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鳴き砂に 足裏を灼かれ 原爆忌兄の忌の コップにあふるる 秋の水月光に 遺せし杖の 黒ひかり裏山に 鈴虫鳴いて 耶蘇の墓百年の 楡の傘下に 大稲田
2011.09.30
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葉牡丹に 日のやわらかし 祝い酒山端の 星うすれゆく 波郷の忌身寄りなき ひとに頼られ 木の葉髪母在りし 頃の帳場や 街師走十二月 緋の座布団に 招き猫
2011.09.29
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寒晴れの 馬の嘶き 谺せり見舞い子の 雪掻く音や 闇ぬくし初湯児の 桜色して 抱かれけり大寒の 空張りつめて 忌を修す豪雪や 一夜に隔てつ 隣の灯
2011.09.28
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南瓜くされ がらん洞なる 政(まつり)ごと冬稲妻 富と貧者の 軒つらなる哀愁や 森も枯木の 白さ見す落葉して 巨木虚しく ピカソめく
2011.09.26
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雪虫の 哀れ睦める 日を憶ふかりがねや 住居定むる 時老ゆる真実に 生くる冷たさ 木枯す冬の川 流れ分るる 異兄弟
2011.09.25
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矢継ぎ早に 師走来れり 貧民区聖なる灯 はなやぐ雪と なりにける冬鴉 あざけられつつ 幸福にかたくなに 凍魚のひれの 張るばかり
2011.09.24
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鱈下げて 無職の肩の 落ちやすし冬の川 不気味に月を 溶かしけり雪の真夜 犬もかなしき 声洩らす古オーバー 着てはなやぎし 街歩く
2011.09.23
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青葉騒 夜は夜の心 響かせつ祭笛 米価の騰り 聞きつ磨ぐ夏服や にょっきり子の手 突き出さる梅雨の旅 いびつの土産 子に渡す華美もたぬ 女家族の 鏡澄む
2011.09.22
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梅雨こめて 日本暗き 灰の中万緑や 小女目覚むる 乳房みせ新緑や 狂いたる家具 ばかりなる万緑に 墓いきいきと 抱かるる
2011.09.21
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鮭哀し 灯ともし頃の 出勤女郭公や 沼の青さに 濡れ木魂緑陰の 冷やかにして 心燃ゆ万緑の 天我がものに つばめ2羽夕藤に 金魚疲れし ごと沈む万緑に 酔い足下の 崖知らず原爆へ怒るでで虫角を出す祭衣いきにふるさと人踊る
2011.09.20
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勤めもち 詩情つかめず 寒明るく職を得て 二月精魂 かたむける父病める 報に余寒に 胸重し余寒身に まつわり勤め きびしかり人移り 犬残り住み 春の雪
2011.09.19
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春暁や 夫に起こされ 初ひばり鰊酢 夫の手先の 得意なる句誌読むや 目先うるさき 春の虫春泥に バス喰まれたる もがきかな句会終ゆ 春月を背に 一人道
2011.09.18
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故郷の 教室のぞく 晝蛙潮騒や 旅情ひねもす 子を想ふ中年の 心さみしき 浜晝顔遠花火 夫より一歩 おくれがち月見草 妬心なければ さみしかり遠花火 おろかに闇を みつめおり
2011.09.17
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寒天や 夫婦の中に 掟あり葬儀終ゆ 家しんかんと 金魚ゆれ喪に服す 蝶のたわむれ 眼にしむる故郷の 青葉に双手 さしだされ
2011.09.16
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陽炎や 主婦饒舌に 貧しさを春風や 優しき言葉 残しゆく夫発ちし 春の暖房 曉残る夫発ちて 春の暮らしの つつましく
2011.09.15
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春の霜 近隣いまだ 覚めきらず声はづむ 若さも遠し 下萠ゆる情うすき 春の暖炉と なりにけり母の忌や 春の雪降る 香たけり
2011.09.14
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春の座に 命静かな ものの芽よ色褪せし 目張りはぐ日よ 冬尽きくる早春の 空美しく 機音のみ堅雪や 別れてよりの 足速し
2011.09.13
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卒業の 小さき歩みに 瞳のうるむ春めくや 眼帯とりし 光ゲ痛し堅雪に まろびし傷の 子は泣かす
2011.09.12
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命名の 酒酌み交わし 桃の花俊子忌の 山にひっそり 花辛夷(コブシの花)ダムとなる 村を見下ろし 花辛夷グラジオラス 炎えてかろやか 女下駄迷い来し 墓一面に 犬ふぐり
2011.09.11
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春愁や 消しゴムの屑 八方に亡き人の 色紙に生ける 蝸牛身支度に 目ざとき犬や 夏帽子草萌の 丘の夕日に 放れ駒火の山の 街活気づき ラベンダー
2011.09.10
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アカシヤの 芽吹き一途に 乾杯すバーゲンの 袋重たし 万愚節高官の 資金公開 万愚節冬霧や 五臓のカルテ 横文字に千代の富士 千を勝ち抜き 山笑ふ
2011.09.09
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幸せは 何時も遠のき 鰯雲闘鶏の 老いの羽搏き 山に雪陽のぬくみ こもりし南瓜 拾ひけり
2011.09.08
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句集まだ 成らず冬芽の ふくらめり児を抱く ごとく小さき 冬囲い死神の 常に窓越し 虎落笛
2011.09.07
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夕映えの 山湖に肺を 浄めけり旅人に 小雨中なる 湖花火雑言や 腸に泌む 氷水梅雨寒く 慈母観音の御 手に触る大仏の 泰然自若と 青葉風
2011.09.06
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春の霜 近隣いまだ 覚めきらず春月や 優しき言葉 残しゆく病むことも なく藤白し 父の死期慈父が逝く 夜の青葉の ざわめきに
2011.09.05
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髪濡るゝ ままに明るし 牡丹雪荒れあとの 二月日和を人 訪ねへり情こわき 人には言へじ 汚れ雪
2011.09.04
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牡丹雪 胸に一つの 灯をいだく悪魔ふと 囁き夜の 氷柱折る雪ふすま 隣家の声の まれにして冬帽に 世なれぬ若さ あふれおり
2011.09.03
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ゆく年の 夜毎に美しき 記憶抱く極月の 鏡にやせし 身づくろい冬月や 隔てし彼の 地にも照るか極月の 空くち転げ ゆくばかり
2011.09.02
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