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木昌1777さんComments
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最初に訪れた神割崎は石巻市北上町、立ち寄った道の駅大矢海岸は気仙沼市本吉町、偶然入った唐桑半島休憩地は気仙沼市唐桑町である。町村大合併が行われたが、宮城県で生まれて県外で暮らしたことのない身には、北上町、本吉町、唐桑町という旧町名が馴染みで、いちいち石巻市や気仙沼市を先に付けるのは煩わしい。かといって、気仙沼市、石巻市だけではどの辺やら皆目見当がつかない。
私は栗原郡瀬峰町で生まれたが、今は群が市に変わった。「栗原市で民家の火事で一人死亡」などとテレビのニュースが流れても、行ったこともない旧栗駒町だったり一迫町だったりすると遠い話に聞こえてしまう。まあ、故郷はずいぶんと遠くなってしまった、ということである。
唐桑半島にある巨釜半造は当然ながら唐桑町にある。駐車場に着くと大きな野良猫の出迎えである。駐車場の前には食堂のような建物があるが周りをトタン板でしっかりと囲んで人の出入りができないようになっている。かなり以前から閉鎖しているようで、周りにはそのほかの人家は見えない。このノラ君はどこで餌を調達すのか心配になったがそれほど痩せてもいない。空腹らしく熱心にねだるのだが、あいにく飲料水しか持っていない。家のカリカリを持ってくればよかったと思ったもののどうにもならない。人家の少ない寂しい場所の旅には必需品のようだ。
ここでも妻を駐車場に残して緩やかなけっこう長い階段道を下った。複雑な岩組の海岸に寄せる冬の波は、ときには大きな飛沫を噴き上げるので、しばらくは飛沫のタイミング狙いでカメラを構え続けた。また、高さ16mの大理石の石柱「折石」も撮ったが、このネーミングは1896年の大津波で先端が折れたことによると案内看板にあった。





巨釜からすぐ近くの半造の駐車場に行ったが、こちらはけっこう長い散策路を歩かねばならないようだったので写真は諦めた。ここには小さいが立派なレストハウスがあったのでコーヒーを頼んだ。海の景色が眺められるように窓際に高い椅子の席が用意されていたが、残念ながら二人の前には松の木の太い幹があるのだった。二人連れが同じようにコーヒーを飲んでいて、外にも二組ほどの観光客がいた。このレストハウスのコーヒーはとてもおいしいのだった。この二日の旅で何倍もコーヒーを飲んだが、ここのが一番だったと後で妻が強調していた。
コーヒータイムの休憩が入ったので、今日の最後のスポット「碁石岬」に向かうことにする。碁石岬は、県境を越えて岩手県に入り大船渡市末崎町にある。広い駐車場にレストハウスやインフォメーションの建物があり、道向かいには「世界の椿館」という施設がある。三陸復興国立公園の主要な場所らしく観光に力が入っているようだ。私(たち)は観光旅行だが興味は自然の方、自然の写真の方なので建物にはトイレ以外は入ることはなかったが………。
岬には遊歩道が巡らされていて、妻は林の中の遊歩道を歩きながら楽なところで海を覗き、私は岬の突端「碁石岬灯台」をまわり、碁石浜の見えるところまで下って写真を撮って引き返すというコースだった。
碁石岬に着いたのは午後3時半過ぎ、冬の日の傾くのは早く、岬の突端あたりからカメラの興味は傾いた太陽ということになった。とくに碁石浜の海に映える午後の日差しをどう撮るか、ああでもない、こうでもない、とけっこう遊べるのだった。







妻もそこそこ遊歩道や景色を楽しんだらしい。少し安心して、今日の宿泊先「大船渡温泉」に向かうことにする。大船渡温泉は大船渡湾に面しており、妻は温泉を、私は大船渡湾の夜明けをカメラ抱えて待ち構えるのである。
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