つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

PR

Calendar

2016.11.07
XML
カテゴリ: SF
「平ら山を越えて」
平らな山って台形みたいなもんかと思ったら、雲を突き抜ける標高ウン万メートルの山だった。山同士が衝突して隆起したら…という設定らしい。山越えのトラックの男は、ヒッチハイクの家出少年を拾う。これがまたドライバーの若いころそっくりな可愛げのないガキで…

「ジョージ」
作者の処女作。もしも生まれてきた赤ん坊に翼が生えていたら? あなたは医者や牧師の勧めるとおり、切除しますか? 「障害」とは何かを考えさせる佳作。

「ちょっとだけちがう故郷」
旧式飛行機に乗って冒険した少年少女たち。砂漠を越えて着いたところは一種のパラレルワールドで、そこでは背骨の曲がった女の子も…

「ザ・ジョー・ショウ」
宇宙のプラズマ的生命体は、地球人の女に欲情するか?  『宇宙のエロス』 の類にふさわしい一篇。


この手のお話としてはアシモフの『停滞空間』が有名だが、本編もなかなか。孤独な現代女性と新人類に追われ、仲間を失ったネアンデルタール人男性の魂の交流。

「光を見た」
神は自分に似せて人をつくった。人は神を崇め、進化した。人が神と再会した時、神は失望した。人が神と対等な存在であろうとせず、自分を崇めたからだ。神は行ってしまった。人間は犬に対して、同じことをするだろうか?

「マックたち」
殺人犯を被害者の数だけ複製しろ。遺族に引き渡して、殺させるのだ。
証言が積み重なるうちに真相が見えてくる。インタビュアーが誰であるかも。最後の一語ですべてが明らかになる。芥川的な名編である。

「カールの園芸と造園」
緑がほしいならホログラムが一番。死んだ地面には木も草も生えませんよ、という世界の哀れな話。「 ドクター・ゾンビ―と小さな毛むくじゃらの友人たち 」を連想した。

「謹啓」
とともに始まる赤紙の召集令状。人口の増えすぎた国では、ある世代を生かすために、別の世代が犠牲にならねばならぬ。イラク戦争を皮肉った一編だが、少子高齢化社会への諷刺にもなっている。


【新品】【本】平ら山を越えて テリー・ビッスン/著 中村融/編訳





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.12.04 15:07:56
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: