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2006/03/02
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カテゴリ: 映画
週末はアカデミー賞の授賞式。今年の作品は、なぜかゲイ関係ばかり...今、最もトレンディなのでしょうか? 「ブロークバック・マウンテン」はもとより、「カポーティ」(主演男優ノミネート、フィリップ・シーモア・ホフマン)も「トランスアメリカ」(主演女優ノミネート、フェリシティ・ホフマン)も。しかもどの作品も非常に優れた作品だったりする。

中でも、「ブロークバック・マウンテン」は最多ノミネートで最有力候補。正直、前評判だけを読んで期待して勢い勇んで見ると「な~んだ?」と思うかも知れない。とても淡々とした映画だから。「うわ~、すごい。感動!」っていう感じではない。前回の前評判が高かった「サイドウェイズ」みたいな感じ。私たちはたまたま評判になる前に観に行ってとても気に入った作品だったけど、評判になってから観に行った人は「盛り上がりもないし、どこがそんなに面白いの?」と言っていた。「ブロークバック~」も、感情をニュートラルにして観るといいかも知れない。

「ブロークバック~」の話で有名なのが、監督のアン・リーはハリウッド大作として作った前作「ハルク」が大不評で、「ハリウッドから干された」状態だったということだ。「ハルク」より前に「ブロークバック~」の話は知っていたらしいけど、そんな状態でこのハイリスクな作品の監督を引き受ける彼ってスゴイ。同性愛者で有名なガス・ヴァン・サントが監督をやるという話もあったらしい。

キャスティングにも苦労話が。ゲイの役というのは、ハリウッドの若手男優たちは「まるでクリプトナイトに触るかのように」避けるものだったという。同世代の男性観客に「オカマ」呼ばわりされ、背を向けられることはキャリアにとって自殺行為だからだ。一般の(というと語弊があるかな)男は悪漢を倒す男らしい男を好み、男同士で寝る男を観たい訳はない(らしい)。だから、主演のヒース・レジャーとジェイク・ギレンホール(アメリカではジレンホールと発音している)勇敢だったのだろう。

ヒース・レジャーにしたって、「Knight Tale」以来主演ヒーローものは無し、印象的だったが「Monster Ball(チョコレート)」は端役、「Brothers Grim」も主演の比率は共演のマット・デイモンの方が上だった。アン・リー監督同様、よくリスクを取ったものだ。この脚本が出回った時に、ホアキン・フェニックスが出演を希望していたそうだ。結局、同じ年に「Walk the Line」でアカデミー賞にノミネートされたのは皮肉というか、興味深い。

「ブロークバック~」の素晴らしいところは、映像がきれいなところ。アン・リー監督の作品に共通な「一枚の絵のよう」なシーンが、そこかしこに散りばめられている。冷たい山の空気や、雨のにおいが感じられるような映像だ。男ふたりのラブシーンも嫌らしくなく、切なく美しく描かれていると思う。ヒース・レジャー演じるアーニスは朴訥で寡黙な南部の男で、劇中ほとんどしゃべらない。しゃべっても南部なまりがひどくてもごもごしていて、何を言っているのかわからないくらいだ(ヒース自身はオーストラリア出身の陽気な男性らしい)。そんな彼が感情をあらわにするのが、ジャックと一緒にいる時だけ。しゃべらないアーニスがどれだけジャックを愛していたか、セリフのないシーンの数々が雄弁に語っている。

ヒース・レジャーに男優賞を取って欲しい。フィリップ・シーモア・ホフマンも素晴らしかったと思うけど、私はヒースに一票。





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Last updated  2006/03/03 01:56:08 AM
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