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bunakishike

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2015年11月13日
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雑誌「WILL」の連載コラム、「ミステリアス・ジャパン」にドキッとすることが書いてあった。
著者はデービット・アトキンソンというイギリス人。
1992年にゴールドマン・サックスに入社し、2009年に文化財の修復を手掛ける「 小西美術工藝社 」に入社。
2011年から社長兼会長として活躍している方だ。
日本人にはない独特の視点で、いつも楽しく読んでいる。
今回はエンブレム問題から日本人の仕事に関する論考が書かれている。
(以下抜粋)
果たして国立競技場を壊して新国立競技場を建てる必要があったのか。

一つは、大きな志を立てないことだ。
こっちの方が現実的だからと言って安易に妥協する。
イギリスでは「委員会仕事」といわれ、最悪の仕事をとされるそうだ。
例えば、氏は京都観光大使に任命されているが、その活動の中で驚いたのは志のなさ、ベストを尽くそうとしない人の多さだという。
例えば、二条城は歴史的に非常に重要な文化財であるにもかかわらず、施設内ではその重要性が全く解説されていない。
旧文化財行政の典型のような運営で、観光資源としての活用が考えられていない。
そのため、印象が薄く、リピーターも口コミも期待できない。
氏はそのことを訴えているが、「文化財でお金儲けするなんて品がない」「研究時間が減る」「仕事が増える」などと反対する人がいる。
もう一つは実行力の低下だという。
新国立競技場の例からいくと、いつまでたっても建設が始まらず、他の施設の建設についても雲行きが怪しくなっている。
氏がアナリストをしていた時、銀行の3年計画や5年計画をよく見ていたそうだが、氏が在籍していた13年間でそれらの計画が達成されたことが一度もなかった。

そういう事例が最近増えた気がする。
そうでなければ一人当たりの生産性が世界26位まで低下する筈がない。
小西工藝社でも、デッドラインが目前に迫るとようやく尻に火がついて休日返上で働き続けて何とか間に合わせるというのを繰り返していた。
これでは時間のロスが多く、修理の品質も落ちてしまうが、職人たちは、急いで間に合わせたことを「日本人は、いざとなったらすごい力を出すんだ」と自慢していた。
氏は「今後は突貫工事をさせない!」と明言して、それを実行させた。

つまり、決断してしまえば日本人はきちんと実行するということだ。
五輪の運営を見ていると、バブル以前の素晴らしい力強い英断ができておらず、曖昧なまま進められている印象を受ける。
このままだと、中国韓国並みにいい加減な国だと思われてしまう。
信用を損なわないためにも一刻も早く改善をしてほしい。
(抜粋終わり)

自分の仕事に当てはめてみると、最近仕事の質が低下していると感じることが多い。
時間がないため粗っぽい仕事になり、ミスが多くなって、結果的に時間がかかってしまうという悪循環だ。
私の業務は広い意味で支援業務だが、相手の仕事が早く終わるように、安易な妥協を繰り返していることに気が付いた。
この論考にまさしく当てはまっている。
仕事の質を上げるのではなく、仕事を終わらせることが目的になってしまっているのだ。
勿論終わらせることは重要だが、質が伴わなければ何にもならない。
しかし、銀行の話は、話にならないし、一人あたりのGDPがこんなにも低いなんて、中国のことを笑っている場合ではない。
内閣府のデータ によれば、為替レートベースで1980年が17位で、それから上昇し1993年から1996年までが最高の3位、それから一時的に14位まで持ち直したこともあるが低落傾向にあることは確かだ。
それは氏の言うようにバブル崩壊と共に始まっている。
為替レートの影響を除いた購買力平価 (PPP)ベースだと傾向は同じで、順位は20位あたりをうろうろしている状態だ。
これをみると、日本人の志、丁寧なモノづくりについて考えてみる必要があると感じる。





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Last updated  2015年11月13日 22時19分26秒
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