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やたら大量にある、私の白髪。ド金髪しちゃえ!! とは思ったものの、わたし、もう32ちゃい。32歳にもなって、金髪ってどうよ!?もう流行もしてねえっつの。白髪染めのほうがいいんじゃねぇの? とか一瞬思ったけど、シラナーイ (*≧∀≦)いいじゃねえか、金髪。流行なんざくそくらえ。しかし、いい歳ぶっこいて、そんな頭して、保護者会とかにいったらどん引きされるんだろうな~。……まあいいや。わたし黒髪、にあわないし。若いお母さんもいるし。わたしはスッピンで外出できるし。若い若い~ (〃'▽'〃)言っていて、虚しいったらありゃしない。50代の金髪、一時流行っていましたよね……。似合わないのに、金髪。……いいや。わたしは金髪、似合っている。「黒いと怖いから黄色くさしね」 と、周りの叔母様に言われるくらいに。顔がな、濃ゆいんだよ。保護者の集まりには、ウィッグかぶってけばいいんだ。そうだ、そうしよう。ベリーショートでかぶりやすいしな。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.30
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今日はなんだか、近所でイベントがあったので、夫婦と娘の三人で出かけた。ふるまいの (無料) つきたての餅を食う。緑豆と大豆の黄粉の二つセット。つきたては、うまい。お振舞いの樽酒を飲む。私の好きな酒~ (≧▽≦)一杯飲んだのに、なぜだかもう一杯貰う。「さっき、飲みましたけど、いいんですか?」「いいがや、いいがや。好きなら飲んどかし」ありがたくいただきました。すまんな夫のひと。運転手だもんな~。あげ浜塩田村でもイベントやっていたので、そっちもついでに見に行く。お振舞いの味噌汁を飲む。めちゃくちゃうまい。酒かすを練って、すこし入れて、あご (とびうお) で出汁をとって、白味噌でつくって、さいごに、あおさを放つ。……超うめえ。酒かす汁、苦手なはずだったのに。塩おむすびを購入。おっきいのが2個入って、沢庵つきで100円。梅干が入っている……スゲエお買い得じゃん?コンビニこれの半分くらいで120円くらいしてるよ?そして、わたしは髪の毛を切りにいった。ベリーショート。切っている最中、自分の切られた毛に、大量の白髪発見。…………ド金髪にしてやる (*`д´)娘は楽しそうでした。すごくいっぱい食った。豆乳アイスも一人で食った。塩むすびも食った。焼き鳥も食った。わたしが髪の毛を切っている間、夫のひとと2人で、車で寝ていた。シュウ、お疲れ様でした ☆(o・ω・o)ゝありがとうね~。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村そのとは、なぜか
2010.04.29
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ある日、母が言いました。「保育所にいる子、変わった名前の子いるね~」 ……どんな?「なんか~、ムササビ? モモンガ? そんな感じの子」 ………………はい? (相棒の右京さんな感じで)「とにかく変わった名前なのよ~。今度靴箱見ておいで」 見ました。……これか? これのことか? 『ののん』 たしかにかわっとるわ~!! でもムササビはかなり違うやろが!! ……どんな字書くんやろ 『ののん』 きっと、音という字が 『のん』 なのだろう。 勝手に想像するわたし。 しかし、変わった名前の子、多いですね~。 あ、今日もにこやかに保育所へ行きましたよ。娘。 昨日の夕方、また38.8度の熱出して、座薬入れたけどな。 風邪と精神的ショック、ダブルできとるんやろな~。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.28
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火葬場へ行って、最後のお参り。『ちゃんと、自分のすることを、出来ることを、自分たちでしていくよ。なんも心配いらんよ』最後にわたしは、そう、オッサンに語りかけた。焼き場へ入れられていくおっさん。わたしは 「またね」 と声をかけた。そして、控え室で一時間半が経過。酒は飲みません。泣いちゃいそうだから。でも、昨日はわりと、冷静だったな……わたしたち。すっかり骨になったオッサンの、お骨を拾う。娘は呆然とした顔で、棺の中を見ていた。「おっさんはねぇ、お月様になったんだよ」 私の母が、娘に言う。「お昼はね、おひさまになって、みおのこと見てるよ」 私が言う。「だって、オッサンの頭、光ってたでしょう?」 そういって、私は笑いながら、泣いた。娘はぼんやりとした顔をしたまま、ばあばにしがみついていた。そして、いきなり39度の発熱。病院へ連れて行きましたよ。風邪気味だったからな……と思ったけど、さっきネットで検索してみたら、“精神的ショックで発熱する” というようなことが書いてあった。……そうか。あんたもショックだったんだよな。そりゃそうだ。病院で、その場で座薬処方してもらいました。そのあとは、元気でした。元気すぎるくらいだ。きょうも元気です。寝起きにぐずったけど、投げキスまでして、保育所へ。妹も冷静でした。昼間も夜もあんなに食ったくせに。精進料理は、うまかったです。その後なぜか、あたしと妹と母は、あたりめを食いまくっていた。アルコールは、無しで。だって、開封されたあたりめが、あったんだもん。わたしも食いまくった。あたりめ。ストーブであぶると、うまいんだ。……精進……いいのか? とか言いながら。……乾物だからいいんじゃないの?じゃないと精進料理に、かつおだし、使えないじゃん。適当だ。ええ、悲しんでいますよ? 泣いていますよ?そしてあのふたりは、帰宅後の深夜、カップパスタを食っていた……。腹、下るよ? ……太るよ?わたし? 寝てました。娘と一緒に。今日はオッサンを偲びながら、酒でも飲みますか……。控え室から一升瓶、かっぱらって来たしね。だって誰も飲まないんだもん。ビールは減っていくのにさ~。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.27
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……すみませんね。暗い話をおいていっちゃいまして。“ご冥福をお祈りします” とかコメントにつけられたら、いや、つけていただいたりしてしまったら、わたしはもう、立ち直れなかったでしょう。ブチギレて。あの後……ああ、昨日なんですよね。すでに遠い昔に思える。ここに書き殴ったあと、私は娘を連れて私を迎えに来る夫を待つ間、涙だらだら流しながら、怒り狂っていました。ティッシュペーパー大量消費。エコじゃないね。病院に対して怒る。どうして入院させたんだよ!!今日、帰って来て、そんで、俺らみんなで診て行くって話じゃなかったのかよ!!オッサンに怒る。……おかんを幸せにするって言うたやんか!!娘の子供も見るって言うたやんか!!私たちと一緒に、いつかもう一度、店をはじめるって言うたやんか!!うそつき!!親父の遺影に向かって怒る。おっさんが来たら、まだ来んなっつって、けっ転がしてでもぶん殴ってでも、こっちにつっ返してくれって。どいういうことなん!?まわり近所のことなんか考えていません。泣きながら怒鳴ってました。どうせ、周りにひとはいない。昨日、そうやって怒りくるった後、顔を洗って、帰ってきた夫と娘と、三人で一緒に、オッサンのこと、見にいった。そっと布をまくって、顔を見た。……顔、黄色いね。真っ黒だったのに。モアイみたいだったのにさ。……ああ、死化粧か……。なに寝てんだよ……なんでだよ……。起きろよ……。起きるわけないか。そんなこと、思っても言えるわけがない。おっさんの親族たちがいる前で、泣きながら笑いころげる私。私は泣きながら笑っていましたよ。不謹慎な。あんまり悲しいと、神経おかしくなるんですね。明日はお通夜、明後日お葬式。意外と大丈夫な自分に、驚いています。私たちは、オッサンの家族じゃない。私たちはオッサンの寝ている、家のほうには、あまり入らず、店だったところに、ほとんどいた。わたしたちとオッサンは、いつだって、そこにいたから。還暦祝いをしたときのまま、飾り付けた折り紙の鎖とパチンコ好きな オッサンのために “777” と切り抜いて、壁に貼った紙と、その直後にやった、オッサンからの母への誕生日メッセージが飾られた、うかれとんちきな部屋に、わたしたちは、いた。オッサン……潔すぎじゃねえか?俺らに迷惑かけたくなかったの? あんたがいないほうが、迷惑なんだよ!!病院で着替えや退院の準備が終わったところで、いきなりの血圧低下って。俺らはみんなでみていくって、決めてたんだよ?……カッコつけてんじゃねえよ……。俺の葬式には、祭りの山車を出せというておったな。すまんが無理だ。だから息子さん、太鼓と笛持ってきたよ。私たちは、家族じゃない。でもそんなのは関係ない。おっさんがいて、うちらは楽しかったよ。オッサンも、そうだよな……?うちの男手、夫しかいなくなるから、あいつにはもっと、しっかりしてもらうよ。私ももっと、強くなるよ。安心して、眠っててな。お父さんを失ったときと、私は違う。もう10年経ってんだよ。だけどよ……早すぎだろうがよ……。おもしろいやつだったな。オッサン。私のドカタ弁が、いちばんわかりやすいって言ってたな。わたしにハゲ頭をぺちこんと叩かれるのが好きで、自分から頭出してきたな。シモネタだいすきで、自分からふって来たくせに、私たちがそれを、どんどんきわどくしていくのを、ひいひい言いながら、ころげまわって笑っとったな。全部が、思い出だよ。もっと、つくられていくはずだったじゃねえか……。ちくしょう……。ああ、またちくしょうで〆。妹も、10年前とは違いました。すごく冷静だった。反動が、怖い気がする……。2010-04-24 20:48:52 ◆通夜オッサンを、棺に入れました。眠っているみたいな、おっさんの顔。遺影が飾られていました。祭りがだいすきだったオッサン。手ぬぐいのはちまきをハゲ頭にしめて、笑っているおっさん。いまどきは、こういうのもありなんだ、と思いました。経帷子なんか、乗せません。祭り装束を上から、着ているようにのせ、はちまきを締めて、ハッピを乗せて……。開封し、一本とび出させたタバコ (ケント1) と、紙パックの芋焼酎と、日本酒を、棺に入れた。すきやったもんな、酒。きらびやかな死装束を乗せるよりも、よっぽどオッサンらしいと思った。やっぱり私は泣いてしまった。笑いながら。納棺が終わって、斎場へ向かう。セレモニー会館とか言うんですか? 私は行ったの初めてだった。祭壇が、スゲエ豪華。びっくりした。そして、参列者の多さ……。みんなに愛されていたんだな、と思ったよ。席が無くて、入り口付近に立っていた私たちを、町内のおじさんが、親族席に行ったらどうだ? という。「あいていませんし……私たち、親族じゃありませんから」私が笑いながら言うと、親族席に空きが出来ました。「あんたたちは家族やろ」 と。町内の人は、よくわかっておられる。ありがたく、すわらせていただきました。浄土真宗のお経、経本が無くても、そらで言えるよ、わたし……。お経が済んで、住職さんがお話をしてくださって、わたしはまた泣いた。人間、いつどうなるのかわからないのだから、ありがとう、ごめんなさい、愛しているという言葉を、惜しみなく伝えなさい、と。そのあとですか?控え室で、日本酒を二杯ほど飲んで、帰った人の食べたり飲んだりしたものを片付けて、わたしも帰ったよ。精進料理は、好きなので、いっぱい食べたよ。食べなきゃダメだ、わたし……と思った。帰りぎわ、もう一度おっさんの顔を見て、「ありがとう。俺らすごく楽しかったよ」 と伝えた。明日は燃やされちゃうんだな……。俺が死んだときは、庭にでも埋めて欲しい。ああ、それは法律違反か。明日で、最後。オッサン、私たちはあんたのこと忘れないよ。 オッサンは、私たちの中で生きていく。お父さんも、私の友達も。ずっと、ずっと……。2010-04-26 02:17:08 ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.27
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なぐさめないでください。励まさないでください。わたしたちは、あのひとを、とても大切に思っていた。愛していた。みんな。だから、わたしたちは、これからも必死で生きていく。いま……母からメールが来ました。『いま家に向かってるけど、もう、目をあけることは無いの』……おうちまで、目を開けたまま、帰ってこられればよかったのにな……。母に電話して、話を聞いた。夫に電話して、伝えた。妹には、言えない。だって、わたしが涙ばっかり流しているのに、仕事中の、あのこには言えない。お父さんのときもそうだったね。妹が知ったのは、なにもかもが、終わったあとだ。いっこしか、違わないのにね。いまは泣くけど、娘が帰ってきたら、泣かない。わたしは立てる。生きている。もうなくもんか。だからいまは、泣いても、いいよな……。ちくしょう……。 2010-04-23 16:43:12 ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.25
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あとがき 2010.4.24.中学生の頃に書いていたお話です。ほんとうに辛いこと、くるしいこと、悲しいことを知らなかった、幼い自分の書いた物語です。だから、そのまま打ち込んでUPしました。忘れたかった。本当にかなしくて辛くて、くるしいこと。起こってしまいました。わたしは歩いていけるのでしょうか……。4月23日、おっさんは逝ってしまいました。……いままで、ありがとう。今日、納棺と通夜です。ええと、悲しい話はやめて、おはなしのこと。『はじまりの春』 のあとにぶっこんだ対談でケリこます宣言をしたのは、こいつです。タキです。続きもあったりします。次のものまでが、中学生時代。その後は、高校に入ってからですね。『風月』 ……もはや、お好み焼きしか思い浮かびません。 コピー本でこれ出したときの、参加メンバーの対談で、『風月』 ってのナンなのかよくわかんない (いいけど書きながら考えるしイ)とかうちんとこの主人公、好きくねえよ。とかタキちゃん今、ナヨナヨっちいけど、こどもなので、たぶん成長すると思うし、嫌わないでね~とか、わたしから散々な扱いを受けています。この話の主人公。しかも、書かれているこの話の、のこり4~5話分、このひと、たいてい気を失っている。嫌いだったんです。ええ。じゃまくさいから、気イ失っててね~。みたいな。だけど、GOLD (1996年・発行) で成長したこのひと (ティークね) を書いたとき、私の中で、何かが (つか、タキがだ) 暴走しました。収拾がつかなくなりました。そして長い年月、この話は放置されることになるのです……。そして今後もね。通常日記に戻ります。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.25
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別離の向こうから 灰谷健次郎 『兎は運河を渡っていた』もの思いに沈んだ顔つきで兎は死んでいった口から血のあぶくをふいていたが決して悲惨な形相などしていなかった柔らかかった白い毛は泥と油でこちこちにかたまっていたが決して寒ざむとはしていなかったそのときあにはいったものだいまは凪だけどないつシケてくるかしれやしないけれど騙されてみるのもいいもんだ兎は運河を渡っていた誠実に渡っていたおよばないとしりながら渡っていた渡らなくてはならない宿命を感じて兎は運河を渡っていた坂道を登りきったところであにはいったものだ登りきれない坂もあるというのになんとか登れたなあ兎は孤独をかみしめていたくらすぎる水だと思っていた手がかされるべきだとちらっと思ったが逃げている己れの後ろめたさに兎は沈黙を守った客の帰ったあとあにはいったものだつかれた顔は決してするな以心伝心ということもある兎はまっすぐ運河を渡っていた悲しい話に身が軽くなっていたが泳ぎ渡るには都合がいいと兎はみずから思いこんでいた淋しい話を一手にひきうけそれは決して美しい話ではないとひそかに考えているふうだった喧噪な鉄の音が聞こえてくるとあにはいったものだおれのためにいちどだけ旅をしてみたいもんだなおれのためにと兎のむくろに風がふいた兎は昂然と死んでいた。****当時のコピー本で、あとがき変わりに引用していました。灰谷健次郎を、読んで欲しいから。****ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.24
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男は泣いている少年を見つめた。その瞳からは先ほどまでの冷たさが消え、やさしさとあたたかさに満ちていた。男は少年を抱き寄せ、頭をかきなでる。少年が驚いて顔を上げると、男は優しくほほえんだ。「……すまない」 男は静かに詫びた。少年は呆然として、男のことを見ていた。「すこし、意地の悪いことをしてしまったな」 男はそういって、少年に竪琴を渡そうとした。けれど、少年はそれを受け取ろうとしない。「……どうした」 男が問いかけると、少年はうつむいて、考え込むようにして、答えた。「……これは……違うのかも……」 その言葉に、今度は男が言葉を失う。少年は言い募った。「あなたが言うように、証拠なんて、なにもないんだ。確かなものは、何ひとつ……」「…………」「……ぼくが、思い込んでいるだけで、ほんとうは……」「これは、きみのものなのだろう……?」「わからないっ!!」 少年は叫んだ。わからないことの不安と絶望に、再び涙がこぼれる。「……わからない……なにも。自分がなんなのかさえ……」 男はそんな少年の肩をそっと包んで、つぶやいた。「……自分が何者か、などと、誰ひとりとして知りはしない……」 少年は黙って、男の言うことを聞いた。「自分がどこから来て、どこに行くのかなどと、誰にもわかりはしないんだ……」「だけど……」 少年は瞳を開けて、奥歯を噛み締めて、男を見上げた。諭すような口調で、男は続ける。「きみは先刻、守らなければと、言った……」 少年は男のことを見つめた。「その思いには、過去も何もなく、真実のみがある……」 その言葉を、少年は心に刻む。「きみが大切だと思うのなら、守りたいものがあるのなら、守れば……それでいい」 少年の不安が少しずつ、解けていく。あたたかく、やさしく、力強い……自分を包んでくれる誰かの言葉。そんな誰かを、少年は知っているような気がした。 男は少年の涙を、親指でぬぐった。少年は口を開く。「ぼくは……ここにいられるんですか……?」「──────」 どこかよそを見つめて考え込む男を見て、少年に不安がつのる。「それとも、また……闇の中で……」「そのはず……だったのだが……な。わたしに会わなければ、そのまま……」 少年には、男が何を思っているのか、わからなかった。「もう、きみが闇に生きることは。許されないだろう……」 闇に生きることを許されない。どういうことなのだろうかと、少年は思った。「この竪琴を手にし、守ろうとするならば、きみはもとの世界で。大きく重い宿命を背負うことになる」「……外に、出られるんですか? 陽のもとに……!」「つらい思いをするぞ……」「構わない!」 少年の瞳に、光が宿っていた。輝きがあった。それは強くて、大きくて……。 男は黙って少年を見つめた。「ここに居ろと言っても、ききはしないのだろうな、きみは」 ため息と共に、男はそう言った。「きみはいずれ、たくさんの仲間に出会うだろう」「なかま……」「もう……ひとりでは、いられない。そうすることで……きみは、人のあたたかさと、それを失うつらさとを、同時にその腕に抱えることになる」 つぶやくように告げられる男の言葉を、少年は真剣に聴いていた。「それはきみにとって、どういうことなのか、しっかり考えて……生きていかなければいけない」「はい……」 失うつらさ……少年は心で繰り返した。男は言う。「いつか……記憶はよみがえる」 だから……ほんとうは…… ────ゆかせたくは、ないのだ……という言葉を、男は胸の内に留めた。「……天空の記憶を受け継ぐ、きみに……」 男は再び竪琴を差し出す。少年も今度はそれをしっかりと受け取った。「あなたは……いったい……」「それはきみの記憶が戻ってから、お互いに話すことにしよう」「……はい」 少年はほほえんだ。男はそんな少年を見つめて、つぶやいた。「……タキ」「たき?」「……きみの、名だ」「ぼくの……なまえ」「信じている……きみを……」 男は少年の頭上にてのひらをかざす。「では……さらばだ」「あの! あなたのなまえは」「……奨月」「ありがとう……ソウゲツ」 少年の周りを、風が駆け巡った。少年の姿はかき消えて、もうそこにはいなかった。 ────すべては、彼が生を受けたときから、始まったのだろう。あの髪を持って生まれた以上、我々がどうあがいても、たぶん……彼の宿命を変えることはできなかったのかも知れないな……風月の皇子よ……。 奨月の銀色の髪が、風になびいた。 ────これで……よかったのかもしれない……あれは闇にあるべきものではない……あの輝きは……。 奨月は思い描いていた。自分にタキのことを託した、風月の皇子、ハルを……。 ~『滝が逆流した頃・旅立ちの春 滝が流れ出した頃』 序章 了 ~ ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.24
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***** ――――ポロン……ポロ……ン―――― 竪琴の音が響いている。弾いているのは少年ではなく、細身で長身の男だ。顔立ちは美しく整っていて、長い銀色の髪が、それをいっそう際立たせている。 すこしもの悲しい曲調があたりにひびく。 男からすこし離れたところに、あの少年が倒れていた。「う……ん……」 少年に意識が戻る。(明るい……?) そう思って身を起こす。そのひょうしに少年の瞳から涙がこぼれた。 しかし、涙の理由を少年は知らない。少年は不思議に思いながら、あたりを見回した。(ここはいったい……ぼくがいたのは、たしか……まっくらなところで……) ひとつひとつ、思い返してみる。そして気づいた。少年の腕に竪琴はなかった。(探さなきゃ……) 少年は立ち上がる。頭の芯に痛みを感じた。少年の耳に、だれかの歌声が聞こえた。そして、自分がよく聞きなれた音も。 ポロ……ン(誰……?) 月を夢見るしろうさぎ 届かぬ思いをだいたまま いつまで月を見上げるのか…… 自分の記憶を信じて ただ遠い月を……みつめて……(あの……ひと) 少年は男のことを見つめた。音も、声も、間違いなくその男から発せられていた。少年は男に駆け寄り、後ろからその腕をつかむ。 次の節を奏でようとしていた男は、ゆっくりと振り返った。長い銀髪がゆれた。 男の腕にあったものは……。「ぼくの……竪琴」 まだ余韻を残しているその竪琴は、確かに少年がもっていたものと同じだった。男は少年を見つめた。「……これは、きみのものか?」 少年はうなずいた。男はふっとわらって、少年に問いかけた。「証拠……は?」「え……」「これがきみのものだと証明でき……」「その音が、証拠です! ぼくはその竪琴の音をききちがえたりしない。その音は確かに!」 少年は男が言い終わらないうちに、一気にまくしたてた。しかし、男には少しの動揺も見られない。 薄く笑って、男は言った。「……まるで、以前からずっと、自分が持っていたかのような言い方だな……」(冷たい、目……) 少年は拳をぎゅっと握る。「……そうです。ぼくはいつだって、その竪琴と共にあった」 男は少年を見下すように、嘲笑した。「……過去もないのに、よくも言えたものだな」「……なんの、ことですか……」「きみは、自分の名前すら、名乗れないということだ」「なんのことですかっ!」 少年はすこし腹をたてて、怒鳴った。けれど男は涼しい顔のままで、言う。「名乗れるとでもいうのか……?」「……名前ぐらいっ……ぼくは」 そこまで言って、少年は言葉を失った。深い沈黙が降りた。「ぼくの……名前……ぼくは……」 呆然とする少年をよそに、男は竪琴をかき鳴らす。その音を聞いた少年は、いてもたってもいられなくなった。 少年のなかで、何かがはじけた。「それでも、それはぼくのものだ! 返して!!」 少年は男の目をまっすぐに見て、強く言い放った。男はその様子を、言葉もなく見つめていた。「お願いです、お願いします! ぼくは……それだけでも守らなきゃ!」 少年は男の服をつかんで言った。それは叫びに近かった。涙で声がかすれる。「おねがい……」 少年の瞳から涙がこぼれた。止めようとしても止まらない涙。 何が悲しいのか、わけもわからずに、少年は男を見つめながら泣いた。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.23
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***** ハルの家は、森のなかの、けっこう奥にある。ぼくたちは、ハルの家に続く道を、いそぎ足で歩いていった。道は川沿いにつくられていて、人や動物たちは、水辺で魚を獲ったりして生活している。 森は生命であふれてはいたけれど、なんだか少しずつ、病んできているように思う。いや……確かに、一日いちにち、蝕まれていっている。「なあ……あれ……」 ハルが急に足を止め、川面を見ながら言った。岩で流れが途切れ、よどんだそこには、数匹の魚が白い腹を見せて浮いていた。「酷い……」 この川が濁りきって、底がぜんぜん見えなくなるのも、ここの生命がなくなってしまうのも、時間の問題なのかもしれない。「やっぱ……うちらと奴らは、渡り合えねえや」 ぼくは川の中をじっと眺めていた。いつかきっと、なにもかもが失われていく……。「なあ……」 ハルは、黙って川を眺めたままのぼくに話しかけてきた。ぼくはハルのほうを見た。「奴らがなに言おうと、気になんかするなよ」「うん」「……俺は、おまえの髪、すきだぞ。なんか、空をそのまま持ってきたみたいで」 空を見上げて、ハルはそう言った。「ありがとう……」 ぼくが言うと、ハルは照れたように笑って、ぼくの肩に腕をまわして来た。 急に体重がかけられて、足元をふらつかせてしまう。「わわっ」 そんなぼくを笑って見ながら、ハルは言った。「はやく行こうぜ。ジィさんが待ってる」 ───タキ……ぞ……長─── 誰……? 何を言っているの? ───ねら……じゃ―― 誰……何がいいたいの……? 「───キ……おいっ、タキッ」「え……?」 ハルはぼくの両肩をつかんでいた。「どうしたんだよ、ぼーっとしちまって……」「ん……」 おかしいな……ぼく、なにしてたんだっけ……。「何が書いてあったんだ、それ」 ここは……ぼくの、家? ……へんだ。やっぱりおかしい。だって、さっきまでぼくたちは……。「ハル…… 『それ』 って……なに?」「はァ? 何言ってんだよ。おまえが言ったんじゃないか。何かが刻んであるって」 ハルは呆れたような顔をして、ぼくのことを見ている。 なんのことなのか、ぼくにはわけがわからなかった。「……なに?」「おい、何ボケてんだよ。竪琴に───」 竪琴に……? 刻んで……? わかん……な……。「──────逃げろ!!」「だれっ!!」 誰かの声が聞こえる。かんちがいなんかじゃない。「タキ───逃げろっ!!」 ハル? え……じゃあ……さっきの……。「タキッッ!!」 ……ちょっと……ハル? なに言って……。「ハル? なんなの、どうしたの!? ぼく……なにがなんだか……」「……説明してるような余裕はねぇんだ……ッ痛ぅ……」 わけがわからない。いったいどうしたっていうんだ!? だって、さっきまでハルはここにいて、普通に話ししてて……。 それにハル……ケガ、して……?「は……やく」「ハル、どうしたの、その傷……!! 大丈夫なの!?」 ケガをしているのに、ハルは笑ってぼくに言った。「死にゃあしねえよ……んなことより……ほらっ」「ハル……」「竪琴。もって来てやったぜ。それ持って、はやく……」 渡された竪琴を受け取って、ぼくは言葉を失った。だって……村が、村が───。「……火を放ちやがったか……くそっ!!」 空が真っ赤だ。こんなことって……。「タキ、よく聞け……」 ぼくはハルの様子が気になって仕方がなかった。おろおろしながら、ハルの話を聞こうとした。「……は……じゃ、ない」「……え?」「…………は、違うんだ」 何を言っているのかよく聞き取れない。ハルは何かを告げると、にっこりと笑った。 そして空に向かって、両手をさしのべる。雨が降ってきた。 ぼくはもう、なにがなんだかわからない。 ハルはぼくのことを置いて、村のほうへ駆け出そうとした。「ハル!! どこいくの? そんな傷でっ!」「……村の火を消しに行く……おまえは早く逃げろ! いいなっ!!」 どうしよう、ハルがいってしまう……ケガ、してるのに……。 村が……燃えてる……火を消さなきゃ……!! 戻らなくちゃ……戻りたいのに……ぜんぜん動けない……。 体が……いうこと……きかない!!+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.22
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ハルはひとことひとことを、噛み締めるように言う。そして、もうあんなことすんなよと、念を押した。ぼくはハルの顔を見て笑った。ハルの口元がきゅっとひきしまる。そして、ぼくのことを見つめて、真剣に言った。「違ってたって、かまわないんだよ。同じじゃなきゃいけない、なんてこと、ないんだ」「……ハル?」 ぼくは、ハルに伏し目がちに見つめられ、抱きしめられた。「ゆるせねぇ……」 ハルの声は冷たかった。「許せねえっ!!」 ハルはもう一度、強くそう言った。「奴らは俺の大事なものを、何もかも傷つけやがる」 震える声で、だけど強く、強くつぶやくハル。「おまえ、辛いだろうがっ。さみしいだろうがっ!」 ハルの胸はあたたかかった。太陽と大地の、いい匂いがした。「もう、半年、たったよ……平気。慣れたから、大丈夫……」「馬鹿野郎っ、そんなのに慣れがあるかよっ」 ハルはそういって、ぼくを抱きしめる腕に力を込めた。「泣きたかったら、泣けよ……。悔しかったら、怒れよ……なんでも一人で背負い込むんじゃねぇよ」「……ハル」「仕方ない……なんて、言うなよ……」 ぼくはハルを見上げた。ハルの瞳から涙がこぼれた。「おまえが、そんなふうに言うたび、消えちまうんじゃないかって……思って」 風がぼくたちの髪をすくう。ハルはぼくから腕を解き、自分の服の袖で涙をぬぐった。「わるい……」 ハルが謝ることなんてないのに。ぼくはそう思いながら、ハルのことを見つめた。「何だかんだ言っても、つらいのはおまえなんだよな……ごめん」 ぼくは首を横に振って、笑った。「ぼくは、ハルのことがすきだよ……だいすき」 そう言ったぼくのことを、ハルは一瞬あっけにとられたような顔をして見た。そのあとにっこり笑って、言う。「そうだな。俺も……おまえがすきだよ」「両想いだね」「ばーか、なに言ってんだよ」 ぼくたちは顔を見合わせて笑った。「ハル……」「ん?」「ありがと」 ぼくがそう言うと、ハルは言葉のかわりに、ぼくの肩をぽんぽんと叩いて笑った。それから急に目を丸くして、すっとんきょうな声を上げた。「……やっべぇぇぇっ」 自分の髪の毛をつかんで上を向く。ハルのクセだ。「どうしたの?」「ジィさんの使いだったんだよ、今日は。おまえの歌、聴きたがっててさ……今から、いいか?」「うん」「じゃ……早速で悪いけど、いくか。あ~あ、ジィさんしびれ切らしちまってる……」+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.21
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***** 日差しがやわらかくて、あたたかい。風は心地よくて、森の緑の匂いがする。こうして草の上に転がっていると、眠たくなってしまいそう。いい日、というのは、こんな日のことをいうんだろうな。「おーいっ、タキー!」 遠くからぼくを呼ぶ声がする。ぼくは立ち上がって、そちらを向いた。誰なのかはもう、はっきりわかってる。 ぼくが今いるこの場所は、いろんな草花が足首の辺りまで生えていて、ちいさな生き物たちであふれている。ぼくはそんなここがすきで、よくここに来ている。ハルもやっぱり同じみたいで、ここではしょっちゅう、ハルに出会う。 ハルっていうのは、今ぼくの名前を呼んでいるひと。ぼくの友達。「ようっ」 手を振りながら、すこし息をはずませ、ハルはぼくのところへ駆け寄ってきた。「……ん」 ぼくが返事をすると、ハルはぼくの目をまっすぐに見ながら、言った。「どうした? ……元気ねぇな。また奴らになんか言われたのか?」 ぼくは首を横に振る。ハルは、そっか、と言って、ぼくに座るように促した。草がちょうど、クッションがわりになってくれていて、いい気持ちだった。 ハルのそばにいるのは楽しいし、嫌いじゃない。だけど、ハルのとなりは、なんとなく自分をみじめにさせられる。 すこし日にやけていて、背が高くて、男らしいハル。まっすぐで、堂々としていて、自分に自信があって……。 ぼくは、肌なんかまっしろで……貧弱で。女々しくて、自分ひとりじゃ何も出来ない……。そして、ハルの明るい黄金色の髪。けっして高貴な感じというわけではないのだけれど、人目をひく自然な美しさ。タンポポみたいな……。 春に咲くたんぽぽ。ハルの名前の由来だ。 人目をひくのは、ぼくの髪も同じ。ハル以上に。ふたりでいても、ハルの髪の明るささえ、かすんでしまうくらい、ぼくの髪は人目につく。 それが嫌だった。ハルのようなきれいな髪ならいい。ぼくの髪は……。 ───ぼくの、髪は、普通じゃ……ない───。「……ホントいけすかねぇや。開拓だかなんだかしらねぇけど、奴らのせいで、森はどんどん狭まってくし、川だって……」 ハルがあたりを見回して、そう言った。ハルの言う 『奴ら』 っていうのは、ぼくたちの住んでいる小さな村の、大きな森を開拓しに来ている人達のこと。彼らと、もともとこの村に住んでいたひとたちは、あまりいい関係とは言えない。 それどころか、村のひとたちは、ほとんどのひとが、彼らに敵意をもっている。原因はいろいろあるけれど、その中のひとつに、ぼくの父さんのことがある。 ぼくの父さんは、賊に狙われた、村の若長を守って、死んだ。賊は若長の財産を狙った、開拓者だったらしい。 母さんは、ぼくが赤ん坊の頃に、他界してしまっていたから、ぼくはそのときから、独りきりになるはずだった。そんなぼくを、若長はその場で引き取ってくれた。長には跡継ぎがいなかった。奥さんを早くになくしてしまったせいらしい。ぼくが4つ、長が25歳のときだった。やさしかった若長。ぼくをだいじにしてくれた。 そんな長も、病のために、もう半年も前に、逝ってしまった……。 ハルはひととおりのことを知っている。だから、開拓者のことになると、顔色を変えてしまうんだ。 彼らの多くは、ぼくのことを見て、黙っていることはない。ハルはそんな時には、きまって、自分のことのように怒ってくれる。 ふいにハルは立ち上がった。ぼくも立ち上がる。ハルは空を見上げていた。ぼくも同じように見上げる。みんな……空の上に、いるんだろうか。 ぼくとハルは、年は同じなのに、身長はまるで違う。こうして立って、ハルと顔をあわせるときには、見上げなくてはならない。 空を見上げたまま、ハルがつぶやく。「なんで奴らはいちいち……おまえに絡んでくるんだろうな」「仕方ないよ……こんな髪の色、してたら」 ぼくはすこしわらいながら、ハルの言葉に答えた。けれどハルの表情は、ぼくとは逆に、険しかった。「……なに、笑ってんだよ」 ハルはぼくの目をまっすぐに見て、言った。なんだかものすごく怒っている気がする。ぼくにはどうしてハルが怒っているのかわからなかった。ハルの目を見ながら、黙ってしまったぼくに、ハルは言う。「……っおまえ、平気なのか? 毎回毎回ワケのわかんねぇインネンつけられてっ!! あいつらサイテェだよ。おまえも少しは、悔しいとか、頭にきたとか、打っ飛ばしてやるとかっ、そういうきもちになんないのかよっ」 ハルは一気にまくしたてて、息をついた。だけど……。「でも、やっぱりぼくの髪、きもちのいいものじゃないよ……」「なんでっ」 なんでと言われても、困ってしまう。何も言えるわけがない。ぼくの髪は普通じゃないんだから。「金色じゃないから、黒じゃないから、白じゃないから……みんなと違うからかっ!? 『きもちのいいものじゃない』 って、なんだよ。みんなと違うから、気持ち悪いっていうのかよ」「――――ハルにはわかんないっ!!」 こんなにきれいな色の髪をしてるハルには……ぼくは叫んでしまっていた。ハルが怒ったような、悲しいような、なんとも言えない顔で、ぼくを見ていた。 ごめん……謝ろうとおもってくちを開きかけたとき、ハルの髪が、風に揺れた。風に流され、大きく広がる。ぼくは胸の奥に、さされるような痛みを感じた。「……こんな髪っ」 ほとんど衝動的に、ぼくは自分の長い髪を握って、身に着けていた護身用のナイフを握り、近づけた。瞬間、ハルが手をあげる。殴られる……そう思ってぎゅっと目を閉じたとき、ハルの大きな手が、ナイフを握ったぼくの手首をつかんだ。その手に力が込められる。「……痛ぅ」 反射的に開かれたぼくの手。指先が痺れて、感覚がなくなった。ナイフは草の上に落ちた。「……細……っせえ腕」 ぼくはおどろいてハルを見上げ、すぐにうつむいた。「ちゃんと、食ってんのかよ……」 ハルはそう言って、ぼくから手を離した。「おまえ……やっぱ、ダメか? あの話……」 ぼくは間髪いれずに、うなずく。考えてしまえば、自分の決意が崩れる……そんな気がして。ぼくは長を亡くしたときに、決めた。長の家を守ると……。「そっか……」 ハルとハルのおじいさんが、ぼくを家族として、迎えてくれると言ってくれたときは、すごく嬉しかった。でも、それは出来ない。至らないことばかりだけど、ぼくは長の後を継ぐ。そう決めたから。 ぼくがうつむいたまま黙っていると、ハルはぼくの髪に触れて、指でかるく梳いた後、そっと握った。「おまえ、この髪、恥ずかしいと思うか?」 ぼくはうつむいたまま首を振った。恥ずかしいなんて、思ってない。「……自分のもってるものにはさ、必ず意味があると思う」 ハルはそういって、ぼくの頭をくしゃっとかきなでた。そして続ける。「おまえの髪は、たしかにみんなとは違う。でもそれは、恥ずかしいことか? ……違うだろう」+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.20
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滝が逆流した頃 旅立ちの春 ~滝が流れ出した頃~ 愛する風に吹かれたい 愛する夢に抱かれたい 永遠の光が この心 輝(て)らすかぎり 今日よりもっと素敵だろう 明日はもっと素敵だろう だから 心のままに 今を生きぬくだけ 帰らざる時代(かわ)の流れに ちっぽけなこの身を写し 大きな夢をこのまま見ていたい 失うことを恐れずに 優しさの意味を覚えたい たとえゆるされはしなくても…… まわり道でいいから 今を確かめていたい 愛されなくていいから いつも愛していたい 答えはいつも風の中 それを信じて生きてきたけど 今の僕には まだ見つけられずにいる 約束のために傷ついて 約束のために唄ってる でも君が笑うなら約束をくり返す 傷つけなくていいなら だれも傷つけたくはない 人を愛してしまうことはいけない事じゃない 愛する風に吹かれたい 愛する夢に抱かれたい 永遠の光が この心 輝らすかぎり 今日よりもっと素敵だろう 明日はもっと素敵だろう だから 心のままに 今を生きぬくだけ 愛する友よありがとう 愛する君よありがとう また、もう一度 僕が僕になれる気がする…… Again……いつだって Again……こうさけぶ Again Again Again…… 【AGAIN】KATZE ……より (アルバム『KATZE』)+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.19
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**** ───静かだなあ。 本当に、何の音もしない。ものすごく静かだ。おまけにあたりはまっくらで、何も見えない。ただただ深く、暗い闇。「ふう……」 その闇と静けさを打ち消すように、声を出してみる。しかしそれは、すぐに闇へと消えてしまった。 ───どうしてこんなところにいるんだろう───。 ため息をついてみる。けれどそれも虚しく散っただけ……。 ポロン…… 美しく澄んだ音が、あたりに響き渡った。音のする場所を中心に、ほんのすこし、闇が白んだ。音は銀色の竪琴から発せられている。奏でているのは一人の少年。地面に腰をおろした少年の長い髪が、竪琴に照らされて、青白く輝く。白く細い指先が、次々と弦を爪弾き、やがて音は、曲になる。曲とともに、少年の唇から歌が流れた。少年の声と旋律が、美しく絡み合う。 とおい とおい むかし しろうさぎ 月を見上げて想いを馳せる。 月までは遠すぎて…… じゃら……ん。 竪琴の音が乱れる。途切れた歌のかわりに、少年は深いため息をついた。 やがて竪琴の余韻はすっかり消え、あたりは再び、闇に閉ざされる。「………………」 考えてしまう。ここが、どこなのか。これからどうすればいいのか……。けれど、考えても、何もわからない。心当たりなんて、ひとつもない。 少年はたった一人だった。暗闇の中で、独りきりだった。 けれど、寂しさを感じているようには見えない。疑問や不審を抱いてはいても、自分がここにいることが自然にさえ、少年には感じられた。もしも誰かに、ここですべてを受け入れ、運命の導くままに生きろと言われたならば、なんの疑いもなく、そうするだろうというくらいに。 何よりも少年は、普通、真っ先に考えそうなことを、考えていない。ここが自分のいた場所でないのならば、自分が今までいた場所はどこなのか。自分の周りにいた人は、今どうしているのか。そんなことを、いっさい気に留めていないように見える。 そして、これからのことを考えている。まるで 『今まで』 を、捨ててしまったかのように……。自分の過去などには、何の疑問も持たずに。 うつむいて考えていた少年が、ふと、顔を上げる。少年の目が見開かれ、表情が変わっていく。 少年の瞳にうつったものは、今までのような闇ではなかった。少年の顔が、赤く照らされる。 少年は炎に囲まれていた。赤い、赤い……すべてを焼き尽くすような紅蓮の炎に。 少年は立ち上がり、あとずさる。 ひどい耳鳴りのあと、激しい頭痛が少年を襲った。「く……う……っ」 割れそうな頭を、両手で押さえる。足元がふらつく。「あ……あぁ……」 声が震え、かすれていく。少年の顔は蒼白で、瞳には光がなかった。 ───ガタン 竪琴が腕からすべり落ち、地面に弾かれ、鳴り響いた。 そして───。 竪琴はひとりでに曲を奏ではじめる。少年は体中の力が、抜けていくのを感じた。そこに立っていることは、ささやかな抵抗。しかし、それも長くは続かない。 少年は力なく、その場に崩れ落ちた。 風が、吹き抜ける。空色の長い髪が揺れる。先ほどまでの炎は、何事もなかったかのように消えていた。 ───月までは遠すぎて ただの一歩も近づけない─── 薄れていく意識の中で、風が歌ったように感じた。 +++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.18
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注 このおはなしは、わたしが中学生の頃に書いていたものです。 どこかで見たような名前が出てきても、それは、他人です。 ……他人、です。たぶん (;^ω^) 不定期です。そして未完です。間に日記も挟むでしょう。 フォルダ 『【滝が~】 関連』に入れて置きます。 書きなおしは、しません。 ああ 『はじまりの春』 の本編になります。 いつもどおり、コメントでなんか、つぶやくと思います。***** あたりは、真っ赤だった。 空も、大地も……。 燃え盛る炎と、流れ落ちる、血で……。 血の海の中に横たわる、たくさんの優しかったひとたち。 もう、そのあたたかさに包まれることは、決してないのだと……。 そして、血の海の中にある二つの影。 太陽のような黄金の髪をもつ者と、 闇のような黒髪を持つ者……。「馬鹿野郎!! なんで……戻ってきやがったあっ!!」 黄金色の髪が、揺れた。「自ら姿を現すとは……愚かな奴だ」 黒い髪が、風にあおられ、逆立った。 許せない……。 黒く怪しく、輝く血塗られた剣。 忘れない……。 優しかった人たちを……あたたかい……黄金の髪を…… 忘れない。 決して、忘れは……しない……。 +++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.17
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もう熱はぜんぜんないのに、咳が止まらない娘。薬は飲んでいます。だけどなぁ……。気温一度は、寒いよなぁ……。仕方ないよな。今日は最高でも、10度。でも昨日よりは、まし。くすりですよ、薬。適当に混ぜ込んで、溶かして飲ませて、と言われた粉薬。お湯に解いて飲ませてみたら、却下。断固飲まない娘。仕方がないので、それは私が飲みました。つぎは牛乳に入れてみた。おお、気づいていないようだ。食い物の中に混ぜ込んでみた。気づいていないようだ。しかし……それでいいのか?食欲はある娘。私の方がないよ……。セキとまらないかな~。咳はしんどいよな……。ああ、娘。今は寝ています。保育所、休みました。薬もたせても、飲まないんじゃないだろうか……と思って。明日は半日だから、行ってくれるといいな。咳も止まるといいんだけど。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.16
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昨日の夜、いきなり38度越えの熱を出した娘。……座薬つっこんだら、今朝は下がりすぎなほど下がっていましたがまだ、咳はしている。今日は保育所、お休みだね~。喜ぶ娘。だけど、病院へいこうね~。泣く娘。そして、母が迎えに来て、病院へ行ったのですが、はいらない~ ビェ─・゚・(。>д<。)・゚・─ン!!……あんた、ここで診てもらったこと、ないだろう?私たち姉妹の、行きつけの個人病院なんです。娘をつれて、やむおえなく、病院へ行くときは、3人で病室に入ります。娘はいつも大喜びです。それなのに……なぜ、嫌がる。「ちっくんいや~。ちゅうしゃいや~」「大丈夫だよ。しないから」病院の中は、満員でした。この病院、木曜日は午前中しかやってないから。嫌がる娘を、なんとか待合室に連れて行き、おもちゃ箱で遊ばせる。「みおさ~ん、入ってください」 ……と、すぐに呼ばれた。診察中にぐずる娘。すると、シールシートが渡された。しかも、ふたつ。ちなみにキティーとケロッピ。落ち着く娘。ゲンキンだな。おまえ。娘のダイキライな、おくちあ~ん、もなくて、聴診器だけで、終了。くすりを待つ間、ふたたび遊ぶ娘。お薬できましたよ~と呼ばれて、取りに行って来ると娘は今度は 「かえらないの!」 と言い出した。……おまえ、いつもそうだな。この病院に来ると……。くすりを貰って帰ってきたら、薬袋の中にも、キティーが……。……いつも総合病院の小児科へ行っていた。すごく待たされたあげく、娘の泣きっぷりはひどかった。個人病院、それで、いいのか? と思わなくもないのだが、順番を早めてくれたり、いろいろ子供に慣れていたり、なぜ初めからここへ来なかったのだろう、と私は後悔した。自分らの、いきつけなのに。母は、ここで高血圧のくすりと、シップを処方してもらっています。オッサンは、この病院から、栄養点滴に来てもらっています。娘は、はじめての、ここの病院……。すばらしいですね。これからはここに娘を連れてきます。オッサンは今日、県の遠い病院へ行きました。見送ることもできて、よかったです。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.15
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ほいくしょいかな~い と、ここんとこ騒いでいた娘。だが、今日は違った。「おきな~い。ず~っとねてるの~」ほほう……。そうね~、あなたのパパも起きてきやしないしね~。少々、ブチギレました。いや、パパに。起こしにいく。あんたね、7時過ぎに活動始めたんじゃ遅いんだよ。みおがぐずついてる間、あんたごはんも食べられないじゃん。もっと早く起きて、自分のことをきちんとして、みおのことかまうのは、それからやろ?あとな、マイナスイメージのことばっかりあんたが言うから、みおも行きたくなくなるんだよ。ここで 「マイナスイメージって、なに?」 とか聞いてくるから、がんばって保育所行こう、とか、みんな嫌だけど仕事にいってるんだよ、とか、そいういのだよ!!わたしがさんざん楽しげに盛り上げとっても、あんたがそんなこと言うたらぶちこわしやろが!!……以上。朝っぱらから、なにやってんだか。まあ、娘は車に、シュウがぶち込んで、送っていったけどね。保育所から、連絡も来ていません。育児書とかを、勝手に買っている、シュウ。自己啓発本もだいすきな、シュウ。何も身になっていない。バカなのか? 字が読めないのか? 理解できないのか?あとね、いもうとの職場に、保育所の先生が来た時、「みおちゃん、ごはんも全部食べるし、お話もいっぱいするし、楽しそうよ? まだ入所して間もないのに、あんなに食べる子も、話す子もはじめて」とか言っていたらしい。そうだろうな。保育所で仕入れた、元ネタのわからない、「わたしがだれかわかるか? さんじょう!!」とかも、すげえ楽しそうにやってるし。でも、今日何した~? の質問には、毎回「ブロックあそび」 としか答えない娘。ああ、保育所にこっそり行って、様子を覗いてみたいよ……。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.14
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娘は昨日、結局、定時まで保育所にいました。 今朝はまた 「いかない~」 が始まったけど、 着いてしまえば、どうにかなるようだ。 ところで、私、先週の木曜日から、大が出ていなかったんだよ。 かっちかちなの。いるのわかるの。 何度気張っても、痛いだけ。出てこない。 金曜日あたりから、水分しか摂っていない。 この蓋が取れないのに、上から新たな物を発生させられたら、弱る。 必死で出そうとする。いるのに出ない。 そうだ、綿棒カンチョー。娘の赤子時代にやっていたな。 やってみよう。オリーブオイルは無いから、サラダ油でいいや。 砕いてやる…… (。>皿<。) ……出やしねえ (゚∀゚ ;) 3時半過ぎても、保育所からの連絡は無い。 4時半までOKだな、そう思ったわたしは、廊下をモップがけしながら、 大が出るのを待っていた、したら。 唐突に、 ものすごい激痛 が、けつのあなに!! トイレに駆け込んで、出そうとするけど、 固くて出ない。 痛い、無理、出すことも戻すことも出来ない、この物体。「無理無理無理無理~~~~!! 助けて~!!」 トイレで叫ぶ私は、きっとすごく、やかましかっただろう。 大丈夫だ。隣近所に人はいない。 妹が、助けに来ました。 使い捨て手袋をはめて、私の肛門周りを、ぐにぐに押す妹。「かった~い」 妹は言った。 いった~い、と、私もいいたかったところだが、 息をするのがせいいっぱい。「あ、出た。まって。まだいる」 まだいるの? ふたたび押しまくる妹。痛えよ~ 。゚(PД`q。)゚。 半泣きというか、大泣き。涙だらだら出てきた。「まだいるけど……。これもう、押しても駄目だ」 …………そうなの?「とりあえず、おしりふいとくね~」 妹は娘のおしりふきで、わたしのおしりをきれいに拭いてくれました。 がんばって~といわれて、私はがんばった。「う……う……う……う~~~~」 少しずつ気張る。何か長い気がする。しかし、痛いなあもう。 ……おわったのか? ペーパーで拭いてみる。 終わったみたいだ ワーイ♪ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ♪ 妹を呼んで、成果を見せる私。「すごいじゃん。ねえちゃん、こんなのはじめてじゃない?」 うん、はじめて。「ありがとうね、ごめんね。やだったよね」 泣きながらいうわたしに、妹は言った。「ねえちゃんが出来ないのが不思議なんだけど。だって、ばあちゃんのは、やってたじゃん。 あたし、あれで覚えたんだよ。だから自分のも、いつもやってる」 そうね、あなたしょっちゅう 『自分で押し出した』 って言ってるもんね。 ……あたし無理。人のはね、見えるから。自分のは、見えないもん。 私たち家族は、自宅介護で祖父と祖母を看ていました。 父は入院ばっかりだったけどね。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.13
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私が起きたのは5時半でした。今日は雨風がひどいです。私は燃えるゴミを出しに、傘もささずに、ゴミ捨て場へ行った。……風が強い日の傘は、無謀だと思う。ささない主義。娘の保育所準備をして、7時になって、娘を起こす「起きてごはん、たべよう?」「いらな~い。ほいくしょいかない~」 ……昨日から、嫌だ、行かないとは言っていたが、このやろう。うちの大人はな、今いろいろ大変なんだよ。シュウは知らん顔だけどな。こいつ、何考えてんだか ( `д´⊂彡☆))Д´)行ってもらいます。幸いパジャマは、普段着っぽいものだ。オムツを替えて、車に娘をつっこめ。私も部屋着のまま、車に乗り込む。大泣きだ。シュウはいちいち、運転中まで、泣く娘に話しかけていたが、私は知らん顔。おまえはそういうところが、むすめをわかっていないのだ。振り回されるな (*`д´)もっとちゃんと子供とかかわれ。遊んでるだけじゃ、駄目なんだよ。その後から、妹の車が。ありがとう妹。おまえ様が今日休みで、よかったよ。雨の中歩いて帰らんといかんのかと思ったよ。保育所について、せんせいに抱っこされる娘。「無理そうだったらお電話ください。今日は妹がいるので、車があります」そう保育士さんにお願いして、立ち去る私。今のところ、電話は来ていません。娘に、どうして嫌なのか聞いてみたんだけど……「せんせいこわい。おともだちこわい」……わらわよりも、怖いというのかえ?どんなだよ、保育所…… (´-∀-`;)+++++ランキングに参加しています。拍手がわりに、ポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.12
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YAMASAのカエル どの機種かわからないけれど、パルサー関連だと思います。つか、ヤマサのマスコットキャラクターとかイメージキャラクターとか、そういうもんだと思っていた。コーレルドローで作成。輪郭無しで、曲線のみ使用。カエル。すきだったのか?多いですね。よく作ったな……。リール絵柄やボーナス絵柄まで……。でも、打っていたのは、キンパルのみ。タイムクロスとZAKU千は、アホほど打ちました。金も使いまくったけど、毎回もとは取れていた。一度暴走して、ZAKUZAKU千両箱で、天井 (たしかすごい回数だったはず) まで回す×2回というのをやったけどね。サイバードラゴンは、音がすきだったなぁ。サイバードラゴン、打ち始めたのが遅くて、コレ、すきだ~!! と思ったら、割とすぐに撤去されちゃって、悲しかった。大都のシェイクは、1000回まわし、よくやっている。最近、150あたりで引けないと、あたりを引いていてもすっからかんになるということが、他人の打ち方を見ていてよ~くわかったので、やらない。3千円打って、駄目ならやめます。運良くBIG引いたら、それでとりあえず200前くらいまで回してみて、だめなら残りメダル持って、リオ2プレミアムに移動してます。相性がいいのか、リオタイム、続きますね~。ほんとうはカリビアンが打ちたいところなのだが、ウェッジ球 (LEDなのか?) が、ついてない部分が多すぎて、左リール全滅の台は、私には無理 (´-∀-`;)しかも隣の大江戸が、やかましすぎて。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.11
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朝5時半に起きやがった娘。鼻づまりなので、鼻をかませたら、鼻血ブー ( ゚∀゚)・∵.鼻血が出たら、上を向かせてはいけません。鼻をティッシュで押さえつつ、小鼻をつまみ、止血を待つ。その後すぐ止まり、保育所へ行く準備をした。今日はシュウが、早く仕事に行かなければならないので、泊り込みの母が一度、家に帰って来て娘を連れて行く予定だった。しかし……ぱぱといくの~!!鼻血復活。泣きわめく娘。ティッシュで作った鼻栓を、ぐりぐりとねじ込むシュウ。……そういうことしたら、悪化するよ?まあ、早く仕事に行かなきゃ行けないはずのシュウも、準備遅かったから、まあ、いいか、とそのときは思った。おかんに電話もした。ところが、着替えが済んだ途端ばあばといく~!!……このやろう。泣く娘を無理やり車に積み込み、出発するも、わずかな時間で帰ってきた二人。「無理。今日休ませよう」…………あのなぁ、このお嬢が言うことコロコロかわるのは、あんただって知っているだろうが!!あ、しらねえか。うちの中でまともに世話したこと無いもんな。休みにゲーセン連れて行くだけでさ。それに、無理だと思ったらすぐ、おかんに電話すりゃぁ、間に合ったんだよ。ばーか、ばーか (*`д´)そんなわけで、娘、初鼻血。そして、初欠席。後ろに居ます。超やかましい (´-∀-`;)+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.10
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昨日はなにごともなく、8時から4時半までの保育時間を、フルで過ごした、がんばった娘。いつも送りに行った先、保育所玄関で大泣きしていていた娘。今日は泣かなかったらしい、どころか、シュウへの「いってらっしゃい!(*≧▽≦)ノシ」 も無かったらしい。そそくさと保育所内へ走りこむ娘。馴染んだのか? よかったな。しかしその様子を連絡してくれた、シュウの電話の声は、なにやら暗かった…… (*≧∀≦)いいじゃないか、保育所好きになってくれて。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.09
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パチ屋A時代に、はじめてコーレルドローを使用して作ったものです。一日貼りポスター。ワゴンセールには、初め、キマリがありました。商品名をいれてはいけない、という。じゃあ~、魚売るんやから、さかなにしとけ~。……通用しました。しろくまも、そう。はちみつ売るんやし~蜂蜜持たしとこ。しろくまやけど。……通用しました。ねこやうさぎ、浴衣、着とるし~今回は蚊取り線香だから、足元においとこ~。……通用しました。やがて、そのキマリは、なくなって、私はどんどん、好き放題のポスターを、作製することになります。ものすごい短時間で。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.08
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なんか、そういうことになったらしいよ? 今日は。……シュウが風邪をひいて、仕事休みました~。代休と有給は、1か月分くらい余っているらしい。有給、買上げてくれません。ひでえ。使えない休み、もらうくらいなら、仕事行くなよ。とか思うけど、そういうわけにもいかないらしい。ところで、娘も風邪気味です。妹も喉が痛いってさ。私は昨日まで、熱がありました。家族総倒れ~ 。゚(゚^∀^゚)゚。わろとる場合ではないんですけどね。病院へ行け、特にシュウ!!娘は元気ですよ。鼻声だけど。私もわりと元気だよ。筋肉痛も治った。……やっぱり若い? (´ー+`)キラッ自分の時間というものが、安心してとれるようになるのは、いつだ。15年後くらいか……いくつだよ私。えーと、47ちゃい?…………暗い気分になってきたよ。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.07
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きのう、2時半に、保育所から電話がかかってきました……。「みおちゃん、お昼寝からさめたらぐずってしまって……」 …………いくの? 迎えに?「あの、迎えに行くのに、30分くらいかかるんですけど」 私が言うと、「はい、お願いします」 とお返事。 とりあえず、コートを引っ掛けて、でっかいからっぽのカバンもって、出て行く私。 うちの中は、寒かったんです。 しかし、外は暑い。わたしはコートを、道すがらにある店に預け、保育所へ。 それでも、暑い。 ババシャツを、道端で脱いで、フリースのチャック全開。 でも暑い。それなのに…… 耳だけ、寒い 彡(´∀`;)彡 つめたい。 なんなんだよこのバカ陽気。私はフリースの上着を脱いで、頭にかぶった。 怪しさ大爆発。 下に着ていたのは、指穴つきの、背中の開いた、夏用紫外線カットシャツ。 指穴つきの長袖は、この冬、ババシャツと兼用していた。 ちちバンド、見えるっちゅーの!! 途中ヒッチハイクらしきこともしたが、誰も止まってはくれない。 やっとこさで保育所にたどり着く。 むすめはもう、落ち着いていました。 私が30分書けた道のりです。娘とでは、カタツムリのようにとろくさい。 とちゅう、どこかのおば様が 「乗っていく?」 と車を止めてくれた。 天の助け!! と思って 「ありがとうございます。お願いします」 という私の横で イヤーーーー。゚( ノдノ)゚。 泣き叫ぶ娘。なぜだ……。「すみません、駄目みたいです。せっかく声かけていただいたのに……」 優しいおばさまは、去っていってしまった。 仕方ない、歩こう。てくてくてくてく……。「ほらー、お花だよ~。きれいだねえ」 娘に話しかけるが、やつは歩道の白線を、はみ出さないように歩くのに夢中で、返事なし。 やっと、コートを預けた店に到着。「すみません、ありがとうございました」 そういって、店の外に出ると、娘が「おうち、あっちだよ~」 と、今歩いてきた道を指差す。「ハア!? 今そっちから帰ってきたんじゃん。あっちだってば」「ちがう~ ビェ─・゚・(。>д<。)・゚・─ン!!」 ちがくないです。おうちはこっちです。私は店の横にある隙間を、娘を連れて、歩いた。 旧道があるのだ。「さあ、おうちはどっちだと思う?」「あっち~」「さっき、間違えちゃったねぇ~」「…………(ムッスリ)」「みおはさっき、あっちって言ってたよね。私わかんなくなっちゃった。あっちかもしれない」 逆方向に進もうとする母を必死で止める娘。「ちがうよ! あっちだよ!!」 そうだよ。さっきからあたしゃそう言うてるやんか。 家に着いたのは、4時10分でした。 そして今日、私は筋肉痛です。いや~ん、まだ若いじゃ~ん (〃▽〃) ……わかってるよ。単に運動不足だよ (´-∀-`;) 疲れました。ホント。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.06
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2010年4月3日。あとがき。 喧嘩売ってますね。1999年のわたし。この話は結局、どこにも発表していないので、好き放題なあとがきを書きました。初めは本にするつもりでしたよ? それがもう、自分的に無理な感じがしたので、こういうことに。読んでくれている友人にのみ、配りました。感熱紙で印刷したやつを……。 読み返すのが嫌だったのは、これか……と、自分で納得しました。 ものすごく傷ついたのですね。1999年の私は。 ……今思い出しても、ムカッ腹たちます。 傷ついて、怒ってた。 自分に関係の無いことで~、ひとのことをなぐさめようなんて思うひとは~、 なんにもわかっちゃいないのさ~。 誰かを本気でなぐさめたいと思うなら、同じ痛みを知るべきだ。 それでなかったら、思いを共有してなぐさめろ。適当な言葉を言うな。 やさしい上っ面の、あたりまえの言葉が、どれだけ私を傷つけたか、 言ったほうは、わからないのだろうな。 あ、橘いずみ、だいすきです。崩壊しそうな自分を、歌にして、 立ち上がろうとしている人だと思えるから。 榊いずみになってからは……まあ、今は幸せなのでしょう。よかったね。 同じ理由で、むかしの長渕剛もすきです。 白と黒、暗闇の中の言葉、明け方までにはケリがつく、碑……あげだしたらきりが無い。 そういう、じぶんの魂を削っているようなひとの歌が、わたしは好き。 あとKATZEもすきです。NMAとして活動していたのには驚いた、愚息は知らない。 どれもこれも、たぶんわたしの世代ではないんだと思いますけれど。 わたしよりも、すこし上かな。 あ、hitomiは同じ世代だ。同じ歳かな? 共感できるものが多いです。 hitomiもすきです。表現が独特で。 ♪心の中に着せたシャツは 気がついたら 裏返しになってる♪ とかね。 連作だったはずなのですが、藤村とセイちゃんの話は、書かないと思います。 そして、サカグチとフジムラを見ていた、同級生の話も、書かないと思います。 ほんのちょっぴりだけしか書いていません。 そしてわたしは、この当時とまったく変わっていません 。゚(゚^∀^゚)゚。 それでは、またお会いしましょう。お付き合いいただきまして、ありがとうございました。 *** 2010年4月3日 ***+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.06
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~あとがき~ この話を書き終えたのは、97年の11月。手を入れたのは98年の終わりごろ……だったと、思う。わたしは今、とても強い思いで 『話を書いたら日付を入れよう!』 と思った。修正した日がわからない。 そして1999年、4月26日。あとがきを書いている……。 あとがきにも程があるだろう……。まあ、とくに発表する場もないし、あとがきなんてものは、いらないのかもしれないけどね。でも、なんていうかあとがきって、あたしにとって儀式っぽいものだから。書いていたときの自分を振り返るみたいな……だからこそ、完成したらすぐに書くべきだろうよ、あたし。 しかし変わったね。あたしの文章も。現在の私は、こむずかしい表現や語句は意図的に排除し、文章をとにかく簡単にする。セリフも普段、自分の使っているようなものしか使わない。いちいち口に出して読んでみて、言わねえよ、こんなのってのは、直す。 こういう方向に進んでしまったので、昔の文章、特に中学時代のものはこっぱずかしい。全部直してしまいたい気持ちになるけど、まあ、いいや。それはそれで、思い出になるし。 わたしが文章を書いているとき、読み手として意識しているのは、第三者ではなくて、私の周りの人間。あたしのことを、知っている人。 こう強く思ったのは、96年発行の 『GOLD ~太陽の黄金~』 からで、書きかたが変わったのは、たぶんここから。 実話ではないけれど、どこかにあたしの生の心がある。言葉ではなかなか伝えられない、そういうものを、わかってほしい。文章を書くのはわたしのけじめ。わたしが自分の人生に対してつける、オトシマエ。 いつか青臭いと笑い飛ばせるといいなと、『GOLD』 のあとがきで書いているけれど、自分がこうして、あとになって読み返すと、いつも、どうして昔の私は、こんなものが書けたんだろうと思ってしまう。真剣に生きていた自分が私には見える。それはわたしだけが持てる感覚で、他人にとって、私の話は、おもしろくもなんともないかもしれないな~なんて思う。感想来ないからわかんないけど。つかコピー本、ぜんぜん売れてないし。 でも、私はきっと、書き続けていくんだろうな。誰も読まないものなんて書きたくないって、昔のあたしは言ってたりもしたけど、だけどあたしは読むんだもん。あたしはこうして、自分の書いたもん、読むことがすき。だから誰のためでもなく、自分自身のために書いていくよ。 短い話なんだけど、この話にはずいぶん時間をかけた。そして、書き終えてから、あとがきを書くまでの時間も長かった、だから言える。 あたし、この話、すきだよ。 あとがきをずっと後になってから書くのって、いいかもしれない。はじめと言っている事がちがうけどね。こういう気持ちになれるんだったらね、いいかもしれない。 それから、たとえ小説としての自分のよくないところ、自分でわかっていても、あたしはそれを完全に無視して。きっとずっと、こういうお話の書きかたをするだろう。自分自身のために書く、というやりかたを。 ……まさか、ここまで来て 【感想コーナー】 が、 あたしの一人芝居だってこと、わかんないひとはいないよね……。 あたしはそういう書きかたがすきだし、そういうふうに書かれたものが、とってもすきだから。誰かが自分のためだけに、作ったものがさ。 ひとがひとのためにできること、ほんとは何も無いんじゃないかな。あたしは、ないと思う。 誰かの生き方に励まれることはあってもさ。誰かが自分自身に一生懸命になっているのって、ものすごく励まされる。 あたしは、あたしのために、なんて思って、誰かが何かしてくれても、あんまり嬉しくない。たぶん。そんなキレイゴト、うっとうしいだけだよ。うさん臭いんだよ。 あたしも他人の人生にまで、責任持てないし。だから誰かのためを思ってなんて事はできない。無理だよ、あたしには。 誰かのために、何か出来るような余裕のある人は、そうするのもかまわないと思うけど、わたしにはできない。 私を慰めようとした、たくさんのあたしではない人。 あなたたちの言ったことが、どれだけ私を傷つけたか、わかる? わかんないんだろうね。あたしのために、言ってくれてたんだから。 でもその言葉は、ほんとうに、あたしのため? 自分のために書かれたものは、自分の心との対話が出来ているもの。そういうものなら、信じられる。だから、わたしも、そうする。自分がされて、嫌だったことは、人には絶対にするものか。 さいごに、あたしの書いたもののどこかが、なにかのかたちで、誰かの心にひっかかったなら……ささくれみたいにじゃ嫌だけど。何かをひろってくれたひとがいたら。それって、すごくうれしい。どんなかたちでもね。 また、どこかであえるといいな。……読んでくれて、ありがとう。1999.4.26. R・I+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.06
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97年の11月に、一度完成して、98年の終わりごろ、手を入れたときに、書かれたものです。 当時のPNでいきます。文章もそのまんまで。【感想コーナー】 あとがきにかえて。 こんにちは。大神ヒロシです。 『TRASH DUST』 に感想をいただいたので、紹介します。+++++ 『TRASH DUST』 読みました。こういう話は好きです。けれど少々気になる部分もあるのも確かですので、以下に書いておきます。◆情景描写が少なく、文章が感情過多ぎみ◆状況がわかりづらく、場面展開が唐突で、読者を置いてけぼりにしてしまっています。感情過多な文章は、読み手の感情移入の妨げになり、ついていけなくなることもあるので、ほどほどにしておいた方がいいと思います。◆人物を描写しきれていない◆主人公が相手をここまで好きになる理由も、嫌いになる理由も、よくわかりません。もっと書き込んだほうがよいのではないかと思います。◆後半にかけて、急ぎ足になっている◆このせいで、後半は更にわかりづらく、まとまりに欠けています。これなら二人が分かれた時点で終わったほうがよかったと思います。◆自分だけで納得してしまっているような箇所が見られる◆自分の感情の押し付けになっていませんか? そんな感じのする箇所が、いくつかあります。読み手のことを念頭に置いて、文章を書いたほうがいいと思います。……こんな感じでしょうか。別に文句をつけているわけではありません。ただ、私はこの話が嫌いではないので、上記のことをふまえた上で書かれた 『TRASH DUST』 を読んでみたいのです。次回作に期待しています。+++++ はい、大神です。と、まあ、こんな感想をいただいた訳だ。 ……寒すぎる。なんつーか、まあ…… ――嫌なら読むな。 そんな 『TRASH DUST』 があったら、あたしが読みたいって。そこまで言えるならあんたが書けよ。とか言っちゃうと、どうしようもないか。 とりあえず、あたしにも言い分はある。あのね、あたしゃこれでもせーいっぱい直したんだよ? だってこの話、去年の11月に一応完成してるんだもん。それをこう修正したんだよ? ……これ以上は無理だ。それにあたしは一度完成したものに手を入れるのは、本当に嫌なんだよ。反則だよ。だからもうこれ以上、直す気はない。 読み手のこと考えてないって……それだっていつものことじゃん。今更何を。一生なおんないんじゃないか。無理無理。だっていちいち読み手のこと考えて書いてたら、あたしがつまんないじゃんよ。あたしがおはなしを書くのは、基本的に自分のためだし。まあ、人に見せる以上、ちょっとは考えるべきなんだろうけど。でもさー、ついて来れる人だけ、ついて来てくれたらいいよ。別に。 ところで私の文章、そんなわかりづらいか? わかりづらくしてるつもりは、まったくないんだけど。まあ……書いた本人が、自分の書いたものを読んで、わかるのは当然か。それにしても……わかりづらい……のかなぁ。あたし一応 『わかりやすいものを』 というのを心がけて書いているので、コレを言われるとかなりイタいんですけど。 主人公の彼氏についてはね……書きこみたくないんだよね。だってこいつ、まじで嫌な奴じゃん。書いてるとムカつくんだもん。 後半のあれは……だってこの話、連作だから。そういう終わり方、してるだろ。それに一応ハッピーエンドにしたかったから、ああなったんだけど、だめか? (ハッピーエンド……なのか? あれは) 感情過多ってアンタ……あたしに理論的になれってか。無理だな。感情だけで生きてるような人間だしさ。理性と感情戦わせたら、一秒で理性、K.O.されるよ。だからしょうがないじゃん? だめ? 一応感想を書いてくれた、彼女の言うことも、あたしだってわかってるよ。念頭にも置いてる。言い訳じゃなくて、私だって自分の書いた文章読んでて思う。でもそれでもさ、あたしはこういう書きかたしか出来ないんだよ。バカだから。 それにあたしは、ひとの文章でも歌でも、他人のことだけ考えてたり、他人のために歌ったりしたようなものは、嫌いだ。たとえ誰かのことを記したとしても、そこに作り手の、いい意味での自分勝手さがなきゃ嫌だ。自分自身のために作ったものじゃないと嫌だ。 『自分のため』 が無いものは、なんだかうさんくさくて嫌だ。だから……仕方ないよ。 ええと。感想とかってあんまりもらえないし、しかも未熟さの指摘とかって、ほんとうに貴重なのに、それを受け取ったあたしの態度が、こんなんじゃよくないよね……って、あたし今、かなり寒いんだけどね、心が。 なんかもう、かなりツンドラ。こんな寒いこと書いてないで、あたしゃ早く、あとがきを書きたいよ。 それにしても寒い。ブリザードふいとる。誰かとめてくれ。こんなことやるんじゃなかったよ。どんな言い訳しても、自分が虚しくなるだけだよ。 誰か、あたしが寒くならないように、何か感想ください。まじでたのむよ。凍え死ぬっちゅーねん、こんなことしとったら。もう二度とやんねえぞ。 ……というわけで、感想お待ちしております。頼むよ。 あたしがさぶい理由、わかるでしょ? 後悔してるよ、本当に。やるんじゃなかったと思ってるよ。虚しいったらありゃしない。 ……ああそうだ。感想はI県にお住まいの、P.N. 『橘いずみだいすき』 さんからいただきました。ありがとう。またよろしく。 なんてな……最初っからバレバレな気もするがな。しらじらしいっちゅーねん。さぶー。 それではこの辺で、感想コーナーは終わりにします。次回をお楽しみに。 ……まさかまだ、わかんないひとはいないよね……。 Hirosi.Ohmiwa. SEE YOU NEXT……******* 2010年3月30日。 こういうこともやっていたりした、むかしのわたし。 何かもう、いろいろとわかっているのに、なおしゃしない開き直りっぷりが見事です。 そしてその傾向は、未だに続いています。 感想くださいとか書いているくせに、このお話は、本にしていません。 ……するつもりはあったんだけどね。 なんか、仕事したいな~。ドカタはもう無理だ。勤めていたところはつぶれた。 飲み屋も、もう嫌。 即採用な気配のする、パチ屋Bは、そこで打てなくなるから嫌。 スーパーのレジ打ち……マニキュアOKなわけないよな……。 働け、自分。働く気は、あるのか? あるんだけどね……。
2010.04.05
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***** 電話ボックスで雨宿りする。ほんとうにあたしは、どうしようもないなと思った。やっとすっきりしたと思ったのに、そうしたらそうしたで、今度は途方にくれている。 みんなに会いたいな。心からそう思った。はやく戻りたい。あたしの場所へ。 自分があまりにも弱いもののように思えた。あたし、こんなに情けなかっただろうか。弱かっただろうか。こんなにも、涙もろかっただろうか。 気づいたら、あるだけの10円玉を入れて、電話をかけていた。フジムラの携帯。番号は覚えてる。コール音がひどくあたしを緊張させた。「もしもし?」 フジムラの声。「……もしもし?」 もういちど、繰り返す。「…………フジムラ」 あたしはやっとの思いで、フジムラの名前を呼んだ。「ナオ!? どうしたの」「フジムラぁ……」 なに言ったらいいのかわかんなくて、あたしは涙声で名前を繰り返した。「…………どこからかけてるの? 公衆電話だよね、コレ」「ボックス……高柳公園」 フジムラの返事がない。「フジムラ……」 気が抜けた。受話器を持ったまま、ガラス伝いにへたり込んでしまう。「…………たすけて」 言った途端、電話を切られた。10円玉の落ちてくる音がする。やだなあ、あたし、ぼろぼろじゃん。 早く朝にならないかな。夜が明ければ、何かいいことがある気がする。少なくとも、きっと今よりはあったかい。 一晩、ここにいようかな。こんなとこでも雨降りの外よりはずっとましだ。 かじかんだ手で、煙草を探る。なんだか疲れた。もう何もかも、どうでもいい気がした。 どのくらい、そうしていたんだろう。 突然、視界が明るくなった。ばたばたと足音が聞こえた。「ナオ!? ……ちょっとあんた、なんてカッコしてんのよ!」「……フジムラ?」 フジムラは自分のコートを脱いで、あたしに着せてくれた。「……コレ着てなよ。飛び出す前に電話しなよ。あんたすごい無茶だよ」「……電話、切られてさ……フジムラに、見捨てられたかと思った: あたしはいまだに、信じられないような気分でいた。来て……くれたんだ。「なに暗いこと言ってんのよ。そんなわけないじゃん」「すごい……うれしい……うそみたい」「ちょっと、あんた大丈夫!?」 あとのことはよく覚えてない。フジムラが何か叫んでる。 セイちゃん! セイちゃん!! ハヤク…… セイちゃん……か。いいなあ、藤村は。叫べる名前があって……。***** 気づいたら、車の中だった。「大丈夫?」「……フジムラ? なんで?」「おいおいおいおい、覚えてないの? あんたいきなり寝こけたんだよ。つか、気ぃ失ったのかな、あれ」「…………あー」 そうなのかもしれない。「電話がさ、なんか、すごいやばい感じだったから、ソッコで来たんだよ。セイちゃんに車、出してもらってさ」「…………ごめん」「あやまるなよ。どうする? ……自分とこに帰る? うち来る?」「行っていいの?」「いいよ。セイちゃん、ごめん、家まで送ってもらえないかな」「ああ」 あたしはその 『セイちゃん』 を見て、驚いた。あたしたちよりも、ものすごく年上そうだったから。「びっくりした?」 部屋に入ると、フジムラはそう、あたしにたずねてきた。「オヤジでしょ、すごく。あたしの3倍以上、人生送ってるんだよ」「……フジムラ、幸せそうだね……」 その人のことを語っている表情が、とても自然で、やさしい。「あんたは幸せそうじゃなかったね。すごく」「あたし幸せなふりしてた……」「させられてたんじゃないの?」 フジムラが言う。「あの時にさ、あんたの男のトコ行ったとき、思ったよ。やめたほうがいいって。あんた、なんだか自分のこと、見えなくなってるみたいな」 フジムラはため息をはいて続けた。「……まあ、言ったところでさ、のめり込んでる時って、人の言うこと聞きやしないっしょ? ……でも、別れたんだ」 よかったねと、フジムラはそういって笑った。安心しているような笑顔。あたしはなんだか、ものすごく泣きたい気持ちになった。「ジコチューなひとだったんだ……あいつ。全部 『自分のため』 でさ……なのにそれを 『あたしのため』 ってすりかえてさ……」 あたしは瑛のことを話した。フジムラはただ黙って、話を聞いてくれた。「……でも、お芝居してたあたしも悪いの。あたしを捨てたあたしもいけなかった……すきだったんだよ……」「しょうがないよね……それは」 そう。しょうがない。仕方がなかったんだと、思う。瑛は自分に嘘をついた。あたしは自分をなくそうとした。お互い、自分自身の思いに気づけないで、無意識のうちにそうなっていって。 そして、瑛はいまも、きっと気づいてはいない。最後の最後まで、自分が嘘をついてるって、わからなかった。そうしてきっと、これからも同じようなことを、繰り返すんだろう。 だれか、あたしではない人と。 あたしはポケットに入っていたままのライターを、窓を開けて放り投げた。「ねえ、フジムラ」「ん?」「なんか、ゴミみたいだ、あたし」 捨てて、ひろって……そんなことをくりかえして。「拾えるよね……フジムラ。あたし、大丈夫だよね」 あたしが泣きながら言うと、フジムラは微笑みながらこう言った。「手伝おうか?」「なに?」「ごみあさり」 あたしたちは顔を見合わせて笑った。 あたしの顔はきっと涙でぐちゃぐちゃで、笑顔なんていえるもんじゃ、なかったかもしれないけど。 ああ、あたし、笑ってる。泣いてる。 フジムラの話を、もっと聞きたいと思った。あたしのいない間のフジムラのこと。 あたしの寒さをなくすことの出来る、フジムラのこと。 フジムラをそういうひとで、いさせてくれる人のこと。「フジムラ、ねよっか」「ん」 あかりを落とし、目をつむる。 あたしは夜明けを待ち遠しく思いながら、とてもあったかいきもちで、眠りについた。 +++ END +++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.05
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「大丈夫か」 瑛があたしを抱き起こそうと、腕を伸ばしてくる。あたしはそれを振り払って、自分でさっさと立ち上がった。 このひとは、あたしのことも、自分のことも、まるで何もわかっちゃいない。「……あたしのこと、好きじゃないよね」 瑛は、気づいていないけれど。「……何、言ってるんだよ」 あたしはぶつけた所をさすりながら、瑛に言う。「別れよう。そのほうがいい」「何いってるんだよ。そんなわけないだろう! ……殴ったのは悪かった。あやまるから……。急にそんなこと言い出すなよ」 急になんかじゃない。ずっと思ってたよ。どうしてわからないの?「瑛は!! あたしのこと、嫌いなんだよ! わかんないの!?」「……おまえが俺を、嫌いになったんだろう。変な言い方するなよ」 心底呆れたように瑛は言った。どうしてこの人はわからないんだろう。「……どっちでも、いいよ。あたしはもう決めたから」「別れるつもり、ないからな」「……あたしのことが、好きなの?」 あたしは冷めた目で瑛を見るけど、瑛はぜんぜんわかってない。「何度も言ってるじゃないか! 好きだって!!」「うそつき」 あたしはずっと、瑛にそう言ってやりたかった。あんたはものすごく嘘つきだ……。言いたくて、ぶつけたくて、それでもずっとあたしの胸に溜めていた言葉。言ってしまうとあまりにもあっけなかった。「あんたはうそつきだよ……あんたが好きなのが、あたしのはず、ない」 瑛が 『あたし』 を本当に好きだったなら、こんなことにはなってない。 瑛が 『あたし』 を好きなら、あたしは 『あたし』 を捨てなくても、よかったはずなのに。「わかった……」 瑛は穏やかに、そう言った。ほんとうに、わかってくれたんだろうか。あたしは瑛の顔を見つめた。 瑛は優しい顔をして、こう言った。ひどく残酷な言葉を。「一晩、落ち着いて考えてみろ。気持ちが高ぶってるんだ……俺が悪かった。ごめんな」 そう言って、あきらは出かける準備をする。 終わりだ。最後までこの人は、なにもわかろうとはしてくれない。 結局、なにもわかっちゃいないのだ。あたしがどんなに、たくさんの言葉を使ったところで、そのすべてが、この人には届かない。「明日の朝、帰ってくるから。それまでゆっくりしてな」 優しい言葉。あたしのことを考えてくれているようで、だけど決してそうじゃない。いつもどおりの瑛。 明日、朝が来れば、いつもどおりの生活が始まると思っているんだろう。あたしは朝食を作り、瑛を起こす。あたしの淹れたコーヒーを飲んで、会社に出かける。帰ってくれば、あたしが出迎えて、夕食を食べて、二人で朝まで眠るんだと、そう信じているんだろう。 でも、そんな日はもう、来ないんだよ、瑛。そういう生活はいつか、手に入れられるかも知れないけど、そこにいるのは、あたしじゃない。そのとき瑛のそばにいるのは、あたしではありえない。 あたしはここに転がり込んできたときに、着ていた服を着て、制服を上から着込んだ。寒いだろうけど、おかしな格好だけど、仕方がない。ほとんど空っぽの財布をポケットに入れたら、あたしの荷物は、もう何もなかった。 瑛、あたしの名前は、奈々生っていうんだよ。知らないでしょう。そんなことも話さなかったね、あたしたち。あたしは玄関から外に出て、扉を閉めた。 家に向かって、ひたすら歩いた。コンビニで夜を明かしてもよかったけど、とてもそんな気分にはなれなかった。 寒かった。心がからっぽのせいかな、なんて思ってみたけど、ひたっている場合ではなく本当に寒い。きっと風邪をひいてしまうなと思った。 ハイライトに火をつける。吐き出す煙が本当に白くて、とてもきれいだった。 戻れるだろうか、元に。拾えるだろうか、あたしを。 どうするんだっけ……あたしのやりかた。 涙が出てきた。わからない。わからないよ、そんなの。どうすればいいんだろう。これからどうすればいいんだろう。 泣いてたって仕方がない。あたしは制服の袖で、顔をぬぐった。 雨が降ってきた。なんだか本当に最悪な気分だ。*****ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.04
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あたしはポケットの小銭で、ハイライトを買った。火をつけて、軽く吸う。外の冷えた空気と、煙草の煙が混ざりあって喉におちてくる。そう感じた瞬間、ひどくむせた。 情けないなあ、と思う。体が受け付けなくなってるんだ。 変わってしまった自分が、はっきりと現れているようで、とても悲しかった。もう一度、吸ってみる。気をつけて吸ったから、今度はむせなかったけど、一本吸い終わるとくらくらした。 握ったままになっていたライターをもてあそぶ。無意味に何度も火をつけてみた。煙草は吸わなくなったけど、ライターはいつでも持っていた。よくは知らないけど、細身の、ブランド物のライター。瑛があたしにくれた……あたしが煙草を吸うためではなく、瑛の煙草に火をつけるためのライター。 あたしに少女趣味な格好をさせるのが好きなくせに、そういう水商売の女の人みたいなことを、あたしにさせる人だ。瑛は。 カウントダウンが、始まっている。 かちっ、かちっという音とともに、灯される火を見つめながら、あたしはなんとなくそう思った。風が冷たい。帰ろう。 あたしはけじめをつけなきゃいけない……。 恋なんかじゃない。 終わらせてしまおう。これはもう、愛なんかじゃない。「どこへ行ってたんだよ」「……べつに」 口をきくのもおっくうだった。瑛は外の扉の前に座り込んでいた。あたしが帰ってこなくても、ずっとそうしているつもりだったんだろうか。何のために? なんで、どうして……瑛と暮らしてからあたしは、疑問ばかり心にわいていた。そのくせ、それをぶつけたことは、一度もなかった。「……あたしがどこに行ったって、瑛には関係のないことじゃないかな。突然いなくなったって、おかしくない存在なんだよ、あたしって」「なんだよ、その態度。ひとが心配してたっていうのに」 心配してたっていうのに……か。あたしはため息をつく。「……外で話しこむこと、ないんじゃない? 中に入れてよ。そこどいてくれないかな」 無言のまま、瑛は立ち上がって中へ入り、リビングに向かう。あたしはそこを通り過ぎて、キッチンのテーブルの上に腰掛けた。ハイライトくわえて、灰皿を引き寄せる。瑛がすごい目でこっちを睨んでる。あたしは構わずに火をつけた。「何のつもりだ」「べつに。あたしのしたいようにしてるだけ」 言葉じりとともに煙を吐き出す。そういえば、瑛もエリカもできないんだよな、これ。煙吸い込んでないから。あたしはくすりと笑って、続けた。「そんなどうでもいことは置いといて、あたしの話、聞いてくれないかな」 ぶちまけてしまえ。全部。そういうあたしを、瑛は好きになったはずじゃないか。「ねえ、瑛」 瑛は無言であたしのことを睨みつけている。構うもんか。あたしはもともと聞き分けのいい人間なんかじゃない。そんな奴じゃなかった。あたしは、あたしは……。「あたし、瑛の友達、嫌いだよ」「さっきのこと、怒ってるのか」 怒らないはずがないだろう。そんなこといちいち聞かないでほしい。「……あたしたちって、ああいう女たちのこと、馬鹿にしてたよ。絶対なりたくないタイプ。そばに寄りたくもないって」「……ひとの……俺の友達を悪く言うな」 瑛はそう言って、あたしの手から煙草をひったくって、もみ消した。「大笑いだよね。あのバージニア女」 瑛の言葉を無視して、あたしは続ける。ひとの友達を悪く言ったのは、あんたじゃないか。あんたの友達じゃないか。 瑛は黙ってあたしを睨む。怒ってるんだろうな、よっぽど。おひとよしのあきらくん、怒らせちゃうあたし。「あたし、はじめから言ってなかったっけ? ああいう女は大嫌いって」「降りろよ」「あたしの話、ちゃんと聞いてる? あきら」「そこから降りろ」 まともに会話する気はないんだね、あきら。「瑛も瑛で言うよねえ。やめさせたんだ。エライエライ」「……だまれよ」「瑛がちゃんと、あたしの話、聞いてくれないから、余計なことたくさん言わなくちゃならないんだよ。いつもそうだよね。ひとの話、聞いてないよね、瑛は。いつも自分のことばっか」「降りろって言ってるだろ!!」 もっと早くに、こうして言い合ってればよかった。あたしがあたしを捨てる前に。あたしは煙草を取り出して、指先でもてあそぶ。「あたし、煙草、やめさせられたつもりない。やめてたんだよ」 涙声になりそうだった。あたしはうつむいて、煙草に火をつけ、吸い込んだ。 煙草を吸い始めた頃、いつも泣くために吸ってたなあ。煙が目にしみて、痛くて。だけど、その痛みで流される涙が、なんだか心地よくて。 それなのに今は、涙をせきとめるために、煙草を吸っている。ため息をつくように煙を吐いて、顔を上げた。瞬間───「口答えするな」 すごい音が、耳元で響いた。ほっぺたがやたら熱かった。 そして、やたら大きな物音。何か大きなものが落ちたみたいな。 床が間近に見える。けっこう汚れているもんなんだなと思った。そういえば、掃除はあんまりしてなかったな。ぼんやりしながらあたしは思う。 体中が痛い。とても痛くて……頬が、熱い……。 殴られたなんて、ウソだと思った。テーブルから落とされたなんて。 瑛はなんて言った? ……なんていってた? くちごたえ……するな? 影がかかる。上から、瑛の声が降ってくる。「誰のために言ってやってると思ってるんだ?」 そんなの知らない。でもひとつだけは、確かなこと。 あたしのためじゃないことだけは、確かだ。 ずっと、それだけは確かのことだったじゃないか……。 おひとよしの、あきら。 優しいところがすき。 あたしのために、あたしのことをいつも考えてくれる。 あたしのことが、だいすきなたかし。 あたしのもの言いと、態度を気に入って………………。 うそ、うそ、うそ。 嘘がはがれ落ちてくる。 壊れて、砕けて……ぱらぱら……ぱらぱら……。 うそ、ごまかし、つくりもの……ぜんぶ落ちていく。 光りにきらめくほこりのようだね……。 あたしをすてて、今こうしているあたしも、まるでごみのよう……。*****ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.04
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***** あたしは久しぶりに、地元に戻ってみた。瑛を待つ生活は、やめた。 服屋に入ってみる。冬物が入荷されていた。店の中をひと巡りして、あたしは自分の好みが変わっていないことに安心した。今着ている服には、ぜんぜんそぐわないデザインだけど。「……奈々生?」 ためらいがちに、後から声が掛けられる。「……ナナオ……だよね?」 もういちど、そう呼ばれる。瑛のところで、ずっと 『奈々』 と呼ばれていたあたしを、奈々生と呼ぶその声は、とてもなつかしい。あたしの名前を、うしろのほうを強めるように 『ナオ』 と呼ぶ。 あたしは急いで振り向き、相手の名前を呼ぶ。「フジムラ?」 声がかすれてる。もうなんだか永遠に呼べない気がしていた名前を口にして。「ナオ~。どうしてたんだよ、今まで。行き先ぐらい言ってから消えてよね」「ごめん」 藤村は謝るあたしのことを、じっと見つめた。「なんかナオ、落ち着いたね。はじめ誰だかわかんなかったよ。……男できたの?」「うん」「そっか、でもたまにはガッコにも顔出しなよ。卒業できなくなっちゃう」「うん」 あたりまえのことだけど、藤村が変わってないのが嬉しかった。かわらずに接してくれるのがうれしかった。「……そいつのとこにいるわけ? 今」「うん」 あたし、さっきから 『うん』 しか言ってない。なにかもっと、まともに話したいのに。「行ってもいい?」「うん……は!?」「見たい」 駄目だと言いたいような、ものすごく来て欲しいような、おかしな感じがした。「いや……それは…………うん、いいよ」 瑛の部屋に着くまで、あたしたちはたくさんの話をした。ひさしぶりに 『話をした』 という実感があった。フジムラのほうの近況。みんなのこと。 あたしのことを、深く聞いてこないフジムラの気づかいがうれしかった。 ……帰りたいな。ふと思った。そんな自分が悲しかった。「結構いいとこ住んでるね。何してる人、そいつ」「リーマン。でも酒、駄目なんだよ、あきらは」「あきら……か。セイちゃんも酒、だめだよ」「フジムラの恋人?」「ふふ。そう」「そっか……いいな……」 つぶやくあたしのことを、藤村が驚いたように見ている。なにかおかしなことでも言ってしまったのだろうか、あたしは。 藤村は首を軽く左右に振って、煙草を取り出し、火をつけた。あたしは灰皿を差し出す。「どんな奴なの? アキラって」「……あ、ちょっと待って。ご飯作らなきゃ。今日の帰り、早いって言ってたから……」「……わたし、帰ろうか?」 フジムラの目が、ちょっと怖い感じがする。なぜだ。「ううん、食べていきなよ」「……なんか、手伝おうか?」「いいよ。すわってて。お客さんだもん」 あたしがそう言うと、フジムラはため息をつくように、煙草の煙を吐いた。 ごく簡単な料理を作って、リビングに戻る。フジムラは煙草を吸いながら、あたしのことを見ていた。「ナオって、メシ作れるんだ」「すじがねいりの一人暮らしだったからね、あたし」「わたしはレトルトばっかだよ。私が料理するとさ、なんだか意味不明な、得体の知れない、不気味な何かが出来上がるんだもん」 フジムラは煙草をもみ消して、箱を軽く振りながら、あたしに差し出した。「ナオ、いらないの?」「……やめてんだ、あたし」 すごく言いにくかった。なんだか反応がこわかった。「…………まじで?」「うん……嫌がるし」「アキラとかいう奴?」「…………うん」「……愛だね」「そうかな……」 そうなんだろうか。そうなんだろうか……。 しばらくあたしもフジムラも黙っていた。 なんだか沈黙が苦痛になってきた頃、フジムラが言う。「あのさ、ナオ」 その時。 かつん、かつん…… 足音が聞こえた。続いてドアを開ける音がする。かえって、来た。「ただいま」 近づいてくる。こっちにくる。あたしはなんだか緊張しながら、その瞬間を待っていた。「おじゃましてます」 フジムラが軽く頭を下げる。瑛は無言で、奥のへ屋へ行ってしまった。 どうして……?「ごめん、フジムラ。ちょっと待ってて」 あたしは立ち上がって、瑛のところへ向かった。「……誰?」 不機嫌そうな瑛の声。「トモダチ……だよ」 やっぱり瑛は怒っている。そんな気は……していたけど。「人の留守中に、勝手に他人のこと入れるなよ」「ごめん。あの……久しぶりに会ったから。ね、三人でご飯、食べよう?」 謝ったけど、瑛はまだ怒っているみたいだ。「煙草、吸ってただろ」「友達が……」 あたしが吸ったわけではないのに、なんだかひどくうしろめたい。「あの子が帰るまで、俺はここにいるから」「……なんで?」「あんなろくにもの考えてないような奴らと、付き合い持つなって言ってるんだよ」 怒ったみたいに、瑛は言う。「よしてよ」「せっかくナナは、まともになってきたのに」 あたしの心の中に、冷たい風が吹いているみたいだった。凍りついてしまいそうだ。「早く帰らせろよ」 瑛はそう怒鳴った。信じられない。「聞こえるよ」「聞かせてるんだよ」 大声で怒鳴る瑛を、あたしは信じられないものを見るように、見ていただろう、きっと。「おまえのためにならないだろ。あんなのと関わってたら……ったくこんなんじゃ、俺のいない間に、誰連れ込んでるかわかったもんじゃない」「…………もういいよ!!」 あたしは部屋を飛び出し、後ろ手に戸を閉めた。「ごめん、フジ……」 フジムラはもうそこにはいなかった。灰皿から立ちのぼる、消し損ねた煙草の煙が、やたら目にしみた。泣いてしまいたかった。ものすごく泣きたかった。 だけど、瑛の前で泣きたくなかった。 このひとは、あたしのことを、泣かせてもくれないのだ。そう思うとなおさら悲しかった。どこかへ行きたい。ここじゃない場所へ。 あたしは靴をはいて、日の落ちた外へと飛び出した。 行くあてなんかなかった。そんなこと考えてる余裕なんてなかった。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.03
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*****「今日、友達来るから」 瑛がワイシャツを着ながら言う。あたしはコーヒーを淹れながら聞いた。「……何人?」「3人くらいかな。女ばっかりだよ。鍋用意して、待ってて。材料は持ち寄るから」 つまんねえの。夕食材料代は、今日は無しかよ。男は来ないんだ。へ~え。あたしは心の中でぶつくさ言いながら、返事をする。「わかった」 嫌だな。そう思った。瑛のトモダチは嫌いだ。嫌いなタイプばっかりだ。特に女は最低。あたしは瑛に連れられて、そこに交じったことが何回かある。そしていつも、ひどくつまらない思いをした。早く帰って欲しい。早く帰りたい。そう思っていた。 女たちは何がおかしいのか、始終くすくす笑っていた。ものすごく鼻につく、うそくさい笑い。何が楽しいんだろう、あの人たち。 こんな不味い酒ははじめて。真っ先にそう思った。そしてトイレにこもってゲロゲロ吐いた。そうだ、酒飲んで吐いたのも初めてだ。 瑛と暮らしてから、あたしは一人のときにしか、酒を飲まなくなった。瑛はあたしが飲むといい顔をしないし、そいつらと飲むと、どんなにちょっとの量でも必ず吐いてしまうから。 日が、暮れてきた。あたしはエプロンを着けて、瑛の帰りを待つ。「きゃー、奈々ちゃん、元気だったー?」 瑛の 『ただいま』 はこの声で消された。「おかげさまで」 何がおかげさまなのかは、あたしも知らないが、一応答える。「あがったら、絵理香さん」 スリッパを出してやる。エリカに続いて2人の女があがり込んでくる。なまえはよく覚えていない。あたしはもともと、人の名前を覚えるのは苦手だし、こいつらにはまったく興味が持てなかったので。 エリカだけは、覚えた。あたしがここに来る前にも、何度か顔を見たことがある。あんまりにも好きになれないタイプだと、友達みんなで思った。 パッと見は、いい女っぽいイメージ。露出の高い、身体の線を出す服を好んで着て、アクセサリも、派手だった。 タバコはあきらの友人女性の中では、エリカだけが吸っていた。こいつはいいのかよ、とか思ったものだ。 エリカは瑛のお気に入りだった。エリカが、エリカは……瑛の口から、何度その名前を聞いただろう。「奈々ちゃんって、かわったよね」 自分の名前が出てきて、ぼんやりしていたあたしは、彼女たちの会話をまともに聞こうとした。 言われなくても、そんなこと、自分がいちばんわかってる。なんでこの人はあたりまえのことを、いちいちおおげさに言うのだろう。「なんか更正されたかんじ?」 エリカが言う。何言ってんだろう、こいつ。「はじめて街で見たときさ~、何このあばずれって思った~」 ビッチはてめえだろうが。人の男のトコ、乗り込んできやがって。心の中で毒づく。「高校生って信じられなかったもん。あれでしょ、前一緒にいたコたちもそうなんだよね」「そうですけど」 無視しつづけたかったけど、問いかけられちゃ仕方ない。「ふけてるよねー。ガラ悪いしさ。ああいうのと付き合うの、やめてよかったよね、奈々ちゃんは」「ねえ~」「いますごくかわいいもん」 あんたたちに気に入られても、うれしくねえよ。 思ったことを、言葉にしてはいけないもどかしさが、あたしの思いに加速をつける。そんなあたしのきもちなんざ知らずに、エリカは話し続けた。「子供なんだよね、結局。ああいうコたちはさ。将来ぜったい後悔するに決まってるよ」 ……後悔するかどうかは、経験してみなきゃわからないだろうが。あんたたちにあたしたちの何がわかるの? 絶対にわかりっこない。 あたしたちは馬鹿にしてた。あんたたちみたいな女。ああはなりたくないよねって。知ったような顔して、そのくせなんにも知らなくて、イイオンナぶって、そのくせ家庭的なことを、自慢げにみせつけて。たいしたことも出来やしないくせに。「煙草もお酒も、味なんてわからないくせに、キツいのやってればいい、みたいな? こどもっぽいったら」 くそえらそうにエリカは言った。いらいらする。早く帰ってくれないかな、こいつら。 ……だよね~……でしょう……そうそう……わかるわかる……会話の合間に挟まれる、こいつらの打つあいづちがまた、あたしのイライラを煽り立てる。「あ、煙草きらしちゃった」 その言葉であたしは、ふと我に返った。 嫌だ、煙草って単語に反応してるよ。あたしってば。「俺のやるよ」 瑛が言う。なんだかあきらの声まで遠いみたいだ。嫌になっちゃうな。「えー、瑛ってフロンティアでしょ~」 バージニアスリムじゃなきゃ、やー、とか言ったら大笑いだな、なんて思う。なつかしいな、なんだか。「奈々ちゃん、吸う人だよね? 持ってない?」「……あたしは」「あ、そいつもう煙草、やってないんだ」 あたしのかわりにあきらが答えてくれる。ほっとした。自分で言うのは、なんだか嫌だったから。「吸ってたところでハイライトだぞ、こいつ。やめさせた」 ……なに、いまの。ちょっと……あきら……? 錯乱した。頭の中がはじけてしまったみたいだ。まともにもの、考えられない。目の奥が熱かった。喉の奥がひどく軋んだ。泣き出してしまいそうだった。 嫌だ。こんなところで泣きたくない。こんな奴らの前で泣きたくない。「よくそんなキツいの吸ってたね」 エリカがなにか言ってる。誰かとめてよ。泣いちゃうよ。「あたし駄目~。バージニアスリムメンソールじゃないといやなひと……」「ぶはっ」 一気に涙がひいた。時間差で来られると、さすがにウケる。おかしすぎだろ。「ふ……ふふふ…………」「奈々?」 瑛の声。「奈々ちゃん?」 エリカの……くっ……あは……笑いがとまんない。「あはははははははっっっっっ」 あたしはしばらく、どこかおかしくなったように笑っていた。こんなに笑ったのは久しぶりだ。こんなくだらないことで笑ってる。ばかじゃねえのって、じぶんでツッコミたくなるほど……だけどなんだか気持ちがよかった。「…………きにしないで。笑いたかっただけ」 笑いをこらえてあたしは言う。捨てたあたしをすこし、拾った気がした。「なんだよ、さっきの態度」 みんなが帰った後で、瑛が言う。思っていたほど、帰ってくれた嬉しさはなかった。何かが変わった気がした。ほんの少しだけ。あたしはすこし考えてから、慎重に言う。「ごめんね。酔ってたんだ、きっと」 瑛はそれで納得したようだった。でもね、そんな言い訳が通じてしまうこと自体、おかしいとは思わない? ……ねえ、あきら。 ねえ、おかしいとは思わない? 瑛……?*****ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.03
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「あたしの、どこがすき?」 確かめたくて、あたしは聞いた。「今、言っただろ?」 うそつきだね、瑛は。「奈々は? おまえはどうなんだよ」「やさしいとこ」 …………あたしも、嘘つきだ。 うそのことば。つくられたすがた。 瑛は大嘘つきだ。 だって……そのことばが、本当なら…………。「奈々……」 あきらがささやく。「奈々……? 寝たのか……?」 眠りたい。何も考えたくない。どうしてこんなに悲しいんだろう。 …………どうしてこんなにむなしいんだろう。 ふたりで暮らしはじめてから、あたしは夜明けが嫌いになった。朝が来る、ほんのすこしまどろんで、あたしは朝食の用意をする。それが終わると瑛を起こして、一緒に食事をする。そうして瑛は仕事に出かけていく。あたしは長い時間、瑛の帰りをここで待つ。 ただそれだけ。それだけの生活。 それだけになっているあたしが嫌だ。 朝なんて、来なくたっていい。太陽なんて沈んだまんまでいい。 それでも容赦なく朝は来て、あたしはそんな毎日をくりかえす。 すこしずつ、すこしずつ、捨てていった。 波打った長い髪。 凶器のような爪。 履き捨てるような言葉。 鋭いまなざし。 ……気の知れた、トモダチ。 こんなに変わってしまった。こんなに変わってしまったのに……。 どうして……。 …………やめよう、きりがない。一人の時間は長すぎて、どうでもいいことをつい、考えてしまう。 部屋の隅に掛けられた、白いエプロンが視界に入る。まっしろで、ひらひらの、お姫様みたいなエプロン。 白いのは嫌い。つまらないし、なんだか目が痛い。結婚式で新婦の衣装が白いのは、俺の色に染まってくれという、男性の思いが込められていると、何かで聞いた。 ……女の手編みは怨念がこもってそうで嫌だっていう男がいるけど……。 あたしは重たく息を吐いた。そんなこと、どうでもいい。そんなこと、考える必要ない。 ……今日は、何を作ろう。なにをつくろう……。 ごはんだって、はじめはつくっちゃいなかった。一緒に暮らして何日か経って、なんとなく、やってみただけの筈。 あきらはこういうの、喜びそうだと思ったから。瑛が喜ぶと思ったから。あたしは買い物をして、キッチンに立ち、夕食を作った。 つくりながら、そのときは思ったものだ。なんだってこんなことで、瑛が喜ぶとか、思っちゃってんだろう、あたしは……と。 ……こんなことして、喜ぶもんなんだろうか。 帰ってきた瑛は、それはそれはものすごい、はしゃぎようだった。ものすごく喜んで、どうってことない料理を、片っ端から褒めまくった。料理レポーターかよ、思ったけど言わなかった。 そして次の日、あのエプロンを買ってきたんだ。 ……あのときから。 ささくれだった爪の付け根が、心地よいシーツに引っかかるみたいに、何かがあたしの心に引っかかるような気がした。*****「プレゼント」 瑛はそれを嬉しそうに差し出した。白いエプロンを。「あたしに?」「うん」「……あたしのために?」「そうだよ」「あたしへの、プレゼント……?」「そうに決まってるだろう? おまえが喜ぶと思ってさ」 言葉が、出てこなかった。何を言ったらいいのか、わからなかった。「どうかしたのか?」 やさしく掛けられる、瑛の言葉。「…………ありがとう」 涙が出た。なんだか泣けてしまって仕方がなかった。 あきらはそんなあたしを、優しく抱きしめて、ずっと頭をなでていてくれたっけ……。 変わらなくちゃいけない。変わらなければ。自分の思いに脅迫されるように、あたしは変化に加速をつけていった。「うそつき……」 じぶんのつぶやきに、はっとする。言葉にしてしまうと止まらない。泣いてしまいそうになる。 うそつき……うそつき……うそつき……うそつき……うそつき…… あたしも、あんたも、嘘つきだ。 早く夜が来ればいい。あきらの顔を見れば忘れられる。こんなやりきれない、訳のわからない思い。一緒に眠っていたい。朝が来なければいいのにと思う。 朝が来て、あきらが仕事に行ってしまうと、もうあたしは生きてはいないもののようだ。ぐにゃりとした、おかしな物体。 そんなふうに、あたしは3ヶ月も暮らしていたんだ……。「子供、欲しいな」 ベッドの中で、あたしの髪をなでながら、瑛は言った。 あたしのすべての思考が止まった。なんて言った、このひとは今なにを……。 信じられない言葉を聞いた気がする。どうして? ……どうしてだろう。「かわいいだろうな。俺と奈々の……」 なんと続けたのかはしらない。 あたしはそんなこと、考えたこともなかったのだ。そして、考えてはいなかったのだ、そんなことは。 このひとが望んでいること、あたしが望んでいること。 このひとが望んでいるもの、あたしが望んでいるもの…………。 このままではいけない気がする。早く何とかしなければ……。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.02
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「大丈夫か」 不意に耳元でささやかれた言葉に、飛んで行った意識を引き戻された。「………………」 何か言おうと思うんだけど、舌がうまく回らない。神経がどっかおかしくなってるみたいだ。「……あきら」「ん?」「あたしのこと、すき?」「……どうしたんだ、急に」「どうして、あたしのことすきになったのかなって……」「……印象、強かったんだよ。変わった子だなって。言う事もやることも、酔っぱらってるとしか思えなくてさ」 すこし考えてから、瑛はそう答えた。あたしはなんだか、このまま眠ってしまいたくなった。だけど瑛は言葉を続ける。「……でも、素面でも変わらなくて。なんだかすごく、気に入った」「…………そうなんだ」 だいぶ間をおいてから、あたしはやっと、そう答えた。「どうしたんだ? ホントに何かあったのか? 大丈夫か、奈々」 心配そうにいたわりの言葉をかけてくる瑛の胸に頬を寄せて、あたしは独り言を言うようにつぶやいた。「くちぐせだね……それ」「なにが?」「……『ダイジョウブカ?』」***** 出会ったときもそうだった。夜の道端にしゃがんで、人も車も気にしないで、大声で歌っていたあたしにかけられた声。『……きみ、だいじょうぶか?』 瑛の腕に、優しく頭を抱えられて、思い出す。 ……ずいぶんあたりまえのセリフをはく奴だなあ、と思った。だいじょうぶか、だって。 心配してんのは身体かなー、頭かなー、なんて、あたしは思って。「あははははっ、平気平気」 てのひらをヒラヒラさせながら、ガードレールの上に腰掛けて、答えたあたし。こんな見るからにアブナイあたしに声かけるなんて、すてきな親切心ね。ぐれいとな下心ね。ナイスなあなたに敬意を表そうっ……てんで、そのセリフのあたりまえさに張り合ってみた。「さっきげろげろリバースしたばっかだから、もうすっきりさっぱりよ。あとは口からウンコでも出しゃあ、そりゃあきっと気分ソウカイよね」「……大丈夫か」 あきらは、ものすごく心配そうな顔になった。予想外の反応だ。絶対ひくと思ったのに。なんちゅう御人好しなんだろう。さあて、どこまで続くか、おひとよし。「……家、どこなの?」「アイム、ノー、ホーム」「…………」「あたしのおうちは段ボールなのさ。かっこいいだろ?」「……交番で、保護してもらおうか?」「指名手配中だからヤダ」「…………」 そこで絶句するか、兄ちゃん。冗談にきこえなかったのか、今の。「……あんたん家、いこーよ。あんたんち」 つれて~にげてよ~、なんて歌ってみるあたし。 さあてどうする、おひとよし。「……行こうか?」「よっしゃ、キマリ」 ばんっと、ガードレールから飛び降りたあたしを見て、あきらは随分驚いていた。「…………大丈夫か? 肩を貸そうと腕を伸ばしてくる、やっさしー兄ちゃん。「平気だって言ったじゃん。酔ってねえもん」 あたしはそれを無視して、自販機に向かう。ワンカップ2つ購入。ひとつをあきらに差し出した。 受け取りはしたが、それを飲もうとしない。あきらはごくごくと喉を鳴らしているあたしを、呆けたように見ていた。「飲まないの?」「……酒、苦手なんだ」「ダセエぞ。兄ちゃん」 あたしはあきらの手からそれをひったくり、一気に開けてしまった。手の甲で口をぬぐってからたずねる。「あんた、何してる人?」「……サラリーマン、だよ」「酒飲めないでよく勤まるねえ。褒めてあげるよ」「きみこそ、何をしている人なんだ」「コーコーセー。ぴちぴちのじゅうななさい」 ……信じてないな、その目は。学生証だって持ってんだぞ。 みせてやろうと思って、ポケットの中を探す。指に触れたのはタバコだった。まあいいや、学生証なんて。 あたしはハイライトを取り出して、口にくわえた。火をつけたなりに、それをひったくられてしまう。「タバコ、よくないぞ」 そう言ってポイしやがった。そんで、自分のタバコ出して、吸ってやがんの。「自分が吸うくせに、人にそういうこという奴って嫌い」 それにが吸うんだったら、あたしの煙草、ポイ捨てしないで、吸いかけ吸ったほうがドラマじゃん。とか思いつつ、煙草を持つあきらの手元を見る。んで、納得。 『いちばん軽いフロンティア』 だ……コイツのタバコ。「あたしそういう、半端な煙草吸う人も嫌いだよ。そんな煙ってんだかなんだかわかんねえもんを、しかもフカシで吸うくらいなら、吸わなきゃいいじゃん。めちゃくちゃカッコ悪いよ」「オンナノコがハイライト吸ってるのは、格好悪くないのか?」「じゃあ何か? やっぱ女はバージニアスリムメンソール? それこそかっこ悪いじゃん。 『あたしい~バージニヤシュリムのメンショールじゃなきゃあ~いやなひとなの~』 って? バーカ。死んで来いよ。それともあれか? イブサンローラン? ミラショーン? タバコにまでブランド求めるのって、アホくっせえよ。だいたいね、いい年ぶっこいて口すぼめてタバコ吸う人に、ンなこと言われたくないね。フカシなんて、ダッセエことしてんじゃねえよ」「……酔ってるだろ。相当」「あたしはこれが、ふつうだよ」 あたしはこれが、ふつうだよ。確かにあの頃はそうだったのだ。それなのに今のあたしには、前のあたしが普通だなんて思えない。おひとよしのあきらに、作り変えられたあたし。 瑛の普通になりたくて、なった。 まるでぼろくずのようだったあたしの生活。全部捨てて、あきらとのあったかい暮らしをはじめて……。 なんだかお芝居をしているみたいだ……。あたしはぎゅうっと目を閉じて、頭からそんなことを追い出そうとした。
2010.04.02
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ものすごく久々に小説です。すみません、白銀じゃないです。現代物の、恋愛もの? 微妙です。昔に書いたものです。1997年。+++++++ だって、いらないと思った。 なにやってるんだろう、あたし。 あたしはごみっための中にいる。 しょうがないじゃん。こんなあたしは、いらないと思ったんだから。 ごみのように捨ててしまった、いままでの、あたし。 髪を切った。 眉毛の上で切りそろえた前髪。 サラサラのストレート。 ぺたんこの靴。長いフレアスカート。 やめてしまった、煙草。それから―― ――白いエプロン……。 『あたし』 を捨ててしまってから、時々感じるおかしな感覚。 なんなんだろう、これ。あたしがあたしに見下ろされているような……。 TRASH DUST ~ごみくず~ 誕生日プレゼントは、ワンピースだった。 うんざりするほどスカート丈が長くて、そのうえ裾が広がっていて、全体的に小花が散らしてあるような。 『奈々に似合うと思って』 ……そう言って渡されたそれは、まったくあたしの好みではなかった。 だけど、あたしはきれいにラッピングしてある箱から、それを取り出してほほえんでいる。「ありがとう。嬉しい」 さらりと言葉が出てくる。そう言ってしまえば、あたしは本当に嬉しくなったような気がしてくる。 こんなのを金出して買っちゃう奴の気が知れない、とか思っていたようなそれを、いそいそと身につける。 鏡の中のあたしは、ひどく嬉しそうだ。幸せそうだ。 信じられないな。こんな格好して喜んでる、あたし。 もう一度、微笑んだ顔を鏡に映して、あたしは瑛にその姿をみせに行く。きっとあきらは喜ぶだう。ものすごく満足するだろう。 思った途端、表情がぎこちなくなる。 いけない。こんな顔して。あたしは今、とても幸せなんだから……。「やっぱり似合ってるよ、それ。すごくいい。もっとそういうの着ろよ」 ……似合ってないよ。すごく変だ。絶対ヘンだ。似合うわけねえだろ。だいいち似合いたくねえんだよ……とか思いながらも、明日、こんな感じの服見に行こうかな……なんて考えてるあたし。 男の好みに合わせる女なんてサイテー。自分の好みや理想、押し付ける男なんてサイアク。自分がタバコ吸ってるくせにさ、ひとに吸うなとか言う男、ソッコー蹴りだよね、ケリ。 ちょっと前までそんなこと言ってたくせに。 仕方がない。ほれているのだ。 だからいいのさ、こんなささいなこと。 あきらが喜ぶなら、別に服くらい、どうってことない。 タバコだって、別にやめたっていい。あたしの身体のことを、考えて言ってくれてるんだよね、あきらは。服だって、今まで着ていたようなものより、こっちのほうがいいって、あきらが言うんなら、あたしはきっと今まで、よほど似合っていない服を着ていたのだろう。 きっと似合っていなかったんだ。今までのあたしのすべて。髪型も、化粧も……友達も。 三ヶ月。そうやってあたしは、あたしを捨てていった。 いらないと思った。瑛の好きじゃない、あたしの 『部分』 そんなものはゴミだ。捨ててしまえ。ばいばーい、とか思ったんだ。 そうやって瑛のために変わっていったあたし。 なんだかすっかり馴染んでしまって、まるでなんにも知らないおじょうちゃんみたいだ。今までの服も、靴も、化粧も、もうきっと、ぜんぜん似合いはしない。 そう、きっと似合わない。だけど。 あたしはなんだか、とてもこわかったのだ。あのワンピースを着て、ほほえんでいる自分が。 これはいったい、誰なんだろう。あたしであるはずがない。 でも、それは他の誰でもなく、まちがいなく、あたしだったのだ。 なんだかもう、とても昔のことのような気がする。 あの頃のあたしは、ろくに学校にも行かず、友達と一緒に、昼も夜も関係なく、そこらじゅうをふらふらとうろつき回っていた。 ろくでなしの、あたしたち。 あの夜、くさるほど飲みまくって、うっかり置き去りにされてしまったあたしを拾ったのが瑛だった。 それからあきらとの、ままごとのような生活が始まって、ろくに行ってなかった学校へは、完全に行かなくなった。友達にもぜんぜん会っていない。まるで世の中から、切り取られてしまったような、あたしの生活。 あきらとの出会いを、懐かしく思い出す。なんだか夢でも見ていたみたいだ。本当にあったことだなんて、今は思えない。 あんなあたしがいたなんて、あたしというものが、あんなふうだったなんて、どうしても今は、信じられないことのようで。「大丈夫か」 あきらがたずねてくる。あたしは意外なことを言われて、どう反応すればいいのかわからなかった。「……なんで? 大丈夫だよ、あたし」 ほっとしたようなあきらの顔。「元気が無さそうに見えたから」 両手でほっぺたを包まれる。ちょっと冷たい手。みつめてくる目が優しい。あたしはなんだか、あきらが気の毒に思えた。「……元気だよ……そんなふうに、見えた?」「いや……なんとなくだけど」 あきらの腕が、あたしを抱きしめる。やさしく髪をなでてくれる。とても大切そうに、とても愛しそうに……肩でぶっつり切ったストレートを……。 あたしはなんだか、とても悲しいきもちで、その指の動きを目で追った。「気のせいだよ、きっと」 そうっと。つぶやいてみる。あきらの指の動きが止まり、あたしの顎と頭を支えられる。近づく瑛のくちびる。目を閉じてあたしは、触れられるのを待つ。そして、その先を……。 頭の中で、さっきから鳴り響いている瑛の言葉。 大丈夫か……大丈夫か……大丈夫か…… ……気のせいだよ、きっと。心の中であたしはくりかえす。 そう、ぜんぶ気のせい。きのせいなんだ……。+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.01
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そんなわけで、帰って来ました。娘。早いな、おい……。なんか、明日は12時までいさせてみます、とのこと。夕方までになるのは、いつだい? ε-(o´_`o)ハァ・・それはそうと、台所にハエがいるんだよ……。ハエ叩きは、どこだ ((;ω;))毎年、夏場になると、探す……。つか、ちょっと早くない!? ハエ (*`д´)!!どっから湧いた~~~~!!はたきころしたい……いや、ハエをだよ?娘は、一応もたせた水筒の中身の麦茶を、うしろで美味しそうに飲んでいるよ。一応持たせたご飯は、無視してパンを貪ってたよ。朝、たべたやん……。保育所で、小魚アーモンドも食べたんだろ?いいんだ、がんばったがんばった ( ´Д`)ノ(´・ω・`)+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.01
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保育所の入所説明会、ちゃんと行ったんですよ?説明は一言もなかった。 『慣らし保育』そういうものが、あるということは、話にはきいていた。でも、自分が入れるところには、ないと思っていた。だって、説明するでしょう? あるんなら。10時までしか預かってくれないって、何さ (*`皿´*ノ)ノ ⌒ ●~*明日もですか? そしていつまで続くんですか、これ。なんか、個人個人によるってどういうことですか?ゴールデンウィークくらいまでかかる子もいるって、どういうこと!?……負担が増えただけな気がする。朝起こして、飯食わせて、着替えさせて、行く準備して……。毎日やって、しかもたった2時間しかみてもらえない。暴れてしまいそうです (〃*`Д´)……まあ、いいや。そのうち行くんだし (。>皿<。)+++++ランキングに参加しています。拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.04.01
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