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2024.05.16
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カテゴリ: イマジン
経済学者エステル・デュフロの提案「超富裕層と企業への課税を重くし、貧困層に現金を給付すべきだ」

エステル・デュフロ - Wikipedia
2019年にノーベル経済学賞を受賞した、世界的に著名な経済学者の一人であるエステル・デュフロ。気候変動によって貧困層が受ける被害は、超富裕層や企業への課税によって補償されるべきだ

私の言いたいことはとてもシンプルです。 豊かな国に暮らす裕福な人々が、世界の貧しい人々に対して負っている「道徳的負債」を、炭素排出量と関連づけて数字で示そうとしている のです。

どのようにしてこの数字を出すのかと言えば 、死亡率、つまり命を失うという最大のコストに着目 します。

貧しい人々は、気候変動に関する二重の苦難に直面 しています。一つ目の問題は、貧しい人々はすでに暑い場所で暮らしている傾向にあることです。地球が温暖化すればするほど、そうした国々では35度を超える日が増えていくでしょう。

次に、当然のことですが、彼らがそもそも貧しいということも問題です。気候変動に適応するうえで、貧困は大きな障害となります。たとえ暑さに慣れていたとしても、35度以上の日が続くと、貧困国では人が死亡する可能性が高くなるのです。

これら二つの事実を考慮して、クライメート・インパクト・ラボ(気候変動が人々に及ぼす影響を測定する非営利団体)が地図を作成しています。これによれば、 2100年までに、気候変動による年間の死者数がいまより約600万人増えるという大規模な被害が発生

そして、こうした被害の大部分は依然として私たち、つまり豊かな国の人々がもたらしています。米国にいる上位10%の富裕層が出すカーボンフットプリントは、平均的なアフリカ人の122倍です。

大気中に排出される炭素は1トンごとに「コスト」がかかります。なかでも特に顕著な「死」というコストに焦点を当てるべきでしょう。

1トンの炭素が地球温暖化に及ぼす影響に、気温が人の死に及ぼす影響を掛け合わせ、さらに一年分の人の生命につけられた価値──政府が使い続けている、いわゆる統計的生命価値──を掛けるのです。この3つの数字を使えば、大気中の炭素のコストを貨幣価値に換算できます。シカゴ大学の経済学者であるマイケル・グリーンストーンと彼のチームは、これを1トンあたり37ドルと見積もりました。

では、1トン37ドルとして、年間における炭素排出量である140億トン(ヨーロッパと米国のカーボンフットプリントの総計)を掛け合わせます。そうすると、年間5000億ドル強になるのです。これは 私たちが貧しい国々に与えている被害であり、強いている死のコス トでもあります。世界の豊かな地域が、貧しい地域へ負わせているものです。

そしてこれこそが、私が 「道徳的負債」 と呼んでいるものです。これは私たちが負うべきものなのです。

次に考えたいのは、支払うべきこの5000億ドルをどう調達するのか、ということです。「損失と損害の基金」(主要な炭素排出国である先進国が、気候変動で損害を被っている開発途上国に賠償する基金)はあるものの、資金はそれほど集まっていません。

なので、この難局を打破するために私が提案したいのは、まだ存在しない、つまりまだ何にも割り当てられていない新しい資金源を探すということです。実現が不可能ではない、存在しうる可能性のある資金を見つけるのです。

企業に対する最低課税率は、国際協定によって15%に固定されています。しかし、もともと想定されていた数字は25%でした。少しはマージンがあるということでしょう。これが仮に15%から18%になれば、企業からの税収を年間約2000億ドルまで引き上げることができます。

そしてG20は今年2月、ガブリエル・ズックマンとEU税観測所の提案した、 超富裕層に対する課税 について議論しました。 最も裕福な億万長者3000人の保有資産に、年間2%の税金を課す

これを私の提案と組み合わせれば、5000億ドルになるのです。





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最終更新日  2024.05.16 23:49:40


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