音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年08月25日
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カテゴリ: ジャズ

アントニオ・ファラオ (1965-)の久々のアルバムがリリースされた。
筆者はクリス・クロスが安いprostudiomastersのセールで税込みCA$14.16で購入。
ファラオにとって2017年の「Eklektik」(warner)以来のアルバムであり、しかもサイドメンがジョン・パティトゥッチのベースにジェフ・バラードのドラムスという豪華で、録音の機会を作ってくれたクリス・クロスに感謝する旨の発言があったことを記憶している。
その喜びの興奮が冷めやらぬ?ような、熱気に満ちた演奏で、硬派のイメージと爆発的なアドリブは健在だ。
プログラムはオリジナルが8曲でスタンダードが2曲という構成。
オリジナルの水準が高く、アグレッシブなピアノは昔と何ら変わらない。
ブックレットがないので、誰に対するとリビュートなのか分からないのが残念。
かろうじて曲の雰囲気と演奏スタイルから「MT」がマッコイ・タイナーであることは想像できる。

暗いムードのモードで、ショーター作曲と言われてもおかしくない。
「Memories of Calvì」はフランスのコルシカ島で行われているカルヴィ・ジャズフェスティバルのことだろうか。
ピアニストのミシェル・ぺトルチアーニがよく出演していたそうだ。
「Tributes」もどこかで聞いたようなメロディーだが、曲名が不明。
「Rhight On」はミディアム・テンポの柔らかなタッチの曲だが、ドラムスが複雑なリズムをたたいていて、高度に洗練された雰囲気が感じられる。
ファラオのアドリブはここでもエネルギッシュ。
「Shock」はアブストラクトなメロディーラインが印象的な高速テンポの曲。
バラードの「Tender」は辛口ながら、宗教的な雰囲気を感じさせる感動的な演奏だった。
「Syrian Children」(シリアの子供たち)はピアノ・ソロ。
遅めのテンポで、リリカルで中東の不思議なムードが広がる。
キース・ジャレットもかくやと思わせるイントロから始まるコール・ポーターの「I Love You」は、ぞわっとするような興奮を引き起こす。

サイドは期待にたがわぬ出来だが、ベースがもう少し積極的にピアノをプッシュしてほしかった。
録音は普通だが、平面的で、もう少し前に出て来てほしい。
そうすればファラオのアグレッシブな演奏が一層映えたと思われる。
ということで、程々の出来で、長年の長年の渇を癒されたというところだろうか。
全体的に高速テンポの曲が多く、少し変化に乏しいのが惜しい。

Antonio Farao:Tributes


2.Antonio Farao:Right One
3.Antonio Farao:Shock
4.Cole Porter:I Love You
5.Antonio Farao:Tender
6.Antonio Farao:MT
7.Antonio Farao:Memories Of Calvi
8.Antonio Farao:Syrian Children
9.Antonio Farao:Song For Shorter
10.Chick Corea:Matrix

Antonio Farao(p)
John Patitucci(b)
Jeff Ballard(ds)

Recorded on July 26, 2023 at Studio de Meudon, Paris





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Last updated  2024年08月25日 17時13分46秒 コメントを書く
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