仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2016.12.23
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カテゴリ: 宮城
藤原氏が滅びた後に支配者となった鎌倉御家人などの推移をまとめる。
(山本博文監修『あなたの知らない宮城県の歴史』洋泉社、2013年 などから)

1 奥州合戦後(鎌倉前期)の体制

・御家人2氏(奥州惣奉行と呼ばれる)が事実上の現地支配者に
・諸国におかれた守護に近いが、陸奥には守護がおかれず、奥州惣奉行が事実上守護に相当
・鎌倉時代を通して、多賀国府と平泉が奥州統治の拠点になった
(1)葛西氏
・葛西清重。関東八平氏・秩父氏の一族豊島氏の子。下総国葛西御厨を所領として葛西氏を名乗る
・鎌倉をめざす頼朝の陣営に加わり、平氏追討や奥州合戦で軍功。幕府草創期の重臣

・検非違使所(平泉)を指揮。御家人の統制、軍事警察権執行、農村復興など
・伊沢氏(国衙)に対して、清重は奥州藤原氏の行政権を継承した
・鎌倉末期には関東御代官として奥羽両国の年貢を中尊寺に進上(清重以来のもの)
(2)伊沢氏、留守氏
・伊沢左近将監家景。京下りの役人。文才を買われて御家人になった
・幕府の陸奥統治の拠点は多賀国府。現地最高責任者である留守職に
・家景以後も留守職は代々継承
・(事例)淡路国から将軍に献上された九本足の馬を外ヶ浜に放つ(建久4年)
・(同)津軽海辺に人のような大魚の死体が浮かんだことを幕府に報告(宝治2年)
・家名も留守氏を名乗る

2 所領を得た鎌倉御家人たち


・鎌倉御家人(治承・寿永の内乱で武功)が幕府の命で次々と奥州各地の地頭職に就任
・宮城県内では
 葛西清重(牡鹿郡)
 伊沢家景(宮城郡高用名)
 千葉常胤(亘理郡)

 和田義盛(名取郡)
 宇都宮朝綱(遠田郡)
 熊谷直実(本良(もとよし)荘)
 山内首藤経俊(桃生郡)など
・ほとんどの御家人は自ら赴任せず、庶子や一族、家人(けにん)を代官(地頭代)として派遣
・かれらが本家から独立して各地に土着していく
・地頭の権益は大きく、年貢収納をはじめ、警察、裁判、自社造営役の催促など
・(事例)正治2年長岡郡小林新熊社(大崎市)僧侶の境界争いで、地頭畠山重忠は藤原以来の由緒ある祈祷所の争論を専断できないとして幕府に採決を仰いだが、裏を返せば通常の訴訟は地頭の専断であって奥州の地頭の権力の強大さがわかる

3 平安以来の土着の武士の多くは所領を失う
・鎌倉以後も宮城県内に所領を持ったのは、陸奥介氏(八幡荘)、柴田氏(柴田郡)
・柴田氏は鎌倉の召喚に応ぜず、正治2年追討を受け滅びる
・陸奥介氏は鎌倉中期に下野国保田景家を祖とする八幡介(やわたのすけ)氏に代わられる

(続く)





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最終更新日  2016.12.23 14:15:43
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Re:中世宮城の名族たち(その1)(12/23)  
加茂真明 さん

多賀柵、多賀城は賀美郡部内に在ったものです。名取郡近くの国の特別史跡は続日本紀に記された多賀城ではありません。多賀城碑が出土していますが、神亀元年に大野東人は按察使や鎮守将軍に任じられていません。多賀城碑は出土地、碑文の根源的誤りから贋物と断定されます。多賀城跡とされた場所の発掘調査で該当時代以前に廃絶された遺跡と判明しています。多賀国府など存在しません。九世紀半ばに朝廷は刈田郡以北の律令支配を放棄しました。華風の律令支配に馴染めない人々が多かったためです。伊達の大木戸が賊地と陸奥国の境の状態は平安時代末期まで続きました。恩賞の地に困った室町幕府が賊地を割譲したのです。 (2020.07.08 11:21:20)

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