全2件 (2件中 1-2件目)
1
●私は不遜にも、シルビオ・ゲゼルの考えた自由貨幣(減価貨幣)・自由土地のシステムは、私の提案する未来社会システムに至る過渡的なものと考えている。●今回は減価貨幣について、ゲゼルの減価貨幣とは異なるところがあるかもしれないが、私が思い描く減価貨幣というものについて整理してみた。◆参考:自由土地と自由貨幣から未来社会へ■ソフトマネー●減価貨幣はその名のとおり、お金の価値が時間の経過とともに無くなっていく貨幣である。利子貨幣の場合には、インフレで貨幣価値が小さくなってしまうが、名目金額が変わる訳ではない。●ところが、減価貨幣の場合には、時間とともに名目金額が減少していく。お札やコインでは、発行年月日が古いものほど価値が無いということになる。このようなことを紙幣で行うには…スタンプを貼って減価分を補い、名目金額を維持する…といったようなことになる。コインで減価貨幣を実現するには、中世ヨーロッパのデマレージ通貨のように、期限を区切って回収(通用しなくする)しなければならない。●このように、減価貨幣はハードな貨幣としては、流通させる上ではなはだ不便な代物である。減価貨幣を地域通貨として限定的に使用されるのでなく、支配的な通貨として機能するためには、ソフトな貨幣としての電子マネーにせざるをえない。●ということは、お金は情報としてネットワークシステム上で管理されるだけになる。店舗や会社とのお金の授受はもとより、お金を個人の間でもやりとりできるようにするためには、全ての人が携帯電話のような電子財布が必要になる。●お金を支払う相手を特定するため、逐一個人コードを入力したりするのは面倒だから、相手の電子財布から個人コードを読み取れるようになっている必要があるだろう。とはいえ、中世や第一次世界大戦後であればいざしらず、現代では減価貨幣を普遍的なお金にするための技術的問題はなくなっている。■さまざまな逆転現象●利子のあるお金しかイメージできない人(大抵の人がそうだが)にとって、減価貨幣によってもたらされる事態は面食らうことばかりになるであろう。●時間と共に減価するモノに対して、増価する利子貨幣はモノに対して超然と振舞う。貨幣は利子によって、交換手段であるとともに貯蓄手段となる。利子貨幣は崇拝の対象であり、万事を成し遂げる神そのものである。●貯蓄手段であることによって、交換手段としての利子貨幣は必要な時(利子を生まない不況時)に供給されず、必要が無い時(利子が高い好況時)に大量に供給される。前者では不況を一層深刻なものとし、後者はバブルをもたらす。●減価貨幣はいつまでも保有していると価値が無くなっていくので、貨幣よりもモノ(貨幣よりも減価率が小さいモノ)の方が珍重されるようになる。●溜め込んでいてもしょうがないから、どんどん使うことになる。ということで、貨幣は滞留することなく高速回転することになる。●利子貨幣の社会では、人は誰でもお金を出し渋るため、売ることに膨大なコストが掛かる。減価貨幣の社会においては逆転し、人は早く買うことに腐心するようになる。売るための苦労は無くなるといってもよい。お客様優位ではなく、むしろ生産者優位になる。●利子貨幣の場合には支払いをする者にとって支払日は遅い方が良いが、減価貨幣の場合には支払日は早い方が良いことになる。●こうして投下資金の回収が容易になるため、減価貨幣の社会では営業、販売、管理、事務等のコストが殆ど必要なくなる。●利子貨幣の社会では、モノやサービスの価格のおそらく20%とか30%あるいはそれ以上が利子の返済のためのコストになっているのではないかと思う。●減価貨幣の社会ではこういった事情から、モノやサービスの価格は利子貨幣の社会よりもずっと安くなり、経済も活況を呈し、失業もなくなり経済的にも豊かな社会がもたらされる…であろう。■貯蓄は意味がなくなるか?●ソフトなお金であるから、箪笥預金と言う訳にはいかない。仮に、箪笥の代わりにパソコンや携帯電話の記憶装置に溜め込んでおくことができるとしても、時間と共に減価していく。●利子貨幣に洗脳されている現代人は…貯金しても減価していくので老後に備えて貯金しても仕方ない…と思うかもしれないが、以下に述べるように減価貨幣の社会の方が遥かに貯金が増えることになる。●利子貨幣の社会では、インフレが歓迎される。適度なインフレが無ければ、利子の回収が困難になるからである。利子貨幣の社会ではお金の名目金額は変わらないが、インフレによって実質金額は減価していく。現代社会では、貯金をしていても利息がついても実質の金額が増えるとは限らない。ハイパーインフレにでもなれば紙幣など紙くず同然になってしまう。●反対に、減価貨幣の社会では、名目金額が減っていくが、傾向的なインフレにする必要がないのでお金の価値そのもの変わらない。●減価するスピード以上に積み増していけば、貯金は増える。所得が増える分、貯金できるお金も増えるので、利子貨幣の社会よりも大きな貯金ができる。後述するように、銀行に預けておけば減価を避けることができるかもしれない。●利子がなくなり、お金の回転が速くなり、モノが良く売れるようになる分、デマレージ貨幣が存在した古代エジプトや中世ヨーロッパのように人は豊かになり、より多くの貯金ができるようになる。◆参考:中世ヨーロッパのデマレージ ●減価貨幣の社会では、モノやサービスがお金と交換し易くなるので、定年などというものはなくなる。高齢になっても気力・体力があるものは誰でも働けるので、相当の貯金ができる筈である。現代でいうボランティア的サービスでもお金を稼げるようになるであろう。■基礎金利と融資金利●減価貨幣は、お金がお金を産む「基礎金利」を消滅させるが、実物経済のための繋ぎ融資や新規事業のための融資に伴う「貸付金利」は残る。あれれ!…利子があれば減価貨幣ではなく、利子貨幣ではないか…ということになる。なんとなく釈然としない気持ちになるかもしれない。●但し、融資資金の需給関係によっては無利子融資になる場合もある。貸し手が借り手よりも多ければ、無利子に近づく。更にお金の供給が需要より大きくなれば、貨幣の減価率を若干小さくする程度のマイナス利子になるかもしれない。それでも減価率が小さくなる分、箪笥預金よりもまだましに違いない。●間接金融ではなく、直接金融の場合にはどうなるのか? 配当は直接金融に対する謝礼であり、融資に対するお礼としての融資金利に対応する。前者は結果としての利益から事業者が投資者に支払うものであり、後者は事業者が期待利益に応じて定めた金利で融資者に支払う点が異なるだけである。いずれにも基礎金利は入っていない。●投資は、投資者が配当を期待してリスク覚悟で行うものである。これは事業者にとって借金ではなく収入になる。減価貨幣の社会にも、前述のような借金経営もある。借金は返済できない場合も当然ある。返済できなければ悲劇も起こりえる。私は「金利」と名のつくものは全廃したいがために、借金を必要としない経済システム(未来の配当システム)を考えた。◆参考:『未来社会の構造』経済の仕組み
March 28, 2007
コメント(3)
●「千の風になって」という歌が流行っている。昨年末のNHKの紅白歌合戦で秋川雅史が歌って以来たいそうなブームである。●太陽も地球も、その誕生以前に幾度となく繰り返されてきた超新星爆発の残骸から形成された。●現在生きている地球の生物も太古からの生物の遺骸(H2O、CO2等に還元される)を材料に誕生したものである。地球の表面付近(大気圏を含めて)に存在する元素は何度生物の姿になったことであろうか?●星も生命もその脈絡の中で輪廻転生を繰り返してきた。勿論我々の肉体の素材も輪廻転生を繰り返している。●宮殿や地下牢のある社会、大金持ちと貧乏人、権力者と虐げられた人々がいるような社会の「あの世」には「天国と地獄」がつきものである。●「あの世」はこの世の生成物である。この世では、生きているうちに神や仏の救いを必要とする。●金が全ての社会では、あの世での名前(戒名)の格を取得するために大枚のお金を支払わなければならない。●宗教者からみれば、「千の風」の歌詞は霊魂の存在を前提したものと考えるかもしれない。無神論者は、「風」を擬人化したものであって、霊魂の存在を前提とした物ではないと考えるかもしれない。肉体を持った「人」は居なくなる点は、客観的事実として両者に認識の差は無い。●千の風が共感を呼んでいるのは、人間は死んで自然に返り、自然として生者を見つめているという死生観ではないかと思う。●この死生観は、宗教的儀式に基づく葬儀を嫌って、自然葬希望者が増えているようなこととも無縁ではなかろう。こういった人達は皆、千の風になることを望んでいるのかもしれない。●そこに私はいません。眠ってなんかいません。…ということで、死んだ人にとって墓などというものに何の意味もない。●金が全てあるような資本主義社会が、私の考えるような未来社会に置き換わり、宮殿と地下牢、大富豪と貧乏人、権力者と虐げられた人といった構図がなくなる社会の「あの世」からは「天国と地獄」はなくなる。●人間は死んで自然に返るだけであるという自然的な死生観が一般的になるであろう。星や生物の輪廻転生と同じように。●神仏はこの世での必要によって発明されたものであり、「あの世」はこの世になぞらえてつくられたものである。●未来社会の「あの世」からは、「天国や地獄」が追放されるであろう。おそらく神や悪魔、仏も…。●千の風は未来社会の一般的な死生観になるのかもしれない。■参考●未来社会の構造:宗教●未来からの伝言:アンドロイドの神
March 2, 2007
コメント(0)
全2件 (2件中 1-2件目)
1


![]()