音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2007年01月23日
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カテゴリ: ジャズ


 今回の金賞は、チック・コリアの『スーパー・トリオ』。銀賞は、リッチー・バイラークが、『マンハッタンの
幻想』が受賞しました。

 そのほかの全受賞作品は以下の通り。

【金賞】
『スーパー・トリオ/チック・コリア,スティーブ・ガッド,クリスチャン・マクブライド』
【銀賞】
『マンハッタンの幻想/リッチー・バイラーク』
【日本ジャズ賞】
『ライブ・アット・ベイシー~ウイズ・ハンク・ジョーンズ/ケイコ・リー』
『渡米50周年日本公演/秋吉敏子&ルー・タバキン・スーパー・カルテット・フィーチャリング・ジ
ョージ・ムラーツ/ルイス・ナッシュ』(特別賞)

【ボーカル賞】
海外部門
『アラウンド・ザ・シティ/イリアーヌ』
国内部門
『ニカズ・ドリーム/チャリート・ウイズ・マンハッタン・ジャズ・オーケストラ』
【編集企画賞】
TBM復刻シリーズ(全10作)
【制作企画賞】
『魂/KON/安富祖貴子』
【最優秀ジャズ・ビデオ賞】
『ザ・ラスト・トリオ・ライブ’80/ビル・エバンス』
【最優秀録音賞】
ニュー・レコーディング部門
『メモリーズ・オブ・ユー/ケン・ペプロウスキー』
リマスタリング部門
アトランティック・ジャズ 紙ジャケット・コレクション(全20作)
【ニュー・スター賞】
海外インストゥルメンタル部門
『ケリー・ブルー~トリビュート・トゥ・ウイントン・ケリー/ダン・ニマー』
海外ボーカル部門
『ソフィー・ミルマン』
国内インストゥルメンタル部門
『サラ・スマイル/市原ひかり』
国内ボーカル部門
『魂/KON/安富祖貴子』

 金賞を受賞したチックのスーパー・トリオ、私は未聴です。いろいろなサイトを見ると、演奏に関
しては文句なしだが、最後の「スペイン」が途中でフェイド・アウトする事を問題視していることを
すべての論調が指摘しています。

 ここで、このジャズ・ディスク大賞の目的が何であったかを考えておくことも必要かもしれません
。たしか、「ジャズファンの利益になるように、その年に発売されたジャズ・レコードから優秀な物
を選出する」というような内容だったと思います。

 そうすると、今回のチックの金賞ははたして、この趣旨に合致しているのかはなはだ疑問です。C
Dはパッケージを含めで全体が商品です。演奏が良ければ、あとはどうであろうと構わないと思う人
もごく一部にはいますが、他の人達はそうは思わないはずです。

 演奏がすんごくいいから、そこは目をつむるという選択もあるでしょう。しかし、本当にファンの
利益を思うのなら、金賞を受賞したチック盤の「スペイン」は途中でフェイドアウトしていますとか
何とか、明らかにして欲しいです。

 受賞の記事を見て買って、聞いた後で後悔するようなことは起きて欲しくありません。ひいては、
この長い歴史を誇る賞の名前に傷が付きかねません。信用を得るには長い時間がかかりますが、失う
のはあっというまです。

 特に、昨今のネットの発達により、風評は瞬く間に世界中に広まります。そこいら辺を出版社の方
には考えて欲しいと思います。

 個人的には、ノーコメントですが、演奏が優れていれば、許せるという場合もあります。キース・
ジャレットのアメリカン・カルテットの「生と死の幻想」の3曲目「グレイト・バード」はヘイデン
のベース・ソロの途中で終わります。

 その当時、この曲が途中でフェイド・アウトするという情報はライナーノートにも批評雑誌にも書
いていなかった記憶しています。その時は、今のようにネットも発達していないので、表沙汰にはな
りませんでした。この録音はキースの録音の中でも名盤とされるものです。私も愛聴していました。
その時、いつもこのソロの続きを聞きたいと思ったものです。

 今回のCDも願わくは、2枚組で良いので、完全版をリイシューしてもらいたいものです。その
時は、私も買うかもしれません。ついでに、キースの「生と死の幻想」も何とかお願いしたです。こ
ちらはもとがレコードだったので、何とでもなると思います。

(閑話休題)

 チック自身は、RTF、ソロそしてバートンとのデュオで1度ずつ受賞していますので、4度目のそして、トリ
オで初の受賞となりました。5回受賞しているキース・ジャレットに次ぐ受賞回数です。 歴代受賞作一覧

 2位のバイラークはちょっと意外でした。それなりに上位に行くとは思っていたのですが、ここま
で来るとは思いませんでした。

 3位はメセニーとメルドーのデュオで、1位とは30点差と結構差をつけられました。審査員21
名中ベスト15に入っていない方が5名もいます。1位に入れた審査員は4名でチックは3名、バイ
ラークは2名です。チックは選外はなく、バイラークは1名です。これを見ると、事実上は僅差であ
ったことが分かります。

 個人的にはメセニー=メルドーを押していたので残念です。まあ、このCDは好き嫌いのでそうな
ところがあることはたしかではあります。。。


 ベスト4位以下を説明しますと、
 4位:キース・ジャレット:カーネギーコンサート
 5位:ブランフォード・マルサリス:ブラックタウン
 6位:e.s.t:チューズデイ・ワンダーランド
 7位:ザ・グレイト・ジャズ・トリオ:星影のステラ
 8位:チャールズ・ロイド:サンガム
 9位:トリオ:ビヨンド:サウダージズ ~トニー・ウイリアムスへのオマージュ

 個人的な感想としては、ボーカル賞(海外部門)でトニー・ベネットが3位だったのと、ボーカル賞
(国内部門)のUA×菊池成孔の2位も意外でした。

 最近、信頼できる評論家があまりいなくなり、購入の指針としてたいしてあてにしなくなりました
。文章だけで惹きつける方も殆ど皆無です。昔だったら、油井正一、粟村政昭、大和明が好きで、他
にも、好き嫌いは別にして早逝した鍵谷幸信氏とか個性的な評論家が多かったですね。クラシックで
も、名物評論家は宇野功芳ぐらいしかいなくなりました。没個性的というか、主張が少なくなってい
るのでしょうか。今後、彼らのような魅力のある評論を展開するかたが現れてほしいものです。
 今回の結果を見て、そんなことを感じました。 





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Last updated  2007年01月23日 23時26分02秒 コメントを書く
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