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今をときめく若手マエストロ=アンドリス・ネルソンス率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートに行った。ネルソンスは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスター(楽長/音楽監督兼首席指揮者)であると同時に、ボストン交響楽団の音楽監督でもあるという世界で最も注目される指揮者だ。数年前にバーミンガム市交響楽団と来日した時に初めてナマで見たが、全身で踊るように指揮するのを見て驚いたのを覚えている。2度も勢い余って指揮台から落ちたのも目撃した。さて今回はどんなオーバーアクションの指揮ぶりを見せてくれるか?270年以上もの歴史を持つ世界最古のオーケストラ=ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団はどんな響きを奏でるのか?美人ヴァイオリニスト=バイバ・クリスデはどんなショスタコーヴィチを聴かせてくれるのか?興味津々のコンサートの会場は、上野の東京文化会館。まずは、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番だ。ソリスト=バイバ・スクリデと、アンドリス・ネルソンスがステージに現れた。同じラトヴィア出身だ。二人とも大柄で存在感があるなあ。絶望感の漂う第1楽章が始まる。ストラディヴァリの音色はシャープだが堀が深い。難解な演奏を淡々と安々と奏でていく。やるなあ。一方ネルソンスは元気いっぱいの指揮ぶりだ。指揮台には頑丈そうな手すりがついている。態勢が崩れそうになるとすかさずその手すりを握る。なるほど、これなら指揮台から落ちることはない。考えましたな。ショスタコーヴィチの曲は第4楽章までずっと緊張感全開の楽曲だった。それをミスなく弾き終えたバイバ。カッコイイ!ファンになってしまった。アンコールはヴェストホフというバッハと同時代の作曲家の「鐘の模倣」という曲。お決まりのバッハの「G線上のアリア」ではないのがよかった。休憩後の後半は、ブラームスの交響曲第1番。ブラームスの交響曲をナマで聴くのは初めてだ。アンドリス・ネルソンスが再び登場。指揮台の手すりと共に目に止まったのが譜面台。よく見る譜面台より小ぶりで背丈が高い。長身のアンドリスに合わせた高さのようだ。彼専用のものなのだろう。手すり付きの指揮台と一緒にライプツィヒから持ってきたと見た。ブラームスの1番は、「ベートーヴェンの第10交響曲」と呼ばれるにふさわしい古典的な構成の名曲だ。ネルソンスとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏は、気負いも衒いもなく正攻法だ。自国ドイツの作曲家の曲なので自信満々なのだろう。弦も金管も打楽器もそれぞれにいい響きだが、とりわけ木管(クラリネット、オーボエ、ファゴットなど)の響きが重厚で力強いのが印象に残った。ネルソンスのオーバーアクションは数年前に比べるとややおとなしくなってはいたが、相変わらず視覚的に楽しませてくれた。そんな指揮ぶりをずっと見ていて、ネルソンスの音楽への愛を感じた。音楽の素晴らしさを十二分に聴衆に届けたいと指揮するとあのような無邪気なオーバーアクションになるのだろうな。前回のコンサートを見て、ネルソンスを「全身指揮者」と名付けた私だが、今回のコンサートを見て、私は彼に「朴訥なクマさん」と名付けることにする。なぜって?そう見えたから仕方ないのであります。感動的なブラームスを終えたアンコールは、メンデルスゾーンの序曲「ルイ・ブラス」。さすがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団ならではの選曲だ。メンデルスゾーンは、かつてのこのオーケストラのカぺルマイスターでもあり、世界的はオーケストラに押し上げた張本人。そんなメンデルスゾーンに敬意を表してのアンコールだ。去年、NHK交響楽団がヨーロッパ公演を行ったが、その時のアンコールって何だったのだろう・・・・とふと思った。日本的な曲、例えば、「花」「おぼろ月夜」「夏は来ぬ」「ふるさと」・・・などをメドレーで演奏したら受けるのでは・・・そんなことを思いながら、私の興味津々コンサートは幕を閉じたのでありました。最後に一句。 「 ネルソンス 音楽愛の 夏は来ぬ 」
2019.05.30
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先日、ケーブルテレビの音楽チャンネル=ミュージック・エアで、2005年の柳ジョージ&レイニーウッドの再結成ライブをやっていた。ジョーちゃんファンだった私は、当然のように24年ぶりの再結成コンサートのチケットを買い、勇んでライブ会場のゼップ東京に行った。しかし、初めからほとんど千鳥足状態のジョーちゃんは、声の出があまりよくなく、歌詞を間違えたり果てはステージ上で足がもつれて転んでしまったりと、散々なコンサートだったのを思い出した。後で聞いた話だが、楽屋にメンバーが日本酒を差し入れ、それをジョーちゃんは本番前に飲み干してしまったのがその原因だったのだそうだ。いやあ、豪快!豪快!名曲「酔って候」を地で行くジョーちゃん、憎めないよね。番組は、その散々なゼップ東京でのライブではなく、横浜でのステージの収録だった。そりゃそうだ。亡くなって7年余りたって醜態をさらした映像を放送するわけないよね。このステージがなかなかいいんだなあ。久しぶりに聴くジョーちゃんの声にしびれてしまった。「プリズナー」、「クロスアイド・ウーマン」、「本牧奇譚」、「ハーバー・フリーウェイ」、「フェンスの向こうのアメリカ」、「コペンハーゲン・パーク」、「娘よ・・・」、「ヘイ、ダーリン」、「雨に泣いてる」etc レイニーウッド時代の曲って名曲揃いだ。皆演奏が抜群にうまいし、ジョーちゃんのエレキギター・ソロがまた味わい深い。自室の書棚をひっくり返したら、再結成コンサートのプログラムが出てきた。再結成コンサートへ向けてのリハーサルの写真やジョーちゃんへのインタビュー、そして絶頂期の頃の懐かしの写真も載っていた。これもその1枚。いい写真だよなあ。見ただけでいいロック・バンドってわかる。みんなカッコイイ。そんな彼らの奏でるロックに心を揺すぶられ、自分たちもバンドを組んで、「雨に泣いてる」や「本牧奇譚」、「フェンスの向こうのアメリカ」などをコピーして息巻いていた自らの若き日々のことを思い出しながらしばし、亡き柳ジョージの歌声に浸る。ステージは、「さらばミシシッピー」で幕を閉じ、アンコールは、「ストーミー・マンデー」。確か、私が見たゼップ東京でのコンサートもアンコールはこの曲だった。歌声もギター・ソロも凄みのあるものだった。レイニーウッドの面々のアドリブ・ワークもグッド!やっぱりジョーちゃんの音楽のルーツはブルースなんだな。そしてラストは「青い瞳のステラ 1962年夏・・・」。いい曲だ。石井清人の12弦エレキギターの音色が郷愁を誘う。濃いめのバーボン・ハイボールが無性に飲みたくなった。ジョーちゃんが亡くなってしまったのが返す返すも残念至極。そんなことを思いながら録画番組を見終え、DVDにダビングし永久保存版にしたのでありました。音楽って本当にいいもんだよね。最後に一句。 「 ジョーちゃんの 歌と鰹で ハイボール 」
2019.05.25
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10連休の友として、フルトヴェングラーとアーノンクールのそれぞれCD5枚組セットを購入。フルトヴェングラーは、ウィーンフィルなどとのベートーヴェンの交響曲全曲(9曲)。アーノンクールは、ベルリンフィルとのブラームスの交響曲全曲(4曲)とピアノ協奏曲全曲(2曲)に小曲も。ピアニストはブッフビンダー。この2つのセットがなんと、どちらも1000円ちょっとしかしないのだ!CD10枚で2000円余り。いくらネットで音楽を聴く時代だとはいえ破格だ。フルトヴェングラーの方は1940~50年代の録音なので、曲によって音質はかなり劣悪。アーノンクールの方もピアノ協奏曲第1番だけはベルリンフィルではなくアムステルダム・コンセルトヘボウだったりと寄せ集めた感あり。それにしても、これだけのボリュームの名演奏を2000円余りで聴けるのだから、特に遠出の予定もない10連休を楽しむには抜群のコスパだ。ベートーヴェンの交響曲は、これまでカラヤン・ベルリンフィルの演奏を愛聴してきたので、フルトヴェングラーのゆったりとした、また時に狂ったようにアップテンポになる演奏が新鮮で面白かった。特に第9番「合唱」は、歴史的名演奏として聴き継がれている1951年のバイロイト祝祭管弦楽団とのライブレコーディングだったのが嬉しかった。演奏時間は75分。4年前に聴いたパーヴォ・ヤルヴィとN響の演奏は63分だったのに比べるとなんとゆったりしたことか。ヤルヴィはベートーヴェンの楽譜のテンポ指定を忠実に守って演奏していると言っているので、フルトヴェングラーの演奏は、楽譜の指示を無視して自らの解釈で演奏していることになる。私にとって、そのどちらも名演奏だった。こうした指揮者の解釈の違いがクラシック音楽の魅力なのだ!それにしても、合唱の第4楽章のど迫力には肝を抜かれた。アーノンクールのブラームスは、個性的だった。これまでブルーノ・ワルターや、クラウディオ・アバドのオーソドックスなブラームスを聴いてきたので、テンポが自在に緩急し、楽器の奏法や音量のバランスなどもこれまでに聴いたことがなくユニークだった。特に交響曲第1番の第4楽章ラストのたたみかけるようなアップテンポのエンディングが鮮烈だった。古楽を一大ムーブメントにした立役者アーノンクール。その1つ1つの演奏に彼の深い楽曲への解釈が現れているのだろうと思う。それが何なのかまではわからない。輸入盤のライナーノートにあった、自分とブラームスについて語ったアーノンクールのインタビュー(英・仏・独語)をちゃんと読んだら理解出来るのだろう。ひまを見て辞書を引きながら訳さなくては・・・。そんなこんなで、10連休は、ひまさえあれば今は亡き2大巨匠の演奏に聴き入っていた。朝のランニングの時も頭の中で2人の演奏が鳴っていた。こうしたクラシック音楽三昧で令和元年は幕を開けた。最後に一句。 「 10連休 どこにも行かず 10CD 」
2019.05.06
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