仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.06.13
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カテゴリ: 東北
厚生労働省が昨年の人口動態統計を速報したことを受けて、先週の東北各紙やTVでは、自県の合計特殊出生率(TFR)について報じていた。

数値は以下のとおり。
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平成21年(平成20年)
全国 1.37(1.37)
青森 1.26(1.30)
岩手 1.37(1.39)
宮城 1.25(1.29)
秋田 1.29(1.32)

福島 1.49(1.52)
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各県毎の報道ぶりを、ランダムではあるが確認する。

青森:出生率過去最低1.26 2年ぶり減少(毎日)
岩手:出生数が過去最低 1万人割れ(岩手日報)
宮城:出生率1.25 全国5番目の低さ(朝日)
秋田:自殺率3年ぶり増 15年連続日本一(毎日)
山形:出生率が過去最低(朝日)
福島:昨年の出生率 本県は1.49(KFB福島放送)

秋田県は自殺率にハイライトをあてているが、他は出生に着目。岩手日報は1万人割れという出生数を見出しにしたが、記事中では、TFRが過去最低、初めて全国平均レベルに下がった、と解説。

面白いのは福島で、例えば朝日新聞は統計発表の前に(5月27日)記事を掲げ、福島県のTFRは全国8位で東北ではトップ、などとして、多子世帯への保育料軽減策が背景にあると、なかば断定的な解説をしている。



しかし、あまりにこの指標に物を言わせることは、良くない。まず、この指標はあくまでrateである。絶対数ではないのだ。少子化を重視するならば、例えば岩手日報のように出生数こそが問題であるはずで、更に言えば、若年者の絶対数や結婚している人の数を基礎として論じるべきだ。都市部には当然ながら単身女性が相対的に多くなる。結婚して地元に戻る人もいるのだし、とりあえず割ってみたらこうですよ、というだけに過ぎない数値に多くを期待すべきでない。

また、この指標は、現時点での各年齢階層の女性の状況に基づくから、現在生きている女性が、自分の一生を見渡して将来に(或いは過去に)産むであろう(産んだはずの)子供の数、ではない。従って、女性の意識だとか地域の社会構造だとか、あまり「深い」分析を担うには、きわめて荷の重い指標だ。一過性のデータにすぎないのである。

おそらくは、俗に「わかりやすい」この指標が、しかも全国ランキングを伴って報じられるから、少子化社会を一手に引き受けた総合インデックスみたいに扱われてしまいがちなのだろう。福島に関する朝日新聞の事前の記事などは、いただけないと思う。報道関係者には冷静な対応を望みたい。

毎年報じられるTFR自体にはこうした問題はあるが、経年的な経緯をみることで、また各都道府県や市町村のデータをクロスセクショナルに分析することで、一定の有意な傾向は導き出されるだろう。ただし、何度も言うが、TFRが下がった時期は少子化対策が不十分だという単純な相関も因果関係もないし、ましてや、TFRの高い県は子育て充実です、エヘン、と言えるものでもない。転倒した議論はすべきでない。

少子化は極めて大きな問題で、対策はもちろん重要である。家庭や社会のありかたと深く関わり、公共経済的にも、また国家財政的にも地域社会インフラ整備の今後につながる根の深い問題だ。





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最終更新日  2010.06.13 07:51:47
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