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クマタツ1847 @ Re[1]:父の日 親を思う子供たちに感謝(06/16) 楓0601さんへ  周りの方々も含めて皆さん…

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2020.10.18
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カテゴリ: 読書




 令和元年、「熱源」で第162回 直木賞受賞の作家・川越宗一氏の講演会が10月17日(土)かごしま県民交流センターで開催された。
鹿児島県出身の作家・海音寺潮五郎記念文化講演会と銘打たれた講演会で毎年著名な作家を招いて開かれるものだ。今年は3密を避けるため定員600名のホールに200名という密のない聴衆だった。
川越氏は1978年鹿児島県錦江町の生まれで大阪育ち。2018年「天地に燦たり」で第25回松本清張賞を受賞し、作家デビュー。2019年、2作目の「熱源」で第10回山田風太郎賞候補、第9回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞、第162回直木賞受賞。

 私が今回この講演会に友人たちを誘って参加したのは2019年7月21日に開催された「島津義弘没後400年シンポジウム 戦国島津最前線」を聴講したのがきっかけである。その「第2部 戦国島津はどのように発信されるのか」の中で川越宗一氏の紹介文があり、2018年に朝鮮出兵と琉球出兵を舞台にした歴史小説「天地に燦たり」で松本清張賞を受賞と紹介されていた。そのときはいずれ読もうかと思っていたが、そのままになっていた。ところが2019年の直木賞受賞者が川越氏と知り、作品は「熱源」だという。単純な私は「熱源」よりも先に気になっていた島津氏も関連する「天地に燦たり」を買って読んだのだった。読み始めるとこれまでの時代小説とは違うむつかしさもあったが、途中から一気に引き込まれる面白さがあって、時間をかけずに読破した。そして今回の講演会を知ったというわけだ。

 演題は「わたしの歴史小説の世界」
ナビゲーターとして主催者の鹿児島県立図書館長の原口泉先生が登場し対話という形で進行した。
ご両親が根占町(現在の錦江町)生まれのため鹿児島出身を名乗っているという。
高校は大阪で特に何もしなかったが歴史は好きだった。19歳で京都に移りバンド活動などをしていたが30歳でサラリーマンとなり、サラリーマンを続けながら4,5年後に小説を書き始めた。

 原口館長との会話の中で私が興味を持った部分がたくさんあったので羅列的になるが次に紹介したい。

〇物語には動機をつくる。
〇半分実在、半分フィクションとし、誇張・脚色でキャラクターをつくるが、歴史とのバランスには留意する。キャラクターには愛着を持っている。
〇世の中には本当に悪い人はいない。正しく、良く生きていこうとする。
〇小説は読者に喜んでもらうエンタテインメントとして書いている。
〇両親が鹿児島弁を使うし、盆暮に錦江町に帰っていたので鹿児島弁のリズムが自分の中に流れている。
〇島津家重臣の樺山久高を中心に朝鮮出兵と琉球侵攻を書いた「天地に燦たり」の意味は、誇りと生き様を書いた人間賛歌ということ。朝鮮出兵を取り上げたのは、世間が避けて通っているので自分は敢えてそこに触れた。
〇人は各々の価値観を持っていて相容れないが、お互いを尊重するために「礼」があるのではないか。
〇宗教については取り上げておられないようだがとの質問に対して「自分が宗教で救われた経験がないので軽々しく書けない」
〇小説を読むと歴史を相当に勉強されておられるようですがという問いかけには「さわりだけの知識で書いているのではとの不安はある」と謙虚な言葉が返ってきた。
〇次の作品は東シナ海、東アジアを舞台に海を通じての交流を書きたいということで、時代設定は「天地に燦たり」の2,30年後のことを構想している。自分は境界の人に興味がある。

 まだまだたくさんの対話がなされたが、全体を通じて感じたことは「天地に燦たり」を読んで思ったスケールの大きな物語をこれからも書いていかれるだろうとの期待が膨らんだことだ。これからが楽しみである。


今年は「史伝 西郷隆盛」の中から、西郷と僧・月照が錦江湾に身を投ずる場面の朗読だった。
県立伊集院高等学校放送部の3人の女子生徒による朗読で静かに聞き入ることだった。





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Last updated  2020.10.19 16:46:26
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