音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2015年03月31日
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以前取り上げた横溝亮一の「 クラシックの愉しみ 」の続編。
「モーストリート・クラシック」での連載の単行本化。
基本的には前作と同じで、来日した音楽家との交流を通じて感じた、音楽家の芸術と人となりを自由な筆致で書いている。
前作と同じで物故した音楽家の話が多い。
古臭いのは前作と同じ。
面白かったのは、「クラシックの愛好家にとってのジャズ」。
ここで登場するのはベニー・グッドマン、キース・ジャレット、チック・コリアの三人。

それにしても、まさか、タリアビーニの来日公演の話に出会うとは思っていなかった。
がちがちに凝り固まったクラシックファンという印象の強い横溝氏が、クラシック畑でのベニー・グッドマンの実力を評価しているのに驚いた。
根拠はバルトークが「コントラスツ」を作曲したことによる。
この曲でのグッドマンのリズム感、何より超絶技巧を要する部分での乗りに乗った演奏の「たかがジャズマンの演奏」とは言えない次元の高さを評価している。
こう書くと、当時の氏のジャズに対する意識があからさまに現れているが、当時のクラシックの評論家の意識はこんなものだろうと思う。
それにしても、こんなこと書いていいのだろうか。
それに対し、キースは真面目すぎて、きちんと弾いているので、クラシックのピアニストの演奏と同じだと言っている。
チックの演奏はジャズに対する姿勢と同じでクラシックも単なる素材と考えて即興もするし、身の丈にあった音楽を作っていると高く評価している。
この部分を読むと、横溝氏こそ開かれた眼の持ち主なことがわかる。
それからアルビド・ヤンソンスとイーゴリ・マルケビッチの項も面白い。
ヤンソンスはマリスではなく父の方のことで、1958年に初来日した時の練習で東京交響楽団に一人一人チューニングをやらせたエピソードが書かれていた?
現在の在京オケの実力を考えると、昔話に過ぎないが、こういう優れたトレーナーの存在無くして、現在の日本のオケの上達ぶりは考えられない。
そのほか3代テノールや「指揮者黄金時代」でのアバドとメータの今となっては賞味期限がとっくに過ぎてしまた話題が満載?
それにしても版元はこの本のターゲットをどう考えているのだろうか。
おそらく、前作が好評だったための続編と思うが、前作の読者のことを分析したのだろうか。
内容からして読者層の年齢が高そうに思う。
そうすると、前回の読者層が今回の書籍もそのまま読めるとは限らないように思うのだが、マーケティング的にはどうなんだろうか。











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Last updated  2015年03月31日 23時14分14秒
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