けんぶる日記
2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
来年2020年は、ベートーヴェンの生誕250年にあたるメモリアルイヤー。世界中のコンサートホールで今年から来年にかけて盛んにベートーヴェンの曲が演奏される。そんな予習も兼ねて、暇を見てはベートーヴェン本を読みベートーヴェンの交響曲などのCDを聴いている。先日、中古CD店のベートーヴェン・コーナーを見ていたら、「戦争交響曲 ウェリントンの勝利」を収録したCDを発見。ベートーヴェンは9つの交響曲以外に、もう1つ交響曲と銘打った曲を残していたのだ。ハインツ・ボンガルツという指揮者とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏のCDだ。興味本位に購入。この戦争交響曲は、交響曲第7番と一緒にウィーンで初演され大好評を博し、ベートーヴェンが国民的作曲家になるきっかけとなったと伝えられている。とは言っても、内容的には他の交響曲に比べ、ウェリントンでイギリス軍がナポレオン軍に勝利したのを音楽で描写しただけの浅薄なもの。そこには、「運命」や「合唱」のような、苦悩を越えた歓喜、カオスからコスモスへ、といったヘーゲル哲学を音楽で表現したような思想はなく、「田園」のようなロマン派音楽の先駆を思わせる新しい表現法もない。曲は1部「戦争」、2部「勝利」の2部形式で、オーケストラ楽器の他に、大砲、小銃、行進ラッパなどの戦争に用いる武器などを左右に配置してイギリス軍とフランス軍の戦いの模様を描写している。ま、戦争映画の音楽版といったところだろうか。こうしたわかりやすい演出が受けたのだろう。でも、当時のウィーン市民がナポレオン軍でなく、イギリス軍を応援していたのはちょっと解せない。だってその10年ほど前はフランス革命による王政打破と、ナポレオンの登場にヨーロッパは歓喜していたはずだ。ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」もナポレオンの登場に触発されて作られた傑作ではないか。ベートーヴェン本人は、戦争交響曲をいやいや作ったのだそうだ。作曲を依頼したのはメトロノームの発明家で知られるメルツェル。自ら考案した機械仕掛けの自動演奏装置であるパンハルモニコンのための曲としてベートーヴェンに依頼したのだという。当時ベートーヴェンは、年金を受けていた侯爵が破産したり亡くなったりして経済的に窮乏状態。そんな中渋々この依頼を受けたのだそうだ。周りの人々の意見など聞く耳を持たず、自らの意思に忠実に作曲したベートーヴェンにもこんな経緯から作った曲があったんだなあ。それにしても、ベートーヴェンが生きた時代は、フランス革命、ナポレオン戦争、アメリカの独立革命といった疾風怒濤の激動期だったのだ。ベートーヴェンの音楽の革新性、ダイナミズムにはこうした時代背景も色濃く投影しているのだと思う。いささか解説的なブログになってしまったが、ベートーヴェンの予習になれば幸いです。最後に一句。 「 梅雨晴れ間 蝉の聞こえぬ 早朝ラン 」
2019.07.29
コメント(0)