ放牧明けの馬みたいな感じですね(笑)。」「名古屋競馬にいると、お正月は毎年開催で仕事じゃないですか。でも今年は両親家族と過ごすことが出来ました。元日からアウトレット行って、爆買いしちゃいましたよ。」 去年は、3ヶ月休養して正月の開催から復帰。 当時の取材(リンク参照)の中では、初めての長期休養ということもあってか、むしろ馬のこととか、レースのこととか、そんな話が自然と出ていた彼女。 たまたま同じような時期に怪我をして戦列を離れて、同じように話を聞いてみたのですが……話の趣は大分違っていました。とてもいい意味で「肩に力が入っていない」感じが、話していてすごく心地よく感じられました。 6Rのヴァンダルジャン 惜しくも2着 とはいえ、レースに向けての気持ちも、こんな風に話してくれました。 「今週から復帰して、レースに出て、先輩達に色々教えてもらって……やっぱり、くやしい!って。もっとうまくなりたい!って。いま改めてそんな風に感じています。」 もっと、うまくなりたい。 すごく心に響く言葉でした。「展開とか、他の馬の様子とか、視野を広く持って、もっと余裕を持って周囲の様子を掴みながらレースをしないといけないんでしょうね。」 上がって来て、この残念そうな表情……「今年は『3つの目標』を立てたんです。」 開催最終日の3日金曜日には、ルテリブルで復帰後勝利! ずっとお預けになっていた通算500勝も、あと1勝と目前に迫っています。 この日2月2日木曜日のメインレースは、全国地方交流の重賞・梅見月杯(SP1) 向正面から馬場を1周半する、2000m戦 スタート直後は兵庫のアキュートガールが好発から一旦先頭に出たのですが… コーナーあたりまでにトミケンシャイリがハナに立ち先導 アキュートガールの直後に、名古屋のウインユニファイド 勝負所からは、アキュートガールの脚勢がよく、動き出しが一歩遅れたウインユニファイドがこれに追いすがる直線の攻防となりました。 最後の直線の入り口 丸印の2頭、アキュートガール(左)とウインユニファイドで決まったかと思われましたが……なんと!内を突いて強烈に伸びてきたのが、矢印の馬 タカジョー 瞬く間に突き抜けるタカジョー もの凄い瞬発力 内から突き抜けて、更に突き放して、最後は2馬身差 名古屋ではあまり見ない勝ち方でした。 アキュートガールの笹田知宏騎手は、サバサバとした様子でレースを振り返りました。「思い通りのレースは出来ました。そのままハナでもいいと思っていたけれど、1頭前に行ってくれてむしろレースはしやすくなりました。ウインユニファイドを押さえ込んで、やったと思ったのですが……内からすごい勢いで来られてしまって、対応出来ませんでした。前回勝ったと言っても52kgの負担重量で、今回は55kgの強敵相手でこれだけやれた。悔しいけれど収穫はあったし、今後が楽しみです。」 ウインユニファイドは……勝負所の動き出しも一呼吸反応が遅れたように見えました。「絞れなかった…レースの直前で540以上ありましたから……」……とは、沖田明子調教師の話。 前回が勝ったとは言え、馬体重が前走比プラス18kg。 今回、レース前計測でマイナス3kg 厩舎で飼料を入れ替えているという話も、前々回だったかご紹介しました。 それに伴う調整の難しさも、出たのかも知れません。 和田譲治騎手も、会心の勝利にこの笑顔! 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 馬の左側二人目 宇野木博徳調教師(浦和)の話「まだ条件馬なのですが、西村オーナーの方針もあって重賞の強いメンバーと対戦させてきた、その経験が生きていると思います。気性的に難しく、ズブさもある馬。でも、和田譲治騎手はこういう難しい馬を扱わせたら天下一品で、しっかり動かしてくれます。昨年夏、この馬に和田騎手が初めて乗ったときにぶっちぎって勝った、あのレースが今でも忘れられなくて、今回も乗ってもらいました。」 馬はまだ5歳。調教師も完成途上と話す「新たなる逸材」の出現は、今後のこの路線の各地の重賞戦線を賑わわせてくれることでしょう。 オーナーの有力馬が同じ路線で何頭かいることもあって、今後の進路は諸々相談の上、とのことでした。 名古屋競馬は、来週の開催もオールナイター 2月13日月曜日~17日金曜日の5日間開催 14日火曜日には、3歳牝馬の準重賞・梅桜賞(1700m)が行われます。
2023年02月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 この1週間、競馬関係の「取材」には行けず残念。 南関東も、プレイヤー取材が出来ない大井の開催では……と思っておりましたが、しかし。取材は出来なくても客活動ぐらいはしてこようかと、とにもかくにも出かけてみました。大井競馬場。先週の水曜日、TCK女王盃当日のことです。 一昨年は一度も行けず。 去年は3月に1回来たきり。 それ以来だから…これが10ヶ月ぶりか……。 デイ開催の朝一番。1レースが始まる前に場内に到着。 この冬の季節は、午前中だとこんな綺麗な青空に出会える。 あとでわかることなんですが… ここまで空が綺麗なのって、やっぱり朝だけなんですよね。 昼にさしかかると、雲も出てくるし、空気がどうしてもかすんで来ちゃう。 大井競馬場で、デイレースの季節って2ヶ月しかないんだけれど… この季節ならでは、の風景なのかな。 とはいえ。 寒いですよね。冬だから。 多分、若い時みたいに冬の空の下でじっと寒さに耐えながらレースを待つのは無理だろうなと思い、自宅で予め指定席を予約してから来ました。 G-FRONTと呼ばれるスタンドの、3階受付。 競馬場の指定席入り口って、もう最近はどこもこんな感じで洗練された雰囲気に包まれております。 プライムシート(3,000円) ほぼ満席という賑わい ゴージャス かつ ゆったり在籍投票で楽しむ競馬。 雰囲気は良いのですが…馬券は一切当たらない(汗)。 なので、馬券買いすぎないように、お昼御飯の頃合いに場内をうろうろ。 L-WING1階の、美味しいコーヒーを出してくれるこの店がなくならずに頑張っていてくれたのは有り難かった。競馬場には、コーヒーを出す店が必ずあるべきという持論の私にとっては、例え全く馬券が当たっていなくても、ここにさえ来れば気持ち的に何とかなる、という「オアシス」のような場所。 ここで……あやしいPOPを見つけました。 え?おひとり様1点?? そんなに売れちゃうやつなの? このフレンチトーストって。 ならば、ここは是非食べてみねば。 アツアツのフレンチトーストが、メイプルシロップと生クリーム添えで出てきました。これで500円というのは素晴らしい。お昼食べたばかりでおなかいっぱい、と思っていたのですが…… ふわふわで、あっという間にぺろり。 まさに飲み物(笑)。 そう、ここのフレンチトーストは飲み物です。 まだ試していない方は是非。 甘さは控えめで、どなたでも楽しめますよ! レースの取材は出来ないとは言っても、写真だけは撮らせてもらいました。 まだ信じてませんが…本当に「最後」の「TCK女王盃」 グランブリッジ(外)とヴァレーデラルナの直線の競り合い。 ここからグランブリッジが、すっと前に出て先着。 馬券的には順当な結果でしたが、あけ4歳馬2頭が強い競馬で盛り上げました。いいもの見せてもらいました。 グランブリッジ。こういう馬だったんですね…。 実物を見ると、すごくスマートな身体。 ダートで活躍するからと言って、アマゾネスタイプの馬とは限らない。 写真撮影の時にはこんな風にカメラ目線で、可愛い仕草の馬でした。 最終レース後。 日が暮れると、東京の空もこんな色になります。 大井、っていうと、やっぱりナイターのイメージがあるけれど デイ開催の景色も悪くない。 楽しめるのは、もうあと2月の1開催だけです。 平日だからキツいかも知れないけれど……お仕事などの都合がつく方は是非お越し下さい。 JRAの競馬場も、出かけても取材出来ないから…… なかなか出かける機会が作れない。 今週は東京競馬場でお仕事を頂き、訪れることが出来ました。 4週間しかない、冬の東京開催。 2020年のフェブラリーステークスが、最後の「G1で人ぎっしり」の盛り上がりでした。その後2年間は、入場制限もあり、そして仕事はなく、取材もなく、来られず。 冷たい空気の中、凜と澄んだこの空気も、3年ぶりか……。 この場所から見える、真っ白な富士山の姿も、私は3年ぶり。 今週は、取材させてもらえる競馬場に、ちゃんと出かけてきますね。
2023年02月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 もう随分前のことになってしまいましたが…(汗) 先週の名古屋競馬の開催リポート 取材に出かけたのは、先週の火曜日・1月17日です。 この空の色…… 「ナゴヤブルー」と名付けたい(笑) 海の近くのこの場所に移ってきてから、天気のいいときにはこのような晴天、文字通り「雲ひとつない青空」に出会えることが多くなったような気がします。 まずは、先週の開催から短期移籍で騎乗を開始した、この方から。 陶文峰騎手 42歳 岩手がシーズンオフになり、およそ1ヶ月の短い期間ではありますが名古屋に短期移籍してきました。「今年は怪我で休んだ時期(5月から8月にかけて)があったので、シーズンが終わったあともレースに乗りたいと思っていたんです。名古屋で懇意にしているジョッキーに頼んでみたところ、受け入れてもらうことが出来ました。」 この笑顔が、彼のトレードマーク。 最近、私自身出かける機会がなくなってしまったけれど…岩手に取材でお邪魔したときにも、いつもこの笑顔で迎えてくれていました。 取材に出かけた日、1月17日 3レース セリガチで見事1着!「前回、シーズンオフの短期移籍に出たのは…震災の年ですね……」 その時の様子を、ありありと語ります。 「笠松に短期で行っていて、震災のその瞬間は笠松競馬場で(発走を待つ)ゲート裏でした。揺れたのがわかって、あたりの柱とかもグラグラしているのが見えました。『大きめの地震だな~』と思いながらそのままレースが始まって、上がって来てみたら大変なことが起きてると。ビックリしました。残してきた家族にも、数時間の間なかなか連絡がつきませんでした。」 その時の話って、それぞれにみんなありますよね。 何してたかとか、そのあとどうなったかとか。 彼には彼の「その時」の様々なことがあったみたい。「幸い、その日のうちに家族とは連絡がついて、無事だと。帰ることも出来ないから、そのまま笠松に留まっていました。所属の調教師からも『いま戻ってきても競馬はないから、そちらにいてはどうか』と言われ、長く滞在したのを憶えています。」 それ以来の、シーズンオフの短期移籍。 まずは1勝あがってホッとした様子も見せていました。「特に『目標』とかがあるわけではないけれど、先々のためにも、名古屋競馬の関係者とか、あと馬主の方とかとの交流を深めていきたいですね。」 名古屋の地で、この真っ赤な勝負服とともに、彼なりの華々しい活躍を見せることを期待したいです。 もう一人、フロム岩手。 短期移籍で滞在中の笠松から、この人が乗りに来ていました。 関本玲花騎手 22歳 こちらも、わたくし的にはちょっと久しぶりにお目にかかりました「去年は、短期移籍に出なかったんですけれども、岩手で開幕に備えて調教に乗り始めたら、身体が全くついてこなかったんですよね…ですから、今年はシーズンオフにも乗っておきたいと思って来ました。でも……」 でも? 「……笠松、意外と人(騎手のこと)が多くて。門別とか金沢の方が先に来ていて『あとから来た感』がありますし、成績上位の騎手の方も短期で来ていますから、言われているほど調教もレースも馬が集まらなくて。」 と、なんだか浮かない表情。 でもこの日は、たった1頭頼まれた馬に乗りに、初めて名古屋の新競馬場に登場となりました。 騎乗合図を受けて、たまたま隣り合わせになった王者・岡部騎手と一言二言。 岩手での活躍のことについても聞いてみました。 「まず、通算100勝出来たのは、よかったと思います。でも……」 でも? 「最近、きっかけがあって聡哉さん(山本聡哉騎手)に色々教えてもらう機会が多いんですけれども、少しわかったことがあるんです。」 ほう、何でしょ?「聡哉さんに、『馬のリズムを大切にして乗るタイプだよね』って言われたんです。それ、全くその通りで、盛岡では馬のリズム重視の競馬になるのでいいんですけれども、シーズンの最後にコース形態の違う水沢に開催が替わったら、全然ダメで。」 2022年の関本玲花騎手コース別成績盛岡 (19-24-24-297)水沢 (16-20-28-279) ※年明け1月3日まで入れました 数字的に、極端に水沢が悪い、というわけでもなさそうなんですけど…… 「私、位置取りが苦手で。水沢では差して届かず2~3着、みたいなレースばかりです。聡哉さんみたいにうまい人は、両方できるじゃないですか。見習って、そういう騎乗が出来るようになりたいです。」 これは、数字以上に、プレイヤーの「感触」「手応え」みたいなことが大切な部分。 水沢では、うまくいっていない。 この本人の感覚が、これから先どう変わっていくか、とても興味があります。 笠松も、水沢ほどではないけれど、位置が取れないと厳しい競馬場。 レースを重ねれば、きっといい修練になるのではないでしょうか。 この日の騎乗馬を管理する沖田明子調教師と、レース後の「感想戦」 レースの結果以上に、大切なやりとりの時 このあと、一昨日23日の笠松競馬では、沖田調教師が笠松に連れて行った馬の騎乗依頼を受けて、見事勝利!!こういう「縁」も大切ですよね。 あ、昨日24日も沖田厩舎の馬で勝ってる。 「何とか1つぐらいは勝って帰りたいです……」 …と話していましたが、その「目標」?は既に達成したので(笑)。 自らのテーマをもって、何かを掴んで帰れるかどうか。 1つと言わず、もっと活躍してアピールして行って下さい! 短期移籍と言えば… 先週の開催までで、この人の移籍期間が終了となりました。 阪野学騎手 34歳 短期移籍期間中、131戦して8勝の成績でした「こちらにいる間ずっと、自然な形で仕事が出来ていました。本当に、余計なことは何も考えることなく乗れました。これが本当に有り難かったです。」 これで門別に戻って……気になるのは、阪野学の「これから」 名古屋で、何かを掴んだのだろうか。「どうなんでしょう。これもプロセス。物事の『途中』ということなんじゃないでしょうか」 うーん、深い。 「名古屋でデビューして、名古屋でちょっと勝ててたけれど、その後門別に行って、自分の中では『うまく乗れていない』という印象しかないです。気持ちの面も身体の面も両面ですね。ずっとかみ合わない感じで来ていて、取り組んではいるけれど結果は出ておらず、手応えがない。だからまたあれこれやって、うまくいかない感じで…」 負のスパイラル…そんな言葉すら出ました。 今回の短期移籍で名古屋に来たばかりの時、彼はこんな風にも話していました。 「動いていれば、必然的に色んなことが変わっていく。」 その何か「変わっていくこと」を探る彼の「旅」は、まだまだその途中なのかも知れません。「『普通』に乗れれば、いいんでしょうけれどもね。その『普通』が難しい。自分が思い描いているレベルが高すぎるのかも知れませんけれども(苦笑)。」 これも同じ。 数字だけではわからない、スポーツのプレイヤーとしての「手応え」の部分。 久しぶりの名古屋で、阪野学が何を見たのか。何を感じたのか。 その答えは、たぶん…春からの門別で表現してくれるのではないかと。 また、かの地での彼の姿にも、引き続き注目していきたいです。 さて、この日のメインレースは、3歳馬の重賞・新春ペガサスカップ(1700m) このメンバーの中だと…… やっぱり、実績が違うこの馬の力量が、まさっていました、 すみません…ド逆光で(汗) 番手を取ったリストンが、逃げたブレイブゾロ(写真一番右)を勝負所で交わして出ると、あとは後続を寄せ付けませんでした。 追い上げたエムエスドン(写真中)も、脅かすところまではいかなかったな……。 阪野学騎手 短期移籍最終開催で、見事重賞制覇!! しかも、このリストンは、門別に在厩していた2歳時には田中正二厩舎の所属。阪野騎手が自厩舎の所属馬としてデビュー時から手綱を取っていた馬でした。 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 阪野騎手が「門別にいたときと比べて、ずっと落ち着きがありました。坂路を使っていた門別の調教パターンがこちらにきて変わって、いい方に出たのかも知れません。」と話せば 管理する荒巻透調教師(写真左から二人目)も「聞いていたよりこちらでは大人しい。」と。「(この3歳世代には)一頭別格の馬がいますから。馬の様子と番組を見極めながら、使うレースを選んでいきたいです。」とのこと。 やはりね。 どうしてもセブンカラーズを巡る争いになりますよね。 ただ、このリストンも相当な素材であることは確か。 今後の動向が注目されます。 さて……次はどこの競馬場に行きましょうかね……。
2023年01月25日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 佐賀競馬場に出かけてきました。(取材日:1月15日日曜日) 残念ながら、この日はあいにくの曇りないし雨 この競馬場らしい、「木々の緑と空の青」のコントラストにはお目にかかれませんでした。 国道から競馬場へと入っていく道路の脇の木々を見ると… ほんの少しですが、花のつぼみが膨らみ始めている 春先には、この競馬場も花の色に包まれます 競馬場について少し時間があったので、いつもあんまり行かない4コーナー方向へとなんとはなしに歩を進めてみました。入場門を入って右手の方角、スタンドよりも更に向こう。 そしたらさ…… 完全に滅んだと思っていた古~~い食堂街の一部が営業中。 復活してました。 恥ずかしながら、これだけ佐賀競馬場に来ているのに、全然気がつきませんでした。 更に、その一角に、明らかに周囲の店とは異なる趣の場所を発見!! カフェ「FUJI」 だいたいね…店先に「OPEN」のキラキラ光るネオンが出ているだけでも、地方競馬の競馬場らしくないもん(汗)。 ほーら、やっぱり!(笑) 入ってみると、こんな感じのおしゃれカフェ。 聞けば、昨年の5月にはすでに店を開けていたそうで… ほんと、気づいてなくて申し訳ない……(汗) お店には、競馬グッズも飾られていて雰囲気を作っています。 メニューは洋食中心で、ライスものとかスパゲッティとか。 隣のテーブルに出てきたオムライスには、ちゃんとてっぺんに旗が立ってた!! 次回はそれを注文してアップしよう! アイスコーヒー頼んだら、ジョッキで出てきました。 これで300円 全てのドリンクが、こうして景気よくジョッキで出てくるっぽいです。 お店を切り盛りされているハルカさん 「平日は別の仕事をしているんですけれども、飲食というかサービス業をしてみたいとずっと思っていて、オーナーから声をかけてもらってこうしてお店をやらせてもらっています。佐賀競馬を開催している土日に開店しています。おかげさまで、SNSなんかで知った方が集まってくれて、関係者とか近隣の方だけでなく、全国から佐賀競馬に来られる方が、立ち寄って下さいます。」 お店の中は、元々あった古き良き食堂出て行ったあとの状態から、全部DIYで整えて言ったんだそうです。DIYで、ここまで雰囲気を変えられるとはすごい! 机は、元々あったものを綺麗に塗り直して使っているそうです。「私は、ここを始める前までは、競馬とか全然わからなかったし、競馬場がこういう場所だということも全然わかっていませんでした。でも、お店を始めると……本当に様々な方が集まってくれて、そんな方々との出会いとか、触れ合いの場所になっているのが、私自身本当に楽しいんです。」 多くの方々が、SNSで見てこの場所を知り、そしてリアルにこの場所にやって来るんだとか。まさにネットとリアルの「融合」。リアルに集まれる競馬場なり、こういうお店があるから成立する、人と人との関係……。 照明も、もともと天井についていた扇風機を1台取り外して、こんな風におしゃれに吊ってありました。向こう側の壁の柄は、壁紙を綺麗に貼ったもの。 昭和の時代の少々灰色が買ったイメージのスペースが、こんな風に生まれ変わるとは……本当に驚きです。「競馬場って、こんな風に色んな人々が来て、時間を過ごせるじゃないですか。子どもとか、家に籠もってゲームやってるよりも、ずっといい。私自身が、人と触れ合うのが本当に楽しいと感じるので、これからもこのお店を通じて、このお店自体も佐賀競馬場も、人々が集まって触れ合う場所になって、もっと人が集まるようになったらいいと思っています。」 食事でも、競馬の合間のちょっと一服でも、是非一度お店を訪れてみて下さい。 競馬場の、本当に一番奥の方にあって「別天地」みたいになっているのが、また更にいい雰囲気を醸し出しています。さがけいば カフェ「FUJI」Twitter @sagakeibaloveInstagram huji_sagakeiba さて……競馬の取材もしましょうかね。 年末に行われた大一番・中島記念は、各馬気迫のこもった好レースでした。 とりわけ、頑張った「あの」馬の話を、この日は聞きたくて。 ミスカゴシマ 明けてもう牝6歳 この写真は、一昨年12月のウィンターチャンピオンで重賞を勝ったときのものです。 3歳の頃から全国区で活躍し、数々の重賞を制覇。古馬になっても重賞戦線で奮闘を続けて、中島記念のファン投票では2年連続で1位の得票となるほどファンの多い馬 ですが……短距離路線で頑張ってきていたこの馬には、1800mの中島記念は少々距離違い。 昨年末、2度目のファン投票1位となり、初めて中島記念に出走しました。 結果は3着。速度を生かして前々で運んだものの、他馬がドンドン攻め寄せてきて厳しい展開になりました。それでも最後また盛り返しての入着には、多くの方が心奪われてのではないでしょうか。 管理する平山宏秀調教師「以前は長い距離も走ったことはあるのですが、その後はずっと短距離を使っていました。もしかしたら、歳を重ねていまなら対応出来るようになって来たのかも知れませんね。」 年が明けて、1月12日の雷山特別(オープン)では、初めて2000m戦での勝利をあげました。「この冬は、中島記念から佐賀記念と決めて調整してきました。順調ならば佐賀記念。どれだけやれるか楽しみです。」 主戦のこの方にも話を聞いてみました。 石川慎将騎手 38歳 ミスカゴシマをこれまでに、数々の重賞勝利に導いてきました「(雷山特別は)番手でうまく競馬が出来ました。ハナに立ったら、また後ろから来られていじめられてしまいますから、理想的な形でしたね。こういう競馬も出来るし、相手次第ではありますが、距離も大丈夫じゃないでしょうか。」 さあ、佐賀記念。 どんな競馬が出来るか楽しみです。 中島記念で管理馬ワンツーと、最高の形で昨年を締めくくったのがこちら。 山田徹調教師 中島記念は、リュウノシンゲンが勝ってシャンパンクーペが2着とワンツー「思い描いた通りの最高の結果になりました。リュウノシンゲンは、佐賀に来てからどんどん調子を上げてきて、中島記念でも思った以上に余裕のあるレース振りでした」 昨年11月の九州大賞典の時のリュウノシンゲン(返し馬) 当時は2着に終わりましたが、中島記念は圧勝! まだ明けて5歳だけに、これからが楽しみです。「シャンパンクーペがいるので、2頭うまく使い分けていかなければならないところが難しいのですが…一応姫路(たぶん白鷺賞のこと)には登録して、出られなければ佐賀記念とか、当面の目標は3月のはがくれ大賞典を目標にしながらいければと思っています。2頭とも楽しみにしていますよ。」 シャンパンクーペは、1月12日の雷山特別でミスカゴシマに敗れて3着。 映像でもわかるぐらい大きくフットワークを乱して失速し、心配されましたが……レース道中からトモの運びがおかしくなったとのこと。大事に至らなくてよかった。 今後の出走に向けては、その点のケアをしながら調整されつつ、狙いを定めていくことになるそうです。 そのシャンパンクーペ。中島記念でもルーキーのこの人が乗っていました。 デビュー初年度に、中島記念初騎乗を果たしたことになります。 山田義貴騎手 2月で19歳になります 昨年4月デビューで、これまで66勝 父・山田徹調教師のもとで、成長と活躍を期しています。「普段は、レースの前にあれこれ考えないように努めているのですが、中島記念の前はさすがに、位置取りとか展開とかをあれこれ考えましたね。(同厩舎の)リュウノシンゲンの後ろ。もう少しスムーズに動き出して行ければ、ワンチャンあったかなとは思っています。」 山田義貴騎手といえば、デビュー2ヶ月で騎乗した重賞・佐賀王冠賞で、終い追い上げて「あわや!?」のシーンを演出。大いに湧かせました。 昨年6月19日 佐賀王冠賞 一番右のゲットワイルドが山田義貴騎手 惜しくもテイエムチェロキー(右から2頭目)を捉えきれずハナ差2着「あのときはもう、ここから仕掛けていく、って決めてその通り行ったら、あそこまで来た、っていう感じで(苦笑)。それでも、レースのあとは悔しかったですね。」 そのときの、上がりの表情がこれ「重賞は、やはり早く勝ちたいですね。あとは、昨年以上に勝つことを目標にします。」 取材に出かけたこの1月15日は 9Rをキャベンディッシュ(外5番)で勝利! 山田徹調教師は、所属騎手でもあり、子でもある義貴騎手を、どう見ているのだろうか…「(代々競馬に携わっており)生まれたときから競馬の中にいるわけですから。他の若手の人たちとはまた違って、思うところはあると思いますよ。レースで言えば、勝ち気なところがあるので、それがどう出るか、だと思っています。」 自身の仕事との関わりでも、思うところがあるようで……「やはり……(義貴騎手がデビューしてから)いい馬を揃えて乗せてやりたいという気持ちも、自分の中では間違いなくあると思いますね。いま中島記念で活躍できましたが、それ以外の馬がなかなかいなくて。自分自身の活躍としても、また改めて頑張りたいですね。」 昔と違って、シンプルに「親子二人三脚」っていう感覚でもないのかも知れませんが…そういう「縁」の中で、どういうことが起きるか、というのも、競馬に限らず物事の興味深いところ。山田徹調教師、山田義貴騎手、それぞれにどんな風に活躍の道を歩んでいくのか、注目していきたいです。 さて、この日のメイン 地方全国交流の重賞・ゴールドスプリント(1300m) ダノングッドが勝った昨年の第1回を上回る好メンバーが遠征してきて、レースは激戦になりました。 最初のゴール板前 先手を取ったロドヴィグラスを巡って… テンから叩いて位置を取りに行ったダノングッドが、2番手の外目 一方、注目された南関東の2頭 インペリシャブル(橙帽赤と白の服)は好位の外目 マックス(黒帽)は内で脚を溜める形で進みました 前が止まって、早々に先頭に立つダノングッドに、3コーナーから進出してきたインペリシャブルと、外に出されたマックスがいい脚色で追い上げてきました。 しかし…… 後ろからの攻撃を受け止めて、抜け出しを図るダノングッド(一番左) 連覇達成! タイムは、1分19秒9のコースレコードでした 多田羅誠也騎手 上がって来てこの表情は、やはり安堵の気持ちが大きかったか… 勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルのYoutube映像でご覧下さい。「もう、この馬がどういう特徴があって、どういうレースをする馬かわかっているから……(苦笑)、」 地方交流のレベルの重賞では、目標になる立場のダノングッド。 「前走の笠松グランプリのように、早めに来られて捲られる展開だけは避けたかった。」と話すとおり、馬の力を信じての「先手必勝」の戦いぶりが功を奏したようです。スタートは半馬身ぐらい遅れたところから、気迫のこもった促し方で番手を取った多田羅騎手の好プレーでした。 ダノングッドも、もう11歳 それでも、レースのあとはこのように荒ぶる気持ちをむき出しにするところは変わっていませんでした。口取り写真の態勢を取るのも大変……。 別府真司調教師の話「地元の高知の重たい馬場だと、年齢的なものもあってどうしてもトモに負担がかかってしまって、手前も替えないんですよ。佐賀のような軽い馬場だと、手前もすいすい替えて、走りが違いますね。この馬はやはり、遠征で軽い馬場の競馬場の方が合うんです。」 年齢的なものもあるので様子を見ながら、と断りながら、この先は高知のだるま夕日賞(2月12日)から、権利が取れればダートグレードの黒船賞(3月14日)と、見通しを話しました。 ダノン「グッド」のポーズかな? 見応えのある、いいレースでした。 来年は、地元・佐賀からも、遠征馬と五して戦える馬が現れるといいですね。 佐賀の話で長くなったので…… 昨日の名古屋の重賞の話は、また来週お送りします。
2023年01月18日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、先週の名古屋開催で聞いてきた話を、もう少し。 寒い中、皆さんご来場ありがとうございます。 取材に出かけた、先週の名古屋競馬場 今年最初に行き会ったプレイヤーは、この人でした。 山田祥雄騎手 来週18日で38歳になります 昨年の勝利数は、その前よりもすくない46勝に留まりましたが…… なんと言っても、自厩舎所属の2歳馬・セブンカラーズの主戦としての存在感がありました。 昨年11月22日 重賞・ゴールドウィング賞を勝ったセブンカラーズ 山田騎手に、今年は東海ダービーが楽しみですね!と水を向けると……「そんな、いまから意識してもな~まだ何ヶ月もありますから。疲れちゃう(笑)。馬もまだ厩舎には帰ってきていませんしね。」 どうやら、こちらが少々入れ込み気味なのかも(汗)。 山田さんは今年も、こんな感じのマイペースで行くのでしょう。 セブンカラーズの動向とともに、要注目ですね。 続いては…… 年末大晦日の笠松・東海ゴールドカップ ウインユニファイドでの優勝が見事だった、この方 沖田明子調教師 開業2年目に入った昨年は、名古屋で43勝・13位 全場合計では47勝でした。あれ……笠松も含めて、他場では意外と4勝か…… でもそのうちの2勝が、ウインユニファイドでの重賞制覇(佐賀と笠松)。「今年の目標は、名古屋でリーディングのベスト10!!」 実に明快でした。 昨年6月23日 名古屋・トリトン争覇で重賞初制覇を果たしたウインユニファイド 「(東海ゴールドカップは)このメンバーなら勝たなければと思っていました。馬体重が増えていましたけれども、世の中の情勢に合わせて、いま厩舎で使う飼料を変えているということもありましたね。身体の中が変わるのに1ヶ月、身体自体が変わってくるのに1ヶ月。様子を見ながらの仕上げになります。」 世の中、色んなものの値段が上がっていき、競馬関係でも無関係ではいられないみたい。これも厩舎の経営努力の一環なのでしょう。 ウインユニファイドの2023年についても、こうなると期待が高まりますが…「いやいや……年齢考えて(笑)。もう11歳だから。」 具体的な目標については、明言がありませんでしたが…… 馬の元気が続く限り、頑張ってくれるでしょう。 騎手の方はどうかというと…… 丸野勝虎騎手 48歳 昨年は名古屋で111勝の5位。全場トータルでは138勝でした。「(ウインユニファイドに関しては)自分は追い切りで乗るだけだから。あとは厩舎の皆さんがしっかり仕上げてくれた結果だと思います。東海ゴールドカップは、馬体重が増えてさすがにちょっと重い感じはしたけれど、結果が出て良かったです。」 取材に出かけた日も、勝利があった丸野騎手 今年すでに3勝。地方競馬通算3000勝まであと60勝です。「この3~4年、怪我なんかが多くて……1年間通じて乗れたことがないんですよね。今年こそは一年通じて怪我なく乗りたい。それが今年の抱負です。」 控えめな話のようにも思えますが… これが、騎手としての「本音」なのでしょう。 今年は、事故なく怪我なく。 そして区切りの勝利の時も楽しみに待ちたいです。 先週お伝えした、名古屋記念での角田輝也調教師の話もそうですが… やはり年の初めは、結果が出ると気分的なものが違う。 それが勝負の世界。 新競馬場に映ってから存在感が増した、この人もその様子。 丸山真一騎手 32歳 昨年は、名古屋で36勝の13位でしたが…… 笠松でも頑張って、トータルでは52勝の活躍でした。 今年最初の勝利をあげて、この表情……「1つ勝てて、ホッとしました。いつも最初の開催でひとつも勝てなかったりするから……」 取材に出かけたこの日、最終レースも勝って2勝! なんだか最近、最終レースでこういうシーンをよく見るような気が…… 人気薄での勝利も多いですから、「一発逆転ファイナルジョッキー」として注目しても面白いかも知れないですよ(笑)。 最後は、笠松から乗りに来ていたこのひと。 この日1月4日が、レースでの騎乗としては仕事始めになりました。 深澤杏花騎手 昨年12月で21歳になりました 昨年は全部で48勝。「昨年の年末、笠松の最後の開催で50勝到達を目標にしていたのですが…開催の滑り出しでリズムに乗れなくて、チャンスがあったのに逃してしまいました。今年は是非50勝を超えたいです。」 レースのあと、宇都英樹調教師と「自厩舎の馬でもっと勝たないといけませんね。勝ちたいです」 所属の田口輝彦調教師からは、どんな助言があるのだろう……。「先生からは『競馬をもっと好きになりなさい』といわれているんです。お客さんが自分のレースでの姿をどう見ているかを意識しろ、ということなんだと思います。例えば、スタートして位置を取ろうとしたとき、自厩舎の別の馬が外から来たら、思わず引いて行かせて後ろの位置で折り合ってしまったりすることがあって……先生は『それを、お前の馬を買っているお客さんが見ていてどう思うか考えろ』と。言われている意味はわかる。わかるんですけど……。」 難しいですよね。確かに。それって。 見ているこちら、客側は「なんであそこで行かないんだ!」って簡単に言いますよ(汗)。でも、プレイヤーの立場では、瞬時の判断と、それに則ったプレーが求められますから。私たちが口で言うほど簡単ではありません。 そういうことにも対処できるようになれば、お客さん方からも、そして厩舎周りの人々からも、信頼されるようになっていくのでしょう。「年末、名古屋の沖田(明子)先生のところの馬が笠松に来ていて、乗せてもらえて勝てたんです。その日は重賞があって、名古屋からも先輩騎手が大勢来ている中だったのに、私を乗せてくれた。勝てて本当に嬉しかったですね。こういうことがもっと増えてくるように頑張ります!」 まだまだ、色んなことが整ってくるのはこれから、ですよね。 彼女にとっての2023年、どんな年になるかな。 次週は、また取材に出かけてリポートしますね!
2023年01月11日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 明けましておめでとうございます。 新たな年が、人々や馬たちにとって幸福な1年になるよう、心から祈っております。 この稿の新春の話題は、やはり名古屋競馬から。1月1日から開催が始まっていましたが、私は今日4日に訪れることが出来ました。 曇り空、寒空の中でも、10時の開門前からこのような行列。 正月1日2日は、この倍ぐらい列が伸びていたんだとか。 入場門では、獅子舞の獅子がお出迎え。 いつもの場所に、お正月らしさの演出のアクセント。 最初の話題は1月1日 新年最初の1レース(920m) 現役最高齢競走馬・ヒカルアヤノヒメが出走。10頭立て9着でした。 最高齢出走記録も、ついに明け19歳に突入しました。(2枚の写真ともに、愛知県競馬組合提供) 主戦の尾崎章生騎手に話を聞きました。「今回は特に馬が元気で、レースが終わった後久しぶりにキャンターで帰ってくるぐらいでビックリしました。新年から自分のレースをしてくれて良かったです。」 「こうなるともう、ヒカルアヤノヒメと(調教師試験を受けている)自分の、どっちが先に引退するかですね(笑)。勉強も難しいのですが、頑張ります。」 それは是非、ヒカルアヤノヒメより先に引退を、と申し上げておきました。 昨日1月3日 4レース 細川智史騎手がクレールフォルムに騎乗して勝利 デビューから通算100勝を達成しました。(この写真は、愛知県競馬組合提供) 今日4日には、さらに1勝を加えて101勝となり、見習騎手の減量も今開催までで終了。丁度今日100勝達成のセレモニーが行われました。 「(減量が終了となり)これからは対等の条件で戦えるので、楽しみです。先輩たちを超えられるよう、頑張ります。」 「楽しみ」と来ました。 その言や良し。この一言で、見ているこちらの方も、彼のことが一層楽しみになりました。 レース間に行われた、獅子舞の演舞 次の話題 名古屋競馬の「冠協賛レース」 絶賛実施中! こんな風に、馬や騎手と一緒に、記念撮影が出来るんですよ! 勝利騎手が目の前で書いた直筆サイン色紙が手づからプレゼントされ、大興奮の協賛者の皆さん 受け取っておられるのが、今回お仲間から誕生日を祝われた、かちはるひさん あまりにも楽しい特典の数々に、祝われたご本人も特製ゼッケンを持ちノリノリ みなさん高校の時からずっと仲良しの同級生(プラス一人は大学の先輩らしい)なんですって。みんなそれぞれの場所に散らばって暮らして、日々頑張っていて、年末年始のこのタイミングで集まることが出来るので、こういう形で誕生日を祝ってあげようってなったんだとか。 なるほど、お正月に競馬の開催があって、それがいいタイミングだったんですね。みんなでこうして盛り上がるのに。 仲間の方々で集まれる貴重な時間に、こうして競馬場を使って頂けるとか、本当に胸アツ。競馬場で過ごした時間が、みなさんの「絆」を確かめ合う機会になっていれば、こんなに素晴らしいことはないと思います。 ちなみに、この協賛レースの「首謀者」は男性陣ではなく、右から2番目の女性の方。この方が、大の競馬好きでいらっしゃるんだとか。 競馬場で集まれた記念のひとコマ 素敵女子2ショット また是非、お仲間みんなでここを訪れてください。 お待ちしています! 今日のメインレースは、新年最初の重賞・名古屋記念(1500m) 一昨年の三冠馬・トミケンシャイリや、充実期を迎えようとしているブンブンマル、力をつけてきて重賞初挑戦となったメイショウシルトといった5歳勢に加え、JRA3勝の実績をひっさげて、岩手経由で名古屋にやってきた6歳馬スズカゴウケツが参戦。充実したメンバー構成になりました。 スタートして最初のゴール板前。 予想通りエッシャーが先手を取ったその後ろ トミケンシャイリ(桃帽の芦毛)が好位を取り その直後にブンブンマル(右から2頭目赤服)やメイショウシルト(桃服)といった有力どころがつける展開になりました。 ところが…… エッシャーが3コーナーで早々に後退してしまい、トミケンシャイリが押し出されるように先頭に立つと、直後からブンブンマルも勢いに任せて上昇。他の馬たちもこれについていき、終いまで淀みのない厳しい展開になりました。 直線入り口。写真中央のトミケンシャイリが先頭 がしかし、すでに余力は感じられず。 外を回ってブンブンマルやメイショウシルトが襲いかかるが… 更にその外に、後方から凄い脚で捲り上がって来たメルト(一番外) ブンブンマルも、直線半ばでは「やったか!?」というシーンがあったのですが…外からメルトの脚色が優っていました。 メルト 重賞初制覇!! 岡部誠騎手のお手馬が差し合い、今回乗っていたのが笠松の渡邊竜也騎手。レースの前には「今年は重賞を3つは勝ちたい」と話していましたが、年の初めに早くも1つミッションクリア! 勝利騎手インタビューは、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。「12月初旬のレースを競走除外になったときが一番出来が良くて、前走はそこまでではなかったけれども強い競馬。前走を勝った後すぐに、このレースへの挑戦を決めました」 …と話す、角田輝也調教師「メンバーは粒ぞろいだったけれど、飛び抜けたライバルも見当たらなかったので、メイショウシルト(結果3着)とこの馬、どちらもチャンスはあると思っていました。勝ったメルトに関しては、まだこれから自在性というか、レース振りに幅が持てるようになっていく必要があると思っています。当面は東海桜花賞(4月)を意識しながら、それまでに使うレースを見極めていきます。」 最後には、笑顔でこう話しました。「まあ何より、年の最初の重賞を勝てて、こんな気持ちいいことはありません。」 やっぱり、正月って、そういう季節ですよね。 物事どんなことでも、やっぱり初手が肝心。 その意味では、見ているこちらも気持ちいい綺麗な差し切り、実に痛快なレースを見せて頂きました。 明けて4歳。まだまだ伸長が見込めるメルト。 その動向から目が離せません。 みなさま、今年もよろしくお願いします!
2023年01月04日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週も、名古屋競馬場から。 先週22日・23日の2日間は、新たに名前がついた「ベイサイドナイター」の夜の開催で、レースが行われました。私は、22日木曜日に取材にお邪魔しました。 この日の夜は、気温4度ぐらいまで下がったみたい…… ナイター開催ということで、やはりずっと外に出ている取材には、寒さ対策が必須。釣り好きで知られる加藤聡一騎手から、「釣りの時には、これがいいんですよ~」ということで、こんなアイテムを貸して頂きました。 電熱器が入ったベスト。温度調節も出来る優れものです。 電池とかが重たいのかと思ったら、着てしまうとそんなに重さは感じませんでした。 着てみると、こんな感じ。 本当は、もう少し中の方に着ると効果があるみたい。 でも確かに、かなり温かくて過ごしやすくなります。 加藤聡一騎手(左)に、尋ねてみました。「今年一年を振り返って、どう?」 「公私ともに充実していましたね。年の早い段階で重賞を勝たせてもらったし(アップテンペストで梅桜賞)、順調に活躍することが出来ました。強いていえば、コロナにかかって1開催休んだのが痛かったですかね…あれがなければ、もしかしたら年間150勝も目指せたかも知れません。」 今年ここまで、136勝。 3月までで旧競馬場での開催が終わり、「この場所でやるべきことはやりきった」ときっぱり語ったあと、新競馬場でもコンスタントに活躍。完全にこの競馬場での主軸の座を確保しました。 この日は2レース・カワカミスターシャで勝利 同期の保園翔也騎手とワンツー 「目標はやはりリーディング……だけど、この『充実』を続けていくことがまずは大切なのかなと思っています。」 27歳。いまこのポジションから、この先どこに向かって行くのか。 来年もその活躍の姿が注目されます。 丁度いいので、今週のテーマはこれにしましょう。 「今年1年を振り返って、どう?」 遡ってこの日の1レース 加藤利征騎手のメビウスが人気薄で勝って、3連単199万馬券! 外3番が加藤利征騎手「怪我で少し休んだけれど、コロナにかかることもなく年を通じて仕事が出来たのは、良かったと思います。」 やはりね…… とりわけ騎手の皆さん方にとって、今年1年のテーマは「コロナ」だったということが、いま改めて伝わってきます。 レースに出ての成績云々以前に、「コロナで欠場しないこと」が何より重要なことだったと。 その意味では、またこの1年も本当に難しい時を、皆が過ごしてきたのでしょう。 騎手には、怪我もつきもの。 このひとは、年の終盤本当に苦労しました…… 宮下瞳騎手 前日12月21日の3レース ケイカで41日ぶりの勝利!「ホッとしました。怪我で休んだ後リズムが悪くて…勝てていないから、何かずっと焦る感じになってしまっていました。でもこれで変わっていくと思います。」 その言葉通り、この開催4勝の活躍 今年は今日までで93勝「今年は怪我をしてリズムを崩してしまいましたけれども、1年順調には来られたかなと思っています。ただ、100勝に届きそうにないのは残念ですね。」 馬のことだし、実戦だけでなく調教もあるから、競馬の場合なかなか1年間を無事故で過ごすのは難しいことなのでしょう。勝ち鞍だけではないとは言え、毎年コンスタントに活躍できているかどうか、というのは、1年の「充実度」の物差しになるのかも知れません。 数でいえば、この方はまずまずだったのだが…… 大畑雅章騎手。今年ここまで131勝、ですが……。 「パッとしなかったですね…流れは良くなかったかな。」 ……と、1年を振り返って浮かない表情。「たとえば、かつてならカツゲキキトキトがいたりとか、これ、という馬に乗って1年を過ごしたりしていたのですが…いまはそう言う馬がいないので物足りないですね。平場のレースはよく頑張って数は勝てたとは思うのですが。」 数字よりも中身。 競馬の場合は、そこに至るにはやはり「縁」とか「出会い」ということも必要なのでしょう。 来年は、そんないい「縁」に恵まれて、また活躍馬とともに歩む1年になるのでしょうか。 一方、こちらはその数において成果に満足している方。 今井貴大騎手 今季今日まで169勝 「全てにおいて充実した1年でした。勝ち鞍は、名古屋だけなら去年の方が行きましたが、笠松まで入れたらキャリアハイの数字です。いつも言うように、まず怪我で休むことがなかったのが何より。去年の今の時期は怪我して休んでいましたからね。プライベートも順調で、このまま終わればいい1年でした。来年ですか?是非200勝まで持っていきたいですね。」 最後はやっぱり……この人に話を聞きたかった。 この1年、何を思っていたのかを。 岡部誠騎手 今年は今日までで298勝 残り笠松の3日間で2つ勝って300に乗せれば、恐らく自身初なのではないでしょうか。 記録で言えば、今年はタニノタビトで三冠達成! ジョッキーズチャンピオンシップに優勝して、札幌のワールドオールスタージョッキーズにも出場しました。 しかし……話を聞くと、第一声は…… 「色んなことを……考えていた1年でしたね。勝てたことよりも、そちらの方がすごく大きかった。」 「競馬場が変わって、競馬のスタイルが変わりました。それに伴って、色んなことがあったし、変化していきました。とにかく考えていた。そんな感じです。」 思うように結果が出せず、自ら「雰囲気」を作れないでいる彼の姿も、ずっと見て来ました。新競馬場に移転した直後は、本当に様々なことを試し、結果が出たり、出なかったり。 日頃からたくさんの馬に乗り、それらの多くが期待される馬であり、結果が求められてしまう。その結果が、思うように出せないことでの、苦悩、そしていらだちもあったかもしれません。 「王者」だからこそ味わうことになった、この1年があったのでしょう。 今年諸々勝てたことの思い出は、いくら聞いてもまったく言葉として出てきませんでした。 でもね…… 勝負所から内を掬う戦法で勝負に行って勝った駿蹄賞、そして完全にレースを支配し、他を翻弄して手玉に取り勝った東海ダービー。そのほかにも……印象に残るレースは、数々あったよ。 レースが終わってみると、ああ、やっぱ、勝つんだ、って。 それが「王者」岡部。 また来年は、数字やタイトルだけでは言い表せない興味深い活躍を見せてくれるのではないかと、今は楽しみにしているところです。 今年もまた1年間、拙文をお読み頂きありがとうございました。 他の執筆者の皆さん方と違い、なかなかうまく競馬に携わることが出来ず、継続的に仕事をさせていただく担当場も持つことが出来ていない中で、何とか競馬が行われている現場の「真実」をお伝え出来ればと思って、やってきました。どんなことが伝わっているのか、自信は全く持てていない中で、毎週キーボードを叩いてきました。 実際に現場に立って、人々の姿を見て、言葉に耳を傾けていると… 世の中で言われたり思われたりしていることとはまた違う「様々なこと」に行き会います。ああ、そういうことだったんだ、っていうことに、現場は溢れています。 それは、ネット経由の実況映像では勿論わからないし、世の中に溢れかえっている配信番組などの情報では伝えられていない事柄でした。 そして、そういうことこそが、競馬の本当の面白さでした。 これからも、そういうことを丁寧に拾って、伝えて行ければいいなと。 年の終わりに、改めてそんな風に思っています。 コロナ禍の間も取材に協力して下さった皆さん、とりわけ名古屋競馬場と、門別競馬場と、佐賀競馬場のプレイヤーの皆さん方や開催関係者の皆さん方には、心からお礼申し上げます。 明年も、どうぞよろしくお願い致します。 みなさま、良い年をお迎え下さい。
2022年12月28日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日の太田アナウンサーの稿で紹介されていた、ホッカイドウ競馬の場外発売所でのプレイヤーズトークイベント。私は、北海道石狩市にある場外発売所・Aiba石狩でのイベントを担当させて頂きました。 12月14日水曜日 この日の石狩地方は、寒波襲来の影響で雪が降る悪天候。 それにもかかわらず、このトークイベントに合わせてお客さま方がお越し下さいました。 Aiba石狩に来てくれたゲスト 五十嵐冬樹調教師(左)と宮崎光行騎手(中) 右のサンタ帽がわたくし 私の企画構成で、五十嵐調教師には騎手としての引退レースとなった今年の道営記念の裏話、宮崎騎手には全日本2歳優駿つながりで、手綱を取った名馬・ハッピースプリントの話をして頂きました。普段の取材の中では聞けないような、深い深い競馬の話に、お客さま方がおおきく頷きながら耳を傾けて下さっていたのが、とても印象的でした。 恐らく、ですが…… 競馬業界で、こうしてプレイヤーがリアルに登場して語るイベントは、コロナ禍に入って以降では全国で初めてなのではないでしょうか。ホッカイドウ競馬はシーズンオフに入っているという自場はあったにせよ、これはとても貴重なことだと思います。 そして、それに応える形で、お客さま方は駆けつけて下さった。 いま、競馬として人々から求められていることが何なのか、ということを、肌で感じた気がしました。 さて、ここからは今日の話題。 今日もまた、名古屋競馬場に取材に出かけました。 お昼前後にはこのように陽の光も差していたのですが… 午後には曇ってきて、冬らしい寒さ。 ただ今日は、風がそれほど吹いていなかったので助かりました。 今年最後の名古屋競馬の開催。 人々も馬たちも、今年の締めくくり、そして来年の飛躍を期して奮闘中です。 キッチンカーも連日元気よく営業中。 このブログでもご紹介した、本物の相撲部屋の味が楽しめるちゃんこのお店「大ちゃん食堂」で、うどん入りちゃんこを頂きました。 写真は元力士・海猿の小川さん。 「自分は、名古屋の冬は初めてで……もっと寒くなるんですかね?」 聞けば、力士時代は名古屋場所が7月だったため、夏にしか名古屋には来たことがなかったとのこと。なるほど、納得。ちなみに、冬に行われるのは11月の九州場所で、九州で部屋の拠点になる場所は山の上にあってとても寒かったとのこと。 湯気の出る味噌ちゃんこうどん入り。 身体が温まります。 今日の名古屋競馬場の話題は、この人一択でしょう。 浅野皓大騎手 22歳 先週末に行われた、ヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドに、地元名古屋競馬から出場。第5位と健闘を見せました。 私は、その大会当日は取材&応援に出かけられませんでしたが、それだけにそこで彼が見た「景色」を知りたいと想い、会って話を聞いてきました。 以下のヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンド当日の写真は全て、愛知県競馬組合から提供して頂きました。 12月16日 名古屋競馬場での記念撮影「(大会が始まる前は)楽しみと緊張感が、半々でしたね。大きな舞台、という喜びと、やはり地元だからやらねば、という気持ちはありました」 とは言え、実際のレースの中身について振り返って聞いてみると、一つひとつのプレーについてはっきりと応えてくれました。レースには落ち着いて臨めていたのでしょう。 しかし1戦目。思わぬ展開に苦戦します。 「飛ばして逃げる馬がいて、外目の3番手。名古屋競馬場のセオリーで一番いい場所を取りに行きました。でも……」 問題のシーン。この状態から内目から外に出し、番手の馬の外につけたところ、内側の馬が外に出てきてあろうことか馬場のほぼ五分どころを通りました。当然彼の馬は更にその外を大きく回らされる形に…… 「ほかのみんなが、内をあけようと意識しすぎて、いつもと違う競馬になってしまいましたね。3~4コーナーもすごく外を回らされて、小柄な馬なので距離を走らされた分最後伸びませんでした。」 先週、大会前の取材に対して「名古屋のコースのことは自分が一番よく知っている」と彼が話したことをお伝えしました。しかしこのときばかりは、「いつもの名古屋競馬の形」にとらわれてしまったことがロスにつながりました。競馬って、難しいし、面白い。 1戦目は5着。「2戦目は、自厩舎の馬だったので力が入りました。とは言え普段は乗っていなくて、直前の追い切りだけ乗せてもらいました。直線では行きたいところを突いて差せたし、思い通りに乗れたと思いますが、勝った馬には内に行かれてしまいましたからね……」 2戦目は2着でポイントは上積みしましたが、惜しくも名古屋で勝利をものにすることは出来ませんでした。 12月17日、舞台をJRA中京競馬場に移しての3戦目 芝2000mのレースは、単勝オッズ194倍でブービー人気の馬。 「いつも後ろをついて回ってばかりの馬で、担当の方には『ビシビシ行かせてくれ』と言われていました。外枠から前へ飛び出していった馬が飛ばして行き、自分は4番手の位置を取ってついて行きましたが、行くとかかるところがある馬だったらしく、ペースが上がったのは良かったみたいです。折り合って走っていました。勝った馬が強かったですけれども、よく頑張ってくれました。」 なんと3戦目4着で、ポイント更に上積み。 この時点でのポイントは、トップだけ大きく離れて優勝は無理な状況でしたが、2位3位ならまだ十分チャンスがある得点状況に。 「意識しましたよ(笑)。表彰台って。人気にもなっていた馬でしたしね。でも……」「外枠で馬が気持ちよく行ってしまって……もう1列下げて馬の後ろに入れれば良かったのかも知れません。馬だけでなく、自分自身も力が入っていたのかも知れません。」 ここは、素直な気持ちなのでしょう。 「馬が一杯になって、どんどん抜かれていくんですけど……悔しかったですね、抜かれていきながら。ああ、だめか、って。」 4戦目殿負けで、万事休す。 あと1点で3位。2位も殆ど差がなかっただけに、どこかでもう少し得点が稼げていればと悔やまれます。 話の最後に、ファイナルに出場した聞きました。 「本当にいい経験でした。JRAの競馬場で乗れたことも走だし、周囲の多くの方々とも話をすることが出来た。緊張感のある勝負の場でしたが、和気藹々というかそんな雰囲気もあって…楽しみつつ、勝負する、そんな場でした。」 こちらは今日12月21日の騎乗シーン 今日21日現在、あと18勝で通算100勝。3月いっぱいまででこれを超えれば、見習騎手は卒業となり、ヤングジョッキーズシリーズへ出場することもなくなります。 「数字的には微妙なんですけど……(苦笑)、でも、超えたいですね。ヤングジョッキーズはもういいです。減量がなくなれば、勝ち鞍は当然減るとは思うんですけれども、その分『考えて』乗りたい。コース、位置取り、仕掛けのタイミング。勝ってる人はみんなすごく考えているので。」 「まず、クラスが上のレースを勝ちたいですね。オープン級のレースや重賞レースですね。」 明後日23日金曜日のメイン11R・タンザナイトオープンでは、前走惜敗のヒロシゲウェーブに騎乗予定です。そこで早速、成長のあとを見せられるかどうか。注目してみて下さい。 今年の名古屋競馬の開催はあと明日22日と明後日23日の2日間を残すのみ。 この2日間は、新しく愛称がついた「ベイサイドナイター」として行われます。 寒いかな……寒いよな………… 頑張って取材してきます!!
2022年12月21日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、名古屋競馬場からのリポート。 先週水曜日7日と、木曜日8日に取材してきたお話です。 2週間前に来たばかりだったのに…… 吹く風が、グッと冷たくなっていました。 日なたにいるとポカポカするけど、日陰はヒンヤリ。 夕方以降はもう寒くて…… やっぱり名古屋の冬、ですね。 いよいよ、ヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドが とりま、この人とは話しておかないとね。 浅野皓大(こうだい)騎手 22歳 ファイナルが行われる、地元・名古屋から唯一勝ち進みました「名古屋のコースのことを一番よく知っているのは、自分ですから。名古屋は大丈夫です。やれます!」 彼の方から私を発見して、このように話してきました。 彼は、この1年ぐらいで、本当に変わりました。 上手いかどうか、は、まだキャリア的に深く問われるべきではないでしょう。 それよりも、「気持ち」の問題。 いまの彼からは、プレーぶりからも、そしてこうして取材で話していても、彼自身から出ているエネルギーみたいなものを感じます。 思うに…「気持ちの持ちよう」みたいなものを、掴んだのではないでしょうか。 勝負に臨む、騎手という仕事をする上での、気持ちの持ちよう。 そういうものが、プレーにも現れているのでしょう。 一昨年23勝 昨年は休んでいた期間があったとは言え、たったの11勝 それが今年はここまで、46勝。「ヤング卒業」ラインの100勝までは、気がつけばあと19勝です。「とは言っても、中京はドキドキすると思いますね……寝られないかもしれないな(笑).すごく楽しみです。」 面白いこと言うじゃん(笑) トークセンスも磨かれてきた。 せっかくレースの賞金高いんだから、素直に稼いでくればいいじゃん、って話しておきました。 やるかな…彼 結果はどうあれ、今週のその2日間は、彼にとってもの凄い財産になるのでしょう。 決戦の時まで、あと2日に迫りました。 続いては、こちら 短期移籍で名古屋に来ている、保園翔也騎手 今週27歳になりました。 12月8日木曜日の3レースをグレートコマンダーで勝ち、通算200勝達成! 申し訳ない……私、競馬場にいたけど別取材でその写真撮ってなかった(汗) ということで… この写真は前日12月7日10レースのビービーモノローグ 199勝目ですね 11月24日に名古屋で勝って以来、笠松での2勝も含めてここまで7勝 やはり「勝ち始め」ました。 コースを眺めながら、自分の仕事について思いを巡らせる彼 「勝ててはきたけれども……説明できない勝ちもあって、それが良くないかなと」 考えてる。 深く考えてる。 それが彼の仕事の「スタイル」なのでしょう。 同期の加藤聡一騎手(右)と、レースの後言葉を交わす「聡一なんかは『勝てればいいじゃん』って言うんですけどね…(笑)。自分の中ではちょっと違う。必ずある調子の波の、下降しているときに、どう脱するか。自分のしていることを説明できないと、脱出の仕方がわからないと思うんです。考えれば、何かあるはずなので。」 興味深いですね。 誤解のないように言うと、加藤聡一もちゃんと考えてます、いろんなこと(汗)。 ただ、恐らく、結果というものに対するアプローチが、ふたりの間で違うんだな、ということはわかる。 同期で、同じ年でも、仕事への向き合い方が、違う。 すごく面白い言葉に出会えた気がしました。 考えすぎ、って言うのは簡単。 でもその「考えすぎ」の中から生み出されるものに、私はとても興味があります。 まだまだ、名古屋にいる間に「いろんな保園翔也」が見られるのかな。 これからそういうことも、わかってくるような気がして、注目しています。 続いては、大変忙しそうなこの方。 戸部尚実調教師 59歳 調教師試験に合格して、11月いっぱいで騎手を引退 現在は調教師としての開業のための準備に力を注いでいます 「全く違う仕事だから。」 取材の第一声、こんな言葉から始まりました。 いまの心持ちを、端的に表す言葉でした。 「引退する前も、レースにずっと乗ってなかったでしょ?その間も、馬の扱い方をずっと勉強していました。いまも川西(毅)厩舎で2頭、やらせてもらっています。」 長く競馬に携わってきても、レースで乗るのと、馬を取り扱うのは、全く別の話。そんな気持ちからの彼なりの「勉強」。仕事というものにどういう風に向き合う人なのか、改めてその人柄が伝わってきたような気がしました。「1月から開業なんだけど、馬房もらっても、使えるようにする準備があるから。下に敷くゴムマットとか、飼い葉桶を釣るロープとか、そう言う物一つひとつ用意していかなければなりませんから。馬が厩舎に入るのは1月半ばぐらい、初めて馬を出せるのは2月に入ってからでしょうか。」 試験に受かって免許をもらえば、その日からすぐ活躍、という仕事ではない。 準備の段階から、丁寧に。一歩ずつ。 その先にあるのは、即活躍、ではなく、まず一頭の馬をきちんとレースに送り出すこと。 その日が来るのを、心待ちにしたいと思います。 8日木曜日のメインレース ダートグレード競走の名古屋グランプリ(Jpn2) 昨年まで土古の旧競馬場2500mで行われていましたが、今年は新競馬場に移り、距離は2100mにモデルチェンジしました。2コーナー出口から、トラックを1周半して争われます。 半周走って、最初のゴール板前。 近走スタートの後手が響いていた大井のセイカメテオポリスがレースを先導 続くJRA勢はクリンチャー 内にラーゴム そして ヴァンヤールの順 この写真の直後にペイシャエス 内枠が響いて、ずっと通りたくない内目に押し込められていたラーゴムが、決意のイン捲りを敢行して先頭に立つと、一気にレースが動いてヴァンヤールとペイシャエスが追随しました。 内を通ってきたラーゴムはさすがに苦しくなって…… 絶好の手応えで抜け出してきたのが、ヴァンヤール(中央緑帽赤袖) やったかに見えましたが… ペイシャエス(その右の橙帽赤袖)が直線に入り猛追! 殆どデッドヒート! ハナだけペイシャエスが出たところがゴールでした 上がってきた各馬 騎手の表情 勝った菅原明良騎手の勝利インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 残念だったのは… その後ろから上がってくるヴァンヤール この馬、JRAで未勝利を勝てずに、昨年秋には名古屋(土古の旧競馬場)で走っていた馬でした。その後JRAに戻ってポンポンと勝ち上がってオープン入り。今回のレースは、その活躍の足がかりとなった名古屋への「凱旋帰国レース」でした。 昨年10月11日 名古屋転入2戦目でのヴァンヤール 3歳1組の特別を快勝して、JRAへ戻っていきました。 当時管理していた今津博之調教師は、「この馬は他の(JRAからの転入馬)とは全く違う。JRAへ戻っても必ず活躍しますよ!!」と話していました。 当時の口取り写真 一番左が今津博之調教師 今津調教師も、自分の手を離れた馬とは言え、この日のレースの前からヴァンヤールの走りを楽しみにしているようでした。それだけにレースの後には……「いや~絶対に走るとは思っていたけれど……残念です」 現在管理している庄野靖志調教師(写真右の後ろ姿)も「いつも力を出してくれてる馬。名古屋から戻ってきて、ガラッと馬が変わって活躍して来ました。ここまで走ったら勝ちたかった」と残念そうでした。 勝ったペイシャエスの小西一男調教師の話「ジャパンダートダービーで軽い馬場で活躍して、休養のあとの船橋(日本テレビ盃)は馬場が重たすぎましたね。前回ももう一息という競馬でしたが、今回は馬の雰囲気も良かったですね。道中我慢させればすごくいい脚を使える馬。他の馬に脚を使わせる形になったのも良かったです。」 今後の課題…と話をふると「ああいう体ですし、芝で走る馬なのかなと思うぐらい。これからパワーアップしてくれば、もっとやれると思います。」 今後は、川崎記念が目標になるとのことでした。 名古屋の次開催ですが…まず1日だけぽつんと16日デイ。 ヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドの日ですね。 その後間が空いて、21日水曜日から23日金曜日まで残り3日。 ただし……22日木曜日と23日金曜日はナイター開催です!! かなり寒いです。間違いなく。 私はその寒さも含めて体感してきます。
2022年12月14日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、佐賀競馬場から。 12月4日日曜日。重賞のウインターチャンピオン当日に、出かけてきました。 まずは、まもなくヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドの大舞台を迎える、このふたりの様子から。 加茂飛翔(かもつばさ)騎手 20歳 あとから後輩が入ってきているので、結構前からいるような気がしていましたが…昨年10月にデビューして、まだ1年余り。今年は50勝をマークしました。通算では現在61勝。 レース前 所属の大島静夫調教師に指示を仰ぐ「今年中に(たぶん今年度中、の意味)何とか100勝まで行きたい」 現在の目標をそんな風に話しました。 100勝は、見習い騎手卒業という、若手にとっては大きな区切りの数字。 減量もなくなるこの数字を超えてからやっていけるかどうか、そこがプロの証。 そして、本当に年度内に100勝を超えれば、ヤングジョッキーズシリーズへの出場は、来週のファイナルラウンドが最後になります。 かわいい「カモ」が描かれた横断幕 名古屋でも中京でも、見たいですね。 「中京競馬場でどう乗ればいいか、という自分なりのイメージは出来ています。金山先輩と一緒に行けるというのも心強い。頑張ります。」 この日も8鞍と、たくさん乗っていました。 事前の評価のそれほど高くない馬も多くて、結果殆どのレースでこんな風に泥だらけになって帰ってきていました。この写真は、この日最後のレースの直後。「自分でやれることは、やりきりました」ときっぱり。 大きな舞台で、何を掴むか。 いいタイミングで、いいチャンスが巡ってきています。 一方……こちらは、悩みの縁に立っていました。 金山昇馬騎手 20歳 こちらはデビューから4年目に入りました 今年は66勝と、昨年に比べ倍増の活躍……ですが 「いま、なんだか…気分が上がってこなくて……」 ん~~なるほど……「ファイナル名古屋に向けての取材も多くて、そのたびに『頑張ります、やります!』とは、答えているんですが、正直、心の中では『結果が出なかったら…』などと考えてしまうことの方が多くて。】 10月のトライアルラウンド名古屋での彼 このとき3着とポイントを稼いで、ファイナル進出に大きく前進「今年は、たくさん乗せてもらって、たくさん勝たせてもらって来ました。が、ここに来て余り勝てていないこととか、あと重賞勝ちも(多分10月の九州ジュニアチャンピポンのこと)本当に僅かのところで逃して。そういうことが重なっていることもあって……気持ち的に今ひとつ、やれるっていう感じが上がってこないんです。」 この日、2レースをテイエムウインで勝利 10月28日以来、37日ぶりの1着でした「周囲の人の期待感も、感じるんです。でも、うまくやれるかどうか、結果を出せるかどうか、そういうことをすごく考えてしまう。考えると、不安な気持ちとかも出てしまいます。今度の(ヤングジョッキーズシリーズの)ファイナルも、楽しみなんですよ。でも、やれるのかな……っていう思いが先に立つこともあるんです。」 私も、これまでの様々なスポーツの取材の中で、競馬以外のスポーツも含めて、他のアスリートたちから同じような話を聞いてきました。 彼……若いのに、なんだかとても、「アスリートらしい話」だなと感じました。 身ひとつで、勝ちもあり負けもあり、それを常に競う中での心の「揺らぎ」を、どのようにマネジメントし、コントロールするか。 多くのアスリートが向き合っている課題。それもまた、競技そのもの。プレーそのもの。 それを感じることが出来る彼を、アスリートとして尊敬出来ます。 そして、それを言葉にして出せる彼の、「競技者としてのポテンシャル」も、ガツンと伝わってきました。形のないものを言語化できる能力は、アスリートとして成功するために欠かせない素養です。 直前に、NARが行う若手騎手向けの研修会に参加。 そこで、有名な一流アスリートの話から、良い言葉を教えてもらってきたそうです。 「成功を追いかけるな。成長を追い求めよ。」 この言葉、とても印象に残ったと。 「いま、自分が(パフォーマンスの)波の、どの部分にいるかはわかっているつもりなんです。グッと上がる部分と、平行線か、むしろ少し下がっていくときがきっとあって、いまはその下がっていくところなんだろうなと。」 そこまで感じていればね…大丈夫だわ。 意識レベル、むしろ高い。 あとは、その平行線の部分にいるときに、怪我のような勝負以外のアクシデントに巻き込まれないこと、ですよね。これは気持ちの問題も多分に影響するから…いまは、すごく気をつけるべきタイミング、ですよね。 谷深ければ、山高し。 丁度名古屋のファイナルのときには、いいタイミングいいコンディションにアガっているのではないでしょうか。是非、楽しみにして下さい。 次の話題 この日、12月4日は、近隣にある久留米競輪場とのコラボデーでした。 佐賀競馬場スタンド2階の、配信スタジオ この日は佐賀競馬場にガールズレーサーが来場し、このようにオープンスタジオで配信出演しました。 児玉碧衣(こだまあおい)選手 左からふたりめ 尾方真生(おがたまお)選手 一番左 右から二人目の男性は、佐賀競馬の配信レギュラーの元JRA騎手・佐藤哲三さん スタジオ前のお客様方の集まり方でおわかりの通り、注目度、高かったですね。 競輪ファンの方でも、映像ではなくリアルにこのふたりの選手の姿を見られるとなれば、プレミアムな企画だったのではないでしょうか。 久留米競輪の協賛レースの表彰の際の記念撮影 真島正徳調教師とともに。 一番左は、久留米競輪のマスコット『トッピー』 久留米競輪の担当者の方に、少しだけお話を伺いました。「今回、明日から始まるミッドナイト競輪のPRも兼ねて、佐賀競馬さんからお話を頂いて実現しました。お互いのレース場が、すぐそばですから。こういう連携は有り難いし是非やっていきたいと。このあとも継続してやっていけることになっています。」 競輪と競馬で、客層が重なるかどうかは、正直微妙です。 私は両方とも、相当の「投資」をしながら楽しむけれど(汗) でも佐賀競馬と久留米競輪、両者には「地域」という繋がりがあります。 両者、たった10キロあまりしか離れていない、本当に「お隣さん」みたいなもの。 公営競技、と無理にくくらずとも、「走って着を競うレースというスポーツ」という括りで言えば、競技そのものや、プレイヤー、そしてお客さん方の繋がりも、無理なく作っていけるのではないでしょうか。 そして、そういう「地域」とか「スポーツ境地」を契機にした繋がりが、それぞれの物事を強くしていく。先週ご紹介したアイスホッケーの件に続いて、そうしたことを意識した取り組みに、触れることが出来ました。 私も、児玉碧衣、尾方真生のふたりの選手をリアルに見られて、結構興奮しました。ふたりとも12月28日のガールズグランプリに出場予定。活躍を期待します。 つづきまして。 この日のメインレース、ウインターチャンピオン(1400m)の話。 夕方の6Rに重賞、っていう流れも、佐賀に取材に通って少しずつ慣れてきました。 スタート直後の最初のゴール板前 2頭並んだ桃色帽 左、注文通り先手を取ったのがスーパースナッズ しかし、昨年このレースを勝ったミスカゴシマがその直後にピタッとつけてプレッシャーをかけます。 1番人気のタガノキトピロ(写真右端の赤帽赤服)は、この馬のスタイルで後方 逃げたスーパースナッズの飛田愛斗騎手が、レース後「この馬のペースで、流して走らせていた」ので、見た目ほど速いペースにはなっていなかったのかも知れません。 勝負所でレースが動いても、主役になるはずのタガノキトピロは動き出せず離され、スーパースナッズが後続を突き放して逃げ込み態勢。ところが、そこに……道中は外に持ち出さずに内目を距離ロスなく運ばれてきたダイリンウルフがやってきました。 左の桃帽がスーパースナッズ 右の白帽緑袖が、石川倭騎手のダイリンウルフ ダイリンウルフが、ゴール前でスーパースナッズをねじ伏せて勝利! スーパースナッズは、本当に惜しかった…… 飛田愛斗騎手も、上がって来て第一声が「やったかと思った!」 管理する手島勝利調教師は「こちらもうまく乗ってくれているのですが……勝ち馬にうまく乗られました。あそこまで行ったら勝ちたかった。」 ……と、残念そう。 選出されれば、年明け1月15日(日)に行われる全国交流の短距離戦・ゴールドスプリントを目標にするそうです。 こちらは、勝った石川倭騎手 先月のカペラ賞に続いて、短期移籍1ヶ月足らずで、速くも重賞2勝目 勝利騎手インタビューの模様は、佐賀競馬のオフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 ダイリンウルフも、年明けのゴールドスプリントを目指して行くそうです。 メインレースの後も、夜の最終レースまで滞在していたら…… 竹吉徹騎手 34歳 17年目 11レースをエスケイファーストで勝ち、通算900勝達成! 馬のすぐ右にいるのが、竹吉騎手 記念撮影には、最終レース後の片付けもそこそこに騎手達が集まり、もう出番が終わっていた人も戻ってきて撮影に参加していました。 今年はここまで88勝 昨年・一昨年を上回る勝利をあげています。 5月には、イカニカンで九州ダービー栄城賞を勝ち、ダービージョッキーの仲間入りもしました。 「900っていう数字を聞くと、『次は1000勝、頑張ろう』っていうモチベーションになりますね。これまでの思い出のレースですか?勝ったレースよりも、数々の取りこぼしの方が……」 私たちは、勝った数字を取り上げるけれど、レースをしている側からしたら、競馬は「負けることの方が遙かに多いスポーツ」。勝利への思いもさることながら、敗れたレースの残念さや悔しさの方が先に立つのかも知れません。 それこそ、先にご紹介した金山昇馬騎手の心持ちも、これと近いものがあるのかも知れません。 この日の4レース・クラフトマンシチーでの、竹吉騎手899勝目の写真 今週は、すでに名古屋競馬が開催中! 明日は、ダートグレード競走の名古屋グランプリですね。 次週は、名古屋からお送りします。
2022年12月07日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、まず先週お伝え出来なかった、名古屋開催での一コマから。 ホッカイドウ競馬の阪野学騎手(34歳)が、短期移籍で名古屋にやってきました。 騎乗開始初日の昼イチ(1レース前) 「あ~忙しい!」とつぶやきながら、装鞍に向かうところをパチリ。 名古屋出身。デビューは2008年、名古屋の旧競馬場。 2014年にホッカイドウ競馬に移籍しており、今回は短期移籍とは言えそれ以来の「出戻り」の形で名古屋でプレーすることになりました。 紹介式で掲げられたプラカードには「おかえりなさい」の文字 競馬場スタッフの方が作られたもの。 今回は短期移籍ですし。 私は門別でもずっと彼の姿に注目し続けて来ているので見慣れているから、そこまでとは感じなかったのですが…… このプラカードを見て、逆に名古屋の皆さん方の「心持ち」を感じました。 「久しぶりに姿を見ると、あの頃は若くて初々しい感じだったのが、すっかり大人っぽくなって」 ……とは、ある女性スタッフの方の声。 確かに…… この名古屋の競馬場におられる方々の気持ちは、本当に久しぶりの彼の姿。「おかえりなさい」は率直なところなのかも知れません。「今回、受け入れてもらえたことが、まず何より嬉しいです」 私の取材では、これが彼の「第一声」でした。 11月22日 5レース ヤノニノキセキで早速勝利! 先週の開催では2勝の活躍 「自分は一度名古屋から出て行った身ですから。自分の立場を考えたら、周囲の人たちも色々な思いがあるはずです。それでも、こうして受け入れてもらえて、セレモニーにも集まってくれました。それだけでも嬉しいし、有り難いことです。」 門別でも、彼の笑顔を追いかけてきました。 名古屋で、ひとつ勝ってこの笑顔。 取材しているこちらも、少しじわっと来るものがあります。「こういうことがあれば、(自分の中でも)必然的に色んなことが変わっていくと思います。そういう変化も、『何かを変えていく』っていうことでもなくて、タイミングひとつなのかも知れません。」 必然的に、変わっていく。 まさにこれが、いまの彼の心境の中心にあるものなのでしょう。 いま、思い立って、そして踏み出して、こうして「きっかけ」を作った彼。 名古屋で、彼にどんなことが起きて、そしてそれが彼の「これから」にどんな影響を与えていくのか。興味は尽きません。 次の話題。 今週のキッチンカー(仮題) 名古屋競馬場では、毎開催日、キッチンカーが絶賛営業中です! 今回お邪魔したのは、開催ごとに来てくれているこちらのハンバーガー屋さん C’s kitchen 手作りハンバーガーの専門店です。 オーダーメイドのバンズと、牛肉100%のパティのコンビネーションが絶品! 最後のバンズを乗せて、完成したハンバーガー このボリューム感 そして、一口頂くと、肉のジューシーさがハンパない旨さ 私のおすすめは、このレモネード。 サッパリしてて、とっても美味しい~。 大きな瓶の中から、甘くつけ込んだレモンをとって、これに炭酸水を注いで目の前で作って出してくれます。 店主の森本さん リアル店舗のカフェをおやりになっていて、昨年からこのキッチンカーを始めたそうです。 「競馬場での出店は、どうしても(開催時間中の)長い時間になるので、正直なところ、効率で言えば病院とか会社にランチタイムに出店した方がいいんです。でも……」 でも、の先が気になる。 「ハンバーガーって、こういう競馬場のお客様の層と、マッチしてるんですよね。男性の、ひとり客の方も多いじゃないですか。ハンバーガーは、みんなでシェアしづらい食べ物なんですけれども、むしろここのお客様には合っているような気がします。お子様連れのお客様には、ポテトなんかがよく売れます。」 なるほど…… 同じように考えがちなキッチンカーなんですけれども、そこで売られる食事の内容によって、向き不向きも明確にありそう。競馬場でキッチンカーを呼ぶときにも、そうしたことまで考えると、来場客の満足度も高まるのではないでしょうか。 ハンバーガーが美味しかっただけではなく なんだか…勉強になりました。 いつもと違う「美味しいもの」に出会える競馬場になれば、また競馬場という場所の価値も高まっていくのではないでしょうか。 これからもまた、競馬場のキッチンカーをご紹介していきます。 お楽しみに!! 名古屋の次の開催は、来週12月5日月曜日からの連続4日間。 いつものデイ開催です。 最終日はの8日木曜日は、年末の大一番!ダートグレード競走の名古屋グランプリ(Jpn3)。もうそんな季節なんだな……。 さて、最後の話題は、北海道から。 11月27日日曜日 北海道・釧路市にある釧路アイスアリーナにて行われた、アイスホッケーチーム「ひがし北海道クレインズ」の公式ゲームにおいて、ばんえい競馬のプロモーションが大々的に行われました。 イベントのタイトルも奮っています 釧路アイスアリーナをジャック ばんえい十勝マッチデー お客様の入場時のグリーティング リッキーがアイスホッケーファンの皆さんをお出迎えしました 来場客の皆さんには、ノベルティグッズとパンフレットを配るんですが… このパンフレットがすごい! 「鶴馬」(笑) クレインズの「鶴」と馬をかけてのタイトル 競馬新聞を模したパンフレットには…… このように、クレインズの選手達が競馬新聞形式で紹介されていました。 まさに、アイスホッケーと競馬のコラボレーション こちらは、ラインのお友達登録キャンペーン 競馬ファンではない方々が興味を示し、次々とライン登録されていました ばん馬の等身大バルーンも登場 皆さん、実際の馬の大きさに目を丸くしていました。 このように記念撮影をする方の姿も。 ロビーには、ばんえい競馬関係の様々な展示も。 この日、とにかく大活躍だったのが、ばんえい競馬のマスコット・リッキー アイスホッケーファンの子ども達も、リッキーの姿を見ると大喜び こうして…… 写真を撮ってもらうことって、すごく大切なことだと思うんです。 残りますから。形として。 また何かの機会に見て、このときのことを思い出してもらえるかも知れない。 ほんの僅かずつでもいいから、ばんえい競馬のことを意識してもらう機会を作り続けることこそ、競馬という物事が長く続いていくためにとても大切なことだと思っています。 リッキーによる、記念フェイスオフ 野球で言う始球式に該当するセレモニーで、このようにリッキーがパックをリリースしました。 残念ながら、この日は日曜日で競馬開催中。 プレイヤーが来場してイベントを盛り上げることは出来ませんでした。 そのかわり、試合開始前には、自らもアイスホッケーをプレーするという、自称・アイスホッケーフリークの金田利貴騎手がビデオメッセージを寄せてくれて、会場を盛り上げていました。 選手達は、この日だけしか着用しないスペシャルユニフォームを着て試合に臨みました。 胸の所にでっかく、ばんえい十勝のロゴが!!! 試合は残念ながらクレインズの勝利、とはなりませんでしたが… ばんえい競馬としては、本当に貴重な一日になったのではないでしょうか。 JRAはともかく、地方競馬は、こういうふうに競馬の世界の外に出てのプロモーションの機会を、これまで殆ど作ってきませんでした。何となく自然に馬券が売れて儲かり、やがて自然に売れなくなって経営が苦しくなって、潰れるところは潰れた。馬券というものがあるから、「その物事を広く知ってもらう」という営業を行うという発想そのものがなかったのかも知れません。 しかし、広く世の中を見れば、みんな自分たちが提供する物事を広く知らしめる努力を怠ることはありませんし、それによって自分たちが行っている物事の永続性(サステイナビリティ)を確保している。競馬とて、その例外ではないはずです。 地方公共団体が主催している地方競馬こそ、JRAとは異なり、地域や他のスポーツと密接につながりながら「競馬」そのものを広く世の中に浸透させる役割を担うべき存在。そう思えば、このような取り組みが行われるのは実に自然なことだし、売り上げが好調ないまこそ、こうした活動に力を入れていくべきだと感じます。 まだまだ、競馬の世界は、こういうことになれていないから……。 プロモーションの中身としては、反省点も多々あった今回の取り組み。運営側として参加させて頂いた私としても、勉強しながら携わらせて頂いていました。 そこはね…… これからこういうことを続けていくこと、ですよね。 続けていけば、それがやがて実になり力になる。私はそう信じています。 ひがし北海道クレインズの選手の皆さん、スタッフの皆さん ご協力、本当にありがとうございました。 これからも、個人的にも応援していきますよ。 GO!クレインズ!!
2022年11月30日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、まず佐賀競馬場のお話。 ちょっと久しぶりに出かけてきました。 現在、ほとめきナイター絶賛開催中 昼一番、馬場整備中の車両 お仕事感満載… 砂を足しながら開催が続いてきているそうで、いまは砂が深くなっていて時計2~3つぐらいかかるようになったかな、とは、馬場管理の担当者の方のお話。 雨もここしばらくは少ないんだとか。 砂も結構舞い上がる感じで、馬場の上でふわふわした砂は確かに重たそうに感じられました。 九州でも季節は進んで 競馬場の周りの木々も、このように一部は色づいていました。 みんな、すご~く外の方を通って来ます。 コース際でカメラを持って構えていると、1着勝ち負けの接近戦もこんな感じ メインレースは、この季節恒例の2500m長距離戦・九州大賞典でした。 主役はなんと言っても、グレイトパール。 この日も、馬体重は560kg デカい。 例えて言えば、プロレスのアンドレザジャイアントみたいな感じで……この馬だけ、とにかく全体的な作りがひと回りかひと回り半大きいんですよね。 JRAから佐賀に転入して来てから、このレースは3年連続で出走して、いずれも優勝。4連覇の偉業がかかる一戦でした。 佐賀の2500mは、ホームストレッチの4コーナー奥からスタートして、コースを2周して争われます。 スタート直後のゴール板前 発馬を決めたマイネルジャスト(赤帽3番)がハナを取り リュウノシンゲン(桃帽10番)がこれを番手で追う展開 注目されたグレイトパール(緑帽白服6番)は、すんなりと行き脚がついて、その直後3番手の外目で人気にもなっていた前の2頭をマークしつつ進みました。 コースを1周回ってきた後、2度目のゴール板前。 前の3頭の並び隊形は、ご覧のように1周前と全く同じ。 ペース的にはそれなりに流れていたようですね。 この後、各馬が勝負にかかると、逃げていたマイネルジャストが早々にダウン。 押し出されるように先頭に立ったリュウノシンゲンも、直後をマークするように進んでいたグレイトパールとの脚色の差は歴然……。 最後の直線 抜け出してくるグレイトパール(写真中央の緑帽) リュウノシンゲン(その左の桃帽)もいっぱいになり 代わってタガノファジョーロ(写真右の桃帽赤服)が2番手に上がって来ました。 騎乗していたのは、倉富隆一郎騎手 ゴールのときには、勝利をつかみ取るようなガッツポーズでした リュウノシンゲンは3着 結果は出せませんでしたが、管理する山田徹調教師は、サバサバとした様子でレースを振り返っていました。「やはり、距離が長かったですね。ただ前で運んでいい内容のレースだったと思います。逃げる馬とグレイトパールの間っていう位置はついてなかった。自力で仕事することが出来ませんでした。グレイトパールの後ろの外側なら、何か出来たかも知れませんが……」 3歳の昨年まで、岩手で数々の重賞を制したチャンピオンホース。南関東に移籍後は結果が出せませんでしたが、佐賀に転じてからは、ダートグレード競走のサマーチャンピオン以外はこの日のレースの前まで負け知らずでした。今回は結果が出なかったけれど、今後の活躍に改めて期待が持てる流れになっています。 「(移籍で)こちらに来たときには、随分と大人しかったのですが…体調が上がってくるとともに馬がうるさくなってきて…扱うのは大変ですが、山口勲さんが調教をつけてくれているし、いま調子はかなり良くなってきていますよ。」 パドックでのリュウノシンゲン この日も、装鞍の時には、クリップ型の鼻ネジをしないと馬に触れないほどの「元気さ」でした。 「当面の目標は次の中島記念」といわれていたように、そこでのリュウノシンゲンの走りが楽しみでなりません。 さて、勝ち馬グレイトパール 倉富隆一郎騎手 グレイトパールは、佐賀に移籍してきてからは主に鮫島克也騎手、その引退後は兒島真二騎手が主に乗っていました。いま兒島騎手も引退し、厩舎の主戦の倉富騎手へと手綱が託された形。そのこともまた、この馬がどれだけ息の長い活躍をしているか、ということを物語ります。 倉富騎手にとっては、グレイトパールで勝つのは3年前の名古屋・東海菊花賞以来。そのことに話を振ると、ニコリとして「そうですね…」と一言。 その思いは、ゴールの時のガッツポーズに現れていたのかも知れません。 管理する川田孝好調教師の話「無事に使えて、いい意味での平行線のいい状態で出られたのが良かったです。4回毎年、このレースに使えるということもすごいし、4回とも勝てました。本当に強い馬です。」 とはいえ……勝負所で全く反応せず、レースでの結果が出ない時期がしばらく続いたこともありました。これについては川田調教師が常々「とても賢い馬。気になるところがあると、自分で走りをセーブしてしまう。」と話していました。「元々裂蹄で苦しんでいた馬ですし、身体も大きいですから。結果が出ていない時期は、その影響で走りのバランスが悪くなったりして、身体にも影響が出ていたのでしょう。」 川田調教師は、この日の状態についてさらにこう続けました。「蹄も、過去にこの馬をケアしていた方の力も借りたりして、いまは状態がいいです。今日は…『目』が違いましたね。大人しい馬で、パドックでも全然歩かない馬なんですけれども、今日は馬場に出て行くときの『目』が違いました。なので、今日はやれると感じました。」 馬が走れることにも、そして走れないときにも、必ず理由がある。 この馬が長らく頑張ってくれるからこそ、私たちも長らく取材して、馬のことも知ることが出来ます。 次走は、連覇がかかる中島記念。 その後は、馬の様子を見ながら「どこまで頑張って行くか」も含めて、馬の周囲の人々で考えていくことになります。 いずれにしても明ければ10歳。 グレイトパールの競走馬としてのキャリアの最終盤が、どんなものになるのか。興味は尽きません。 佐賀には、またすぐに出かけるつもりです。 次に行くときには、きっと冬ですね……きっと、寒いね。 昨日、11月22日火曜日 名古屋競馬場にも行ってきました。 今週、25日金曜日までの名古屋競馬の開催は、オールナイター開催です。 午後から夜まで、たっぷりと、遠慮なく楽しんでください(笑)。 昨日22日は、翌日(つまり今日)が祝日ということもあり、夜に向かってなかなかの盛況でした。 今日23日の夜には、最終レース終了後にサッカーワールドカップの日本代表戦のパブリックビューイングが名古屋競馬場で行われることになっています。詳細は名古屋競馬HPからご確認の上、お越し下さい。 当然……夜で交通機関はなくなりますので、お車でお越しの方だけご参加可能ですが(汗)、どんな雰囲気でサッカーが楽しめるのか、興味津々です。 さて。取り急ぎ。昨日行われた2歳馬の重賞・ゴールドウィング賞のお話だけ。 弥富に移って、距離は1700m。3コーナーの引き込み線からトラックをおよそ1周半するコースで争われます。 ここまで3戦3勝。圧倒的な強さを示してきた名古屋のセブンカラーズ 新潟2歳SだけJRAに移籍して使われ、あとは笠松で3戦3勝のスタンレー 2頭が注目を集めて、戦前から一騎打ちムード。 抜群のスタートを切ったエムエスドンを制するように、先頭に立ってレースを引っ張るのは、セブンカラーズ。 スタンレーは、それを見る形で番手をバッチリマーク 勝負所でスタンレーが手応えよくセブンカラーズに並びかけていき、そこからは両者一騎打ち。しかし……セブンカラーズも応戦して、3コーナー辺りで再び離れた差が、直線まで来てもなかなか詰まらない。 スタンレーも離れなかったんですが… セブンカラーズも渋太く粘る 最後は3馬身差 セブンカラーズが振り切って勝利! 4戦4勝で重賞初制覇となりました。 スタンレーの藤原幹生騎手 残念そうな表情で引き上げてきました。「セブンカラーズとの位置関係は、想定通り。早めにプレッシャーをかけて行こうとして、動き出しのところではこちらの方が手応えが良かったけれど、そのあと少しだけ置かれた分が最後まで詰まりませんでした。初コースやナイターは多少は気にしていたけれど、レースでは問題ありませんでした。3馬身差。これが直線で広がる感じはしなかったので……」 最後は、次回以降「リベンジ」に向けての期待感、あるいは意欲。 セブンカラーズの山田祥雄騎手は、ご覧のようにホッとした表情 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 肩掛けを馬につけているのが、川西毅調教師「前回より、気持ちが乗っていて良かったです。騎手には、逃げを指示したのではなく、馬を信じて何も考えずに乗って来るようにいいました。そのようなレースになりましたね。馬のことを掴みながらやっていますから、結果から見えてくるものもあります。例えば距離とか、もう少しもつようにしていく必要があるでしょう。」 まだまだ馬の成長への期待感、そしてその結果へのいい意味での「自信」があるからこその話だったと感じました。 次走は、年明け2月以降とのこと。 さらにグレードアップした姿が見られることを期待したいです。 昨日聞いてきたその他の話は、また来週お送りしますね!
2022年11月23日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、先週の金曜日。 11月11日のポッキーの日……もとい。名古屋競馬場の東海菊花賞当日。 この日の朝に北海道から名古屋へ飛んできたのですが… 天気が良くて、暑かった! 上着は勿論いらないし、なんなら半袖で十分、みたいな陽気。 行ったり来たりしていると、まず着るものからして難しいです。 秋深まる、とは言っても、日差しはなかなかの強さでした。 取材に出かけた前日、11月10日 丹羽克輝騎手 63歳 通算1700勝を達成!(この写真は、名古屋競馬広報から頂戴しました) 11月10日 最終12レース ネオヴォイスで勝利!! 最近は、話を聞きに行くと……「老体にむち打ってやってます!!」……と言いながら、めっちゃ元気な彼。 左が丹羽克輝騎手 右は、先週の開催から怪我明け復帰した加藤誓二騎手 加藤誓二騎手も、この開催2勝の活躍!「負けたくないという気持ち。自分の場合はそれだけだね。勝負は下駄を履くまでわからない、っていうから…最後まで一生懸命乗らないと申し訳ない。それだけは、昔から今まで変わらないかな。」 取材に行った日も。2レース・ケントホープで勝って破顔一笑 最終レースも勝ちました。なかなか好調 この弥富の新競馬場に移ってきてから、しばらくはかなり苦労している様子でした。勝ち鞍も上がりませんでした。3~4ヶ月経ってからかな……本当に彼らしいプレーが戻ってきたのは。 きっと思うところもあったのだと思います。「1勝1勝の重みは、変わってきたね。やはり馬も、昔のようには回ってこなくなっているし。それでも出来ることをやるしかないし、気持ちの方は変わらないかな。」 続けていれば、流れも変わる。 彼自身の感じ方も、もしかしたら変化しているのかも知れません。やることは変わらなくても。「自分は、『青年』と思ってるから(笑)。もう少し頑張りますよ。」 「63歳・青年」の奮闘に、まだまだ期待しないといけませんね。 先週の開催から、この人が短期移籍でやってきました。 保園翔也騎手 26歳 浦和から短期移籍で、名古屋では川西毅厩舎所属です。「1年ぐらい前から、どこかよその競馬場で乗りたい、という気持ちを持っていました。今回、いい話を頂いて、すぐに名古屋に来ることを決めました。」 一昨年は34勝を挙げていましたが、昨年は21勝。 そして今年はここまで14勝に留まっていました。「存在感を出したい」……尋ねると、こんな答えが返ってきました。「南関東で成績が上がったときもあったけれど、正直勝ち鞍も騎乗数も減ってきているのはわかっていました。名古屋に来てまず思うのは、日々の調教に精を出すことにより、実戦に乗る機会にストレートにつながる。その意味では、すでに手応えを感じています。」 ひとつでも多く乗ること。そして勝つこと。 いまは、単に「勉強の機会」「武者修行」的な意識認識よりも、こうして「騎手としてレース乗りたい」という具体的なテーマを持って短期移籍する人が、少しずつ増えているように感じます。「違う環境の中で、メンタル面は鍛えられますね。(勝てていなかったり、1番人気の馬が競走中止になったり)ほろ苦デビューにはなっていますが……とにかく結果を出したいです。」 所属の川西毅調教師にも聞きました。「『保園なら』っていうことで、すぐに引き受けを決めました。すでに馴染んで、周囲の人々からも『いてほしい』となっている。素晴らしいことだと思います。」 短期移籍での人の行き来については、こんな話も出ました。「こういうことが、もっと自然に、頻繁に起きるようになっていいと思うんですよね。(今回の保園騎手のことも)名古屋の騎手や、周囲の人たちへのいい影響もあるんじゃないですか?まだ勝っていないけれど、すぐに勝ち始めると思うし、そうなったら年の近い騎手は刺激にもなるし、危機感も持つようにななりますよね。」 やはり、人がリアルに「動く」ことにより、物事は活性化する。エネルギーが生まれて、そこから新たな何かも生まれる。競馬自体も、きっとそれによりいい意味で変わっていくことになるのでしょう。 名古屋での騎乗は、年明け1月6日まで。 まずはその間に、どれだけのことが出来るか。何が起きるか。 こちらも目が離せません。 ここで、ちょっとブレイク。 特集「今週のキッチンカー」(仮題) エビスカレーワークス キッチンカー みんな大好き!! カレー専門店です。 品揃えも豊富。メニューを見ていると、本当に目移りします しかも、結構お値打ち。 もともとは、東京にある会員制の肉割烹のお店の系列店。 カツなどの肉の仕入れは、その系列関係で安くていいものを手に入れられるんだとか。 エビスカレーワークスのリアル店舗は東京の五反田にあって、このキッチンカーは愛知エリアで営業しているフランチャイズ店なんだそうです。 キッチンカーを運営している 高木さん「2年前ぐらいに転職して、仲間と一緒にはじめました。何かやろうってなったときに、知人の縁でこのフランチャイズを始められて。東海地区で、イベント会場とか、あとは病院や会社のランチの時間に合わせて出させてもらったりしていますね。」 やはり、コロナの期間に自身の先行きを考えて、こうしたキッチンカーを始める方は、本当に多いですね。 「昨年は…本当に苦しかったですね……五反田のリアルのお店は、閉めちゃったんですよ。」 とは言え、続けて行くにはこの道も平坦ではなさそうです。 季節の野菜カレーは、軽く揚げた野菜がこのようにたっぷり! あと、おすすめはやはりカツカレーだそうです。 エビスカレーワークスのカレーの特徴は、牛すじの出汁を使ったカレールー。 そのまま頂くと、とてもとてもマイルドで優しい、いかにも「出汁が利いてる」っていう感じの味なんです。 しかし、これに……写真右奥の赤い部分にある…… 自家製特製の「食べるラー油」 これを入れると、カレーらしいパンチの効いた辛さにします。 とてもスパイシー。 ルー自体の仕込みにも、野菜など様々な食材を惜しみなく使っています。「カレーって言うのは、バカ売れするものではないんですよね。ですから、こういう場所に出させてもらえるのは有り難いです。少しでも多くの人に味を知ってもらって、その味のファンになってもらうしかありませんから。」……とは、先ほどの高木さん。 いい食材を使って丁寧に作られたカレー。 是非一度食べてみて下さい。 きっとファンになること、間違いありません。 来週の名古屋競馬場のナイター開催にも、来られるとおっしゃっていました。 いつ来られるかわかると有り難いのですが…競馬場のHPにもまだ、キッチンカーの出店予定は書いてないな(汗)。 ナイター開催だけに、キッチンカーのラインナップも、連日楽しみですね。 さて、メインレース。 全国交流で行われる重賞・東海菊花賞は、競馬場移転で2100m戦に模様替えしました。この後行われるダートグレード競走の名古屋グランプリのトライアルレースに指定されています。 名古屋の新競馬場の2100m 向正面、2コーナーの出口からスタートして、コースを1周半します。 最初のゴール板前 昨年の東海地区三冠馬・トミケンシャイリは、このレースが休養からの復帰戦。 まずはこの馬が先手。 直後2番手に、大井から遠征のコバルトウィング 地元期待のブンブンマルは、3番手の内 今年の東海地区三冠馬タニノタビトは、中団の外目(橙帽、黄色と黒の勝負服10番) 向正面で、前が楽に行っていると見るや、岡部誠騎手のタニノタビトが前へと進出。これに合わせて番手から出て行ったコバルトウィングに襲いかかっていきますが…… コバルトウィング(写真左緑帽)が、タニノタビトの攻撃を退けて抜け出す。 一番外から、船橋のトーセンブルが猛然と追い上げる。 コバルトウィングが抜け出し、2馬身半差の完勝!! 首筋をポンポンと叩いて、馬の労をねぎらう吉原寛人騎手 これで、名古屋の新競馬場では、重賞ばかり5戦4勝 レース後のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 コバルトウィングを管理する、藤田輝信調教師の話「覚醒しましたね。セン馬にして良くなりました。レースで安定して力を出せるようになりましたね。ゲート内の駐立が悪い馬なんですけれども、今日はなんとかこらえて、きちんとゲートを出てくれたのが勝因だと思います」 レース直後の時点では、次走は未定とのことでした。 ナイター照明設備のある弥富に移転し、冬が近づき日が短くなるこの時期でも、17時前後までレースが行われている名古屋競馬場。12月のデイ開催の日は、最後のレースは日が落ちた中で行われることになりそうです。 その前に……次の11月22日からの開催は、4日間オールナイター。 11月22日火曜日は、2歳馬の重賞・ゴールドウィング賞が夜の11レースに組まれています。 寒いよね…きっと。 防寒しっかりして、また出かけてきます。 来週は、その名古屋・ゴールドウィング賞の話と……あともう一カ所出かけてくる予定です。
2022年11月16日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 ホッカイドウ競馬の今シーズンの開催も、いよいよ今日と明日の残り2日間。 ……という、門別競馬場に出かけてきました。 1レースのパドックに馬が登場する14時過ぎ 伸びる影の長さが、この後残された日中の時間の短さを物語っています。 これで、15時ですもの。 冬になると、北の大地の夜は本当に早い…… 今日は、私もご挨拶回り。 行き会う方々に「今シーズンありがとう」のお礼かたがた、時間があれば話を聞いていました。 岩橋勇二騎手 39歳 今日までの成績で71勝 リーディング7位 昨年はわずか33勝でした。 今年の8月24日には、全国通算1000勝も達成!「今年はシーズンの最初から、いいチャンスをたくさん頂きました。」 今季の成績について聞くと、すぐにこんな答えが返ってきました。「やっぱり、自分たちの仕事は『馬』じゃないですか~。馬に出会うことで助けられるという面は確かですね。今年はそう言う意味で、いい馬と多く出会えた、チャンスをもらえたということだと思います。」 そういえば、数字が上がらなかった昨シーズンではありましたが、スピーディキックとの出会いはその中でとても貴重なものでした。「そうですね。昨年最後にスピーディキックで結果が出て、シーズンが終わって、今年はシーズンの最初から気持ち的には違ったんだと思います。」 今年の活躍には、手応えを感じている様子。 今年は短期移籍には出ずに、門別競馬場に残るそうです。 新たに競走の世界に入ってくる馬たちとの、新たな出会いに満ちあふれるのが門別のシーズンオフ。来年、彼がどんな馬と出会い、そして更なる活躍を見せるのか、今から楽しみです。 明日の道営記念には、フローリンで挑戦。 石川倭騎手 27歳 今年は体調が整わずに欠場することも多く、リーディングの座を明け渡すことになりました。それでもあと開催1日残して92勝で3位。今日も3勝の活躍。「体調のこともありましたし、それも含めて色々なことがありました。改めて勉強した1年でしたね。それでも、要所要所で結果を残すことが出来たシーズンでした。」 シルトプレでは北海優駿とダービーグランプリを制覇し、先週はJRAの馬の依頼を受けて、JBC2歳優駿を勝利。勝利数はトップにはなりませんでしたが、その存在感は十二分に発揮しました。 3レース サードフォースでこの日2勝目 明日の道営記念では、そのシルトプレで初めて古馬にチャレンジします。 シーズンオフは、かつても出かけた佐賀に短期移籍。 冬場も彼の活躍を見ることが出来そうです。 そして…… 今季最後に、この人の活躍を見られた! 桑村真明騎手 35歳 9レースをタロマイスターで勝って、全国通算1500勝達成! 今年は今日までで113勝をあげて、リーディング2位 門別で99勝という昨年の数字を上回り、改めてその存在感を示しました。 実は、今日のレースが始まる前に、桑村騎手の話を聞きました。 今シーズンの、所感。 「厩舎や調教師・スタッフの皆さんのおかげで、結果を残すことが出来ました。」……と語る一方で、やはり「半年間、本当に色々なことがありましたけれども……」 5レース ムーランシャタンでの勝利も含め、メインレースの前までにこの日2勝 エーデルワイス賞でのことも、勿論彼にとっては途轍もなく大きな出来事。 私たち、外から見ているファンにとっても、そのことなしに彼のこの半年を振り返ることは難しいほど、衝撃的な出来事……。「普段からお世話になっているオーナー、調教師、この馬に携わってきた多くの人たち。大きな活躍ができる馬だという、みんなの期待感。それがあっただけに……残念……」 桑村騎手は、ひとつひとつ言葉を探すように、答えを返してくれました。 言葉が見つからない、と話してからしばらくして、一言。「課題、でしょうか。これからの……」 思い起こせば、反省、だったり、悔い、だったり、恐らく様々なことが思い浮かんでくるだろう中で、最後に出た言葉。それが「課題」。 騎手として、今シーズンのこともまた全て受け止めながら、これからを生きていく。このものすごくシンプルな言葉の中に。彼のそんな強い決意を感じさせられました。 明日の道営記念は、王冠賞を勝ちシルトプレの三冠を阻止したエンリルで挑戦。 シーズンが終わればまたすぐ、次の活躍に向けての「馬づくり」が待っています。 今日のメインレースは、シーズンの掉尾を飾る二大重賞のひとつ 道営スプリント(1200m)。 好発好ダッシュから先手を取ったアザワク(写真左)が軽快に逃げるところに、直線半ばでスティールペガサスが襲いかかる。 まさに「完勝」でした。 アザワクは、これが引退レースでした。 最後も、彼女らしいレース振りで、2着の成績は立派。 3連覇した1000m戦・グランシャリオ門別スプリントに加え、昨年は1200mの道営スプリントも制覇。とにかくその快速ぶりが際立った「名馬」と呼べる活躍に、ファンも多い馬でした。 2歳時に園田への遠征で、小回りコースに彼女の有り余るスピードがフィットせず、ぶっ飛んでいってしまった「あの頃」が、本当に懐かしく思い出されます。その後の活躍。やはり「並の馬」ではありませんでした。 産駒の登場を楽しみにしましょう。 一方、こちらはスティールペガサス 今季急成長で、シーズンラストにはもはや王者の風格。 桑村真明騎手 喜びもさることながら、安堵も深かったのではないでしょうか。 見ているこちらも、「馬が無事に帰ってくること」のかけがえのなさを、今日も改めて感じました。 管理する角川秀樹調教師のインタビュー収録の模様 インタビューの後に、角川調教師と懇談する機会に恵まれました。 こちらも第一声が…「2頭、無事に帰ってきてくれて、本当に良かった…」 ……ですよね、ほんとうに。「あの(エーデルワイス賞の)あと、かなりの間、心の中を『ストレス』がずっと覆って、なくなることがありませんでした。今日はこうして、無事に結果が出て良かったです。またこれから、ですね。」 長らく、次々と名馬を送り出している角川調教師の言葉だけに、こちらの胸にもしみるものがありました。 いよいよ、明日はシーズンファイナル。 道営記念、皆さんそれぞれの場所でお楽しみ下さいね。 私は、場外発売所・Aiba石狩で、場立ち予想トークイベント。 お客様方とともに、この半年に思いをはせつつ、レースを見守ります。 ではまた。 来週は、名古屋競馬場のお話かな。
2022年11月09日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 まずは、先週木曜日の名古屋競馬場。 ヤングジョッキーズシリーズ トライアルラウンド名古屋が行われました。 世の中的なテーマはともかく…… 今年のファイナルラウンドが名古屋・中京で行われるにもかかわらず、名古屋所属の若手3人が現時点でランキング下位に低迷。【名古屋ラウンド前のポイント】 浅野皓大 2点 細川智史 21点 塚本征吾 3点 今回のラストチャンスで、誰かがファイナル行きの切符を掴んで欲しい! 率直なところ、これが願いでした。 まず第1戦 10レース 好位から一足先に抜け出したメルトが、押し切って1着 浅野皓大が、まず30ポイント獲得! でもまだ32ポイント(汗) 後方から追い上げた、JRA・古川奈穂のモズプラチナが2着 勝った浅野皓大騎手 勝負がけ、まず第Ⅰラウンドクリアでこの表情。 古川奈穂騎手にも、今回初めて行き会うことが出来ました。 人気のそれほどない馬を2着まで持って来たんですが…… 上がって来て、この表情。この一瞬の表情に凝縮されている心中の悔しさが、こちらにも突き刺さるように伝わってきました。 この人も「アスリートらしい」雰囲気を感じる人でした。 第2戦 11レース 先団を見る形でレースを進めたナオミニデレデレヤが抜け出して完勝 古川奈穂が第1戦の雪辱で、この日2着1着の活躍 その後ろ。 浅野皓大が際どい2番手争いを凌ぎきりました。 これで更に20ポイント獲得! 合計52ポイント!! 古川奈穂騎手は、その前とは一転してこの表情。 今度は、角田輝也厩舎のスタッフの皆さん共々、笑顔で上がって来ました。 浅野皓大騎手 こちらの2着で笑顔、は、いいんじゃないでしょうか。 恐らく、喜びよりも安堵の方が強かったのではないかと。 実は彼、前日からかなり気合いが入っていました。 2走ともチャンスのある馬が回ってきて、地元・名古屋の3人の中で最もファイナル出場のチャンスが大きいのが自分だということも、わかっていました。「まずは第1戦、これを取らないと」 前日から、そんなことを彼と話していました。 その第1戦を取って、本当に最後の勝負がかかった第2戦。 馬の力もさることながら、彼の「胆力」が試されたレースだったのではないでしょうか。 彼は、結果を出しました。 そのことひとつを取っても、この日のプレーは素晴らしかったと思うし 彼にとってもひとつの「手応え」につながったはず。 奇跡が起こらなかったふたり 細川智史騎手(左)と、塚本征吾騎手 塚本騎手はすでに100勝を超え、細川騎手も年度内に100勝到達が見込める状況。ヤングジョッキーズシリーズは今年で最後になるでしょう。 浅野騎手ほど騎乗馬に恵まれていなかった彼ら。地元のファイナルがかかったこの日一日を、どんな気持ちで過ごし、戦ったのだろうか……残念さは、察するにあまりあるもの。あとは、自分の中で何が出来たか。日々のレースとはまた異なるこういう特別な部隊で、感じることもきっとあるはず。 それもまた、経験、なんでしょうね。 浅野皓大騎手は、52ポイントとなり、地方競馬・西日本地区の2位で予選終了となりました。あとは、今日11月2日に行われる、笠松競馬場での結果待ち。 まさに、人事を尽くして天命を待つ、とはこのこと。 ファイナルラウンドの出場騎手は、今日全て決まります。 キッチンカーの話とかは、また次回にしましょうか。 昨日11月1日、笠松競馬場では、2歳牝馬の重賞・ラブミーチャン記念が行われました。 朝から雨……なんだか笠松に来ると、いつも天気悪い…… 気温も上がらず、肌寒い一日でした。 笠松競馬場は、開催中に検量室前で取材することが出来ません。 なので、レースまでの時間を場内で過ごしました。 ということで、とりあえず「食欲の秋」で、たこ焼き(笑) こちらも、食欲の秋……? わかりやすい「栗」のメンコ ラブミーチャン記念出走の、ハーピーモンブラン 肝心のレースは…… 大井から参戦のボヌールバローズが完勝! 赤岡修次騎手、お見事!! ボヌールバローズ 鞍を外してみると、丸みを帯びた馬体が実にグッドルッキングな馬でした。 福永敏調教師は「もの凄く期待している馬」と、破顔一笑。 5月の遅生まれなので、まだ攻め馬も馬なり中心で強くはやっていないそうです。 テンションが上がってしまったという前走の大井戦のことを思えば、今回は少し落ち着いてレースが出来ていた様子。そうしたことも、これからの成長なのでしょう。 その前に赤岡騎手が取材を受けて「小回りだとコーナーで少し不安定。広いコースの方が良さそう」と話していたのを聞いて、福永調教師は「年末(東京2歳優駿牝馬)とも思うのですが…今の赤岡騎手の話を聞くと……(苦笑)。大井の内回りで1600mですから。次走は、馬の様子を見ながら考えていきます。」とコメントしました。 明日11月3日は、いよいよJBC。 門別と盛岡でレースは盛り上がりますね。 私は……北海道・旭川にある場外発売所で、場立ち予想トークイベントに出演させて頂きます。 旭川にあるばんえい競馬の場外発売所 レラ・スポット北彩都 普段は、ホッカイドウ競馬(門別)の馬券は売っていない場所なんですが…この日はJBC2歳優駿を含めて全競走発売。先着のお客様方に、新聞の無料配布のサービスもあるようです。 私は、予想を頑張らないとね(汗)。 お昼から盛岡JBCも含めて、全部のレースを予想します。 旭川近隣の方は、是非レラ・スポット北彩都にもお越し下さい。 ご一緒に、楽しく盛り上がれたらうれしいです。 明日は、それぞれの場所で、それぞれのJBCの一日をお楽しみ下さい。
2022年11月02日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週の門別・エーデルワイス賞 競馬では、稀にあることとは言え……久しぶりに胸がつぶれる思いがしました。 それはそれとして…… マルカラピッド JRA勢どうしの比較でも、正直こんなに強いとは思いませんでした。 レースの余韻が残っている間は、小沢大仁騎手の若々しいさわやかさに、救われていました。 全ての人馬が、レースを終えてともに無事に帰ってくること。 どの公営競技でも同じなのですが…改めてそのかけがえのなさを思い知らされた夜でした。 中越琉世騎手が、門別での短期移籍の期間終了。 この10月20日を以てこの場所での騎乗は一区切りとなりました。「南関東にいるときとは違う、『濃い』修行期間を過ごすことが出来ました。南関東では、1頭の馬にレースで続けて騎乗する機会がなかなか持てないので、その意味では調教も含めて、1頭の馬への関わり方がものすごく勉強になったと思います。」「7年近く馬に乗っていて、初めて馬が『怖い』と感じましたね。」……そう衒いなく話す、彼。「やはり南関東では、それなりに整った馬に乗っていたのだなと。改めてわかりました。こちらで、難しい馬をしっかりと調教して、レースをさせるということの難しさも、本当に勉強になりました。」 川崎で、また会いましょう。 その時、どんな姿を見せてくれるのか。楽しみです。 続きましては……今日10月26日の名古屋競馬場の話。 見て下さい!この青空 どんなに探しても、雲がひとつも見当たりません。 朝晩はとっても寒いのですが… 日中は、こんな感じの晴天で日差しも強く、夏のような暑さに感じられました。 丸野勝虎騎手 48歳 一昨日24日に地方競馬通算2900勝達成 この写真は、今日3Rをマコトチガネマル(一番外)で勝った時のもの 地方競馬通算2901勝目。 今日はほかにももう1勝して、計2勝の活躍。 今日、丸野騎手に話を聞きに行ったですよね。 そしたら……「3000勝で騎手をやめる……」 えっ……???「……と、思っていたんだよね。以前は。これは本当に。」 で……ほんとにやめちゃうの?? 「どうかな……」 なんだ(笑)。びっくりして損した(笑笑) 少なくともあと100勝、丸野騎手の活躍にご期待下さい。 3000っていう区切りは、やはり大きなものですから。 その達成も待たれますね。 一方……一昨日1つ勝って、通算500勝まであと2勝としていた木之前葵騎手は、今日以降の騎乗が全てキャンセルとなりました。 残念ながら、昨日の調教中に落馬して、鎖骨を骨折したとのこと。 またしばらく、戦列を離れることになりそうです。 残念……。 昨年も、9月末に鎖骨骨折で戦歴を離れ、結局年内休養となっていました。 何とか今回は、早く復帰できますように…… 待ってます。 続きまして、今週のキッチンカー(仮題) 韓国料理が頂けるキッチンカー シーハウス26 名古屋競馬場には初登場です。 母ヒロミさんは韓国出身で、娘カンナさんはハーフ 親子でやっているお店です。「うちの韓国料理は、全て手作り。私がおばあちゃんから受け継いだ韓国の家庭料理の味を、提供しています。」……とヒロミさん。 韓国風おでん。 おでんを煮るだし汁には、ワタリガニを使っているとのこと。 だし汁を少し頂いたのですが…出しのうまみと、かにの甘みが絶妙の味を醸し出しています。 そんな出しがしみこんだ韓国風はんぺんのおでんは、韓国らしく辛いタレをつけて頂きます。100円。美味。 かつては韓国料理のお店をやっていたそうなのですが、今年の夏にこのようにキッチンカーの車を購入して営業。並行して敦賀で運営している海の家が秋になって閉まると、このように名古屋市内を中心にキッチンカーでの営業にこぎ出したんだとか。 さらにヒロミさんは、こんな風に話します。「キッチンカーでの飲食の仕事は、楽しいですね。こうして韓国料理を出せば、いろんな人たちが食べに来てくれる。キッチンカーが並ぶ現場は、このようにお祭りみたいで賑わいますものね。」「キムチは、難しいんです。私が作るのですが、娘のカンナはほかの食べ物は全部作れますが、キムチだけは作れません。私も、初めのうちは味にばらつきが出て、おばあちゃんが作ってくれた美味しいキムチの味をなかなか受け継ぐことが出来ませんでした。」 頂いてみると、ストレートな辛さの中に、漬物のうまみとシャキシャキ感がハンパない。 名古屋競馬場で味わえる、本格的で本物の韓国の家庭料理の味。 見かけたら、是非立ち寄ってみて下さい。 今日のメインレースは、2歳馬の準重賞・弥富記念(1500m)。 今年新設されて、記念すべき「第1回」 デビューから圧倒的な内容で2連勝と、今名古屋で最も注目を集めるセブンカラーズが登場し、そのレース振りが注目されました。 逃げるつもりはなかったというセブンカラーズですが、ご覧のような形で前に出て勝負する馬は現れず、そのままセブンカラーズが逃げる形に。2コーナーぐらいまでは、まだ馬が首を上げて遊ぶような感じで走っていたそうです。 エムエスドンが勝負所から2番手に上がって来ましたが、前を行くセブンカラーズには遠く及ばず。 1500mを1分35秒6で、完勝。 前回は病気による欠場で乗れなかった山田祥雄騎手が、しっかり結果を出しました。 川西毅調教師の話 「体がようやく定まって来て、今回は併せ馬でしっかりと攻めてみました。あとはメンタル面。この馬は、一戦一戦やっていくしかない馬。それだけの馬ですから。」 一戦一戦、という言葉に、重みがありました。その言葉通り、緒戦より前回、そして前回より今回と成長し、パフォーマンスを上げてきました。 次走は一応、11月22日(火)の重賞・ゴールドウイング賞。その先の進路は……未定、とのこと。 どこまでいくのか。行けるのか。 楽しみでなりません。 明日10月27日は、ヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンド名古屋が行われます。 ここまでのポイントがなんと一桁と低迷し、絶体絶命の窮地に立った地元の3人……浅野皓大・細川智史・塚本征吾による、反撃そして大逆転のシーンはあるのか!? どうか温かい目で見守って下さい(汗)。 明日も、名古屋競馬場でお目にかかりましょう。
2022年10月26日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、名古屋競馬場での話。(取材日:10月13日木曜日) 平日の朝一番から訪れる熱心なお客様方。 それぞれの場所に陣取って、馬の姿を視線で追っています。 先週の開催(10月11~14日)の間に、数多くの「区切りの勝利」が生まれました。10月11日榎屋充調教師 100勝10月12日今津博之調教師 1000勝岡部誠騎手 4600勝10月13日今井貴大騎手 1400勝10月14日宮下瞳騎手 1100勝坂口義幸調教師 1100勝(いずれも「地方競馬通算」の記録) その前の週に達成されたものも含めて、全部フォローしきれなくて申し訳ございません m(_ _)m 10月13日第4レース 今井貴大騎手 33歳 キタノフランクースで通算1400勝達成「あと600…かな」 今の気持ちをそう話した彼。 当面の目標は、通算2000勝。 こちらはその後、残念ながら僅差で2着の表情…… この日は、メインレースの重賞・ゴールド争覇で大井所属のメイショウワザシへの騎乗予定がありました。「笠松(3走前のくろゆり賞・優勝)で代打で乗せてもらった後、まさか佐賀(2走前の鳥栖大賞・2着)でも乗せてもらえるとは思いませんでした。そして今回も。難しさがある馬で、自分の中では決して完璧に乗れているとは思っていないのですが、こうして依頼してもらえるのは有り難いです。」 メインレース・ゴールド争覇でのメイショウワザシと今井貴大騎手「なので、こういう依頼があるように、リーディング上位に居続けないといけないですね。」 勝ち鞍の数字の、彼にとっての意味のひとつを、こんな風に話してくれました。 これまで、怪我で戦列を離れることが多かった彼。 昨年秋にまた骨折で乗れなくなって…それから丁度1年。いつも彼が言うのは「怪我なく無事に」。 「あと600」が、次「あと500」に……そしていずれ…… そんな歩みを、これからも追いかけていきたくなる。そんな魅力がある人です。 彼のお手馬である、昨年の東海ダービー馬・トミケンシャイリが、次の開催あたりから戻ってくるようです。今年の終盤の彼にとっての、そして私たち見る側の者にとっても、大きな楽しみになりそうです。 今井騎手1400勝のキタノフランクースは、榎屋充調教師(写真一番左)の管理馬でした。 この勝利が地方競馬通算102勝目。 勝った後も、馬の様子を入念にチェックする榎屋調教師 39歳 開業3年目での100勝達成。 今年は、昨年1年間の勝利数42を越える、48の勝利をあげています。 「100勝ですから。そりゃ行くでしょ(苦笑)。特別にこう、っていうことはないかな」 と、つれない返事(汗)。 それでもちょっと粘って話を聞いてみると…興味深い話が聞けました。「調教師になって、やりたいことはいまやれています。スタッフに給料も払えて、厩舎としてちゃんと経営できているっていう気持ちが大きいですね。あまり『数』を求めすぎると、名古屋の規模だと特に馬主の方が苦しくなってしまう。無理せず、十分競馬を楽しみながら、上を目指していきたいですね。」 どうしても私たち見る側は、単純な数字を追ってしまうのだけれど… プレイヤー側からしたら、日々の仕事であり、生業であり。 それが競馬というスポーツであるだけのこと。 その日々のこと、がきちんと「続いていける」ための心の持ちようとか、そこに根ざしたプレーとか、そういうことなのでしょう。 今年はリンクスターツで笠松の新緑賞、そしてペイシャシオンで名港盃を勝ち、重賞勝ちも2つ。「そうは言っても、重賞は、やっぱり嬉しかったですね。」 彼の活躍、やはり目が離せないところです。 こちらの方は、1000勝という大きな区切り。 今津博之調教師 52歳 開業20年目での1000勝達成 この日は、セレモニーが行われました。 「初めは預かる馬も少なく、1000も行くなんて全く思っていませんでした。頑張って7~800とか行けばいいかなというぐらいの感じ。この2~3年で勝ち鞍が伸びてきて、1000まで行くことが出来ました。」 この2~3年活躍できている要因は……? と尋ねたところ、それは秘密、と(汗)。 記念撮影 写真左後ろの方には、厩舎から駆けつけたスタッフの方々の姿。 喜びを分かち合っていました。 ここで少し休憩して、キッチンカーで腹ごしらえ(笑)。 以前もお知らせした、元力士の方々が運営しているキッチンカー 大ちゃん食堂 ちゃんこが食べられます 夏場は、珍しい冷たいちゃんこを提供していたのですが、秋に入って温かいものが恋しくなってくる季節、温かいちゃんこが用意されていました。「ちゃんこは、相撲部屋では毎日作るものですから、入れる肉を鳥と豚で変えたりという具材の工夫とか、あとは味付けを変えてみるとか、色々工夫しています。そう言う工夫を、キッチンカーの商品にどうやって生かしておいしいものを出して行くか。いま研究しているところです。」……と話すのは、元幕内・大喜鵬の山口さん(右) 話しているうちに、こちらも元力士・海猿の小川さん(左)がちゃんこを出してくれました。 そう、野菜がたくさん食べられるのが、ちゃんこのいいところです。 私も、おいしくヘルシーに頂きました。 毎開催1日は来ておられるようなので、温かいものが食べたくなったら是非。 B級グルメのご飯ものや麺ものと一緒に、っていうのもいいですよ。 傍らを見ると… ヤギのチップとポテトもおなかがすいているみたい。(草をあげているのは、競馬場の担当者の方です) ヤギにあげるエサ、スタンド内の売店でも売っています。 家族連れでお越しの方など、少しの間ヤギと戯れる時間を過ごしてもいいかもしれませんよ。 さて、この日のメインレースは、1500m戦の重賞・ゴールド争覇。 全国交流で、11月下旬に行われる笠松グランプリのトライアルとあって、強力な遠征馬5頭も参戦して、注目のレースとなりました。 最初のゴール板前 逃げたニシノステラの直後につけたのが… 吉原寛人騎手騎乗のベストマッチョ(川崎) 地元期待のコンビーノは中団の6番黄色帽黄色服 注目された高知のダノングッドは…2番枠を捌けず、内目の4~5番手 ダノングッドの多田羅誠也騎手「外に出したかったけれど、これは出せないなともう早い段階で腹をくくりました。」 直線、番手から早めに出ていったベストマッチョに対し、外からグイグイとダノングッドが迫る! とは言え…まだ余力もあったのかな…… ベストマッチョが追撃を凌ぎきって勝利。 引き上げてきたダノングッド タラちゃんの、この表情が全てを物語る。 序盤に外に出せれば違ったと思いますが… それでも、ワンチャンある乗り方はしましたよね。 順調に行けば、次は笠松グランプリではないでしょうか。 雪辱に期待したいです。 こちらは、地元期待のコンビーノ 3歳馬として初の古馬との対決、それも一線級に入っての競馬で3着と気を吐きました。 この2回、惜敗で苦い表情を見せていた塚本征吾騎手も、今日は「次につながる走りができたと思います」と、気持ちは次走予定の園田・楠賞へ。 こちらも、順調に次走に向かうことが出来れば、とても楽しみです。 吉原寛人騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 これで、弥富の新競馬場での騎乗成績は、重賞ばかり乗って4戦3勝。 ベストマッチョも、全くのテン乗り。「この馬の走りを見て、ピリッとした脚に乏しい印象を受けたので、少し早めに動かしていきました。」 過去のレースを見て、それを感じるところまでは、ああやっぱり一流のプロだなって感じます。 しかし…「少し早めに」ってコメントでさらっと出てくるんですけど…… これで差されてたら「早仕掛け」って言われてしまうところでもあります。 それを、自分の感じたままにプレーに反映させて、馬を勝たせてしまう。 今回も、着差を考えると、結果的にフカしていくタイミングはこれより早くても遅くてもアウトでした。アウトって言っても、2着なんですけどね。 レースはシンプルな「番手抜け出し」でしたが…… その中に、なんだか吉原寛人という存在の「凄み」みたいなものを、改めて目の当たりにしたような気がしました。 佐々木仁調教師(写真中央)の話「この馬は気持ちが表れていた方がいい馬なんです。この何戦かは少し大人しい感じがしていたのですが、今日は馬場にキャンターで出て行った。これならもしかしたら、と思っていました。距離はあと100mが長いと思ったけれど、騎手がうまく乗ってくれました。久しぶりの勝利(2020年7月の浦和・プラチナカップ以来)で、なかなか勝たせてあげられなくて馬に申し訳なく思っていましたが、今日は勝てて良かったです。JBCに選ばれたらJBC(スプリント)へ。そのあと笠松グランプリも視野に入れています。」 今日発表されたJBCスプリントの選定馬には、ベストマッチョの名前がありました。 これで大井・金沢、そして今年の盛岡と、3年連続のJBC出走。 健闘を期待したいです。 そして、また笠松でこの馬の姿を是非見たい! 楽しみな馬の復活劇でした。 明日は、門別のエーデルワイス賞へ行ってきます。 そして来週水曜日は、名古屋で2歳の準重賞・弥富記念が行われます。 デビューから2連勝中の、話題の「あの」馬が登場予定。こちらも楽しみです。
2022年10月19日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週お伝えした釧路と門別のあとも、引き続き北海道に滞在していました。 札幌・大通公園のテレビ塔の下から 色づく木々 それでもまぶしい光 札幌も、朝の最低気温は10度を割るようになって来ました。 日中は、日が出るとまだその日差しは暖かいんですけどね。 季節は進みます。 ホッカイドウ競馬の開催も、今週を入れて残り5週 本当に、季節の進みは速い! 残り僅かな開催日。 少しでも見聞きしたいと思い、昨日、本州に戻る前に門別競馬場にちょっと寄ってきました。(取材日:10月11日火曜日) 札幌では、昨日の雨が今日の昼前後まで残っていたのですが…… 午後に門別競馬場についた時には雨は止み、このように青空も出てきました。 先週の火曜日は、土砂降りの雨で取材どころではありませんでしたが…今日は多くの方々に行き会うことが出来ました。 小野楓馬騎手 22歳 現在60勝でリーディング8位 昨年は87勝で、目標としていた5位でシーズンを終えていました。 私が「数字的なものはともかく…」と話を切り出すと、こんな風に答えが返ってきました。 「気持ち的には大分落ち着いてレースが出来るようになって来ました。実際の騎乗でも、いい感じで乗れていると思います。もうシーズンも終わってしまうんですけれども…最後に向けて上向きで終われそうな感じがします。」 この日は2レース ティーズブライト(内の白帽)で勝利! シーズン前半に話を聞いた時に、「焦っていた」と話していたのを思い出しました。正直、昨年に比べると勝てていないな、と感じることもあるのですが… 「シーズンの終わり方で、その後次のシーズンまでの心の持ちようが違いますから」 確かにそう。わかる。 11月に最後のレースが終わってしまえば、そこで終わった雰囲気を変える機会は、もう半年後までやってこないわけですよね。とにかく「今シーズン半年、いい形で終わった」と思えることが、どれだけ重要なことか。長いシーズンオフがある競馬ならではのプレイヤーの感じ方なのでしょう。 この人に、ラストスパートはありそうな気がします。 シーズン最終版の「キーマン」になることができるでしょうか? 高野誠毅騎手 38歳 この日の6Rをサンドスピリットで勝ち、 南関東から門別に短期移籍でやってきて、この勝利で5勝目となりました。「こうして乗せてもらえて、勝たせてもらって、本当に有り難いです。」 繰り返しそう話す彼。「自分の場合は、『何かを感じて、身につける』とかいうために門別に来ているわけではなくて、数多くレースに騎乗することを求めてきているわけですから。とにかく乗せてもらって有り難いです。」 ひとには、それぞれの「現在位置」がある。 そこから、どちらに向き、何を見据えて進んでいくのか。 彼のいまのありようも、また迫力のようなものを感じさせられます。 レースを見ていても、いま、この人には「存在感」があるよね。 シーズンラストまで、彼からも目が離せません。 さて、今度の日曜日16日には、盛岡競馬場で重症の南部駒症が行われます。 例年、ホッカイドウ競馬からの遠征馬が大挙参戦するこのレース、ですが……今年参戦するのは、エイシンケプラー1頭だけとなりました。 少々古いですが…… 6月28日の栄冠賞に出走したときのエイシンケプラー 松本隆宏調教師の話「状態はいいです。気性的に少し集中力を欠く面が見られる馬なので、初めてのコースはいいのではないかと思います。右回りだと外に張るような面がありますから、左回りに変わるのもむしろプラスじゃないかと思っています。」 エイシンケプラーに騎乗予定の、山本咲希到騎手 南部駒賞を楽しみにしているようでした。「昨年(自身が乗って)南部駒賞を勝ったエイシンシュトルムよりも軽快さがありますし、しっかり走る気を出してくれさえすれば、もっとずっと上のパフォーマンスを出せる馬です。調子は本当に良さそうです。岩手の強い馬が出てくるみたいですが、破りたいですね。」 この日の5レース ニシケンボブで勝利 連戦圧勝のフジラプンツェル、出てくるんですよね?南部駒賞に。 これは楽しみな対決になりそうです。 最終レースまではいられませんでしたが…… 色んな「心持ち」に触れて、いい一日でした。 もう昨日の夜から、名古屋に移動しております。 明日13日には、名古屋競馬場で全国交流の重賞・ゴールド争覇(1500m)が行われます。来月行われる笠松グランプリにもつながる(1着馬には優先出走権)重要な一戦。こちらも楽しみです。 来週は名古屋から、そのゴールド争覇のリポート、かな。 昨日の夜に名古屋に着いたら、こちらも夜は随分肌寒くなりました。
2022年10月12日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 私も、北海道に滞在しております。 週末に釧路に行ったのですが… 釧路の観光名所・弊舞橋(ぬさまいばし) 案の定、この日も釧路の天候はくもり 釧路川の河口と太平洋の方向 名物の夕日が見える方向ですが…くもり 橋のたもとに、ナナカマドの真っ赤な実がなっているのをみつけました。 北海道で冬が迫ってきたことを告げる、風物詩のひとつ、ですよね。 先日、帯広競馬場で、ここ釧路のアイスホッケーチーム・ひがし北海道クレインズがプロモーションのためのイベントデーを開催しました。(リンクをクリックすると関連記事が出ます) それ以来、私もひがし北海道クレインズを応援。 この日は、チームのホームタウンであるここ釧路まで、観戦に来ました。 ひがし北海道クレインズの本拠地 釧路アイスアリーナ 席数およそ2500 いまはコロナ対策で半分の席しか使っていませんが… 大きいアリーナだわ。 戦前の王子製紙(いまの十条製紙)にアイスホッケー部が出来て以来とされる、もう100年近くにもなる長い歴史がある、釧路のアイスホッケー。それいらい、いくつかあるアイスホッケーが盛んに行われる街のひとつとして、多くの人々がこの競技に親しんできました。 まさに「アイスホッケーの街」釧路。 白熱の試合 アイスホッケーはプレーも、そして見ていてもとてもエキサイティングなスポーツ。スティックやパックの音、人と人とがぶつかり合う音、そしてアリーナに響く選手達の声。目の前で展開されるプレーのスピード感……。 このスポーツは、ライブ観戦すると印象がガラリ変わります。 本当に面白い。ルールも実はそんなに難しいものではないです。 あっ!ばんえい十勝だ!! ゴール裏には、このようなタイアップの広告が出ています。 ひっきりなしに選手が行き来するので、こうして映像画像には頻繁にキャッチされますね。 釧路駅のそばにあるハロンズ釧路などのばんえい競馬の場外発売所を運営する会社が、その縁とつながりでチームを応援するようになり、今シーズンはこのようにばんえい競馬とともにタイアップ。 スポーツは、それをプレーする「人と場所」があってのもの。 だから、その地域で行われているスポーツは、こうしてその地域や人々との繋がりを作ってくれます。 アイスホッケー側も、そしてばんえい競馬の側も、タイアップすることによって地域や人々に対する存在感を高めていき、それがとりもなおさず、その物事が長く続いていくことにつながる。 相手チームのホームタウン・苫小牧や道央方面からも、多くの人々が釧路まで観戦応援にきていました。また、子どもさんの姿が本当に多かったのが、印象的でした。 いまネットで馬券が売れていて、「競馬がなくなる」という不安感がすごく後退しているんですが…私たちは、いっとき時代を掴んで隆盛を誇っていた競馬や競馬場が、いとも簡単になくなってきたことも見てきて、そして知っています。今調子がいいときに、しっかりとリアルな人や土地との繋がりを作っておくことこそが、競馬に限らず物事が長く続いていくために必要なことなんだと思うんですよね。 この繋がり、かけがえのないものになっていくのではないでしょうか。 今後の発展が楽しみです。 さて…昨日は門別競馬場へ、ちょっと久しぶりに行ってきました。 1ヶ月ぶりぐらいかな。 しかし…… 前線の影響で、この日だけ雨 気温も下がって、寒い…… 騎手も少なくなってて、あんまり話も聞けなかったな… メインレースの時には、天気予報通り丁度雨が止みました。 この日のメインレースは、2歳牝馬の重賞・ブロッサムカップ(外1700m) スギノプリンセスが、内から突き抜けて圧勝! 五十嵐冬樹騎手 勝利騎手インタビューでは「最初に乗せてもらったときとは、別の馬のような感じ。一戦一戦しっかり競馬を覚えて行ってくれている。」と、成長の手応えを語っていました。 取材を受ける田中正二調教師 オーナーサイドではJBC2歳優駿への出走を希望しているとのこと。馬の状態次第では牝馬ですがそちらへの挑戦も考えられます。 某所に出している予想記事を書くために、自分で残している予想メモがあります。そのメモでスギノプリンセスを振り返ってみると……確かに、7月に4連勝の最初の未勝利勝ちをしたときに「一介の逃げ馬ではなさそう」と書いてありました。デビュー時には12頭立て10番人気と全く注目されていなかった馬が、徐々に成長して今の姿に。この門別の2歳馬戦を見ていくことの醍醐味が、スギノプリンセスという馬にはいっぱいに詰まっているように思えます。 もし良かったら、この馬のレースを通しで見てみてください。五十嵐冬樹騎手がインタビューで語ったことの意味が、きっとわかると思います。 2歳馬たちが、この場所で培ったものを表現する「集大成」の場は、もうすぐそこまで迫ってきました。エーデルワイス賞まであと2週間。JBC2歳優駿までは4週間。 そして……今シーズンの門別のファイナルまで、あと1ヶ月です。はやいよね。 次週は、もう一度門別に行ってこようかな。
2022年10月05日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週の日曜日、佐賀競馬場に行ってきました。(取材日:9月25日) こうやって写真に撮ると改めて思うのですが… この競馬場の「色」って、本当に独特。 秋のこの季節にも、日差しの色が本当に明るくて そして、緑の色が本当にまぶしくて。 暑かったです、はい……(汗) 長田進仁(ながたゆきひと)騎手 55歳 この日1レース、キクノディーンで勝って通算1900勝達成! 半年前にお話を伺ったときに…… 長く仕事を続けられる秘訣を「気持ち」と答えた彼。 連戦、ファイト溢れるプレーを見せています。 身体は衰えてくる、という話も、その半年前にしました。 でも、気持ちはその人次第で保つことも出来る。 プレー振りから、そんなことを伝えてくれる人のひとりです。 「本物」は、馬の右側ふたりめの人です(笑)「じゃあ、2000勝まで頑張るか。」 短く話して、次のレースに向かって行きました。 ちょっと無理に言わせちゃったかな。 怪我なく頑張って頂きたいです。 私、同世代なので、心から応援しています。 この日のメインレースは、3歳秋のチャンピオンシップの重賞競走 九州の3歳三冠路線の最終戦・ロータスクラウン賞(2000m) 佐賀と高知の交流競走なのですが… 両競馬場の皐月賞馬とダービー馬計4頭が揃い踏みという、夢の対決になりました。 佐賀の皐月賞馬 ザビッグレディー 続いて、九州ダービー栄城賞を勝ったイカニカン 高知の皐月賞馬は、ヴェレノ そして、高知のダービー馬・ガルボマンボ 菊花賞も制して二冠馬になりました。 本当は、ダービーグランプリがそう言うレースになるはず、なのでしょうが… 西日本から岩手はやはり遠い。 これはこれで、一つの形なのでしょう。 レースは…… 最後、高知から遠征の2頭の一騎打ち。 ゴール前まで続いた接近戦 最後にヴェレノ(写真中央赤帽)が、ガルボマンボ(その左桃帽)に微かにハナ差競り勝って勝利。高知から遠征の2頭のワンツーとなりました。 3着は、直線入り口で内を突き見せ場を作った、ザビッグレディー(写真後方) ゴール後 健闘をたたえ合う ヴェレノの畑中信吾騎手 ガルボマンボの林謙佑騎手「勝負所で引き離していかないと、と仕掛けていったら、相手も着いてきてヤバいと思いました。こちらもよく走っているけれど、今日は相手が一枚上でした。」……と、レースを振り返る林謙佑騎手「ガルボマンボのおかげで、南関東の中で唯一乗れなかった大井にも行くことが出来たし、こうして佐賀にも初めて来ることが出来た。本当に感謝です」……とも。 細川忠義調教師も「今日は相手がよく走りました。こちらも正攻法で堂々としたレース振り。納得しています」と話していました。 畑中信吾騎手のインタビューの模様は、佐賀競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 宮川真衣調教師も「高知より軽い佐賀の馬場ならこちらにも利があると思っていました。(高知優駿と黒潮菊花賞で)2度続けて負けていたので、巻き返せてとても嬉しいです。」と、喜びを話していました。 佐賀の馬たちは残念だったけれども… ザビッグレディーなんかは、ワンチャンある乗り方されていたよね。 それぞれが、それぞれの立場で勝負に行く姿はやっぱりいいし そういうプレーがあれば、レースも面白くなりますよね。 この日は、いいものを見せてもらいました。 続いて、名古屋競馬の話。 昨日、9月27日火曜日に取材に出かけました。 日傘を差しているお客様がおられるように… まだ日差しには夏の名残が。 日中はまだ暑い名古屋でした。 4レースで、注目のこの馬が登場しました。 ヒカルアヤノヒメ 2004年4月10日生まれ 牝18歳 この日のレースに出走すると、18歳5ヶ月17日での本番レース出走となり、日本における競走馬の最高齢出走記録を更新することになります。 今日も鞍上には、尾崎章生騎手 彼が乗るようになってからは5年 ずっと付き合ってきました。 この日のレースは、ヒカルアヤノヒメにとって309回目のレースでした。 真ん中がヒカルアヤノヒメ 920m戦で、彼女らしい好スタート好ダッシュが決まりました。 レース後半は力を失いましたが、最後まで競って10頭立て8着 尾崎章生騎手の話「今日はスタートが決まって、見せ場を作ることが出来て良かったです。今日の日を迎えることが出来たのは、馬を大切に走らせてくれたオーナーとか厩舎の皆さんのおかげ。感謝したいです。まだこれからも走る以上、今日は『通過点』。あくまでも現役最高齢『勝利』を目指していきたいです。」 レースに出る以上、それは競走。 馬へのいたわりをにじませつつも、これからのレースへの意欲を話していました。 馬もそれにこたえて、この日のレースはスタートダッシュにテンの速度、彼女のレーススタイルがきっちり現れていました。 レース後、取材を受ける井上哲調教師 こちらは15年前、3歳の夏にJRAから移籍してきたときからのつきあい。 インタビューで「これまでをふりかえり」と話を振られると、思わずこみ上げるものをこらえつつ、「本当に…色々なことがあった」と短く答えていました。 一頭の馬と関わって15年。 普通はないこと、ですから。 競走馬も、長く走ればこのように多くの人々と関わり、それぞれの思いがその馬のありようにこもっていく。競馬という物事が、単に動物を走らせているだけではない、ということを、ヒカルアヤノヒメは日々頑張りながら示してくれているようです。 今後は体調を見ながら、続戦の予定。 自己条件が920m戦になった開催で出走すると思われます。 このあとは、3歳馬が編入されてくるので勝ち負けするには苦しいメンバー構成になりますが、冬場の方が馬は元気。また彼女の姿を見る日を、楽しみにしたいと思います。 レースの後、三原オーナー(写真一番左)も交えて記念撮影 この日のメインレースは、3歳の重賞・秋の鞍(1500m) 全国交流で、11月に園田で行われる楠賞の指定競走となっていることから、各地からの遠征馬が顔を揃えて豪華な対戦になりました。 金沢のエムティアンジェの復活も見たかったが… 残念ながら出走取消 馬場をぐるり1周する1500m戦の、最初のゴール板前 先手を取ったヘイシリン(3番) その直後に高知のアンティキティラ(4番) 更にその直後に、バウチェイサー(9番) 重なっていますが、無傷6連勝中の園田エコロクラージュはその向こう側の好位 地元期待のコンビーノは、1500mのペースに少々苦労しながら中団を確保 黒の帽子 黄色と赤の勝負服がコンビーノ 4コーナーでアンティキティラ前を交わし、さらに好位からいい反応でエコロクラージュが接近。 勝負所から追い上げてきたコンビーノも勢いよく前にとりついてきて…… 直線入り口。 エコロクラージュが抜け出して、勝つのはこの馬!と思われたのですが…「セオリー通り仕掛けていって、抜け出したのですが…そこから馬が遊んでしまって。気性的なものですね。」と、吉村智洋騎手。キャリアが浅い面が、勝負所で出てしまったようです。 一方、内側で渋太く踏ん張っていたアンティキティラは、盛り返すような形でまた先頭に立ち… 復活のゴール! 3月に土古の旧名古屋競馬場で行われた若草賞以来の勝利となりました。 コンビーノは、ゴール寸前でエコロクラージュを交わして2着。 ただ…塚本征吾騎手は天を仰いでこの表情。またも重賞で2着………。「1500mで追走はやはり苦労しました。いい勢いで上がっていけたけれど、4コーナーで外に振られたのが厳しかったです。」 取材の最後に、「申し訳ありません…」とも一言。 本来、取材する私たちに謝る必要なんかないんでしょうけれど…… 期待していたお客さん方とか関係者に対する、彼の気持ちなんだと思います。 そしてもちろん、彼自身の悔しさも。 こちらは、勝ったアンティキティラと多田羅誠也騎手。 勝つことが出来てホッとした、っていう表情なのかな。 多田羅騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 別府真司調教師の話「ずっと厩舎にいてレースも続いていたので、高知優駿のあと北海道に放牧に出しました。復帰した前走増えていた馬体重が、今日はマイナス10kg。仕上げはバッチリでしたね。(元々気性的な課題がある馬が)放牧から帰った後は少し大人しくなっていて、扱いやすくもなっていました。11月の地元の3歳戦(高知秋月賞)まで走って、その後高知のオープンでは相手が強すぎるのでどうするか相談になりますね。」 続けて、こんな話も…「この馬は、そんなに長く走らず、繁殖に上がることになると思います。オーナーとは、(同馬主の)ダノングッドとの間の仔を走らせられればいいですね、と話しているんですよ。」 最後に、とっても夢のある話が聞けました。 来週は、ちょっと久しぶりに門別競馬場へ出かけてみます。
2022年09月28日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回も、名古屋競馬場から。 もう少し前のことになりますが…先週9月15日木曜日、重賞のベイスプリント開催日のリポートです。 最初の話題。 特集・集まれ!キッチンカー!!(仮題) 今週ご紹介するキッチンカーはこちら。 おいしいたこ焼きのお店「ひでたこ」さん 名古屋競馬場には、3回目の出店だそうです。 店主はもともと、不動産関係のお仕事を本業としている方。 知人に「キッチンカーをやりたい」という人がいて、その人のために色々調べたり人を紹介したりして世話を焼いているうちに、自分でやりたい、ってなったんですって。 それで開業したのが、今年の4月。 いまは、このキッチンカーの商売のあり方も鋭意研究しながら、たこ焼きを焼いて提供する日々を送っているそうです。 こうして取材していると、ここ1~2年で開業した、っていうキッチンカー、本当に多いです。時代の流れなのかな。 ネギトッピングつきで、550円。 「カリ・フワ・トロ」三拍子揃ったたこ焼きは、旨し。 こうして取材していると…… キッチンカーには、その取り扱う食べ物へのこだわりがあるのは勿論、こういう形で商売を始める方の「人生」そのものも、込められているように感じます。小さい規模で、手作り。そういう食べ物の良さ、なんでしょうね。 これから季節が変わって、やってくるキッチンカー(イコール食べ物)の種類も、すこし変化してくるのではないかと思います。同じキッチンカーが来ても、ちょっとメニューが変わる、とか。そういう食べ物を通じた「季節感」みたいなものも、もしかしたら現れるのかも知れませんね。 ここからは、競馬の話題。 加藤聡一騎手 26歳 通算600勝達成 9月15日 4レース リエキソウハンで勝利 500勝の達成が、昨年12月。 このときは、「土古の旧競馬場から新競馬場に移転するまでに」という、競馬人生の中でも大きな区切りがありました。移転の時には、「土古の競馬場にいるうちにしなければならないことは、やり尽くした」とも話した彼。 4月からはこの新しい競馬場に移って… 今年ここまで、92勝(昨日9月20日現在)。 名古屋だけの数字で76勝。 いずれも、昨年とほぼ変わらぬペースではないかと思われます。 名古屋でのリーディングとしては、だいたいベスト5の中にいる、ぐらいの数字。 500勝の時も、坂口義幸調教師(左から二人目)の管理馬でした こういうのも「縁」なんでしょうね。 「乗っている馬を考えたら、もう少し早く達成できたはず」と話す彼。600という数字については「通過点ですしね…」という控えめなリアクションでした。 年齢的には、全然これから、ですから。 これからは数字もさることながら、どこかで、とても重要な馬とのめぐりあい、「縁」もあるのではないでしょうか。 その時にまた、一つのハイライトが訪れるのだと思います。 彼の、おおきな活躍が見たいな…。 区切りを迎えて、見ているこちらはそんな風に感じました。 この日のメインレースは、重賞のベイスプリント(SP1) 弥富の新競馬場に舞台を移して、距離はワンターンの920mに模様替え。 文字通りの短距離線……なんですが…… 一筋縄ではいかないのが、名古屋の920mのコース。 ダッシュ一発では決まらず、やはりゴール前大混戦になりました。 最後の直線に入って、抜け出しかかったのが、エッシャー(写真左から3頭目の桃帽)でしたが、外を回した後続馬も殺到 ゴール前は、4頭がもつれ合う混戦でした。 内にもたれながらも、エッシャーが凌ぎきって優勝!! 宮下瞳騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 宮下瞳騎手が大好きだった馬で、重賞を4つも勝った活躍馬・ポルタディソーニと同じ厩務員さんが担当している馬なんですって。レースの後には、「とても嬉しい。縁があります」とも。「やっぱり、自分の活躍を子どもが喜んでくれるのが、一番のモチベーション」 改めて聞くと、昨年の11月に通算1000勝達成の前後で話題になったときと同じように、こんなふうに答えた宮下瞳騎手。気がつけば、勝利騎手インタビューにあるように1100勝まであとわずかになりました(昨日の時点であと5勝)。 彼女の活躍も…これからどんな方向に向かっていくのでしょうね。 通算1000勝を通過して、もの凄く注目される時は過ぎたのだけれども…… 彼女の「ここから」に、とても興味があります。 そう… ここから、ですもんね。 みなさんそれぞれに。 来週は、また名古屋の開催。 27日火曜日には、3歳馬による重賞・秋の鞍(SP1)が行われます。 ヒカルアヤノヒメが出てくるとすれば、この日なんですが… どんな一日になるかな。 来週のこのブログでお伝えしますね。
2022年09月21日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 9月に入ってすぐに、体調を崩してしまって… この1週間、取材に出かけようと思っていた場所に、行くことが出来ませんでした。 そして、そういうときに限って… 見ておきたかった「シーン」が生まれて、それに立ち会えていない自分がいます(泣)。 ほんと……もってない…… 先週日曜日11日 佐賀競馬場で行われた重賞の鳥栖大賞。 名古屋から遠征したウインユニファイド(沖田明子厩舎)が、見事優勝。 新設されたこの鳥栖大賞の第1回覇者となりました。(この写真は、佐賀県競馬組合提供) レース前半の位置は悪くなりましたが、勝負所から動き出すとあとはもうこの馬の独壇場。後続を突き放す圧勝劇でした。 沖田明子調教師の話 (今日9月14日に伺いました)「(6月の)トリトン争覇を勝った後、厩舎で一息入れていましたが、7月に入ってこの鳥栖大賞を使いたいという話になり、8月から始動しました。暑さに弱い馬ですが、丁度調教を行う明け方の気温が下がってきたタイミングで、うまく調整が出来ました。調教も動いていましたし、輸送してマイナス6kgと馬体的にもいい状態でレースに出せたと思います」 6月23日 トリトン争覇を勝った際のウインユニファイド 「(JRA在籍時代の)去年は、佐賀記念でいいレースをしていたぐらいですから、力のあるのはわかっていても、やはり(1年休養する原因となった)裂蹄がありましたから。もの凄く気を遣ってここまで調整してレースに使ってきましたが、その裂蹄もあとちょっとで全部(裂蹄した部分が)抜けるところまで来ます。10歳という年齢との兼ね合いで、今後どこまでやれるか、でしょうか。」 次走は、今後相談して、とのこと。 動向が注目されます。 鳥栖大賞には、今井貴大騎手も大井所属のメイショウワザシの騎乗依頼を受けて参戦。果敢な先行策で2着と健闘しました。 「少しかかって、外にもたれ気味の走りではありましたが、馬は最後まで本当によく頑張ってくれました。佐賀は遠かったけど、いい遠征になりました。」 馬が前走で笠松のくろゆり賞に遠征してきて優勝。その際に乗った縁で、今回も今井騎手に騎乗依頼があったとのこと。こういう「縁」というのも、競馬という物事の興味深いところです。 せっかく佐賀取材のための飛行機も宿も予約してあったのに… こんな素晴らしい佐賀での「名古屋ワンツー」見逃してしまいましたよ…。 ほんと、わたしはもってない(汗) 人馬の活躍、本当に見事でした。 一昨日9月12日月曜日が、今週の名古屋の開催の初日。 現役最高齢競走馬のヒカルアヤノヒメ(牝18歳)が、出走しました。 (この写真は愛知県競馬組合提供) 騎乗した尾崎章生騎手の話「いつも通り元気でした。ただ今回は出遅れてしまって……ついて回ってくるだけになってしまいましたね。最近では、暑さがこたえる夏場よりも冬場の方が調子がよさそうなのですが……11月になると3歳馬が古馬混合に編入されてくるので、相手関係が格段に厳しくなります。何とか10月までの間に活躍をお見せ出来ればと思っています。」 今季も、大きく調子を崩して休んだりすることなく、秋まで元気に走ってきたヒカルアヤノヒメ。いよいよ、競走馬としての最高齢出走記録の達成が近づいてきました。 これまでの最高齢出走記録は、クラベストダンサー(2000年生まれ)が最後にレースに出た、18歳の年の9月25日。誕生日も加味した満年齢の数え方で言うと、18歳5ヶ月11日です。 ヒカルアヤノヒメが、9月27日から始まる次の名古屋競馬の開催でレースに出れば、この従来の記録は更新されることになります。発表された競馬番組を見ると、出走があるとすれば9月27日火曜日。満年齢の数え方でも18歳5ヶ月17日。 その気になる次走について、井上哲調教師は 「次開催の番組は(得意の)920m戦になるようなので、登録はします。今開催レースに出ているので、次開催出走するかどうかは馬の状態を見て判断したいと思います。」とのこと。 馬の予定はね…馬中心、ですから。 名古屋競馬の出馬確定は3日前なので、その日の発表にご注目ください。 さて、ここからようやく、今日9月14日の話。 私、今日札幌を出て名古屋まで来たんですけど… 新千歳空港の9時の気温が18度。 名古屋競馬場のある弥富市の最高気温が、34度…… 暑い。 でも、海が近いこの場所は風が吹き抜けるので、気温の数字ほど「暑くてかなわない」という感じでもないんですよね。 今日も、レースの時にはこのようにお客様方がスタンドの外に出て、レースを楽しんでおられました。 今日の個人協賛競走(仮題)「ぶたたさん誕生日おめでとう記念」 「ぶたた」さんを、私知らなかったのですが… なんだか、知る人ぞ知る、ファンの多いLINEスタンプがあるんですってね。 協賛されてこの日お集まりのみなさまは、この「ぶたた」さんをこよなく愛する皆さん方。「ぶたた」さんが縁でリアルでもつながった皆さん方が、レースを協賛されたそうです。 こういうきっかけで競馬場を使って頂けるのは、いいですよね。 「ぶたた」さんは競馬と全く関係ないんですが…皆さんで盛り上がるためのきっかけとかそのための場所として、競馬場が役立つなら、それは素晴らしい! 私も…小さいぬいぐるみ、頂いてしまいました(汗) これでわたしも「ぶたた」さん推しに。 名古屋競馬の個人協賛競走は、こういうお楽しみにも使えます。 思い立った方は是非お気軽に、名古屋競馬広報にお問い合わせを。 さて、レースの方は… 今日は、2歳のJRA認定競走・セレクトゴールド第2戦が行われました。 このセレクトゴールド、レースによって微妙に条件が異なっていて、この第2戦は名古屋デビュー馬限定戦でした。 (この写真は、愛知県競馬組合提供) 勝ったのは、5番人気のフラワーニシキ(牝・アルデバラン2産駒) 切れる感じではありませんでしたが、中団からじわじわと脚を伸ばして、最後抜け出しました。 騎乗した浅野皓大騎手の話「歩様が悪くなるので、まだ攻めもびっしりとやれなくて……まだ身体の方がついてきていない、というのが現状ですね。能力は間違いなくある馬なので、身体がしっかりとしてくるかどうかだと思います。」 名古屋の2歳馬戦線は、先日準重賞の若駒盃を勝ったセブンカラーズが、いまのところ圧倒的な存在。これを追いかける馬たちが、どのように現れ、どのように成長して追いかけていくかが注目ポイントです。 このあと、10月26日には準重賞の弥富記念、そして11月22日には名古屋の2歳馬戦唯一の重賞であるゴールドウイング賞が行われます。 今日最後の話題は、こちら。 メインレースのJRA交流を見事勝利! JRA所属の松本大輝(まつもとひろき)騎手 19歳 繰り返しになりますが……いま、私のような立場の者はJRAには取材に行けなくて。彼にも、今日初めてお目にかかりました。 驚いたのは…彼、私と同じぐらい上背がありました。 私、身長178センチぐらいです。 「それが、減量とかで困ったことなくて…たぶん、ほかの人が自分と同じ食生活送ったら、この仕事は出来ないと思います。」 上背があるのに、ご覧のように馬の上での姿は、馬とピタッと一体化する感じ。 勝ち鞍自体はまだまだこれから、というところのようですが…… 腕を磨いて、大きな活躍の姿を見せてほしいものです。 ヤングジョッキーズシリーズのトライアルポイントは、現在JRA西日本の3位で、トライアル出場予定は全て終了しています。相手待ち(JRA西日本で4位まで)にはなりますが、もしかしたら12月のファイナルラウンド名古屋で、また姿を見ることが出来るかも知れません。 明日9月15日には、920m戦に生まれ変わった重賞・ベイスプリント(東海・北陸交流)が行われます。 来週は、また名古屋からそのレースのリポートなどをお送りしますね。
2022年09月14日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 随分前のことになりますが… 先週水曜日に、名古屋競馬場のナイターレースに出かけたときの話です。(取材日:8月31日水曜日) いやー この日、いい天気でした!!この青空と、白い雲。 本州では夏休みの最後に、家族連れの姿も多く見られました。 この日から3日間連続のナイター開催だったんですけれども…… 丁度良い陽気になったみたい。 この日は、夕方の時間帯にJRA交流があって… いま話題のこの人にお目にかかって、話を聞けました。 JRA所属 今村聖奈騎手 18歳 もう、JRAで取材されている方々によって、色んな角度で語り尽くされていますが…… 私はいまJRAで取材出来ないから、話を聞かせてもらうのは初めてでした。 お客様方の中にも、やはりJRA交流の日にはJRAの騎手の姿を目当てに地方競馬の競馬場に来場される方もいるみたいで…まあ、ある意味貴重な機会ですよね。 「地方競馬は、結構見ていますよ。どんなレースしているレース場なのかな、とか、あとは、自分が乗っていた馬が移籍することもあるじゃないですか。移籍した馬がどんなレースしているのか。砂を被ったらダメだった馬が砂被ってやっぱりダメかとか、逆にそんなレースをするようになったのかとか。」「レース場によっても、違いは相当ありますよね。砂質とか。佐賀とか浦和とか、あんな色の砂で……粒の感じも全然違う。佐賀は砂が当たると痛いです(汗)。」 早くから競馬場に来てレースを見て 合間にはコースに入って砂の様子を念入りに確かめていました。 「子どもの頃から、テレビで競馬をよく見ていましたね。以前は騎手の姿勢をよく見ていました。姿だけで、誰が乗っているか当てられるぐらいでしたよ(笑)。そのぐらい姿勢というのは違うものなんだなと。いまデビューしてからも、人のしていることを見て、うまくなるために、出来るようになるために、人のマネを色々やってみますね。いまは『とにかくやってみる』ことだと思っています。」 同じレースに乗りに来ていた永島まなみ騎手(左)とともに、レースをじっくり見学。 ここまで聞いて…… 新人らしい話だな、と感じていました。 でも、その先にこのように続くとは思いませんでした。「初めは、そのマネしてみるっていうことが、難しくて、怖いんです。例えばゲートの中の御法とか、それで却って失敗したらどうしようって思って……なかなかやってみることが出来ないんです。」 この彼女の感覚に触れ、久しぶりにしびれました。 これが、成長していくアスリートの感覚なんだな……と。「でも私の場合は、3月にデビューして、ちょっと勝って、調子に乗っていたら4月に全然勝てなくて。それで『変わらなくちゃ』って、すぐに気づくことが出来ました。いまは『とにかくやってみる』と思って取り組んでいます。」 いまもうこれだけ活躍してしまって、みんなの記憶から忘れ去られていますが…調べて見ると確かに、3月にデビューして4つ勝った後、4月の勝ち鞍はなんとゼロ。全く気がついていませんでしたが、本人は思うところ感じるところがとても大きく、そして深かったのでしょう。 本人にとって、この1ヶ月は、長かったと思う。「自分でどうしたらいいか、考える。そしてとにかくやってみる。いまは減量の有利さもあるので、それも含めて積極的に力を引き出すレースが出来るよう、自分で考えることがとても大切だと思っています。調教師や馬主さんの考えがあれば、そこは新人らしく、っていうことなんですが……『任せるよ』と言ってもらえる時もあるんです。その『任せる』って言われたときにどう乗れるか、じゃないですか。だから常に考えていることが大切なんです。」 ほんとうに…考えていることが、止めどもなく出てくる。 本人は「馬の話だったら楽しくて、いくらでも話せるんです(笑)」と事もなげでしたが…… 正直、驚きました。18歳新人、っていうのを超越する「迫力」みたいなものを、話の中から感じました。 ああ、この人は競馬のトップアスリートに、心からなろうとしているんだなと。 そして、そうなろうとしている自分を、自分で感じているんだなと。 話をしていて、そんな気がしました。 この日のレースは、出遅れもあって敗退。 ゴーグル越しでもわかるこの悔しそうな表情にも、彼女の「感性」のようなものが表れていると感じました。「厩舎にずっといたので、やはり馬の気持ちを考えます。今日は誰が乗っているのかなって、馬はわかると思います。それによって、馬の走りも変わってくるでしょう。人間だって、自分の子どもとか、誰かとか背負って、上で変に動かれたら大変じゃないですか。それと同じです。」 と、ここまで真顔で話しておいて「この例え、自分ですごくわかりやすいと思うんですけど……どうです?(笑)」 話の最後は笑顔。 また1年後ぐらいでもいいから…… 会って、少しだけ長く話を聞かせてもらいたい人でした。(話は、全てレースの前に聞かせてもらいました) もう一人。 この方の話も聞けました。 川須栄彦騎手 31歳 JRAの競馬場に取材に出かけていたときには、よく姿を目にしていましたが… なんだか少し雰囲気変わったかな…… まあ、もう誰に会っても3年ぶりですから(汗)「地方競馬に交流戦で乗りに来ることも、そんなに多いわけではないですね」 近況について聞いてみました。「勝っている数、っていうのもともかく、いまの自分にはとにかくシャマルです。重賞を2つ(春の大井・東京スプリントと、先日の佐賀・サマーチャンピオン)も勝たせてもらいました。シャマルのような馬がいるから、やはり自分自身の仕事流れがシャマル中心になりますし、モチベーションにもなっています。」 この日のレースは、惜しくも僅差の2着。 レースの後はこちらも残念そうな表情でした。 話に出た、シャマルについて。「次走は、浦和のオーバルスプリント(9月21日水曜日)と聞いています。まだ賞金的に、重賞にコンスタントに出るのは難しいので。そこで結果を出せば、JBCも見えてくると思います。」 勇躍、盛岡JBCに参戦となるか。 神馬ともに目が離せません。 この日のJRA交流 木之前葵騎手もJRAの馬の依頼を受けて、結果は惜しくも3着 ほかにもJRAの永島まなみ騎手、名古屋の宮下瞳騎手と、全部で4人の女性騎手が出場していました。 実は、笠松の深澤杏花騎手もこの日名古屋で他のレースには乗っていたので、彼女もこの交流戦に参加していたら、女性騎手が5人出場になっていました。 そう言う時代なのかも、ですね。 別にもう、そのこと自体は、特別なことでもないのかも知れません。 この日は、日暮れ時の西の空に、少しだけ色が出ました。 次回の名古屋競馬場のナイターレースの開催は、11月22日火曜日から25日の4日間。開催4日間オールナイターです。 さてと…来週は、何の話にしようかな…… どこにも出かけられないので、「こたつネタ」を探しておきます(汗)。
2022年09月07日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は、先週木曜日・25日に笠松競馬場で行われた、東海地区三冠路線の最終戦・岐阜金賞(SP1)の話題から。 この日、午後から大雨の予報が出ていた岐阜県南部。 ご覧のようにどんよりとした空模様でしたが、「メインレースまでは」雨も降らずに順調にレースが行われました。 笠松競馬場は、他場のように、検量室前に詰めて騎手や調教師、その他の関係者の方に対する取材が出来ません。正直、取材の取れ高がないので、お伝え出来る画像も殆どないのですが… まあ、一日競馬場にいれば、おなかもすくので。 お昼になったら、皆さん思い思いに好みの食べ物を求めて、お店に集まっていました。 メインレースの岐阜金賞。向正面からコースを1周半する、1900m。 名古屋で行われた5月の駿蹄賞、6月の東海ダービーと、二冠を制したタニノタビトが、満を持して登場しました。 スタート後、半周回ってきての最初のゴール板前。 逃げたナンジャモンジャの外に、最後の一冠に賭ける2頭 塚本征吾騎手のコンビーノ(桃帽) 渡邊竜也騎手のイイネイイネイイネ(橙帽) しかし…… 勝負所を前に、好位にいた岡部誠騎手のタニノタビトが、この写真のように更にその外に並んできました。内ラチからは4馬幅も5馬幅も外。このプレーには、見ている私たちも驚かされました。 このプレーが、ライバル達の動きをそれぞれに支配する形に。 3コーナー前後の勝負所から、コンビーノがスパート。 タニノタビトは遅れることなくついて行き、直線では一騎打ち 再びあと一歩の所で重賞制覇を逃した塚本征吾騎手は、残念そうにこう振り返りました。 「岡部さんが見えて来たので、出て行きました。でもちょっと早かったのかな…岡部さんにやられました。」 一方の岡部誠騎手は 「馬場状態も難しいので、どの馬をマークする、ということは考えずに臨みました。直線に入るところでは、これなら勝てると思いました。」 馬はパドックなどでの見た目通り、気性の激しさをあらわにしていて、馬の周囲の皆さん方は心配したようですが……レース自体は岡部騎手の全く「思い通り」に運んでいたようです。 タニノタビト 三冠達成! 東海ダービーの後放牧に出され、一度はジャパンダートダービーを目指して放牧先から帰厩しながら、臨戦態勢が整わず再度放牧に出されて調整されたタニノタビト。「この岐阜金賞は是非取って三冠馬に」という馬の周りの人々の思いが、まさに結実した勝利でした。 勝った当日の時点では、陣営では「ダービーグランプリを目指す」と話していました。 破顔一笑 誰もが慣れない名古屋の新競馬場で、皆が通らぬ内のコースに勝機を見いだして抜け出した駿蹄賞、 前々に運ぶ正攻法の競馬で、ライバルを退けた東海ダービー。 そして…レースそのものを巧みなレース運びで支配して勝った、この日の岐阜金賞。 馬の自身の力。それを引き出し整える厩舎のスタッフの皆さんや、オーナーサイドの方々。 そして……レースの中では「王者」の底力。 あらゆる物事が全て揃っての三冠。 競馬とは何か、どう言う競技なのか、ということを、レースで表現して見せた結果なのだろうと。この日のタニノタビトの勝利を目にして感じました。 最終レースの後、取材に応じる渡邊竜也騎手。 イイネイイネイイネは3着……。「馬の状態が良すぎて、ペースも遅かったので少し行きたがってしまいました。それより何より…岡部さんがあの外に並んでくるとは……」 これまでも、負けた時でもしっかし取材に応じて馬の様子や胸の内を言葉にしてきた彼。 三冠レースの最後に、彼自身の心持ちを聞いてみました。「最後も勝てなかったけれど、馬は三冠を通じてどんどん成長していきました。自分も勝つために様々なことを考えて、取り組んできました。この馬との経験でともに成長できたと思います。」 一つひとつのレースの勝ち負けはあっても、レースに関わる人々は、これからもまた競馬に取り組み続けて、そしてまた次の挑戦へと向かっていきます。 勝った岡部誠騎手は、翌日札幌へ。 8月27~28日に札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーズに、地方競馬代表として出場しました。 JRAは、いま私のようなフリーランスの者では取材に入れないので…… 現場で撮った写真だけ。 オープニングセレモニーにて 第1戦 中央の桃色と黒の勝負服が岡部誠騎手のスマートルシーダ 後方から、外を回っていい勢いで上がって来ましたが… 更に後ろにいた武豊騎手のメイショウツツジが、それを上回る脚勢で追い込み 追い上げていく武さんの表情も、凄まじいものがありますね。 岡部騎手2着。惜しいレースでした。 岡部誠騎手 4戦して 2着・11着・4着・11着 トータル34ポイントで、14人中6位の成績でした。 応援して見ているこちらも、楽しかったな。 岡部騎手が、大きな舞台に私たちも連れて行ってくれているような感じで… これまで、外から見ていたとき以上にワクワクしながら応援できました。 岡部騎手の参加しての感想は… また名古屋で行き会えたら、聞いてみますね。 今日から、また名古屋競馬の開催。 今日8月31日水曜日から9月2日金曜日までは、ナイター開催です。 これは前回5月のナイター開催の時の模様 9月2日金曜日に行われる、重賞の秋桜賞は、7R・17時25分発走です。 この開催、ナイターでもメインレースは夜じゃないので… お間違いのないように、よろしくご参加下さい。 私は、今日これから、その名古屋競馬場に取材に出かけてきます。 晩ご飯、キッチンカーでおいしいものあるかな~~(はあと)
2022年08月31日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 名古屋競馬の開催は、概ね2週間に1回。 毎開催、最低1日は名古屋に行こうと心に決めているのですが… 行く日が、このブログの執筆日の前か後かで、結構間が開いたりしてます。 このブログでは3週間ぶりの名古屋競馬の話になりますね。 出かけたのは2週間ぶりでした。(取材日:8月18日木曜日) 先週は、日本のどこかでとんでもない土砂降りの雨が降ってる、みたいな感じでしたよね。この日の名古屋は、夜半から朝方までものすごい雨降り。しかし午前中にはその雨も止んで、レースが行われている間には、ご覧のような青い空白い雲。暑いには暑かったですが、気持ちのいい夏空の下でレースが行われました。 先週は、まだ夏休み期間?だったこともあって、ご覧のように平日でも盛況。 スタンド内の指定席は、大入り満員の札止めでした。 相変わらず、幅広い層のお客様方が訪れている、名古屋競馬場。 間近で走る馬の姿を見ることが、とても新鮮!と感じて頂ける方は、世の中にまだまだいます。競馬場って言う場所が、そういう新鮮さとか、発見とか、楽しみを提供することのかけがえのなさを、競馬場の現場にいると実感します。 さて、「今週のキッチンカー」(仮題)のコーナー 富士宮やきそば ブランドっていうか、商標を運営している団体の「公認店」っていうキッチンカーが来てました。 週末なんかは、スタジアムなどのスポーツ会場にしばしば出しているとのことなのですが……平日はそう言うイベントが少ないのも事実。なので、平日に人が集まる競馬場は有り難い場所なんだとか。 この、箱に入ってるのが「肉かす」ですかね。 富士宮やきそばの条件の一つとされていますね。 こんな感じ。少し平べったい面も、ユニークですよね。 おいしく頂きました。 同じキッチンカーで売られていた「けずりいちご」も頂いちゃいました。練乳がけ。 とにかく暑いので……こういう食の楽しみが本当に助かります。 これからも、名古屋競馬場に来られるキッチンカーの皆さん、よろしくお願いします!! 今週のプレイヤー(仮題)は、この人。 木之前葵騎手 年齢は公表されているので敢えて書く29歳 この後のレースで使う鞍の準備をしているところに、少しお邪魔しました。「前の開催は4勝出来たけど…今開催は(2日目火曜日の時点で)まだ1つしか勝ってないから…調子はそれなりに、ですね。」 私たちは、どうしても最後にまとまった数字を見てしまうんですけど…… プレイヤーの立場では、一頭一頭のレースに「うまくいったかいかなかったか」があるから。単なる「調子うんぬん」の世界ではないのかも知れません。 ただ、笑顔がいい。こういうのは、男性でも女性でも。同じ。 いい仕事できている人の「お顔」っていうのがあると思うんです。 この日8月18日 5R ブルーオーキッドで1着! この表情もすごくいい。 先週の開催が終わった時点で、区切りの通算500勝まであと6となりました。「大きな区切り、ですよね……。何か記念になって配れるような『何か』を作ろうかな、って思うんですけど……。」 10R ニシノステラで逃げ切り! SNSで、記念で作るもののデザインとか募集しているみたいです。 Tシャツ作るみたいです。 その区切りの勝利のときには、立ち会えるかな… いまの流れなら、早ければ来週の開催でもあるかも知れませんよ! メインレースは、名古屋デビューの2歳馬による準重賞・若駒盃(1500m) もうレースは圧倒的でした…… 勝負所で2番のセブンカラーズに行き脚がつき始めると、もう他の馬たちはついていけませんでした。 余力残しで、楽々とゴール 1500mを1分36秒6で、着差大差。 2着との差は、2秒1。 今日は諸般の事情で、大畑騎手が全くのテン乗りでした 上がって来た騎手の表情も良ければ 馬の表情と「目つき」も、とても良い 管理する川西毅調教師の話「まだ成長段階ですね。新馬の時よりも、身体が締まってきた感じがします。普段は大人しいけれども、スイッチが入るべき所で入る馬。無駄がない。この後は今年2~3回使うことになるかな。重賞のゴールドウィング賞(11月22日)は勝ちたいですね。」 セブンカラーズは、昨年のサマーセールで購入された馬。 セールの時に見た印象との比較について聞くと……「思った通りの成長をしています。セールで買って、(成長に伴って)一度形が崩れて、そしていままた思い通りに来ている。」 各地にとにかく足を運んで、馬を見て、馬を見極める「眼」で勝負している、川西調教師らしいこの馬に対する話でした。「現時点での手応えは(2017年に東海ダービーを勝った)ドリームズラインより上。リーダーズボードと同じぐらい。」 取材の最後に、川西調教師はかつての管理馬の名前を挙げ、こんな風に話しました。 リーダーズボードは、2014年の東海ダービーを「殆ど無敗」の11戦10勝で目指しながら、あえなくリタイアした、超素質馬。これと同じぐらいというのは、これは相当の器ということになります。 セブンカラーズ その今後の歩みから、目が離せません。 明日・25日木曜日は、笠松競馬場で岐阜金賞(SP1)が行われます。 名古屋の駿蹄賞と東海ダービーを勝って、3冠を目指すタニノタビト 2冠とも2着。最後に地元で一矢報いたい、笠松所属のイイネイイネイイネ ここに来て5連勝!ようやく戦備が整ったコンビーノ などなど……。 東海ダービー以上にメンバーが揃い、興味深い組み合わせになりました。 私も、明日は、笠松に出かけてみましょうか……。
2022年08月24日
水曜値の担当は、坂田博昭です。 今週も、門別競馬場の話。 重賞の王冠賞が行われた昨日、出かけてきました。 ニュースなどで報じられていたように、昨日は全道的に天気が悪くて…… 門別競馬場の界隈は、朝方にもの凄い量の雨が降ったあと、わりあい早く降り止んでいたみたい。それでも、日中はこのような曇天。そして強風。 それでも、夏休み期間中とあってか、このように熱心なお客様方がコース際に出て観戦して下さっていました。 今週の話題。 まずは…門別にふたり実習で来ている、騎手候補生の紹介。 先週水曜日に取材しました。 阿岸 潤一朗(あぎし じゅんいちろう)さん 佐々木国明厩舎所属 出身の北海道石狩市浜益は、札幌から北に70キロあまりの場所。日本海と険しい山地に挟まれた土地柄で、古くからニシン漁で栄えていました。「坂田さんのこと見たことありますよ。Aiba石狩で、お正月にイベントやっていましたよね。」 あ、初めまして、かと思っていたら、もう行き会っていたんですね(汗)。 Aiba石狩のスタッフに聞いたら「競馬の騎手になるんです、っていうお客さん来てたの憶えてますよ、その人かなぁ…」って話していました。もしかしたら、それが彼かも。「祖父が競馬が好きで、小学生の頃に札幌の場外発売所に連れて行ってもらったんです。その時にレースを映像で見て、騎手になりたいと思いました。」 彼の暮らしていた浜益は、札幌から必ずしも近いとは言えない場所なのですが…競馬と縁が出来る「きっかけ」というものは、やはり必ずあるもの。そして、それは必ず、リアル。 この場所で、中学まで過ごした彼。 小学生時代の姿が、地元の広報紙に載っていました。(石狩市浜益区地域おこし協力隊通信 平成26年11月1日発行号より) 野球やってたんですね。 かっこいい! その後、中学まで浜益で過ごしたあと、高校は「あの」静内農業高校へ進学。目的は勿論、騎手になるという夢を実現するためで、乗馬も高校に入ってから始めたそうです。「浜益から日高は遠いですから…やはりそこに進学するというのは自分の中では大きいことでした。でも、単に馬に乗ることだけではなく、馬産地ですから、生産の様々な事柄を学んだり、生産関係の人々との繋がりが出来たのも良かったです。」 レースの合間に、先輩騎手達の鞍を整える。 先輩騎手達が「そこまでやらんでいいから」と言いにくるぐらい、丁寧にしています。「佐々木国明先生には、調教で『タイム感覚』を磨くように言われています。坂路を上がって、どれだけのタイムで走れるか、ですね。早くなったり遅くなったり、これがなかなか難しいです。あとはかかる馬にどう載るか。馬が行きたがるからと言って引っ張ると、余計にハミを取ってしまいますから。」 馬乗りを磨いていくのも、これから少しずつ、ですね。 頑張って欲しいです。 宮内 勇樹(みやうち ゆうき)さん 川島洋人厩舎所属 彼は、馬産地・日高の浦河町出身。高校までずっと浦河。小学生の頃から乗馬を始め、高校生の時には全国大会で2位になるなどの実績も上げています。「4歳の時に、知り合いの馬主さんのつてで旭川競馬場に行ったのが、騎手になりたいと思ったきっかけです。ナイターレースの感じとか、馬の走る姿に憧れました。小学校に上がってすぐに馬に乗り始めたかったけれど、親に『1年様子を見る』と言われて、小学校2年から始めました。きっと親としては、騎手になりたいという気持ちと覚悟を確かめる、ということだったんでしょうね。」 JRAの騎手過程の試験も何度か受けたという彼。残念ながらそれは受からず、浦河高校に進学して乗馬を続け、地方競馬の騎手への道をいま進んでいます。「川島洋人先生には、レースだけでなく、調教とか、そこまでの過程があっての競馬だ、ということを言われています。(厩舎所属の)五十嵐冬樹騎手にはとても親切に面倒を見て頂いています。調教で併せ馬の時に、横で細かく乗り方などを指導して下さったりとか、ですね。」 JRAの舞台でも活躍の機会を得た五十嵐騎手から得るものは、きっととても大きなものに違いありません。 ふたりの騎手候補生。順調に行けば、2023シーズントップからデビューとなります。この場所の競馬が終わるのは、他場より早く11月初旬。他の候補生より短い期間に、どれだけのことを得られるか。日々挑戦が続いています。(ここまで、先週8月10日に取材しました) 夕方、唯一雲が切れた東の空が、茜色に染まる… 誘導を終えて帰ってくる、メジロゴゼン さて、昨日の競馬。 この方がまた1つ勝ちました! 井上俊彦騎手 57歳 9レース グラスファミーユで勝利 この勝利で、JRAでの勝ち鞍(5)を含めた全国通算の勝利数が1998になりました。 レースの後、「(2000勝)もうすぐですね!」と声をかけると……「うんうん、あと2つ。来年かな、ははは」 ……またまた笑顔で煙に巻かれてしまいました(汗)。 とはいえ、「あと2つ」は本人も明確に意識しているみたい。 この2年続けて怪我で欠場を余儀なくされながら、それでもこうしてまた活躍を続ける彼。ホッカイドウ競馬の「レジェンド」は、まさにこの人。 もう記録達成は、すぐそこまで来ています。 とにかく、怪我だけはないよう、活躍を続けて頂きたいです。 メインレースは、3歳三冠路線の最終戦・王冠賞(1800m) シルトプレの三冠なるかどうかが注目されたのですが…… 逃げたエンリルが止まらない…… 大逃げ、というより、ラップが落ちずにずーっと行ったのかな…… レースの直後の検量室、最初の1000mが60秒前後だった(正式掲示は60秒3)と聞いた他馬の騎手達からは、「こんなの無理。追いかけられない。」「仕方ない」と一様に諦めの声が出ていました。 2着に8馬身差 1800mを1分51秒4は、9年前の10月に瑞穂賞でバルーンが出したレコードタイムと同じ。 今年は、三冠レースの日程が変わって、少しレースの間隔が長くなりました。 「馬がもうヘロヘロだった」と、五十嵐騎手が涙ながらに語ったリンゾウチャネルや、昨年のラッキードリームの三冠の時は、北海優駿から王冠賞までの間が40日あまり。それが今年は、まるまる2ヶ月ありました。三冠を狙う馬たちがフォーカスされがちですが、調整に時間をかけられるのは、最後の一冠で一矢を報いたいというライバル達にとっても同じこと。 エンリルはもしかしたら、そんな「レース日程の流れ」も味方につけることが出来たのかも知れません。 ちなみに、ジャストフォファンがスティールキングの三冠を阻止したときの間隔が58日。スティールキングは北海優駿から王冠賞へ直行でしたが、ジャストフォファンは盛岡の芝の重賞を1戦挟んでから臨むむしろ強行軍。 それぞれの馬の「流れ」というものと平行して、レース日程の「流れ」というものもある。激戦を3つ続けて戦うわけですから……興味深いところですね。 次回は、名古屋競馬場の話題をお送りします。 名古屋でも、2歳の馬のレースが少しずつ進んでいるようですよ。
2022年08月17日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は、門別競馬場にいました。 何となく、夏休みらしいお客様の雰囲気になって来た門別競馬場。 ものすごい遠方からのお客様方は、時節柄少ないのかも知れませんが、道内からやってきた観戦のお客様は多いみたい。明日はブリーダーズゴールドカップということで、この競馬場が1年で2番目に賑わう季節です。 ちなみに1番は、シーズンラストの道営記念当日。 これはもう…別格。 場内では、キャッシュレス投票の入会キャンペーンが行われていました。 この日は、オリジナルの缶バッジを景品に、入会を慫慂していました。 既に入会済みの人も、キャッシュレス投票で馬券を買うと、抽選で缶バッジがもらえるらしい。 以前はやはり、デジタルリテラシー(要するにこういうものに対する慣れ)の問題で、なかなか入会してもらえなかったキャッシュレス投票会員ですが、最近では大分そういう障壁も少なくなってきたとのこと。「○○○○○○(Pで始まる某電子マネー)が始まったときに、大キャンペーンがあって、それに皆さん参加したことで大分こういうものに慣れたみたいです。キャッシュレス投票に対する感触も、そこから変わってきました。」……とは、キャッシュレス投票のシステムを担当する日本トーターの担当者の方。この日はそのシステム担当の方が、熱心に来場客に入会を勧めていました。 私は、Aiba札幌駅前が出来てホッカイドウ競馬に始めてキャッシュレス投票が導入された時に、すでに入会済み。そのカードを使ってキャッシュレス投票で馬券を買ってみると……。 発売機に、いきなり「当選」の表示が!! こんな風に、キャッシュレス投票で買った馬券の買い目を表示するレシートに、一緒に「景品引換券」がついてきます。これが当選の証。 この日は、翌日行われるブリーダーズゴールドカップの記念で、好みのゼッケン番号の缶バッジをくれました。私は某所に出している予想で本命にした3番の缶バッジをゲット! この門別競馬場でのキャッシュレス投票の入会キャンペーン 再来週の開催までやっています。 明日のブリーダーズゴールドカップ当日も行われていますので、まだホッカイドウ競馬のキャッシュレス投票に入会されていない方、興味のある方は、是非キャンペーンブースにお立ち寄り下さい。 休憩……古谷剛彦さん提供。 今日はキッチンカーが来ていて、「けずりいちご」が売られていました。 今日はレースの方でも色々あって… 五十嵐冬樹騎手が、全国通算2500勝を達成! 騎手仲間も入っての記念撮影。 よく見ると…… あ、「2500」ね。 「25」が小野楓馬騎手 「00」が岩橋勇二騎手 短期移籍で門別に来ている中越琉世騎手が、当地初勝利!「まずひとつ、ホッとしました」……というのは、実感でしょう。 やはり勝負の世界にいる人にとっては、勝利が何よりのカンフル剤。 馬の話題としては、やはりこの馬かな。 10レースを勝ったジャスパーメジャー JRA未勝利で転入して来た4歳馬。 5月に、1年ぶりの実戦となった転入初戦を勝ってから、今日で4連勝。 下級条件とは言え、6馬身・9馬身・6馬身・7馬身と大きく差を付け、いずれも楽勝でした。 まだ次はC1クラスですが、このまま順調に上がっていって、年内に重賞に挑戦するところまで行くかどうか。今季の短距離戦線の台風の目になるかも知れない馬です。 さて。 今日のメインレースは、2歳牝馬の重賞・フローラルカップ。 去年までは秋に行われていたレースですが、エーデルワイス賞を終着点とする2歳牝馬の重賞戦線の日程見直しで、少し前倒しでこの時期になりました。 1番人気のスティールグレイスが、2番人気のリコシェに競り勝って優勝! 好位の内目を追走し、勝負所で前を捉えにかかる、危なげのない競馬でした。 デビュー戦を勝ったときに、桑村騎手、エーデルワイス賞を狙える馬だと言ってたもの…… 敗れた栄冠賞の時には、調整が順調には行えなかったことが響いただけで、やはり本領発揮となればこうしたもの。本当に強い勝ち方でした。「この後は、リリーカップ(9月21日)を使って、最終的な目標であるエーデルワイス賞(10月20日)へ」と、角川秀樹調教師。 明日はいよいよ、ブリーダーズゴールドカップ。 私は、北海道の場外発売所・Aiba石狩にお邪魔して、場立ちトークイベントをやらせていただきます。 昼の11時半頃から、夜の21時前まで。 昼夜10時間のマラソン場立ち予想トーク。 体力と財力の極限まで追い込んで(爆)、頑張ります! 本場に出かけられる方は是非門別本場へ。 石狩市や札幌近郊の方は、是非Aiba石狩にもお越し下さいね!
2022年08月10日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日まで、3日連続で名古屋競馬場に来ております。 昨日も今日も、名古屋の最高気温36度 コースの白い砂がまぶしい…… まずは、一昨日8月1日月曜日の話題。 現役最高齢競走馬のヒカルアヤノヒメが、地元の蟹江警察署の一日警察馬として、防犯キャンペーンに参加しました。 この日は名古屋競馬場のレースの開催はなく、パドックで一日警察馬・ヒカルアヤノヒメのお披露目と、セレモニーが行われました。 素晴らしい晴天の中、ご覧のようにヒカルアヤノヒメの姿を一目見ようと、お客様方も集まりました。(この写真は、愛知県競馬組合から頂きました) 主戦の尾崎章生騎手と、管理する井上哲調教師(写真右)は、一日警察官としてキャンペーンに参加しました。写真左端は、蟹江警察署の今枝克之署長。「競馬場が管内に移転してきて、人が集まる場所だけに、何とか地域の防犯に協力してもらって利用できないかと思っていました。ヒカルアヤノヒメをキャンペーンに、というのは、競馬場の担当者の方から『こういう馬がいます』という提案もあり、署員が考えました。やはり、こうした防犯キャンペーンにはインパクトが大切ですから。いい防犯キャンペーンになったと思います。」(この写真は、愛知県競馬組合から頂きました) お披露目とセレモニーのあとは、競馬場内で防犯キャンペーンのノベルティグッズの配布が行われました。「高齢者(馬)同士で気をつけ合う」という意味で、いわゆる特殊詐欺被害防止のキャンペーンにヒカルアヤノヒメが一役買った形。こうしたポスターが順次、管内各所に展開されていくそうです。 こちらはパンフレット。現在ふた通りあります。 この日のキャンペーンで撮影した写真も、また別のポスターやパンフレットに使われるそうです。「自分が乗るようになった5年前、まさかこのようなことになるとは、夢にも思いませんでした。当時は『えー13歳??』っていう感じで(笑)。それがいまこういう名誉な役割を頂くとは。改めて『すごい馬に乗せてもらっているんだな』と実感しました。」……と、しみじみ語る尾崎章生騎手。「お互いに引退も近いんで(苦笑)。まずは秋に最高齢出走の新記録を達成して、そして出来れば、この馬でもう1勝したいですね。」 いま記録を持っているクラベストダンサーは、門別で18歳の年の9月25日にレースに出ました。これよりあとに実戦を走れば、新記録達成です!! 次のヒカルアヤノヒメの出走予定は、8月16日火曜日です。 まずは無事でそこまで過ごして、また私たちに元気な姿を見て背手くれればと思っています。 今週のキッチンカー! のコーナー(笑) 珍しい「ちゃんこ鍋」のキッチンカー 元お相撲さんがやっているお店「大ちゃん食堂」 横綱・白鵬がいた宮城野部屋に伝わる「ちゃんこ」の味をキッチンカーで再現するという、大胆なお店。いま、毎開催1~2日、名古屋競馬場に来てくれています。 左が経営者 元幕内力士・大喜鵬の山口雅弘さん 右がパートナー 元力士・海猿の小川海渡さん 小川さんは今年の春まで相撲を取っていました。「(3年前の2019年に)引退してから、しばらく宮城野部屋でコーチとして様々なことを手伝っていたんですけれども、何か違う形で角界に恩返しできないかと考えるようになり、始めました。相撲部屋の文化である『ちゃんこ』をもっと知ってもらいたい。そして相撲に興味を持ってもらいたいという気持ちでしたね。」 …と、小川さんは、一念発起して開業した理由を話します。「今年の5月にこのキッチンカーを始めて、いまはまさに新弟子のつもりでやっています。キッチンカーにはキッチンカーの業界の様々なこともあって、あちらこちらの現場で隣り合ったキッチンカーの経営者のみなさんにもたくさんのことを教えて頂いたりして……いまは日々勉強ですね」 冷やしちゃんこうどん(800円) いま出している「ちゃんこ」はこちら。いかにも夏らしい、そしてキッチンカーらしいひと品。おつゆの味わいがね…いかにも「ちゃんこ鍋」のそれ。そして、この独特の肉団子。柚子の皮も散らしてあってあっさりサッパリしてるのに、味もボリュームも食べ応えがあって、夏バテ気味でもすっとおなかに入りそう。うまい。 「秋になったらもちろん、温かいちゃんこをお出ししようと、いま研究中です。名古屋競馬場にもできる限り来ますので、是非ちゃんこの旨さを味わってください。」 このキッチンカーを見つけたら、是非一度お立ち寄りください。 引き続き名古屋競馬場には、日替わりでキッチンカーが来ています。 是非ユニークなグルメの数々をご堪能下さいね。 この日のメインレースは、3歳馬による準重賞・けやき杯(1700m) 何らかの理由で東海ダービーに間に合わなかったり出られなかった「断念ダービー」的な位置づけのレースなのですが、今年はなかなか粒が揃った組み合わせになりました。 その中、勝利を勝ち取ったのは…… 最後の直線 果敢に逃げたラクレット(黄帽青服)に襲いかかるのが、コンビーノ(青帽黄服) まさに「完勝」! このコンビーノ。東海ダービーは、直前のレースで鼻出血を発症してしまい出られませんでした。出ていれば上位人気で注目されていたであろう素材。この日のレースはまさに、その「たられば」を思わせる強い内容での勝利でした。 検量前で、カメラに向かって喜びをあらわにする塚本征吾騎手 竹下直人調教師(写真右端)の話「昨年2歳時に新馬は勝ったけれども、その時はまだまだという感じ。でも春にこちらの競馬場に移ってきてから、馬がぐんぐん良くなってきました。状態が整えば、岐阜金賞(8月25日)に向かいたいと思います。」 岐阜金賞は、東海地区の3歳馬にとっては、駿蹄賞・東海ダービーに続く「3冠目」の位置づけとなる重要レース。そこで最後の1冠をゲット出来るかどうか、注目したいですね。 塚本征吾騎手の話「スタートをしっかり出るようになって、位置が取れるようになったのは大きいですね。それから、この馬はめちゃくちゃ乗りやすい。どこからでも動いていける馬です。岐阜金賞に行っても、チャンスはあるのではないでしょうか。」 この日の勝利に、大きな手応えを感じているようでした。 まだこの競馬場は、なかなか色彩に乏しいのですが… ピンク色に咲くサルスベリの花を見つけました。 週末は、帯広に行ってきます。 土曜日日曜日と、ばんえい競馬実況中継「ばんスタ」でTV出演久しぶりの復帰。映像を通じて多くの皆さま方と競馬を楽しめるこの日を、いまは心待ちにしています。
2022年08月03日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は、門別競馬場に来ております。 これまでも、門別競馬場を彩る「花」の写真をお送りしてきましたが… 花が少し夏っぽく変化していました。 ご覧のようなひまわりの姿を見ると、本当に「夏だな」と感じますよね。 ここ、入場門。 こうしてまず花たちがお出迎えします。 入場門からスタンドまでの間の小道でも、花の彩りがお客様方の目を楽しませています。 地方競馬の競馬場で、こんなに花の彩りに包まれた場所を、私は他に知りません。 こうした風景も、競馬場の皆さん方の努力によって保たれています。 こまめにこうして水をやらないと、すぐに枯れてしまうみたい。 確かに手間はかかるけれども……コースを見れば砂しかなくて、どうしても殺風景になりがちな地方競馬の競馬場ですから。少しでも「見栄え」でお客様方を惹きつけようという、工夫と努力が表れているのだと思います。 門別は、パドックが本当にきれい。 馬たちが歩く足元を、こうして色とりどりの花たちが鮮やかに演出します。 水やり 花があるところには、他の生き物も集まってきます。 パドック脇ではこうした虫たちが行き来して、命の源を媒介しているのでしょう。 門別競馬場には、是非カメラを持って来て欲しい。 馬の走る姿は勿論なんですが、こうした色彩豊かな風景を、写真を撮る人それぞれの工夫で楽しむことが出来ます。 今日の門別では、ヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンドが行われました。 が……ここでの話題は、「元ヤング」(笑)のこの人。 小野楓馬騎手 22歳 昨日までの通算勝利231勝 年齢的にはまだ「ヤング」の範疇ですが、すでに一昨年の段階で100勝を超えて、「ヤング」を卒業。この機会に、そのヤング卒業後の手応えを尋ねてみました。「昨年は、良い流れで順調に活躍できました。しかし今年は……ここまでは何かうまく行っていませんでしたね。ここに来て少し持ち直してきたような気がしますが。」「スタートが悪かったり、レースの道中で行ってはいけないところ、通ってはいけないところに行ってしまったり……自分でもわかっているんだけれども、なぜかそう言うプレーをしています。先生(所属の小野望調教師)にも言われる。自分でも『そうだよね、言われるよね。これ』ってわかっているようなプレーをしてしまっていました。」 「今年は、落合さん(玄太騎手)が、シーズンの最初からバンバン勝っていたので…正直焦ってました。落合さんは1つ上の先輩ですけれども、意識しますねやっぱり。乗り方をマネする、とか、そう言うわけじゃないんですけれども、『ついて行って』間違いではないはずなので。勝って活躍している人ですから。」「来年は、減量騎手(新人)がふたりも来ます。危機感は持っていますよ。騎乗数はどうだろうとか。そんな中で、今年後半頑張って行きたいですね。」 敢えて、話してくれたことを、そのままお伝えしました。 この人のすごいところは…こうして感じていることをストレートに言葉に出して伝えてくれること。以前からそうでした。だからこそ、うまく行くときにはそれを持続させることも出来るし、うまく行かなくなれば修正も出来る。 やっぱり、もう「ヤング」のプレイヤーじゃないんだと思います、そういうところが。 いまは、「うまく行っていない」と感じていると話す彼。 その感じていることが自分自身で掴めているのなら、ここからまた上向きに流れを変えていくことも、きっと出来るのではないでしょうか。 あとは、面白い馬との巡り合わせで、面白い活躍もあるかも。 これから秋までのシーズン後半の彼が、楽しみになりました。 さて、「本物の」ヤングの戦い。 ヤングジョッキーズシリーズ トライアルラウンド門別 騎手紹介式でのフォトセッション 第1戦は、JRAの小林凌大騎手騎乗のアルバトリア(外12番)が差し切り勝ち! 第2戦は、船橋の木間塚龍騎手が駆るアルマブレイドが逃げ切り!! 左が小林凌大騎手 右が木間塚龍騎手 次のヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンドは、8月4日木曜日に佐賀競馬場で、西日本の若手騎手達が集い覇を競います。 最後にお知らせ。 明日7月28日木曜日 北海道にある場外発売所・Aiba石狩(サテライト石狩)で、場立ちトークイベントやります!! 明日は、2歳馬の重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップが行われます。 お昼の1レースから、このメイン最終レースまで、予想をしながらご来場のお客様方と楽しく盛り上がっていきます。 近隣の方、札幌近郊の方々、是非Aiba石狩にお集まり下さい。 ご一緒に競馬を楽しみましょう!! 来週は、名古屋競馬場へ出かけますね。
2022年07月27日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 3連休の最終日・7月18日(月祝) マーキュリーCの盛岡でもなく、ヤングJSの高知でもなく… いつものとおり、名古屋競馬場におりました。 朝一番で、こんな感じ。 やはり普通の平日とは違います。 現役最高齢牝馬のヒカルアヤノヒメ(牝17歳)が、この日の3Rに出走しました。 この日は祝日とあって、ヒカルアヤノヒメにカメラを向ける女性ファンの方も、多く見られました。隣で写真を撮っておられた方は、「ヒカルアヤノヒメが出るので来ました。今日初めてこの新しい競馬場に来ることが出来ました。」と。 レースは、1番枠からなんと先手!通過順には「1」の数字がついたかな。 C級19組距離400mっていうレースがあったら、勝ち負けするんじゃないだろうかと。そのぐらいの素晴らしいスタートダッシュ! ただ……尾崎章生騎手が戦前に話していたように、「どこかでうまく外に出して」とはいかず、外から被されるように交わされていき、結果は8着……。 生涯通算306戦目のレースが、無事終了しました。 ここでお知らせ。 来る8月1日月曜日の、10時30分から。 ヒカルアヤノヒメが「1日警察馬」として、競馬場で行われる蟹江警察署の防犯キャンペーンに参加します。くわしくはこちら。 よく「1日警察署長」っていうのは聞きますよね。 ただ、馬はやっぱり「警察署長」にはなれないみたい(汗)。 でも、警察警護と「馬」っていうのは、洋の東西を問わずつきものですから。ピッタリの役回りなのではないでしょうか。 防犯キャンペーンは全国の警察で行われるので、調べようがないのですが……現役競走馬がこのような役目を与えられるのは、初めてのことではないか、と聞きました。 当日はレース開催はありませんが、尾崎章生騎手がヒカルアヤノヒメに乗ってのお披露目など、開催日とはまた雰囲気の違うイベントになると思います。 どなたでもご参加頂けますので、是非当日、名古屋競馬場にお越し下さい。 私も勿論、ヒカルアヤノヒメの「1日警察馬」の姿を見に行きます。 藤原良一騎手(50歳)が、引退することになりました。 6月23日撮影 「パワフルな騎乗をするひとだな……」 私は、そんな印象を持って見ていました。 唯一の重賞勝利となった、2016年の白銀争覇(メモリージルバ)の映像を見ました。 やや後ろの位置の内側でガッチリと押さえて脚を溜め、タイミングを計りながら前へ進出したり位置を保ったりと、馬をまさに「操って」動かしていました。最後の直線で外に出して追い出すと、馬も「待ってました!」とばかりに矢のように伸びて、ゴール寸前で差し切り。人気の薄い馬で「嵌まった」と言えばそれまでなのですが、改めて意識してみると、とても興味深いレース運びでした。 藤原良一騎手の話「年齢的に、乗ってもあと5年。ならば、変な乗り方になる前に転身しようと思いました。このあとは厩務員として競馬に携わっていきます。これからも応援よろしくお願いします。」 これからは、立場を変えて活躍を目指すことになります。 騎手免許は今月末までですが、レースへの騎乗は今開催最終日の7月22日金曜日までで終了となります。競馬場では、22日の10R最終騎乗のあとに引退セレモニーが行われます。 往く人あれば、来る人もまたこれあり。 先週から、騎手候補生の競馬場での実習が始まっています。 大畑 慧悟(おおはた けいご)さん 大畑雅章騎手のお兄さんの息子さん(つまり甥)にあたるそうです。「近所のお祭りの時に馬が必ずいたりとか、身近に馬がいて、乗馬も小2で始めましたし。騎手になったきっかけですか?うーん、どこかで『よし!騎手になろう!!』って思ったわけでもないんですよね。叔父(雅章騎手)がいて格好いいなと思っていましたし、馬が好きだったから、ですかね。」 周囲の環境を自身で感じて、その自然な流れの中でいまがある。 何か特別なことに向かっていく、というのとは大分違う、なんて言うかな…「しなやかな感じ」を受けました。 もう先週から調教に乗り始めていて、所属予定の倉知学調教師は「難しい馬とか足元が良くない馬はともかく、普通に乗って良い馬なら任せられる感じですよ。もう他の厩舎の馬との併せ馬も、声がかかってやっています。」と、好感触のお話。 「このまま素直に、人の話を聞いて成長してくれれば良い。」 これから教え導く立場としては、これが心からの本音なんだと思います。 大畑雅章騎手とのツーショットの写真撮影タイムも急遽設定されました。 大畑雅章騎手は、満面の笑みで「そりゃもちろん、期待しとるよ。頑張ってもらわんと!」と、顔をほころばせていました。 騎手候補生の実習は、12月までと聞いています。 この限られた時間の中で、どれだけのことを吸収して持ち帰れるか。春にプロになるときの「スタートライン」は、みんな同じではない。そんなことを感じました。 さて、この日のメインレースは、古馬2000mの重賞・名港盃(SP2) 向正面の左手から、馬場を1周半するコースです。 宮下瞳騎手のエッシャーが逃げ 2番手に、笠松から参戦した2番人気のナムラゴロー 好位に大畑雅章騎手騎乗のペイシャシオン(外目11番桃帽) 少し間が開いて、中段馬群に1番人気のマイネルティプトン(内目2番) 外の同じ勝負服が、転入初戦の3番人気アンタンスルフレ 2週目の勝負所から、中段にいる馬たちが入れ替わり立ち替わり前へ攻め寄せようとするんですが… 前々正攻法のペイシャシオンが、攻め寄せてくる馬たちを1頭ずつ捌いて先頭に立ち、最後の直線。 外から来たアンサンスルフレ(橙帽)も脚色が鈍ってきたところに、今度は内から塚本征吾騎手のクインザヒーローが、最後の刺客として襲いかかってきました。 一瞬、塚本征吾がやったか!?……と、誰もが思いました。 ただ、やはり内を通ると伸びない。 ペイシャシオンが、重賞初制覇。 前走B級勝ちで、正直格下と思われていました。 ただ、この春からは1着続きでクラスを上げてきていた馬で、最近負けた2回は、いま6連勝中で重賞級との呼び声高いファステストシチーに負けたものでした。ファステストシチーがこのレースに出ていれば、かなり重い印がついたはず。 ペイシャシオン まさに人気の「盲点」でした。 クインザヒーローの塚本征吾騎手 上がって来て、コースの方を顧みてこの表情……「かかる馬なので、仕掛けないで行けと言われていました。勝負所で丸野さん(アンサンスルフレ)の位置に出せれば勝負になったかも知れませんが、そこには出せなくて、結局そのまま内に行くハメに…残念です。」 大畑雅章騎手は、この表情 勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 榎屋充調教師(写真左端)の話「夏の暑さは大丈夫だと思っていましたし、(他の有力馬が出てこない)この時期、2000mの距離、様々なことを考えて、格上挑戦しました。それが全てかみ合った感じです。気性的に難しいところがある馬ですが、若いときの足元の不安を克服してここまで来ました。勝てたので、少し休養させて先々を決めていきます。」 「勝ち」に不思議な勝ちあり、という言葉がありますが…… 馬券的には波乱だったとは言え、馬の周りの人々にとっては故ある勝利だったのだと思います。 検量室の前で、もうトンボを見つけました。 次週は、どこかに取材に行ければそのお話で。 ほんと……コロナ、なんとかなりませんかね……
2022年07月20日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、撮り貯めた写真のこたつネタですみません。 競馬場の食の楽しみを支える、「キッチンカー」ギャラリー。 名古屋競馬場、スタンドが小さくて食事を頂く場所も1カ所だけに限られていたのですが…毎開催日キッチンカーが来てくれるようになりました。 キッチンカーは、本当に有り難いです。 どのキッチンカーも、お客さん方が集まるようにラッピングしてあったり旗指物が並べられたりと、場内の雰囲気も華やかになります。 先日、このような「佐世保バーガー」のキッチンカーが来ていました。 東海地区で佐世保バーガー?と珍しく思い、お店の方に伺ってみると、お店が岐阜県羽島市にあって、東海地区でこのような移動販売を行っているとのこと。 私、長崎・大村に仕事でよく行っていたので、佐世保にも何度か立ち寄ったことがあるんですよね。その時に頂いた佐世保バーガーに驚いた記憶があります。佐世保バーガーは、ただのハンバーガーではなく、独特の「佐世保バーガー」なんだよな。 具材、目の前で焼いてくれます。 このパティ、国産和牛100%なんですって。 このお肉に、目玉焼き、トマトやレタスなどの野菜 とにかくドンドン積み上げていくのが、佐世保バーガー。 できあがりはこうなります。 これで、小さいサイズ800円。フルサイズは、パンの半径も一回り大きくて、積み上がりは更に高くなります(汗) このままだと、かじって食べられないですよね? でも、このハンバーガーをナイフとフォークで分解して食べてはいけません。 このパティの肉々しくみずみずしいこと…… これをですね、上下から「えいっ!」って「つぶす」んです。 がぶっとかじれるぐらいになるまで、つぶす。 そうすると、ソースや肉汁が具材にからみ、パンズにしみこみ、おいしく食べられる。 これが佐世保バーガーの「作法」です。 ご存知でした?? いつも言うんですが… いつまでも「ビールに揚げ物粉物」の時代じゃないと思うんですよね。 こういう風に、目新しいもの。おいしい、だけではなくて、「経験としての楽しみ」もある食べ物やさんが来てくれることが大切だと思うんです。なぜなら、競馬場は楽しむために行くところなので。 「競馬場に、そんなの来てるの!?」っていうキッチンカーに私は来て欲しい。 そしたら、それ自体が競馬場の楽しみを増してくれることになるから。 今いるお客さんが欲しいもの、じゃなくて、これから来るお客さんに向けて発信していくことが、大切なんじゃないでしょうか。 運営しているお店「ヒッチングポストサラサ」のHPはこちら。 もう1台。 こちらもね…揚げ物屋さんではあるんですけど。 とってもおしゃれなので行ってしまいました。 カレーも気になったのですが…… このお店の看板商品・カーリーポテトを注文しました。 キッチンカーの中で、こんな風にその場で揚げて出してくれます。 まさに出来たてほやほやの揚げたて 味もついていて、サクサクとおいしい! これまでの鉄火場みたいな公営競技場で売られていたフライドポテトとは、見た目も味も全然違う。いや、かつてのものが「いけない」っていうんじゃないんですよ。こういう「新しい」ものがどんどん入ってこないと、場所の雰囲気も出来てこないですから。 mon feliceさんのインスタグラムはこちら 名古屋競馬場では、各開催日にやってくるキッチンカーを、開催毎に予めお知らせしています。 こちらは、次の7月18日(月祝)からの開催の分の一部です。 おお、mon feliceさん、22日水曜日に来るんだ! 全部をご覧になりたい方は、名古屋競馬オフィシャルHPの開催案内ページからどうぞ! 名古屋競馬の次の開催は、7月18日(月祝)が初日、 この日には、重賞の名港盃が行われます。 次回は、そのリポート中心で。 今度はちゃんと競馬場に出かけてきますね!! あ、明日は一応、フルールカップの門別には行きます 水曜担当だと、なかなか門別の話は書けないな…。
2022年07月13日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 いま、名古屋競馬場に来ております。 今日の名古屋の予想最高気温は34度。 元々は、台風直撃で一日大雨、という予報だったのに、これが大ハズレでした(汗)。 雨の中での競馬にならなかったのはいいのですが、日なたにいると、上からの日差しだけでなく、下からは足の裏が焼ける感じで……。 しょうがない。夏だもの。 熱戦展開中! 今週の名古屋競馬は、明後日8日金曜日まで開催されます。 暑い中ではありましたが…… 先週、金沢の日本海スプリントを勝ったナムラムツゴローを管理する、坂口義幸調教師と行き会ってお話を伺いました。 坂口師がレース後に取った写メをプリントアウトしたものを見せて頂きました。 おお!細川智史騎手 重賞初制覇の記念写真 なかなかいい写真が撮れましたねぇ。 坂口義幸調教師の話「内には押し込められないようにという作戦だったのですが、うまく控えて外に出すことが出来た、作戦通りの好騎乗でした。(細川智史騎手が)やはりいまノってるだけのことはありますね。馬もいま本当に好調で、このあとは名古屋の重賞・ベイスプリント(9月15日)が大目標です。その前に1度使いたいのですが、権利が取れたので習志野きらっとスプリント(7月26日)に向かうか、それとも同じ日の金沢スプリントカップに向かうか、いま検討中です。馬の状態が良い間に、活躍させてあげたいですね。」 ナムラムツゴローの冒険は、まだまだ続きそうです。 ここでひとつ残念なお知らせ。 来週のジャパンダートダービーへの挑戦を予定していた、東海ダービー優勝馬のタニノタビト。レースを回避することになりました。 今年の東海ダービー 激戦を制したタニノタビト(内側11番) 管理する角田輝也調教師の話「一旦帰厩したのですが、名古屋の猛暑と、馬場状態があまり良くないこともあり、回避することにしました。この後は(東海地区三冠をかける)岐阜金賞(8月25日)を目標にしていきます。」 残念ですが……秋にはもっと大きな活躍を見ることがきっと出来ると、期待して復帰を待ちたいと思います。 さて、名古屋競馬場では、今開催から夏の恒例行事「名古屋モーニングフィーバー」が始まりました。 7~9月の名古屋競馬の午前中発走のレース 全て3連単の払戻率が77.7%とアップ! 一昨日の開催初日に3個レース行われ、今日は1レースと2レースの2つが対象レースでした。 ところが今日は… まず1レースで…… 11頭中9番人気のワンオブアカインド(7番細川智史騎手) 外から差し切って勝利! ノってる男は違うねー!! 単勝万馬券だもの… そりゃ、つくわな…… 勝ち馬の後ろは1番人気2番人気の順でした。 続く2レース これも11頭立て9番人気の、アップモンスター(6番加藤聡一騎手) 逃げて、直線内から交わされそうになったところを盛り返して勝利!! 2個レース連続で単勝万馬券とか、初めて見ました(汗) 勝ち馬の後ろは、1番人気3番人気 名古屋モーニングフィーバー 名前の通りフィーバーしてます!! 午前中のレースは、連日是非3連単で参加してみて下さいね。 ところで…… この1週間は、お客さん方の集まる「場所」にあちこち出かける機会がありました。 先週6月29日水曜日、帝王賞当日の北海道・Aiba石狩(サテライト石狩) 場立ち予想トークイベントをさせていただきました。 お客様方とおしゃべりしながら、競馬を楽しむ時間は、あっという間に過ぎていきます。 7月1日金曜日の神奈川県・平塚競輪場 ガールズケイリン10周年を記念した「オールガールズ」開催の最終日 入場門の、このベタな感じのネオンサイン、大好き。 競輪場も、活気が戻ってきたよね。 みんなで集まれば…… レースの傍ら、お酒飲んだり食事したりしながら、それぞれの楽しみがあります。 最終レースのあと、花火も上がったよ! 7月3日日曜日、千葉県・サテライト成田で行われた競輪選手のトークイベント。 司会で出演させて頂きました。 選手トーク目当てで来場された方も多く、盛況でした。 右手奥のトーク会場煮立っているのは、荒川ひかり選手 S級S班のトップレーサー・郡司浩平選手!!! 彼の姿を見るために、わざわざ九州から来て下さった女性のお客様もおられました。 そりゃそうだよね。 いつもビッグレースで活躍している、スーパースターだもん。 生で姿が見られるなら、見たいですよね。 私も、お目にかかれてお話まで出来て、役得でした。 競輪のレースの予想会をやらせてもらったんですが…… 予想を喋っているうちに、お客様が少しずつ集まってきて下さるんですよね。「リアルな『人』の存在が、人々を呼ぶ」 そんなことを、それぞれの経験の中で実感しました。 っていうか、そんなこと、コロナ禍の前は当たり前のことだったんですけどね。 取り戻すのも、少しずつ。 世の中、着々と動き出してています。 次回は、サイドネタかな…… とりあえず、本州しばらく暑くなりそうなんで。 これから北海道に行ってきます。 暑さには気をつけてお過ごし下さいね。
2022年07月06日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は、先週の名古屋競馬のリポート。 まずは、ちょっと以前のことになりますが、先週の火曜日21日。 現役最高齢競走馬のヒカルアヤノヒメが、自身の305戦目のレースに挑みました。 この日は、こんな感じのピンクの覆面着用でパドックに登場。 古傷の手術あけ、この日が乗り始めとなった、主戦の尾崎章生騎手が、久しぶりに騎乗しました。 11頭立て9着。 305戦目、無事完走! 尾崎章生騎手の話「無事に走ってこられて、それが何よりです。いつもより少し元気がない感じがしたけれど、レースに行けばこの馬らしく流れにしっかりついて行くことが出来ましたし、ゴールまで頑張って2頭には先着することが出来ましたから。秋まで走れば記録(現役最年長出走)にもなるので、このまま無事に行って欲しいですね。」 今回は、C級選抜の「はい上がれ!しゃちほこ賞」に編成されて1500m戦へ出走しましたが、希望は920m戦。2開催先の7月中旬、重賞の名港盃が行われる7月18日(月祝)には、その920m戦が組まれているようです。 ここで、名古屋競馬場からのお知らせ。 今年もやります! 名古屋モーニングフィーバー 7月から9月まで、名古屋競馬の「午前中発走のレース」では、3連単の払戻率が通常の72.5%から……77.7%にアップ!! おトクです。これは。 名古屋の朝レースは、すごく堅いか、すごく荒れるかどちらかのことが多いのですが、どちらの愛好家の方も、この払戻率アップの効果は実感できると思います。 馬券が当たれば、ですが(汗) 私も頑張って、チャレンジします。 日程はこのようになっております。 是非お楽しみ下さい。 さて、6月23日木曜日には、古馬の重賞・トリトン争覇(SP2)が行われました。 これまで「マイル争覇」という名前で行われていたものが、名古屋競馬場に1600mのコース設定がなくなったことにより、名称変更。 「トリトン」……回転寿司チェーン、ではないです(汗) そう思うのは、北海道の人だけか。 こちらのことでした。 競馬場のスタンド3階から見えた! 名港(めいこう)トリトンっていうんですって 協力・競馬エース こういった小ネタ(笑)も充実してます。 是非、名古屋本場で、またコンビニなどのネットプリントで連日お買い求め下さい。 橋の名前とは知らなかった…… なんかおいしそうな名前だなと。 あ、寿司じゃないのか。 ということで。 新競馬場尾距離設定に合わせ、トリトン争覇は1700m戦。 3コーナー奥の引き込み線から馬場を1周と3分の1ぐらいまわるコースで行われました。 内ラチ沿い、マイネルティプトンを振り切って抜け出す、橙色の帽子 ウインユニファイドが、ついにやりました! 重賞初制覇!! 丸野勝虎騎手のインタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 沖田明子調教師の話「ここまで本当に苦労しました。夏は休ませ、秋から冬にかけて力を入れていきます。」 元々裂蹄で長く休んでいた馬。いまはその状態は安定しているとは言え、相当気を遣ってケアをしているそうです。転入後はコンスタントに使われて力を示しながら、重賞は2着続きでした。 夏の暑さには弱い馬なので、前回の湾岸スターカップを使って休養、というプランでずっと来ていたのですが、そこでも2着。今回のトリトン争覇は、季節的にもギリギリのいわゆる「泣きの1回」でもありました。それが見事に奏功。 いい夏休みを過ごして、秋には春に敗れたライバルたちへの雪辱を果たしてもらいたいものです。 最終レース後のひとコマ YJSトライアルに向けての、写真撮影 広報担当に促され、ポーズを取る浅野皓大騎手 来週は、何の話にしようかな……
2022年06月29日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は、先週19日日曜日の、佐賀競馬場のリポート。 お昼過ぎに佐賀競馬場に着くと、馬運車が1台やってきました。 通用門のところに車は着いて、馬が一頭降りてきた。 佐賀競馬 重賞開催日恒例の、誘導馬でした。 この日の担当は、通称「メテオ」 2011年の差が記念の勝ち馬・メテオロロジストです。 メテオによる、誘導シーン。 動きも優雅で、大変上手 装鞍所の馬房で待機しているんですが… この顔、そしてこの目 ヤバくないですか?かわいくて。 待機中、本当に大人しくしてるんです。 取材の合間に癒やされ通しでした。 今日はまず、若者の話題から。 中山蓮王騎手 17歳 4月にデビューして、2ヶ月半が経ちました。「デビューの頃に比べると、少しは落ち着いて乗れるようになったと感じています。いま気をつけているのはその点。どうしても早仕掛けになって失敗してしまうことがあるので。」 デビューしてからここまでの心持ちについて聞きました。 「9勝していますけれども、馬が強かっただけのことで。例えばこのあと減量が取れたら本当にやっていけるのかどうか、不安に思うこともあります。」 いまはまだ、様々なことを学んでいくとき。 その過程では、「不安」はつきもの。わかっていないのだから。 それが感じられるということを素直に口に出来る彼の姿勢に、ハッとさせられました。 自分を見ているひとだな。ちゃんと。 わたしはそう感じました。 デビューから1週間後の4月9日。 所属する平山宏秀厩舎の看板馬・ミスカゴシマに騎乗する機会を得ました。 結果は、タガノキトピロにクビ差遅れを取り、2着。「他の馬とは、全く乗った感じが違いました。馬が柔らかいし、高級車に乗っているみたいで反動が全然ないんです。」……とひとしきり話した後で、苦笑いしながら一言。「それより何より、プレッシャーがすごかったです……」 平山宏秀調教師は「良くも悪くも、今時の若い子」と評していました。 まさにそんな感じ。 それが出る素直さが、いまの彼の良さなんだと思います。 この日は、5Rのイーテーラーで1着。 勝ち鞍が通算10勝に到達! これからだね。 怪我だけは気をつけて、頑張って行って欲しいです。 ここでちょっと一服。 以前から気になっていた、この装置が稼働していました。 馬用のシャワー レース後、ここで馬たちに水を浴びせてクールダウンしてから、厩舎に帰ります。 九州の夏は、暑いですから……。「2年前ぐらいから話が出ていて、ようやく実現しました。レース後すぐにシャワーを浴びせると、息の入りが違うんですよね。濡れても、厩舎まで歩いて5~6分の間に乾いてしまいます。」……とは、真島元徳調教師の話。 それぞれの場所なりの工夫があるようです。 さて、ここからはベテランの話。 兒島真二騎手が、この日19日をもって引退することになりました。 今年、まもなく8月で60歳。騎手生活41年。 4Rスピーディダブル 騎手服での最後のレース パドックにて 青帽、桃色と紫色の服が兒島騎手 初めからたぶん「絶対」と決めていた突っ張り先行。 レース後、まずは1回記念撮影。 引退セレモニー。 前の週からこうして、表彰式やその他式典などがお客様方の前で行われるようになりました。 戦歴紹介もされていたのですが…… 私はやっぱり、勝ったレースじゃないけど、名古屋JBCのレイナワルツだな……。あの最後の直線の興奮は、いまでも忘れません。 騎手たちによる胴上げ。 とにかくこの日一日、バックヤードのスタッフの皆さん方も含めて、全ての人たちが兒島さんとの別れを惜しんでいました。 そんなこんなで、バタバタしているうちに、あっという間にメインレースの佐賀王冠賞。 古馬の重賞。向正面から馬場を1周半する2000mのレースです。 半周走って、最初のゴール板前 1番人気のドゥラリュールがハナを主張し先頭 スタート後出して前へと行ったテイエムチェロキーが2番手 その後ろの緑帽2頭の外が、復活を期するアンバラージュ(黒服) 中段赤い帽子が、このあとドラマを巻き起こすゲットワイルド その影に隠れている緑色の服が、2番人気のパイロキネシスト 向正面の勝負所で、新人の山田義貴騎手が騎乗するゲットワイルドが動き出して先頭に迫ったときには、場内は多いに盛り上がりました。私は正直、やったんじゃないかと思ったよ……。 3コーナーでフカして行ったドゥラリュールは直線で一杯 最後は、2番手から抜け出したテイエムチェロキー(桃帽桃服)と、外からまくり追い込んできたゲットワイルド(赤帽橙服)の一騎打ち。 テイエムチェロキーがハナ差、凌いでいました。 外のゲットワイルドは2着。 内の2頭は2馬身後ろで、アンバラージュが3着 一番内のドゥラリュールは4着。 上がって来たゲットワイルドと山田義貴騎手。 この表情……どんな思いを抱いて帰ってきたんだろう…… 一方こちら。勝ち馬のテイエムチェロキー。 田中純騎手のインタビューは、佐賀競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 管理する平山宏秀調教師の話「一言で言って自在型の馬。距離の融通も利くし、どんな競馬でも出来る馬。(秋以降の)長い距離の重賞戦線もあるんですけれども、その前に霧島賞(九州産の中央・地方交流 1400m)に行っても面白いと思っています。」 元々は、JRA2勝クラスまでは勝っている馬。 年は重ねたとは言え、本来の力量は足りるはず。 もし挑戦することになれば、上げ潮ムードのいまなら面白い勝負になりそうです。 楽しみですね。 ところで…… このメインレースの佐賀王冠賞は、兒島真二騎手の現役最終騎乗でもありました。 ラヴィアンレーヴに騎乗し、10着。 ゴール後、正面のお客様方の方に戻ってきて、声援に応える。 最後の騎乗を終えての、記念撮影。 左は、兒島真二騎手の弟子に当たる出水拓人騎手。 最後、出水騎手、涙をこらえきれませんでした。 実は彼、前の週に自らのミスで騎乗停止の制裁を受け、この日はレースに乗ることが出来ませんでした。丸一日、他の騎手の検量済みの鞍を両肩に提げて行ったり来たりして、装鞍を手伝っていました。 レースに乗っていれば、もっと気が紛れていたと思います。 でも、レースには乗れず、柵の外で師匠の兒島騎手の最後の姿を見ることに。 一日、どんな気持ちで過ごしていたのだろうか。 兒島騎手の一日も慌ただしく、長いものでしたが…… 出水騎手のこの日一日は、それよりも遙かに長いものだったかも知れません。 出水拓人騎手の話「兒島さんは、もう引退するって話になっていたところに、自分のことを指導するために現役で残ってくれて……自分がデビューする前からずっと指導してもらってきました。色んなことを教えてもらったし、ずっと厳しく言ってくれたりもしていた。感謝しかありません。まだ、教えて頂いた恩を全然返せていないのが心残りなんですけど……それはこれから活躍して、少しずつ恩返ししていきたいと思っています。」 出水騎手へ。 兒島さんに聞いたら、こう言ってたよ。「変な騎乗をしてはいけないから、彼には本当に色々と言ってきました。もう伝えなければならないことは全て伝えましたよ。」 大丈夫。頑張りましょう! 来週は、名古屋のリポート。 明日行われる重賞・トリトン争覇を中心に。 昨日走ったヒカルアヤノヒメの話も、次回お伝えしますね!
2022年06月22日
全909件 (909件中 51-100件目)