音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2023年09月06日
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カテゴリ: クラシック音楽

偶然に聞いた エッシャー弦楽四重奏団 のヤナーチェクと弟子の作品を集めたアルバム。
この団体はアメリカの弦楽四重奏団だそうだが、これがめっぽういい。
今回のアルバムは作曲者の自伝的な作品を集めているそうだ。
筆者はヤナーチェックの弦楽四重奏は全く不案内で、曲をまともに聴いたことも殆どない。
エッシャー弦楽四重奏団の演奏は生の肉声を聴いているような、リアルな感情表現で、弦楽四重奏でこのような演奏にあったことがなかった。
あまりにもリアルすぎて、聴いている側も平静でいられなくなる。
故宇野功芳の評論の常套句としてよく使われていた「切れば血が出るような」を地で行くような演奏だ。

聴き手の心にグサッと突き刺さる音楽なのだ。
ただ、それが続くと聴き手は勘弁してくれと言いたくなる。
また、第1バイオリンのキーキーいう病的な高音が、聴き手をイラつかせる原因でもあるようだと気が付いたのは、しばらくたってから。
なので、続けて聞くのはなかなか骨が折れるが、つまらないと感じる暇がなく、あっというまに終わってしまった。
その中では「内緒の手紙」の第2楽章のアダージョの部分は比較的平静を保つことが出来る。
弦楽四重奏曲第2番「猿山より」(1925)はヤナーチェクの弟子であるパベル・ハースの作品。
チェコのモラヴィア高地で過ごした夏の休日を回想して書かれたもの。
各楽章趣向を凝らしていて、なかなか面白い作品に仕上がっている。
ただ、ヤナーチェクのエキセントリックな表現はなく、心穏やかに?聴くことが出来る。
第一楽章「風景」はミステリアスな気分を感じさせる楽章。
第2楽章「馬車、御者、馬」はクロマチックに揺れ動くグリサンドが馬車の不安定な動きを表していて、聴いていると本当に酔いそうだ。

途中から1楽章の特徴的なリズムが再現され、平穏な気分もぶち壊しになる。
第4楽章「野生の夜」では打楽器が加わり、一挙にモラビアの民族色が濃い音楽になる。
この打楽器が結構派手にぶちかましてくれる。
喧騒が終わった後でゲネラルパウゼがあり、その後、弦で奏でられる部分は作家マリア・ポデショヴォヴァ(1901–94)との恋愛の思い出だそうだ。
この団体の毒のある音楽がすっかり気に入って、バーバーやアイブズの入ったアルバムも購入してしまった。

概ね曲の持っている表現の振幅を拡大したような演奏で、はまると絶大な効果を発揮するが、やり過ぎると鼻につくという危険性がある。
アンプが故障したので、今回はハイレゾをPCのfoobarで再生し、iFi audioのZEN DACに接続。
このDACはヘッドフォンアンプが付いているので、バランス入力のあるオーディオテクニカのATH-MSR7b BKで試聴という構成。
音は悪くないが、透明度が不足し、響きも幾分だぶつき気味。
筆者はもともと密閉型のヘッドフォンは苦手だ。
ところが、今回アンプが故障したので、何も考えずにヘッドフォンを購入してしまったのが失敗のもとだった。
エージングが終わってからどうなるか分からないが、既に売っぱらうことを考えている。
ほんの数時間使っただけで、耳も痛くなっている。
やはり音楽はスピーカーで聴くに限る。

エッシャー弦楽四重奏団 ヤナーチェク: 弦楽四重奏曲第1番&第2番、ハース: 弦楽四重奏曲第2番

1.ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
5.ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」
9.パヴェル・ハース:弦楽四重奏曲第2番「猿山より」(打楽器つき版)

コリン・カリー(パーカッション)
エッシャー弦楽四重奏団

Recorded 19th—22nd February 2022 at Potton Hall, Saxmundham, Suffolk, England





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Last updated  2023年09月06日 18時09分40秒 コメントを書く
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