映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

お気に入りブログ

アベンジャーズ/イ… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

高齢と後継 ちーこ♪3510さん

いつものあれ(`・ω… 天野北斗さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん
いもたこなんきん クロ麻呂さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
June 16, 2024
XML
みなさんこんばんは。口で筆をくわえて絵を描く星野富弘さんがなくなりましたね。
今日はフランシス・ハーディングのファンタジー小説を紹介します。

呪いを解く者
The Unraveller
フランシス・ハーディング
東京創元社

ハーディング作品は表紙絵に物語のヒントが含まれている。中央に舟を漕ぐ男女。船にはカモメがとまっており、背景の氷山にはサギがいる。空中にかかっているかのような蜘蛛の糸には、釣り針にぶら下がった魚が引っかかっている。右横に目が赤い黒馬。さて、空中に張り巡らされた蜘蛛の糸のようなものは何? 

 答えは呪いである。本編では、呪いは蜘蛛の糸で表現される。15歳の少年ケレンは、呪いの糸をほどく“ほどき屋”だ。

 原野と呼ばれる沼の森があるラディスでは、小さな仲間という生き物がもたらす呪いで、動物に変えられる人間が出ていた。ケレンは自分が呪いを解いた15歳の少女ネトルを相棒に、呪いに悩む人々の元に赴いていた。ある時呪い人を収容している病院から、何者かが呪い人を解放したと知り、陰謀に巻き込まれていく。



 但し、本編はダーク・ファンタジー。両主人公とも重いものを背負っている。それぞれに家族がいるが、ケレンは能力故に家族と離れなければならなくなり、ネトルは継母に兄弟と共に呪いをかけられてしまう。兄がタカとカモメ、姉がハトに変わるが、その刹那、タカの兄がハトの姉を食い殺す場面が直後に登場し、呪いの残酷さを読者にも見せつける。

 呪いをかけられた兄弟の物語は『野の白鳥』からのインスパイアだそうだ。『野の白鳥』では、エリサの尽力により、全ての兄弟は人間に戻ったが、今回ネトルの兄ヤニックは、チャンスを拒否し、カモメでいることを選択する。目の前で兄弟の殺し合いを見てしまった事も関係しているが、人間に戻る事への恐れも抱えている設定。次第に鳥としての習性に染まりつつある兄を見て、ネトルは複雑な思いに駆られる。二人主人公のうち、ケレンは何でもストレートに反応する動、トラブルメーカーの彼をなだめるネトルは静のイメージだが、これが後半の伏線に繋がる。

 呪いをかけられた人が被害者で、かけた人が加害者という一面的な描き方はされていない。ケレンは単に呪いを解けば問題は解決だと感じていた節があるが、様々な呪いの現場に遭遇するうち、「呪いは勿論悪いが、虐げられた者の、唯一の武器でもある。むしろ、呪われるような事をしてはいけない。」と、これまでの仕事に疑問を抱くようになる。本当に解きほぐさなければならないのは、呪いの糸ではなく、縺れた人間関係であると気づく主人公の成長に、人間関係の在り方を重ねている。時に人は呪う側にも、また、呪う側にもなり得る存在なのだ。


呪いを解く者 [ フランシス・ハーディング ] ​​ 楽天ブックス






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  June 16, 2024 12:00:28 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のミステリー&ファンタジー小説] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: