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2026.02.19
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カテゴリ: 坐禅
永平初祖学道用心集 6-19

道元・学道用心集講話「第六 参禅に知るべき事」(澤木興道)


 さて、「釈迦老子云く」これは釈迦と老師じゃない、お釈迦さまのことを尊称して釈迦老子という。坐禅の旗がしらを老師というのも尊んでいうことじゃ。お釈迦さまのことでも、老という字のつくのは尊称である。「観音流(ながれ)を入(かえ)して」これは観世音菩薩のことじゃない。観と音じゃ。観は主観のこと、音は向こうのことで客観、これが流れをかえしてというのは、じゃんと鳴った音が耳に聞こえてということである。「所知を亡ずと」これはかっこ『首楞厳経(しゅりょうごんきょう)』の中に「知を亡ず」とあるが、道元禅師が自由な文章で、「所知を亡ず」と「所」の字を一字よけい入れられた。

  月やわれわれや月かとわかぬまで心もそらに澄める月の夜
 という歌がある。自分が月か、月が自分か、そこのところの継目がわからなくなるまで澄める夜の月と、良寛さまは妄想分別がのうて、こういう気持ちに、いつでもなれる人だったと見える。おかしな人じゃ、あの人は。良寛さまのところへ亀田という人が訪ねてきたので、足を洗うのにすり鉢に水を汲んで出した。そこで「すり鉢じゃありませんか」といったら、良寛さまは「いや、足も洗えます」とすましたものじゃ。それから亀田某がとまったら、良寛さまがどこかへ出てゆかれた。どこへいったかしらんと思ったら、茶碗二つ三つ持って帰ってこられたので、「どこへ行かっしゃった」と問うたら、「いや、お茶を汲むのに、あなたに汲む茶碗がないので墓場で借りてきた」良寛さん亡者のやつを借りてきた。それから四方山の話をしておったら日が暮れかけてきた。そこで良寛さまが、「酒飲みたいか」といったら、「あったら結構じゃ、いただきましょう」と亀田がいった。すると良寛さまが徳利持ってさっさと坂を下りていったと思ったら、いつまでたっても戻ってこない。はじめてのところで、おまけにあばらや、夜はだんだん更けてくるし、不気味な気持ちがする。迎いがてらそこまでいってこようと思って、少し坂を下りかけたら、そこに人間がおる。徳利をごろんと転がしたままでお月さんを見ておった。「良寛さま」と呼んだら、「はい」「酒は?」というたらはじめて「おう」というて、それから徳利持って下へおりていったという話がある。あまり月がよかったので、徳利ほうり出して酒買いに行ったことを忘れてしまった。良寛さまという人は、月やわれ、われや月かとわかぬまで心もそらに澄める月の夜、のんきといえばのんきで、月の夜は月のようになってしまえる人だった。われわれはお月さんどころじゃない。酒の方がよい。お客さまが待っている。そういうことに邪魔される。「観音流れを入して所知を亡ず」どっちが主観とか、どっちが客観とかいう継目がなくなる。拝まれる仏も拝む衆生も継目がなくなることである。
(「沢木興道全集」第2巻p.152-154)





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最終更新日  2026.02.19 02:00:06


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