仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2005.12.07
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カテゴリ: 教育
別学が「あってもいい」のではないか、という意見があるようです。

私は、まずもって宮城の現役進学率の低さが大きい問題だと考えています。そして、一応頂点とされてきた仙台市内の番号付き県立高校が、もっともっと現役進学率を高めなければならないと考えています。宮城県の高校教育の水準を牽引する役割を、もっともっと発揮して欲しいのです。

この観点からは、共学化なんてのは当然クリアされるべき小さい課題にしか過ぎず、理想を言えば、仙台市内の県立高校も統合再編して、教員と施設など教育資源を統合・特化して心機一転、スーパー進学校を作るべきなのです。県教委も全体への配慮からあまり明確には言えないのでしょうが、(統合はともかくとしても)県全体の現役進学率の向上のため、番号付き高校が進学校として真価発揮すべきとの意識があるのだろうと思います。

知人と談笑しつつ思いついたことですが、どうしても別学を残したい? ヨシそれならば、次のようにしてはいかがでしょうか。ついに、妙案登場!?
(もちろんブラックユーモアですよ。)

題して、仙台の根強い別学「伝統」論者と、宮城の学力向上と、その双方を満たす画期的プロジェクト登場!

(1) 全県一学区どころか、県をとびこして山形県と共通で、両県一学区とする。
(2) 仙台・宮城の優秀な中学生は、是非山形東高校を受験するよう、薦める。進学なら山形へ、が仙台・宮城の中学3年生の常識となる。
(3) 別学の伝統重視という中学生は、もちろん番号付き県立高校を受験できる。別学信仰の親も満足できましょう。

(5) なお、両県の連携・交流にも大きなはずみがつくという効果も。
(6) 仙台から山形東高に通学する場合の交通。現状だと、
  ○仙山線 仙台駅6時12分発→山形駅7時37分着
  ○バス  県庁市役所前発6時55分発・仙台駅前7時05分発→山交ターミナル8時05分着
  (前後に10~15分間隔で便があり。)

というものです。どうでしょうか!

問題を茶化す、あるいは自嘲と自虐を好むわけでもなく、問題の本質を訴えたいのです。仙台・宮城を真剣に考える当ジャーナル読者(誰だろう?)にはご理解いただけると思います。学都仙台・宮城を引っ張ってこそ、ナンバースクールじゃないのですか。

ここでデータを紹介。(各校HPから整理。単位は人。いずれも17年度の数値で合格者ベース。つまり私立は実人数の数倍になっていると思われる。)

 ○仙台二高(1学年8クラス)
   ・国公立 現役115(うち東北大55)・浪人107(うち東北大31)
   ・私立  現役63・浪人291

   ・国公立 現役151(うち東北大50)・浪人38(うち東北大18)
   ・私立  現役90・浪人101

 ちょっと分析すると、仙台二高の場合、現役進学者実数は(私立の実入学実績が不詳なのだが、かりに私立合格者がほぼ入学したとしても、つまり上限で見ても)160名程度と推測され、就職はゼロ、専門学校等がいるとしても、残る現役160人程度は浪人して来春以降の進学をめざしていることになる。約半数が浪人、と何ともすごい。
 これに対して山形東高は、国公立の「浪人」合格者が実在することから浪人(学校用語としては進学準備)に回る層もある程度が伺えるが、二高に比較すれば現役進学率は相当に高い。200人程度は現役で進学していると思われる。
 現役での国公立合格者数(私立は実入学数がわからないので国公立に限定。)を学年定員に占める割合でみると、仙台二高は36%、山形東高は63%となる。


 ○仙台一高(1学年8クラス)※平成15年実績
   ・国公立 現役63(うち東北大22)・浪人117(うち東北大46)
 ○宮城第一女子(8クラス)※平成17年実績
   ・国公立 現役127(うち東北大35)・浪人82(うち東北大24)
 ○宮城第二女子(8クラス)※同上
   ・国公立 現役104(うち東北大20)・浪人44(うち東北大15)

 仙台一高は二高よりもっとすごいですね。ズバリ言いますが、一高の凋落は目を覆うばかり。特に15年度は前年度と比べても歴然と低く、HPでH16・H17の実績を公表しないのも、「自粛」しているのでしょうか。一女高・二女高も、現役合格実績が相当低いというべきです。

 ハッキリ言えば、「別学が文化だ」などノンキな事を言っている場合じゃないでしょう。統合されないだけでも郡部に比べれば良いのに。実施時期を遅らせて合意形成に配慮しているだけでも、十分な尊重を受けているものと思います。
 本当に子どもたちのこと、本当に未来の仙台・宮城を真剣に考えているのか、と言いたいです。

 高校は卒業生のモノではない。現役学生を中心として、未来の入学生のもの。そして、公立である以上、人材育成・供給機関という意味で県民みんなの共有財産だ。
 過去の郷愁を大事にするのは結構だが、同窓生という特定の部分社会での意識にしか過ぎないこと、しかも前向きの議論でないことをわきまえて欲しい。過去の郷愁は、仲間内で談笑する程度の話で、せいぜい、別学だとこうだったよといわば情報提供する程度にとどめるというのが普通、というものではないでしょうか。
 それが、やれ伝統文化だと真顔で声高に叫んで、それだけを押し通そうとすると、結果的に、現実と未来に関わる本来の議論(冒頭に記したこと)を歪めてしまうのですから、大変重大です。現在と未来を真剣に考えるべき。学校は卒業生のものではないからアレコレと口を挟まなくて結構です、とさえ言いたくなるけど、もちろん本当は卒業生にこそ真剣に母校のことを考えて欲しいのですが、ね。

 ちょっと思うのは、こうした「伝統文化至上主義論」も卒業生個々の真の意思ではないと思う。実は卒業生も大多数はわかっている。ただ団体として意思表明するとどうしてもそうなる、そしてそれを押し通そうとする有力?な人たちが存在する、ということなのだろう。ここは想像です。
 だから、その存在に対しては、教育論とは無縁のまさに政治的配慮の世界で対処すれば良く、またそれ以上の配慮をして教育論を害すべきではない、ということでしょう。そうして欲しいです。

■関連する過去の日記です
 ○ 仙台市梅原市長の「仙台一高・仙台二高別学維持」発言に思う (11月30日)
 ○ 宮城県内の公立高校の男女共学化論議を考える(2)歴史 (11月28日)  
 ○ 宮城県立高校の男女共学化を考える(1)序論 (10月28日)  
 ○ 宮城の進学率と公立高校を考える (9月6日)





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最終更新日  2005.12.07 06:15:30
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