仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2009.02.20
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カテゴリ: 教育
朝日新聞によると、県内の小学生の2割、中学生は4割以上が携帯電話を持っており、学校の9割は持ち込みを禁止している、ということだ。

○仙台市
 携帯の所持 小学生 23.6% 中学生 47.6%
 「学校への持込みが必要」とする保護者 小学校 31.1% 中学校 16.5%
○仙台市を除く県内
 携帯の所持 小学生 14% 中学生 49%

 学校への持ち込みについて、文部科学省は先月、「原則禁止」とする方針を各都道府県教委などに通知している。県教委は各学校に通知を徹底させる方針だが、県教委では、の担当者は「国の趣旨同様、安全などを考えて親が申請すれば認めるなど、柔軟に対応して欲しい」としている、という記事であった。

私はこの件について学校や教育関係者と議論したことはないが、基本的な視点として2つのことを感じている。

第一点。原則禁止とすることの是非である。



そもそも現代社会において携帯電話は書くことのできないツールであろうから、これを教育において無視することはできないのであって、ルールを教えることこそが、むしろ必要な教育なのではないか。

もちろん、このような批判が常に問題も含んでいることは、自覚しているつもりだ。「そんなことやっても効果がない、事態は総合的に解決すべきだ」式の最大限綱領主義であって、批判のための批判に永遠に自己陶酔しているという図式だ。ちょっと誇張すれば。むしろ、現実を直視し、責任ある問題解決を図るならば、できることから進めることは有意義であり、必要である、と見るべきだ、と言われるかも知れない。

■文部科学省サイト  「学校における携帯電話等の取扱い等に関する調査」の結果について (1月30日)
■同  学校における携帯電話の取扱い等について(通知) (1月30日)

上記の通知文には、「携帯電話は、学校における教育活動に直接必要のない物であることから、小・中学校においては、学校への児童生徒の携帯電話の持込みについては、原則禁止とすべき」と記されている。また、学校で禁止してもネットいじめや有害情報から守り切ることはできないから、情報モラル教育の必要性やいじめ対策の取組、また、家庭や地域への働きかけを、各教育委員会に求めている。

その点では、私が上記で批判しかけた点にも、文部科学省はちゃんと配慮していますよ、と言わんばかりに記載されているようにも思う。おそらく、内部でも議論はあったのだろう。

しかし、結局のところ、この通知でも重視している情報モラル教育や家庭・地域ぐるみの取組について、それこそが学校や各教育委員会の悩みではないだろうか。文科省でも、調査研究の成果を公表したり、モデル事例を紹介したりなど、何もしていないわけではないと思うが、それにしても、一律的な持ち込み禁止の方だけを明確に打ち出しているというアンバランスさは、否めない。

一律禁止と書いたが、実際には、緊急の連絡手段などのやむを得ない場合には許可するなど、柔軟な対応も求めている。しかし、そんなことは何も文科省が言わなくても当然のことだろう。各市町村教委や学校でそう対応しているだろう。

たぶん、省としての旗幟を明確にしようという意志、あるいは、拱手することなく通知文を出しているよ、という存在意義の発揮とか、多分に「政策的」な意図的なのではないだろうか。




なにゆえに、国の省庁の局長がこんな通知を各県教委に出せるのか、という点だ。そもそも小中学校なら市町村教委が、県立高校なら県教委が責任を持つべきが基本だ。いったい、この通達の性格は何だろうか。技術的助言(地方自治法)なのか。必要な指導(地方教育行政法)なのか。

法理的問題を離れて、実質的に考えるとしても、実際子ども達に指導したり保護者と話し合ったりするのは、教員であり学校である。社会学的に考えても、このような問題こそ、地域の発意により、団体自治で決めて良いことだろう。何も国が一律に決めつけることはない。

もっとも、そんなきれい事言ったって、日本は同質社会。国が基準を決めないと動かない。地方もそれを望んでいるでしょう、という批判もあるだろう。

一理の半分くらいはあるが、このような問題こそ、本質を見極める目が大事だ。いつまでもそれで良いのか。さほどの意味もない通知文を出して事足れりとする文科省のあり方自体を鋭く問い、仮に地域ごとに対応がまちまちでも良い、と考えていかなければならない。

どこかの新聞に、このような指摘をして欲しいものだ。


国の関与のおかしな事例2題 (2008年09月10日)(学力テスト公表問題と文部科学省の対応)





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最終更新日  2009.02.20 06:53:02
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