鈴木 セイヤ 0
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水曜日の担当は、坂田博昭です。 もう今日の話なので、まず最初に告知。 船橋競馬の場外発売所、千葉県にあるサテライト成田(エフケイバ成田)の今日のイベント情報です。 ポスターの左下が今日のイベントです! 競馬・競輪・オートレースのガールズレーサーが一堂に会する、ガールズレーサートークショー。 競馬ははるばる高知から別府真衣ジョッキーが成田まで来てくれます!! (競輪は田中まい選手、オートレースは片野利沙選手) トークイベントは14時過ぎ頃から行われます。 今日、思い立った方は是非、サテライト成田(エフケイバ成田)へお越し下さい!! 私は、夕方から大井競馬の場立ち予想をやるんですけれども… うーん、がんばる。 さて、今日の話題は先週末の札幌競馬場。 一週間前にこのブログを書いたときから週末の晴天を祈っていたのですが…土曜日は残念ながら雨模様。それでも、せっかく競馬場で過ごせる一日ですから、場内を改めて歩き回って楽しみました。 札幌も、レースシーンがとっても気持ちいい競馬場。 気候のせいもあるのかも知れませんが、レースを楽しむのに手頃なスケール感とか、開放的な周囲の様子なんかもこの場所でレースを見ているときの心持ちに、いい影響を及ぼしているように思います。 この夏に新装オープンとなったいわゆる「内馬場」エリア。 その名も「ターフパーク」 もう色んな所で紹介されていますが、残り3週で札幌競馬場を訪れる方々のために、「番外編」も含めたターフパークの見どころを紹介します。 まずはターフパークに行く前のこちら。 内馬場に向かう地下道。地下道の入口に、看板が掲げられています。 その名も「北海道ステークス」 距離3000kmだって! 中に入ると意味がわかります。 このように、地下通路の両側の壁に北海道の風景が描かれていて、ここを通るだけで北海道の中を周遊しているかのような気分になれる、という趣向です。 羊ヶ丘のクラークさんと、札幌ドーム 写真の上にはどこの絵かという「答え」も書いてあります。 門別競馬場もあるぜ! そして、地下道を出るときに必ず注目していただきたいのがこちら。 ターフビジョンの真下 間近で見るとデカい! ターフパークの中で、私の一番のオススメスポットは、大変地味なこちら いや、なにもないでしょって… ありますよ。このお客さま方の見ている先に。 ダート1700mのスタート地点。 外側からスタート地点が見られる競馬場は多いのですが、内側から見るとひとびとがレースの前の準備をしているところも含めてつぶさに見ながら、レースを待つことが出来ます。 レースの合間には、このように発走ゲートが目の前に! 係員の皆さん方が一つひとつの枠を掃除したり点検したりと、レースの合間にも準備作業に余念がありません。 スターターが乗る通称「スタンドカー」も目の前に! レースの間ずっと見ていると、ちょっとした「大人の社会科見学」になりますよ。 次は、なぜか巷では意外と紹介されないこちら。 セイテンスタンド。雨降りの日でも名前はこの名前(笑)。 スタンドと言っても、建物自体は食べ物屋さんのブースとお手洗いがあるだけ。 私たちの居場所は平屋建てのスタンドの屋上部分。このように内馬場で少し高いところから、周囲を一望できる素晴らしい場所です。 ちなみに、本当に「晴天」の時の眺めはこんな感じ セイテンスタンドからバックストレッチ方向を望む 非開催日に撮影したものです セイテンスタンドから見たダート1700のスタートシーン 競り合いが近くて、内側から見るレースシーンはすごく新鮮です 昼休みのステージ前 子供たちが待っているのは、仮面ライダーショー もう「とーっ!」とか言わないんだね、仮面ライダー(古)。 クリークがあって、暑い日には子供たちが水遊びしています。 この日は天気が悪くて、しかも仮面ライダーショーの間だったので、無人(汗) あ、いた! 最後にレースシーンも。 コスモス賞 ナイママ STV賞 ハッピーグリン 1日のうちに地方競馬所属馬がJRAで2勝、というのは、恐らく初めてのことですよね。 ルールは勿論、経費面含め地方競馬の所属馬がJRAのレースに出ようと思えば、様々に不自由なことはあるはず。そこを克服しようという尽力は、「交流あけぼの」の時代も、地方競馬所属馬が頻繁にJRAのレースに出るようになったいまでも変わることなく、当たり前尽力ではないのでしょう。しかしそれでも、外から見ている私たちがそういうことを特別に意識しないようになったとき、もっと色んなことが変わっていくような気がしています。 レースのあと、「今回は、正直負けられないと思っていた」というハッピーグリンの田中淳司調教師の言葉に、その兆しをハッキリと感じました。 ハッピーグリンも、ナイママも、いい意味で「普通に」次のレースを楽しみにしましょう。
2018年08月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 どこにいっても、何かが語れるこの気候ですから…。 私もまずは日和の話から。 土曜日の夜に東京に戻って、日月火と3日間だけ東京で過ごしました。 涼しかったですよね、東京。土曜日に羽田からモノレールに乗って街中に出たとき、びっくりしましたもの。先週北海道にいるときには、東京も暑い暑いと聞いていたのですが、その暑さは結局体感出来ませんでした。良かった(笑)。 ところが、今度は台風でしょ? 雨風怖いし、台風が過ぎたら暑くなると思うので、昨日のうちに避難してきました。 名古屋。 中部セントレア空港名物 矢場とんのマスコット「横綱ぶた」の群れ 久しぶりに東京よりも西に出かけてみたんですが… 暑い!!!!! 名古屋競馬場 今日10時30分の開門直後。 空の色がね…もうどこの国ですかっていう。青すぎて怖い! 確かに。天気がいいことを素直に喜べない… 12時の名古屋の気温 36.5度(気象庁発表) それでもレースは元気よく開催中! 暑い中ではありますが、馬もよく耐え、馬の周りの人々もよく耐え… お客さま方もスタンドの中とはいえ、頑張って検討中! 検量室回りなんですが… あまりの暑さに、わけもなくいがみ合うふたり 村上… そして加藤… (ブログ上の演出です) ある別のジョッキーは話しかけようとしたところ、ひとこと「えらい…」(愛知の方言で「疲れる」「大変な」の意味) 今日は、細かい話は断念しました。 代わりに、競馬場で頑張るひとびとの風景。 散水車 競馬場の散水は、巷の「打ち水」とは違って涼をとるためではなく、乾きすぎて表面がレースをするのに危険な状態になるのを防ぐため。 とはいえ、こうして水を撒いているところを見れば、気持ち的にはほんの少しだけ暑さから逃れることも出来ます。 コースには出られないので、検量室前で散水したあとの地面をよく見てみました。乾いて「ぱさぱさ」の場所に比べて、「サクサク、もっちり」した手触り、踏み心地。実はコースの方は馬場状態が朝から5Rまでは降雨がないにもかかわらず「稍重」だったのですが、こうした馬場コンディションのメンテナンスによるものなのかも知れません。 こちらは、検量室裏にある洗濯場 洗濯場はどこのレース場にもある、欠かせない施設です 勝負服やタオル、その他の衣服などはレースのたびごとにここで洗濯。ここが暑いのなんのって…。洗濯だけならいいんですが、洗濯したあとには必ず「乾燥」がついてまわりますから。勿論湿気もありますしね。部屋に入るともわっとした暑さに襲われます。 洗濯場にお勤めの姉さん方、本当に大変…。 ここ、乾燥機の裏側。「触ってごらん」と言われて触ってみたんですが…このまま目玉焼きがたちまち出来るのではないかという熱さ。部屋の中でこんなものが2台もほぼずっと回りっぱなしなんですから。それは暑いわけです。 本当にお疲れさまです! レースに向かう、馬も人も 頑張る! 装鞍所の入口 馬体重の秤に乗るのも、暑さを凌ぎながら。 本当に、馬もひとびとも、健康に気をつけて頑張って欲しいです。 私はもう途中で溶けそうになったので飛行機の時間が迫っていたので、早々に失礼して競馬場を離れましたが… だいたいこういうことは、そのあとに起こるものです。丸野勝虎ジョッキー 地方通算2400勝達成! おめでとうございます!! 情報はこちらの名古屋競馬HPをご覧下さい。 前回の2300勝の時も名古屋競馬場に丁度いて、そのシーンに立ち会うことが出来ました。 今回は…残念、メインまではどうしてもいられなかったので。 次は2500勝。同じペースで順調にいけば来年の春。 その「順調にいけば」が難しい仕事だけに、まずは日々着々と活躍を積み重ねて頂き、その2500勝の瞬間もまた直接目にすることが出来るよう、私自身もその時まで頑張っていければと思います。 最後に、名古屋競馬からのお知らせが2つ。 まずは、昨日から始まったこちら。 皆さん、もう参加されましたか!? 名古屋モーニングフィーバー 8月中の午前中のレースの3連単の払戻率がめっちゃおトク レース名も毎回ついています。末尾の数字はこの企画の初めから最後まで通し番号。1日2個レースずつあると、最後は「24」まで行きます。 なお、この数字は「フォー」と英語で読んで下さい(実況の畑野アナウンサーが決めました、笑)。最後まで英語読みで行きます(これも畑野アナ談)。 端っこに映っている馬券は、私の。 勿論チャレンジしないとね!! 名古屋モーニングフィーバー4のゴール。 4頭もつれ合う大激戦! 3連単105,310円 フィーバーしました!! 私は…2番のアタマまではなくて無念……。 皆さま、8月の名古屋の午前中のレースは、是非3連単でお楽しみ下さい。 もうひとつのお知らせはこちら 8月10日(金)レース終了後 金シャチけいば夏まつり 開催! くわしくは、こちらの名古屋競馬HPの案内をご覧下さい。 夏休み、お子さん連れでも楽しめます。 私は行けませんが…木馬、ジョッキーに教わりながら乗ってみたいです。というか、乗ってるところの写メ撮りたい(笑)。 当日は、船橋と園田の馬券もナイターで売っています。 会社帰りの方も是非名古屋競馬場にお立ち寄り下さい。 競馬場を中座した私は、名古屋のあまりの暑さから避難するために、すでにセントレアから北へと飛んで来ております。 セントレア 暑さよさようなら 札幌 夜8時の気温23度 先ほどまでのあの名古屋の暑さは何だったんだという快適さです。 明日から札幌も天気が良くないみたいなんですけれども… 何とか札幌競馬場に出かける土曜日には回復してくれないかな。
2018年08月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週の話題は、昨日の門別。 距離が昨年までの内回り1600mから外回りの1700mに変更になった、今年のこのレース。 先々を見据えやすい距離条件になったことによりメンバーも充実。見逃せないレースになりました。 が… レースの話は最後に。 今日の競馬場の風景とひとびとから。 5R JRA認定アタックチャレンジは、素質馬が揃って激戦! 門別は4コーナーが西 夕方の時間帯に着きド逆光ご容赦 勝ったのは、今年開業の佐々木国明調教師の管理馬・ルマーカーブル これが認定競走初勝利と話す佐々木国明調教師。 今シーズン、昨日までで5勝。 調教師としても、まずまずの船出となっているようです。 今年は、師匠の若松平調教師と共同で取り組んでいる、佐々木国明調教師。 所属騎手だった昨年までと同様に自ら馬に跨がって調教を行うのと同時に、調教師として必要な馬の管理に関することとか、管理馬の確保も含めた厩舎管理に関することなど、多岐にわたる物事を吸収しながら、開業初年度の貴重な時間を過ごしているそうです。「騎手として調教していたときよりも、『自分としてはこうしたらいいのでは、このようにやってみれば』と感じることが多くなりました。いまはそういうことを感じながら、来年以降それを実戦してやっていきたいです。そのためにも、調教のことだけではなく、例えば馬の飼料のこととか、スタッフのこととか、馬主さんとの関係とか、学ばなければいけないことをしっかり身につけていきたいです。」 騎手時代の彼のイメージと同様、話を伺っていてものすごく安心感があるんですよね。なんて言うか、すごく「地に足がついている」感じの話が。 めっちゃ目立つわけではないけれど、いつもそこに彼がいる。 調教師としても、これからそんな活躍をしてくれるのではないかと。 騎手時代同様、これからすごく色んなことが伝わるプレーを見せてくれるはずだと期待しています。 一方、そのレースで残念ながら僅差の2着だったのが、安田武広調教師の管理馬・アイアス 馬はこれで近3走、メンバーの強いアタックチャレンジばかり使って2着3着2着 力があるのは明白なんだけれど…この日は本当に惜しいレースでした。 レースのあと、安田武広調教師としばし懇談。 惜しくも勝利を逸した残念さを滲ませながらも、こんな風に話しました。「このまま使っていくか。それとも、今のうちに南関東に移籍させるか。(移籍できるだけの賞金は稼いで)最低限のノルマは達成していますから。」 えっ!と思いました。 南関東に行っちゃったら、先生がたは稼げないじゃんって。「馬が活躍していくためにどうあるべきか、そういうことをいつも考えています。それが馬主さんのためですし、そういうことを考えながらいまここまで来ました。」 昨年は45勝でリーディング6位。キャリアハイの数字をマークした安田武広調教師。 活躍の理由をこのように語ります。「僕の考えていることと、スタッフの仕事と、周囲の皆さんの協力とか指導とか、そういうことがかみ合ってきたのだと思います。馬のために、馬主さんのためにと考えて馬を送り出してあげれば、それが巡り巡ってまた新たな馬との出会いに繋がります。スタッフもそういうことがわかってくれているから、仕事の中身にも結びついています。」 誰だって、自分の手元で馬を勝たせて、自分の結果として評価されたいもの。 勿論そういう気持ちを持ちながらも、馬に、そして競馬にいい形で携わっていく流れを創り出しているのが、安田調教師とそのチームの皆さん方なのかも知れません。 今年ここまで15勝。 しかし、「馬との巡り会い」が加速してくるこれからの季節が、安田武広調教師とそのスタッフの皆さんの腕の見せどころなんだと思います。 今年も、目が離せません。 そんな話をしている間にレースは進み、7Rは2歳のオープン・カーネリアン特別。 この時間の方が、ひどい逆光… 勝ったのは、ラブミーチャンの仔・ラブミージュニア 前回の栄冠賞が揉まれて殿負けだったラブミージュニア 今日は揉まれぬ好位の外目で前を追い掛け、ゴールでは突き放しての快勝でした。「力はある。課題は気性面」…とは、手綱を取った桑村真明ジョッキーの話。 管理する角川秀樹調教師によれば、先々の目標としてお母さんのラブミーチャンが勝った兵庫ジュニアグランプリを目指しているそうです。そのためには、レース形態が園田に近い門別内回り1600mのレースをクリアさせていくことも考えているとのこと。 夢の母子制覇なるかどうか、今後のラブミージュニアのあゆみにご注目下さい。 8R ファイトファイヤーが勝って、これも桑村真明ジョッキー。 全国通算1000勝達成! 口取り記念撮影の前に集まる若手 プラカードを持つ阿部龍が何のために表情を作っているのかは不明(笑) 口取り記念撮影より盛り上がった検量室前撮影会 ホッカイドウ競馬の表彰基準は「全国通算」 JRAでの勝ち鞍も含む記録です。 桑村真明ジョッキーは過去にJRAでも1勝(イナズマアマリリス)していて、それも含めての記録です。 ふたつあとの10Rを勝って、地方競馬通算1000勝もすかさず達成しました。 所属の角川調教師の、信頼感。 それに答える桑村ジョッキーの成長…と言ったら、もう失礼でしょうか。 押しも押されもせぬ、地方競馬を代表するリーディングジョッキーですから。 今月下旬には、札幌の大舞台が待っています。 いや…本当に色々あった今日一日。 締めくくりがメインレースのブリーダーズゴールドジュニアC。 これ、1週目のゴール板前 確かに、すかさずいい位置とってますもんね~ イグナシオドーロ 完勝! 上がってきて、ピースサインの阿部龍ジョッキー 最近、検量なんかで見る阿部龍の姿は… 何か苦しんでいるというか、何か背負っているというか。 そんな感じがありました。 でも、肝心なところでこうして勝ってる。 スーパーステション、今回のイグナシオドーロ。 お坊さん…じゃなくて西田アナのインタビューを受ける阿部龍ジョッキー いま挑んでいる「何か」を超えた先に、アベリューの次のステージが待ってるんじゃないかなって。 今日は彼の笑顔をたくさん見られたので、そんなふうに思えました。 兄弟子の桑村ジョッキーも、そんな時がきっとあったと思うからね。 つまるところ、すごいのはこのひとということ。 メインレースを勝ったあと、取材を受ける角川秀樹調教師 この日後半は間違いなく、色んな意味で彼の時間でした。 次はこの場所で、どんなひとびとの活躍、どんなひとびとの表情が見られるか。 一日が終わって、また次の機会が楽しみになりました。
2018年08月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 JRAの函館開催も、先週で終了。 先週の土曜日が今シーズン6週中4回目の函館訪問でした。土曜日しか函館にはいられない中で、自分なりによく頑張って出かけたなと満足しています。何せ、東京にいても週末のJRAの開催はやっておらず、競馬を見ることが出来ませんので。 その最後の函館への旅は、いつもの新千歳空港からの飛行機ではなく、自家用車での移動。それも高速道路を使えば4時間余りでつく道のりを、たっぷり2日間かけて移動しました。 下道。それも、日本海側の海岸沿いをドライブしてみました。 このオレンジの矢印のあたりを通って函館へ。 わかりづらくて済みません。 この界隈、海岸線に迫るような形で数百メートルから千数百メートル級の山々がそびえており、海岸線に沿ってスペースがある場所場所に集落が出来、漁業など中心の生活が営まれてきました。 観光旅行ではあまり行かない場所。このルートの中で最も大きい町は江差、あるいは函館に近づいて一番南に近いところにある桜の名所・松前。それ以外の場所を訪れるひとびとは本当に少ないのではないでしょうか。 私も、北海道は島以外の場所は大抵見て回りましたが、この海岸線だけが未踏破ゾーンでした。 かつてはニシン漁が栄えたこの界隈。 歴史上の記録なり逸話的なものをひも解いて見ると、北海道への出入り口は津軽海峡の中にある函館よりは、むしろ檜山江差のこの界隈。 例えば… 海を背にして仁王立ちしているのは、弁慶。その名も弁慶岬。 北海道には数々の「義経伝説」がありますが、この場所は義経が北海道に落ち延びてくる際に先発した弁慶が先に北海道に上陸し、この岬に毎日出て義経の到着を待った、という伝説の場所です。 江差にある開陽丸記念館 開陽丸は幕末に建造されたオランダ製の軍艦で、戊辰戦争における幕府軍の抵抗の象徴のひとつ。 江戸からの脱出を図る抵抗勢力を乗せて北海道を目指し、一時は箱館などで戦況優勢を保ちながらも、この江差で座礁のため沈没。そこから戦況が一変して新政府軍が巻き返して戦勝を得た、そのきっかけになった事件とされています。 部下とともに船から脱出して江差の陸に上がり、沈み行く開陽丸を見つめる指揮官・榎本武揚の心中はいかばかりだったか…。 大分南までやってきて、松前城。ですが、残念ながらいまはこの場所としては「季節外れ」。 桜の季節にはこの辺り一帯がピンク色に染まり、多くの観光客で賑わいます。 北海道の南端・白神岬(しらかみみさき) 北の宗谷岬、西の納沙布岬はよく知られていても、南の端って「函館の方」ぐらいのイメージしかないですよね。私も名前も聞いたことがなかったし、運転していて一旦行きすぎたときに気がついて戻ったぐらいの場所。でもここが正真正銘南の端だそうです。 じゃあ西の端もあるだろ…と思って調べてみても、よくわからない。 尾花岬っていう場所があるそうですが、陸からは行けないらしい…。 実際この辺りの海岸線は、この写真でもわかるように山が海岸線まで迫っていて、海沿いには道がない場所もたくさんありました。 更に車を進めると、福島町 福島町は、千代の山(右)と千代の富士(左)のふたりの横綱を輩出した希有な場所。 この小さな町から生まれた奇跡の足跡を辿る記念館は、見応え十分でした。年代的に千代の富士はジャストミートですしね。 福島町といえばもうひとつ欠かせないのは、青函トンネル。 この福島町が北海道側の工事の一大拠点となり、その当時は多くのひとびとがこの町に入り大変賑わったと聞きます。 隣の知内(しりうち)町にある、青函トンネルの北海道側の入口。 丁度新幹線がトンネルに入っていくところが、町内にある展望台から見えました。 すごく色んな所を回ってきたので、函館の見慣れた風景の場所までたどり着くと、ほっと心が落ち着きました。函館も通っているうちに、少しずつ縁を感じる場所になってきているのがわかります。 赤レンガ倉庫。夕方の港の風景は格別です。 で、土曜日は今シーズン最後の函館競馬観戦 草を食むエリモハリアーさんにご挨拶したり… 競馬場の上空を行く飛行機を眺めたりしながら… 練習しているうちに、コンデジでの撮影もちょっとは上達した模様(笑) ダノンスマッシュ 準オープンを1200mで勝ち上がり、短距離路線のホープに! さあ!今週からは札幌開催。 場内の様子も随分進化していると聞きましたので、いまから週末が楽しみです。
2018年07月25日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 週末3連休は、北海道の場外発売所・Aiba石狩でイベントに出演させていただきました。 14日土曜日 競輪の元トップ選手 後閑信一さんとのトークイベント 勿論大盛り上がり 興味深いお話もたくさん伺えました。 海の日の16日 競馬・競輪・オートの3競技予想会 競馬の予想シーン この日も浦和12個 名古屋12個 盛岡2個で、計26個 よく当たったのは、さすがに出かける機会の多い名古屋 お客さま方との、景品争奪大じゃんけん大会 じゃんけん大会の景品贈呈シーン こうしてお客さま方と触れあえる機会が楽しいのが、イベントの会場です。 3連休の真ん中の日曜日だけ、グリーンチャンネルに出演するために東京に戻りました。 気温20度前後(夜はそれ以下)の北海道札幌界隈にいついていたので、30度台中盤まで気温が上がる東京ではいたたまれず。一日で北海道に帰って16日のイベントでした。 テレビの仕事も含めて、何だかみっちり仕事でレース見たり喋ったりしたなと。 そしてものすごくいっぱい券も買ったなと。 楽しい3日間でした。 で、昨日はそんな慌ただしく過ぎた連休中の流れをリセットするため…というわけではありませんが、日高に出かけました。 先週に続いての競走馬セールは、静内にある北海道市場で行われたセレクションセール 今年は全く仕事がなかったので、セールの会場の風景を見て回って一日過ごしました。 すごくたくさんのひとたちとも話したかな。 こちらは売る側のエリア。 馬たちが待機する馬房が並ぶ場所です。 これからセールに出る順番を待つ馬たちのところに、時折馬を買い求めようという人々がやって来ると、その周辺は慌ただしくなります。 その馬を扱うひとたちが馬を曳きだし、お客さんに見せたり説明したり。 セールの結果が出るまで、そのようなことが続きます。 セールに出る前の馬の手入れ。 一瞬の印象が結果を左右することもある競走場セールですから、このように最終最後でひとびとがきちんと手入れをすることも重要。 上場を待つ馬(馬房内)と、担当の方。 まだ出番は大分先なんですが、担当の方は上々番号が書かれたビブスを来て、気合い十分!? 馬は扉の所につけられた送風機の横でじっと佇み、涼をとって時を過ごしていました。 本当に、その場からじっと動かないんですよね… 今日はお日さまが出るとかなり蒸し暑く感じる陽気でしたから、人も馬も大変でした。 馬を買う側のエリアは、こちら。 上場が近づいた馬たちが番号順に引き出されてくる下見所 テントと椅子が並んで、そこで馬を買い求めようとする人々が、馬たちを鋭い視線で吟味しています。 こちらは、更に上場が近づいてきた馬たちが待機するパドック。 セリ会場のすぐ脇にあります。 こちらでもご覧のように人々の視線が馬たちに突き刺さる 通路で上場を待つ馬 この左側に入って行くと、最初の写真のセール会場になります。 本当に上場される直前まで、このように人々が馬の姿を見て、購入するかどうか、値段はいくらぐらいまでかなど、競りの成り行きを思い描きながら検討しているのです。 そうこうしているうちに、先ほどの179番の馬が満を持して登場! 落札! 馬を曳く大役を見事やりおおせました。 多くのひとびとの尽力、そして思惑。 競走馬セールの舞台は実に多くの「思い」が渦巻く場所です。 日高・静内から札幌への帰り道。 門別競馬場に立ち寄りました。 昨日の注目レースは、ラス前に行われた2歳の上級認定競走「ウィナーズチャレンジ」 静内から(安全運転で)移動してきて、レースには間に合いました。 早く着いたので、馬が出てくる前に小径カフェの豚丼を食べたことは内緒。 あっ! それも内緒だってば!! 小径カフェのソフトクリーム。馬部分はモナカ的なもので食べられる。 勝ったのは、ヴァーミリアン産駒のクラファルコン 3コーナーから一気に前に迫った脚は圧巻。 最後は突き放して完勝でした。 レース後、馬の手応えを語る宮崎光行ジョッキー 久しぶりに、宮崎ジョッキーが馬の手応えを熱っぽく語るところに居合わせることが出来ました。 何よりも彼のその姿その話しぶりから、この馬の持つポテンシャルが伝わってきました。 一瞬でビュっという脚を使う、切れのあるタイプ。 まだ緩いし、教えていくことはこれからゆっくりと。 芝で走ると思うんだよね…。 宮崎ジョッキーらしく話が尽きない感じで長く話してくれて、とてもかいつまんで書くとこんな感じかな。もっと色んなことを、彼自身は感じているはずです。 兄のクラバズーカーもオープン級の馬ですが、それ以上の活躍が期待出来そう。 クラファルコンの今後から、目が離せません。 門別。今日はノースクイーンC、明日は星雲賞で盛り上がります。
2018年07月18日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週は、マカオでの話を書きました。 その翌日、丁度一週間前の水曜日には、香港でハッピーバレー競馬場を訪れました。 (ここからの香港の話、写真の撮影日は7月4日です) もうここにもハッピーバレーのことは何度か書いているのだけれども、改めて最近の様子など。 一般入場料だけで入れる平場で競馬を楽しんだので、そんなに「変わった!」っていうところもないけれど。 ここまで高層ビル群の中に埋もれたような場所にある競馬場は、他にはないでしょう。 もうこの場所には何度なく来ていますけれど、何度来てもこの独特の景色には、競馬が始まる前からゾクゾクします。 日中はむしむしと暑い香港も、陽が落ちるとその暑さも少し和らぐ感じ。 あっという間にひとびとが集まるトラックサイド。 競馬場という名の、ここはビアガーデン! 明るいうちから、ビールを売るテントがずらりと並んでいるこの場所。 テントの背後は柵を隔ててすぐに馬が走るコース ビール売りのテントの舞台裏 ものすごいビールの量… こんな感じで、いい社交の場になっています。 ステージの出し物 この日はサンバダンサーズ 所狭しと歌い踊るひとびと かといって、競馬そっちのけかというとそうでもなくて… レースが近づくと自然に人々の視線はそちらに 馬が近い! 香港競馬のシーズンは最終週に突入。 あとは今日のハッピーバレーの開催と、15日日曜日のシャティンの開催で終了となります。 シーズン最終盤に来て一層熱を帯びているのが、ジョッキーリーディング争い。 今日11日のハッピーバレーの開催が行われる前の段階で、 ザック・パートン 133勝 ジョー・モレイラ 130勝 このままパートンが逃げ切ってリーディング奪還となるか、それともモレイラが逆転で4年連続のリーディングに輝き、香港でのラストシーズンに華を添えるか。 ザック・パートン 思えば、当時絶対王者だったダグラス・ホワイトから彼がリーディングの座を奪ったのが2014年。しかしそのシーズンの途中から香港にやって来ていたモレイラがその時もすぐ近いところに迫っていました。 そこからの3年間、離れた2番手に甘んじていた彼の心中はいかばかりだったかと。 そのモレイラが今季限りで香港を離れるとなれば、彼を破ってリーディングを奪還するチャンスは、もう今年しかありません。本人がそこまで思っているかどうかはわからないけれど、外から見ればそういう興味は当然に湧いてきます。 さて、あと開催日2日。 どんなプレーを見せますか。 ジョー・モレイラ 日本での免許取得を目指すために、香港での騎乗は今季限りと伝わっています。 そうなると、シャティンはともかくハッピーバレーでの彼の姿を見ることは、もうあまりなくなるのかも知れません。 3年連続リーディング。毎年勝利数レコードを更新して、昨年は170。 香港国内だけでなく、世界のビッグレースのシーンでの活躍が「マジックマン」の名前を一層世界に轟かせました。 香港でのキャリアに有終の美を飾るのかどうか。 今度の日曜日の開催が終われば、日本にやって来るそうです。 先々に関してのことも含めて、大きな話題になることは間違いありません。 この翌日…というか深夜のうちに日本に帰ってきて、およそ12時間後にはこちらにいました。 (ここからの話、取材日は7月5日です) 名古屋競馬場! 前夜香港にいたとは思えぬ、雰囲気の違い。 いつも見慣れたこの場所に来ると、心がホッと落ち着き安心するのはなぜだろう。 ただ残念ながら…日本に帰ってきたら西日本は土砂降りの雨。 この日の名古屋も本降りの雨で、馬場はご覧のように水が浮くようなコンディション。 馬も人も頑張っていました! 私は帰国直後だったので、日本の味・名古屋の味 きしめんと味噌串かつを堪能してました ここで、名古屋競馬からのお知らせ。 まもなく、全国の地方競馬の競馬場や場外発売所で、このようなお菓子が配布されると思います。 名古屋が誇るお菓子メーカー「三ツ矢製菓」の「ビスくん」 創業は大正7年(1918年)という老舗 東海地区で売られているこうしたお菓子だけではありません。 あの高知の名物菓子の「ミレービスケット」ご存じです?あのミレービスケットの生地は、この三ツ矢製菓がOEM生産して、ミレービスケットの製造会社に卸しているそうです。 …で、したいのはお菓子の話じゃなくて。 名古屋では8月の3開催(結構あるぞ!)、午前中(11時59分より前)発走予定のレースの3連単の払戻率が通常より5ポイント高い77.7%!! 8月の名古屋は、是非とも朝からチャレンジして下さい!! さて、この日のプレイヤーの話題はこちら。 雨馬場でも、ゴール前壮烈な争い! 大畑雅章ジョッキー 通算1600勝達成! 7月5日 名古屋11R サンタンパで達成「1600勝とか…もっと勝っている人がたくさんいるから……」 数字自体への意識はそれほど、とも取れる話しぶりだった、レース直後の大畑ジョッキー。 しかし続けて「やっぱり2000勝でしょ。2000勝に向けては、現実味が出てきたという実感はあります。」 という言葉を聞くと、やはり一つひとつの勝利が糧になる騎手という仕事における数字の持つ意味を、改めて感じさせられます。 印象に残る馬、というありきたりの質問に、ありきたりではない答えが返ってきました。「(吉田)稔さんの代打で乗った、ヨシノイチバンボシ。名港盃だったかな…」 調べたら、いまから13年前の丁度同じ時期、7月7日でした。「交流重賞勝つような馬に代打で乗って、もうレースの前からガチガチ。レースの間もパニック状態で何が何だかわからなかった。でもあの経験は今でも忘れないし、いまでも生きていると思います。」「あとは、やっぱりカツゲキキトキトと、ピッチシフターかな。ピッチシフターは活躍して、あちらこちらに行かせてもらったしね。忘れられない一頭です。」 そうした馬たちとの経験を積み重ねて、これからも活躍を続けて行くことでしょう。 名古屋には「絶対王者」岡部誠ジョッキーがいます。 丸野勝虎ジョッキーも、戸部尚実ジョッキーのような大ベテランも存在感十分。 そのような中で、次のトップを伺う存在。 大畑ジョッキーが「時代」を掴む日が来るのか。活躍が楽しみです。 日本が誇るローカルレーシング 名古屋けいば ここでも、人と馬とが熱い戦いを繰り広げておりました。
2018年07月11日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 私が香港や(そのついでに)マカオに出かけた際に、必ず言っていいほど足繁く訪れていた場所があります。それは、マカオのドッグレース場。 先日、6月30日の開催をもってその歴史に幕を下ろしました。 かつて営業していた当時のドッグレース場の入場門 以下ご紹介するのは、本当は写真撮影禁止の場内で撮った写真なのですが…もう廃止になってしまったわけですからいいでしょうか? コースへの入場風景 ゴール板前の様子 1931年にアメリカ人の商人が始めたとされる、このマカオの地のドッグレース。戦争などの混乱のためにこのドッグレースはわずか4年で衰退してしまったのですが、戦後になって復興。戦前からフランス人商人が上海で行っていたドッグレースの運営方法や技術などをそっくりそのままマカオに持って来て、1963年に再興されました。(ドッグレース場の展示物より) 再開時の入場門。先の写真と全く同じだ! 日本の競馬や、その他の公営競技の記録写真でも、こういうのよく見ます。 私が行くようになった15年ほど前には、勿論こんな風景は見られず。 往時の繁栄がしのばれる記録写真 これ、マカオのドッグレース場に行った方は、必ず見てますよね? かつて使われていた枠番抽選器 ガラポン方式で玉が出てきて、枠番が決まっていったらしいです その戦後再興されてからでも55年。私もかれこれ15年近く楽しませてもらってきたマカオのドッグレースが、終わってしまうとは…。 何年か前からずっと危機にあると報じられ、その度に「やめるやめる詐欺」みたいに延命してきたのですが、ついに終わりの日を迎えたそうです。 7月3日撮影 結局門構えは、今に至るまでずっと変わらなかったということですね… 門番の方に、中に入るのは止められたけれど、外から撮るのはOKっていうことだったので、外から旧スタンドを撮影。 この左手の方が犬舎がある方向なのですが、17時になったらそちらから大勢の人々が出てきました。 おそらくは犬舎やこのレース場で働いていた従事員のひとたちなのでしょう。 レースが行われなくなり、彼らはいったいどこに行くのか……。 垣間見える場内の風景 楽しかったひとときが思い起こされる レース上のすぐ外の街路に、間違いなくレースで走っていたとおぼしき犬を曳いて歩かせている人々を見かけました。たぶん左の男性が練狗師(犬の調教師)なのではないかと。 市民とたわむれる犬たちですが、いま彼らの「行く先」が動物保護の観点からも案じられています。 レース場がなくなれば、犬も、そしてそこにいたひとびとも居場所を失う。 場所も恐らく、近々なくなっていくのでしょう。 マカオの夜に煌めいていた、ドッグレース場の終焉 移ろいゆく時の流れの中、そして世の中の流れの中に、「常なるものはひとつもない」ということを改めて感じさせます。 一方で栄耀栄華を極めているように見えるマカオのカジノ業界も、次々とリゾートホテルが建ち並んで競争は激戦。こちらも左うちわの安泰などと言うことはあり得ません。 物事、いずれなくなるかも知れない。 それは避けられないことなのかも知れません。 それでも、その物事が長く続いていくために、力を注ぐこと。 それがその物事で「生きていく」ということなのでしょう。 競馬のいま、を案じると、こういう出来事の成り行きにも、自ずと目が向いてきます。 競馬だって、かつてこういう茨の道を歩んで、いくつもの場所と人々と馬たちを失ってきたわけですから。 長く続いていくために。 していかなければならないことに、いま改めて思いを致しています。
2018年07月04日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 本日、サテライト石狩(Aiba石狩)でのイベント『11時間耐久馬券マラソン』を行ってまいりました。ご来場、ご参加下さった皆様、ありがとうございました。 皆さまのご声援を得て、11時間34個レースの場立ち予想トークと馬券勝負を完遂することが出来ました。 場立ちトーク ステージ風景 浦和・大井・門別の3場分の新聞を携えて臨む、11時間耐久場立ち予想トーク 14時過ぎ、ナイター開始直前 未だ的中なし… 夕方前後 散発的に的中を引き当て始める 浦和1レースから大井最終12レースまで11時間 34個レースを走り続ける! 11時間で34個レースに挑戦して、5勝 27敗 2買い逃し 馬券の成績は決して良かったとは言えませんが… やり遂げたという充実感を味わっております。 またこんな、同種のと言うよりも、人のやらないイベントを考えてチャレンジ出来たらと思っています。 さて、ここから本題。 太田さんに引き続き、JRA函館競馬絶賛開催中!の話。 先週の土曜日はこのように朝から素晴らしい晴天 今週はこのような天気は望むべくもなさそうですが… この時期の函館、こういう気候はいまは貴重なのかも知れません。 ターフビジョンの向こうにいわゆる臥牛山(がぎゅうざん)の姿がクッキリ 山の右の方の頂きが函館山。左の方の突端が立待岬 開門前に場内の様子を探っていたところ、パドックでは誘導馬たちが朝の訓練中 手前の芦毛の2頭がカダケス(左)とテナンゴ(右) 奧がアルファオリオン 函館競馬場の開催は、1年のうちに6週間だけ。 誘導馬にとっても、開催中は晴れの舞台。 カダケスは、先週デビューしたばかりなんだとか。 興味深く誘導馬の様子を見ていると、傍らの係の方から情報「今日、もう一頭デビューするんですよ!」 それは応援せねば、と登場機会を探っていたところ… スペースクルーズ 昼休みに一頭で本馬場に出ているところを発見。 誘導のお仕事に就く前の最終調整でしょうか。 スペースクルーズ(右)の誘導シーン テナンゴとともに 4棟の先頭で引き揚げてくるスペースクルーズ 今日は最初馬が緊張していたと、係の方はおっしゃっていました。 お仕事振りはしっかりきっちり 競走に出る馬だけでなく 誘導馬の彼らにとっても大切な夏の開催期間 レースシーンのかげできっといい働きをし続けてくれると思います。 競走馬たちは勿論、熱いレースシーンを展開中! 函館山を背景にスタート! この日新馬を勝ったトーセンオパール 函館の熱戦も、残り4週間!!
2018年06月27日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 6月は、毎週のように水曜日に場外発売所のイベントに参加させて頂いています。 今日は千葉県のエフケイバ成田で場立ちトーク。 そして来週水曜日27日の大井・帝王賞当日には、北海道の場外発売所Aiba石狩でイベントに参加させて頂くことになっています。 (本場ではなく、北海道の場外発売所・Aiba石狩のイベント情報です) Jpn1の開催日に、南関東は何と!昼浦和・夜大井のリレー開催。これに門別も加えて朝から晩まで3場のレースが楽しめる。なので、こういうことやります。 この日、門別のレースが12個ある場合、全部でレースの数は33個になるはずなんですよね。朝の浦和の1レースから、夜の大井の帝王賞や大井の最終レースまで、果たしてもつだろうか…体と、そして財布の中身が(爆)。 ガラポン抽選会も、給水所での給水ならぬ、ガラポン玉を補給しながら朝から夜まで走り続けることになっております。 朝から夜まで、いつ来てもガラポンと競馬・馬券を楽しむことが出来る一日。お近くの方と言わず札幌近郊の方々は是非Aiba石狩にお越し下さい。私と一緒にマラソン競馬を楽しみましょう! 勿論、11時間私とともに走り続けるという「勇者」の来場も、お待ちしていますよ(笑)。 今週月曜日発売の競馬雑誌に、競走馬の生産・育成牧場への就業支援の話を書かせて頂きました。その記事で取り上げた「BOKUJOB」メインフェアの模様を、このブログでは写真でお知らせしたいと思います。 詳しい中身については、その競馬雑誌の記事をご覧頂ければ幸いです。 東京競馬場のスタンドの一角に設けられた、「BOKUJOB」メインフェアの会場。 入口には、今回のフェアに参加した27の牧場が写真とともに紹介されていました。 会場内の様子。 各牧場の担当者がこの会場に集い、それぞれのテーブルで希望する参加者(来訪者)に牧場の業務内容などの説明を行います。参加者は興味のある牧場のテーブルを訪れて、それぞれ熱心に話に耳を傾けていました。 フェアには牧場だけでなく、牧場で働く人々の研修・教育に関連する5つの機関も参加。 ここは日本軽種馬協会のブースで、牧場就業のための研修についての説明を行っていました。 会場には牧場だけでなく、数多くの牧場がある北海道の日高・胆振(いぶり)地区の地域紹介を行うコーナーも設けられていました。 競走馬に関わる仕事について、職場について、ひいては馬産地となっている地域そのものについて、きめ細かく情報を発信しようというこのフェア。とにかくこうした取り組みに多くの方々の参加を得て、まずは競走馬とその仕事に関心を持ち、出来るだけ多くのことを知ってもらう取り組みが大切なのだと言うことを、会場で改めて感じることが出来ました。 BOKUJOBホームページによると、今後のイベント予定は以下の通り。6月23日(土)~24日(日) 阪神競馬場にて西日本地区の育成牧場が中心になって行う「関西フェア」7月14日(土)~15日(日) 中京競馬場にて「牧場就業応援 広報&相談コーナー」7月24日(火)~25日(水) 静岡 御殿場市馬術・スポーツセンターにて 「牧場就業応援 広報&相談コーナー」8月11日(土)~12日(日) 札幌競馬場にて「牧場就業応援 広報&相談コーナー」8月26日(日) JRA宮崎育成牧場にて「牧場就業応援 広報&相談コーナー」 9月には福岡、10月には再び東京競馬場で「広報&相談コーナー」のイベントが行われるそうです。 例えばお子さんが競走馬に関わる仕事に興味をお持ちの方がいらしたら。 また、近しいお知り合いで競走馬に関わる仕事に興味をお持ちの方がいらしたら。 是非この「BOKUJOB」に参加してみて下さい。 いままでご存じなかった、あるいはこれから競走馬のお仕事を目指すのに役に立つ様々な物事に、きっとこの「BOKUJOB」を通じて触れることが出来るはずです。
2018年06月20日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日、思い立って笠松競馬場に出かけてきました。 週末の悪天候から回復して、昨日の笠松競馬場はこのように素晴らしい晴天に恵まれました。 それにしても見事に青い空、そして白い雲。 おひさまからの暑い日差し。 なぜ笠松という競馬場でシャッターを切ると、このように「季節」がしっかりと映り込むのだろう…。 ほら。なんじゃこりゃ、このトラックと青い空のコラボ 日本の競馬場じゃないみたいな、空の高さ 白い誘導馬の姿が、背景の緑とのコントラストに映える 30度を超える暑さのなか、散水車の撒く水はすぐに乾いて立ちのぼる 検量室の裏手の建物の2階 関係者用の食堂&喫茶 『カフェうらら』 中はこのような感じ。 いかにも仕事場という検量室や控え室周りとは全く異なる雰囲気。 憩いのスペース。 後藤正義調教師(写真右端)にお茶をお呼ばれしたところ… ここでもやっぱりついてた! おつまみ!! 場内でもお客さん方が暑さに負けず奮闘中! 売店の軒先にはためく「氷」の文字が、季節を感じさせます。 これを見るだけでもちょっとだけ涼しくなるような気がする。 さて、今回出会ったひとびとは、こちら。 ヤングジョッキーズシリーズの開幕も近いので、まずはこのふたり。 水野翔ジョッキー(右) 渡邊竜也ジョッキー(左) ガンを飛ばしあうふたり(違) 水野翔ジョッキー。今年ここまで21勝。 ホッカイドウ競馬に所属していた昨年とは比較がつきませんが、笠松リーディングでは7位の成績です。 しかし近況については…「勝ち切れていませんね…2着が多い。位置取りを気にしすぎているのか馬のリズムと合わなくて結果に繋がらないことがあるような気がします。考えすぎ?でも考えないといい騎乗は出来ないと思うし。あとは勢いでしょうか。減量が取れてくると、勢いだけでは限界を感じます。終い伸びて、届きそうで届かないとか。」 取材した昨日も、強い相手が各レースいたとは言え2着が3回。 上がってきて、この悔しそうな表情… 昨年は北日本ブロックで4戦したヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンド。そういえば去年は4戦して2着2回で北日本ブロック2位で本戦出場を逃したんだったっけ。 北海道で一旦取れた減量が、笠松に移籍して4月のルール変更で「☆」が一時的につき、今回のヤングジョッキーズシリーズ出場となりました。今年は西日本ブロックで笠松・金沢・佐賀・名古屋と4箇所で7戦の予定です。「出られるのは素直にラッキーと思います。今年はとにかく本戦出場したい!」 …の言葉は、昨年本戦出場を果たした傍らの後輩・渡邊ジョッキーの方を見ながら、それでも力強く語っていました。 水野ジョッキーにとって、今年のシリーズは昨年とは全く異なる新しいチャレンジになるのではないでしょうか。「中山でのあの歓声は忘れられません。2戦目、チャンスがあったので位置を取って勝負してやろうと思ったら失敗してどん尻に…でも一番後ろにいても、走るにつれて歓声が迫ってくる感覚は味わったことのないものでした。」 本戦まで出場した昨年、中山競馬場でのレースを振り返って、渡邊竜也ジョッキーはこんな風に話しました。 近況については「『自分なり』ですかね…そういうことが出来ればいいと思っています。」 例えば、先輩の話もただ鵜呑みにせずに、自分なりに考えて取り入れるところは取り入れ、いい意味で聞き流すところは聞き流す。そんな「自分らしさ」を大切にしているのかも知れません。「昨年は、馬にも恵まれて本戦に出場することが出来ました。今年は本戦に出て、優勝したい。昨年の表彰式はお客さんも大勢残って声援していて、うらやましく思いました。」 こちらは、笠松・金沢・名古屋で6戦。 旋風を巻き起こした昨年以上の活躍に期待して下さい! ヤングジョッキースシリーズ トライアルラウンド笠松は 6月27日(水) の開催です
2018年06月13日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日6月5日、東海ダービー当日の名古屋競馬場にお邪魔してきました。 昼過ぎまで晴れていた空も、午後には雲に覆われてきました。 正直、昼は日差しも暑くて「もう夏!」っていう感じだったのですが、雲が出てくると涼しい風が吹いて過ごしやすい陽気。天候もそれ以上崩れることなくレースが進んで行きました。 定番の、パドック肩掛け展示。 さすがにダービーデイだけに、パドック横断幕も多数 戦前の評価は、この写真にもあるサムライドライブで断然。 ダービーシリーズのここまで2戦、佐賀でも金沢でも1番人気の馬が敗れてきたのですが、名古屋でその流れが止まるのかどうかも注目されました。 その東海ダービーの前に、今日の競馬場のひとこま、あるいはふたこま 最近好調! このブログへの登場機会も増えている、村上弘樹ジョッキー 騎手デビュー5年目にして、この日が初めてのダービー騎乗「強い馬が一頭いるので、緊張感というのもそれほどには…」 東海ダービーで騎乗するキンショーウィークは、JRA未勝利で名古屋に転入後7戦5勝の好成績。先行脚質の馬なので、立ち回りが注目される一頭でもありました。 ただまあそこはレースに行ってからということのようで。何せサムライドライブの先行力が凄まじいですから。「これで人気になるような馬に乗るなら話は違うでしょうが、気持ち的にはあまり変わりません。」 実際、厩舎周りの方々からも、「ダービーの日とは言っても、以前とは雰囲気が違う。昔はもっとピリピリしていたから…」という声も聞かれました。 東海ダービー キンショーウィークと村上ジョッキーの返し馬 今回の戦況若いひとたちの物事への意識の持ちよう、と言うこともあるでしょうし、そのようなことにつれてレースそのものの雰囲気も様変わりしているのかも知れません。 レースに乗っての彼の感想は、今回の稿の最後に。 レースも進んでダービーの戦いが近づいて来ようかという第7レースで、事件発生!! あっ!カンパイ!!(発走のやり直し) スターター(写真左端)が発走後赤旗を振るのに応じて、スタートから1ハロン地点のコース上に立っている係員の方が、大きな白旗を振りました。 馬が一頭スタート直前に動いて前扉を押してしまい、その馬の扉が同時には開かなかったとのこと。 すごいなと思うのが、このコース上の係員の方の落ち着き払った対応。 馬がこちらに迫ってきたら、普通は逃げ出したくなりませんか? 仕事とは言え、向かってくる馬たち(に乗っている騎手)に対してしっかりと合図を送っていました。 改めて全部の馬がスタート地点に戻って… 今度は正常発走! 係の方も馬を避けてコースの脇へ待避していきました。 門別で実況を担当しているときにカンパイは2度経験があります(4年で2度だから多い)が、この角度から見たのは初めて。 普通に競馬のレースをご覧になっているお客さまの中には、あのスタート前にスターターが振る赤旗の意味とか、スタートの時にコースのど真ん中に大きな白旗を持った係員の方がいることとか、あまり意識されたことのない方もおられるかも知れません。映像でレースを見ているだけではわかりませんしね。 競馬場にお出かけになったときに、こんな所にも競馬のレースを支えているひとたちがいることを、是非直接見て確かめてみて下さい。 次の話題はこちら。 佐藤友則ジョッキーと、ジョッキーの手についての話 全ての指の関節の「タコ」がすごい! 固く盛り上がって、関節自体が変形しているようにすら見える感じです。 これが、馬に乗る人独特の「タコ」のできかたなんですって。 みんなだいたいこうなってると。 こんな感じで手綱を握って、拳の部分を馬の首筋に押さえつけるような感じで乗っているから、必ず馬の首に当たる関節の部分に「タコ」がものすごく出来るんだそうです。 他の人はどうだろうと思って見せて頂くと… 攻め馬含めもっと数多く乗る加藤誓二ジョッキーの場合は、もう一巡していっぺん出来た「タコ」がすり切れたようになって、関節の部分がむしろツルツル。ここまで行くと本当に「これが馬乗りなんだ」という感じがします。 馬を御する、というのがどれだけのことかを改めて感じさせる「手」の話でした。 さて、東海ダービー。 お客さま方も集まり、ダービーらしい賑わい 向正面からスタートして馬場を1周する1900mのレース 1周目。人気のサムライドライブが予想通りハナに立ったものの、他の馬たちが追い掛けてきて速いペースでレースは推移。最初のゴール番付近では、すでにこのように混戦を予感させる隊形。 最後の直線 サムライドライブが抜け出しを図るものの… お? おおおおっっ!! 笠松のビップレイジングがゴール前で差し切り!! 勝った直後の笹野博司調教師 馬たちの帰還を待つこの表情… 藤原幹生ジョッキー 日本の競馬史上初めて、元ピザ屋の店長からダービートレーナーとなった、笹野博司調教師。 当時からの志と、リーディングトレーナー、そしていまダービートレーナーとなった道のりについて尋ねたところ、衒いなく「思っていたより早かった」と話しました。 「もっと大きな舞台で活躍をしたい」と、改めて抱負を語る笹野調教師。 見据えるものがこの勝利でどのように変わっていくのか。また時を置いてじっくり話を聞いてみたいと思いました。 藤原幹生ジョッキーが普段から、大きくも多くも語ることはないことは、短期移籍でやってきた門別で彼と出会い何度か話を伺う中で感じていました。 その藤原ジョッキーが、ストレートに喜びを語った、勝利ジョッキーインタビュー。その模様はYoutube動画でご覧下さい。 一方、敗れたサムライドライブの角田輝也調教師は「これが競馬」と話したあと、「敗れたことを振り返るより、強く前へ進んでいきたい。この馬をもっと強くしたい」と語りました。 言葉で敗因と思しきものを挙げれば、それはあるのでしょう。 しかし…これだけの馬の敗戦を語るのには、あれこれと説明するのはふさわしくない。 悔しさと、そしてこの結果を受けての決意を感じた言葉でした。 それぞれの想いが詰まったこの場所のダービーが、終わりました。 競馬のシーンは、また新たな季節へと移っていきます。
2018年06月06日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 まずはイベントのお知らせ。 ときは来週の水曜日、6月6日。いつもイベントを企画からお手伝いさせていただいている、北海道・石狩市にある場外発売所「Aiba石狩」で、やります。 (本場ではなく、北海道・石狩市にあるAiba石狩のイベント情報です) JRAでもいよいよ始まる2歳馬戦。注目の2歳馬情報を手に入れることが、馬券の上でもペーパーオーナーゲームの上でも勝つための方程式。POGドラフトが例えば北海道シリーズ開幕に合わせてまもなく、という方は勿論、先週までにドラフトが終わったという方にとっても「答え合わせ」的な位置づけでデビューを待つ2歳馬の話を聞きに来ていただければと思います。 お話は、馬産地ライターの村本浩平さん。 豊富な情報量とあふれる「好感度」で、テキストだけでなくテレビなどへの出演でもおなじみの村本さんが、石狩で語ります。 今回のイベントは、『POGの達人』(光文社・いわゆる「赤本」)のご協力を頂戴しました。 ご購入がまだの方、今からでも是非。 例年通り、POGだけでなく競馬的興味にあふれた読み物としても楽しめると思います。(本日現在、楽天ブックスでは品切れでした。再入荷をお待ち下さい) さて、お知らせはこのぐらいにして…競馬の話。 今週もプレイヤーズファイル的に、見聞きしたことをご紹介しましょう。 安藤洋一ジョッキー 先週23日(水)の大井競馬場にて 4年前に私が門別で仕事をしていたとき、短期移籍で門別に来た彼。その時以来、競馬場で行き会うたびに話を聞かせてくれています。 近況について。「勝ち切れていませんね。勝てていないわけじゃないんですけれども、自厩舎(藤田輝信厩舎)の馬は人気になるから……」……と、歯がゆい思いを繰り返している様子。 ただ記録を見るとですね、馬は人気よりも連れてきていますよ。安藤ジョッキーは。騎乗馬は1~2番人気の自厩舎の馬か、まるっきり人気薄の他の厩舎の馬。完全にまっぷたつ。その中で、他の厩舎の馬は人気よりずっといい着順取っているレースの方が多いです。 先週も開催最後の金曜日に2勝。一頭は2番人気でもう一頭は10番人気の低評価を覆して勝ちました。「『馬を動かす』騎乗がしたい」 これは、4年前に門別に来たときに彼が話した言葉。 怪我があったり、まだ数もほとんど乗っていない状況の中で意識して取り組んできたことなんだと思います。 いま、騎乗馬も増え、勝ち鞍も少しずつですが積み重なってきました。 今年29歳。この話を聞いている間に、周囲から激励を込めて「正念場だね」という声も聞こえてきました。 馬券的にも目が離せない、安藤洋一ジョッキー。 もう一丁ステップアップして、いい意味で「配当妙味のない(笑)」ジョッキーとしての活躍をアピールするときが楽しみに感じられました。 ここからは、今日30日の門別競馬場 今日は肌寒い曇り空 雰囲気写真です 検量室前にいたら、戦列を離れているこのひとに会うことが出来ました。 石川倭ジョッキー 落馬で鼻の骨にヒビが入ったため、休養中。先週の赤レンガ記念のオヤコダカにも乗ることが出来ませんでした。「調教には乗っています。ただ実戦に乗るにはまだ違和感があるので。」 今のところ、来週まで休んで再来週からの復帰を目指しているとのこと。「落馬して、医務室で意識が戻って、病院に運ばれるときには『もう騎手とかやめる』ってずっと思っていたんですよね。」 彼は南関東に短期移籍した時にも落馬事故に見舞われていますし、今回も、となればそんな気持ちにもなるのかな…と思って聞いていると、こんな風に言葉が続きました。「でも、翌日にはもう馬に乗りたくなってました(笑)。改めて、このまま馬に乗って、馬に携わって生きていくんだなと実感しました。去年、JRAで勝てた(ダブルシャープのクローバー賞)ことも、そんな気持ちになったことと関係あると思います。」 これを聞いて私は、やはり彼は「スポーツアスリート」だなと思いました。 「選手」(競馬の場合は騎手ですが)というのは、選ばれたひとと言う意味。単に身体能力とか技能とかが優れているだけでなく、その競技の中で何かを目指していくためのあらゆるものを備えた「選ばれたひと」なんでしょう。 彼はまさに競馬においてそういう人物なんだろうなと。「(戦列を離れて)調教師みたいな視線でレースや馬を見ています。自分が乗っていた馬に別のひとが乗って、こういう風に乗るんだ、とか、自分の騎乗のこう言うところが違ってたんだ、とか。勉強になっていますよ。」 詳しくは話しませんでしたが、シーズン途中での負傷で一息入ったことにより、今シーズンこれからの心持ちにも少し変化があったみたい。そのあたりは、復帰してからの彼の姿を見て感じていけるのではないかと思っています。 そしてっ!! 兵庫の鴨宮祥行ジョッキー 門別初参戦の6R入場 返し馬 そしてレースでは… お、おおお! 勝った! 門別初騎乗初勝利!! 上がってきての第一声が「直線、長かった~」 地方通算201勝目が、初めての門別。「普段園田に他場の騎手の方々が来るときと、今日は反対。競馬の中身だけでなく仕事の流れも含めて、色々聞きながらレースに出ました。今日は逃げられたので、園田で逃げているときと同じ感覚で乗ってうまくいきました。これで門別でなにかわかったとかは…またメイン(重賞の北斗盃)で頑張ります。」 いやはや、スター性あるわ~ 本当に見事でした。 来週は、東海ダービーを観戦しにいってきますね。
2018年05月30日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 もう先週の水曜日のことなんですが…久しぶりに門別競馬場に行きました。 検量室の前で立っていると、馬たちと、様々な人々の表情に出会うことが出来ます。 岩橋勇二ジョッキー 翌日エグジビッツで園田に遠征する、その準備の合間に話をしました。「最近、どうも消極的になっていて、良くないなと思っています。」 騎乗の中身が、ということではなく、どうやら仕事への姿勢のことを言っているみたい。「怪我なんかもあったし…もっと色んなことに前向きに取り組んで来ないといけなかったかなと。いまは色んなことにもっと挑戦していきたいですね。」 彼の年かさとかポジションを考えると、例えば体鍛えるとか具体的に何を取り組む、と言われるよりも言葉に迫力がありました。例えば、翌日のエグジビッツは結果が出ませんでしたが、勝っても負けても他場でのこうした経験がいままで以上に彼の身についているという、そんな手応えがあるのかも知れません。 昨年がリーディング4位82勝。 今年はいまのところ7勝。 今年はいまのところ門別の出走頭数自体が少なすぎて単純な比較は難しいのですが…数字よりも質に、彼の今年の活躍の姿を求めたいです。 小野望調教師 最近被っているという帽子が、とても似合う。 先日大井・東京プリンセス賞を圧勝したグラヴィオーラを、2歳デビューからこの門別で育ててきたのが小野調教師。彼女が大井であのような勝ち方をしたとき、私の頭の中には2歳の時にこの門別で小野調教師から彼女について聞いてきたことがぐるぐると駆け巡っていました。 新馬戦を勝ってそこから連勝して、みたいなエリート路線ではなく、勝ったり負けたり、負けたりしながら地力を強化してきたのがグラヴィオーラ。3戦目に特別を勝った時に「予定通り!」と小野調教師としては珍しく力を込めて話したのを、今でも覚えています。「強くなりましたよね。川崎のローレル賞にこちらから遠征で行った時に減った馬体重の、そのままの体でここまで強くなっているのがすごい。南関東で、そういう鍛え方をしているのでしょう。」 ああ、さすがにこの馬のことがわかっている方の目の付け所だと思いました。私は馬体重まではちょっと気づいていなかったし、数字だけみて「成長いまいち」みたいな評価をする向きもいてもおかしくないところ。小野調教師には、このスケールの体でそこから強くなった姿がイメージ出来るのかも知れません。 船橋・佐藤賢二調教師は、本当に馬を攻めて鍛えあげる馬づくりをすると聞いています(Gchでいつものパートナーの秋田奈津子さまから)。 小野調教師のところで2歳の子どもの頃に地力が培われていたからこそ、バトンタッチのあとの成長につながったとも言えますし、バトンを受けた素材をそこまで成長させた佐藤調教師の手腕もまたすごい。 そして…「馬もすごいけど…何がすごいって『この馬絶対走る!』と信じて、売らずに自分で持って門別から使い始めた馬主さんですよ。」 いまあのような勝ち方をして改めて注目が集まるグラヴィオーラも、ひとびとの信念によってここまで来たのだと思うと、感慨深いものがあります。 小野望調教師の今シーズンは、新馬のデビューが必ずしも順調にはいっていないみたい。成績的にも有力馬の登場という意味でも、シーズンこれからの巻き返しに期待しましょう。 門別なんて、普通の人は気軽には行けない。それは当たり前。 でも、出かけていけば、こうしてひとびとの熱意に触れることが出来ます。 どうしたら、そういう物事が広く伝わるんでしょうね。 いまの私はそれをする立場にないけれど…久々にこの場所の空気の中に身を置いて、思うことがたくさん湧き上がり、あふれ出てきました。 今日は重賞の赤レンガ記念です。
2018年05月23日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週の水曜日、Aiba石狩の競馬イベントを行わせていただきました。 ゲストは、道新スポーツの山田康文さん レースのことだけでなく、馬のこと、馬産地のこと、それらを取り巻く人々のこと。幅広く精通している山田さんの競馬トークは、馬券に興じるおじさんのお客さん方が思わず引き込まれる「おとなの競馬トーク」。 単なる賑やかしではなく、こうしたディープな競馬の話にこそ大きな需要があるということを、お客さま方からのリアクションで感じることが出来ました。 出演を快く引き受けて下さった山田さんに感謝。 そして勿論、イベントを楽しんで下さったお客さま方にも心から感謝。 次回のAiba石狩の競馬イベントは、6月6日(水)。村本浩平さんが登場して、2歳馬に関するトークをしていただく予定です。 今週も北海道に来て、昨日一昨日あたりで、仕事と少し離れたところで北海道内を巡っております。 あの名作映画のあの名シーンを再現したもの 映画のロケ地が昨年リニューアルして生まれ変わりました。 「幸福の黄色いハンカチ想い出広場」 映画の制作秘話や当時の世情などを表現した展示もあります。 北海道もまだ山の方では花の季節。 黄色いハンカチと、花のピンク色のコントラストが何とも言えぬ風景を演出。思わず胸がグッとくる場所でした。 こちらも今年リニューアルされた、炭鉱博物館 これは地下の坑道に再現された当時の様子。写真や資料が展示されている本館の芳は大分スッキリして見やすくなりました。 夕張市街から、南大夕張炭鉱があった山の方へ上がって行くと、程なくシューパロダムの景色を楽しむことが出来ます。人工的に造られたダムからふんだんに流れる水が、この地域に溢れる自然の様を示しています。 ダムの上にある湖・シューパロ湖 北海道では、湖もこんな色だよ…天気が良くてエメラルドグリーンの湖面が光り輝く感じ。まだ遠くの山々は雪を頂いています。 結構夕張で長居したあと、夕方に帯広競馬場 天気が良くて、西の空には茜色の夕焼け イルミネーションの光と相俟ってこんな感じ 3時間足らずしかいませんでしたけれども、久しぶりに生のレースを見て楽しみました。 北海道は、めちゃ暑かったりめちゃ寒かったりしているみたいですが…短い春もそろそろ終わって、暑い夏がボチボチやって来るのでしょう。春の最後にその雰囲気を満喫しました。 さて、競馬の話題はもう1週間近く以前になりますが… 先週木曜日・5月10日に新設重賞「ぎふ清流カップ」が行われた笠松競馬場。 何か私が笠松競馬場に来るときには、天候の神が降りてくるみたいで… この日もこんな素晴らしい晴天 今日のピックアッププレイヤー 兵庫の下原理ジョッキー この日は園田も開催があるにも関わらず、ぎふ清流カップにフセノランで遠征してきました。 私、園田になかなか出かける機会がないので、いつも名古屋とかこことか、園田以外の競馬場で下原ジョッキーにお目にかかることが多いのです。 他場への遠征とか、重賞でご指名がかかって出かけていって乗る、というのも、トップジョッキーとしての証と言えるのではないでしょうか。「他場で乗るのは刺激になるけれど、自場のレースがあるときにはやはりそちらになりますから…。」…と言う言葉も、園田のトップとしての存在感を表しています。「それでも、(エイシンヴァラーで勝った高知の)黒船賞は、他場での経験が生きたレースでしたね。以前高知は雑賀先生などからの依頼を頂いて結構乗せてもらったりもしていましたから。これ以上ない走り方レース運びが出来たと思います。」 思っていたことは、「絶対に内には入れない」ということ。 最後にライバルが内から来たときも「ああ、内に来たな」と思ったそうです。 内からなら大丈夫かなと。 それでもゴールの瞬間は勝ってしまって「あれっ!?勝っちゃった」ってなったそうですから(笑)、本当に多くの物事がかみ合っての勝利だったのでしょう。 自場・園田での活躍については…「いやいや~いつも突き上げを受けてますよ、下から。兵庫の若い人たちは本当に頑張っている。園田は層が厚いので、例えばトップ5人に入るのはとても難しいです。でも、そこに入ってしまえば流れが良くなる。川原さんとかすごいひとが多いので大変だと思うけど、頑張って欲しいですね。」 話を聞いて、園田にもちゃんと取材に行かねば、行きたいと思いました。 外からレースを見ているだけではわからない、そしてもしかしたらそこまでは目立たない「トップ5人を目指すひとびと」の奮闘振りは、恐らく外から見ていても興味深いチャレンジなのでしょう。 残念ながらこの日の下原ジョッキーは4着 次は勝っての話が聞けるよう、楽しみにします。 さて、メインレースのぎふ清流カップ 検量室が1コーナー過ぎなので、レースの写真もその角度から 1周目最初の1コーナー過ぎ 先行で争う3頭を見ながら、3列目の内ラチ沿いに緑の勝負服… 直線でウォーターループが差し切り勝ち ゴールのあとこの写真のあたりで「負けたー」 ハナ差で差されてしまった柿原ジョッキーの声だったのかな…… 見事重賞2連勝! 栄えある「第1回ぎふ清流カップ」の肩掛け ウォーターループを管理する塚田隆男調教師の話「前走のあとテンションが上がらないようにだけ気をつけました。食いも相変わらず良くなくて…。レースは行けなかったけど、いい走りをしてくれました。」 騎乗した友森翔太郎騎手の話「自分は、前回の感触でこう言う(好位で控える)競馬も出来ると思っていました。まだ騎乗は2回目ですが、外に出しての反応とか伸びは前回とは違う雰囲気がありましたね。」 ただ、ふたりとも次走予定の東海ダービーに関しては「強いのがいますからねぇ…」…と、やはりサムライドライブの存在感は大きい様子。「相手が先行馬で、しかも速いですから…スタートの失敗でもない限り、こちらから出来ることが何もない」 と話したのは友森ジョッキー。 東海ダービーは6月5日(火)。 戦況は定まりました。 あとはレースで何が起きるか。 何を起こすか。 サムライドライブだけでなく、他の人馬の動向もこれから本番までの間大いに注目されます。
2018年05月16日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 水曜日は大抵、南関東の重賞開催日。 なので、場外発売所で担当させていただいているイベントも、水曜日に開催することが多くなっています。この5月も、先週がかしわ記念で今週が羽田盃と、大きなレースが連続。私のイベントも2周連続になりました。 先週の千葉県・エフケイバ成田(サテライト成田)のイベント 大型連休期間中 そしてJpn1開催とあって、場内大盛況。 向こうに小さく映っているのが、特設イベントステージ この日のゲストは、競馬キャスターの岡部玲子さん グリーンチャンネルの仕事を始めて、ゼロからスタートした彼女の競馬キャリアももう十数年。 競馬が本当に好きで話して下さる方のトークは、お客さま方にもストレートに伝わります。 あと、予想が当たらなかったときの残念がり方がハンパない(笑)。 この日はいつもよりは少し控えめでしたが(更笑)。 そして私の場立ち予想シーン。どういう話をしていると、こういう格好こういう表情になるのか…全く思い出せません。 それにしても当たらなかった… 話をヒントにして当たったよ、ありがとう、の声は数多く頂けましたが、結論が当たらないんじゃしょうがない(泣)。解説の記者の方々が「予想を当てないと」というのは予想が仕事だからだと思いますけれども、私の場合は予想自体を生業としていない代わりに、予想を喋ったら「客らしく」馬券を買うことを自分に課しているので…。 正味の馬券の成績も残念な結果でした。 次は頑張ろう!! エフケイバ成田にお集まり下さった皆様 本当にありがとうございました。 で、今日は羽田盃。 今度は北海道の場外発売所・Aiba石狩でやります!(大井・門別の本場ではなく、北海道の場外発売所Aiba石狩のイベント情報です) こちらのゲストは、道新スポーツの山田康文さん。 予想だけでなく、レースのこと、馬のこと、馬産地のこと、幅広くお話し頂けるのではないかと思っております。 今日、このブログを目にした近隣の方は、必ずAiba石狩にお越し下さい。 お待ちしていますよ!! さて、大型連休終盤は、東京競馬場に出かけました。 この季節は、東京競馬場のそばにある大國魂神社の例大祭「くらやみ祭」の季節でもあります。 普段は静かに人々が行き交う緑に包まれた参道がこの賑わい 年に一度のこの季節だけ特別の賑わいです お祭りと言ったら、やはり露店 つい頂いてしまった… なんか懐かしい味 大國魂神社の秘宝・大太鼓 こんなの初めて見ました! お祭りをたのしんだあと、住宅街を少し歩くと東京競馬場。 写真を撮ると、いちいち風景が清々しくて… それはお客さま方も集まるわけで。 緑の絨毯も、走り心地が良さそう。 オークス・ダービーももう間近です そのダービーのトライアル・プリンシパルS 古谷さんも注目していたハッピーグリンの挑戦は… 後方から最後伸びは見せたものの、4着… 日本ダービー出場権獲得は、ならず「ダービーに行きたかった」 会田裕一オーナーも田中淳司調教師も口を揃えて言った言葉です。 地方競馬所属馬とはいえ、現実のものとして可能性が見えた一戦。 地方馬だから4着で「惜しかった」ではない、真剣勝負だったことを窺わせました。 まずはハッピーグリンのこれから そしてこの馬の周りで挑戦してきた、ひとびとのこのあと ストーリーは、まだまだ続いていきます。 明日は、笠松にお邪魔してきます。
2018年05月09日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 大型連休も早いものでもう半ば。 地方競馬では主要なレースが次々と行われていきます。 大型連休を前にした先週26日木曜日、笠松では地方交流のオグリキャップ記念が行われました。大型連休の一連のビッグレースの先陣を切る形。 月曜日に大川アナが書いておられるので、私はその「外伝」的な感じで。 前日に嵐のような雨が降ったあと、この日はものすごくいいお天気だったんですよね。この青い空。そして白い飛行機雲。 笠松は桜が有名ですが、こうして見ると本当に緑が多い競馬場。1コーナーの先の検量室側から写真を撮ってみて、こういう景色になるとは思いませんでした。 これはホームストレッチから4コーナーに向かって。向こうの土手の方を走る名鉄電車が丁度やって来れば絵になったのだが…今日はうまくそういう写真を撮るチャンスに恵まれませんでした。 入場門前のオグリキャップ像 写真ダブるけれども、これは外せない…。一応別角度(笑)。 今日は…いや今日だけじゃないのかも知れませんが、この像の前で写真を撮るひとびとが引きも切らず。中にはオグリキャップがわかる世代とは思えぬ若い方の姿も。 オグリキャップの引退レースはもう28年前。亡くなってからでももう8年も経ったんですね。いまはすでに、オグリキャップが走っていた頃にはまだ生まれてさえいないひとびとに向かって、「競馬をやろう!」と呼びかけなければならない時代です。 ひとつには…時が経つのは本当に速い! あとは、直接は見知らぬオグリキャップは、微かかも知れないけれども確実に語り継がれているという事実。オグリキャップという馬に興味を持つ若い競馬ファンが現におられるところをみると、こういう風に時の流れの中に馬や競馬というものが確かにあると感じられます。 だからこそ、こうやってオグリキャップの名前を冠したレースが毎年きちんと行われていることもまた、まさに競馬そのものなんですよね。 スタンドゴール板前あたりの裏手で営業している 「愛馬会」運営のグッズショップ 厩舎まわりの女性方で運営しているこのお店が、草の根で笠松競馬を支える取り組みの拠点。 もともとは競馬場で存廃論議になったときに、競馬関係者で結成した「愛馬会」。今は時代は異なるのかも知れないけれども、危うさは実は大して変わらない。単に声を出すだけでなく、具体的な取り組みで前向きな変化を求めようという活動が、今も脈々と繋がっているということに感銘を受けました。 この場所の競馬がいまも抱える様々なこともまた、そうした活動へとひとびとを揺り動かしているというのも、間違いなさそうです。 「お母さん」と、少し長く話をしました。 そのときのこと、これまでのこと、そしてこれから……。 結構あっという間に時間が経っていたかな。 この日も本当に多くの方がこのお店を訪れていきました。 置いてある商品以上に、そこに集まるひとびとの想いがほんのりと暖かく感じられる場所でした。 さて、オグリキャップ記念も、リポートはすでに伝えられていますので、写真だけ。 コースをまるまる2周するこのレース。1周目の1コーナーではこんな感じで隊列を作ってレースが展開していったのですが… 2週目に入ると早めにエンパイアペガサスが前へと繰り出し、あとは後続を引き離すばかり ゴール後の1コーナー ライバルたちが遙か向こうに小さく見える… 余りの圧勝に、上がってきて岡部誠ジョッキーもこの表情 敗れた側にも、それぞれの表情あり。 レース後この表情でも、敢闘賞! 吉井友彦ジョッキー ヤマニンデリシューで3着 うまくさばいていれば勝ち馬は別として2着はあったと 近年地元笠松調教馬の上位入着が全くなかったオグリキャップ記念での奮戦。「意地は見せた!」 と、アピールしていました。 その心意気や良し、ですね。 今回もそれぞれの戦いがありました。 さて、オグリキャップ記念のあとの最終レースはA級の特別戦。 勝ったのはこちら。 ベルボーム 新馬戦からこの笠松でずっと走る生え抜き。 昨年あたりから勝ち星を量産して、この勝利が15勝目。 まだ重賞は2回しか走ったことがありませんが、ここからはそのような大きな舞台でも活躍が期待される馬になりそうです。 昨年からずっとこのベルボームの手綱を取っている、山下雅之ジョッキー 2013年1月デビュー。厩務員から29歳で騎手に転身という経歴から奮闘を続ける彼。5月1日現在で、通算勝利が185。区切りの200勝が近づいています。 昨年1年間の勝ち鞍が37のところ、今年は3分の1が終わった今の時点ですでに半分の19。勝率連対率でも昨年を大幅に上回る活躍で、注目度合いも徐々に増してきました。「まずはひとつタイトル(重賞)を取りたい」 もしかしたら、今日のパートナー・ベルボームとのコンビでそれを達成する機会にも、これから恵まれるかも知れません。 頑張って欲しいですね。 オグリキャップ記念の笠松 楽しすぎました。 楽しかったので、来週またきてしまうと思います(笑)。 さて、週が明けて一昨日、4月30日には、名古屋競馬場で交流重賞のかきつばた記念が行われました。 大型連休序盤。名古屋競馬場は早い時刻から多くの客様方で賑わっていました。 そんな中、ついにヴェールを脱いだこのひと! レオナルド・サレス ジョッキー ブラジル出身・24歳 これまでにブラジル・サウジアラビア・マカオ・アメリカ・UAEと渡り歩いて、今回が初来日で、この日が日本での初騎乗。「今日は日本で初めてレースに乗る日。これが僕の新たなストーリーの始まりです。」 取材をお願いすると、彼はこんな言葉から切り出してきました。「日本で騎乗するのはひとつの夢でした。日本に親類もいますし、ドバイで日本の馬を見て、是非日本で乗りたいと思い続けてきました。それがまずかなう、素晴らしい日です。」 岐阜県の美濃加茂市にも叔父にあたる方がおられるそうで、東海地区も縁のある方面だとのこと。 この初騎乗の日は3鞍騎乗して5着・2着・4着。 勝ち鞍こそありませんでしたが、先週の攻め馬から評価が高く、今日実戦での騎乗もインパクト十分でした。2着は全くの人気薄の馬を動かしてきて、上がってくると検量室周りの関係者の皆さん方が口々に「すげえな…」と。 馬にはり付くような低い姿勢で、ブレのないフォームが特徴 9R ドナルトソンが下馬評を覆して2着 今日騎乗した感想については、このように話していました。「とても乗りやすいコースで好きです。砂が軽くてキックバックが飛んできてもそれほど痛くありませんし、レースもペースは(アメリカなどに比べ)緩くて、それに対応して乗ることが出来ました。自分は利き手が左なので、どちらかというとアメリカやドバイの左回りより、右回りの方がやりやすいんです。まずは日本の競馬の『ルール』(本人が使った言葉)に早く慣れて、そこから上を目指していきたいです。」 騎手紹介セレモニー 看板を掲げている「にせもののレオ」は、加藤誓二ジョッキー お客さま方へのグリーティング 紹介イベントの最中も「頑張れ」「すぐ勝てるぞ!」などと声が次々と飛び、名古屋のお客さま方の期待感も大きいことが窺われました。 所属となる角田輝也調教師は、レオへの期待感をこんな風に話しました。「彼のような、世界で経験を積んだジョッキーから、今名古屋にいる他の騎手や、私たち調教師など、全ての人が影響を受けることになると思います。彼から色んなことを吸収していきたいですね。」 レオがどういうプレーをするか、ということの前に、彼が名古屋に来たことの意義を私たちが想像していたのとは全く別の視点で話しました。「(彼に関しては)まずこの日本の競馬の様々なことを全部受け入れること。世界中でやってきて、日本の制度とかルールとかしきたりとかに違和感を覚えることもあると思います。それでも、まず日本の競馬を全部受け入れて、その中で彼のプレーが出来ることがとても重要だと思います。技術は間違いないですから、それが鍵になるんじゃないでしょうか。」 レオに与えられた日本での期間は、わずか3ヶ月。 その間に、レオ自身が何を掴むか。 そして、彼の姿がこの名古屋の競馬に何をもたらすのか。 本人、そして角田調教師の言葉に触れて、とても興味深くなりました。 メインレースは、交流重賞のかきつばた記念 勝ったのはJRAのサクセスエナジー 連勝で一気にクラスが上がってきて、重賞初挑戦の今回、一発で結果を出しました。 賞金的に、今後どんなレースを使えるのかがわかりませんが… これからの活躍が楽しみです。 最後にお伝えするのがこちら。 メモリーファルコン この日のB級の特別も勝って11戦全勝 塚田調教師によれば「今日はあまり状態が良くなかった」とのこと。 ゲートの中で後ろに蹴る癖も前回と変わらず見せていましたが、スタートは遅れることなくあっさりの逃げ切り勝ちでした。 このあとは、あくまでも状態を見ながらになりますが、ようやくA級のレースを使っていくそうです。まだ危ういところはある馬ですが、課題を克服して大きな舞台で結果を捕れる馬に成長してくれれば、名古屋のスターホースになれる素養は十分にありそうです。 名古屋でも、馬や人々と過ごす時間を楽しむことが出来ました。 今日はエフケイバ成田での岡部玲子さん出演イベント。 これから夜まで成田で、多くのお客さま方とご一緒にかしわ記念を楽しみたいと思います。
2018年05月02日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 春が来たと思ったら、もうこの週末からはあっという間に大型連休。 大一番のかしわ記念(船橋)まで、あと1週間になりました。 船橋本場でも1週間の開催期間中、山ほどイベントが組まれて盛り上がるみたい。 船橋の場外であるエフケイバ成田も、負けてはおりません!!(船橋本場ではなく、千葉県の場外発売所・エフケイバ成田のイベントです) トークショー、たっぷりとお話し頂きますよ。 まさにタイトル通りの「過ごす夕べ」みたいな感じで、お客さま方と一緒に盛り上がっていければと思っています。 本場もいいけど、エフケイバ成田(サテライト成田)にも是非足をお運び下さい。 さて、今日の話題はJRA関係。 東京競馬場で試験的に、こういう取り組みが始まっていることはご存じでしょうか? スマッピー投票(パンフレットです) 競馬場に出かけた際、慣れた方でも何かと手間のかかるのがマークシートの記入。 この「スマッピー投票」は、買い目の決定をマークシートではなくてスマートフォンの上で行ってもらうことで、馬券を購入する際の手間を軽減しようというものです。 現在は東京競馬場だけの施行ですが、少しずつ拡大していく予定とのこと。 私も、先々週のパークウインズ東京競馬場で実験してみました。 こんな感じで、ネット投票とほとんど同じインターフェイスなんですよね。 お金のやりとりは最後に券売機で行うので、入金とかなんとかのお金の部分をそっくりなくした感じですね。 馬名も出ますしオッズも出ますから、マークシートにマークしていくよりも、断然わかりやすいし、間違えにくいんですよね。 買い目が完成! あとはワンタッチで… 馬券購入用のQRコードが画面上に出来上がります。 いっぺんにマークシート7枚分相当が、ひとつのQRコードにまとめて生成されるらしい。 あとはこれを持って券売機へ行くだけです。 スマッピー投票対応投票機 従来のマークシートも、スマッピー投票も、どちらも利用できます。 券売機にまずお金を入れると、「QRコードをかざして下さい」と表示。 写真左端がQRコードをかざすセンサーです。 かざすと、先ほどスマホ画面で確認した買い目の馬券が、どんどん出てきます。 使ってみると、全然こちらの方が楽ちんです。 あっという間に馬券が買えた。 っていうか、買えてしまった。 〆切間際に買えてしまって、軸馬の7番4着…(泣) ま、当たることもあるよ、いずれ。 何か新しい賭け式の馬券が買える、とかいう変革に比べると、地味に映るかも知れませんが… これ、画期的な技術革新なんじゃないかと、私は個人的に思っています。 例えば、ビギナーズセミナーなどの初心者教室を担当してきた経験から言うと、年配の方にマークシートは辛い。紙の上のどこを塗るのかで、例えば枠じゃなくて文字の上を塗ってしまったり、あるいは枠がよく見えなくてきちんと塗ることができなかったり…。そんなことは、現場では普通に起きています。わたしですら、マークシートは最近目には厳しいですから。 そんな年配の方でも、最近は表示の大きいスマートフォンは持っている。ネットで調べ物ぐらいはしちゃう方も増えています。そういう方には、スマートフォンの上で物事が確認しながら進められるなら、安心感もあるはずです。 まだ若い方でも、マークシートの塗り間違いは日常的にありますよね? スマッピー投票は買い目を作る段階でも、最後の確認段階でも馬の番号や名前で直接目で見て確認出来るところに、マークシートとは比べるべくもない便利さがあります。 私が試したときにはまだパークウインズで入場者も少ない状況でしたが、東京競馬場に開催が移ってどのぐらいのお客さま方が試していますでしょうか。 東京競馬場を訪れる機会があったときには、あるいはいつも行く競馬場にこのスマッピー投票が導入されたときには、是非とも一度利用してみて下さい。
2018年04月25日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週も、昨日17日火曜日に名古屋競馬場に出かけてきました。 朝から低い雲に被われた空。いかにも天気悪そうな感じ。 午前中は何とかもって、昼過ぎにザッと来たあと一度止んで、また面レースの前辺りから本降りの雨。先週が気持ちいい陽気だっただけに少々残念ですが…まあ天気のことは仕方がありませんよね。 雲が低っ! そんな中でも、馬も人も今日も頑張っていました。 今回も、名古屋競馬のひとびと。 まずは先週ご紹介したこのひと。 村上弘樹ジョッキー 通算200勝のカウントダウンは、先週火曜日が不調で勝ち星がなく、結局先週の開催4日間で3勝。 あと3で迎えた今回最初に血の今日は2勝の活躍で、区切りの勝利にリーチとなりました。 おかしいな…私が名古屋に行くと、誰かしら区切りの勝利は達成される傾向にあるのに(笑)。 実は、昼の3Rで超惜しい2着になったあとで話を聞いたところ、「今ので勝っていれば今日200勝もあったかも知れませんが…」と、残念そうな表情。 結果的にはその言葉通りそのあと2勝で、昨日17日の時点ではリーチまでで終了しました。 今日18日のレースが始まる前にこの稿を書いていますが、この開催で是非とも達成して欲しいところです。 親子鷹ツーショット。お願いしたら並んで撮影させて下さいました。 今津勝之調教師(右) 今津博之調教師(左) ずっと長くこの世界で頑張って来ている勝之調教師と、調教師の仕事ぶりの変化とか、馬主の方々との関係性の変化とか、そんな話をしているところに博之調教師も登場。「昔と違って馬集めも大変になったけれども、昔ながらのおつきあいで馬を預けてもらっている馬主さんも、いまでもいますよ。もう20年来預けて頂いている有力馬主の方で、直接お目にかかったのは2,3回だけとか。」…と、父・勝之調教師。 そう言うのって、ひと言で言って「信頼感」なんでしょうね。 いまの人付き合いが「信頼感」をベースにしていないというわけではありませんけれども、その辺りのひととひととの距離感は競馬の世界に限らず、恐らく昔よくあった関係性とは大分変化しているはず。 その中で「いかに馬を預けてもらうか」という調教師の仕事の中身も、変化しているのかも知れません。「例えばネットオークションのように、馬主の方の競馬の楽しみ方も変化していますからね。」…と語る勝之調教師は、その辺りの世の中の変化も敏感に感じているようです。 名古屋競馬の中で「時代」をつないでいくこのお二人。 それぞれの話が興味深く感じられました。 メインレース近くになって行き会ったのがこの方。 池田敏樹ジョッキー メインレースへの意気込みを短く「虎視眈々」…と答えて準備へと向かっていきました。 ごめんなさい。中途半端な写真で… この日はリボースに騎乗しましたが、残念ながら敗退。 福山の時代から積み重ねてきた勝利数が、あと10で1000に到達します。 その時には、また思いも話してもらえるかな…。 この日注目したのは、この方でした。 友森翔太郎ジョッキー 取材は昼の段階で話を聞きました。 メインの東海クイーンカップでは、ウォーターループに初騎乗。 この中間は調教にも騎乗していたそうです。「牝馬らしく神経を使うところがある馬だと感じました。時々出遅れてしまうのは、そういうところも影響があるのかも知れません。レースに行ってそこがどうなのかわかりませんが、今日はまずスタートを決めたいですね。」 調教の段階で一定の感触は掴んでいる様子。 昨年はメモリーミラクルでこのレースを勝つなど、初重賞を含めて重賞3勝。勝ち鞍としてもかつてない活躍をした友森ジョッキー。「去年は、自分でも活躍できたと思っているので、今年はそれを上回ること。あとは、勝ち鞍とか重賞とかより、一戦一戦反省しながら、ミスなく、チャンスを逃すことなく乗っていくことを心がけています。」 いまようやく感じ始めたジョッキーとしての手応えを、確かな形にしたい。 そんな気持ちが感じられました。 さて、迎えるメインレース。 今日のメインレースはこちら。 グランダムジャパン3歳シーズンの第4戦・東海クイーンカップ(1800m) シリーズひとつ前のル・プランタン賞からわずか9日、この週末には水沢でシリーズ第5戦の留守杯日高賞が行われる日程でしたが、3月当地の若草賞の勝ち馬・レコパンハロウィーがル・プランタン賞からここに転戦。新興勢力も含め興味深い対戦になりました。 最後の直線。レコパンハロウィーが追いすがるものの差が縮まらず。 ウォーターループが独走 友森翔太郎ジョッキーのインタビューの模様は、名古屋競馬HPからYoutube動画でご覧頂けます。「食いが細いので、そこが課題」とレース後話したのは、管理する塚田隆男調教師。 次走は5月10日に行われる笠松の新設重賞のぎふ清流カップ(SP1)。そこからは「ダービーは、行くでしょ。やはり」 東海3歳馬戦線は、サムライドライブ一色のムード。 そこにまた改めて挑戦状が出されました。 まだまだこれからの戦いの流れから、目が離せません。 いやしかし…昨日は降りましたね。雨… 今日からの開催のこり3日間、速い馬場になりそうです。
2018年04月18日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週も名古屋競馬場の話題。 先々週咲き誇っていた1コーナーの桜も、いまはもう緑に包まれました。 天気も良くて気温も上がり、雰囲気は初夏の感じです。 場内の木立の緑がまぶしい 名古屋競馬は、新年度に入って最初の開催。 どこの会社でも同じでしょうけれども、競馬場でも人事異動や新人さんの加入などがあり、いつもどおりの競馬の流れも、何だか少しだけフレッシュというか、ざわざわしているというか、そんなこの時期らしさを感じます。 年度初めなので、競馬が始まる前には関係者が参列しての「馬場清め式」が行われました。(写真は主催者からご提供頂きました)(写真は主催者からご提供頂きました) やはりまずは安全あっての競馬。 同種の儀式はそれぞれの競馬場で行われているでしょうけれども、改めて季節の節目を感じる光景です。 さて、レースの話。 昨日はこのレースが行われました。 東海桜花賞(SP1) 他場とは異なり、古馬の牡牝混合の1400m戦です。 名古屋のエース・カツゲキキトキトが昨年に続いて参戦。 賞金もあるので例年他地区からの参戦もあり、今年も戦前から興味をかきたてておりました。 メインレースの話の前に、「今日のひとびと」 っていうか、今回は取り上げるのはひとり。 ブレイク中! 村上弘樹ジョッキー 今年3月までが終わったところで、早くも30勝に到達。勝率が17%超え。 昨年が1年間で61勝の勝率10%でしたから、彼としては相当のペースで勝ち鞍を量産していることがわかります。「以前より落ち着いて乗れるようになったと思います。レースの中で良くない形になっても、そこからの切り替えとかですね。」 結果だけでなく、騎乗ぶりが評価されれば、自然と騎乗馬もついてくる。 騎乗数も増えているようですし、彼なりのプレーを続けて行った結果、仕事のいい流れが出来ているのでしょう。 ただ残念ながらこの日はチャンスが大きいと思われる馬への騎乗が幾度かありながら、勝利なし。 笑顔は次回にお預けになりました。 昨日10日終了時点の数字で、あと6勝で200勝の区切りが待っています。 時系列としては前後しますが、今日はメインの重賞のあとにも是非とも注目したい馬が出走していました。 メモリーファルコン 牡4歳 父スマートファルコン 母メモリーアフリート デビューから9戦全勝で、この日Bクラスの特別線に登場しました。 兄のメモリージルバ(父キングヘイロー)は重賞も勝っている古豪。この日もメインの東海桜花賞に出走して5着と存在感を示していました。 弟のメモリーメディア(父エスポワールシチー)もすでに4勝と3歳馬戦線を賑わわせています。 種子骨の結構重篤な故障に見舞われたことがあるというメモリーファルコン。 競走馬としての危機にこの馬が立ったとき、この馬の素質に惚れ込んでいた塚田隆男調教師が「頼み込んでやらせてもらって」(塚田調教師談)いまこのような活躍を続けています。 2歳時には、デビューから2戦ぶっちぎりの連勝で、無事なら3歳のうちに大きなところを撮れたはずだと。 大きな故障の影響もあり、常に細心の注意を払って調整されて、一歩ずつ階段を上がってきました。 この日も今井貴大ジョッキーを背に圧勝! これで無傷の10連勝「ゲートの中で、ずっと蹴っていた。出は良かったけど、これは何とかしないと。」 ゲートから帰ってきてバスを降りた塚田調教師は、ホッとした表情を浮かべながらも目の前で生まれた次の課題に思いを巡らせていました。 体の様子だけでなく、メンタル面にも注意を払いながら調整していかなければならない難しさ。素質があればただそのままレースで結果を出せるわけではないという、競馬というものの難しさを感じさせます。 今日の勝ち振りで、無事に調整できれば「飛び級」も考えて行くとのこと。 メモリーファルコン。 重賞戦線でこの馬の姿を見るときもそう遠くはないのかも知れません。 さて、レースひとつ戻って、メインの東海桜花賞。 本質的には向かないと思われる1400mで、昨年はトウケイタイガーのスピードの前に屈したカツゲキキトキト。今年このレースに再登場して、そのレースぶりが注目されていました。 最初の1コーナー 中団の外目。11番がカツゲキキトキト 昨年と違い、1コーナーから 楽々と先頭でゴール ゴールしたあとも、ポルタディソーニ(1番)とインディウム(3番)を従えるように悠々と私たちの目の前を駆け抜けていきました。 勝ったあとは、恒例のお客さまとの触れあいタイム お客さま方が集まり、キトキトの姿をカメラに収めていました 大畑雅章ジョッキーのレース後のインタビューの模様は、名古屋競馬公式HPからYoutubeにアップロードされている映像をご覧下さい。 野々垣オーナーに頬を寄せる、レースのあとは可愛いキトキト 馬の右側に映っているのが錦見勇夫調教師 レース後、錦見調教師から注目の今後のカツゲキキトキトの路線について、言葉が出ました。「これで決めました。ここのレースを使います。」 ということで、次走は4月30日(月休)に名古屋競馬場で行われる交流重賞・かきつばた記念(1400m)と発表されました。「負けた去年よりも走りは良かったし、成長している。いまのところは調子の波も本当に少ない馬で、うまく乗ってくれればいい競馬になると思います。」 この冬は蹄の不安で予定通りにはレースを使っていけなかったカツゲキキトキト。ただこれも重大なものではなく、自分で引っかけて傷がついたところが少し悪化した程度で、注目されるキトキトでなければレースを使うことも出来たレベル、とのことでした。 早い時期から活躍しているのでそんな気がしないのですが…まだ5歳です、キトキト。 これからまだ強くなって、今度こそ念願のダートグレードのタイトルを取ってもらいたい! 今日の1400mでの強さに、期待感は嫌が応にも高まります。 繰り返します。 カツゲキキトキト、順調ならば次走は4月30日の名古屋かきつばた記念です。 来週、もういっぺん名古屋に出かけてきますね。
2018年04月11日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週名古屋から帰ってきたあとも、ドバイからのJRA大阪杯で、結構競馬に触れていたんですよね。 でも…ブログで取り上げられるようなネタがない。 土曜日 JRAの競馬とドバイのレースの検討準備 二刀流の図 週末、ドバイがあった分、何だかとっても慌ただしく、また充実していました。 予想は「いい線」どまりでひとつも当てられなかったのが残念…。 また次今月末の香港で頑張ります。 さかのぼって、ちょっと以前のことになってしまいますが、名古屋大賞典(Jpn3)を見ていたので、その話も少し書いておきましょうか。 3月29日(木)の話ですね。 安定の 肩掛けパドック展示 この日、最初に出会った馬はこの馬でした。 マルカセンリョウ 今回も名古屋競馬場に来場し、誘導馬を務めました。 今年20歳だというマルカセンリョウ 名古屋大賞典を勝ったのは、もう15年も前のことです。 こうしてお顔を拝見すると、いい意味で時の流れも感じさせるいいお顔です。 一日の誘導馬業務の前の準備運動 動きも軽快そのもの こう言う馬にまた会えるのは、嬉しいことですし、有り難いこと。 年齢を考えると、いつまでこの元気な姿を見ることが出来るのかわからないけれども…いまこうして一日を共に過ごせることが、競馬が続いているということへの感謝に繋がっています。 名古屋競馬場名物のヤギさん 開催中は競馬場の一角でこうして私たちと一緒に遊んでくれます 独特の可愛さがあるヤギ このユルい雰囲気がわるくない あ、起きた!! ついつい競馬場にいると言うことを忘れて、仕草をじっと眺めて時を過ごしてしまいます まいまい こと 神田舞さん卒業式 仕事の時も、本当にめっちゃたくさん、きちんと話すひと 最後もあふれる気持ちを全部言葉にしていました この人がいなくなるのは残念 さて、名古屋大賞典は… サンライズソア パドックでは意気盛ん ごらんのように結構「重装備」なんですよね。 馬を扱うスタッフの皆さんの工夫と努力が伺えます レースでは少なくともメンコとパシファイアは外していました 馬場に出て行くのも先出しでこんな感じ 正直、傍で見ていてちょっと心配になるんですけれども… レース1周目 スタート直後に落馬した「から馬」がいて、2周目1コーナーに入るときに影響を受けそうになったけれどもあとは上手に走っていたとのこと。 レースに入ると、レース前に見せていたようなうるさい面はあまり見せないそうです。 見事重賞初制覇! レースが終わって、口取りってなると、また人々を手こずらせていました。 河内洋調教師によると「年末ぐらいまでには、G1でやれる馬になればいいと思う」とのこと。 まだ若い馬。ここからじっくりと育て上げられていくことになるのでしょう。 ミルコ カッコイイ! 勝利ジョッキーインタビューの模様はこちらからご覧下さい。 新年度の名古屋競馬は、4月10日(火)から。 その10日からいきなりSP1の東海桜花賞が行われます。 次回はその東海桜花賞をリポートしますね。
2018年04月04日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日は名古屋に来ています。 安定の、パドック肩掛け展示。 今日は地元デビューの3歳馬戦「中京ペガスターカップ」 今日は雲ひとつない晴天 たぶん天気予報通り、夏日(25度以上)になったでしょう。 暑い!! 1コーナーの向こうの桜の木。 東京都内の桜は咲いたり咲かなかったりまばらな感じだったのですが、満開が宣言された名古屋の桜は目一杯に咲き誇っておりました。 さて、今日の名古屋競馬場の「ひとびと」 笠松の東川公則ジョッキー 息子さんが騎手を目指して那須の地方競馬教養センターに入所中。 開催があいていたので、週末に出かけて様子を見に行ってきたそうです。「入所する前にすでに馬に乗ったり厩舎作業を手伝ったりしていましたからね。そういう意味では大丈夫だと思います。ただ、レースは全く別ですからね。騎手になってからの努力の積み重ね、これしかないでしょう。」 エールを送るというよりも、まだまだこれから、という雰囲気で話してくれました。 やはり、息子さんと一緒にレースで乗りたいですか? と尋ねると… これが意外なことに「うーん…」という返事。「将来のことをむしろ色々考えるようになりましたね。もうじき50歳にもなりますし。一緒に乗る、というのもそうなんですけれども、何かサポートしてあげたいなと。例えばいい馬を作ってそれに乗せて勝たせてやりたいな、とか。」 それって、調教師ってことですよね…。「調教師とか、いままで全く考えてもいなかったんですけれどもね。的場さんじゃないけれど、どこまで乗って頑張れるか、っていう感じだったんですが…いまはそういうことも含めて色々考えるようになりました。」 人生、色んなきっかけがあるもの。 大きなチャレンジをしている息子さんに、東川ジョッキーの人生のあゆみ自体も大いに刺激を受けているようです。「息子には負けないように頑張ります!」 最後にはいつもの笑顔でそんな風に話していました。 馬場入場の前の検量室脇でのひとコマ。 右が井手上慎一調教師 左は末永厩務員 馬が馬場に出て行ったあと、リードの馬へのかけ方についてあれやこれやと「井手上学校」 末永厩務員は、まだこの道に入って2ヶ月とのこと。 会社員をやめて馬の仕事を始めたんですって。 リードひとつ取ってみても、「こうしたらいい」「こうやったら間違いない」っていう扱い方があるみたいなんですよね。それを一つひとつ丁寧に教わっていました。 熱心な調教師の下で、一つひとつこうして細かい物事も憶えていけば、馬の扱いもレベルアップしていくはず。普段私たちは騎手のように目立つところしか意識しないんですけれども…こういう人々の仕事があって馬たちの活躍があるということを改めて思いました。 次に行き会ったのはこちら。 あれ?この人も笠松だ。 安定の、佐藤友則ジョッキー。騎乗前の準備はリラックスムード 今日はJRA交流競走でJRA所属馬の依頼を受けて騎乗。 明日の交流重賞・名古屋大賞典でも、JRAのモズアトラクションに騎乗します。 さぞかし気合いが、と思いきや「いやいや、若い頃とは違いますから。むしろリラックスですよ。力入れてもあまりいいことないし、それで失敗もしてきたし。」「他所の競馬場に行って乗るというならまた違いますが、準地元でいつも乗っている競馬場ですから。馬のことだけあれこれ考えればいいので、むしろ気持ち的には楽です。」 馬の方も上げ潮ムードでの重賞挑戦。 鞍上もこんな感じで、いい雰囲気。 明日はやってくれるかもわかりませんよ! 神田舞さん 2年間かな? ネット配信や場内イベントで名古屋競馬を伝え続けてきました。 明日の場内イベントが、ラストステージ。 この人、「競馬アイドル」って自己紹介するんだけど…普段の彼女の話やグリーンチャンネルの「競馬場の達人」をご覧になった方はおわかりの通り、競馬に関してはもはや「アイドル」とは言えないぐらいガチで取り組み、他場に類を見ないほど詳しく馬のことや騎手調教師のことを伝え続けてくれました。 正真正銘「名古屋競馬の語り部」だった彼女。ご卒業は残念です。 卒業式、みんなで送り出してあげましょう!! ラストの予想イベントは15時15分からです。 さて、メインレース。 この馬が出てくればね…… 8戦8勝 サムライドライブ 直線楽々と後続を突き放し 独走 ゴール後 丸野勝虎ジョッキーもホッとした表情 インタビューは、名古屋競馬公式のYoutube映像をご覧下さい。 レースをずっと使ってきたこの馬の現状を「低迷期」と語った角田輝也調教師。疲れも蓄積してくる中で、この馬のリズムを保ち、また成長を促すためと、今回このレースを使った理由を話しました。 とにかく目標は東海ダービーを勝つこと。これだけの馬に取り組むプレッシャーを率直になく語りつつ、「一日一日を楽しんで行きたい」と、この日集まったサムライドライブのシェアホルダーの皆さんに話していました。 レースのあとのシェアホルダーの皆さんとの懇談の風景 競馬場にお集まりになれない方々も含めてシェアホルダーの皆さんの気持ちと、角田調教師や丸野ジョッキーたち馬の周りのスタッフの皆さんの気持ちがひとつになって、大きな目標に向かっているという「エネルギー」を感じることが出来ました。 無事に行けば、次走は5月2日の駿蹄賞。 そして東海ダービーは6月5日です。 あおなみ線の駅前で見た夕日 さあ、明日はいよいよ名古屋大賞典。 皆さんご一緒に楽しみましょう!!
2018年03月28日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 暖かさと冷たさが交互に来ながら、春が近づく軽輩も漂う今日この頃。 日曜日に、グリーンチャンネルに出勤するときに、近隣を少し歩いてみました。 ビル群に囲まれた水路 クルーザーが回遊を楽しむ 「春のうららの」隅田川 季節には川べりが花いっぱいになります。 ビルが建ち並ぶ中州のような場所が佃地区 週末時点では、このように「あと少し」というところまで来ていた花のつぼみですが… 今日は冷たい雨&雪、だったんですよね、関東地方。 今週はまた寒さが戻ってきていますから、春の訪れも一歩後退といったところでしょうか。 本番の春到来が待ち遠しいですね。 さて、ここからは競馬の話題。 水曜日、先週今週(今日)と2週連続で、場外発売所のイベントにお邪魔してきました。 先週の水曜日は船橋・ダイオライト記念当日。船橋の場外発売所であるエフケイバ成田で、トークイベントを開催させていただきました。 こちらのイベントは、専門家である競馬記者の方を招いてのトークイベント。 秋田麻由子さん(スポーツニッポン) 現在は主にJRAを担当しておられますが、元々南関東の担当が長く、地方競馬や海外の競馬にも精通。予想だけでなく競馬トークも楽しいお話でした。 予想も含めて「競馬の楽しみ方」なら私でもわかるのだけれど、厩舎周りの人物像なんかはやはり取材に入らなければわかりません。専門家の方の話は、予想もさることながらそうした競馬そのものの話にものすごくリアリティがありますし、お客さま方もそうした話には素直に反応して下さいます。 私なんかは、どちらかと言えばお客さま方の側の人間ですからね。 解説者の方の話はお客さま方と同じように興味深いし、参考になります。 大人たちが熱狂する、大じゃんけん大会 景品は、愛知県出身の秋田さんにちなんで「名古屋のお土産」 名古屋銘菓やきしめんなどがプレゼントされました。 船橋競馬ではこのあともマリーンカップ(4月11日)やかしわ記念(5月2日)と大きなレースが毎月続きます。その場外発売所であるこのエフケイバ成田も、その5月までは船橋の重賞日程に合わせてイベントが行われます。 まだこの場所でのイベントは始まったばかりなのだけれども、この日も「イベントがあるから」と情報を仕入れて、それを楽しみに来て下さった方もいらしたぐらいで、反復していくことによりお客さまがこの場所を訪れるきっかけとして徐々に定着していくのでしょう。 今日は、北海道の場外発売所・サテライト石狩でのイベント。 広いひとつのフロアで競馬だけでなく競輪もオートレースも発売しているこの場所。今日はビッグレースが全ての競技で重なる日程だったので、イベントも「3競技合同」 競馬はいつものように坂田が予想。 当たらない… 同じステージで、オートレースの予想 予想してくれるのは照沼杏菜さん 彼女はちゃんと予想当たる! サテライト石狩の競輪アドバイザーのおふたり 元選手の西村康弘さん(左)と荒井正弘さん 松山の決勝の予想が展開ズバリで好配当的中! 結局、私だけ予想当たってなかった… 景品山盛りのガラポン抽選会 夕方までにおよそ1000本の抽選が出ました イベントの最後は、こちらもお約束の大じゃんけん大会 こうしてお客さま方の盛り上がりの中に身を置くと、つくづく思います。公営競技に携わっていて良かったなって。だって掛け値なしに楽しいですから。 言ってしまえば、所詮賭け事なんですよね、公営競技。 でも、それがあるから、こうして人々が「実に健全に」いっときの楽しみを味わうことが出来る。 単にレースに賭けるという楽しみだけでなく、日常から離れみんなで集まってこの場所で過ごすこと自体を楽しむことが出来る。 なんだかとてもかけがえのないもののように、改めて思えました。 また、こうした機会に皆さん方と集まって、楽しみたいな。 先週も今週も、心からそう思える水曜日のひとときでした。
2018年03月21日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日は予定通り、名古屋競馬場に出かけることが出来ました。 安定の、パドック重賞肩掛け展示 本当に雲ひとつない青空。 明け方までは気温がそれほど上がっていなかったみたいですが、日中はもう完全に春の陽気。 そのおかげもあってか、平日でも結構なお客さま方の入りでした。 メインレースのパドックの風景 では本日のトピック。 時系列的には順不同です。 まず、私が名古屋競馬場に出かけたときには「お約束」とも言える、区切りの勝利ネタ。 柿原翔ジョッキーの地方通算1000賞セレモニー よく見ると、集合写真に柿原ジョッキーがふたり… ひとり、にせものでした(笑)。 目元を隠していますが、バレバレの佐藤友則ジョッキー。 メインレースが、グランダムジャパンの全国交流重賞ということで、馬も人も遠征でやって来たところに目が行きますね。 ホッカイドウ競馬 岩橋勇二ジョッキー グランダムジャパン 2歳シーズン女王のエグジビッツに騎乗 周囲の状況で門別競馬場には行きづらくなってしまったけれど、ホッカイドウ競馬メンバーに各地の競馬場で会えると、いまでも何だかホッとするんですよね。 ホッカイドウ競馬の馬たち、あちらこちらに登場もしますし。 名古屋で会えるというのも、何かの縁。「いくら木馬とか攻め馬とか乗っていても、やっぱり実戦は違います。」 シーズンオフがあるホッカイドウ競馬にいれば、それは宿命みたいなもの。さすがに久しぶりの実戦は体に堪えるところもあるようですが、そこはさすがプロです。エキストラ騎乗も含めて今日は3鞍。しっかりと仕事をこなして、メインレースのあとは足早に北海道に帰っていきました。 また今日から攻め馬。そして明日はいよいよ、今シーズン最初の2歳馬の能力検査です。 門別のシーズン開幕も間近。「リーディング? そうですね… 頑張ります!」 相変わらず、自分から大きなことは言わない男です。 でも、今年はきっとまた例年以上の存在感を示してくれるのではないでしょうか。 次はこの方 金沢の青柳正義ジョッキー 今日は兵庫所属のトゥリパに騎乗「急に電話かかってきて…(笑) 全くのテン乗りです。頑張ります。」 こういう縁も、休催期間中に積極的に他場に出向いていればこそ。 園田で過ごした1ヶ月半についても話を聞きました。「一番印象に残ったのは、『タメて乗る』っていうことでしょうか。金沢とはレースが違いますから。体の使い方も、意識も、あらゆることが勉強になります。やはり機会があったら乗りに行くべきですね。」 これまでもシーズンオフに笠松などに出かけたことはあったそうですが、園田は初めて。感じるところが多いにあったようです。 少し遅くはなりましたが、まもなく4月1日にシーズン開幕となる金沢での新たな活躍を誓っていました。「リーディングを狙いたいですね。他には、あと140勝つと800勝になって南関東に行ける数字になりますから、それを早く達成したいですね。」 現在656勝。一つひとつの積み重ねで、目標に近づいていくシーズンになるのでしょう。 さて、メインレースの若草賞は、グランダムジャパン・3歳シーズンの開幕戦 最初の1コーナー 逃げると思われたウォーターループがまさかの立ち遅れで先団にいない… 予想外の展開 結果的には前後半イーブンのラップだったんですが、外に出した馬たちがどんどん追い込んで来て大混戦。とりわけオレンジの帽子が一頭、外からまったく違う脚色で突き抜けてました。昨年のタッチスプリントと似たような、後方から最後に一気! レコパンハロウィー 重賞初制覇 門別にいたときにはまだそこまでの戦歴はありませんでしたが、そこで培ったものも含めて、強くなってきたのでしょう。 騎乗していた大山真吾ジョッキーも、レース後この表情(囲み取材での大山ジョッキーの話)「今日は(前回名古屋に来たときと違って)差しが決まっていたので、いい馬場だなと思っていました。ずっと使っているんですけれども、体調は数段いい感じ。レースも赤岡さん(ミネオラチャン)をマークする形で、いい感じだなと思っていました。いつも3コーナーあたりまでは真面目に走らない馬ですが、そこからエンジンがかかったので、いつも通りだなと。直線半ばでは届くな、という感じがありました。末脚はいいものを持っているので、それに磨きがかかればと思います。」 大山真吾ジョッキーも、好プレーでした。 最後にお知らせ。 もう今日の話で恐縮ですが…。(千葉県の場外発売所 エフケイバ成田のイベント情報です) ナイター開催の船橋・ダイオライト記念、スポーツニッポンの秋田麻由子記者ご来場です。 先月の場立ちトークイベントでは、私が予想を披露してさんざんの結果、でしたので、秋田さんに来ていただくことにしました。マジで。 成田界隈、お近くの方々、明日のダイオライト記念は是非ともエフケイバ成田でご一緒に楽しみましょう!
2018年03月14日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 まだ季節は行ったり来たりではありますが… 春本番は着々と近づいてきている感じがしますよね。 隅田川 もう少しすると、両岸がピンク色の花で染まります。 いいお天気の中で景色が霞んで、春が近づいてきていることを感じさせます 寒緋桜 一足早く鮮やかな色でアピール 競馬場の風景は、今回は阪神競馬場。 土曜日に桜花賞トライアルのチューリップ賞を取材しに行きました。 この日一番天気が良かった昼休みに取った写真。 季節がひとつポンと飛んで進んでしまったような空の色と雲の筋 この景色だけ見ると、何だか競馬場とは思えませんねぇ スタンド内の賑わいから離れて、この場所はのんびりした時間が流れていました。 この写真の左の方はもうすぐコースなんですけどね。 阪神競馬場は、都市部にあるように思えて実は意外と周囲は山に囲まれ、景色の気持ち良い競馬場です。芝の緑色とのコントラストも鮮やか。コース際では大きなカメラを構える方々が多くいらっしゃいましたが、きっとこの日はいい写真が撮れたのではないでしょうか。 コンデジで取ってる私の写真もこれだけ気持ちよさそうに撮れてしまうのですから。 3月最初の週末と言うことで、この日は新人ジョッキーデビューの日。 今年のJRAの新人は3名。ほかに小倉と中山に別れてデビューと言うことで、この日阪神でデビューしたのは一人だけでした。 この日の1Rに早速登場! 残念ながらデビュー戦は着外…「模擬レースとは、ペースも頭数も、何もかもまったく違いました。こんなに違うのかと。」 レースのあと、西村ジョッキーに話を聞いての第一声でした。 当然と言えば当然なのですが…プロとしての第一歩を踏み出すデビュー戦で、大いに感じるものがあったようです。「1頭でも多くの騎乗、1つでも上の着を目指してやっていきます。」 翌日曜日には見せ場のあるレースもしていましたし、まず最初の1勝は近々掴んでくれるでしょう。 実は、新人ジョッキーのデビューがあったにもかかわらず、朝一番の話題をさらったのはこの人たちでした。 新規開業の武幸四郎調教師が、初戦で初勝ち。 騎乗していたのが兄・武豊騎手ということで、プレスの集まり方がすごかった! 春はやはり、何かと話題には事欠かない季節でもあります。 周囲のフィーバーをよそに、私は次の取材ターゲットへ。 2Rのカフジフェニックス 直線追い上げて5着 乗っているのは、名古屋の柿原翔ジョッキー 前日の名古屋で通算1000勝を達成。 翌日のこの日は特指競走騎乗のために阪神に来ておりました。「時間がかかりすぎました…先輩たちはもっと勝っているし。」 1000勝達成について水を向けると、帰ってきたのはこんな答えでした。「騎乗する度に、反省の連続です。あと一完歩我慢すれば…とか、その都度思い反省することはたくさんあります。」 1000勝への「産みの苦しみ」も少々味わっただけに、自らの今の仕事振りに対しても思うところがあるのでしょう。「これからか…そうですね、とにかくレースのあとの反省を減らしたい。勝っても反省することはありますから。」 デビューから15年。この4月で33歳。 仕事について思いを巡らせながら、これからが本当のピークを迎えるべき時でもあり、また正念場を迎える年かさでもあるのかも知れません。 私はその人生の「いい季節」をとっくに過ぎてしまっていますが(苦笑)、彼の言葉に感じるところはありましたね…むしろこれからの彼のあゆみに、注目していきたいです。 来週の火曜日・13日(重賞の若草賞当日)には、名古屋競馬場で1000勝達成のセレモニーがあるそうです。ご来場の方は是非セレモニーにもご参加いただき、柿原ジョッキーにご声援をお寄せ下さい。 この日はほかにも… 川島信二ジョッキー 300勝達成! 本当に、話題が多い一日でした。 メインレースのチューリップ賞の結果は、皆さんご存じの通り。 女王様ご近影 強すぎるー 春が一層楽しみになるパフォーマンスでした。 春本番を間近に感じる、競馬場での一日でした。 来週は、名古屋競馬場に行って来ますね!
2018年03月07日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日、太田アナが書いていたばん馬の調教、私も一緒に行ってたんですよね。 なので、もう一枚写真を追加します。 ばん馬のソリに座って乗った場合に見える景色 視界の7割ぐらいが、馬のお尻(笑) 馬、デカい!! あと、普通に歩いているだけなんですが、結構速度あるように感じます。 確かに競馬の時も、馬たちは歩いているように見えて馬場の脇を追い掛けて応援するのも結構大変ですもんね。馬が大きい分なのかな…。 私も、マイナス20度は寒かったけれど、いい経験をさせて頂きました。 更に、こちらのネタもかぶりますが、NARグランプリ。 私は、いつも取材でお世話になっている名古屋関係者の表情を中心に。 安定の、宮下瞳ジョッキー。優秀女性騎手賞。 とはいえこの賞の受賞は9年ぶり9回目。2年前の夏に復帰してすかさずまたこのタイトルを取ったことになります。まだそれしか経っていなかったんですね、復帰してから。名古屋にいるともう自然にそこにいるから、あまり意識していませんでした。 宮下瞳ジョッキーの会見の模様はこちら (名古屋けいばHPより) 川西毅調教師。最優秀勝率調教師賞 記者会見の最初から最後まで、一昨年を下回った昨年の結果についての反省の弁にほぼ終始するところが、川西調教師らしいところ。あくまでも仕事の成果を追い求める姿勢は、表彰の場でも普段と変わりなし。 毎年の目標に「重賞10個 獲得賞金1億円」と話したあと、こんな風に続けました。「熱さというか…情熱が足らないのかなと。妙に安定してしまっているところがある。もっと情熱を持って臨みたい。」 情熱という言葉とは対照的な語り口で出たこの言葉。文字面以上の迫力を感じました。 角田輝也調教師。最優秀勝利回数調教師賞 この日は名古屋で3歳馬の重賞・スプリングカップがあって、角田調教師の管理馬・サムライドライブが出走。受賞が決まったときにも実は「表彰式には行けるかどうか。競馬が仕事だから、仕事を優先せざるを得ない」と話していました。結局、レースが終わったあと会場に駆けつけ、到着したのは全てが終了する45分前。 今回の受賞は賞を取りに行ったものではなく、自然体で競馬に臨んだ結果だと角田調教師が話したことは、先日ここでもお伝えしました。 今年は、サムライドライブという超楽しみな素材を擁して競馬に臨む年になります。サムライドライブはこの日のレースも快勝。角田厩舎全体の活躍を象徴する存在になるのかどうか。チーム全体として注目していく必要があると思います。 ベストフェアプレイ賞の岡部誠ジョッキーは、レース騎乗があるため残念ながら欠席。 ビデオレターでの挨拶には、場内拍手が起きていました。 名古屋だけで、受賞者4人。 競馬の賞金レベルを考え、人馬がなにがしかの賞を受賞できるかどうかという可能性を考えたとき、この「名古屋から4人」というのはものすごいことだと思いませんか? 受賞に至らない多くのひとびとや馬も含めて、名古屋で競馬に関してどういう風に取り組まれているのか。 今回の結果が象徴しているような気がしました。 戸惑う(?)小久保智調教師を捕まえるように、ツーショット撮影会のサービス その他の受賞者で、特に印象に残ったのはこのひと。 的場文男ジョッキー。殊勲騎手賞 わずか10分足らずのインタビューの中で、「竹見さん(に追いつく)」または「あと57(佐々木竹見さんに通算勝利が追いつく数字)」のキーワードだけで少なくとも30回(推定)は言ったのではないかというほど、通算7151勝の達成への意欲を繰り返し繰り返し口にしていました。 本当に、何を質問されても「竹見さん」「あと57」でしたから(笑)。 で、インタビューの最後に「是非ダービー制覇を」とふられると…「いや、それはほとんど諦めてますから」 さんざん「あと57」を繰り返したあとだけに、会場内大爆笑。 ほんと、あらゆる意味で「レジェンド」と呼ぶにふさわしい方です、この方は。 なぜこのひとがここまで騎手を続けてきて、7000以上も勝ち続けてこられたのか。その理由を見た気がしました。体が強いとか、うまいとか、そういうことだけじゃないんですよね、きっと。 今日表彰を受けたひとびとの向こう側に、全国で競馬を支えるひとびとの思いが透けて見えるような感じがしました。
2018年02月28日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、最近こまめにお届けしている名古屋けいばレポート。 先週金曜日・16日に行われたSP1の重賞・梅見月賞の当日の話です。 安定の土古(どんこ)晴れ 安定のパドック内肩掛け展示 頑張って朝の1レースから出かけてみたんですよね。 朝って言っても11:05発走だけど。 向正面、800mのスタートシーン。 何せ小回りコースのうえにコーナーがすぐに来るので、スタートが勝負を分けます。 ゴールを大分過ぎた検量室前で馬たちが帰ってくるのを待つわけですが… ん?勝ったのどっち?? こちらでした。1番のケイサンハリソン。 すると、どこからともなく声が…「宇都騎手、2100勝だよ。」 えーまたー?? 私が名古屋に来ると、不思議と「区切りの勝利」に巡り会う。 区切りって、そんな頻繁に訪れてましたっけ?って思うぐらい。 今回も偶然です。 私と同じ1968年生まれの49歳 宇都英樹ジョッキー「(2100勝)なんて今言われるまで全く知らなかったよ。」 インタビューの申し出に戸惑いながら話す宇都ジョッキー。「2000勝の区切りの後だから、言われるとそのあと100来たか、という感じはするね。何勝する、とかいう目標よりも、ひとつずつ、コツコツ。これはずっと変わらないかな。」 ベテランらしい落ち着き払った談話。 ただそんな雰囲気は仕事振りにも現れているような気がします。 気がつくと、この人はいるもの。レースの舞台に。「どうやって(騎手人生を)終えるかは、最近は常に考えているよ。」 昔のようにジョッキーをやめて調教師、という流れが当たり前とも言えなくなっているこの業界。その中で、ジョッキーをどのような形で終えるのか。そのあともまだ決して短くはない人生をどのように過ごしていくのか。これまたベテランらしい深い話。 いつまで、どんな形で乗り続けていくのかな… 存在感はまだまだ十分あるだけに、これからの宇都ジョッキーの姿に一層興味が湧いてきました。 で、続く2レースなんですけど… よろこびの笑顔はじける勝利に遭遇。 金沢から冬季の移籍で名古屋で騎乗していた、松戸政也ジョッキー 1月15日からのおよそ1ヶ月間、惜しいレースはあっても勝つことは出来ないでいました。 短期移籍の最終日となったこの日、2レースのスレイベルと5レースのケイアイアンで2勝の活躍となりました。 ここ何年かは冬場の遠征には来ていなかった松戸ジョッキー。聞いてみると、JRA美浦トレーニングセンターに勉強に行っていたそうで、ちょっと久しぶりに名古屋競馬場で騎乗して過ごす冬になりました。「(冬場の遠征は)デビュー直後から名古屋に来ていますよ。もう10年とかになりますか。久しぶりに来てみると、やはり金沢とはレースの展開とか馬の動かし方が違って戸惑いました。それだけに、また得るものもあったと思います。金沢のシーズンが始まったら、いま感じていることを色々試しながら頑張って行きたいですね。」「いま年間30勝ぐらいなんですけど…これを何とか50勝。出来ればトップ10に入れるように頑張りたいです。」 金沢の新たなシーズンを間近に控えて語る松戸ジョッキー。「自厩舎の馬で重賞を勝ちたいですね。あとはJRA。美浦でも色々見てきて、憬れの舞台ですから。認定競走を勝てるような馬を作って、JRAで乗ってみたいです。」 やはりこうして彼のように、外に出てきて見えてくるものもある。大きな結果はまだこれからですけれども、見たり感じたりしたことは必ずどこかで活きてくるでしょう。 もしかしたら今シーズンの松戸政也はひと味違う?? 金沢競馬のファンの皆さん方、是非とも春からは改めてご声援下さい。 こちらも金沢 加藤和義調教師 冬場は名古屋で奮闘「うちの厩舎は、金沢のシーズンが始まってからしばらくはスロースタートだから」 といいながら、名古屋に連れて来ている馬の管理だけでなく金沢の厩舎の馬の操配?も電話がかかってきて応対したり指示したり。 傍で見ていて、金沢の競馬がない間も物事は動いているのだなということを感じさせました。 浦和の寺島憂人ジョッキーの弟で、寺島可威人(かいと)厩務員 名古屋きってのやんちゃぼうず(笑) 18歳ですが、名古屋を振り出しにあちらこちらを転々としながら馬をやり、現在はまた名古屋で厩務員生活。この道もう3年。 「夢は?」と聞いても、今の若者らしく名言はしてくれませんでしたが、なんか「活気」のようなものは感じたな…。若さ、なのかな……。 頑張って欲しいです。 そんなふうに、様々な方々に会っている間に、メインレースの梅見月杯。 カツゲキキトキトが出ない、とわかって各陣営色めき立った…というわけではありませんが、様々な路線から馬たちがこのレースに結集し、戦前から大混戦と見られていました。 パドックでも落ち着いていたし… レースも道中過剰にかかることなく、上手に運べたみたい。 ポルタディソーニ。 まだ4歳、しかもただ一頭の牝馬が、混戦に断を下しました。 表彰式での宮下瞳ジョッキーのインタビューの模様はこちら。 カツゲキキトキトを除けばまだ戦況が定まらない、東海の古馬戦線。 果たしてこれから、男馬たちと互して、あるいは遠征も含めて他地区の馬たちと戦っていける勢力になっていくのかどうか。注目されます。 次は3月14日の若草賞でまた名古屋けいばにお邪魔する予定です。 その時にもリポートをお届けできればと思っています。
2018年02月21日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日の記事の太田アナウンサーの話。 へぇ…今週の日曜日、函館競輪の池田牧人アナウンサーが帯広にいらっしゃるんですか。 函館競輪場の実況席にて こんな感じで、放送で使うフリップなどは全て手書き手作り 素晴らしい! (函館競輪実況中継より) 帯広でも是非「お絵かき予想」で盛り上げていただきたいです。 私は見に行けないけど(苦笑)。 そしてこちらが、函館競輪場のマスコットキャラクター・りんりん お客さま方と何事か語らいながら(笑)レースをともに見やる りんりん もしかしたら、りんりんがコース際で馬を追い掛けながら応援するシーンが見られるかも?! (無茶振り) 池田アナウンサーとりんりんに会いに行くだけでも、価値があります。 日曜日、近隣の方は是非帯広競馬場へ!! 今日の私の話題。 先週から始まった小倉競馬場グラフ特集。 一日順延があって諸々大変だったみたいですが…私は土曜日の開幕日に、出かけてきました。 残念ながら、10日土曜日の小倉は雨模様。競馬場の向こうにそびえる皿倉山も雨にけむって隠れております。 開幕週の朝一番 芝コース 冬場でもこんなに生え揃っています。 よく見ると、写真奥の方に人影が… 戸崎圭太ジョッキーでした。 傘を差しているジョッキーの姿って、ちょっと珍しい。 戸崎ジョッキーは昨年8月6日に初めて小倉で騎乗して、今回が2回目。 当時は勝利がありませんでしたが、この日は2勝。 今日は京都との2場開催で関東圏での開催がありませんでしたから、小倉にあまり馴染みのなかったジョッキーも結構多く参戦していましたね。 三浦皇成ジョッキー おどろくなかれ、小倉初参戦! 3Rで小倉初勝利をあげました ダンツペンダントと武藤雅ジョッキー 武藤ジョッキーも小倉初参戦で、いきなり2勝の活躍! 雨の中でも熱戦が繰り広げられ、お客さま方も盛り上がっておりました。 パドック。雨降ってますし、天井高いので前の方じゃなくても結構雨に濡れる感じなんですが… 皆さん熱心に馬の様子をチェック 今年の小倉競馬場スタンド、開幕前に目玉となる話題のひとつが、キッズスペースの拡充でした。 1階にある、わくわく子供広場 とにかく広い!! これだけじゃありません。 1階にあるキッズプラザ入口 あまりに盛況で、入りたい親子の皆さんが行列作って順番待ちをしています。 私は子ども連れじゃないので、外から中の様子を窺うだけなんですが… これが1階部分の様子。 実はまだまだこれだけじゃなくて… ここは2階。吹き抜けで2階まで繋がっています。 この規模はすごい! 大型遊具が2階まで突き抜けていて遊べるとか。 わくわく子供広場のすぐ前の売店では、こんな素敵な綿菓子が売られていたよ… 欲しくなるよ、これは。 売店ネタでいえば、食べ物が種類豊富に充実しているのも、小倉競馬場の見逃せない魅力です。 もはや「キッチンカー」の枠を越えた「キッチンバス」 ピザが売られていました。 とかく甘いものが不足しがちな競馬場グルメ。 ミスタードーナツは大繁盛してましたよ。 他場でも是非やっていただきたいです。 外からチェーン店連れてくると、場内の既存の売店が…という「大人の事情」がこぼれてきそうですが、この競馬場はそうじゃない。売店もそれぞれ店ごとにひと品「その場所で買える」品物をきちんと置いておりました。 JRAの競馬場でよく見る「Two days」 みんな売ってるものは同じかと思いきや、ここでは「いなほ焼き」を売ってました。 福岡名物(らしい)。大判焼きのような形に焼かれた、ものはお好み焼きのような食べ物。 そしてこちらはすごいよ! 同じ「Two days」ですけど、ソフトクリームの種類がすごい! 中でもこちら。あまおう苺を使ったパフェ 値も張るけど、思い切って注文してみました。 目の前で苺を切って盛りつけてくれるよ ソフトクリーム部分もいちご味。美味でした。 等身大馬像も、小倉ではディープじゃなくてメイショウサムソン この小倉から身を起こしてチャンピオンになったと思うと、改めて感慨深いものがあります。 レースも含めて、小倉競馬場の楽しい一日でした。 冬の小倉開催はあと2週。 近隣の方々だけでなく遠方の方も都合をつけて、このワンダーランドを訪れてみてはいかがでしょうか。
2018年02月14日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 一旦東京に弾丸で帰った意外は、およそ10日間の間北海道の道北にこもって別のスポーツ競技の仕事をしていまして、競馬からほぼ隔絶された生活を送っておりました。 今日は久しぶりにどっぷり競馬。 千葉県のサテライト成田(エフケイバ成田)で行った、場立ち予想トークイベント。 船橋の1日12個レースをお客さま方の前で全予想。 当たらなかった…… 2レースで1個ちょっといい配当の馬券が当たって、「これでボウズは回避」とホッとしたのがいけませんでした。そのあと延々ハズレの山を築き上げてしまい、そもそも昼前後からいらしたお客さま方には「全く当たっていない人」としか思われないままメインレースまで行ってしまいました。 もうちょっと「当たってるキャラ」(笑)で一日過ごしたかったです。 また今日もカルタ取り出来るぐらいはずれ馬券を集めてしまいました。 次回、このサテライト成田では、3月14日のダイオライト記念の日にイベントやります。 この時は助っ人を呼ぶ予定。私だと当たらなすぎますので。 またその時にお知らせしますね。 今日、一緒にサテライト成田で過ごして下さったお客さま方、ありがとうございました。 結局、昨日まで北海道にいました。 昨日は、太田アナウンサーが書いていた社台スタリオンステーションの種牡馬展示会に出かけたのですが…まあ日高は大変な雪でした。 2月6日早朝 日高・富川 競馬場にほど近い場所にある私たちのアジト近辺 車埋まった!! 太平洋側にある日高地方は元々北海道の中でも雪がかなり少ない地域。 私、ここにアジトを置いてから5年近くになりますが、この場所でここまで雪が降っているところに出くわしたのは初めて。常に住んでいるわけではないのでいない間にこういうこともあったのかも知れませんが……でも周囲の皆さんも「これは大変」とおっしゃっているので、相当珍しいことだったのでしょう。 この日は社台スタリオンに出かけなければならなかったのですが、その前に車の救出作業に要した時間が小一時間。あと5センチか10センチ雪が積もっていたら、そもそも車を出すことが難しかったかも知れません。 実はこの前日には、門別競馬場に様子を見に行ったのですが… 1月には全く雪など積もっていなかったのに、こんな感じで白銀の世界 厩舎エリアでは、それぞれの厩舎のスタッフの皆さん方がひたすら除雪作業に精を出していました。 馬たちは、ウォーキングマシンで運動中 雪に包まれた競馬場でも、それぞれにみんな頑張っていました。 結局、この翌日も相当積もってしまったんですよね…。 皆さん、大変だったのでしょうね。 もうひとつ、これは悲報。 近隣の方々はもうご存じでしょうが…。 門別競馬場のすぐ近く 国道沿いにあるケーキ屋さん パティスリー・パサパ 閉店……ですか とても残念 これまで、このお店のシュークリームやケーキを競馬場に買っていって、仕事の合間の時間にコーヒーを頂きながらホッとひと息つく時間のかけがえのなさが、改めて思い起こされます。 右のシュークリームが、カスタードクリームだけでなく生クリームも入った逸品 あとはレアチーズ いちごタルト いちごショート 閉店までに、あと1回ぐらいは訪れることが出来るだろうか……。 様々なことが移ろいゆきつつ、春を迎えていくんですね。 まだまだ春が遠く感じる、雪の日高でした。
2018年02月07日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 1月も今日でもうおわり。早いですね。 早くも川崎記念もすんでしまいました。 川崎記念が終わったばかりで、恐縮ですが… 来週の南関東は船橋開催で、水曜日に報知オールスターカップが行われます。(本場ではなく、千葉県にある場外発売所・エフケイバ船橋のイベント情報です)(本場ではなく、千葉県にある場外発売所・エフケイバ船橋のイベント情報です) 船橋競馬場の場外発売所として運営しているエフケイバ成田。始まりは競輪の場外発売所「サテライト成田」だったそうで、そこから数えるとこの場所が出来て今年で10周年なんだそうです。これからしばらく、10周年を記念する様々なイベントがあるとかないとか…。 ま、まずはちょっと予想トークをやらせていただきます。 来週は、エフケイバ成田のお近くの方は是非ともお越し下さい。 場外発売所というのは、リアルにお客さま方が集まる場所。 いまはもう売上はインターネット経由の「顔が見えない」ルートから上がるものが主になってきました。しかし、実際にお金を使って下さるのは、ひとびと。そのひとびとの「顔色」に触れ、理解するための貴重な場が、公営競技で言えばまさに場外発売所のような場所と言えるでしょう。 面白いですよ。場立ち予想で一日そこにいて、お客さま方と話をしながら時間を過ごしていると。 12月29日 千葉県のエフケイバ成田での場立ちトークイベント風景 お客さま方、本当に色んなことを話しかけて下さいます。 お客さま方の中に飛び込んでのイベントは、こうして合間にお客さまと直接触れあうことで、様々なことが見えてくる機会でもある これから始まるレースのことばかりではありません。 競馬そのもののこと。 公営競技の他の種目のこと。 お金のことやテレビのこと(私がテレビで見る人だからでしょうか…) 競馬と全く関係ない世相や話題… 本当に色んなことをお客さま方と話して、一日が過ぎて行きます。 そんなお客さま方とのふれあいから、わかることもあるんですよね。 例えば、お客さま方が何を求めているかとか。 そんな話は、仕事としても私個人としても、とても参考になります。 お客さま方としても、何かメリットがなければ場外発売所までわざわざ足を運ばないですよね。 家でネットで馬券を買ってレースを見るのでは、味わうことの出来ない楽しみ。 それは競馬だけでなく、単に話し相手がいる、みたいなことでも、お客さま方にとっては場外発売所を訪れるモチベーションになるのではないでしょうか。 あと、昨日太田アナウンサーが宣伝していた、ジョッキーのトークイベントなんかもそうですよね。そんなイベントでもなければ、ジョッキーの姿を生で見て、話を聞くことが出来る機会なんてなかなかないわけですから。 今日、北海道の場外発売所・Aiba石狩で行われたジョッキートークイベント 阿部龍ジョッキーと司会の大滝翔アナウンサー(ホッカイドウ競馬・ばんえい競馬実況アナ) 私は別の仕事で行くことが出来ませんでしたが、大変盛況だったそうです。 今年も改めて、意識するのは「人が集まる場所」そして「ひとびとの楽しみ」 競馬を通じてそんなことを味わい。また競馬を伝える立場としてはひとびとに味わってもらえるようなことをしていければと思っています。 だってさ…競馬は楽しいものだから。 太田アナウンサーは石狩に行っちゃったけど… 私は道北・名寄に引き続き滞在しています。 道北はさすがに雪深い… 日中は雪がざんざんと降って、気温も上がらず 夜、仕事の合間に外に出たら、皆既月食の終わりがけの月が、綺麗に見えました。 競馬を離れて、もうしばらくこの場所で、寒さと雪に耐えて頑張ります。 夜は
2018年01月31日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日、TCK女王盃が終わって、来週の水曜日はいよいよJpn1の川崎記念。 そこでお知らせです。(以下は北海道の場外発売所・Aiba石狩のイベント情報です) ※ 北海道の場外発売所・サテライト石狩(Aiba石狩)のイベント情報です 阿部龍ジョッキーのトークイベント開催!! 恐らく、彼がこのようなトークイベントに参加するのは、初めてだと思います。 地元石狩の皆さまだけでなく、札幌近郊や北海道内遠方の皆さまも、来週水曜日1月31日にはAiba石狩にお集まり下さい! で、今日はTCK女王盃の大井競馬場に行って来ました。 雪が降った一昨日の夕方はともかく、昨日が全部中止、今日も3レースまで中止。 午後にはこうしてレースが行われましたが、ようやくという感じで関係者の皆さん方の苦労がしのばれます。 たぶん、相当頑張ったんだと思う。 ハロー車 後ろ姿 うん、頑張ったよ…ありがとう 場内も除雪が完全には間に合わず、パドックではこのように立ち入り禁止区域も 本当にレースが行われて良かったです。 そんな場内で馬券を買おうとすると、見慣れないものを発見しました。 謎のお姉さん(笑)が手にしているのが、どうやら初心者でも馬券を楽しむためのマークシート。年末の開催にもあったかな…??私は気がつきませんでした。スタンドの「上の方」では、すでに先行試行されていたみたいです。 まずは『ウマタセーヌ ボックスCARD』 気に入った馬の番号を4つ決めると、その馬の馬複かワイドのボックス馬券を買ってくれるというもの。 要するに「それ専用」のマークシートっていうだけではあるんですけれども、普通のマークシートと違って説明が全部カードに書いてあるから、参加しやすいですよね。 4頭っていうのも手頃でいいですよね。馬券代600円。 馬券がこちら。 ウマタセーヌの絵も入ってる! こうやって絵を入れたりすることも、出来るんだ…この機械 もっとやったらいいのに、楽しいから。 ちなみに選んだ馬番ですが……先ほどの謎のお姉さんのリクエスト「7・2・5・11」=「な・つ・こ・イイ ね!」 ですって。 『2択投票CARD』 うまたせ君の奇数を選ぶか、ウマタセーヌの偶数を選ぶか どちらかの単勝を全部買います。 うまたせ君の奇数をチョイス。 全力応援するぜ! 『運試し投票CARD』 こちらは、いわゆるミステリーベットですね。 ランダムに選んだ組み合わせの馬券を購入。 賭け式も3連単に絞っているのがミソで、レース番号と目数の2箇所マークするだけで馬券が買えちゃうという手軽さがいいですね。 ほんとに見えんのか? 万馬券… (笑) 発売機によってはこのように、マークシートに記入すらしなくても、タッチパネルで先ほどの「運試し投票」と「2択投票」が出来ます。 大井は他の地方競馬の競馬場とは異なり、いわゆるライトファンが多い競馬場。 グループで来場する例えば会社仲間の皆さん方の中には、難しいことおぼえてまで馬券を買って参加するの面倒ーっていう方もおられるでしょう、必ず。 そういう方でも「ほらこれで馬券もちょっとだけ買ってごらんよ」みたいな誘い方が出来るツール。 ま、彼女さんでもいいですけどね。 以下は、こういうことを仕掛ける側からの考察。 賭け式が増えたわけでもなく、本当に着想だけなんですよね、こういうの。 事柄を説明してしまうと「あるよね、出来るよね」ってなる。 でも、それをやるかどうか、なんだと思います。 ここまで買い方を絞って、マークシートで見せ方参加させ方も工夫して、参加させやすくする。 成果がどこまで上がるかはわかりませんが、こういう工夫はまさに「やってみなはれ」だと思います。 いまどこの競馬場でも行われるようになり、どこでも大人気の「おみくじ馬券」なんかもそう。 要はそれをやろうとするかどうかだけ。やれば出来るんだから。 1月6日 JRA開幕日の中山競馬場 おみくじ馬券の発売場所には、開門直後、発売開始の1時間半も前からすでに列が出来ていました。 あとは、いかに競馬をいつもやるひとびとの目線から離れられるか、でしょうかね。きちんと予想して馬券を買うのだけが競馬のやり方じゃない。それとは別の楽しみも、提供しようと思えば出来るんですよね。 さて、先ほどの楽しいマークシートを使って馬券を買った12Rがスタート! 全然違った… 2択すらハズレ…… ウマタセーヌのBOXの馬券か、奇数偶数の2択が、意外と3連単のランダム馬券よりも面白いかな。 応援できますもん、特に奇数偶数。 このレースも最後4頭で凄い接戦だったんですけれども、9番だったら儲かってました。 メインレースの表彰式に参列したあと引き揚げてくる うまたせ & ウマタセーヌ 皆さんも、初心者の方々とご一緒の時に、一度新しいマークシートを勧めてみて下さい。
2018年01月24日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回は地方競馬の競馬場リポート。 昨日、2歳の重賞・新春ペガサスカップ(SP1)が行われた名古屋競馬場にお邪魔してきました。 安定の、パドック内重賞肩掛け展示 天気予報通り暖かい一日。 日なたにいるならコートはいらないぐらいの陽気。 絶好の競馬日和でした。 早い時刻に競馬場に到着して朝イチから観戦。 すると2レースで早くも大波乱が発生!! ハイハット 一昨年の夏のJRA函館でデビューして以来、その後転じてきた名古屋でも1回だけ2着に入った時をを除いて秒単位で敗退してばかりでした。 この日も単勝100倍を越えるブービー人気だったのですが、それを覆しての大激走。 もしかしたら、一番驚いたのはこの人だったかも。 木之前葵ジョッキー ゴーグルかけたままでもわかるほどの、喜びの表情。 上がってきて第一声が「びっくりしました」 そして、この驚きの勝利がひとつの記録を生みました。 管理する竹下直人調教師 通算1300勝達成!!「長い」 1300勝を振り返っての感想を、こう一言述べた竹下調教師。「30の時からやっているからね。36年間。コツコツ積み上げてきた、そんな印象しかないね。馬にも人にも恵まれなければ勝てない仕事だから。」 またここから、新たな勝利に向けての仕事が続きます。 その「これから」に関しても、至ってシンプルでした。「こつこつやっていくこと。これしかないね。」 着々と積み重ねてのこの数字。 そのことの重みを感じる話でした。 続いて3Rでは、このひとも区切りの勝利。 名手・丸野勝虎ジョッキー 地方通算2300勝達成 思い出に残る馬に、アングロアラブのキジョージャンボの名前をあげた、丸野ジョッキー 帰ってから調べて思い出しました。 名古屋杯連覇など黄昏時に入ったアラブ競馬のを盛り上げた馬。サラブレッドとの対戦でもゴールド争覇や梅見月杯など重賞を制覇して大いに名を上げた馬でした。 いまは故人となった当時の担当厩務員とまさに二人三脚でこの馬を仕上げ、重賞制覇にこぎ着けた思い出を、まるで昨日のことのようにありありと語ってくれました。「いまでも一戦一戦が勉強。1年にうまく乗れたと思えるレースはいくつもない。」 こちらもデビューから四半世紀以上が過ぎ、もうベテランの域に達する丸野ジョッキーが、この区切りの勝利で真っ先に話したのがこんな言葉。日々研究と、そして変化を求めて戦っているようです。 丸野ジョッキーと言えば、私の思い出はマカオで彼が乗っていた頃、そこでの初勝利にたまたま現地で立ち会えたこと。 2007年11月2日 マカオ・タイパ競馬場 パドックでの丸野勝虎ジョッキー 見事初勝利をあげ、ウィナーズサークルでの記念撮影の横顔 私、でっかい声で「丸野さん!おめでとうございます!!」と叫んで、よろこびを伝えたっけ。「日本人なんかいない競馬場で、突然日本語の声が聞こえてきた(苦笑)」 この勝利は2300の中には含まれていません。 しかし、こうした経験も2300にものぼる勝利の一つひとつを支えていたに違いありません。 ベテランが頑張る中で、若手も存在感をアピールせねば! 加藤聡一ジョッキー 一昨年のデビュー年が56勝。昨年が72勝。 デビュー年の勝利数を越えるという目標を持って臨んだ昨年。夏辺りまで調子が全く上がらずに「無理かも…」と気勢も上がらぬ感じだったのですが、年の終盤に巻き返して見事目標を達成しました。「年末にかけて流れが良かったですね。今年に入ってからはいまいちですが。あと、乗っていた馬が同じレースにかち合ってチャンスをものに出来ないことも増えました。」 勝負の世界。勝てるチャンスで結果を出さないと「もう一回」のチャンスは回ってこない。そういう厳しさを一層身を以て味わっているようです。 一戦毎にレースを振り返って、ひとよりも深く考えて次につなげようとする姿は相変わらず。そうした姿勢が続く限り、これからも成長し続けていけることでしょう。「目標は同じ。昨年の勝利数を越えること。」 と話しつつ、もうひとつの希望が「JRAにまた行きたいですね。2歳馬でJRA認定競走を勝って、まずはJRAに行って乗る権利を取らないと。」 年末の中山・ヤングジョッキーズシリーズでの経験は、かなり刺激になったみたいです。 まずは日々の活躍があっての、そこから先の夢。 一つひとつのレースで周囲やお客さま方の期待に応えていれば、必ず好機が訪れることでしょう。 もうひとり、今日も奮闘を見せていたこの人。 5年目 村上弘樹ジョッキー。 昨年は61勝。今年も早くも6勝を挙げ、ここに来て急速に結果を出し始めているひとりです。「以前より積極的なレース運びをすることを心がけています。元々自分はスタートが下手で…それはいまでも課題なんですが、そこからの位置取りで引いてしまって、いい位置を他の先輩たちに取られてしまうことも多かったので、位置取りを意識するようにしました。それが結果にも表れていると思います。」 名古屋のような小回りのコースで、位置取りは勝つためのまず最初の関門。難しい馬を操りながら他を制してレースの流れに乗っていくことは、口で言うほど簡単ではないはずです。 いま、その術を身につけ始めて、日々のレースの中でも手応えを感じているに違いありません。 そもそも、きちんと位置を取ってくれるジョッキーは、馬券を買って楽しむファンの立場としてもとても心強い存在ですしね。「今年の目標は、リーディング5位以内。いまの自分で達成可能な、現実的な目標だと思っています。」 上を見れば、年間100勝を越えるトップが4人。更に腕の立つ先輩たち、そして後輩の加藤聡一… ここに食い込んでいくのは、これはなかなか、だということもわかったうえの、「現実的な目標」という言葉でしょう。彼から出たこのキーワードが、とても力強く感じられました。 さて、取材を続けているうちに、メインレースの新春ペガサスカップ。 もう、勝負どころからは圧倒的でした。 サムライドライブ これで土つかず6戦6勝 丸野勝虎ジョッキーのインタビューの模様は、名古屋競馬のHPからご覧下さい。 (ページ下の方にYoutubeの映像があります) 管理するのは、名古屋競馬の不動のリーディングトレーナー・角田輝也調教師「ゲートの入りなど、課題を皆で話しあいながら少しずつクリアしてここまで来ました。強い馬が集まるここは是非使いたいと思っていた。負けるならこのレースかと思い、レースを迎えるまで気持ちが落ち着きませんでした。」 前回の湾岸ニュースターカップとは明らかに異なるメンバー構成。 その中で得た勝利が、現時点での力量を見せつけるような圧勝ですから、これは価値あるものと言えるでしょう。「名古屋の期待の星になれるよう、ゆるめず、これからもチャレンジしていきたい。ここのダービーを取りたいですね。」 まだジョッキーも「揉まれたことがないから」と話すように、大きな目標に向けて越えていく関門はこれからいくつもあるでしょう。 サムライドライブがそれらをどのように乗り越えていくのか、注目していきましょう。 一昨日正式発表されたNAR最優秀勝利回数調教師のタイトルについても伺いました。「前回(2年前受賞)は数字を取ろうと思って取り組み、結果を出したもの。今回は、自然体で競馬に取り組んでこの結果が出たというのが、前回は違います。成長できたかなと思いますね。ひとに恵まれ力を貸してもらってここまで来た。昨年はついていました。」 管理馬を迎える角田調教師 後ろ姿 この日も名古屋には、馬たちと向き合い、競馬に正面から向き合って取り組むひとびとの姿がありました。 メインのあとの最終レースは、夕焼けに照らされながらのレース 勝ったのは何と驚きの ブービー人気 単勝60倍を超える ルミノアルマース 宮下瞳ジョッキーでした。 こちらも、ゴーグル越しでもわかる素晴らしい笑顔 2Rの木之前ジョッキーといい、この最終レースの宮下ジョッキーといい、今日は女性陣が頑張る日でしたね。
2018年01月17日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 有り難いことに、この3連休が終わるまでの間はわりあい競馬一色で過ごさせていただくことが出来ました。 年末からほとんど間断なくどこかに出かけたり仕事をしたりの日々が続く中、先週ご紹介したサテライト石狩のイベントが終わったあとで、札幌で少しだけ休みが取れました。それが4日5日。 で、初詣は遅まきながら5日。昨年同様この場所で。 北海道神宮。北海道の守り神。 前日のニュースで三が日が明けてもまだまだ混雑していると聞いていたので、朝早起きして出かけてみました。 神社の周囲は市民の憩いの場のひとつ(札幌にはたくさんあるけど)である、円山公園。 雪が積もった木立の中を木々を縫うように歩いて行くひとびと。 この木立の中に入ると、都会の喧噪を離れた別世界に来たような、不思議な感覚にとらわれます。 早い時刻に出かけたので、お参りも行列することなしに出来ました。 ただ参拝を終えて時計の針が8時を回ると、あたりには急に参拝客が押し寄せるようにやって来ました。 コートを着たスーツ姿の男性女性が多かったのは、恐らく会社の御用始めの出勤前に皆さんで参拝に訪れていたのではないかと思います。私が参拝を終える頃には、行列とまではいきませんが、ひとびとが続々と参道を本殿へ向かって歩いて行きました。あとはやっぱり時節柄、受験を控えた学生さんかな。仲間で一緒に来たとおぼしき若者たちが、ワイワイとお守りを選んだりしていました。 お参りにはあちらこちらを訪れてもおみくじは全く引かない私。 昨年久しぶりにこの場所でおみくじを引き、以来年に1度おみくじはこの時だけと決めて引くことにしました。 中吉か… まあ、いいところじゃないですか? 今年もこの教えを胸に頑張りますよ! 東京に戻って3連休は、JRAも3日連続開催。 JRAの開幕は、いつもより1日遅い1月6日。私は中山競馬場で一日を過ごしました。 船橋法典の駅から場内へと向かう地下道 早い時刻からお客さま方が列をなしてスタンド方向に向かい、皆さんがこの日を待ちわびていたということを感じさせます。 まだお正月ということで、やはりくじ系統のイベントは人気が高いですね。 これは開運スピードくじ…じゃなくておみくじ。1回500円。 新春恒例の「枡」のほかに、くじの結果でプレミアムアイテムがもらえるというものです。 このおみくじには「大吉」「中吉」「小吉」だけ 「凶」が出る心配はありません(笑) あ、こっちも「中吉」だった(笑) 戦利品。縁起がいいかな? 程なくレースが始まると、今年のJRAの初勝ちはやっぱりこの人でした。 戸崎圭太ジョッキー 昨年はリーディングの座をルメール騎手に譲った彼。 この時点でまずリーディングトップに立ちました(笑)。 実際、関係者の皆さんからそんなふうに冷やかされて、苦笑い。 初勝ちの感想を聞いてみると「気持ちいい!」のひと言。 しかし…これはまだ3日間開催の彼の活躍のプロローグに過ぎませんでした…。 正月3日間で25戦8勝。3日間連続重賞制覇。 やはり年の初めのこの成果は、アピール度がありますよね。 ルメール騎手が騎乗停止で3日間全休、デムーロ騎手が同じく2日間お休みという中、型どおり存在感を示したところがすごい。 雑誌のインタビュー記事で、大きなレースを勝つよりもリーディングを取りたい、というふうに語っていた戸崎ジョッキーですが、今年は大きな成果を手にするシーンも見られるのではないでしょうか。 最後に、今日の話題。 またまた今日から北海道に来ています。 門別競馬場 色々あって夏以降来られなくなったから… 半年ぶりぐらいかな。久しぶりに来ました。 太平洋に面した日高は、先程来ご覧頂いている札幌方面とは異なり、雪は全く積もっておりません。 今日訪れた時の気温が丁度0度。空気は冷たいんですけれども、降り注ぐ陽の光はほんのりとぬくもりも感じさせます。 馬だー! この春のデビューを目指す、明け2歳馬たち。 調教の時間が終わり、お昼のひなたぼっこ中でした。 私の姿を見つけると、このように寄ってきてカメラ目線。 可愛い…… しかし、そんな私の背後で声を掛ける人影あり!!「いまは可愛いけど、これからですよ! これからが大変です!!」 丁度仕事が一区切りついたところで、阿部龍ジョッキー登場!! いかにも「作業終わり」という出で立ちは、私のリクエストによる演出です。「(所属する)角川厩舎で2歳馬が40頭ぐらい入厩しています。年末までにほとんどの馬が一度坂路に入るところまですませて、ここからがいよいよ調教も本番です。いまの時点でそこまで進んでいないと、4月のデビューにはとても間に合いませんから。」 昨年の冬は短期移籍で南関東でずっと騎乗していたアベリュー。 今年は門別に残り、「いつもの」門別での馬づくりの仕事に腰を据えて取り組んでいます。 ジョッキーとしての体を本格的に作っていくのは、このあと2月に入ってからとのこと。 いまは心身ともにストレスを取り除いてリフレッシュしながら、馬づくりに精を出してシーズンに備えているようです。 別の厩舎の放牧地では、こんな馬の姿も目にしました。 ひなたぼっこの間も、鞍のようなものを身につけている馬。 なにせこの時期の2歳馬といえば、人間なら幼稚園児にも満たない年かさですから… こうして慣れて、憶えていかなければならないこともあるのでしょうね。 気候はまだまだ春の気配を感じるには遠い感じがしますが… 仔馬たちはすでに春に向けて、そして競走馬へ向けての道のりを一歩ずつ着実に歩き始めているようです。 彼らがたくましくなった姿を私たちが目にする季節も、きっとすぐにやって来ますよ!
2018年01月10日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 皆さま、あけましておめでとうございます。 2018年 平成30年。 平成ももう、30年。 もう来年には元号が替わることがこの正月の時点でわかっています。自分の人生の中で3つ目の元号。昭和生まれの自分との比較では「明治生まれのひとびと」に対して思い描いていたイメージが自分に重なることになるわけですよね…。 長く生きてきてしまったよね(苦笑)。 明治生まれの方って日本に1万人おられるかどうかぐらいだそうですが、その方々にとっては次は5つ目の元号ということになるのか…。 なんだか、そんなことに思い巡らせる正月。 今年も健やかに活躍させてもらえればいいかな。競馬の仕事は、健康第一です、ほんとうに。 私は年末29日の東京大賞典をサテライト成田(エフケイバ成田)のトークイベントに参加しながら過ごして、出演自体は終了。大晦日には帯広に移動して、元日と2日の2日間は帯広競馬場で過ごしました。 エフケイバ成田のイベント風景 東京大賞典の日は、エフケイバ成田も大盛況。 競馬全体の売上も良かったとのことですから、年の最後の競馬シーンはハッピーエンドだったと言っていいのではないでしょうか。 そして年明けの帯広競馬場 昨日2日 メインの帯広記念のスタートを待つひとびと いまは、帯広記念を見ると、今年もお正月を過ごしたなという感じがします そして今日3日のサテライト石狩のイベント。 お正月の貴重なひとときを競馬とともに過ごして下さるお客さま方が大勢集まり賑わいました。 大抽選会に供された豪華景品たち 一日終わって残されたはずれ馬券たち 川崎・名古屋・帯広で35レース 10勝25敗… 馬券の出来は変わらないかも知れませんが…(苦笑) 今年も多くの皆さま方と競馬を通じて行き会いふれあい、そしてご一緒に楽しんでいければと思っております。 皆さま、今年もどうぞよろしくお願い致します。
2018年01月03日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 有馬記念が終わりました。 でも…まだ今年は終わってません……。 検討中……(イメージ画像です) だってレースあるし、まだまだ(笑)。 JRAだって明日はヤングジョッキーズ。 地方競馬も更にその翌日東京大賞典。 息をついている場合じゃないって! 有馬記念の日、「年の最後に」と何度も言いそうになって、そして何度かは言ってしまって、それでいいのかなぁって…そんなふうに思いながら一日過ごしておりました。 有馬記念、もっと売れて欲しかったな。 昨年から微減。 イメージ画像です キタサンブラックがいたおかげで、中間はスポーツ競馬関連以外のメディアでも相当取り上げてくれていましたよね。何か注目度合いとしては例年以上なんじゃないかと思って、楽しみにしていたんです。 実際、前日土曜日には北海道・石狩の場外発売所にいましたけれども、例年以上にお客さま方が集まって盛況。売上も(ちょっと曜日や開催の配列が違いますけれども)昨年の有馬記念の前日の数字を随分上回ったと聞いていました。 有馬記念前日、北海道・石狩場外で競馬を楽しむひとびと(私を含む) 特設ブースで検討とマークシート作成に余念がないお客さま方 これで今年終わり、っていう感じが薄かったのも原因なんでしょうかね、今年の場合は。 あと、やっぱり競馬はそこに出てくる馬たち「みんな」でするもの。 キタサンブラック1頭推しじゃ、「その競馬が面白い」っていう感じが盛り上がらないということなんでしょうか…。 レースのあとのお別れセレモニーも含めて、イベントとしてはとても面白かったと思います。 私はグリーンチャンネルに出演中だったので、スタジオで映像で見るだけでしたけれども、見ながらスタッフの皆さんとあれこれ話をしながら盛り上がっていました。 仮にキタサンブラックが負けての、その後のセレモニーという流れだったとしても、全然悪くなかったと思います。 ただ、馬券を売ってお客さまからお金を頂くレースとしてはやはり別。 賭事としての昂揚感は、色んな馬の色んなチャンスをお客さま方に想起させるような楽しみでなければ、人も、お金も、集めることは難しいと言うことなのかも知れません。 イメージ画像です どうしても番組的に淡泊になりがちな地方競馬は、JRA以上にそういうことを常日頃から考えていなければなりません。単なる話題づくりだけでは馬券を買うお客さま方がついてはこない。今年の後半からは好景気の中でも売れる売れないのいわゆる「選別」は始まっていて、馬券を買うレースとしての魅力がお客さま方に伝わるかどうかが成績にストレートに表れているという実感があります。 JRAの方々は、もうすぐに今回の結果を分析しているのでしょう。 この問題は担当者の方だけではなく、JRAだけでもなく、今回のことを題材にしながら競馬携わるみんなで考えて行くべきことなんじゃないでしょうか。 お客さま方に参加して頂くために、どういうことが伝わるべきなのか。 それを伝えるために、必要なことは何か。 来年も仕事をさせて頂きながら、そんなテーマと向き合っていくことになるんだと思っています。 東京大賞典は、多くのお客さま方に馬券を買ってご参加頂ければと思っています。 私は千葉のエフケイバ成田で、お客さま方とともに楽しみながら、馬券も存分に勝ってチャレンジするつもりです。 成田で、皆さま方をお待ちしています。 お正月は、例年通り北海道・帯広競馬場とAiba石狩に呼んで頂きました。 ばんえい競馬とともに過ごすお正月、今年もお客さま方とともに楽しんできます。 石狩のイベントはこちら。 近隣と言わず、札幌近郊のかた幅広いご来場をお待ち申し上げております。 今年も一年間、拙文におつきあい頂きありがとうございました。 皆さま、良い年をお迎え下さい。
2017年12月27日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 いよいよ、年も押し詰まってまいりました。 有馬記念ウィークに突入!! ※ 北海道・石狩市にあるAiba石狩(サテライト石狩)のイベント情報です 有馬記念前日の12月23日(祝土)のイベントです 地方競馬の場外発売所でもJRAの馬券が買えるようになり、それぞれの場所で最大のかき入れ時はやはりこの有馬記念の日。 普段からその場所でJRAの馬券が買えるとご存じの方は、じゃあ有馬記念の当日も…と思ってお出かけになるのでしょう。 しかし…混雑します! 有馬記念当日の場外発売所!! 地方競馬の場外発売所は規模の小さいところが多く、どこもそれに備えた対応を取っていても、どうしてもさばききれない状況になるそうです。 地方競馬の発売所でも、有馬記念は概ね前日から発売しているはずですので、有馬記念だけ買えばいいという方は是非とも12月23日の有馬記念前日に発売所を訪れて、馬券をお買い求めになることをお勧めします。 ここをご覧の方にはそのような方は少ないかも知れませんが…初心者の方とか、人に頼まれて買いに行くという方であまり馬券購入に慣れていない方は、特にそうですね。 特に北海道地方は24日にはまた寒波がやって来て雪が降る予報。 23日までは天気ももちそうなので、有馬の準備は是非23日のうちに。 私はその日、サテライト石狩で皆さまのお越しをお待ちしています。 今週は、先日このブログでもご紹介した千葉県の方の場外発売所・サテライト成田(競馬の場外発売所としてはエフケイバ成田)にお邪魔してきました。 前回ご紹介したときには送迎バスで出かけてしまったために周囲を探訪できませんでした。 今回は車を借りて改めて周囲を探訪してみました。 まず最初は、車を借りるまでもなく成田駅(JR・京成)から歩いて行けるこの場所。 成田山新勝寺 成田駅から参道を歩いて20分程度。 総門と呼ばれる入口の門からして、このように実に壮麗 中に入ると、そこかしこでお正月の初詣客を迎える準備が進んでいました。 テレビなどでも参拝風景がおなじみのこの場所。 昨年は全国第3位・300万人の参拝客を集めたそうです。 本殿。大きい! 私、東京出身でありながら、この世に生を受けておよそ半世紀の間この場所を訪れたことがありませんでした。それこそ初詣中継で目にするぐらい。 あのテレビでひとびとがギッシリと連なっているさまを見ているその場所にいると思うと、何となく不思議な感じがしました。 この日は午前中に訪れたこともあり、外国人観光客の方々がパラパラと行った感じ。 しかしお正月にはまた大いに賑わうことでしょう。 成田駅から成田山新勝寺に続く表参道。 自主的に景観を守る取り組みをしているらしく、派手な色使いとか電飾とかが全くない街並みになっています。 この写真の遠目に見えるセブンイレブンの看板も、デザインは巷で見るものと同じですが色がモノクロ。 証券会社の建物もこんな感じ。 実にユニークな街並みです。 こんな雰囲気の中を歩いて行くので、参拝するまでに何となく雰囲気が盛り上がるんですよね。 もっとも、初詣の時は普段20分程度のこの道のりに1時間以上は軽くかかってしまうらしいですが。 この界隈からサテライト成田までは、車で30分ぐらい。 成田空港の裏側へ回り込むような形で車を進めていきます。 その成田空港の裏側は「三里塚」と呼ばれる場所。 古くからの地名らしいですが…成田空港を巡っては、反対運動の拠点としても地名は有名に鳴りました。 しかしこの三里塚は、競馬にとっても由緒ある場所。 成田空港の建設開始に伴い栃木に移動した「宮内庁下総御料牧場」の跡地。 いまはこのように「三里塚記念公園」としてその場所が残されています。 宮内庁下総御料牧場では、羊などの家畜とともに古くから競走馬の生産が行われていました。 この御料牧場がこの場所にあったことが、かつて千葉に数々の大手牧場が開かれるきっかけとなり、この場所で馬産が根を下ろし発展するもととなりました。 社台ファーム シンボリ牧場 下河辺牧場 などなど… 名だたる牧場の「源」をこの場所に見出すことが出来るのです。 公園の中には「三里塚御料牧場記念館」 残念ながら私が出かけた月曜日は閉館日でした。 この公園も含め、三里塚は桜の名所だとのこと。 今回見られなかった記念館も含めて、またそんな季節に訪れてみたいです。 さて、空港の縁まで車を進めると… ひこうきの丘 間近に空港を行き交う飛行機の姿を見ることが出来る場所 広々とした展望スペースで、空港の風景や飛行機の姿を見やるひとびと じっと腕を組み見ている人 大きなカメラを構えてシャッターチャンスを窺うひと それぞれの方法で風景を楽しんでいました。 私も思わずその場にじっと佇み、飛んでいく飛行機を見ていました。 鉄道もそうなんですけど、何か乗り物って夢があるからなんでしょうね、きっと。 ヘリコプターは間近から飛び立っていきました! ひこうきの丘のすぐそばにある「航空科学博物館」 残念ながらこちらも月曜日は休館日… ここまで来れば、サテライト成田まではあと少しです。 近隣の国道には、しっかりとサテライト成田の大きな看板が出ていました。 近隣の方でご利用になったことのない方は、是非ご利用下さい。 そんなサテライト成田のイベントのお知らせ※ 千葉県の場外発売所・サテライト成田(エフケイバ成田)のイベントのお知らせです。 本場のイベントではありません。 12月29日(金)大井の東京大賞典当日、サテライト成田(エフケイバ成田)でイベントをやらせていただくことになりました。 また例によって、予想が当たるかどうかはわかりませんが…(苦笑) せっかくの年末大一番、出来るだけ多くの方々トレースを楽しみたいから。 千葉・茨城方面からで大井本場までは足を運べないという皆さま、是非ともサテライト成田にお越し下さい。 有馬記念に東京大賞典。 いよいよ慌ただしい、年末最後の1週間が近づいてきましたよ!!
2017年12月20日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 日曜日の香港国際競走、お楽しみになりましたでしょうか? 戦いの舞台となったシャティン競馬場 本命馬の力走あり、ダークホースの激走あり。 4つのレースで様々な競馬シーン、馬券のチャンスがあった今年の香港国際競走。 私は堅かったヴァーズとカップの馬連だけの的中に終わり、あまりにも「普通の予想」に終始した自分を恥じ、反省しています…穴党なのにね(苦笑)。 恐らくすぐに調べたかたもおられるでしょうが… 日本では3連単100万馬券になった香港マイルは、現地では3連単の配当が驚く勿れたったの13万円足らず。地元香港の馬の中で人気の薄い馬が来た結果でしたが、「そうは言っても自国の馬は買う」というのは、別に日本の競馬ファンに限ったことではないということでしょう。ヴァーズのトーセンバジルは香港では人気薄で、日本ではきちんと売れていましたから。 4競走で日本での売上は28億円あまり。 新聞は休刊日だったのでネットでの報道を確認しましたが、どこも昨年に比べて「いくら減」みたいな書き方ですが、凱旋門賞同様発売初年度で「お試し」的な意識の中での参加もあった昨年との比較ということを考えれば、満足するかどうかは別として上々じゃないでしょうか。むしろJRAのレースと被って十分にレースの直前の発売告知や情報提供をするいとまがない状況の中でのこの数字、とみるべきではないでしょうか。 現地香港でのこの日の売上は16億香港ドル(およそ230億円)。この数字感覚の中での日本の売上28億は大きい。現地では香港国際競走自体は「売れないレース」とされていますが、それを日本の競馬ファンが興味を持って、これだけの規模で馬券を買って参加すると思えば、28億という金額を単に減った増えたで語ることは出来ないということがわかると思います。 それが日本の競馬そのものの「存在感」に繋がるわけです。 日本のファンが興味を持ってくれるから、日本の馬に是非国際競走に来て欲しいという力学が働く。これは当然のことでしょう。 例えばトーセンバジルとステファノスの2頭を今回香港で出走させた、藤原英昭調教師。 残念ながら今年も悲願の香港国際競走制覇はなりませんでしたが… 藤原英昭調教師 レース2日前の記者会見では「夢を叶えたい」と意気込みを語ったが… グリーンチャンネルでレースのあとにお届けしたインタビューの中でも、最後に語っていました。「香港ジョッキークラブが本当によくしてくれて、感謝している」 自国の慣れた舞台とは異なる場所で馬たち(場合によってはひとびと)のコンディションを整え、レースに出走させることの難しさと、遠征先の主催者のサポートの重要性を強く感じているからこそのこの言葉。 日本の競馬ファンが馬券を買ってこのレースに参加する、注目することもまた、そんなサポートを引き出すひとつの力になり得ると思っています。 勿論、この香港国際競走の場合日本のレースとの兼ね合いがありますから、物事そう簡単にはいかないこともわかりますが…競馬を伝える立場ではなく、馬券を買う客の立場として言わせてもらえれば、やっぱりいまの状況では香港マイルまでの馬券には参加しづらいのも事実。 このレースが売れることが「香港競馬のため」と思えば色んなことが難しいかも知れませんが、日本の馬たちがこの舞台でも活躍する環境が整うための原動力、と思えばどうでしょうか? 次の日本での海外競馬参戦のチャンスは、恐らく3月のドバイ。 しっかりと情報を収集しておき、来たるべき次のチャンスに備えましょう。 今日は、その香港の話題の残り。 丁度一週間前のことになりますが、水曜日のハッピーバレー競馬場の様子をお伝えします。 暮れの香港国際競走の直前のハッピーバレーは、こちらも毎年恒例の「インターナショナルジョッキーズ・チャンピオンシップ」が行われる日。今年のハッピーバレーは、例年に増してお客さま方も多く、めちゃくちゃに盛り上がっておりました。 高層ビル群のど真ん中に浮かび上がるように照明に照らされたレースコース 世界でも極めて特別な風景が楽しめる競馬場。それがハッピーバレー 文字通り立錐の余地もないほどのお客さんの入り ハッピーバレー競馬場は「巨大なビアガーデン」でもあります ビールを売るテントにもこの日は少し長めの列が出来る盛況ぶり トラックサイドに設けられたミニステージ 大盛り上がりで、スマホ掲げて写メ撮る人多数 私もそのひとり(笑) 参加騎手各国の衣装を着たお姉さん登場 あっという間に人だかり そして写メ(笑) インターナショナルジョッキーズ・チャンピオンシップの開会式で上がる花火も、例年以上の凄まじさでした。 よくステージ上のジョッキーたち、前を見てられるな… 後ろではこんな感じでドッカンドッカン花火が上がっちゃってます 我らが戸崎圭太ジョッキー 日本代表3年連続 4戦あるシリーズのうち3戦は結果が出ず、最後のレースで3着と一矢報いた形 確か2年前にこのシリーズに参戦した時には「海外での騎乗は初めて」という話だったと記憶しているのですが、今年はイギリスのシャーガーカップにも参加し、こういう舞台での彼の姿もおなじみになりました。 地元ジョッキー代表 デレク・リョン この日はシリーズの4戦は全て二桁着順と見せ場を作ることが出来ませんでした。 しかし、実はシリーズの合間にあった一般レースで単勝46倍の馬を勝たせて大穴をあけ、そしてさらにこの4日後には香港マイルのビューティージェネレーションで大仕事。 香港では騎手学校を出て香港で乗る前に、他国で見習い騎手として修行してくることが確か義務づけられているはずで、このデレク・リョンは香港でのデビュー前にニュージーランドのランス・オサリバン厩舎の見習い騎手として修行をして、いまは香港で活躍をしています。 そうした厳しい育成環境、そして勿論世界中からトップないしそれに近いジョッキーが集まる香港での経験と、G1を勝つのに必要な素地はしっかりと培われていたと言うことでしょう。 普段馬券を買う対象としては意識していましたが、正直今回の国際競走で彼の勝利を予見して注目することはありませんでした。これは香港競馬好きとしてはものすごく反省しています。 デレク・リョン。これを機会におぼえておいて下さい。 シリーズ優勝は日本の競馬ファンにもおなじみのザカリー・パートン 2013/14シーズンにダグラス・ホワイトの連続13シーズンというリーディング記録を打破して頂点に上り詰めたのも束の間、翌シーズンに現れた「マジックマン」モレイラの登場で「短期政権」となったパートン。しかし、よく見ればその存在感は決して色あせてはいません。 今回は初めてのインターナショナルジョッキーズのチャンピオンのタイトルを獲得。そして国際競走では香港カップをタイムワープで勝ち、この日の主役はやはり堂々のこの人でした。 いつかはまたこの人が「モレイラ政権」打倒に挑むような時が来るのでしょうか。 国際競走で香港競馬に興味を持たれた方は、是非とも頑張って時間を作って、普段の香港競馬にも足を運んでみて下さい。 日本のすぐ隣に、日本に勝るとも劣らない「競馬ワンダーランド」が、素晴らしい競馬体験を携えて待ってくれています。
2017年12月13日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 12月に入り、JRAのレースシーンは中山・阪神。 そして、中山競馬場では、年末恒例のこちら。 クリスマスイルミネーション 12月24日(日)までの土曜日日曜日にやっています。 かぼちゃの馬車? グループや家族連れの皆さん方の写真撮影の人気スポットです スターライトトレインは整理券をゲットしないと乗れないぐらい人気。 ずっと長い行列が出来ていました。 でも、お子さんこれ見たら、乗ってみたくなりますよね… ちなみに、大人だけの乗車はNGとのことで、私は断られました(笑)。 今年も、スタンドの建屋を使ってプロジェクションマッピングの光のショーが行われます スタンドの壁は大きな窓で格子状になっているので、プロジェクションマッピングにはそもそも向かない作りになっているのですが… その格子の部分を使ってこの通り スタンドを見上げながら、子供たち、大喜びでした。 競馬が終わったあとにこのイルミネーションのイベントが行われるんですけれども、いらしているのは必ずしも競馬からの流れではなく、このイベントをわざわざ見に来る方々がほとんど。 こういう形で競馬場という「場所」がひとびとの楽しみを生み出すことが出来るんですね。 月が変わって、あちらこちらでこうしたイルミネーションのイベントが展開中。 中山競馬場のイルミネーションイベントにも、期間中に是非足をお運び下さい。 さて、次の週末10日日曜日は、香港国際競走。 私も毎年恒例の香港への取材に出かけております。 いつも何かを変えようとして、何かが不便な場所 でも次に来ると必ず何かが変わっていて、何かが進歩している街 毎年1回、出来れば2回と思って訪れている香港ですが、繰り返し訪れてみると、細かいところも含めた街の変化にこの場所の「息づかい」みたいなものを感じます。 そんな香港に、変わらずあり続けるのが競馬。 今日は、朝早起きしてシャティン競馬場での調教の様子を見てきました。 香港ジョッキークラブが取材者向けに準備するシャトルバスで、シャティン競馬場に着いたのが朝の5時半頃。競馬取材の朝は、どこの国に行っても早い…。 朝の時間は、地元香港の馬たちの調教の時間。 馬たちは次々と厩舎エリアを出てはトラックでの調教をこなし、そして厩舎に戻っていきます。 香港スプリントに出走予定の、ミスタースタニング 通常の調教を行えるメイントラックは、競馬でも使うオールウェザーのコースだけ。 一頭で走る馬もいれば、このように横に並んだり、あと縦に並んだままで馬場入りし運動する馬たちもいたりと、内容には工夫が凝らされているようです。6~7頭縦にずらりと並んで調教しているグループもいくつも目にしました。 コースへの出入り口付近で国際競走への出走予定馬の姿を待つ、日本メディア取材陣。 馬券発売が行われるようになってから、欠かせなくなったのが地元香港の馬に関しての情報。こうして新聞やネット、テレビなどさまざまなメディアの皆さん方が朝早くから情報の収集に当たっています。 このあたり、暮れの香港国際競走の取材の風景も様変わりしました。 そのうち、お日さまがのぼってくると地元の馬の調教が終わり、そのあとから日本など海外からの遠征馬の調教が始まります。 芝コースの内側にはこのように各国の大勢の報道関係者がスタンバイします 海外からの遠征馬の居場所は、4コーナーの向こうにある検疫厩舎。 そこからこのようにして馬たちが登場してきます。 いくら馬券を売るようになったからと言っても、やはり日本からの遠征馬には目が行ってしまいます。 ワンスインナムーン 香港競馬名物、漢字での馬名表記が「毎月一回」となったことで、多くの方が「ん?」という印象を持たれたのではないでしょうか。それでいいの?って…。 実際調べてみると、この馬の馬名の意味由来は「月一回起こる」と登録されています。 だから、この漢字馬名で合ってるんです。 「Once in a blue moon」 英語ではもともと「滅多に起こらないこと」を表す言葉だそうで。 今回、日本以外では馬券的には全く注目されないでしょうが、滅多に起こらないような大波乱を演出してくれれば面白いのですけれども…。果たして?? 今日登場した際、微かだけれども特別な注目を浴びた馬がいました。 キセキ 皮膚病のために検疫厩舎の中で隔離の措置がとられた、と発表され、心配されているところ。 皮膚病自体が症状として悪いわけではなく、伝染の可能性があるのではないかとの疑いからの措置です。 他馬と一緒に出てきたから何か状況がいいか、と言われればそういうことでもないのですが、少なくとも「いまのところより悪い方に(獣医師の)判断は傾いていない」ということだけ。 他馬と別に出てきたり、馬場に出てこられなくなるなどの良くない変化がなかった、ということは事実として見て取れます。 馬は元気そうでした。 サトノアラジン 今回の香港マイルをもって引退・種牡馬入りするとの話が、池江調教師から出ました。「里見オーナーと出会って、最初にセリで買った馬がこの馬。牧場時代から大変評価が高く、何とかG1をこの馬に取らせたいと思っていて、今年の安田記念でそれが果たせた」 池江泰寿調教師へのインタビューには、多くの記者の方々がいわゆる「ぶら下がり」で取材「(最後のレースに際しては)勿論『無事に』という気持ちもあるけれど、それと同時に『是非もうひとつ勝たせたい』という気持ちで臨みたい」 この馬に対する池江調教師の思いが、最後の一戦で馬にもきっと伝わっていることでしょう。 私がひそかに「馬券を買いたい」と思っている馬。 スマートレイアー 前走はもったいないレースでした。上がりで脚が使えるこの馬の長所が活きなかった… 昨年の香港ヴァーズで5着と好走してから、本格的に中長距離路線に転向。そこから1年が経って、挑戦するレースは昨年と同じヴァーズではなく、カップ。この挑戦には価値があると思います。 レッツゴードンキ 地元の記者の方にこの馬に注目している旨告げたところ、「相手わかってるか?」的なリアクションでいなされてしまいました(苦笑)。 確かにね…スプリントだから。香港の馬が強いよね。 でも、どんな状況でも力は出すのがこの馬。高松宮記念もスプリンターズSもいずれも2着と惜しい結果に泣いたこの馬が、持ち前の根性で見せ場以上の活躍を果たしてくれないかと期待しています。 今年も、香港でこの馬に会うことが出来ました。 ハイランドリール この馬もこの香港ヴァーズを最後に引退と報じられています。 毎年この場所で彼の姿を見て、そのあと彼は世界中で活躍して、また年末には香港に戻ってきたところで行き会って…。 このような凄い馬を直に見ることが出来るのが、この香港の取材。思い入れはありますよ、やはり。 最後の戦いも大いに注目されてレースに臨む彼。 最後まで、主役の座を譲り渡すことなく舞台を去ることが出来るのでしょうか。 さあ! もうすぐ、戦いがはじまります。 香港国際競走まで、あと4日。
2017年12月06日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 2週続けて北海道に来ております。 昨日今日は札幌滞在。 気温8度 全然寒くありません。 何度か寒波が来た折に降った雪が道路の脇に積まれて残り、街中は解けた雪でびしょびしょ。 また今夜から寒波が来るという予報で、何日かに一回の雪に見舞われながら、冬も本番に近づいていくのでしょう。 この時期の札幌と言えば、イルミネーション。 先週末から「札幌ホワイトイルミネーション」が開催されています。 午後4時を過ぎるとあたりはもう夜の帷に包まれ始めるほど、夜の早い北海道。 まだ会社が終わる前の時刻でももうこのように完全に夜。 その分、早い時間からイルミネーションを楽しむことが出来ます。 札幌中心部の大通公園のテレビ塔下からおよそ1.5kmにわたってライトアップ。 今年、この札幌ホワイトイルミネーションが「日本3大イルミネーション」に選ばれたとのこと。 そんなの出来たんだ。 あと2箇所は長崎ハウステンボスと栃木県・足利フラワーパークだそうです。 光のトンネル 中を歩くと、なんだか心の中が透き通るような不思議な感覚になりました 雪まつりと違って、「イベントやってます」感があまりないのがいいですね。 商業っぽさも。 様々な色やオブジェの形があるとは言え、主役は無数の光。 シンプルに、一つひとつのランプが光り続けて、どれだけひとの心を動かすことが出来るか。今年このあと1ヶ月間、ただひたすら毎晩輝いて、お客さま方を待つのでしょう。 一角では、こちらもこの時期恒例の「ミュンヘン・クリスマス市」 本場ドイツにならった市場がこのように立っています。 売られているのは… クリスマス用品。 飾り付けとか、クリスマスを迎えるのに必要な食材とか。 ドイツでは町々でこの季節、こういうマーケットが立って、連夜多くのひとびとで賑わいます。 食べ物やさんが出るのもこの催しの楽しみ。 寒い中、みんな屋外でお肉やお酒を頂くんですよね。 今日は大して寒くなかったので、このように早い時刻から賑わっていました。 ホットワインを頂くのが、本場の楽しみ方。 だけど…私ホットワイン苦手で(汗) 寒くてもビール、っていうひとも勿論います。 こちらではホットチョコレートなんかが売れてましたね。 北海道のまちの風景ももう冬本番。今年も残り僅か。 なんだか、押し詰まってきたな…という雰囲気がだんだん濃くなってきていますね。 競馬シーンもラストスパートで、有馬記念や東京大賞典まであっという間なんだろうな。 今週は、中山競馬場のイルミネーション見てこようっと。 さて、馬の話はここから。 先週金曜日に、北海道・日高にある、目黒牧場にお邪魔してきました。 エリザベス女王杯を生産馬のモズカッチャンが制して、悲願のG1制覇を果たしました。 教えて頂いた道を進むと、すぐに看板を見つけることが出来ました。 放牧地 私が様子を見に行くと、馬たちが「なんだなんだ!?」とばかりに、こちらに集まってきました。 近くまで来た! 牧場主の目黒忠法さん(右)と筆者 ツーショット自撮りで記念撮影と思ったら、間に馬が割り込んで来ちゃった(笑) 期せずしてスリーショットの記念撮影 馬、かわいい… エリザベス女王杯をモズカッチャンが勝った日、目黒さんは応援のために京都競馬場に出かけていました。 生産馬がG1を勝とうものなら、現場は大騒ぎ、携帯電話は鳴りっぱなしになるのが常。 今回も競馬場にお出かけならば、グリーンチャンネルの中継放送でG1デーには恒例になっている「優勝馬生産者インタビュー」は無理かな…と思っていたのですが、スタッフからの電話が繋がるとインタビュー出演を快く引き受けて下さいました。 馬の細かい話がどうこうというより、「勝った…」という実感がじんわりと伝わる、とてもいいお話を頂きました。話を伺った私たちだけでなく、その場のスタッフの皆さん方も事後口々に「良かった~」と感激しておりました。 で、牧場の場所が私の日高の在所から車で15分ぐらいのご近所。 なので、これは一度お礼に足を運ばねばと思い、牧場を訪れた次第。放送で流れたインタビューの中でもそのように言ってしまいましたしね。 小さいけれど、とてもきれいな場所でした。 そして、放されていた馬たちが、この上もなく気持ちよさそうでした。 取材の申し込みも引きも切らないそうで、近々様々なメディアでこの牧場や目黒さんのことも取り上げられることでしょう。 詳しくはそれらに委ねるとして。 目黒さんが何度も強調していたのは「多くのひとびとの手で、馬がここまできた」ということ。そして、「長い時間をかけて、していることがここまできた」という、いまがあるまでの流れ。 そして目黒さんは、馬づくりや競馬に対してとてもアツい方でした。 牧場や勝ち馬の話から離れた馬談義が盛り上がって、気がつけば「いっとき」近くもお邪魔してしまった……。 競馬場で目にする騎手とか調教師など、わかりやすいプレイヤーにどうしても目が行きがちなのが競馬ではあるのですが、今回こうして「その先の現場」に足を運んで直接目に見て耳に聞けば、改めてものすごく大切で、普段あまり意識しないけれどもものすごく当たり前のことに改めて気づかされます。 こう言う人と、こう言う人と縁があるひとびとの力で、競馬が成り立っている ここにもまた、競馬にとって「かけがえのない場所」がありました。
2017年11月29日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 もうずいぶん前のことになりますが… 先週11月16日木曜日に名古屋競馬場に出かけたときのことを書きます。 安定の、パドック内重賞肩掛け展示 今日は元々東海菊花賞(SP1)が行われる日で、私も取材に来るつもりでいた日でした。 ところが、1ヶ月半ぐらい前になって… レディスヴィクトリーラウンドがあとから同じ日に入って、もうイベントもてんこ盛り。 まあ、先週先にご紹介したように、楽しみが多いのはいいことです。 いい天気でしたが、吹く風が冷たくて寒い! レースの合間には、この日も様々な方々の話を聞くことが出来ました。 笠松の筒井勇介ジョッキーが、平場ひと鞍だけ乗りに来ていたので、話を聞いてみました。 色白のイケメンで知られる(?)筒井ジョッキーも、今年34歳。 現在笠松リーディングでは勝ち数2番手集団にいて活躍をしています。「リーディングを取る、ということを意識しなければいけないと思っています。」 笠松トップに君臨するのは、佐藤友則ジョッキー。 その彼の名前も挙げながら「その次は自分だと、いまは思っています。レースだけでなく、トレーニングなんかにもこの段階で色々気を使うようになりました。」 体幹トレーニングなどに手応えも感じているとのこと。 近年は「特指競走」でJRAへの参戦機会があると、いわゆる「エキストラ騎乗」で更に別の馬の騎乗依頼を受けることも増えてきた筒井ジョッキー。これからアピール度が増してくれば、更にチャンスも増えて、近い将来リーディング争いへ…という流れも出来てくるのではないでしょうか。 色白でイケメンですから。アピール度は大丈夫でしょう、きっと。 「まだ小さい」というお子さんも励みにして、更に活躍をしてくれると思います。 大ベテランの今津勝之調教師 記者の方相手に、この日はぼやき節…。「いま、厩舎に活躍馬がいないから、勢いがない…。何か一頭走る馬がいると厩舎の雰囲気も違うし、皆励みにもなっていい仕事をしてどんどん活躍する流れになるんだけど……」 やはり厩舎というのはチームですから、そういう流れ・勢いというのは大事なんですね。 今年通算1100勝を達成。かつてはゴールドプルーフでJRAの重賞・東海ステークスも制した今津勝之調教師も、いまの立場で思うことは様々あるようです。「もう、息子(博之調教師)たちの時代だからな。結果も出しているし。もう自分たちより、次の世代だよ。」 と、会話の最中何度か話したあとには必ず…「だが、もう一花、どこかで咲かせたいと思ってやってるんだよ。」 この気持ちが、息の長い活躍を支えているんですね。 浦和の保園翔也ジョッキー 東海菊花賞騎乗のためにこの日は名古屋に参戦していました。 一度話を聞いてみたいと思っていたんですよね。 それが南関東ではなくここでかなうとは!「浦和でナンバーワンになること。」 現時点での目標・抱負を聞いたところ、間髪入れずにこの答えが返ってきました。「浦和には、いま繁田さんという絶対的な存在がいます。その繁田さんのあとは必ず自分になるんだと、いまそういうつもりで乗っています。」 浦和だけではなく、南関東4場それぞれで騎乗機会があり、活躍を続けている保園ジョッキー。 他場で騎乗することについても、強く意識を持っているようです。「いま、定例的に浦和以外でも乗っているのは、繁田さんと、自分。そうあり続けたいと思っていますし、『浦和でトップ』と思いながらも、どこで乗っても自分の騎乗をして活躍したい、出来ると思っています。」 同期の加藤聡一ジョッキーとともに、おどけたポーズも 仕事の話を離れると、とても楽しい若者でした 恐らくこのふたりとも暮れの中山・ヤングジョッキーズファイナルには出場が可能。 特別な舞台での活躍を、楽しみにしたいです。 こんな風に取材をしている間に、実は今日の主役たちはとっくに集合していまして… 下村瑠衣ジョッキー 木之前葵ジョッキー この二人も頑張ったけれど… 盛岡に続いて結果を出したのは、このふたり 宮下瞳ジョッキー 盛岡の時と同様1戦目で楽々の1着 別府真衣ジョッキー 2戦目全く人気薄の馬でハナ差の惜しい2着 レース後、取材陣の求めに応じてポーズを取るふたり しかし…何か物足りない感じがして、別のポーズを取ってもらいました。 ほら! こっちの方がかっこよくない!? 次の対決は2月7日の高知。 この表情どおりの熱闘に期待しましょう。 この日の最後、本当の主役、真打ち登場! カツゲキキトキト この日の東海菊花賞は、来月のダートグレード重賞・名古屋グランプリに向けてのステップ。 そこでの勝利を目指すためには、負けることは出来ない戦いでした。 期待通りの強さでした。 例によって、記念撮影でカメラ目線のポーズを取るカツゲキキトキト カツゲキキトキト自身も、お客さま方に向けてグリーティング。 カメラを向けるお客さま方それぞれに視線を送って応えていました。 可愛い…。強いのに。 次の名古屋グランプリ。悲願達成のシーンが見られればいいのですが。 人も馬も、私たちが楽しむことが出来るレースを演出。 事前の期待通り、とっても濃い楽しみを味わうことが出来た、この日の名古屋でした。 最後は、先週に続いて富士山。 昨日、羽田空港からクッキリと見えました。 また来週までに、富士山の姿に恵まれるかな…。
2017年11月22日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今日15日水曜日は園田でヤングジョッキーズトライアル、明日16日木曜日は名古屋レディスヴィクトリーラウンド。地方競馬のシーンでイベントが続きます。 今日は夜に大井に取材に出かけるので、私は園田は見送って明日の名古屋に取材に行ってみます。 …と思ってある人にそう話したら、「私は園田行ってから大井に戻ってマイルグランプリも行く」ですって。 すごいね、みんな。 イメージ画像です 名古屋競馬場 イメージ画像です 実は、前回のLVR盛岡を観戦に行ったときに気づいたのですが… LVRのシリーズ各競馬場を巡る、スタンプラリーをやっております。 盛岡でのキャンペーンブース設営風景 名古屋競馬場では入場門付近にブースが設置されるそうなので、行けばすぐにわかると思います。 帯広・盛岡・名古屋・高知・佐賀の5場を巡るスタンプラリー。 まずはスタンプラリーの台紙を手に入れることから始まります。 ※スタンプラリー台紙の入手には、発走前の馬券500円分の提示が必要です スタンプラリー台紙の配布は、明日も先着100名限り 明日は朝から行きましょう、名古屋競馬へ。 ところで、スタンプラリー台紙とともに持っている銀色の袋は台紙と一緒にもらえるアイテム。 袋を開けてみると… ワーイ! 木之前ジョッキー出てきた!! これ、今回のLVRのイベントのために作られた特製のトレーディングカード。 今回参加の各ジョッキーのトレーディングカードは結構種類があるみたいで… 特別に見せていただきました。 ※ 紹介用のものを特別に見せていただきました スタンプラリーで競馬場を巡りスタンプを集めると…1.2つの競馬場押印でLVRオリジナルクオカードをプレゼント2.3つの競馬場押印で「LVR女性騎手全員」のサイン入り色紙をプレゼント3.4つ以上の競馬場で「LVR女性騎手全員」と記念撮影&スペシャルプレゼント 「3」は帯広か盛岡で参加していないともう間に合いませんが… 「1」と「2」は、明日の名古屋からでも間に合いますよ!! 資料画像 スタンプラリー2場制覇でもらえるクオカード LVRスタンプラリー、是非参加して下さいね。 明日の名古屋は、元々重賞の東海菊花賞(SP1)が組まれていました。 LVRだけでなく、こちらの方も楽しみなメンバー。 なにせ、地方競馬の雄・カツゲキキトキトが登場! 前走ゴールド争覇は、不向きな1400mの舞台でトウケイタイガー(写真内)をねじ伏せて勝利。 レースでの強さとは対照的に、レース以外での仕草が可愛いカツゲキキトキト 大目標は勿論、次走予定している名古屋グランプリ(12月14日)での、悲願のダートグレード競走の制覇。馬の実績力量を考えたら、今回の東海菊花賞は通過点としてクリアしなければならないレースです。 出馬を見たら、聞いていたのと異なり大畑ジョッキー騎乗となりました。 次の活躍を予感させてくれるようなレース振りを期待しています。 が…しかし…… 強力なライバルが登場!! 3歳馬・ドリームズライン 先月の岐阜金賞を勝って、東海3冠を達成 今回はお手馬差し合いのため、2歳時に2回騎乗していた笠松の東川ジョッキーが騎乗します。 このドリームズラインという馬の今後を占う意味で、カツゲキキトキトとの対戦となるこのレースは、目が離せなくなりました。 そのほかにも、園田のエーシンクリアーとかキングルアウといった遠征馬の参戦も興味津々。 明日16日の名古屋は、楽しみがいっぱいです。 今日のエンディング 土曜日の東京競馬場 この時期珍しく午後にうっすら姿を現した富士山
2017年11月15日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 昨日、ローレル賞の川崎競馬場に出かけてきました。 写真とか撮るとよくわかるんですけれども… 川崎のナイターって、照明が明るいような気がするんですよね。 だからこうしてコースの側を見ると、本当にキラキラしてきれいな感じ。 こないだ交流で初めて川崎に乗りに来たという関西のJRAのジョッキーもそんなことを言っていました。 パドックも明るくて、写真が撮りやすいです。 競馬場についてあちらこちら見て回っていたら、この方にお目にかかることが出来ました。 あ、ごめんなさい… 川崎、明るいはずなのに、わざわざ暗いところで写真を撮ってしまった。 吉原寛人ジョッキー この日はホッカイドウ競馬のボーダレスガールに騎乗。 こうして他場の重賞に他場の馬の騎乗依頼を得て参戦することが多い吉原ジョッキー。それでも次々と結果を出していくのは、容易ならないことのように思えます。 この日のように、全く乗ったこともない2歳馬ならばなおのこと、ですよね。「情報収集はしますね。乗っていた方にその馬についての話を聞いたり、あとは勿論これまでのレースを見たり。」 この日も、調教師との打合せはまだでしたが、騎乗していた服部茂史ジョッキーからも話を聞いてきた様子でした。 南関東でも馬主服が導入され、この日はいつもと違う感じの吉原ジョッキー「ただ…大抵の場合テン乗りなので、大切なのは実際に馬に乗ってからの10分とか15分の僅かな時間ですね。そこで馬の様子とか感触を確かめて、それまでの情報とつきあわせて、ズレていたら修正して。あとはゲートが開いたらまたいろいろなことが起きますから、それにも合わせながら乗らなければなりません。」 ボーダレスガールの返し馬 この日は、左回りが初めてのこの馬のコーナーリングが一息であることも返し馬で察知し、レースで対処しようとしていたそうです。 乗ってからの10分とか15分、という言葉がとても印象的でした。 やはり馬に乗る人は、そこで感じるものが私たち見ている者の想像以上に大きいということなんでしょう。 レースで騎乗している馬に乗る場合は、そのあたり多少は楽なのかと思いきや… 「乗ったことがある馬だと、先入観がよくないこともあって…」 大切なのはやはり乗った感覚、なんですね、きっと。 今日も川崎でロジータ記念。 明日の門別の道営記念では、ジュエルクイーンに騎乗します。 そのジュエルクイーンについては…「ずっと馬をいい状態に保ってレースで乗らせていただいていましたから、体調面は心配していません。前回は残念でしたけれども、状態も良かったですし、馬もよく走っていました。」 10月5日 レディスプレリュード(大井)でのジュエルクイーン このときは残念ながら6着で、グランダムの女王の座を逃す… 問題の道営記念のレースの見通しについても、興味深い話が聞けました。「この馬は、うまく流れに乗せて行ければ力を発揮してくれる馬。昨年も前と後ろにライバルがいながら、惜しいレース。今年もチャンスはあると思います。」 今年も、恐らくレース道中自分よりも前にいるはずのオヤコダカの存在は気になるだろうと話す吉原ジョッキー。何度も騎乗してよく知るパートナーのジュエルクイーンを、今年こその勝利に導くことが出来るか。 彼が乗って、そしてレースの中で何を感じ、馬がその感じたことにしっかり応えられるかどうか。 人馬のレース振りに注目したい一頭です。 その明日の道営記念当日。 私はまた場外発売所でお客さま方とご一緒にレースを楽しませていただくことになっております。注)本場ではなく、北海道の場外発売所・Aiba石狩のイベント情報です ここの競馬場に関しては、色んなことがあった半年。あっという間だったな… 最後だからさ… みんなで楽しみましょう。当てましょう。 私はAiba石狩で、皆さまのご来場をお待ちしています。
2017年11月08日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 先週に続いて、サテライト成田(エフケイバ成田)のリポートです。 (この稿の取材日は、平成29年10月23日です) 前回は周辺を巡ってサテライト成田にたどり着いたところまで。 今回はいよいよ内部に「潜入」してみましょう。 ご覧のように2階建てになっているサテライト成田。 1階部分が競輪とオートレースの場外発売所。 そして2階部分が競馬の場外発売所になっています。 元々は2008年に千葉競輪の場外発売所「サテライト成田」としてオープンしたこの場所。 船橋競馬の場外発売所「エフケイバ成田」が開業するのは2012年で、その時に元々競輪の特別観覧席だった2階部分を改装して、競馬の場外発売所にしました。 1階の競輪部分の様子 今回は競馬の場外発売所としての紹介ですので、2階の競馬の発売所(名称:エフケイバ成田)の様子を見ていきましょう。 業務エリアも含めて870平米あまり。 とても手頃なスペース感。 当日は船橋開催、夕方前の時間帯ですが、このように結構な数のお客さまがお楽しみで盛況でした。 とても明るくて、全体の色合いも落ち着く感じ。 使い勝手も考えられていて、建屋の柱を使って、マークシートの記入スペースがうまく配置されています。 平場スペースの3分の1ぐらい、発売機と反対側の壁側一片は、このように椅子が並んで壁にはモニターがずらり。皆さんくつろぎながらレースをご覧になっていました。 発売機付近。 この場所を見せて頂いて印象的だったのは、こうして警備の方とかスタッフの方々がいつもさりげなくお客さま方に気を使っていること。 あちらこちらのこういう場所を見て回るとわかるんです。 場所だけ店開きして窓だけ開けて、さああとはご勝手に…っていう場所の雰囲気とは、明らかに違ってくるんですよね、こういうことって。 普段何をするわけでもなくても、何かあったときにすぐに対応出来る気遣い。 細かいようですが、人手もかかりますし、なかなかそういう雰囲気を作るのは難しい。 「場所の雰囲気」 形はないものなのだけれど、そういうことの大切さを改めて感じます。 券売機が11台あるんですが、平日は3台はこのように閉まってます。 これは週末のJRAの発売日に稼働する分。 奥の方には、JRAの開催の日だけ解放されるスペースがありました。 やはりJRAの発売日は相当に混雑するそうです。 それだけに、お客さま方が馬券を買うための環境作りが大切と言うことなんでしょう。 このサテライト成田、すごいのが有料の特別観覧席です。 フロアの一角にある、秘密の扉… 特別観覧席の入場者のみが入れるように、鎖錠してあります。 このように、席数僅か6席のサロン風 ゴージャス感溢れるソファとテーブル。モニターも2台自由に使えます。 一日ゆったりと楽しめる特別観覧席。 たったの6席しかないので、週末には朝一番で売り切れてしまうそうです。 JRA開催日は1席5000円(500円は保証金なので実質4500円)・競馬専門紙無料配布・フリードリンク・昼食サービス(お昼のランチなど無料!) …お値打ちすぎる! すぐ満席になるのもわかります。 地方競馬開催日は1席2500円(同じく実質2000円) 昼食サービスはありませんが、競馬新聞とドリンクはついています。 東京のように競馬場が近い場所にいると、場外発売所を訪れる機会はなかなかないもの。 しかしこうして訪れてみると、競馬場から少し離れた場所にいて「競馬を楽しみたい」と思う方々にとって、こういう場所がとても大切な場所だと言うことがわかります。 建物の形で少し奥まったスペースも、「いつもこの場所」とおぼしきお客さま方がおられました。 狭い場所でも、こういう場所の居心地も気配りされていました。 で、もっと重要なことは… そういう方々にとって、競馬を楽しむ場所の選択肢は、あまりない。 これも東京のような場所にいるとなかなか気がつかないことです。 ここに来てくれるか、この場所がいやならもう来なくなるか。 来なくなる、イコール競馬をやらなくなる。 こうした「競馬のある場所」というもののかけがえのなさを、改めて感じます。 この場所を運営されている方に、お話を伺いました。 サテライト成田の運営会社の社長 茂木一男さん 「このあたりは、元々競馬にものすごく縁のある場所ですから。ここで競馬を楽しめる場所を作るというのが私たちの悲願でした。」 ご存じのように、明治の時代から当時の宮内省の御料牧場があったのが、千葉のまさにこの場所。名門・社台ファームも戦前この千葉の地から礎を築いていったように、いまはこの地を離れた大手の牧場の中にも、この千葉に拠点を置いていた牧場は数多くありました。いまでも、馬の生産・育成に携わる牧場が数々、この成田の近隣の場所に点在しています。 千葉のこの場所で競馬の場外発売所の開設を目指してざっと10年。競輪の場外発売所としての開設を経て、2012年7月に船橋競馬の場外発売所「エフケイバ成田」の開設に至りました。「成田や近隣市内のお客さま方だけでなく、九十九里の漁師さんとか、房総方面の農家の方々とか、車で1時間弱の圏内から多くお客さまがお越しです。北は利根川を挟んで茨城の端の方の方も、お越しになっているようです。美浦のトレーニングセンターの近辺の方々もお客さま方の中にはおられますよ。」 幅広い商圏を支えるのは、前回ご紹介した1000台の車が留まれる無料駐車場。 一日トータルで2000人とか3000人とかが来場する有馬記念の日でも、駐車場には困らない。これは大きなアドバンテージになっているようです。 私が場外発売所を訪れるときに注目するのは、その場所が存在する「地域」との関係です。 その場所に競馬があり続けるために必要なこと。それはその場所のひとびととともにきちんと競馬が根を下ろすこと。 例えばこちら。 1階にある食堂です。開店している間に写真撮れなかった… 券を買うフロアとは全く雰囲気が異なり、白を基調に清潔感溢れるエリア この食堂の何がすごいかって言うとですね… 昼の定食が2種類、何と!ワンコインの500円 取材日からの週の1週間のワンコイン定食メニュー 私は残念ながら、定食の時刻に間に合いませんでした。 これが500円ならば、来場客の皆さんさぞかしおよろこび…と思いきや、先ほどの茂木さんから衝撃の事実が明かされました。 「ワンコイン定食、周辺の会社の方々が食べにいらっしゃいます。」 周辺は空港関連の業務を行う倉庫とか工場とかオフィスがたくさんあります。あまりに安いので、昼にはそうした会社の方が食事をしにサテライト成田を訪れるそうです。 券を買わずに、食事だけしに来るひとも多いそうですが…「地元の方々がお越しになるなら、それでもいいんじゃないでしょうか。」 値段云々よりもむしろ、あまり数が増えるとスタッフの方が大変、と心配されていました。 いずれは券を買うことに繋がる、と言うところまで思わなくても、近隣の会社との関係向上のために食堂が役目を果たしているのはいいこと、と考えておられるみたいです。 さながら、周辺の職場の「社員食堂」(笑)。 場所柄ももちろんあるわけですけれども、こういうありようには素直に感銘を覚えました。 「これはまだ思ってるだけですけれども…ここは井戸水があるので水には困らないし、まるまる1000台とまれる駐車スペースも建物もありますから、いずれはたとえば地域の防災拠点とかになれたらいいんじゃないかとか……話大きいですけれど(笑)」 成田のこの場所にあって、お客さまは勿論、この場所のひとびとを意識しているからこその考えなのではないでしょうか。 正直、これまで本当の意味でこの「成田」という場所にほとんど縁がありませんでした。 競馬があったから、こうやって訪れる機会が出来ました。 そして…普段私が思い描く以上に、成田という場所が競馬にとって身近な場所であることも、感じることが出来ました。 そしてこのサテライト成田という場所も…。 きっとこの場所が、地域のなかの競馬、そして競馬がある場所ということを意識しているからこそ、それを感じるお客さん方や周囲のひとびとが支えてくれているのでしょう。 またいずれ、この周辺をもっと探索せねば… 昨年巡った北海道以上に、競馬がここにあり続ける深い「理由」に巡り会えるような気がしてなりません。
2017年11月01日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 一昨日、縁あって千葉県にある船橋競馬場の場外発売所「F-keiba成田」にお邪魔してきました。今日はそのリポートをお送りします。 千葉県の丁度「真ん中」に当たる場所にあるのが成田。 南へ向かえば房総半島、北は利根川を挟んで茨城から北関東方面を臨む場所、 西に電車で1時間半ほどで東京にも至る、南関東の要衝に当たる場所です。 成田と聞けば、やはり皆さんのイメージは成田国際空港でしょうか。 (資料画像) ただ、成田空港に行くときにはだいたい都心などから交通機関で空港に直接入ってしまいますから、「成田のまち」に足を運ぶっていうことは全然ありませんよね。 実は私もそうでした。 それまで成田といえば空港にしか行ったことがありませんでした。 あるいは、この場所に行ったことがある方はおられるかも知れません。 成田山新勝寺。お正月の初詣の名所として必ず話題になる場所ですね。 このぐらいのイメージしかないままに、都心から電車に乗って成田へと赴きました。 京成電鉄の京成成田駅。JRにも成田駅があるのですが、少し離れた常呂にあります。徒歩で5分ぐらいでしょうか…。 こちらの成田駅の方に来たのは、サテライト成田に行くことが出来る送迎バスが出ているから。 この写真の駅の正面から、線路をくぐって反対側の東口に出るとロータリーがあります。 このコンフォートホテルの前にバス停があるんですよね。 ご覧のように、ちゃんとキャノピーがついた立派なバス停。 元々は空港近くにあるホテルに行くバスがここで発着していたらしく、そのホテルバスの乗り場がJRの方に移転したのと入れ替わるように、サテライト成田行きのバスがこの場所に発着するようになったそうです。 このバスに揺られること、30分弱。 バスの車窓の風景、結構取り損なったな…。 林を切り拓いたようなアンジュレーションのある道を抜けて丘を越えるように行くとですね… わかります? 写真の中心部、林の木々の向こう側、すっごく近くに飛行機が飛んでる!! 丁度空港の裏側に来たみたいです。 空港の裏側にはこのように物流会社のオフィスや倉庫が建ち並んでいました。 あとから聞いたんですが、空港の騒音の関係で新たに住戸を立てることが出来ない地域なんだそうです。 本当は、滑走路の一番先の更にその先にある公園が楽しそうだった… ものすごく多くのひとたちが、飛び交う飛行機を待ってそれを眺めたり、あるいは写真を撮ったりしていました。たぶん名所なんでしょうね、飛行機を見るための。 そうこうしている間に、サテライト成田に到着! サテライト成田は、いま増えつつある複合型の公営競技の場外発売所。 地方競馬・中央競馬・競輪・オートレースと4種目がひとつの場所でがっつり楽しめる、ここもまた夢のような場所なのです。 競馬は船橋競馬の場外発売所「エフケイバ成田」が週末にはJRAを発売する「J-PLACE成田」として運営されています。 いよいよ、この場所の中の探訪…ですが それは次回の稿のお楽しみに致しましょう。 今回は最後にお知らせ。 北海道にある場外発売所「サテライト石狩(Aiba石狩)」のイベントのご案内です。 ガールズレーサートークイベント。石狩ではおなじみのイベントになりました。 残念ながら日程の都合がつかなくて競馬の女性ジョッキーの参加がないのですが… 恐らく面白いトークイベントになるかと思います。 私、司会をさせて頂きますので、いまからワクワクしています。 この日、競馬はJBC当日。JBC3競走の場立ち予想トークも私が担当させていただきます。 11月3日(金祝)のJBC当日、北海道の皆さま方は近隣の方もそうでない方もサテライト石狩(Aiba石狩)にお集まり下さい。 競馬のレースもご一緒に楽しみましょう!!
2017年10月25日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今回の話題。 ちょっと前のことになりますが、先週金曜日の笠松の話にさせて下さい。 東海の話は、大川アナが笠松のことをたまに書かれるぐらいしか機会ないので。 名鉄の笠松駅を下りて少し歩くと、このような競馬場の入口があります。 このまま入れば、そこは「名馬、名手の里 ドリームスタジアム」 …ですが、今日はまず中には入らず、ぐるりと競馬場の周りを巡ってみることにしました。 左手の塀の中が競馬場。 4コーナーポケットの、1400mの発走地点。右脇の道路の向こうがファン向け駐車場。 3コーナーのあたりから競馬場を望む 笠松のスタンド、ホームストレッチ一杯にのびているので、こうして全景をみると結構大きく感じられます。 向正面は堤防になっていて、そのむこうは木曽川。 木曽川は思ったより広くて雄大さのある川でした。 赤い橋梁は名鉄の橋 こうしてみると、ちょっとどこか別世界に来たみたいじゃないです? この風景が名古屋からたった20分の場所にあります。 川の堤防の上で、レースが始まり馬たちが来るのを待ってみました。 すごく新鮮なレースシーンでした。最後の直線とは違う迫力を感じたな…。 みているロケーションもさることながら、向正面で丁度馬が動き出したりの駆け引きをするその場所ならではの感じがありました。 先ほどの入場門のところに戻って、ここからは場内。 オグリキャップの名前は、もう若い競馬ファンにはわからないみたい。 25年前だからな…あのオグリコールの有馬記念は。 名前は聞いたことあっても、この競馬場から現れた馬だってことは知らないのでしょう、きっと。 例えば、あれだけ強かったオグリが、この場所でのデビュー戦ではマーチトウショウっていう馬に負けてるとかいうのも、もはやカルトネタ。 だから、こういう風に残るモニュメントはいいですよ、やはり。 場内の雰囲気は、実にクラシカル 食堂が何軒か並ぶ一角に、こんな看板を発見しました。 いいですね~絶品B級グルメ ザ・レース場の食堂 っていうメニュー こんな看板が出てると、食べたくなります。 なので、食べてみることにしました。 やきそば それに串かつと厚揚げおでん 串カツはソースにしましたが、厚揚げおでんは味噌煮込み 美味でした 実はこの写真を撮ったあと、どうしても飲みたくてノンアルコールビールも飲んじゃった! いつもここでは大川アナが笠松を紹介していますが、この日の実況担当はこのひとでした。 西田アナ。お坊さんではありません。 軽快な実況でレースを伝えます。 実況席、こういう位置関係でした。 大川アナがおっしゃっていたようにビジョンで結構隠れる…。 1600mのスタート地点が丁度影に隠れて見えなくなり、実況には気を使うそうです。 さて、一通り場内を見て回ったあとは、検量室前で見学。 笠松は検量室もスタンドからは離れています。 1コーナーと2コーナーの間あたり。 向こうから馬が出てきて写真中央の曲がりくねった通路を通ってトラック内パドックへと向かいます。 ここですね。 例えば馬の写真を撮りたい方なんかにとってはちょっと残念なパドックの配置。 昔からずっとこうだからなぁ…。 検量室の方へ移動してみましょう。 丁度、レースに向かう騎手や、ゲートに向かう厩務員さんたちが乗るバスが止まっていました。 この写真の右側がジョッキーの控え室。 準備した鞍が並んでいますね。 ジョッキー控え室前で巨頭会談(笑) 右から名古屋の角田輝也調教師・吉原寛人ジョッキー・佐藤友則ジョッキー 3人合わせて6400勝あまり 昨年121勝を挙げて、開業5年目で笠松のリーディングトレーナーとなった、笹野博司調教師。 今年もリーディングトップを快走中。 この日はレースごとに出走馬がいて大忙しでした。 勝てたレースも、思うように結果が出なかったレースもありましたが、その度に行き来してジョッキーとコミュニケーションをとったりレースをみたり、電話片手に連絡とったりと、とにかくじっとしている間がないぐらい精力的に時間を過ごしていました。 ピザ屋の店長から転身して30前の人生の遅い段階で競馬の世界に入り、そこからまたすぐに「自分の思うように馬を育ててみたい」と強く思って調教師になり、そしてリーディング獲得。 「飲食(ピザ屋)も調教師もサービス業。」 こう話す笹野調教師。サービス業という意味でお客さんのニーズに応えることと、ピザ屋なら食材・調教師なら馬という「素材」を生かすということ。 それらの仕事だからの共通点というよりも、そもそもの「仕事」として通じるものを感じながら、いまの仕事である「馬」に向き合っています。 開業当初に活躍したトウホクビジンががタフな遠征で知られた馬でしたが、それもあってかいまも他場やJRAへの遠征に積極的な笹野調教師。 「勿論、芝が向きそうな馬だなと思えば、JRAへの遠征も常に意識していますよ。オーナーの皆さんも相談すると『行こう!』って言って下さるんですよね。」 この夏には関西中京エリアのレース上だけでなく、新潟の直線1000mのレースにも馬を送り込みました。まだ遠征で結果は出ていませんが、まずは掲示板、そしていずれは勝利を意識できる馬を送り出してくれるのではないかと期待しています。 あのライデンリーダーや、それより以前には、笠松の馬たちがそうであったように。 さて、取材をしているうちにレースは進んで行きました。 一般戦の時に撮影した誘導馬。 馬がドレスアップされていたのには気づいたのですが… 終盤の特別戦になると…… 何と! 人も変装!! 騎乗者の方が「本日初日!」と言い残して馬場へと馬たちを誘導していきました。 あ、『猿の惑星』ね…… 素晴らしい! この日のメインレースは、3歳馬の重賞・岐阜金賞 春の駿蹄賞と東海ダービーから続く、この地域の3冠最終戦。 名古屋のドリームズライン(左 4番)が、アペリラルビー(右 8番)の追撃を押さえて優勝。 見事3冠達成となりました。 上がってきて、大畑ジョッキーもこの笑顔。 「カツゲキキトキトに乗るより緊張しましたよ…」という言葉に、喜びがストレートに込められていました。 管理する川西調教師は、このレースこれまで2着4回と縁がありませんでした。 レースの2日前にお会いしたとき、この岐阜金賞への見通しとして語った言葉が…「(岐阜金賞を自分が)勝っていない。それがポイントやな…」 馬の力量や状態などへの自身と、勝利に向けての緊張感が伝わる言葉でした。 レースは、自ら動いていって他馬を完封する完勝。 レースのあとに川西調教師に祝福の言葉を送ったとき、短く言いました。「ようやく…勝ったな…」 この時には、川西調教師の表情にも笑顔が出ていました。 笠松競馬場で一日、色んなものをみて、多くのひとびとに出会い、たくさんの話を聞きました。 いい一日の終わり。一日雨が降ったり止んだりでぐずぐずしていた空は、西の方に茜がさす夕方…。 次は久しぶりになることなく、またすぐ期待です。 レースと、馬たちと、ひとびとに出会いに。
2017年10月18日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 今週は、土曜日の東京競馬場。 3ヶ月ぶりの大國魂神社。府中の杜の鎮守 雨上がり。まだ秋とは言え緑の木々のトンネルの中を通って参道をゆくと、少しだけ秋の風のかおりがするような気がしました。 境内には、撮影用の大絵馬。すでに来年の干支の犬が描かれています。 今年ももうじきおわりか… 随所に季節の進みを感じながら、歩いて東京競馬場へ向かいました。 競馬場の中の木々は、ほんの少しですが色づき始めていました。 ここからジャパンカップまでの2ヶ月の開催。 あっという間にこの風景も変わっていくのでしょうね。 スタンド内では、牧場就業支援「BOKUJOB」の案内ブースが出来ていました。 すでに高校生の新規就職については、概ね就職先が決まって決着がついたあとという時期で、今回は来年以降の就職に向けての情報提供を行っていました。 先週のオータムセールの会場でも聞こえてきた話なのですが… 生産牧場や育成牧場における人手不足の問題は、極めて深刻な様子。 そもそも人材募集に対して応募がなかったり、就職しても定着せずにすぐにやめてしまう人が多かったりと、人手不足の解消に向けての取り組みがなかなか緒に着いてきません。巷では好景気で、高卒でも求人倍率が2倍近くという超売り手市場において、馬産地での人材確保は私たちの想像以上に苦戦しているようです。 恐らく…構造的な問題もあるんじゃないかと、私は思うんですよね。 例えば経済面。人材の確保にこれ以上お金を費やすことも無理だというのが、育成などの牧場側のおっしゃり方です。 でも考えてみて下さい。いま馬産地は好景気といわれ、セールなどでの売れ行きも好調とされています。それなのになぜ? 馬産地においては巷で言われる好景気も、まだ最悪期から底を打って上昇に転じてきた、という段階を出ていないということなんでしょう。馬代金が馬産地に配分されるとして、まだそれが十分、そしてあまねく行き渡っているとは言えない状況から、馬づくりを支える体制へと修復できるかどうか。もしかしたら、人を引っ張ってくると言う末端の取り組みよりも、もっと手前の部分で手をつけていかなければいけない部分があるのではないでしょうか。 ひいてはJRAの厩務員の確保にも影響がある(競馬学校への入校に牧場での1年の実務経験が必要)との声もあり、そのような競馬開催の維持確保という観点からも、生産育成の人材確保が急務であることは間違いなさそうです。 とはいえ、これらは全て運営側の事情にすぎず、競馬のお客さま方としては関係のない話。だからこそ、影響が出ないうちに、解決に向けての流れを創り出す必要があります。特効薬はないんでしょうね、きっと。なので、この東京競馬場で目にしたような小さな取り組みでも、続けて行くことに価値があるんだと思います。 それはともかく。 メインレースは、2歳の重賞・サウジアラビアロイヤルカップ 札幌の時もそうだったのであまり気にしなくていいようですが… さすがに腹からしたたるぐらい汗かいていると、心配になりますよ。 そんなダブルシャープを今回も操るのが、こちら。 石川倭ジョッキー レースの結果は…皆さんご存じの通り6着。 レース序盤によられる不利もあり、レースタイムが途轍もないレコードになるような内容のレースだったことも含め、よく走ってますよ。ダブルシャープ自身も、従来のレコードぐらいの時計では駆けているのですから。 上がってきたときの表情も、残念そうだったな…。 帰り際に話を聞くことが出来ました。 最近にないぐらい、緊張したと。 その緊張の正体は、あれこれ聞いてもはっきりしなかったのですが… すごく緊張したそうです。 オヤコダカに乗るときの緊張感とは全然違うと。 石川ジョッキー、東京競馬場でのチャレンジで、またひとつ何か新しい感覚を掴んだのかも知れません。 人馬とも、また次の機会に期待しましょう。
2017年10月11日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 季節も進んで、すっかり秋。 土曜日の中山競馬場 カンナステークスに出走したホッカイドウ競馬のリュウノユキナ パドックに、めっちゃ蝶々がたくさん飛んでました。 わかりにくいか… 色んな色の蝶々がいました。 ああ、蝶々じゃないわ。馬見ないと(笑)。 ゴール。よく走ったけどな… 厩舎的に「11月まで」が大きな節目とのこと。 それまでにあと1回。いい活躍シーンを見せてくれるといいのですが。 週が明けて、北海道に来ています。 昨日は、日高・静内で行われている競走馬のセリ市・オータムセールを見学してきました。 比較展示の様子 朝方の雨も止んで、盛況でした。 馬だけでなく、馬に携わるひとびとが、売る側買う側両方大勢集まるのが、競走馬セールの会場。 この日も会場を回っていると、本当に多くの方々に行き会いました。 単に今日売り買いされる馬についてだけでなく、あらゆるひとびとからの情報が集まり流れるのもこういう場なのかも知れません。私も多くの方々にお目にかかり、午前中までの展示の間に本当にたくさんのお話をしました。 初日月曜日は、売却率的には好調でしたが、金額まで考えると「堅調」ぐらいの感じだったみたい。 セールは今日までですが、果たして最終的にはどのような結果になっていますか。 恐らく金曜日に古谷さんからリポートがあるのではないでしょうか。 競走馬セール会場の一角に、来場者向けの展示ブースが出ていました。 気になったのがこちら。 農機具の販売店の方が、草刈り機の紹介をしていました。 その名も 「Hey MASAO」 農業には欠かせない草刈り。 従来は手で持って刈り刃が回転してかる「草刈り機」がよく使われていましたが…草刈り機をもっての作業はしんどい。なのでこのように、カートのような乗り物に乗って草刈り作業を行うことにより、負担を大幅軽減できるというものです。 100万円以上するのですが、売れ行きは好調だとのこと。 それにしても「へい!まさお!!」とは、面白い名前。 そんな名前の秘密は、この方が教えてくれました。 農機具メーカー「キャニコム」北海道事務所長 熊崎太志さん「農作業は、ともすると苦しくて辛いイメージがつきまとうものです。そんな中で、名前だけでもこうして遊び心があれば、気持ち的にも違うんじゃないかと考えています。」 要するに、農業を楽しく! 農業のイメージをも変えていこうという会社を挙げての取り組みみたい。 このキャニコムさんのカタログを見て、私びっくりしました。 乗用芝刈り機 『芝耕作(しばこうさく)』 電動アシスト三輪運搬車 『三輪駆動静香』(さんりんくどうしずか) 荷を運搬車などに積み上げるための機材 『安全湿地帯』(あんぜんしっちたい) どれをとっても単にふざけているわけではなく、機材の特徴を表したネーミング。 実際、『安全湿地帯』は、日刊工業新聞社主催のネーミング対象で第2位を受賞したそうです。 思わぬところで出会った、農業の頑張り。 事柄のユニークさとともに、非常に興味深く感じられました。 札幌に帰ってくると、時刻はもう夜。 寒波来週で冬の寒さになり、先週は見られなかったコート姿が当たり前の気候になりました。 北の大地は、いつもより少々早く季節が進んでいるようです。
2017年10月04日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 ちょっと前のことになりますが…先週の金曜日、名古屋競馬場に行きました。 メインレースは、3歳馬の重賞「秋の鞍」 名古屋競馬場の重賞当日 安定の肩掛け展示inパドック 今日は雨予報のため、肩掛けもカッパ着てます。 この日話したひとたち。 井手上慎一調教師 お目にかかると、いつも馬の話をたっぷりと聞かせてくれます。 厩舎にスカイヘルキャットという2歳の馬がいます。 この馬、1歳の時に弥富にやって来て、馴致のはじめから厩舎で手がけたとのこと。 話を聞いて驚きました。そのような競馬場での馬づくりは、もう門別以外は殆ど滅びてしまったのだと思っていたので。「馴致の最初から手がけるのは久しぶり。牧場からそのように頼まれて、色々調べたりして挑戦してみました。」 素材としては、800mを50秒そこそこで軽々駆けられるポテンシャルがある馬で、かなり期待していたそうなのですが…「輸送がよくなかった。どういう理由かわからないけれど… それで跛行してしまって、いまはその原因を皆で探って何とか立て直そうとしているところです。走る馬であることは間違いないし、そういう風に育てた馬なので、何とか活躍させたいと思っています。」 7月にデビューして新馬3着のあと、2回大敗。 いつか素質が目覚めて、皆で文字通り「手塩にかけて育てた」成果がレースで顕れるはず。 スカイヘルキャット。ちょっと名前を憶えておいて下さい。 もしかしたら、面白いシーンを見せてくれるようになるかも知れません。 次に巡り会ったのはこのひと。 木之前葵ジョッキー この日行われる重賞・秋の鞍で、久しぶりにカツゲキマドンナに乗ります。 レースで乗るのは「あの」東海ダービーのスタート直後の落馬以来…「またこの馬に乗るのは、緊張しますね。」 話のあと、レース本番。カツゲキマドンナを駆り本馬場へ「あのダービーは、人生最大にヘコみました。他の厩舎に行ったら、レースの写真でから馬(のマドンナ)が写っている写真を見てしまったんですよ…それで、ああ……って」 いまはもう、そう振り返って話すことが出来るようになった…ということなのでしょう。 まだカツゲキマドンナは春の調子を取り戻していないそうで、実際レースでも結果は出せませんでした。しかしまたいずれこの馬とのコンビで、いい活躍をすること。それがこの馬に対しての彼女の気持ちなのではないでしょうか。 そんな話を傍らで聞いていて、話に入ってきた人がいました。 「いやいや、はじめはどうなるかと思っていたけど、乗れるようになったよ。」 写真奧 角田輝也調教師 自厩舎の馬に木之前ジョッキーが騎乗する前にアドバイス 角田調教師は先日通算3000勝を達成しました。「見られているということを意識するのが、大切なこと。例えばジョッキーなら、後ろの方を走っていても最後までプレーする。それをお客さまやオーナーは見てる。馬づくりもそう。馬の姿をみんな見ている。見られていると思って仕事をしていけば、そこでやれること気づくことが必ずあるから」 木之前ジョッキーに話したこと、私たちにもこんなふうにひとしきり話してくれました。 私たちの仕事も、そうだよね、同じです。 もしかしたら、事務仕事のような一見人目に触れない仕事でも同じ「真理」のようなものなのかも知れません。 上がってきた木之前ジョッキーを写メでパチリ。 見ていると、角田調教師がこうして写メを取っているところを見ます。 勿論個人的にそれを撮っているわけはないので(笑)、恐らくオーナーさんなどへの報告用か何かなのでしょう。 だとしたら、「見られている」ということだけでなく、「見せていく」ということも意識していることの表れなのかも知れません。 このレース「3歳キング」、木之前ジョッキーはいいプレーをしたのですが…勝ったのはこちらの馬。 笠松のドリームアロー 筒井勇介ジョッキー 昨年JRA小倉で新馬勝ち。そのあとJRAから南関東に転じましたが結果が出ず、笠松へ。 笠松では2戦連続ぶっちぎりの勝利で、この日のメイン「秋の鞍」に出ていれば有力視されていただろうという素材です。残念ながら重賞には出られず、こちらのレースまわり。 そのレースの前に、神田舞さんが筒井ジョッキーに取材中「相当走る。ここを勝てれば、遠征も含めて楽しみが出てくるんですけれども…」 この日も、そう話したとおりの圧勝。 このあとは10月13日(金)の岐阜金賞に向かいたいとのこと。 そこでも注目を集めることは間違いありません。 全国区への飛躍も、遠くはないのではないでしょうか。 さて…メインレースの秋の鞍が始まる時には、雨も本降り。 最後の直線。抜け出しを図るのが白の帽子。ポルタディソーニ。 しかし内外からライバルが接近!! しのぎきってポルタディソーニと宮下瞳ジョッキーが1着! この少し前、ゴールの時には彼女としてはとても珍しいガッツポーズが出ました。 上がってきたあと、この馬の関係者だけでなく、競馬場のスタッフの皆さん方も含めてみんなが口々に「おめでとう」と、競うように声をかけていたのが印象に残っています。 勝負なので、勝った人馬がいれば負けた人馬も。 そんな中でこの彼女の勝利に、周囲のひとびとが感じたものは、いったいなんだったのだろう…。 負けたひとたちも含めて、その場にいたすべてのひとびとが笑顔になった。 そんなふうにすら思えるレース後の風景でした。 表彰式でのインタビューの模様は、いつものように名古屋競馬オフィシャルに掲載されています。「まわりのひとびとのおかげ 復帰して良かった」 このあとの取材の中でも、何度も彼女が口にした言葉でした。 常々彼女が感じていることでしょうけれども…この日のレースは、それを改めて表すひとつの大きな節目になったようです。 この日も名古屋で、素晴らしいシーンに出会えました。 そして、素敵なひとびとと触れあうことが出来ました。 馬も、頑張っているよ! ひとも馬も、応援していきたい。 あらためてそんなふうに思える一日になりました。
2017年09月27日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 3連休のJRAの競馬開催は無事予定通り開催。 私も予定通り、月曜日には中山競馬場に出かけることが出来ました。 中山競馬場の1コーナー方向を望む 「台風一過」という言葉がこれほどしっくりくる陽気もないほど。 上空には青空 雲は遠くの方にほんの少し見えるだけの快晴! そして…ジリジリと照りつける太陽… 景色の色が、完全に夏 夏には開催のない中山競馬場で、この景色の色は不思議な感じがしました。 気温も32度ぐらいまで上がったみたいで、この日1日だけ夏が帰ってきたみたいでした。 お客様も多かった… 家族連れも多かったし、若い人たちも大勢見えましたね。 メイン前の時間、平場でカメラ構えて写真撮ろうとすると… あ、以外と面白い写真撮れた(笑) 正門の前では、「白井(しろい)特別」が行われることにちなんで、白井物産展が行われていました。 JRAの競馬学校がある、あの白井ですね。 実は物産展をやっていることを取材中に別の方から伺い、その口コミで来てみたんです。 なかなかの盛況! 梨は白井の名産なんですね。 復路には生産農家の名前も記されていました。 こちらはアイスコーヒーと梨ジュース。 いずれもその場カップでも売られていました。 おいしそー そして、口に含むと爽やかな苦みが広がってうまい!! 今日は暑かったので、訪れるひとびとがこのアイスコーヒーや梨ジュースを買い求めていました。 こうして、競馬場が地域の宣伝や交流の場になるのはいいですね。 ちょろっと幟を立てて店を開くだけではただの物販なのですが、今回の白井の皆さま方は単に商品を勧めるだけではなく、とても熱心にお客様方を呼び込んで話をし、白井の良さを伝えておいででした。 いまJRAの競馬場では、このようにレース名にちなんだ地域の物産展をしばしば行われています。その都度足を運んでみると、面白い発見があるかも知れませんよ。 私、このアイスコーヒーめっちゃ気に入ったんですが…このお店でしか売られていないんですって。 元々コーヒー好きなので、西白井まで買いにいってみようかな…。 コーヒーの遠山 さんです。 ここからは競馬の話。 この日の中山には、この人がいました。 矢野ジョッキー…ではなく(笑) 大井の御神本訓史ジョッキー JRAの馬主服でたまたま。これまた不思議な光景… メインレースも含めて7鞍に騎乗。 結果は出ませんでしたけれども、検量室で姿を見ていても「そこにいる」という存在感は十分に感じました。 メインのセントライト記念 ブラックロードとともに そのセントライト記念 最後の直線、皐月賞馬を並ぶ間もなく交わしていく時の脚が凄まじかったミッキースワロー 上がり3ハロン33秒4… こんな強い馬だったのか…… 「運動神経のいい馬」と話す菊沢調教師 パドックでは隊列の後ろを歩いていてもカリカリして、「とまーれー」の声がすると少し暴れるやんちゃな仕草を見せて曳き手を見せていたミッキースワロー。確かにまだまだこれからの馬という印象で、それでいてこの内容。 勿論、3歳馬の主力が出てくるのは来週の神戸新聞杯ですが、こちらも案外侮れない存在になるのかも。 うーん、この馬、っていうところまで見抜けなかったな…レースの前に。前走のいわき特別を差し切ってしまっていたら、むしろもっと人気になっていたでしょうしね。 前走3着に負けてはいても、各新聞このミッキースワローを本命にしている記者の方も結構おられましたから、取材で馬を見ていれば気がつくぐらいの成長があったのでしょう。 京都新聞杯の超絶レコード駆け(2分10秒0)が印象的なトーセンホマレボシですが、初年度産駒から重勝勝ち馬が出ました。2世代目の現2歳もハイヒールが札幌で鮮やかに新馬勝ちするなど、これから注目産駒がまた出てくるかも知れませんね。 今週は、名古屋で地方競馬の方の3歳馬に注目してきますね。
2017年09月20日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 夏が終わって、JRAの競馬シーンは秋。 中山と、阪神! (イメージ画像です) すみません… 今週末、JRAの競馬場行けなかった…… 写真で雰囲気だけ。 波乱も多かったですよね、結構。 馬券全く当たりませんでした(T_T) 次週は連休の3日連続開催。 今度こそ競馬場に行けそうなんですが、何だか台風の行方も心配になってきました。 ここにきて直撃とか、勘弁して下さい~。 その代わりと言ってはなんですが、今日は大井記念の大井競馬場に行きました。 夕方 東京でも、こんな色になるんだな… びっくり メインレース入場前の、光の祭典 イルミネーションと炎とのコラボレーション そして 花火! 見ていると、テンション上がります 夜になると、競馬初心者とおぼしき会社帰りのお客様方も大勢やってくる、大井競馬場。 メインの大井記念の頃には、そんなお客様が大勢パドックサイドにお集まりでした。 パドックにいて耳をそばだててみますと、そんな大井記念の出走メンバーの中で競馬初心者っぽいOLさんたち(推定)の一番人気は、この馬でした。 名古屋のカツゲキキトキト 先ず名前で「キトキトとか、可愛い~」みたいな声があちらこちらで上がってましたよ、マジで。 やっぱり、モテるためには名前も大事か…(笑)。 しかし、馬の姿を見ると、立派な馬体でノシノシと歩いて格好いいのがカツゲキキトキト。 馬の姿を見るとOLさんたち(推定)のリアクションも変わります。 「キトキト 強そう!カッコイイ!!」 レースでは残念ながら2着でしたが、錦見調教師・大畑騎手ともに「まだ良くなっている途中だから」とのこと。次走の白山大賞典では、レースでももっとカッコイイところを見せてくれるのではないでしょうか。 競馬の話は、これでネタ切れです、今週は…(爆) なので、先週の私のスナップ写真から。 先週は競馬にも行かず…北海道のオホーツク方面を取材しておりました。 知床半島から見たオホーツク海 世界自然遺産の知床半島。 多くの観光客が訪れる景勝地ですが、季節によって車での出入りが制限されるなど、貴重な自然保護の観点からの様々な措置がとられています。9月のこの時期は自家用車で半島の中程(その先はもう道路がありません!)まで自力で行けるとあって、あれこれ見て回りました。 オシンコシンの滝 フレペの滝展望台からの風景 知床五湖と羅臼山・硫黄山 カムイワッカ湯の滝 車で行ける一番奥の「秘境」 温泉が滝になっていて、ほんのり温かい水が流れます スマホのカメラでこんな風に写真が撮れる風景。 国内では経験がないぐらい、新鮮な自然の風景でした。 普段生きているなかでは、およそ「不自然」な生き方しかしていない私ですが… こういう風景の中にいると、こんな不自然な自分でも還っていくべき「自然」というものもあるのかなって思います。 自然が、気持ちのエネルギーのチャージになるって 本当なのかも知れません。 また週末からは、真面目に競馬したいと思います。 台風が来なければ…セントライト記念、見に行くのが楽しみです。
2017年09月13日
水曜日の担当は、坂田博昭です。 夏競馬、終わっちゃいました… 札幌の話は、私はひとつだけ。 札幌2歳Sのダブルシャープ 石川倭ジョッキーの話。 惜しかった…3着 検量前で見ていた関係者や報道陣、みんな「惜しい~」っていう雰囲気で、むしろ残念なムード一色だったんです。 しかし…乗っていた石川倭ジョッキーがどんな雰囲気で上がってきたかというと 米川昇調教師とともに、この笑顔 レース後の石川倭ジョッキーのこのような表情を見るのは、私、デビューからずっと見て来て初めてです。 ちなみに、7月の星雲賞でオヤコダカに乗り、勝って上がってきた時の彼の姿がこちら。 ゴーグルすら外してません 今シーズンのオヤコダカと彼との関係、そして絶対に負けるわけにはいかないというプレッシャー。 一方、今回のダブルシャープでの挑戦で彼が感じていたもの。 馬によって、そしてレースによっての彼の心の持ちようの違いがストレートに現れています。 レース後の彼の言葉です(インタビュー映像には入ってません)「まるでゲームをしている時のように楽しかった。」「レースをしていてこんなに楽しく感じたことは初めて。」 若いひとらしい表現ですが、とてもわかりやすくレースの中での彼の心の中を表した言葉だと思います。 オヤコダカでのエルムS挑戦も含めて、今シーズンの彼の一連のJRA挑戦を総括してもらいました。「これからずっと先に自分のことを振り返るときがあったら、今シーズンのこの経験は、必ず一番印象に残る出来事として思い出すと思います。」 私たちも、今シーズンのこの石川倭の挑戦シーンを記憶に刻んで、これからの彼のあゆみに注目していくことになるはずです。 さて、ここからは今日の本題。 昨日、名古屋競馬場に出かけてきました。 グランダムジャパン古馬シーズンのシリーズ終盤の天王山とも言える、秋桜賞(SP1)が行われました。 安定の、スタンド 安定の パドック内重賞肩掛け展示 今日は、個人協賛レースに参加された皆さんに、取材してみました。「彼女が9月4日に成人を迎えます。競馬デビューとして応募させていただきました。長田笙太様よりご協賛頂きました。」 …と 専門紙・競馬エースには紹介されています。 っていうか、名古屋は協賛趣旨の説明が、ちゃんとこうして競馬新聞に書いてあるんです。 レース後の口取り 表彰プレゼンターが出来るだけでなく、ジョッキーからこうして特製のゼッケンレプリカを受け取ることが出来ます。 ゼッケンは、沙也香さんの誕生日の数字! 長田笙太さん(右から2番目)は、週に3日程度は競馬を楽しむという、素晴らしい競馬ファンでいらっしゃいます。本場開催がない日も名古屋競馬場で馬券を買ってレースを楽しんでいるとのこと。 井上沙也香さん(左から2番目)も、馬は好きでよく彼と一緒に競馬場にいらしているそうです。昨日20歳になったので、馬券にもチャレンジ。 このレースの馬券の結果は、あと少し…だったみたいですが、協賛レースの雰囲気を十分に楽しんでおられる様子でした。 両脇が、それぞれのお母さまなんですって! なんか素敵じゃないです? 長田さんのお母さまは「うちはずっと土古(この名古屋競馬場のある場所の地名)なので、ずっと競馬場が近くなんですよね」と、競馬自体がずっと身近な存在だと話しておられました。 そのようなまさに地元の皆さんに、競馬場って支えられているんだなと、改めて感じます。 「帯広のばんえい競馬には、一度行ってみたいです」と話す沙也香さん。 きっと楽しいと思いますよ! 是非近々ご一緒にお出かけいただきたいですね。 さて、次の話題は… 2年目・加藤聡一ジョッキーの100勝記念セレモニー こんなふうにポスターまで作ってお客様方に知らせている、主催者側の熱意が素晴らしい! 関係者から次々と花束が渡される中… 所属の川西毅調教師 あれ?何渡してんだ?? バナナ!! でした 川西調教師曰く 何かとんちの効いた面白いリアクションを取れるかどうかと。 こんなところまで試される ちなみに、聡一ジョッキー、何のリアクションも取れず師の評価採点は「(100点満点で)マイナス10点やな…」 記念撮影では、川西調教師(右)もこの笑顔 昨年は新人賞、今年は重賞制覇。 見た目や物腰とは異なり、競馬に関しては厳しい川西調教師ですが、聡一ジョッキーのここまでのあゆみを、指導支援しながら見守っているのもこのひとです。 もうひとり。嬉しそうに彼の姿を見守っていたのがこの人。 原口次夫調教師 聡一ジョッキーが「80勝(見習い減量の恩典解除の区切り)も100勝も原口先生の馬。自厩舎で重賞を勝てて、原口厩舎で区切りと、お世話になっている先生方に恩返しできて良かった。」と語る、聡一ジョッキーの活躍を支えるもうひとりのひとです。 原口調教師も、競馬に関しては辛口。「妙に真面目すぎるところがあって、こうと決めたらムキになってしまい、柔軟性がない。道中の乗り方も、最後の馬の追い方も。トップと言われるジョッキーは、レースのことだけでなく馬の力量や状況など、あらゆる事を考えて乗れる。そういうところでもっと成長してもらいたい。」 失敗も含めて身近で見て来たからこその、注文。 まだまだこれから、様々なことを身につけて強くなっていくことでしょう。 このブログでも紹介しましたが… 正直、春にお目にかかった時には、まったくテンションが上がらなかった聡一ジョッキー。 結果がうまく出ないだけでなく、自分自身の取り組み方など、気持ち的にも思い悩むところがあったようです。「精神的に最悪期は脱しました」 という今日の彼の言葉が、今年前半の苦しさを改めて物語っていました。 ヴェリイブライトで初めて重賞を勝ったくろゆり賞についても「いつもなら、ムキになって(行った2頭を)追い掛けてしまうところ、落ち着いて3番手で折り合わせることが出来ました。馬の折り合いじゃなくて、自分自身との折り合いですね(笑)。そうしたら馬が最後まで頑張ってくれた。ああ、周りから言われていることがこういうことだったんだなって、あのレースでわかりました。」 自分に克って、結果も取ることが出来た貴重な経験。 単に初タイトルというだけでない成果を感じているようです。 「デビューした年に新人賞、次の年に重賞と、思い描いたとおりに来ています。あと勝ちきれないのは、自分に足りないものがあるから。それを身につけていって上へ上がっていきたいです。」 最後はいつものように、自分に厳しいコメント。 でも…少し前にお目にかかった時に比べてすごく前向きな雰囲気が全身から出ている彼に今回出会えたことは、本当に良かったと思っています。 最後の話題は、この日のメインレースの秋桜賞。 プリンセスバリューやディアマルコなど、グランダムのシリーズ戦での勝ち鞍のある強豪遠征馬が注目を集めるなか、地元名古屋の期待は連勝して一気に出世し、この大一番に臨むポルタディソーニ。 騎乗するのは、この方 宮下瞳ジョッキー 神田舞さん、熱心に取材中! 「ほんとうに真面目で最後まで一生懸命走る馬です。とにかく馬の邪魔をしないように、力を出してあげたいです。」 周囲の期待感に向き合いながら、丁寧にレースへの意欲を話していたのが印象的でした。 蓋を開けてみれば…レースは 南関東の桜花賞馬・スターインパルスの独壇場 写真は1周目の正面なのですが、とにかくスタートとテンが速いのなんのって。 あっという間に先手を奪い、その後もスピードで他を寄せ付けませんでした。 サウスヴィグラスの産駒なんですが、実にいい馬体をしているんですよね 腹目がポコッとした産駒独特の体型を脱して、すらっとした感じすらさえあるラインが、ほかとは違う雰囲気を醸し出していました。 パドックでは、こんな感じ。 厩舎の方に聞けば、休養で身体が大きくなってきて、それに比してまだ全体的に細い感じとのこと。 これから更にどのような成長を遂げるか、楽しみです。 写真を撮る時、カメラマンさんのかけ声に合わせてこちらを向くスターインパルス かわいい… 村上忍ジョッキーの表彰式での言葉は、名古屋競馬オフィシャルでリリースされている表彰式の映像をご覧下さい。 こちらは…結果が出なかった宮下瞳ジョッキー 秋田奈津子さん取材中… 「スタートも出していかないと行けない感じでしたし、勝負どころでペースが上がったらついて行けなくなってしまいました。やはり相手がいままでとは違いましたね。」 レースの残念さを滲ませながら、馬の今後の活躍への期待感も見て取れました。 実は、メインのあとの最終レース。検量前で取材を待っている間に走っていたのですが… 加藤聡一ジョッキー、最後も勝ったよ! 原口厩舎のアスターオーシャン。中団で上手に立ち回って、鮮やかな差し切り勝ちでした。 馬が上がってくる時に、先ほどは辛口だった原口調教師が満面の笑顔で「いまのはうまく乗った。」とひと言。まさに「柔軟に」状況に対処して馬の力を引き出す騎乗が、勝利に結びついたものでしょう。 上がってきて、笑顔。 終わってみれば、今日は加藤聡一ジョッキーのための一日でした。
2017年09月06日
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