音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2008年10月21日
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カテゴリ: ジャズ



 主旋律楽器(ピアノとギター)とオーケストラが組み合わされた美しさを表現しようという「Amparo」プロジェクト。

 2000年に発売された「Two World」以来のリー・リトナーとデイブグルーシンのコラボレーションによる第2弾。

 ふとしたきっかけでネット上で視聴したのがきっかけで購入してしまいました。

 いわばイージーリスニング系のジャズです。




 今回は、特にクラシックの曲がほとんどですし、昔だったらおそらく買うことはなかったと思います。

 年をとって心境に変化が出たからでしょうか。。。

 ほとんどが旋律をそのまま演奏しているだけなのですが、聞いていると癒しを感じてとても気持ちがよくなります。

 リー・リトナーのギターは旋律を弾いているだけですし、デイブ・グルーシンののアレンジも色彩は豊かですが、曲はほとんど原曲通りです。

 オケは弦楽のみで、少し色彩に乏しい嫌いがあります。

 これで癒しをもたらすとはお二人の実力のなせる技ででしょうか。

 ほとんどがゆったりとした曲ですが、不思議と単調だと思ったりあきたりしません。

 これは何故なんでしょうか。。。

 おそらく、間の活かし方が抜群なためではないでしょうか。

 間の活かし方がうまいため、音楽に落ち着きを感じさせます。

 個人的には、ヴォーン・ウィリアムズの吹奏楽の名曲「イギリス民謡組曲」の第2曲「My Bonny Boy」が入っているのが驚きであり嬉しかったです。

 また、ラヴェルの「マ・メール・ロア」の「美女と野獣」も良かったと思います。

 冒頭を飾るグルーシンのオリジナル「3つの南米の踊り」もラテンの悲しみというスパイスをふんだんに振り撒いています。

 リー・リトナーの日本の庭園を思わせるような静謐感あふれる「Echos」もいい感じです。ここでは、リトナーとグルーシンのデュオ、それに控え目にパーカッションが入っているシンプルな構成にしたことが成功した要因の一つだと思います。インプロビゼーションも他の曲よりは多少多く入っているようです。

 ソプラノのルネ・フレミング、ヴァイオリンのジョシュア・ベルが参加したフォーレの「パヴァーヌ」もしっとりとした仕上がりです。ただ、フレミングの声がどうも重く、年を感じてしまうのは私だけでしょうか。

 ジェームズ・テイラーのヴォーカルをフィーチャーした「since first I saw your eyes」はジェームス・テイラーのためにイギリス民謡から選ばれた曲で、古のイギリスの風景が眼前に広がるような錯覚を覚えます。

 ジョビンの「オーリャ・マリア(アンパロ)」はジョシュア・ベルのオブリガートが素晴らしいです。バックのグルーシンのピアノもぴったりとつけていて絶妙な味わいです。

クリス・ボッティのトランペットをフィーチャーしたアルビノーニの「アダージョ」は、スパニッシュ・フレーバーを感じさせる編曲が新鮮で、成功していたと思います。

 惜しむらくは最後のヘンデルの歌劇「リナルド」のアリア。これはフレミングをフィーチャーしてバロック音楽そのものの作りになっています。いかんせん真っ向勝負の編曲のため、かえって偽物くさくなってしまいました。この曲では、もう少し、雰囲気を変えたほうが良かったように思います。

 ということで、どちらかというとクラシックの雰囲気が強くそこにラテンやジャズの香りがそこはかとなく漂うという感じのアルバムに仕上がっています。

 また癒しを求める方、イージーリスニングの音楽を聞きたい方にはうってつけですが、ジャズを期待すると完全に裏切られますのでご注意ください。

Lee Ritenour&Dave Grusin:AMPARO (DECCA B0011005-02)

1. I. Tango en Parque Central
2. II. Danzn de Etiqueta
3. III. Joropo Peligroso
4. Pavane, Op. 50
5. English Folk Song Suite
6. Since First I Saw Your Face Featuring James Taylor, vocal
7. Olha Maria (Amparo) Featuring Joshua Bell, violin
8. Ma Mre L?Oye (Mother Goose Suite)
9. chos
10. Adagio in G Minor Featuring Chris Botti, trumpet
11. Duetto: Scherzano sul tuo volto Featuring Rene Fleming, soprano and Chris Botti, trumpet
12. Sicilienne

Lee Ritenour(g)
Dave Grusin(p,arr)
Renee Fleming(s)
Joshua Bell(vn)
James Tayler(vo)
Chris Botti(tp)

Recorded Jan,2007-Jan,2008








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Last updated  2008年10月21日 23時42分28秒
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