社外総務部長
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先日こんな相談を受けました。仮に、Sさんとしましょう。Sさん夫婦には子供がいません。妻は認知症が進行して、なおかつ病弱です。夫は、「仮に自分が先に死亡した場合、財産すべてを妻に残し、その後、交流のない妻の兄弟姉妹に財産を残さずに、福祉団体等に寄付したい」と考えています。どうすれば良いでしょうか。子供がいない夫婦の場合、一方が死亡した場合には、配偶者および被相続人の親(親が死亡していれば兄弟姉妹)が法定相続人となります。 次に、残された配偶者が死亡すれば、その親(親が死亡していれば兄弟姉妹)が法定相続人となります(民889)。 兄弟姉妹には遺留分がありませんから、Sさんがお考えのように、妻が存命ならば全財産が相続させる、妻が既に死亡しているのであれば福祉団体に寄付する旨の遺言を書いても問題はありません。更に、妻存命中に、妻にも自分の遺産はすべて福祉団体に寄付する旨の遺言を書いてもらえば良いと思います。問題なのは、認知症が進んでいる妻が、遺言能力を喪失しているのであれば、遺言自体が無効となる可能性があり、法定相続(親、親が死亡していれば兄弟姉妹)が発生するかも知れませんところで、これを回避するために、夫は、二段構えの遺言を書くことは可能なのでしょうか。即ち、自分が死亡したら、妻に全財産を相続させる(第一次受遺者の指定)、その次に、妻が死亡したら、その財産を福祉団体に寄付する(第二次受遺者の指定)旨の遺言を書くことはできるのか?これを「後継ぎ遺贈」と言いますが、第一次受遺者の指定については普通の遺贈であるも、第二次受遺者の指定部分については、第一次受遺者の取得する所有権が期限付きで、売却等の処分ができない制限された所有権となることから、物権法定主義に反する、そもそも民法に規定がなく無効である、という見解が通説です。そこで、これの弊害を回避するために、信託を利用すれば、後継ぎ遺贈と同様の効果(財産移転)を得ることができます。信託は、基本的に、ある者(委託者)が、信託契約や遺言の方法によって、特定の者(受託者)が一定の目的に沿って委託者の財産の管理又は処分を行うことを言います。又、先の第二次受遺者の指定についても、「受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例」(信託法第91条)によって目的を達成することができますので、一度、検討する価値がありそうです。 遺言書作成相談・遺言書作成サポート・公正証書手続き代行を行っております。どうしようと思ったら、まずは、お気軽にご相談下さい。相談・見積もりは無料です。
2010年04月16日
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