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***** グレンは黙り込んでいた。静かな部屋の中で、シイナが凍った雪を踏み、浚う音が聞こえる。「グレン、どうしたんだい?」 何か考え込むように、黙っているグレン。シフィルは紅茶を入れて、グレンの前に置いた。「……外に、誰かの足跡があったね。きみと、もう一人」「カイルだ」 やっと口をきいたグレン。「……言っていた通りになったね」 シフィルは微笑んで、自分のカップにも紅茶をそそぐ。「雪はどうにも出来なかったけどな、あいつ」 グレンはふっと笑って、つぶやいた。「泣かせちまった……」「きみもよく泣いていたね」 ここに来た頃に。シフィルが言う。グレンは苦笑して答えた。「どうかしてたんだよ……俺」 シフィルは思う。当然だ。今までとは違うところに、違う状態で一人、取り残されたのだから。あの頃のグレンは身体も精神も不安定で、目が離せなかった。シフィルはどこか懐かしく思い返す。「あいつも、そうなのかな……」 グレンはつぶやく。「カイルのことかい?」 たしかにカイルは不安定だとシフィルは思う。だがそうさせてしまったのは自分たちだ。この国のすべての人間だ。 シフィルが思いに沈んでいると、グレンが誰に語るでもなく、言った。「あいつ……すこし様子が……」 そういって、言葉をとぎらせたグレン。カイルはおかしかった。自分のことを、俺に重ねているような……。それにあの、腕の痣……。 誰も気づいてはいないようだけれど……。口元に指を触れて、考えてから、言う。「あいつ、何か……おかしくないか?」「……何がだい?」 シフィルはグレンが何を考えているのかわからなかった。 グレンは再び黙り込む。そんなグレンをシフィルは不思議そうに見つめていた。 グレンは紅茶を飲んで、シフィルの名を呼ぶ。 呼ばれたシフィルはグレンをじっと見つめた。グレンもシフィルの目を見て、言う。「考えてみてもいい」 唐突に言われた言葉に、シフィルは何をだろうかと考えた。 再びしばらく黙り込んで、ゆっくりと茶を飲んだ後、グレンは言う。「……医者になってみてもいいと、思った」 なれるなら、な。グレンは自嘲するようにそう言った。「むいていると思うよ、きみに」 シフィルが微笑む。グレンは目を閉じた。「見習いにしか、なれないよな」 どこか悲しげに笑うグレンに、シフィルは言った。「優秀な助手は、欲しいと言っているだろう?」 グレンの、何かが変わった。シフィルは内心驚いていた。グレンがこんなことを言い出すなんて。「じゃあ、俺はこれからおまえの助手だな」 グレンは微笑みながら、静かにそう言って、茶を飲んだ。 シイナが汗だくで診療所に入ってくる。「あちい~」 上着を脱いで、ばさばさと仰ぐようにするシイナに、グレンはタオルを差し出した。「おつかれさん。助かったよ」 そんなグレンを不気味に思いながら、シイナは汗をぬぐって言う。「なんか、おまえ、きもちわりいぞ」 グレンはやけにニヤニヤしている。シフィルがシイナに手を差しのべながら言う。「失礼なひとだね。私の助手にむかって」 言ったシフィルにシイナは呆気に取られた。「見習い医師の次は、助手かよ」 シイナは呆れながらタオルをシフィルに渡した。「経歴詐称っつうんだぞ、そういうの」 シイナが軽く睨んでそういうと、シフィルはくすくすと笑っている。なにがなんだかわからないといった様子で、シイナは天を仰いだ。何が楽しいんだか。 そんなシイナに、グレンは薄く笑いながら言った。「……俺は、カルセイグのグレン。診療所医師、シフィルの助手だ」****** 序章 了 ******ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.31
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もう、泣いたりはしない。グレンに泣いても構わないと言われて、カイルは逆にそう決意した。もう泣くものか。わたしはもう、絶対に泣かない。 そんなカイルを、グレンはどこか悲しげに見つめていた。***** 診療所を後にするカイルを見送り、グレンはため息をついた。 シフィルがあくびをしながら、自室から起きてくる。目を指でぬぐい、眼鏡をかけた。「おはよう」 シフィルが声をかける。グレンはぼんやりとしながら、シフィルを見た。編まれた髪の毛が滅茶苦茶になっている。「まだ寝てればいいじゃねぇか。シイナはねてるんだろ?」 呆れたようにグレンは言った。「薬をね、つくっておかないと」「俺の?」 いつも悪いなと言いながら、グレンがそうたずねると、シフィルは苦笑して言う。「きみのはきちんとあるよ……そうじゃなくて、酒の薬」 ちょっと過ぎてしまったみたいだねと、シフィルは部屋でいびきをかき始めたシイナのほうを見る。「飲みすぎなんだよ。二人とも」 グレンは呆れたように言った。「久しぶりだったからね。楽しい酒だったよ」「……昨日のこと、覚えてるか?」 意地の悪い笑みを浮かべて、グレンが言う。シフィルは少し考えて、答える。「…………あまり」「たしかに楽しそうだったな……阿呆みたいだったぞ。シイナもだけど、おまえも」 なんとなくは覚えている、だけどシフィルはあまり思い出したくないような気がした。「シイナは酒に強い。薬は必要ないと思うけどな」 グレンが言うと、シフィルは頭をかきながら答えた。「わたしが欲しいんだよ……きもちが悪くて」 さっさと薬つくって、飲んで寝ろ。グレンは言って、シイナのところへ行った。「シイナ。起きろよ。仕事だ」 耳元でグレンが話しかけると、びくりとして跳ね起きるシイナ。辺りを見回して、やっとグレンに気づく。「……びっくりした」 シイナは大きく息を吐いてつぶやいた。「なにかとおもったじゃねえか」 そういってグレンを軽く睨む。グレンは笑った。「昔のことでも思い出したか?」「しごととか言われるとなあ……。やっぱ反応しちまうなあ」 頭を掻きながら大きくあくびをして、伸びをする。「傭兵さんだもんなぁ」 グレンがニヤニヤしながら言う。シイナはむくれて言った。「おめえもじゃねえかよ」「俺はもう違うな。見習い医師だ」 涼しくいうグレンに、あのなあとシイナが突っ込みを入れようとすると、後から声がする。「そうかい? グレン。きみは、見習い医師なんだね」 薬を持ってきたシフィルだ。グレンは無表情になり、無言で自分の薬を受け取る。「その気になってくれたのかい?」 無言で薬を飲むグレンにシフィルは話しかけた。グレンは答えない。 シフィルは仕方がなさそうにシイナに薬を渡した。「いらねえ。そういうの飲むと、かえって調子悪くてよ」 そういって、薬を拒否するシイナにシフィルは言った。「元気そうだね。体調もよさそうだ」「おうよ」 答えたシイナに、シフィルはにっこりわらって、言った。「じゃあ、外の雪を頼めるかな。私はなんだか二日酔いみたいでね」 そう言ってわざとらしく頭を押さえ、シイナに返された薬を飲むシフィル。「おめえはなあ」 シイナは呆れたように言って、ごきごきと身体を鳴らし、立ち上がる。「しょうがねえな。行ってくるか」「いってらっしゃい」 シフィルはにこやかに笑う。 ……っとにてめえらは……と、ぶつくさ言いながらシイナは雪の中へ出て行った。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.31
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ワープロに入っていたFD。時間もあったので、印刷してみました。感熱紙で。日に当てなければ、14年もつ し、別に~ (*≧∀≦)いろいろ、楽しいです。昔の自分の書いたものは。全部書きかけ。どうも、書きかけ用のFDくさい。『GOLD』も『FOR YOU』も無かった。その書きかけの中に、『白銀の炎』が、あるわけですよ。……よかった、書きかけで……ありがとう、昔の俺。PCに入っていない文章も出てきた。自分で読む。一人で面白がる。アホだ……俺 (´-∀-`;)いやあ、残しておくものですよ。過去の自分の記録。『白銀』について語ってみましょう。シフィルさんが、すこしガラわるくて、意地悪でした。シイナさんは、金髪じゃありませんでした(青みがかった銀だってさ)そしていまよりちょっぴり、上品でした。カイルくんの年齢は、15歳でした。馬に乗って移動をしていました。そのほうが理にかなっているという気がするのに、なんでPCに打ち込んだときには、徒歩で城と診療所を往復しているんだろう。あと、こんな文章が削られていました これです↓「ヨギって、女いたの?」「……おまえは自分のところの皇帝にもそういう口のききかたをしているのか?」「ああ、セツはそういうの気にしねぇし」「成る程」 シフィルはまだ幼さを残した黒髪の少年を懐かしく思い出す。彼も今ではきっと、凛々しく威厳のある皇帝になっているのだろうが……変わらないものは変わらないらしい。その前後でグレンは、きちんとサラのことは知っているような発言をしていました。だから削ったんだろうな。カイルの年齢を12にしたのは、なんとなく覚えている……。年表のようなものを書いたような気がする。無理があるだろう、と思ったんだよね。親子関係に。はじめ、グレンは27歳だった。グレンはPCでは、29歳スタートです。なんとなく、自分がグレンの年齢を超えるのは嫌だったんだよな。覚えてるよ。それは。一時期、28歳で固定だったこともある。自分がグレンの年齢(28歳)になったら、なんとなく何かが変わるような気がしていた。……変わりましたとも。見事に何もかも (´-∀-`;)私は28で妊娠と結婚をしました。気づかなかったよ。子が出来てたなんて。3ヶ月ほど、気づかないで腹の中にほったらかしだよ。娘。なにか、願いを込めて書いていると、それは本当になるような気がする。自分が望んだ方向に向かうとは限らないけどね ネッ(oゝД・)bいまではもう、グレンよりも年上なんだなあ、私。なんだか不思議だ。はい、そんなわけで、明日からはまた『白銀の炎』です。3回分くらいあるかな。序章はそこで終わり。そのあとは、どうなるかは未定です。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.30
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そして、今の私。2010年ですね。もう本当に大昔ですね。14年前です。これを書いていたとき、わたしは18歳だったということだ。……若いな。作品について。1999年版あとがきにも書いたような、足りない部分も、もちろんありますが、それ以上に。『リーダー(……)とダッシュ(――)が多すぎ』『一人称と三人称がめちゃくちゃ』そのへんは修正してもいいかな、とも思ったのですが、あえて、そのままで。これを書く前はずっと一人称小説ばかり書いていました。初めての三人称小説です。思い出深い。『GOLDの後に書いた二つの話』 これはねぇ。ひとつは、イラストだけあります。友人に描いてもらったものです。そこまでしてもらっておいて、結局、本にはしなかったような気がします。内容もなんとなく覚えています。現代の日本の、恋愛物でした。無かった事にしたかったのでしょう。影も形もありません。イラストだけが大事にとってあります。もうひとつは、たぶん 『FOR YOU』 の事だと思います。これはすでに、ブログにUP済みです。この話と 『GOLD』 は、私の中で、双子のような感覚です。そして現在進行中の、『白銀の炎』 ですが……。FDの中の作成日時が、1998年、1月1日になっています。自分でも驚きました。そんなに前か!? そしてなんておめでたいのだ。私は。ちなみにタイトルは、『紅蓮の炎、白銀の雪』 というものでした。しかし……そんなに前のものを、未だにひきずり続けている私っていったい……。昨日、序章を無理やり終わらせました。後ほどUPします。他のものの作成日は、247と表示されていて、わけがわかりません。更新日時も同様です。もう過去のものだから、いつ書いたとのかいうことは、忘れろということなのだろうか……。ワープロ様よ……。なんだかんだ言いましたが、わたしは 『GOLD~ 太陽の黄金』 が、結構すきです。1999年の 『あとがき』 の続きが、気になります。どう続けたんだろう。それは永遠の謎、ということで。2010.1.30. 777・にーさらにコメント欄でも言い訳してます。気が向きましたら、どうぞ (;^ω^)*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.30
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1999. むかしのわたし、いまのあたし…… この話を書ききった自信がないと言っている昔のわたし。いつか青臭いと笑い飛ばせるといいなんていっている、あたし。 こうして時が過ぎて、この話を読んでみて、あたしは困ったことに、笑い飛ばすどころか、『すげえ』 とか思ってる。あたし、成長するどころか、莫迦になっているのでは。確かに昔のあたしには、この話に自信は無かった。そして、この話を書いている当時も、自分の話を読みながら、『すげえ』 と思っていた。 ……あたし、いつになったら成長するんだろう……。 『GOLD』 以降、あたしは2つの話を書いた。そしてその話にはまったく自信がなくて、『GOLD』 を読み返して、その出来の良さに(自分で言うなよ……そんなこと)圧倒されている有様。 莫迦かあたしは。 ……でも、その後のあたしがどう思うかは……知らないし。 そんなわけで 『GOLD』 あたしこの話、まじですきだ。自分で書いたものをすきだと思えるのは、なんだかすごくお得な感じ(莫迦?) ただ、最近思うのだけど、あたしがあたしの書いたものを読んだときと、あたしじゃない人が読んだとき、思うことって絶対、違うんじゃないかな。……今までそんなこと気にもしなかったけどさ。 『精神処理的』 ……あたしが『GOLD』 をすき、おもしろいと思うこと、そしていとおしいと思うこと。それはすべて、このせいなのだと思う。本文中で語られているように『まわりからたくさんのものをもらって、それを返そうとしている』ということが、自分自身ではよくわかる。頭じゃなくて、心で書いたという感じ。 この話にもいろいろ、反省点はあるよ。体言止めと倒置文がうざいとか、展開が早すぎるとか、地の文が少なすぎとか、書き手だけで納得してるとか。……でも、それは今もかわらねぇしなあ。 それでも『GOLD』は、あたしには、とてもきれいに思える。磨いたからね。当時のあたしが、心が痛むくらいにね。がしがし、がしがし、磨いたからね。あたしはそのときのあたしを知ってる。だからよけいにきれいに思えるのかもしれない。 きれいごと、嫌いじゃないよ。きれいだもんね(そのまんまやん) ……そして、キレイゴトって、実はすごく、残酷だと思う。 あたしはきれいごとに傷ついたことがある。だから言うよ。 もしもあたしの書いたもので傷ついた人がいるなら。 注:以下原稿が紛失していて、どう続けたのかわからないです 。゚(゚^∀^゚)゚。フロッピーの中にもなかったので、どこへ行ったやら。別のフロッピーもいったいどこにあるのやら。一枚だけでも。ワープロに刺さってて良かったよ。太陽の黄金は、まるごとその中には、なかったけどね。さらにあとがきは2010年版もあります。しつこい (ノω`*)
2010.01.30
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ATOGAKI ~ こんにちは。大神拓です ~『GOLD~太陽の黄金~』 をお届けしました。いかがでしたでしょうか。ほんの十数ページの短い話ですが、結構根性入ってます。ご感想などいただけると、とても報われます。お叱りや、未熟さの指摘も大歓迎です。でも、読んでくださっただけでも、とても嬉しいです。 私は、この話を文章にすることを、とてもためらいました。なぜなら、あまりにも自分の精神処理的なものが多くを占めているからです。リオルはもろにわたしの分身です。叫んでいるリオルは、もはや他人とは思えません。 ストーリー内で、ティークが歌っている歌ですが、これは私の友人が、実際に語ってくれたことです。(うたったわけではないですよ。普通に会話しました。この人は私の同人外の友人です)本などをあまり読むことのない友人は、言葉の羅列を知らないかわりに、言葉に真実の重みや、物事の本質や、変わった見方などが言葉に現れて、私はいつも、はっとさせられます。私は正直に言って、この話を書ききった自信はありません。『価値観』とか『書くことの意味』とかは、私がとうぶん持ち続け、探し続けなければならないことだからです。でも、今の私が書けるのは、ここまでです。そして、今の私だから、書けるものだとも思うのです。いつか読み返したときに、こんな自分を笑い飛ばせるといいな、青臭いと笑えるといいなと思いながら書きました。それは人間として、『強くなりたい』 『成長したい』 という願いであり、祈りです。私がわたしを見つけられる日が来ることを祈って。 1996.最後に、おわび。この話は一応、単一でも読めるようにはなっていますが、ひどく外伝的要素を含んでいまして……この話の軸になる話が、他にあります。もし興味を持たれましたら、そちらのほうも読んでいただけると嬉しいです。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.29
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*****「わたしの、たんぽぽ……?」 よく意味が理解できず、彼女はティークの言葉をくり返す。「……きみが描いたのは、向日葵じゃない。……そして春に咲く蒲公英でもない。……思い出さないか?」 リオルは目を閉じて、記憶を探る。輪郭が、かすんで見える。リオルのなかの、遠い記憶の残像。 太陽の光を受けて、若草の中で輝く黄金。たったひとつの、きいろ。 優しくて、暖かくて、そして激しいきいろ……それが……リオルを振り返る。 流れる髪は金色。 ――きれいね。とてもきれいね。たんぽぽの花みたい。おひさまが降りて来たみたいだわ。ねえ、あなたのこと、描いてもいい――? 蒲公英の花のようだと思った。暖かい黄色。「…………あ」 そうして思い出す。悲しい表情をしていた少年。 ――あなたの髪、不思議な色をしてる。とてもすてきね。わたし、このまえも、とてもすてきな髪の人に会ったの。たんぽぽみたいな、暖かい、とてもすてきな金色なの。ほら……見て。これ、そのひとを描いたのよ。……なんだか向日葵みたいでしょう? ……でもいいの。お陽様の花だものね。タンポポも、ヒマワリも、彼も、きっと太陽の黄金。……どうしたの? そんなにじっと絵を見られると、てれちゃうな。そんなにこれを気に入ってくれたの? わたしもとても気に入っているの。……でもいいわ、あなたにあげる。……また描くことはできるもの。わたし、あのひとの色、覚えてるもの。忘れられないわ。いつかわたし、あのタンポポの黄色を見つける。描き続けるわ。……だからこれは、あなたにあげるね。……それにあなたみたいなひとがもらってくれるなら、それもなんとなく運命的よね。……だって、あなたの髪―――― あの子の、髪。……リオルは思い出す。目の前にいるティークと同じ、青い瞳の少年。「……わたしはどれほど救われただろう。きみの描いた……黄金に」「…………あな……た」 ティークは頭を包んでいた布を外した。空色の髪がこぼれ落ちる。狭い路地の一角を照らす光に、流れる滝のように。「リオル。私は希望をつなぐことができた。きみの向日葵の中に、私の探していた人の、生命の在りかを、見たから」「……うん」「リオルは、生命を描くことができる。生きていない絵は、もう、かかなくていい」 生きていない絵は、もう、描かなくて、いい――。 リオルはプリシラの描いて来た絵を、心の中で、みつめなおす。「……あのね」「うん?」「……思い出したわ。わたし、きっと、もう平気。大丈夫よ」「……うん」 ティークは微笑んだ。リオルも心から、はじけるように微笑む。「ありがとう……タキ」 なくしていたものを探していた少年の名前は、ティークではなかった。「お礼を言わなければならないのは、こっち。……ありがとう」 それが別れの言葉だった。 ティークは軽く会釈して、リオルに背を向ける。リオルは人波に消えていくティークの姿を見送りながら、プリシラ・リゲルに別れを告げた。 さよなら……プリシラ、さよなら……タキ。 …………ありがとう*****END*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.29
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「……そうあるべき、ものなんだわ……」 リオルは考える。ティークの生き方、ティークの思い。***** 彼女は思う。この人はきっと、自分の周りのものをとても大切にしているんだ。自分をとりかこむいろいろなものを……とても、愛しているんだ。 ああ、だから……だからなんだ。だからあんなふうに歌えるんだ。自分の大切なものに自信があるから、彼にも自信があふれているんだ。 わたしはまわりを信じることも……信じようとすることさえしてなかったわ……愛することなんて忘れていた……。「……わたし」 自分の力だけで、進んでいる気になってた。 偽物の才能に、溺れてしまっていた。 周りのことが、やたらと見えて…… 歪んで……見えて。「見失って、しまっていたのね……」 とても大切なことを、限られた視野に閉ざされて。彼女は涙をこぼしながら静かに微笑する。 ティークはそんな彼女をなぐさめるように言った。「……無くしたことを知れば、探すことができる」 彼は言う。傷つくかも知れないけれど。本当のことを知ることは、痛みを伴うかもしれないけれど。剥き出しの心で生きるのは、とても辛いけれどそのぶん、きっと強くなれる。大きくなれる。優しくなれる。「見つけられるかしら……わたし、自分がわからないのに」「『自分が何者かわかる人間なんて、ただの一人もいない』」 ティークは息をついて、続ける。「……私にそう言ってくれた人がいたよ」 ティークは周りに恵まれている。リオルは思った。自分に無いものを持っている彼が羨ましかった。そんなリオルに、彼は言う。「……私には、記憶がなかったんだ。無くした記憶は、今も戻らない」 彼の言葉に、リオルは言葉を失った。「本当に、何も……わからなかった。何も見えなかった」 それなのに。この人は、どうしてこんなに強いのだろう。リオルは思う。「そのときに、そう言ったひとがいたんだ。……本当に、そのとおりだと……思って」 リオルは思う。彼の強さ。彼の歌う歌。無くしたことを知れば探すことができる、そう言った彼の言葉。彼はそれこそ必死で探したのだろう。そして、たくさんのものを見つけた。 愛して、信じて……彼は歌うんだ。「…………そうね」 リオルはうなずく。ティークは目を閉じて、言った。「何を忘れても、すべてを失っても、忘れるな」 ティークの胸によみがえる、友の言葉。「おまえは、おまえであるということ、おまえはここに在るということ」 ティークの歌を聴いたときのような感覚が、リオルをとりまく。「なにがあっても……」 自分自身に言い聞かせているような調子で、彼はそう告げてからそっと目を開け、微笑んだ。「…………きみのたんぽぽは、私にそう言ったよ」*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.28
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小さいナリに、成長している娘。補助便座にすわって小用を足すと、便座が汚れます (´-∀-`;)別宅の洋式トイレでは、補助便座は使用していません。なのに、うちでは絶対に補助便座……。ちなみにおむつは外れていません。俺 「いいかげん、補助便座使うのやめようよ」娘 「いや~!! ほじょべんじゃーがいいの!!」俺 「だって、あんたもう大きいから、汚すじゃん」娘 「とっちゃダメ~!! ほじょべんじゃ!! ほじょべんじゃ~!!」連呼する娘。……ホジョベンジャーってなんだよ。戦隊モノかよ。おトイレ戦隊・ホジョベンジャー!! トイレで叫ぶ俺。俺 「じゃあなにか? それに座ってるとつよくなれるのか?」娘 「ほじょべんじゃにすわると~、みお~、おかねもちになるの~」ハァ(;゚д゚). . . . . . .!?┬|ョ゚д゚`)。oO 意味不明です。しかしトイレで叫ぶ俺も俺だがな (*≧∀≦)「おトイレ戦隊・ホジョベンジャー!!」ご利用中の方は、一度叫んでみてください。責任は取れませんが (≧▽≦)*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.27
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*****8「はじめは、ほめられることが嬉しくて、描いてた。とても嬉しかったのよ、わたし。……そうして、もっと上手くなりたくて、描きあさった。でも、描いても描いてものぼりつめることなんてできない! ……終わりなんてどこにあるの? レプリカ作りながら、いつもどこかで、ほんとにわたし、何してるのかと思ってた。絵を描くのがすき……? そんなの、欺瞞でしかなかったのよ……」 リオルの瞳から、ぱたぱたと涙が落ちる。強い色の瞳からこぼれ落ちる涙を、ティークは言葉もなく見つめていた。「……わたしの力じゃない……わたしの能力なんかじゃないの。……どうして!? 描いていてももう何も感じなかったわ!! 息が詰まりそう……。どうして……」 リオルは大きく息を吐いて、続ける。「まわりの絵描き仲間に交ざっても、苦しくてたまらなかった。上手いか下手かしかない価値観……。描けるか描けないかしかないような存在意義。気が狂いそう……!! 何を見ているのよ!? ……みんな何を見ているのよ!! ……結局あの人たちにとって描くことは、自分の技術や能力を見せびらかすためのものでしかないのよ!!」 ティークは彼女の言葉を静かに受け止めていた。彼女の心からの叫びを、彼女の思いを、ただ……静かに。「……わたしはもっとひどいのよ。……おんなじことしてるくせに、そうじゃないふりなんてしてる。おんなじくせに、批判なんてしてる。莫迦よ」 そう言って彼女は涙を流しながら、声を立てて笑った。彼女の苦しみ、痛み、彼女の思いを、ティークはその心に刻む。リオルは思いを吐き出し続ける。「何のために描いているの?……なんのために……描けばいいの!?」「リオル……」 ささやかれた自分の名に、彼女はティークをみつめ、叫ぶ。「自由に……心のままに……? そんなことわかってる。そんなの、わかってるのよ!! でも、もうできない……。わたしにはできないの。できないのよ……。捨ててしまいたい。……プリシラの名前も、つまらないプライドも……全部――」 そう言って、リオルは両手を強く握りしめ、きつく目を閉じた。 ティークは思う。リオルの思いのすべてを理解することはきっとできない。何を言えばいいのかは知らない。けれど……。 ティークは伝えたかった。自分の言えるすべての言葉を。ただ、自分の思いを。「リオル……」 つぶやくように名を呼ばれ、彼女は瞳を開けてティークを見た。濡れたままの瞳はとても悲しくて、ティークはひどくつらいきもちがした。 ティークは一瞬目を細め、静かに語る。「……私の奏でる曲を、皆は好きだと言ってくれる。歌声を、旋律を、すきだといってくれる」「……わたしも、すきよ……ティークの歌」 とても素直なきもちで、リオルは答える。ティークはほほ笑んで言った。「私は、リオルのひまわりが、すき。複製画家プリシラではない、ほんとうの、そのままの、リオルの向日葵」「――――」「……とてもすきだよ」「……ほんとう……に?」「持ち歩くことはできないけれど、ここに」 ティークはそういって自分の胸を示し、言葉を続ける。「やきついている」「……うん」「……本当はきっと、悩むことなんてなにもないんだ」「――――」「自分が、自分であれば、それでいいと思う」「……わたしが、わたしでいること……」 リオルは言葉を繰り返した。「自分にとっての、本当に価値のあるものを、探せばいい」「わたし……自分のこころも、わからないのに……」「……たんぽぽを、見たとき」「――――」「動いた心が、ほんとう」「……でも……わたし」「心を押さえつけて、本当のものが生まれるはずが、ない」「――――」「きみは、きっと……目隠しを取り去ったばかりなんだ。突然視界に入って来たたくさんのものに……今は少し戸惑っているだけ。……でもそれは、きっと……悪いことじゃない」 ティークはそう言って、微笑む。 リオルはそんなティークを見て、目を伏せた。「……あなたが、うらやましい」「なぜ?」「……自由だからよ。とても、自由だわ。……あんなにすごい歌、聴いたことない」「……私の力じゃない」「――――?」「私の歌が、そう聞こえるのは、わたしの能力ではないよ。私はただ、歌っているだけ。私を歌に導くのは、私の周り。私は……見たり、聞いたり、感じたりしたものを、自分の歌を通して、周りに伝え返しているだけ」「……そうあるべき、ものなんだわ……」 リオルは考える。ティークの生き方、ティークの思い。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.27
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2週間ほど入院といわれていた旦那だけど、もう2.3日で退院できるとのこと。オッサンは、一時帰宅できるみたいだけど、また入院になるそうな。オッサンは肝臓癌。そして大腸ポリープ。肝臓は半分ほどになるそうな。破裂寸前で、ギリギリまにあったんだけど、6センチて……。で、シュウだよ。シュウ。あいつはなァ。『じぇんりちゅしぇんえ~ん』 お嬢風に書いてみた。原因は、大腸菌からの炎症。変な病気からじゃなくてよかったよ。ああ、もう退院しています。昨日。(1月28日)日記の日付が飛んでたから、書いてみた。反省しろ。ちゃんと洗え。清潔にしろ。フケまみれのハゲ。歯も磨け。手も洗え……ばっちいんだよ (*`皿´*ノ)ノ ⌒ ●~* まあ、わたしもあまり風呂は入らないので、風呂のことは、強くは言えないんですけどね (;^ω^)
2010.01.26
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***** 吐き出されていく言葉を、ティークはひとつひとつ、丁寧に聴いた。「それなのに、『プリシラ・リゲル』が消えて2年も経つのに、まだ解放されないの。ひとは私の絵を見て、口を開けば、プリシラの模倣だって言うわ。あげくに、わたしに『プリシラの複製画を描け』って依頼がいちばん多いの。笑っちゃうわよ。複製画家の複製画を描けってのよ? しかも知らないとはいえ、本人に……さ」 リオルは悲しげに笑った。「…………たんぽぽは」「……え?」 突然つぶやかれたティークの言葉の意味をとらえられずに、リオルは聞き返す。ティークはリオルの瞳を、まっすぐに見つめて言った。「たんぽぽの黄色は、見つけた?」「タンポポ?」 なんの、ことだろう。「…………リオル」「――――?」「私はたぶん……きみに逢ったことがある」「……え」「向日葵は、今も太陽を見上げているよ」「!!」 瞬間に記憶がはじける。向日葵の花。蒲公英になれなかった、きいろ。「わたし……わたしの……」 リオルは自分の記憶をたぐる。「ああ……思い出せない。どこにいったの。わたし……あれを手放してしまったの……?」 大切なものだ。とても大切な……なのに、覚えていない。「私が、もっている」 彼はそうつぶやいた。「わたし、あれを……売って、しまったの?」「きみにもらったんだ。……ずうっと、昔のことだよ」 「……わからない」 リオルは考え込む。でも記憶は遠すぎて……。「わたし……きっとあれだけがわたしだわ。あんなにつき動かされて描いたことってなかった。あんなに描きたかったものってなかった……。苦しくて、ちっとも上手くいかなくて、辛くって……。でも、描き上げたときの喜びといったら……」 開いたままのリオルの瞳から涙があふれた。 ティークはそんな彼女を優しく見守っていた。彼女は続ける。「たんぽぽになりきれなかった黄色だけど、だいすきなひまわり。たんぽぽになりきれなかった黄色だなんて……悲しいわ。たんぽぽの黄色は、わたしを通して、ひまわりになったの。でも、どちらも、太陽の花よ。わたし、太陽を描いていた。だって、あのひまわりは、出来損ないじゃ、ない。れんげになれなかったぴんくや、魚になれなかった、青とは違うの。きっと絶対に違うの」「……うん」「わたしの目に映っていたものは、たんぽぽだったわ。描き上げたものは、ひまわりだけど、大切なものが、あの絵にはあるの。あれだけがほんとうのわたし。わたしにとって、ほんとうに価値のあるものだわ。プリシラであるわたしよりも、ずっと」 リオルの言葉は止まらない、あふれる思いが言葉になって、流れ続けているようだった。彼女の瞳が悲しみに染められる。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.25
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*****「……あんがい、詳しいのね」 リオルの口調に、苛立たしさが混ざる。ティークにもそれは感じられたが、穏やかな口調で話を続けた。「プリシラの絵は、似ているんだ。私の、だいすきな絵に」「……だれの、絵よ」「わからない」 そういってほほ笑むティークを、リオルは辛そうにみつめて、瞳をとじた。「……わたし……小さい頃から、絵を描くのが好きだったわ。ずっと絵を描いて暮らしていきたいと思ってた。子供の夢のままじゃ、終われなかった。絵を描いて、食べていきたいと思ってた。ずっとよ」 あふれるように流れ出すリオルの言葉。ティークはじっとそれを聞いていた。「……絵をほめられるのがとても嬉しかったわ。みんながほめてくれるの。上手だね、すごいねって。現物と寸分変わらない風景画。人物画。そっくりそのまま、写しとったみたいな、つまらない絵だったわ。周りはとても評価してくれた。私もそれに答えたかった。もっとうまく描かなきゃ、もっとそっくりに……って。だけど……」 自分の服の袖をきつく握ったまま、言葉を無くした彼女を、ティークも無言で見つめていた。リオルの言葉を待ちたい。彼はそう思っていた。「……わたしは……」 彼女は顔を上げて、ティークを見る。「……うん」「嫌になってしまったの。疲れてしまったの。だってそうでしょう!? わたしじゃなくてもいいのよ? そっくりなものが欲しかったら、写真にでもとればいいわ。刷り物で充分じゃない。他人の絵をいくらそっくりに描けたって、それは単なる真似でしかないじゃない!! なのにどうして……どうしてプリシラは認められるの!?」「彼女の複製画には、彼女らしさがあるよ」 興奮気味のリオルを諭すように、ティークは言う。けれど彼女はその言葉に刺激させられたらしく、激しく叫ぶ。「らしい!? ……らしいって何よ。当たり前よ。真似てたって他人だもの。違って当然よ」「……だけど」 なおもプリシラの擁護を続けようとするらしいティークの態度に、リオルの目がきつくなる。「……ずいぶん肩を持つのね。結局あんたも一緒なんだわ。名前しか見てないのよ。えたいの知れないプリシラを信仰する、得体の知れないプリシラファンの一人なのよ。……頭にくるわ。さっさと消えて!!!」 叫ぶリオルに、ティークは動じない。「なぜ、憎むの」 そして彼は悲しげにリオルを見つめた。リオルの瞳もまた、悲しい。「……憎たらしいわ。頭にくるわ。……どうしてよ。どうして認められるのよ。…………どうして私は認められないのよ!!」「どうして、それに拘る」 その問いかけに、すかさず返される、リオルの言葉。「プリシラ・リゲルは、わたしだからよ!!!」 言うつもりなどなかったことを吐き出して、リオルは息を呑んだ。 けれど、ティークはあっさりと、それを認めた。「……そうだね。……だからきみは辛い」「…………なによ……どうしてよ。どうしてそこで納得するのよ!!」 くだらないことをと、一笑に伏せられてもおかしくない台詞だ。貧乏臭い駆け出しの絵描きが何を言う、と言われても。 ティークはそれには答えずに、言う。「認めて、ほしい」「…………」「それもまた、自分だという……こと」 リオルは戸惑いながらティークを見た。澄んだきれいな青い瞳。 何もかも見通しているような……。 すべてを受け入れて、包んでくれるような、青。 蓮華の海を見ることのできる人。泳ぐ魚の群れを見ることのできる人。吐き出してしまおうか、何もかもすべて。 リオルはしばらくためらい、やがて言葉を紡ぎ出した。「……見初められたの。『そっくりに描けること』 複製画家の仕事をもらって、いろいろ忙しくなった。夢はかなったわ。絵を描いて暮らしていける。数をこなして、いろんな人の絵を描いて……そのうちに『プリシラ』っていう名前はどんどん売れていったわ。……ねえ、信じられる? 原画よりも、『プリシラ』のサインの入った偽物が、高値で売れてくの。他人の才能、踏みつけにして、わたし、とてもやりきれなかった。そうしてるうちにね、思ったの。『わたし』はいったいどこへいったの。『わたし』はどこにいるんだろうって。だからオリジナルを描いたわ……でも……わからない。わからないのよ……。『わたし』は何が描きたかったの!? ……だから、私は『プリシラ』という名前を捨てたわ。もう二度と、プリシラになんかなりたくない」*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.25
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風の流れさえ、変わったような気がした。大気が、ティークの声に共振しているかのように。リオルはその流れを、ただ感じていた。 ため息もつかずに。*****「――――どうしたの」 歌い終えたティークは、呆然とした表情のリオルに問いかける。「……すごい」「……?」「……きれいで……なんか……なんていったらいいんだろう……すごい」「……うん」 ティークは謙遜せずにうなずいた。リオルはそんなティークの顔を、つらそうに見つめていた。決して逸らさずに。「……認めて、いるのね。自分の、才能……」 リオルの声はかすれていた。ティークは瞬きして、尋ねる。「なぜ?」「自信が、あるからよ」「じしん?」「だって、すごいもの。すごいんだもの」「……自信なんか、ないよ。必要、ない。歌っていたいから、詩人になったんだ」 ティークはリオルにほほ笑んで言った。「自信があるからよ。だからそんなふうに言えるのよ」 リオルの声が震える。泣き出してしまいそうだ。 ――――でも、泣かない。泣くもんか。「……どうしたの」「……プリシラって、しってる?」 尋ねるティークに、リオルはためらいがちに聞いた。「複製画家の? ……最近、オリジナルをやり始めた……」「その、オリジナルって、みたことある?」「刷り物でなら、すこし」「似てるかしら……」 自分の絵と、プリシラの絵は似ているか……彼女はそう聞いた。「……うん。似ているね」 ティークは正直にそう答えた。リオルの目がかるく伏せられる。「…………そう」 リオルは呟くようにそれだけを言った。「でも、私はあなたの絵のほうが、すきだよ」「……ヘンになぐさめてくれなくたっていいわ。気休めにもならない」「…………どうして、そうおもうの?」 どうして、慰めだ……などと。ティークは悲しげな顔をして聞いた。リオルの瞳に怒りと悲しみがこもる。「わたしの絵が、認められないからよ!」 はき捨てるようにリオルは言った。ティークはそんな彼女を見て、目を伏せて語る。「――――プリシラの絵は、抑圧されている」「…………」「複製画家として、成功して。でも複製画にどうしてもにじんでしまう個性を抑えられなくなって、それでオリジナルに転向したのだろうけど」 彼はそこで言葉を切った。「……けど、なに?」 リオルは先をうながす。「……痛々しい、絵だと、思うよ」 リオルのことをまっすぐに見つめ、ティークは言った。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.24
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お話の思いっきり途中なんだけど、ワープロ話も入ったことだし、*** お嬢の話を (o'д'o)ノ ****ドーナツやらせんべいやらを、虚空から取り出すうちの娘 (2歳児)彼女が嫌いなのは、オバケとドロボウさんです。玄関が開く音がするたびに、『どろぼうさんかな~』とか言っています。そして、嬉しそうに言うのです。『どろぼうさんだったら、ほうちょうでさそうね』………………私の、せいか (o;д;)o?いや、ちがう。妹と私が話してるときに、お嬢は聞いていたのだ。うちのキッチンのテーブルの上には、果物ナイフやら、料理バサミやら、カッターやらが、だいたいいつも、おきっぱ。お嬢が物音に 『ドロボウさん?』 といったときに、妹は言った『いっぱい武器があるから大丈夫だよ。えいって刺せばいいんだよ』娘にその言葉が、インプットされたらしい (゚∀゚ ;)そして、いつものように母が帰ってきたとき、娘 『どろぼうさんかな~』俺 『そうかな~?』娘 『ここに、おっき~いほうちょうあるから、みお(仮名だ)が~』また空中から出すのか。幻の物を。『えいって、さすからね~♪ えいって』ああ、何もない空間から、幻のでかい包丁まで取り出してしまう娘。娘はどうなってしまうのでしょう……。楽しみです (*≧∀≦) いや、ちょっと心配 (´-∀-`;)
2010.01.23
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15年くらいほっぱらかしてあった ワープロを、動かしてみました。いや、いま、昔の小説をUPしてるんで、他にもないかな~と思って。いやあ、昔のワープロは重いですね。一応ラップトップなんだけどね。フロッピーディスクは、さしっぱです。電源入れたら、『内蔵メモリを初期化します』とか表示でて、びびった。電池を入れてないせいらしい。……ほこりかぶりまくってっけど、大丈夫か、おまえ……。読み込みボタンを押してみる。FD、無事に生きている ゚+。(ノ`・Д・)ノオォオォ。+゚!!!印刷してみる。すげえ、ちゃんと印刷してる (*'∀'人)☆!!!けっこう、大丈夫なもんなんだな……。FDをPCに挿したらどうなるのかな~と思ったけど、FDささるのは、前代のPCだった。いまのパソちゃん、FDのいりぐち、ありません。しかし……1994年のとかが出てくるのは、すごいね。パソコンはすぐダメになったのになぁ。ワープロ、やりおるな (*≧∀≦)FDが生きていたのが、ホント信じられなかったよ。
2010.01.23
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*****「誰にも、わからなかったわ。なのにどうして――!」「……ほら、私も芸術家だから」 叫びだしそうなリオルの様子とは逆に、ティークは穏やかに答えた。言った彼の顔つきがあまりにも真面目で、真剣な様子だったので、リオルは思わず吹きだしてしまう。「……あははっ、そうね。……それじゃあ、わたしのばっかり見てないで、あなたにも芸術披露してほしいな」「うん」 ティークはほほ笑んで、鞄から何かをとり出した。陽の光が反射して、よく見えない。けれど彼がそれを腕に抱えたとき、竪琴であることが見て取れた。よく使い込まれた、けれど美しく磨かれた、見事な銀色の竪琴。 それにティークが指を触れる。二、三度軽くつまびいてみる。絃を調えているのだろう。そして。 竪琴は歌いだす。高く低く、強く弱く。ティークの指は自在に音を操った。繰り返される波のような響き。それにティークの声が混ざり合い、ひとつの歌になってゆく。 その歌を、リオルは知らない。伝承歌ともちがう、素朴な歌。不思議な言葉。 リオルには、こう聴こえた。 友は言った 器の大きな人間になれ 受け入れることもまた強さだと わたしはそうなることは出来なかったからと 友は言った 強いものは強さを誇示しない 強さを示すのは弱さの証明でしかない わたしは強くはなれなかったと 友は言った 小さな生き物にはその世界と生き方がある 大きな生き物にはその世界と生き方がある 小さなものに大きなものは その小ささゆえに見えないが 大きなものにもまた 小さなものは見えない 友は言った 人の目に見えている色はすべて同じなのだろうか ほんとうは ひとりひとりに 違う色が見えているのではないだろうか 友は言った おまえはとても強い わたしはおまえには なれない けれど愛すべく友よ わたしもまた あなたには なれない ……友は言った 住み慣れた場所を離れて 一人で生きてみようと思う わたしはおまえのように 強くなれるだろうか おまえのように そして……友よ あなたはわたしのもとを離れる 決して強くなどないわたしをおいて 後を追うことも許さずに…… 風の流れさえ、変わったような気がした。大気が、ティークの声に共振しているかのように。リオルはその流れを、ただ感じていた。ため息もつかずに。*****
2010.01.23
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*****「…………きれいな絵を描くね。不思議な――」 彼はそう言った。リオルは苦笑して答える。「……ありがと。お世辞はいいのよ。いわなくても」「とても、きれいな花だ」 リオルの言葉には答えず、彼は薄紅色に塗られたカンバスを見つめて言った。リオルはその言葉に一瞬、言葉を失う。「……よ……く……花だと……わかったのね。そうよ……桜の花」 リオルが戸惑いながらそう言うと、彼は青い目を大きく開いて、驚いたようにつぶやく。「れんげだと、おもった」 再びリオルは絶句する。驚いた。こんなことを言った相手は初めてだ。 彼はしばらくそのまま絵を見つめ、そっと瞳を閉じた。「足元に広がるレンゲの海……。風が生む薄紅の波……きみの瞳に映っていた景色が、私にも見える気がするのに……」 信じられない。この男は……何なんだろう。リオルは目を見開いて彼を見つめた。そんな彼女に気づき、ティークは尋ねる。「……どうかしたの? ……へんなかおしてる」 彼女はなんだか泣き出しそうな顔をしていた。「……だって、花だってわかる人、あまりいないし、それにみんな、……桜だって、いうわ」 とぎれながら、震えた声でつぶやいた彼女の言葉に、ティークは意外そうな顔をした。「さくら……なんだ」 信じられない、というような口調で尋ねるように言うティークに、リオルは心底驚いて、答える。リオルは彼に桜だと言った。いつもならそれで相手が納得して終わるはずだった。でも、ほんとうは……。「――――蓮華よ!! ああんまり桜だって言われるから、桜ってことにしちゃってたのよ……」 その言葉を聞いて、彼はひどく悲しそうな顔をした。そして悲しげな表情のまま、言う。「……きみがそんなふうに言ってしまったら、この絵はすべてを否定された事になってしまう」「……そうね」「――こっちのは、魚に見えるけど……」 考えるすきもなく、ティークは問いかけてくる。リオルはそれには答えずに、彼に問いかけた。「どうして……そうおもうの」「なんとなく」「…………」 空だといわれ続けて来た青。海だといわれ続けて来た青。 そう、だけどこれは魚なのだ。 海の青に溶け込むように泳ぐ魚の群れ。だれもわかってくれなかった悲しい青。「魚だと思う」 彼は念を押すように、もう一度、魚だといった。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。がんばれる気がします。にほんブログ村
2010.01.23
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人波が、通り過ぎていく。立ち並ぶ露店には、さまざまなきらめきがあった。 アクセサリ、新鮮な魚、土の豊かな香りのする野菜、土産物……。 にぎやかな人の流れの中、それを引き止めるように怒声があがる。その声に路地を歩く人々は足を止め、そのもとにいっせいに視線が向けられた。 その先には、立て掛けられたイーゼル。様々な絵画の中、絵の具で汚れたオーバーオールに身を包んだひとりの女がいた。 彼女は膝をついて立ち上がる。幅広のバンダナでまとめられた、赤い髪が揺れた。「ふざけんじゃないよッ」 客だと思われる男に向かって、彼女は怒鳴る。「あんたに売るようなもの、一枚もないよ。プリシラの模倣?! ……目ぇ腐ってんの!?」 男はその剣幕に苦笑しながら立ち去っていった。あたりは何事も無かったかのように、再び活気を取り戻す。「ちくしょう……」 赤い髪の女は苛立たしげに髪をかきあげ、腰を下ろした。 ふいに陰る陽、かかる影。「……!」 この期に及んで、まだ何か言ってくるつもりか。女がきつい視線を上に向けると、平和な笑顔が目に入った。「こんにちは」 先ほどのやりとりは見ていなかったのだろうか。そこにいた青い目の青年は人懐っこそうなほほ笑みをうかべ、たずねて来る。「……絵を、売っているの?」「――そうだよ。見てって」 つられて絵描きもほほ笑む。熱心な様子で絵を見つめる青年に、先ほどの腹立たしさが多少薄れたようだ。青年はしばらくさまざまな絵に見入っていたが、不意に絵描きに向かって話しかける。「きれい。……サインは、入れてないんだね」「悪い?」 少々挑戦的になって、女は言った。「いや、珍しいと思って」 ……ただの好奇心か。女は安堵した。ここでまたプリシラの名前でも出されたら、どうなるかわかったもんじゃない。「……名前にこだわる奴がいる限り、私は自分の絵に名前、いれないわ」 彼女はむっつりとしてそう言った。 複製画家、プリシラ。彼女にとってあの名前ほど腹立たしいものはなかった。聞きたくない名前だった。「そう」 青年は絵に見入ったまんま、ぼんやりとした様子で相槌を打つ。「名前が売れているからって理由で、絵が売れるのは嫌なの」 自分の話を聞いているのだかいないのだか。彼女は気のなさそうな青年に向かって話す。青年は彼女のほうに視線を向けた。「そうだね」 青い瞳がとても澄んで見える。彼は静かにほほ笑んでいた。それを見て、彼女もほほ笑んだ。「……ま、全然売れないんだけどね。……あんた、買ってくれるの?」 言い分を吐いてすっきりしたのか、彼女は砕けた調子で問う。「今、持ち合わせがないんだ」 そう言った相手を、彼女は改めて見つめる。汚れた長衣と、古ぼけた外套。頭には布を巻いているのだが、その布もどこか薄汚れていた。肩に背負った革の鞄だけが、彼の荷物。「……そうね。あなた、びんぼーそうだもんね。でもほんと安いんだよ。わたし、絵の代金はカンバスと絵の具三本ぶんしか、もらってないから。……どう? 買ってかない?」「財布、みる?」 苦笑しながら答える相手に、彼女は溜め息をついた。「遠慮。……ほんっとにお金、ないんだねえ。あんたって何してる人? そんななりでさ」「……うたを。うたっている」 では鞄の中身は楽器なのだろう。唯一の財産というわけか。「……そっか。貧乏詩人ってわけね。芸術って理解されないものよね。きれいな顔してるからって、身売りしちゃだめよ」「男、なんだけど。一応」 冗談だか本気だかわからない彼女の調子に、多少当惑して相手は答えた。彼女はおかしそうに笑っている。彼もつられて笑った。「……おもしろい人だね。人に名乗る名前は、ある?」「厭味ねぇ。……リオルよ。リオル・ディ・ラフティ。……ないのは絵に入れる名前だけ」「わたしはティーク。ティーク・ジオ・ハリス」「ふうん。……いい名前ね。とてもきれいよ」「きみも」「どっこが。男名みたいじゃない」 お世辞は結構。そう続けた彼女の言葉に、ティークは言う。「そんなことない。きれいな名前だと……思うよ」 ティークの瞳が、どこかとても遠くを見ているようで、リオルはその視線の行方を追った。その目と目が、はたと合う。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.22
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向日葵は今も太陽を見上げている 『GOLD ~太陽の黄金~』 副題・改題西へ西へと向かっても黄金のジパングなんてない南にもパラダイスは見つからない狭い土地に高いビルを建て 風にたたずみ吠えてみたってたてがみはたなびいてはくれないきみのサインはきみの証明 両手で抱えるわずかな財産失うために手に入れるようなレースはやめて浜辺で踊ろう昔ちょっと読んだ言葉が今になってとても気になるんだあれはきっと神様のささやき欲しい欲しいで汗まみれで 嫌だ嫌だで涙まみれて雨に打たれて流されて生きるきみの記憶がきみの人生書き留められない長い履歴書恥を消すため捨て去るような弱気はやめて街を走ろうコガネムシは金ため飴なめ アリはまじめに身支度冬支度こんな私は一切合財 雲つかもうとフワフワニコニコ数字の桁を競い合ってどちらがうまく生きられるかって自慢しててもずっとは続かない億だ兆だと言い争って 半か丁かに賭けてみたってしょせん霞のような物語きみの夢ならきみのものだよ 誰にも渡しちゃいけないものさちっぽけな笑い話なんかでごまかした幸せならいらないきみの記憶がきみの人生きみの夢ならきみのものだよ 【『SHANK BANK JAPAN』 橘いずみ】アルバム『十字架とコイン Cross and Coin』より コメント欄で、いいわけかまします (;^ω^)
2010.01.22
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このあとはもう、こんなです。途中途中に文章があって、最後にきちんと書いてあるのが2,3ページあって、そこで序章は唐突に終わります。長い話なんです (´-∀-`;)もうあとは、こんなだよ。こんな↓***きみもよく泣いていたね。シフィルが言う。***要加筆***グレンの腰の紋様。その意味を、カイルは知らない。***要加筆*** グレンといっぱい話をするカイル。ラーグリスのはなしはどこでいれる?*****要加筆 カイルとグレンの会話********要加筆*** シイナと口論するグレン。******要加筆グレンの心境の変化。*****要加筆 カイルに別れを告げ、ヨギと直接会うグレン*****要加筆 ここにラーグリスの話を入れる? 章をかえる?そして序章終わりの文章数枚。しばらく、この話はストップです。違う話をUPします (;^ω^) 昨日発掘しました。今、PCに打ち込みしているところです。感熱紙の色が薄れて、とても読みにくいです。高校生のときに書いたもの。唐突に白銀、再開するかもしれないけど。楽しんでくださったかた、申し訳ありません。通りすがりの方も、こんなふうになってしまっていてすみません。娘が保育所に行ったら、再開できるかな……。
2010.01.21
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***** 靴の雪を落として二人は中に入り、グレンは沸かした湯に手を伸ばした。カイルがそれを止める。「茶なら私が淹れよう。おまえは休んでいてくれ」 カイルが茶を淹れている間、グレンは暖炉の前にしゃがんで、手をかざして、温めていた。茶のいい香がする。グレンの顔がほころんだ。 キッチンで、二人で茶を飲みながら、話した。「あの二人は、まだ起きてこないのだな」「二人とも、そうとう飲んでたからなぁ」 まあ、寝かせておいてやれよ。グレンが笑いながら言う。カイルは何を話せばいいのかと考えて、グレンに聞いてみたいことがあったことを思い出した。「おまえを着替えさせたときに、見たのだが、このあたりに」 自分の腰骨のあたりを示して、カイルが言う。グレンの顔がわずかに曇ったことに、カイルは気づかない。「……紋様が入っているだろう? あれはおまえの国の風習か」 きれいだったと、改めてカイルは思う。「……あれは、奴隷印だ」 問いに答えるまでに、少し時間がかかった。まずかったかな。グレンは思う。「奴隷……?」 カイルは思った。奴隷なら焼印を押されるのではないだろうか。「普通は焼印なんだろうけどな。俺を使っていたやつが、裕福だったから」 あんな感じになったわけだ。グレンは茶を飲みながら、なんでもないことのように言った。カイルの顔色が見る間に冷める。 どうしてわたしは、このようなことばかり尋ねてしまうのだろう。以前も腕のことを聞いて、グレンのことを泣かせてしまった。どうしよう。どうしたらいい。グレンは微笑んでいる。泣かれても辛いが、こうして微笑まれても苦しい。 カイルの顔を見たグレンは、驚いてしまった。青ざめている。「おい、大丈夫か?」「わたしは……わたしは……」 目を潤ませているカイルの肩を、グレンは片手で揺さぶった。「どうしたんだよ、おい、カイル?」「……すまない……余計なことをきいた……」 言って、カイルは歯を食いしばる。涙がこぼれた。自分が嫌になる。「泣くなよ……。別におまえが泣くことはないだろうに」 きつく目を閉じ、うなだれているカイルから流れ続ける涙。声をかけても、返事もなく泣き続けている。グレンは困ってしまった。「ごめんな。……俺のせい、だよな」 カイルはその言葉に目を開け、言い放った。「違う!!」 開いた目から大粒の涙がこぼれ落ちる。語気を強めてカイルは言った。「わたしがいけないんだ!! おまえを傷つけるようなことをいつも! いつも!!」 グレンは左腕を伸ばして、カイルの頭を撫でた。「今だって、わたしが、泣いたりなどして……泣きたいのは、おまえのほうだというのに」 涙声で、言葉をとぎらせながらカイルは言う。グレンは微笑んだ。「どうして、笑うのだ……」 しゃくりあげそうになるのをこらえながらカイルが言う。グレンは指で、カイルの涙をぬぐった。カイルは12歳だ。まだ子供だ。俺みたいなのに関わって、傷つく必要はない。「いや……おまえも困ったんだろうな、ってさ」 俺が泣いたときに。グレンは静かに言った。「傷ついてないよ。おまえが悲しむことはない」 カイルは拳で涙をぬぐった。「この国にだって、奴隷制はあったんだろう? 今は無いのかもしれないけど、印を刻まれたやつらは、この国で今も、生きている」 カイルはじっとグレンを見つめた。「もう、そういうことが起こらないように、おまえがこの国を、みていかないとな」 グレンは微笑みながら、言い聞かせるように言った。リゲンだって、今でも生きているやつの一人だ。たった十数年でこの国はこんなにも平和になった。それを失うな。グレンは思った。「わたしが……?」 カイルはつぶやくように言った。わたしがこの国を、見ていく。わたしが……。「そう、おまえが」 グレンは真っ直ぐに言う。カイルの涙は止まっていた。「おまえは、すごいな……」 カイルはつぶやいた。「何がだよ」 別にすごくなんかは無ぇよ。グレンが苦笑するように言った。カイルは首を左右に振りながら、言う。「わたしはもう、泣いたりなどしない。いつか、おまえのように、なりたい」 言った傍からカイルは再び涙をこぼす。「……あ」 自分でも驚いたようにカイルは言葉を放つ。どうして泣いてしまうのだろう。グレンのようになりたいと、思ったばかりなのに。「……謝るなよ?」 グレンが笑みを浮かべながら言った。すまないと、カイルは言おうとしたところだった。グレンはカイルの頭をわしわしとなでて、言う。「泣いたって、かまわねぇんだよ」 そう言われてカイルは、言おうとしていた言葉を飲み込んで、言った。「……わかった」*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.21
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**** 外が明るくなる頃には、シイナはすっかり眠り込んでいた。シフィルもねむっている。グレンもひと眠りしてから、茶を淹れて飲んだ。外へ出ると、昨日シイナが除けた雪が、また降り積もってしまっている。白い世界を、グレンは懐かしく思いながら見渡した。 カイルが歩いてくるのが、見える。歩きにくそうだ。グレンはシイナのもってきたスコップを、左手でひょいと担ぎ、カイルのところまで歩いていく。「すごい雪だ。おまえは良く歩けるな」 感心したように、カイルが言う。グレンは笑いながら肩に担いだスコップをカイルに渡した。「途中、動けなくならなかったか?」「……はまり込んでしまった」 グレンが笑う。カイルも笑った。「これは、どうしたらよいのだ?」 受け取ったスコップを眺めながらカイルが言う。グレンは苦笑しながら言った。「シイナに教えてもらえ」「……来ているのか?」「飲み屋が開いてなかったんだとさ。自分でそれと酒持ってきて、シフィルに雪除けさせられてた」「……大変だったのだな」「いや、あっという間に片付けて、酒飲んで酔いつぶれて寝てる」 俺はこの程度の雪、なんともねぇけど。グレンはカイルの手を引いて、歩き出す。「…………壁が」 診療所前の庭を見て、カイルが言葉を失う。どけられた雪が、壁のようになっているのだ。これを全部、シイナが? 「すごいものだな、シイナは」 カイルは雪の壁を見上げ、唖然として言った。「でもそのあとはただの酔っぱらいだったぞ。散々飲んで、下品な歌を歌いまくって、寝た」 合いの手を入れていたシフィルも酔っぱらいだ。二人ともまだ寝てるよ。呆れたようにグレンは言って、カイルのことを見る。「おまえもやる? 力が強くなれるかもな」 グレンが笑って言った。カイルは考えるような顔をして、答えた。「わたしに、できるだろうか」「やってみたらいいじゃないか」 笑いながら言うグレンに、カイルは戸惑いながら、スコップを雪に突き立てる。浚おうとしたときに、雪に足をとられて転んだ。「……うまくはいかないものだな」 ばつが悪そうに言うカイルに、グレンは微笑みながら言う。「はじめてなんだろう? こうういうことをするのは」「……雪が、このように積もることは、あまりなかった」「俺のいた国は、こんなものじゃなかったよ。いつだって、真っ白だった」 懐かしむように言うグレンを、カイルは見つめた。今のここよりも白い国で、グレンが立つ姿を思い浮かべる。とても美しかっただろうなと、カイルは思った。「……寒くは、ないか」 話しかけるカイルに、グレンは笑みを浮かべて言った。「まあ、それなりには。おまえは寒いだろう? 中に入れよ」*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.20
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見舞い、行って来ました。大荷物を抱えて。でかいマイバッグやらボストンバッグやらで4つほど。お~も~い~ ヾ(*`⌒´*)ノ玄関までの道を歩いて、荷物を置かせてもらって、チャイルドシートに載っている娘を持って行こうとしたら、玄関に、シュウが。「煙草吸いに外来たら、見えた o(。´・∀・`。)o♪」というシュウに、わたしは思った。わらわは娘が車内におるから、すうてはおらぬのじゃぞ。病であるというのに、いったい何をしておるのじゃ。病室に入ると、シュウのゴミ箱には、ブルボンの菓子の袋が。なにを食うておるのじゃ。「病院食が味薄い。俺が思うくらいだからよっぽど薄いよ」などとのたまう、この男。当然じゃ。病院食なのじゃからのう。おぬしの舌は異常じゃ。そもそも薄味がこのみな訳ではないではないか。プリングルスをうまいと言い、貪り食い、一味唐辛子を異常な程に愛し、惣菜を真っ赤にしておるおぬしの放つ言葉ではないわ (*`д´)喝!プチわらわモード (*≧∀≦)娘は帰るときに、ズボンが濡れていた。着替えを取りに車に向かうわたし。エレベーターって、よくわかりませんね。わたしは回数表示窓を一生懸命押していましたよ。【】【】ボタンを押せばいいのか。そんな田舎者。トイレに娘を連れて行き、ズボンを脱がせて、和式便器にまたがらせるわたし。……どうして和式だとそんなに上手なの? やはり日本人には和式便器?シャツも濡れていたので、とりあえず、すっぽんぽんにしたら、娘、逃走 (;゚д゚)あったかいところで、すっぽんぽんになれて、嬉しかったのだろう。家は寒いもんね……(´-∀-`;)着替えさせましたよ。おむつも替えた。帰りに激安な服屋に寄って、着替えとかを買いました。黒地にハートとアルファベットの書いてある、トレーニングパンツに、お嬢、くぎ付け。買いましたよ。2枚組みで¥398なら安かろう。多分。この店は一時、ものすごくババくさい服ばっかりだったから、あまり行かなくなっていたのだけれど、今回行ったら、ものすごく、わたし好み~(〃▽〃)スタッズのやたらついたジーンズ。意味のないポケットのついた服。この店がババくさいのではなく、世間全般がばばくさい流行だったのだなぁと改めて思った。でも買わなかった。閉店間際だったし。
2010.01.20
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だんなと呼んだ事もないのに、だんなと書くのもいい加減おかしな感じなので、これからだんなのことは『シュウ(仮名)』でいきます。シュウは、昨日入院しました。今日妹が休みなので、娘を連れて、見舞いに行って来ます。シュウの必要だというものを持って。箸にスプーン、コップに着替え、タオルと読みかけの本。スリッパ。そこまではいいさ。DSと、ノートパソコン……重いな。大荷物だよ。ソフトは、どこに? 脳トレしかないよ?ティアクラか? 貸すものか (。>皿<。)ケータイアプリで遊んでおればよいではないか。何のためのパケ定だよ。高いんだよ。基本料金が!!2週間の、入院。いいなあ。くそう (*`З´*)なんで入院したかって? それはね……。ひみちゅ----!d(≧ε≦o)ノ゛))自業自得だと言っておきましょう。シュウの名誉のために、伏せておきましょう。イターイお注射、打たれているんだって。点滴もついてるんだって。かわいそうに……。 2週間の入院で、食生活を改めるがよい。手を洗うようになるがよい。歯も磨くがよい。わらわは知らぬ。自業自得じゃ (*≧∀≦)読みかけの本2冊も、いったいなんなのじゃ。ざっと見たが、わらわがいつも言うておるようなことばかりではないか。のう?わらわの言うことは解からずとも、本に書いてあることなら理解が出来るとでも言うのかえ?おぬしのように不味そうな身体は喰わぬがの。切り刻んでくれようか。 ……と、わらわさんがおっしゃっています 。゚(゚^∀^゚)゚。
2010.01.19
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***** グレンが茶を淹れると、シイナは酒瓶をテーブルにならべ始めた。呆れ顔でグレンが言う。「どれだけ飲む気だよ」「いや、ここに置いておこうかと思って」 また来る気だな、こいつ。診療所じゃなくて集会所だな、ここは。グレンは思った。「暇なんだろう、なあシフィル」 シイナが酒瓶をあけながら言った。「まあね。あまり人は来ないね」「とりあえず、二人ともお疲れ」 グレンが茶を飲んで言うと、シイナが苦笑した。シフィルのことを笑いながら睨む。「お疲れなのは俺だけだ。こいつ、なんにもしてないぞ」「すまないね」 あまり悪びれた様子もなく、微笑を浮かべてシフィルは言った。 続けて便乗するように、シフィルの声音を真似て、グレンが言う。「明日も来てもらえれば、助かるのだけどね」「きもちわりい……」 シイナは頭をかかえて言った。似すぎで怖い。グレンはいつもの口調に戻って、言う。「カイルも連れてくりゃいいんだよ。二人でなんとかしろ、この雪」 「カイル様ねえ…………カイル様も非力そうだけどなあ」「悪かったね」 茶を飲みながら言うシフィルに、シイナは苦笑して言った。 「だから、そういうんじゃ無いって。おまえもカイル様も、力仕事むいてなさそうじゃねえか」「シイナ」 グレンが口をはさむ。「なんだよ」 「おまえも、カイルに敬称つけるのは止めとけ。敬語使うのも、な」 ただのガキじゃねぇか。グレンは舌打ちして言う。「そう言われてもねえ」 自分は雇われの身だから、雇い主を横柄に扱うわけには、などとごにょごにょ言うシイナにグレンは言う。「てめえはあいつに雇われてんのかよ」 そういえば、違う。雇い主だと言うのならばヨギだ。でもヨギのことはおもいっきり呼び捨てだ。酒も酌み交わす。そういえば、さっきからシフィルもカイル様のことを呼び捨てている。「第一、おまえはもうとっくに、この国の住人だろうが」 グレンが言うと、シイナは頭をかいた。定住するつもりはなかったのだが。『なりゆき』 とグレンが言っていたことを思い出す。俺だって成り行きだ。「なんでだろうな。カイルさ……っと、カイルのことは皆が敬っているというか」 それがいけねぇんだよ。グレンは溜め息を吐いた。「今のままじゃ、今のままだ。変えていけよ、少しずつ」「今のままじゃあ、いけないのかねえ」 俺は平和でいいと思うけどなあ、言うシイナに、グレンは溜め息をついて言う。「今のままじゃ、なくなるときが来るって言ってんだよ」 シイナはグレンの言葉を真剣に受け止めてはいない。シフィルはグレンと自分の空いたカップに茶をそそぎ、二人のやり取りを聞いていた。茶を飲みながら、しばらく考えて、言う。「シイナ、カイルに剣技などは教えているのかい?」「……いや、この国はもう、剣に頼らないと決めたから……」「グレンが言うように、わたしもこのままではいけないと思うよ……海を越えた国々を、おまえならば、知っているだろう?」「…………ああ」 この大陸は概ね和平協定が結ばれて、戦の心配は今のところ、ない。けれど、諸外国の現状のことはさっぱりわからない。「おまえがここにいないのは、そういう国を見て回ってるからなのかよ」 なんでそんな、偵察のようなことをシフィルが? 怪訝におもうシイナに、シフィルは言う。「医療の知識は、その国々で違う。私はそれを調べたかっただけ、だったのだけどね。様々な事が、耳には入ってくる」 グレンが茶を飲みながら、シフィルのことを窺い見る。 「へえ……、あんたがここを空けるのは、そういう理由だったんだ」「……そうだよ」「俺がここに来てから、あまり遠出はしてないよな」 グレンが薄く笑って言う。笑みを浮かべてはいるが、その表情が、なにか疑われているようにシフィルには感じられた。「その前は、どこまで足を延ばしていたんだろうな」 独り言を言うようにグレンが言った。絶対になにかを疑われている。本当のことなのに。シフィルは深く溜め息を吐いた。 「きみがどう思っていようと勝手だけどね。本当にそれだけだよ」 どこか重くなってしまった場の空気を打ち消すように、酒瓶を掲げながらシイナが言う。「まあ、飲もうぜ。せっかく持って来たんだからよ」****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.19
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***** 外に出たシフィルは驚いた。雪が膝の上辺りまで積もっている。こんなに降っていたなんて。診療所の明かりを映して、外は白く明るい。「……よくここまで来られたね」「ああ?」 スコップで豪快に雪を浚いながら、シイナが返事をする。「こいつで除けながら歩いて来たんだよ」 シイナは腕を止め、肩にスコップを担ぐ。以前は大剣をこうして肩に抱えていたものだけど。こういうものを肩に乗せているシイナもなんだか妙に似合う。シフィルはくすりと笑ってシイナに言った。「なんだってわざわざ、こんな日に」 しかも夜中に。わらうシフィルに、シイナは困ったような顔で言う。「酒飲みに出たのに、店はやって無くてよ。ヨギにも断られたし、しょうがねえから」「うちに酒は無いよ。アルコールは、消毒用しか」「飲むかよそんなもん。酒は売ってもらった」 店は閉まってたけどな、シイナは言った。やたらポケットのついた上着が、膨らんでいるのはそのせいか。シフィルは思った。「この雪じゃ、繁盛はしないだろうからね」「おまえんとこもな……おまえはこれ、やらねえのかよ」 スコップを雪に刺し、肘をついてシイナが言う。シフィルはにこやかに答えた。「あいにく道具が無い」「おまえらなあ」「本当に助かるよ。わたしは非力だし、グレンもああいう状態だからね」苦笑しながらシフィルは言った。シイナはむっつりしたまま言う。「出来ることと、出来ないことが解かっているのはいいことじゃねえか」 シイナは雪をどけながら、つぶやくように言った。「おまえはそりゃ非力だけどよ、医者としては有能だ。俺には人を斬れても、斬られたもんを助けることはできねえよ」 シイナはふうっと溜め息を吐いた。「そう、グレンだよ、グレン」 浚った雪をわきに放り投げながら、シイナは言う。「カイル様と話してたときに、グレンがここにいるって聞いてよ」 カイル様。自分がそう呼んでいたときにはなんとも思っていなかったのに、いまヨギが言うのを聞くと、ものすごい違和感を受ける。「シイナ……」「あん?」「カイルのことを、カイル様と呼ぶのは、何故だろうね」 考えたこともなかった。シイナは思う。皆がそう呼んでいるからだ。「なんか、いつの間にかそうなってたな」 「ヨギのことは、なんと呼んでいる?」「ヨギ」 質問するシフィルに、即答するシイナ。「おかしいとは思わないか?」「そういや……そうだな」「わたしもグレンに言われて、おかしいと思ったんだ。シイナはどう思う?」「そうだ、グレンだよ、グレン。なんでこの国にいるんだよ」 聞いたことに答えていない。印象に残ったことしか、頭に残らないのだな。シフィルは溜め息を吐いた。「わたしはおまえとグレンが、知り合いだったということも知らないのだけれどね」「……そうだったか?」「おまえがここに来る前にどこにいたのかも知らないよ。グレンのことよりも知らない」「……まあ、別にいいじゃねえか」 よっと、シイナは雪のかたまりを放り捨てる。「……では、グレンのことも、別にいいとは思えないかい」 シイナは言われて、考えるようなそぶりをしたが、すぐにもとの表情に戻って言う。「そうだな」シイナはスコップを持って、玄関へと歩いた。「こんなもんでいいだろ。もう入ろうぜ」 シイナがスコップを雪に突き立てて、言った。「そうだね、グレンも待っているだろうし」*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。にほんブログ村
2010.01.18
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**** 夜中に目を覚ますと、カイルが言っていた通り、雪が降っていた。先日までの晴れ間が嘘のようだ。夜なのに外が明るい。相当積もったな、グレンは思った。 シイナが雪を踏みながら診療所に入ってくる。玄関の外で髪と服についた雪をばさばさとはらった。「起きてたか?」「見ればわかるだろう。起きているよ。シイナ、靴についている雪も、落としておいて欲しいな」 床が濡れたら滑るよ、とシフィルが言う。シイナはつま先をトントンと玄関に打ちつけ、雪を落とした。「がさつだねぇ」「むやみに神経質なのよりいいだろうよ」 シイナの言葉に、シフィルはカイルのことを思い出して、ふき出してしまう。「なんかよ、グレンが居るんだって?」「いるよ」「……おまえ、あいつのこと、何のつもりで置いてるんだ。護衛とか?」「まさか。……なんというか、成り行きで」 グレンも同じことを言っていたな、シイナは思う。「カイル様が、あいつのことを医師見習いだとか言ってたんだけどよ、本当か?」「本当な訳無いだろう」 そう答えたのは、シフィルではなくグレンだった。軽く溜め息を吐いている。「起きていたのかい?」 目が覚めたんだよ、グレンは言って、開いたままの戸を見る。「外、積もってるぞ。おまえら玄関先で何話しこんでるんだよ」「ああ、すまないね。寒かったかい?」「いや……除けなくていいのか?」「良くは無いんだけれど……、だけどシイナもこうして入ってこられたぐらいだから」「そうそう、踏めば何とかなる」 グレンは呆れた顔で言う。「ここは診療所だろうが。こいつと患者を一緒にしてどうするんだよ」「そうだねえ、シイナ」「あん?」 唐突に話をふられて、シイナは妙な返事になった。「雪を除けてこようか」「夜中だぞ、おい」 シイナが呆れたように言った。外の様子を眺めてシフィルは言う。「朝になったら、また降るよ。吹雪いてないうちにやってしまったほうがいい」「じゃあ、俺は茶を沸かして待ってる。がんばれよ」 グレンが笑いながら言った。「おまえはやらねのかよ」 呆れ顔で言い返すシイナに、グレンはにこやかに言う。「俺、病気だし、腕動かないし」 シフィルとシイナは溜め息を吐いて、外に出た。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。にほんブログ村
2010.01.18
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旦那が熱を出しました。39℃だって コワ━━━((;゚Д゚))━━━!! インフルの予防接種は受けていたはずなのに。 仕事は早々に休むと連絡をいれ、朝ごはんを食べに来るだんな。よく食えるな……。病院へ行くと言うから、薬は飲ませられない。食後、キッチンで足をふらつかせながらタバコ吸おうとするから、「自分の部屋へ行って、休んだほうがいいよ」と、やさし~く言ってみる私。だんなは自分の部屋へ帰っていった。冷たいと、思いますか?風邪をひいたときに、やさしくされるのは、子供のうちだけ。風邪をひく人は、日ごろの不摂生な生活がいけないのだ。飲み会とか行って、寒い格好して寝るからいかんのだ。布団が重いとかいって、布団を一枚しか着ないのがアホなのだ。『何か食べて、薬飲んで、さっさと寝なさい』母の教えだ 。゚(゚^∀^゚)゚。うちはみんな、風邪ひいた人に、冷たい。悪いね、だんな。慣れてくれ。わたしは子供がいるので、絶対にうつるわけにはいかない。『寝てなおす』というわけにはいかないんだから (。>皿<。)旦那は風邪でもマスクをしないけど、わたしは誰かが風邪のときには絶対にする。気休めにしかならないのかも知れないけど。あとは、風邪っぽかったら、酒飲んで治す o(`・д・´)o !!わたしも、アホです (*≧∀≦) ところで、旦那の部屋に、菓子の袋が散乱していたのはどうして (o'ω'o)?そんなもんばっかり食ってるから、抵抗力なくなるんだよ。
2010.01.18
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何だと思いますか、コレ 2歳10ヶ月のうちの娘。今年3月末に、3歳になります。嬉そ~うに、「みてみて~」 と、私に持ってきた、このらくがき。何だと思います? 答えは、「きりんさ~ん」目と鼻と口のバランスが良いですね。だがしかし、きりんさんには、見えません 。゚(゚^∀^゚)゚。
2010.01.17
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昨日、飲み会の次の日、やはりだんなは別宅で沈没していました。一昨日のメールでは、ごめんね m(o´・ω・`o)m 明日帰ってきたらこっきり雪かきするからね m(o´・ω・`o)mとか言っていたくせに、夜9時ごろまで帰ってこない旦那。いつまで沈没してる気だよ (#`-_ゝ-)とか思っていたら、職場に行ってたんだってさ。連絡しろよ (`・д´・ )!!あといい加減、弁当箱持って帰って来いよ。何週間職場に放置しとく気だよ。しかも、二つも。もう家に弁当箱は無ぇよ (ノ`⌒´)ノ 彡 ┻━┻そして帰ってこない家族(まあ、妹は仕事なんで。母は休みだけどパチ屋)娘と二人きりのわたし。 ゚+。スリ(*u_u人u_u*)スリ。+゚頭がおかしくなりそうだったさ (メ`_ゝ´)y-~むすめはわりとよい子でしたけどね。だっこばっかりで重いよ13キロ。それだけが、救いだ。むすめよ、ありがとう。今日もだんなはお休みです。どこへ行くのかしらねぇ。また昼過ぎまで寝る気かしらねぇ~ (-∀-。)もう知らねぇ~ (*≧∀≦)楽しそうでいいな、と自分は思うけど、旦那は旦那なりにいつも大変なんだろうと思う。昨日はヨサコイの新年会だって言うから、楽しめてよかったね。……と一応言っておこう。ちなみに、連絡しろよ~弁当箱のくだりまでは、直で旦那に言いましたよ。溜め込まないことにしたわたし。ちゃぶ台は投げてないけどね ネッ(oゝД・)b
2010.01.17
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***** 玄関を開ける音が聞こえた。カイルが立ち上がろうとするのを、グレンは止めた。「シフィルだろ? ほっとけば来るさ」 カイルは椅子に腰を下ろし、寝床に入ったままのグレンに話しかけた。「茶を淹れてこようか」「シフィルが淹れてくれるだろう。薬も飲まなきゃいけないしな」 グレンがカイルに話していると、こつこつと歩いてくる足音が、部屋の前で止まった。聴こえたんだな。グレンは思う。足音が遠ざかって行くのが聴こえる。 ほどなくシフィルが茶器と薬を乗せた盆を持って、部屋に入ってきた。「楽しそうだね」 シフィルが二人にに話しかける。「おかえり。どこ行ってたんだよ」 グレンは笑いながら言った。カイルは咎めるように言う。「……シフィル、グレンは昨夜」「具合を悪くしたのかい?」 雨だったしね、とつぶやきながら薬を溶き、グレンに渡して、シフィルが言う。「心配は、していたのだけれどね。だからすぐに帰ってきたんだよ」 カイルはシフィルのことを軽く睨み、茶器に葉を落とし、湯を注いで茶が出来るのを待った。シフィルは何をしているのだろう。病人のことを置いて外出するなどと。「たいしたことねぇよ。いつものことだ」 グレンが笑みを浮かべて言う。「すまなかったね。……カイル様が看ていてくれたのかい?」 グレンにたずねると、カイルが目を軽く伏せ、カップに茶を注ぎながら、ぽつりと言う。「たいしたことは、出来なかった」「いや、助かったよ。なあ、シフィル」 グレンはカイルに笑いかけ、シフィルに向き直り、鋭く言った。「おまえ、こいつに敬称をつけて呼ぶのは止めろ」 敬語もやめとけ、グレンが言うとシフィルはふっと笑った。カイルは驚いたようにグレンを見詰めていた。「……そうだね」 シフィルはどこか悲しそうに目を伏せた。カイル様、と呼ぶことが、習い性になってしまっている。皆がそう呼ぶから。ヨギやサラ、そしてリゲンに敬称をつけていないこととの矛盾を、シフィルは思った。しばらくそうして考え込んでから、シフィルはカイルに話しかける。「カイルと、呼んでもいいかい?」 突然シフィルに砕けた口調で話しかけられたことにおどろいて、カイルはカップを持ったまま、一瞬動きが止まった。「……構わない」 ずっと、皆に特別なもののように扱われていることが嫌だった。こんなに、簡単に済むことだったのか、カイルは思う。 グレンというのは、本当に不思議だ。どうして自分の思っていることを、解かってくれるのだろう。少しずつ、何かが変化していくような気がする。自分も、周りも。 自分もこんなふうに、なれるだろうか。グレンのように、なりたい。カイルは願った。立ち上がり、目を閉じてグレンに言う。「グレン……礼を言う」「ああ」「ありがとう……」「……いや」 グレンは茶を飲み、寝床に伏せた。カイルは帰ると告げて、診療所から去って行ったと思ったら、グレンの服を持って部屋に戻ってくる。「雪が」 そういいながらグレンの服についた雪を、盥の中にはらう。渡された服をシフィルは受け取った。カイルが言う。「空が暗い……本格的に降るかもしれない」 身体に気をつけてくれと言って、再び診療所を後にする。「……几帳面というか、なんていうか」 生真面目だよな、あいつ。後ろ姿を見送って、グレンは短く笑いながら言った。「グレン」 たしなめるようにグレンの名を呼ぶシフィルの顔も笑っている。*****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。励みになります。にほんブログ村
2010.01.17
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以前、フォトショップ加工用のものをUPしたのですが、これはさらに、その元の絵です。発掘品。 描線が、急ぎすぎです (´-∀-`;)フォトショップで塗るにはとても向きません。ベジェ曲線ツール使います。使わなきゃ、やっていられない。描線は背景を透明にしているので、塗った後、いらないところは消します。なんでなんだろう。そんなに急いでどうするというのか。顔の中身だけは、なんとかがんばった様子が見受けられます。で、かみのけは、こっちのほうがイメージとしては、わたしの思っている感じに合っている気がしますぺんてる2Bのシャープペンシル、だと思います。ユニの芯かもしれない。鉛筆は、ハイユニ4B。コレはもう、絶対。鉛筆削りはどこに行ってしまったのだろう…… (´-∀-`;)
2010.01.16
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***** ……苦しい……痛い…… …………嫌だ…… ……離せ…………「…………夢」 グレンは身を起こし、大きく息を吐く。胸が苦しい。窓を叩く雨音が聞こえる。呼吸するたびに嫌な音がした。 それに混ざって、玄関の戸を叩く音が聞こえる。グレンは重い体を起こし、壁伝いに歩いた。「……カイル」 玄関は開いていた。グレンが施錠を忘たのだろう、カイルはすでに所内へ入っていた。 カイルはグレンの様子を見てひどく狼狽する。荒い呼吸が耳に響く。壁にもたれ、立っているのがやっとだというようなグレンの姿。「グレン! 大丈夫か」 グレンは答えようとしたが、舌がうまく回らない。頭が酷く重くて、目の前が一瞬、真っ白に飛んだ。 ふらつくグレンをカイルが支える。「……悪い」「どうしたのだ!! シフィルは!? いないのか!!」「何しに……」「昼のことが気になって……それに雨が」 以前、雨の日に寝込んでいたから、心配になって、と言いかけたカイルに、グレンは言う。「しんぱい……して」 言葉が途切れ、グレンを支えるカイルの腕に、グレンの重みがかかる。「グレン!?」 カイルはグレンを寝床に運んだ。こういうときはどうしたらいいのだろう。カイルは自分が発熱したときの様子を思い出す。母上がしてくれたことは。 汗に濡れたグレンの衣服はすっかり冷たくなっている。カイルは着替えを探し、たんすの引き出しをひっくり返した。それらしいものが見つかり、今度はタオルを求めて再びそこら中をあさる。 しばらくして、以前シフィルが治療室の棚から取り出していたことに思い当たるまでに、部屋の中は散乱したものに埋められていた。 カイルはグレンの服を脱がせ、汗をぬぐった。そして、グレンの腰に色彩の美しい紋様が入っているのを見る。きれいだな、とカイルは思った。グレンの国の風習だろうか。着替えさせて、そこでふと思いつく。脱がせた着物は洗った方がいいのではないか?「げほ……」 グレンは咳き込んで、目を覚ました。雨音が聞こえる。昨夜から降り続いているらしい。体にかけた布団がずり落ちてしまっている。引き上げようとしたが、どういうわけか重い。「……? ああ」 落ちた布団の上に、カイルが眠っていた。しばらくぼんやりと見ていると、カイルはがばっと身を起こした。「すまない!!」「いや。布団くれ」 カイルは慌ててそこを退き、布団をグレンにかける。「……ずっと、付き添っていたのか?」「すまない……眠るつもりはなかったのだが」 恐縮した様子で言うカイル。「世話、かけたな」「いい」 グレンが身を起こし、あたりを見回すと、奇妙な光景が目に飛び込んでくる。部屋中に様々なものが無造作に散らかり、その中でひときわ目立っているもの。 なんでたらいがこんな所にあるんだ。「あれ、何?」 グレンが言うとカイルは振り返り、きょとんとした顔で答えた。「盥だが」「そうだな。それで、そのたらいが何だってここに」 言いながら、なんて馬鹿馬鹿しい会話なんだと呆れるグレンとは対象的に、カイルは真面目に答えた。「おまえの着ていた服を洗ってみたのだが……吊るすと水が落ちてきて仕方がないのだ」「そうか。とりあえず、部屋を片付けてもらえるか。服は絞ってから、外に吊るしたほうがいい」「夕べは雨が」「それは俺も知ってる。今は晴れてるだろう? だから外に」 カイルが妙に手馴れた手つきで散らかした物を片付けていくのを、グレンは少し疲れたような顔で眺めていた。 グレンは外に出て行ったカイルを待つ間、脇に置いてある瓶の花を見つめていた。ずいぶん元気になっている。土を入れたのは誰なのだろうかと、ぼんやり考えた。 カイルが部屋に戻り、尋ねた。「これでいいだろうか」「ありがとう。充分」 カイルに答えて移した視線を、花に戻す。「これ、おまえが持ってきたんだってな」「あ、ああ」「珍しいな。根ごと引き抜いてくるなんて」「……切るのがためらわれて、それで、昨日、土を」 やっぱりこいつか。しどろもどろになっているカイルが面白い。グレンは微笑んだ。「礼を、言ってないな」「いい」「ありがとうな」「……すまない」 そう言ったカイルにグレンはやや呆れたように答えた。「おまえ、すぐにそうやって謝るんだな。誰に対してもそうか」「すまない」 グレンはため息をついた。「謝らなくていい」「……すまない」 謝るカイルに、グレンは笑って言った。「あのな、俺が礼を言ってるのに、何でおまえが謝んなくちゃいけないんだよ」「あ……そうか、そうだな」 グレンはカイルと顔を見合わせて、笑った。 *****ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりに、ポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.16
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今日、だんなが帰ってきたのは朝の4時半。朝、起こしに行くまで起きませんでした。何考えてるんだろう。雪にはまりながら起こしに行った私は思ったそして、今日は飲み会だってさ。ヨサコイの新年会だって。うちに男手が無いのも、豪雪なのも、わかっているのに。何考えているんだろう。いいけど。いても、いじくらしいし、面倒くさいから。お嬢は今も、私の膝の上。この人は、いつでも平和でいいなぁ……。
2010.01.15
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******* 去っていってしまったグレンを、引き止めることも出来ずに、カイルは仕方がなくシイナに話しかけた。「……シイナ、なにがあったのだ」「はい?」「グレン……。縄の痕があった」 自分の手首を戒められたときのことがカイルの頭のなかによぎる。よく見ているな、シイナは思った。不安そうな顔つきのカイルに、シイナが言う。「ああ、城下で、ちょっとトラブルがあったみたいで」「大丈夫なのか?」 心配そうにたずねるカイルに、シイナは笑って言った。「だいじょうぶでしょう。グレンにとっちゃトラブルでもなんでもないからなあ」 むしろ相手が心配なくらいだ。グレンが本気でかかると恐い物がある。シイナは目の前の少年とたいして変わらない頃のグレンと、出会ったときのことを思い出す。 傭兵として雇われた先で進軍中、軍のテントの中で、転がっている数人の死体と、涼しい顔をしているグレン。忘れられるものじゃない。なにもかもが血に染まっていた。素肌を曝け出した服を、再びきっちり着込み、グレンはあっさりと言ってのけた。 報酬を払おうとしなかった、と。 おまえもわたしが欲しいか、と。笑みさえ浮かべて。 人数減らしちゃ駄目だろうと言ったシイナに、微笑みすら浮かべてグレンは言った。 ――あの程度の技量では、いてもいなくても同じだ。 心配になったシイナは、グレンに連れ添うように、その後の任務を遂行した。恐ろしいくらい正確に、無慈悲に繰り出されるグレンの双剣。自分の言ったことを証明するように、グレンの働きは凄まじかった。首級を挙げたのもグレンだ。そして雇われ先の国王に、報酬が少ないと言って、いきなり剣を喉元に突きつけたグレン。 慌ててグレンを宥めたなあ。シイナは苦笑する。あの頃のグレンは、目の前のカイルによく似た、堅苦しいしゃべり方をしていたな、とシイナは思い出す。危なっかしくて、ほうって置けなくて、しばらく一緒に行動していたら、だんだん角が取れてきたけれど。「……何を笑っているのだ」 カイルに言われて、シイナはカイルを見た。 そう、こんな感じで堅苦しかった。嘘みたいだ。シイナは笑った。「いや、グレンのことを思い出して」 笑みを浮かべて、髪をかきあげながらシイナは言う。カイルは尋ねた。「おまえ達は以前から親しかったのか」「うーん、親しいというか、同業だったというか」 シイナの返事は歯切れの悪いものになる。カイルは重ねて尋ねた。「シイナは昔、傭兵というものだったのだろう。その時のことか」 傭兵というもの。その言い方が、この国の平和さを物語っている。平和なことは、いいことだとシイナは思うが、グレンの言うことも解からなくは無い。「グレンのことを、聞かせてはもらえないだろうか」「あ~~~~」 シイナは間延びした声でうなりながら考えた。どこまで話していいもんだろうか。それに、あいつの話は、この平和な国で生まれ育ったカイルにしてもいいものなんだろうか。考えてみたけれど、とりあえずは。「……グレンに聞いてみたらどうですか」 シフィルにも、そんなふうに言われた。カイルは思う。どうして皆グレンのことを語ろうとしないのだろう。「俺はあいつがグランディールに行ってからのことは知らないんですよ」 シイナはそう言って頭をかいた。そして思う。以前カイルは、リゲンはどんなやつだったのかとばかり聞いていたのに、と。「そういや、カイル様はなんで、グレンを知ってるんですか」「シフィルのところで……」 カイルが言う。シフィルのところにいるのか、あいつ。シイナは思った。何やってるんだろう。医者になるつもりか? あいつが? シイナは考え込んだ。頭痛がしそうだ。ありえない。目を逸らして考え込む様子のシイナに、カイルは何も聞けなかった。 グレンが、どう生きて来たのか知りたい。カイルは思った。 空が暗くなる。やがて雨粒が頬にあたった。会話の途切れたまま、シイナはつぶやいた。「雨ですねえ」*****
2010.01.14
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豪雪です彡(-ω-;)彡昨日の昼過ぎから、突然の大雪。朝はちらほら降っていただけだったのに。ラッセル(除雪車)が何度も通ります。家族たちの車が入れません。除けないと、と私は外に出た。膝下まで、脚が雪にはまります。吹雪です。何度か角スコを動かしては見たものの、無理無理無理~ (ヾノ゚д゚`)あきらめて家に戻ると、こっちはこっちでなんかえらい事に。牛乳パックが2本、開いています。洗面所の、お嬢の踏み台に牛乳が付着しています。またやりおったな (。>皿<。)牛乳1リットル、低脂肪乳1リットル、共にやられました。母に買ってきてもらうようにメールをすると、「オッサンが、県中(県庁所在地の病院)に搬送された」との返信。なんじゃそりゃ~ オロオロ((;ω;))オロオロ具合が悪そうだというのは知っていた。病院へ行けと言っていた。昨日検査して、一週間後に結果を聞きに来いといわれて帰ってきたおっさんはフツーに雪かきして、おかゆを食っていた、そしたら病院から電話が来たんだって。「悠長なことは言っていられません。県中に搬送します」…………肝臓が、調子悪いんだって。なんかヤバイ細胞がいるんだって。そうらしいよ。さよなら、オッサン。元気に帰って来いよ (。´Д`。)ノシ結構私も落ち込んでいますよ。こう見えても。そうこうしている内に、私は大がしたくなったので、トイレに行ったのだ。あっさりした私を待っていたのは、娘と空っぽのピルケース。錠剤は灰皿の中に。漢方薬は、袋を開けてゴミ箱に。すべてのやる気が失せました。外は吹雪いています。私は泣くやら怒るやらで、雪のことはもう無理だと、母にメールした。帰ってきたら、みんなでやろうと、やさしい返事が返ってきました。夜8時半、帰ってきた母と妹と、私と、3人で雪かき。娘は、私の話を聞いた母が、キケンだからと、車の中へ。疲れました……とても。え? だんな? 宿直 ( `д´)、ペッペッペッなんでこんな日に限って! と一瞬思ったけど、母と一緒に、「だんながいなくて良かった」 と言いあった。次の日、面倒くさいし。腰が痛いとらクソとら。今日も吹雪いています。もう私は知りません。何もしなくていいと母にもお許しをいただきました。なので、雪に関しては何もしません。
2010.01.14
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シイナさんです。 顔のキズを思いっきりわすれています。2003.6.2. だってさ (;´・ω・)ハイライト*オーバーレイトーンカーブ:個別髪色着彩時:茶色もっと色黒にすればよかった。……と書いてあります。 飲んでいるのは、日本酒、ではなくて、たぶんビール。マトモに着色してあるのは、もうあとはグレンとセツばっかり。灰色着色していない頃ですね。指が4本しかないような気がしますが、気のせいです (*≧∀≦)きっと小指を立てているんでしょう 。゚(゚^∀^゚)゚。
2010.01.13
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*****「こんな形でおまえと再会するとはねえ」 シイナはグレンの縄を解きながら言った。「それはこっちの台詞だ。おまえ、なんだって門番なんかやってるんだよ」「城にいても暇だからなあ。人の流れがあるほうがまだましだ」 シイナはあっさりとそう言い、グレンを見やる。グレンも見返して、言った。「……おまえ、老けたな」「わるいか。……それで、何をやったんだ、おまえは」 笑みを浮かべて言うグレンに、シイナは言った。グレンは短く溜め息を吐いて答える。「俺が聞きたいな、そういうことは。本来ならその場の注意ですむ程度のことで、縄をかけられて城に連行される理由というのを」 憮然とした様子でグレンは言う。シイナは笑って答えた。「まあ、そう言うな。間違いは誰にでもあるさ。俺はまた、サクッと何人か斬ってきたのかと思ったよ」「するかよ」「やりそうだが?」 皮肉な笑みを浮かべてシイナは言った。「してねえよ」 グレンは額を押さえて、答える。そんなグレンをシイナは不思議そうに見た。「それより、何だってここに? 内偵か?」 軽口を叩きあったのち、シイナが尋ねた。グレンはため息を吐いて答える。「違う。成り行きだ……なあ、シイナ。おまえ、この国をどう思う」「何がだ」「この腐った平穏をどう思う」 グレンの目が真剣だ。茶化すことはためらわれた。シイナは答える。「……戦を求めているのか?」「城下の腐敗の有様を、おまえは知らないのか」「繁栄すれば暗部が生まれるのは仕方がないさ」 グレンはシイナの言葉に息をつき、頭を押さえた手で顔を覆った。「おまえ、腕、どうした?」 グレンの右腕が先ほどから動いていないことにシイナは気づく。鈍いなとグレンは思った。グレンはため息を吐いた。「斬られたんだよ」「へえ……めずらし」 シイナはあらためてグレンのことを、しげしげと見つめ、言った。「白衣なんか着て、にあわねえなあ」 俺だって似合うと思って着てるわけじゃねえよ。グレンはうんざりしてきた。平和ボケしすぎじゃないか? 額を押さえたその指の隙間から覗くように、話しかける。「シイナ、いずれ崩壊すると解かっていても、それでもおまえは今の平穏を望むか?」「グレン?」 苛立たしそうに、そして深刻そうに言うグレンに、シイナはためらう。「この国は、破滅の足音さえ聞こえないまま、滅ぶだろう」「なんの話だ」 預言者のようなことを言うグレンを、からかうのも躊躇われるくらい、グレンの顔は深刻だ。「俺はそういう国を幾つも見てきた……だいたい、ヨギのやつは何を……」 語ろうとするグレンの耳が、こちらに近づく足音をひろう。 視線を移すと、カイルが向かってくるのが見えた。「カイル……」 呟くグレンに、シイナも視線の先をを伺う。「カイル様……」「グレン!」 カイルは二人のそばまで走ってきた。グレンは微笑む。犬コロみたいだ。「シイナとは、よく会ってるのか?」「ああ」 尋ねるグレンに、カイルは答える。 「昔の話を聞いたりしている」「仲良しなんだな」 冷めた目つきで、ため息を吐きながらグレンは言った。「俺、帰るよ」「おい、グレン」 引きとめようとするシイナに、グレンは薄く笑って言う。「問題は無いだろう?」*******ランキングに参加しています。よろしければポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.13
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***** シフィルはまたどこかへ出かけていってしまった。診療所にはグレン一人が残された。グレンは医学書をぱらぱらとめくっていたが、じきにシフィルの言っていたことを思い返した。 あんなふうに言われたら、気になって仕方ないじゃないか。グレンはコートをはおり、診療所を出て、カルセイグの城へと向かった。 冷たい風にグレンはコートの襟を合わせ、帝都の外壁を見渡した。めぐらされた壁はあちこちで崩れ、修復される様子も無く、放置されている。 グレンは門をくぐった。帝都は開け、発展している。戦がないということは、こういうことだ。活気があり、様々な店が建ち並び、多くの人々がせわしなく街道を行き交う。 警備兵らしき姿をした男たちが、人ごみにまぎれちらほらと見られる。数はそう多くない。警戒も薄そうだ。グレンは城へと向かわせていた足を止め、街道を引き返し、裏寂れた一角へと向かう。 どこか胡散臭いその通りに並ぶ建物の中に、表札も看板も見当たらないものがまぎれている。外国語が時折耳を掠めていく。昔にかぎなれていたニオイが辺りに漂っている。グレンは顔をしかめた。国が腐れていく臭いがする。吐き気がした。「五百」 歩いていると、背後から声をかけるものがいる。グレンは忌々しげに振り返る。帽子を目深にかぶった男が、手にいくつかの小さな袋をぶら下げていた。クスリ、だろうな。グレンは思って顔をしかめた。男はへらへらとだらしなく笑いながら、広げた手を伸ばしてくる。「五百ラング」「いらねえ」 グレンは吐き捨てるように言い、表通りへと歩いていく。 王都で、城の膝元で、こんなものが売られているのか。グレンは歩みを速めた。すると、背後から肩をつかまれる。「何の用だ」 振り返らずにグレンは言う。「……来いよ……楽しもうぜ」 グレンは置かれた手を払い、体を反転させた。伸びっぱなしの金髪を無造作に束ねた男が不敵に笑っている。 くすくすと笑い声を上げながら、人影があちこちから現れグレンの手をとり、盛んに奥へと引き込もうとする。 リーダーだと思われる金髪の男を、グレンは身構えもせずに無言で蹴り倒し、失神させた。グレンが周囲からの次の攻撃のために構えた時、街道の方から数人の警備兵が駆け寄ってきた。「何をしている!!」 グレンを取り巻いていた者達は、ばらばらと逃げ出し、失神した男とグレンだけが取り残された。 警備兵はグレンに向かい、質問もなしに告げた。「傷害罪で城へ連行する」「俺が?」「大人しくしろ」 両脇に散った兵士に、背後から押さえ込まれる。倒れた男のほうを見れば、一人の兵士が大丈夫かなどと言いながら介抱しているようだ。「何なんだよ、この状況は」 グレンは自分を押さえた兵士に尋ねるが、返事は無い。 何を言っても無駄なのだろう。グレンは大人しく両手を上げ、縄をかけられ城へ歩かされた。 グレンは城の裏門に引きずられていった。兵士の後に大人しく従い、門をくぐる。城門の警備にあたっているらしい人物が、グレンの事を確認する。「こいつは?」「城下で市民に暴行を加えていました。取調べます」 警備兵が門番に敬語を使うのを珍しく思い、グレンは視線を上げた。「人は見かけによらねえなあ……っておまえ!」 こちらの顔を覗き込み、叫ぶ門番にグレンは見覚えがあった。明るい金色の髪、眉間に深く刻まれた傷跡。「……シイナ?」「……グレン? どうしてここに?」 二人の様子に警備兵たちが互いに顔を見合わせる。「……この罪人と、お知りあいですか?」 警備兵の一人が躊躇いがちに問う。「知り合いというか……ええとなあ……、尋問は俺がしてかまわねえか? 立会いがあってもいいんだが」 シイナが言うと、警備兵は承諾する。「……シイナ様に全てお任せします」「どうも」 シイナはグレンのつながれた縄を受け取り、警備兵を市外へと見送った。 縄の先でつまらなそうにしているグレンに、シイナは問う。「で、何やらかしたんだ、おまえ」*****ランキングに参加しています。よろしければポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.12
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娘がいま、膝の上にいます。重いです。13キロ……。とてもキーボード打ちにくいです。私の左腕に頭を置くな (。>皿<。)きのう、JA婦人部の新年会へ行ってきたんですよ。お嬢も連れて。家の班は役があたっている年なので、準備のために、早く行ったんだけど……。娘が膝の上から降りようとしない (゚∀゚ ;)わたしは娘の子守だけでした。おばあさまがたの中で、白目を剥いている娘。リアルに白目を剥くんです。いないないで顔を隠しばあっとしたときに、白目。おばあさま方、大ウケ。笑ってくれてありがとう (;^ω^)わたしは、片付けの頃になったら唐突に眠たくなってしまい、片付けの途中で、寝た。酒飲みすぎ。本当に何の役にもたたなかったよ (;´・ω・`)ゞ
2010.01.12
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*****20 朝日が昇る。鳥のさえずりでグレンは目を覚ました。ふと外を見る。冷えるけれど、雪は無い。視線を移すと、ベッドサイドに見慣れない花が瓶に活けられ、くたりとしている。グレンはぼんやりした頭で考える。何だろう、これは。 シフィルが置いたのだろうが、それにしても。「何だってこんなくたびれた花、置いてあるんだ」 シフィルが薬を持って、グレンの元に来る。「これ、何」 花を指して、グレンは尋ねる。「見舞いだそうだ。昨日カイル様がいらしてね、雨の中抜いて来たらしいよ」 グレンは薄く笑った。「……変な奴」「庶務を済ませてから来たんだそうだよ。きみのことを心配なさっていたよ」 薬を調合しながらシフィルは言った。「具合がよくなったのなら、城に行って礼でも告げてきてはどうだ」「気が進まない」 グレンは顔をしかめて答えた。現在友好条約を結び、戦時協定も結んでいるとはいえ、グランディールはかつてカルセイグに攻め込み、結果的にリゲンを奪った国だ。国交は無いに等しい。当時の確執が消えたのかどうかはグレンには解からない。ただ、リゲンのことは今でもじゅうぶんに尾を引いていそうだ、ということが、カイルの話から解かるくらいだ。「カイル様もそうそう城を空けるわけには行かないだろう」「来いとは言ってないんだけど」「きみに会いたがっていたよ」「……この国の情勢は、どうなってる」 薬をひく音が静かに響いた。静かだ。気が重くなる。 グレンはそれを打ち消すように言った。「それも探ってみればいい」「けしかけてどうするんだよ」 グレンは笑ったが、シフィルは真面目に言った。「きみが暇そうにしているからね。医学書を読むくらいに」「……なんで」「位置が動いているから解かるよ」「勝手にさわって悪かったな」 グレンは気まずい気分で、素直にわびた。だがシフィルは言う。「結構なことだと思うよ。優秀な助手は欲しいところだしね」「医者になる気はない。苦手だ」 うんざりした様子でグレンは言う。「初耳だな。でも、助手が欲しいのは本心だよ。城の医務室にも、誰もいないしね。わたしも薬の補充程度のことしか、してはいないし」「怪我人だらけだろうが。城は」「そうでもないよ。怪我をするようなことはしていないようだから」 まあ、城下の町にも医者はいるしね。シフィルは言う。グレンは呆れたように言った。「平和なことだな」「そうとも言い切れないようだけどね」「……何かあるのか」「だから、見てくればいいと言っているんだよ」 海を越えた様々な国で戦乱が続いていることを、シフィルは知っている。戦を放棄したこの国で、することがたいして無くなって以来、シフィルは各国に足を伸ばして、戦乱を見聞きした。 領土拡張のため、良質の資源を得る為、揺れ動く時代の中で、この国は確実に取り残されている。カルセイグの行く末をシフィルは危惧していた。「他国へ少し足を伸ばせば、きみの噂はいくらでも、嫌でも耳に入る。きみはもう少し、きみらしく生きてもいいと思うがね」「俺らしく?」「この国は、平和だからね」 シフィルは目を閉じた。「七年前に、考えるべきだったのだとわたしは思うよ。――この国が侵略されかけたときに」「……グランディールに、な」シフィルがあえて言わなかった国の名を、グレンは口にした。シフィルは目を閉じたまま、考えて言う。「戦時協定を結んでいたところで、グランディールは遠い」「戦乱が起こると思うのか」 グレンは身体を起こし、身構えるように言った。「わたしはそう思うね。近いうちに、必ず。この国は軍事を縮小するべきではなかった」 シフィルは眉間にしわを寄せて言い、再び薬を挽きはじめた。「行くのなら、武器は置いていきなさい。物騒だからね」「……どっちなんだよ」 危ないのか、危なくないのか。なんにせよ武器はもう片付けてしまってある。もう装備することもないだろう。シフィルは無言で薬を挽き続けている。グレンが何か言ってもまた、見て来ればいいという答えが返ってきそうだ。グレンは大きく息をはいた。*****ランキングに参加しています。よろしければポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.11
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昨日、起きてきた旦那さんが、『東京魔人学園外法帖 血風録』 をやっていた。わたし、外法帖、だいすきで、だんなさんにやらせたら、見事にはまった。私は血風録じゃない外法帖を、アホほどやりこんでいたので、血風録は、増えた場面を見ることぐらいしか楽しみはないです。陽スタート、陰スタートを一回ずつやって、わたしゃあのゲームは放置です。フツーの外法帖がすき。ロード遅いし、すぐ止まるけど。血風録で、壬生霜葉のインターバル会話が、一部削られてしまったのは何故だ。あの、細かいことに気がつく、ちょっと神経質な壬生さんは笑えたのに 。゚(゚^∀^゚)゚。剣風帖もわたしはやっていたので、陽スタートから陰へ行ったときの、御屋形様にはびびりました。なに、このいいひと~!!変わった男を集めるのが趣味なのか?動物と会話するのも好きなようだ。私はこころのなかでこっそり、『鬼哭村のおかあさん』 とか呼んでいました。保母さんみてえだよ、このひと。御屋形様、だいすき (〃▽〃)感情入力、肯定では【愛】を入力しまくってましたね。この人には。一部、否定でも【愛】かわいいんだもん 。゚(゚^∀^゚)゚。 いや、カッコイイです。それで2週目、陰スタートにしてみたりしたのですが、「鬼哭村に帰りたい......。゚(PД`q。)゚。」という思いが取れませんでした。みんなわたしのこと忘れてる ・゚・(。>д<。)・゚・!!2度と陰スタートでは、やらない。心に誓ったあの頃。以後、陽スタートで延々繰り返しプレイしましたね~。風祭も好きだよ。蹴りまくってました。こいつ、いいやつだなぁと思うよ。血風録で増えた、雪の中に倒れる風祭が、すごく好きだよ。だんなは、陰では九桐さんしか使ってない。「踏み鳴らす」で一人動かしてれば、敵になるもの、無し。あとはテキトーなところにひと置いて、式神で、ふっ飛ばしてます。高感度が、ありえないくらい、低いです。2週目にもなれば、風祭から「たんたん(デフォルトなら)」と呼ばれてもいいはずだ。血風録なら、高感度はあげやすいのになぁ。コントローラーボタンで、移動と技の範囲とダメージが確認できるのに、いちいち一人ずつカーソル合わせて、技選んでるのを見ると、叩きたくなります。まどろっこしいんだよ (*`д´)【東京魔人学園帝戦帖】 がDSで発売するらしいですね。第三部~。いつ発売になるのかなぁ。御屋形様が天童寄りになってたら嫌だな。発売する頃には、私もゲーマーになっていることでしょう。お嬢は保育所だしぃ~。
2010.01.10
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やばそうなものをたべても、腹も壊さず元気な娘。 丈夫な腹でよかったな (*≧∀≦)そんな娘が、ずいずいずっころばしらしきものを歌います。♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪じゅいじゅいじゅっころばしごまみそずいたちゅぼにごまれてごっぴんしゃんぬけたらどんぼこしょかわらのねずみがこめくってちゅ ちゅちゅちゅおこさんがごんべもおかさんがごんべもいきっこましよ チャンいとのまわりでおちゃわんかいたのだ~あれ。♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ツッコミどころ満載 。゚(゚^∀^゚)゚。いきっこなしよ のあとの 『チャン』 は、間奏?効果音? ほんとうの歌詞と比べてみてくださいずいずいずっころばし ごまみそずいちゃつぼにおわれて トッピンシャンぬけたらドンドコショ たわらのねずみが 米くってチューチュー チュー チューおとさんが呼んでも おかさんが呼んでもいきっこなしよ井戸のまわりで お茶碗かいたのだあれ……ちがうでしょ?じゅげむも最近ぶつくさ言うようになりました。これは教育テレビの影響でございましょう。あと、ラムのラブソング。misonoのCDは一度しか流したこと無いんだけど(娘の妨害にあうから)あんまりそわそわから、すきよすきよすきよ うっふんまで完璧に歌います。しょっちゅう歌います。だったら、CDを、聴かせてください (;′△`)
2010.01.10
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一番初めにやったファイナルファンタジーが、6でした。6→5→4とやって、7→10→10-2をやって、8をクリアし、9はクリアせずに放置してあります。ラスボス倒すだけです。RPG、ドラクエしか、やったこと無かったんですよ。しかもわたしがやっていたのは、ファミコンではなくMSXというハード。スーファミになって、はじめての、ドラクエじゃないRPG。それがFF6。バトル中に会話してる!!なんか、いろいろすごい!!ストーリーがおもしろい!!魔列車にフェニックスの尾とかバニッシュ+デスとかもうほんとうに、楽しかった。はまりました。もう何度クリアしたことか。ラスボスのケフカのMPを無くして、なんか台詞つきで魔法放とうとするのに、「MPがありません」 とかさせた。ヒマだったんだよなぁ。あの頃。もちろんアルテマウェポンも、ラストバトル中に盗んで、二刀流。なんか、もういっかいやりたいです。 MASTER MAGE CEFCA ……1996年だってさ。その頃、大神裕というPNでした。発掘品です。B4の4つ切りサイズの便箋の絵柄。本物はもっとちっちゃいです。
2010.01.09
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娘のことを、母が連れ出してくれました (*'∀'人)☆10時半です。ありがたいです。でも、今日はだんなが休みです。どうせ昼過ぎまで起きてこないんだろうけど。一人きりの時間がないと、私はダメになってしまいそうです。いや、パチ屋とかでは、人がいてもいいんだけど。少ない店の方がすき。一人の時間……旦那にはけっこうあるんだよね。Wii本体とか、誰かに借りていましたよ。ソフトも買いたいと言っていた。私もそのゲーム、やりたい。私は、DSすらもほっぱらかしているというのに。やりたいんですよ? すごく。私だってね。ティアクライスをクリアすりのはいつになるのでしょう……。ああ、どっかに出かけてくんないかな~、だんな (。>皿<。)
2010.01.09
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**** 雨が降っていた。雨に溶かされた雪でぬかるんだ道を、カイルは診療所へと走る。玄関の扉をノックすると、シフィルが顔をのぞかせた。「……あの」 カイルが話そうとすると、すかさずシフィルは口をはさんだ。「お怪我でも?」「そうではなくて……その、グレンは」「ああ、グレンね」 グレンにと、父上が。そう言って紅茶の缶が差し出される。シフィルは微笑んで受け取った。「ありがとうございます。きっと喜びますよ」 口篭もるカイルを見るのは珍しい、シフィルは思った。カイルはどちらかというと、いつもかたくるしくて、年のわりに落ち着いた雰囲気であったはずなのに。 彼もグレンには調子を崩されるのかもしれないな。シフィルは思った。けれどグレンは文字通り、調子を崩している。「彼は、奥で安静にしています。雨の日などは、どうも体調が思わしくないらしい」 シフィルが部屋に視線を向けて言うと、カイルは言葉も無く振り返り、外へと走り去る。 ずいぶん懐かれたものだ、シフィルは思う。カイルはやや気難しいところもあり、多少扱いづらい部分もあった少年なのだが。 シフィルは湯を沸かし、茶器に葉を落とす。湯を注いでしばらくすると、ノックもなしに、カイルがずぶぬれで所内に上がってきた。 手には根ごと引き抜かれ、雨に打たれてうなだれた花が握られていた。「……見舞いを」 その花を差し出して、カイルは言った。「……ありがとうございます」 シフィルは礼を言ってそれを受け取り、奥で広口の空き瓶に据えた。 カイルにタオルを差し出してやると、断られてしまう。「必要ない。帰りはまた濡れるのだから」「小降りになるまで、休まれたら」「いい」 シフィルは断るカイルの頭にタオルをかぶせて、拭いてやった。おとなしく拭かれるままになっている。カイルは憮然とした顔で言った。「グレンは、どこか悪いのか」「胸の調子がね、よくないのですよ。雪の日も辛そうにしていましたし」「……グレンの右腕は、以前から動かないのか」「動かなくなったのは、ここ一年ほどの間ですけれどね」 語りたくはないのだと思いますよ。彼には聞かないでやってください。シフィルは言った。もう聞いてしまった、カイルは後悔する。「……グレンに、腕はどうしたのかと聞いてしまった」「そうですか」「もう動かないと言っていた」 それだけか。シフィルは安堵した。それ以上のことを、カイルが聞く必要は無い。カイルはそのままでいい、二人が深く対話すれば、カイルに悪い影響を与えられるとしか思えない。けれど、ここまでなついているのならば、逆にいろいろと良いほうへ動くのかも知れない。シフィルは複雑な思いで考えていた。「……いずれ、グレン自身から語られるまで、どうか待っていてやってください」「わかった」 カイルは神妙にそう言って、玄関に向かう。「グレンには、会わなくてもよろしいのですか?」 カイルの背中に問い掛けると、彼は振り向いて言った。「わたしは庶務を済ませてからここに来たのだと、伝えておいてくれないか」「はい、伝えておきますよ」 難しい顔をして告げ、遠ざかっていくカイルに返事ををする。カイルの靴音を、シフィルはほほえましく思いながら、聞いた。グレンとカイル、話せば互いに、得ることも多いのかもしれない。シフィルはカイルのことを思った。グレンの口から、いろいろと話してもらえれば、この国の皆がカイルに背負わせてしまったものを、取り除くことが出来るのかもしれない。 だが、それはとても難しいだろう。シフィルは思って溜め息を吐いた。*****ランキングに参加しています。よろしければポチッと押していただけると嬉しいです。にほんブログ村
2010.01.09
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あいかわらず、字などが読みにくいと思いますので、上から順にグレン チーズケーキ焼けます。できないことはあまりない。「わりとフツーに」セツ 味付けはともかく、切るのはトクイ。飾り切りもできちゃう。「器用なんで」カイル 家庭料理はほとんどできる。おいしい。トクイなことがハズかしいタイプ。「母上が……とくいなので」 (ロールキャベツを持っています)リゲン 作るのは好きなのに。「何がいけないのか……」ヨギ お茶は入れられるぞ。「別に困らん」グレンの両腕が動いてるとか、セツの持っている魚がまずそうとかのツッコミは、心の奥底から、自分自身がツッコんでいるので、そっとしておいてやってください。あと、リゲン。「何もかもだ (*`Д´)っ))」 と私はツッこみたい。ヨギも、ものすごく料理下手です。そういうらくがきがあります。こういうらくがきは、ものすごくさらさら描いてしまうので、字が酷いです。普段はもっと、ましです。たぶん (´-∀-`;)たくがきを丁寧に描こうと思っていた時期もあったのだけど、私には無理 (ヾノ'д'o)
2010.01.08
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一昨日の話です。娘が言いました「ねえ~ちょっとまま、みお(仮名)の言うこときいてくれる~?」いっちょまえな。本当にこいつは口が達者だ。「えむたん(私の妹だ)が~ きのう~ あかるくなったら~ やさいじゅーす飲もうねって言ったの!!」たいへん嬉しそうに言う娘だが、もう晩の6時半だ (゚∀゚ ;)なぜ、朝のうちに言わない……。ところで、野菜ジュースの期限のことは知らないが、ペットボトルは開封後、どれだけもつものなんでしょうね。きのう、娘は 「いらな~い」 と言って飲まなかった。そして今日。妹が 「もうそれダメだよ~」 というのを無視して、私は娘にやった。平気へいき~ (*≧∀≦)さて、どうなることやら。娘は今朝、牛乳パックに入っていた牛乳を、洗面所に流し捨てました。娘しか飲んでいない、低脂肪牛乳。別にいいよ。あたしらはそれ、飲まないし。とりあえず、食い物を粗末にする人は嫌いだよ、と言っておきました。しかし、冷蔵庫にあった、異臭を放つトウモロコシを「おいし~い」 とか言って食うのはどうか (´-∀-`;)やめろと言ったんだけどな。食ってます。もう知りません。2歳児 ┐(´-д-`)┌
2010.01.08
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カイルくんに、リゲンのことを誰も教えてくれないというので、私が教えてあげましょう (*≧∀≦) カイルくんです。眉毛はもっとつり眉でいいと思う。イメージ違ったらごめんなさい。私もイメージと違います 。゚(゚^∀^゚)゚。で、リゲンさんはこういうひと 読みにくいと思いますので、上から順に1、たまごはうまく割れないので握りつぶします。力強くいきましょう。2、どういうわけか体中どろどろになってしまいます。3、「は~い」 なんか黒いもちろん玉子焼きのくせにまずいです。セツもたいへんだなぁ ……なんか、こういうひとです。リゲンさんのらくがきは、こんなのばっか。読み返すと改めて、このひと、あほやと思います。文章では普通なんですけどね。あと、玉子焼きって、けっこう奥が深くて、むずかしいと思います。
2010.01.07
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