音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2013年10月07日
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カテゴリ: 映画


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 スティーブン・ソダーバーグ監督の最後の劇場作品といわれている。

薬の副作用で殺人を犯してしまう女と主治医の精神科医の物語。

最初は、そのストーリーで進んでいくが、最後にどんでん返しがあり、あっと

驚いてしまう。

この映画は当初『The Bitter Pill』と言う名前で公開される予定であったが、『Side Effects』に変更されている。

この「side effects」とは、副作用という意味で、この映画では薬の副作用ということである。

■あらすじ

映画は刑務所での面会から始まる。

インサイダー取引をしたために、収監されている夫マーティン(チャニング・テイタム)と面会をする女エミリー(ルーニ・マーラ)。

夫マーティンは4年前にインサイダー取引の罪で収監され、彼女は幸福の絶頂から絶望のどん底に突き落とされる。

その数奇な人生はマーティンの出所により好転するかと思われたが、夫の不在中にうつ病を再発させていたエミリーは自殺未遂を繰り返してしまう。

担当医になった精神科医ジョナサン・バンクス(ジュード・ロー)は彼女に新薬を処方するが、今度は薬の副作用で夢遊病を発症してしまう。。。

■素晴らしいストーリー展開

途中までは、薬の影響で殺人を犯したので、無罪になるという展開だった。

観客は無罪になるかどうかに気持ちが向かっているため、他のことが目にはいらなくなる。

重要な伏線がいくつも張られているが、注意深く見ている人でないとわからない。

あとで、解説を見てなるほどと思う人たちが私を含め大半だろう。

薬を投与したために立場が悪くなり、シ-バート医師からの偽の証拠写真を送られるために妻にも去られてしまう。

真実を知ろうとするジョナサンバンクスは周囲の冷たい扱いにあいながらも独力で事実を積み重ね、真実を突き止める。

その過程の描き方が素晴らしい。

次々と不利なことが起こり、何者かに貶められているように感じる(事実、後で見るとその通りだった)。

最後、服装も乱れ、もはやこれまでかと思ったときに逆転劇が始まり、観客の胸のつかえが一挙にとれる展開になっていて、一種の爽快感を感じる。

最後に種明かしされるのだが、これはなかったら全体の印象はだいぶ違ったものになったと思う。

■芸達者が揃っている

ジュード・ローの演技が素晴らしい

キャサリン・ゼタジョーンズは結構年を食っていたと思っていたのだが、意外と若い感じだった。

肌の艶がよく、皺もあまり目立たない。

眉毛が細くて端の方がかなり吊り上っていて、黒縁の大きなメガネと共に結構印象的な風貌だが役柄にあっていると思う。

チャニング・テイタムは前半だけの出番で、あまり印象に残る役ではない。

この映画の準主役であるエミリー役のルーニ・マーラはばっちりと化粧をした時よりも、薄化粧の方がいいという顔立ち。

夢遊病者の振る舞いがそれらしく、殺人場面での無機的な表情もリアルだ。

■トリックの着眼点

こうしてみると、トリックの着眼点がすぐれていると思う。

薬品会社の株価を操作する方法としてここで繰り広げられている方法はいろいろな条件があるにしても、再利用可能な方法のように思う。

こんな方法を映画にしたら、模倣犯が出てくる可能性が高いと思う。

しかし、最近問題になったが新薬の治験で浮かび上がったのは、不正の入り込む余地が高いことだ。

おまけにこんな犯罪ができる可能性があるとしたら、ますます透明性が求められる。

多分、実際にこんなことをやられたら、犯罪を立証することはほとんど不可能に近いと思う。

それだけスコット・Z・バーンズの脚本がすぐれているといえるのかもしれない。

カウンセリングの中でエミリーが話す「毒の霧」

英語でなんと言っているのかわからないが、精神状態を知る上で、かなり適切な表現だと思った。

気になったのは、邦題の「サイド・エフェクト」。

原題そのまんまだが、発音からいくと「サイド・イフェクト」なので最初から違和感があった。

こういう例は結構あるのだが、原題をそのまま安直にカタカナに直した邦題が最近は殆んどだ。

昔のような味わいのある邦題がなくなってさびしい気がする。

というか、その方面に頭が回らないのか、必要性を感じないのか、日本での公開では、もう少し丁寧な作り方を望みたい。

ところで、この前の作品「マジック・マイク」(2012)は当地ではこの後の上映となるので、ちょっと変則的な形になってしまった。

この映画は以前から興味があったので、今回の出来をみて、逆になったとはいえ、ますます楽しみになってきた。

公式サイト














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Last updated  2013年10月07日 22時44分41秒
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