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上段左より『キノの旅(2)』 時雨沢恵一 『温かな手』 石持浅海『アラビアの夜の種族』 古川日出男『サキ傑作集』 サキ『腕貫探偵』 西澤保彦『輝く断片』 シオドア・スタージョン『四神金赤館銀青館不可能殺人』 倉阪鬼一郎 コミック『シガテラ(2)』 古谷実『アラビアの夜の種族』は面白かったけど大作でした。ちょっと頑張りましたが、それだけのことはありました。『サキ傑作集』や『輝く断片』は、普段読まないような作品でしたが、強烈な印象を残しました。石持さんと西澤さんの短編集も面白かったし、初めて読む倉阪さんの作品にも驚かされました。久しぶりに風邪をひいています。たいしたことはなく、二日で症状も大体治まってきたので、今は公然と家事をサボっています。早く春が来ないかなぁ。
2008年01月31日
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腕貫をはめた地味なその役人は櫃洗市市民サーヴィス課臨時出張所一般苦情係の窓口担当。この出張所、実は神出鬼没で、大学構内や病院の待合室、警察署内など、あちこちに出現する。マネキン人形のように無表情な男は丸いフレームの銀縁メガネ、白いシャツ、黒っぽいネクタイ、無造作に切り揃えられた脂っけのない髪という素っ気ない、いかにも小役人なのだが、その窓口へと、トラブルを抱えた相談者はふらふらと引き寄せられる。殺人? 詐欺? 行方不明? さまざまな悩みを、聞くだけで見事に解決してしまうのがこの腕貫男なのだ! 明晰な推理力をもつユニークな安楽椅子探偵が活躍する、ユーモア溢れる痛快ミステリー連作短編集!(出版社より)腕貫探偵登場 /恋よりほかに死するものなし /化かし合い、愛し合い /喪失の扉 /すべてひとりで死ぬ女 /スクランブル・カンパニィ / 明日を覗く窓事務の経験がないので、腕貫というものを実際に見たことはありませんが、何となく知っていました。多分ちょっと前の映画化ドラマで見たのではないかと思いますが、袖が汚れないようにはめる腕カバーのことですね。色々な場所に出現する、櫃洗市市民サーヴィス課臨時出張所一般苦情係は黒の腕貫がトレードマーク。横に掲げられた看板には、苦情や質問だけでなく、なぜか「個人的な悩みもお気軽にどうぞ」、と書いてあるのです。不審に思いながらも誰かが相談すると、話を聞いただけでスラリと事件や謎をとくヒントを示してくれる。そう、まるで彼は安楽椅子探偵です。誰も並んでいないのに、名簿に記名して座って順番を待つように言われるというところは、お役所仕事を思わせますが、彼は本当に役人なのでしょうか?相談料無料の名探偵だから、実際にいたら大人気になるのでは?気軽に読むことができる楽しい短編集でした。後味も悪くなく、気分転換に良いかと思います。腕貫探偵:西澤保彦
2008年01月28日
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聖遷暦1213年、偽りの平穏に満ちたカイロ。訪れる者を幻惑するイスラムの地に、迫りくるナポレオン艦隊。対抗する手段はただひとつ、読む者を狂気に導き、歴史さえも覆す一冊の書―。(「BOOK」データベースより)日本推理作家協会賞と日本SF大賞をダブル受賞した話題作をついに読みました。舞台はエジプトのカイロ。ナポレオン率いるフランス軍が、侵略のため 刻一刻と迫りつつあります。マムルークと呼ばれる 支配階級の奴隷であるアイユーブは、主人・イスマーイール・ベイのために策を進言します。それは、読み始めた者は その本と『特別な関係』に落ち入り、うつし世のことを全て忘れ去るという『災厄(わざわい)の書』をナポレオンンに献上することでした。夜の種族は夜毎に『災厄の書』を語り続けます。『もっとも忌まわしい妖術師アーダムと蛇のジンニーアの契約の物語』、 または『美しい二人の拾い子ファラーとサフィアーンの物語』、 あるいは『呪われたゾハルの地下宝物殿』 物語は何夜にもわたり続きますが、その間にも戦況は悪くなるばかり。ナポレオンの軍はカイロに近づいてきます。アイユーブの策は間にあうのでしょうか。醜くて悪だけれど 純な心を持つ妖術師アーダム。機智に富み剣の才にも優れ、どこか能天気で人に愛されるサフィアーン。色彩のない皮膚に魔法のオーラをまとい、野望のためには人を犠牲にすることも厭わない 魅惑の魔術師ファラー。3人別々の話が一つになり、大団円の終焉を迎えるでまで、語り部が語る濃密な物語には、くらくらしながらも引き込まれます。結局アイユーブの策は思いもよらないところへ向かっていくのですが、それ以外にもこの作品は作者の大いなる企みに満ちています。その企みは巧みなので、気付かない人もいると思います。私もまんまと乗せられるところでした。『ベルカ、吠えないのか?』(感想)では、独特の文体にはまりましたが、この作品でも、時に現代的だったり、はすっぱだったりと個性的な文で物語が紡がれていきます。本について語られる場面も印象に残り、本に向き合い本を読むことの喜びをふつふつと感じることができます。この書物も私を選んだのだろうか、などと思ったりしました。長いので、少し体力がいります。私も物語の壮大さに途中で息切れしそうになりましたが、最後まで読んで良かったと思います。
2008年01月24日
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久しぶりのバトンをhina_maxさん からいただきました。1.バトンを回す大好きな5人の方々のブログのタイトルを書いて驚かせましょう。私もhina_maxさんにならってお1人だけ。困った時につい頼ってしまうのが昼下がりの迷宮~ の あむあむ108さんもしお時間がありましたら、よろしくお願いします。期限はなしということで……w2.回ってきた質問には素直に等身大の自分で答えましょう。3.このルールは必ず掲載して下さい。★お名前は?samiado です。★おいくつ?自分より背が高い息子がいます。もし事件に巻き込まれても、新聞に載るとき 決して若い女性とは書かれませんが、老婦人とも書かれないと思いますw★ご職業は?宇宙人主婦 (常識がないのは宇宙人だから、といつも子供に言いきかせて今日まできました。)★資格持ってる?その資格で働いていたものが一つ。持っているだけで仕事に就かなかったものが一つ。 ★今悩みありますか?あっても、たいがい忘れています。 ★あなたの性格を一言で言うと?能天気でずぼらだけど 細かいことが気になります。★誰かに似てるって言われたことある?顔ちぇき!の結果芦名星 51%伊藤由奈 49%西川史子 48% ……w★社交的?人見知り? 人見知りだけど人は好き ★ギャンブルは好き?当たるはずがないと思っているので、関心なし★これの為なら一食抜けるゴハン何をするにしてもまずは腹ごしらえ。一食抜いたら病気になりますw ★好きな食べ物飲み物、嫌いな食べ物飲み物は?好きな食べ物は 自分で作らずにほかの人が作ってくれた物好きな飲み物は コーヒー嫌いな食べ物は クサヤ嫌いな飲み物は ウイスキー★恋人はいる?夫と息子★彼氏、彼女にするならどんな人が理想?今思いついたのはマックス・ビターソーン 。明日には変わっていると思います。(シャーロット・マクラウドのセーラ・ケリング シリーズに出てきます。)★彼氏、彼女とケンカした時に自分から謝れますか?自分が悪いと思ったら謝ります。(なかなか思わないことが問題かもw)★バトンを回してきたあの人は○○であるhina_maxさんは知識豊富なうえに 向上心あふれるブログを書かれていて、いつも刺激を受けます。幅広い本の紹介を、これからも宜しくお願いします。★今までの自分の経歴で面白い事や自慢できる事は?ラジオの企画でGLAY川柳に応募して、TERU賞に選ばれました。
2008年01月21日
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短篇小説に無類の手腕をふるった点で,サキ(1870―1916)はオー・ヘンリーによく似ているが,読後感はひどくちがう。彼は,涙と笑いが生み出すあの人生の温もりとは徹底して無縁である。残酷と恐怖,怪奇と不気味が支配するサキの世界をかいま見るものは,思わず背筋の寒くなるのを感ずるだろう。二十一篇を厳選.(出版社より)内容紹介には「残酷と恐怖,怪奇と不気味が支配するサキの世界をかいま見るものは,思わず背筋の寒くなるのを感ずるだろう。」と書かれていますが、そこまで恐ろしくは感じませんでした。この短編集のすごいところは、10ページ足らずの短い話の中に起承転結があって、必ずキレのあるオチが用意されていることです。たまに 残酷さにドキッとすることもありますが、風刺のきいたブラックユーモアは小気味がいいくらいです。人の愚かさや情けなさというのは、はたから見る分には滑稽なものです。思わずフッと笑ってしまうことも度々ある、優れものの短編集でした。サキ本名は、ヘクター・ヒュー・マンロウ。1870年ビルマ生まれ、スコットランドの小説家です。サキが生まれて間もなく母親が亡くなったので、2歳の時に姉や兄と共に本国にいる伯母たちのもとに引き取られました。その伯母さんの家では亀やうさぎなど、さまざまな動物が飼われていました。サキの作品には動物がよく登場するのは、その頃の体験がもとになっているようです。この作品にも、犬、二十日鼠、猫、いたち、猿などの動物が登場し、堂々と重要な役割を果たしています。私が読んだ『サキ傑作集』(岩波文庫)は品切れですが、ほかにも幾つか作品集が出ています。内容はかなりだぶっているので、どれを読んでもいいかと思います。サキ短編集:: サキ /中村能三
2008年01月18日
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大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。人間離れした二人は、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を、鮮やかに解き明かす!一風変わった名探偵とそのパートナーが活躍する、著者渾身の連作集。(「BOOK」データベースより)白衣の意匠/陰樹の森で/酬い/大地を歩む/お嬢さんをください事件/子豚を連れて/温かな手このところ、趣向の違う短編集を3冊続けて出した石持さんですが、最新作も、またまた短編集です。しかもあらすじを見ると、最近の作品と同様に軽めのタッチで描かれたミステリのようです。ところがこの作品では、「人間離れした二人」という表現は文字通りだったのです。これまでも独特の設定が持ち味でしたが、今回はちょっと不思議な設定が生かされていました。名探偵たちは人間の死体を見ても平気だし、自分の都合に合わせて事件を解決しようとします。彼らは被害者や加害者の気持ちを思いやったりすることもなく、言ってしまえば人間のくだらない感情には全く左右されないのです。だからこそ、『扉は閉ざされたまま』(感想)の探偵役のように、クールな判断をして、ドライに対処することができます。苦かったり、ほんわかしていたり、ダークだったりと、話はバラエティに富んでいますが、どれもロジックが冴えわたる連作短編集でした。ただ、最後の話だけは一味違いました。風変りな設定はこの話のためにあったかのよう。驚いたことに、人間の普通の行動にじーんとくるのです。切ない終わり方ですが、心は温まっていました。これだけ追いかけているということは、私は石持さんが好きなんでしょうね。唯一未読なのが、『BG、あるいは死せるカイニス』です。ややSFっぽい変わった設定に恐れをなしていたのですが、この『温かい手』が気に入ったので『BG~』も読む気になりました。先日、近所の書店で石持さんの作品が 女性作家の棚に置いてあったそうです。並べた店員さんが作品を読んだことがないのか、読んだことがあっても女性作家だと思い込んでいるのか、どちらにしてもちょっと悲しいです。温かな手 :石持浅海
2008年01月15日
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義姉のために作った携帯ストラップです。半年前くらいにプレゼントした物がきれてしまったとの事。ストラップを持って取り出すことが多いため、金具が開いてしまったようです。確かに丸カンを結構使っていました。だから今回はテグスにしました。義姉はシンプル好み。青系統というリクエストにも答えたし、テグスも2周通してこれで完璧 と思ったのですが、最後にボールチップを使ってしまいました。あれあれ、結局金具かい!次に切れたらどうするかを、早めに考えておこうと思いますw
2008年01月13日
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現在、過去、未来。別々の時を刻む三つの大時計を戴くクロック城。そこは人面樹が繁り、地下室に無数の顔が浮き出す異形の館。謎の鐘が鳴り響いた夜、礼拝室に首なし死体、眠り続ける美女の部屋には二つの生首が。行き来不能な状況で如何に惨劇は起こったか?世界の終焉を鮮烈に彩る衝撃のメフィスト賞受賞作。(「BOOK」データベースより)北山猛邦さんの作品を読むのは「『アリス・ミラー城』殺人事件」(感想)に続いて2作目です。1999年、世界は終末を迎えようとしていました。地球全体が磁気異常に見舞われ、ゲシュタルトの欠片が現れ、テロリストが銃を持って押しかけてきます。すべてをあきらめたような灰色の世界。独特の雰囲気です。初めは違和感がありましたが、次第に入り込んで 心地よいくらい浸ってしまいました。過去、現在、未来を刻む大きな時計が三つ並ぶクロック城はさらに幻想的です。こういう舞台は好きです。アルミサッシのあるような味気ない現代建築よりずっと雰囲気があります。そしてそこに生首が……。期待通りの大がかりな物理トリック。北山さんは物理トリックで有名な方ですから、ある程度予想ができてしまう事は仕方ないと思います。私は実はもっとおぞましいことを想像してしまいました。「とても人に言えやしないよ。」(野口さん風に)そんな具合で、トリックにはあまり驚けなかったのですが、首を切った理由や、最後に明らかになる事実にはかなり驚かされました。この世界の運命を握る人や、世界を救おうとする組織など、もう少し知りたかったと思わないでもないのですが、なかなか余韻のある終わり方だったので良しとします。『クロック城』殺人事件 : 北山猛邦
2008年01月11日
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大西洋をイギリスに向かう豪華客船クィーン・ヴィクトリア号で発生した、二つの盗難事件と殺人事件。すれ違いと酔っぱらいのどんちゃん騒ぎのうちに、消えたはずの宝石は現われ、死体は忽然と消え失せる。笑いとサスペンスが同居する怪事件の真相やいかに?巨匠カーの作品中、もっともファルスの味が濃いとされる本書はまた、フェル博士が安楽椅子探偵を務める本格編でもある。(「BOOK」データベースより)カーは多種多様なミステリを書いていますが、この作品はその中で最もファルスの味が濃いとされています。ファルスとは何か? 辞書で調べてみると、フランス中世後期に栄えた民衆演劇の形式の一。当時の庶民生活を題材とした単純素朴な喜劇。一般には、こっけいさをねらった喜劇。笑劇。ファース。とあります。確かにあきれるほどドタバタでした。事件はニューヨークからロンドンへ向かう豪華客船、クィーン・ヴィクトリア号の上で起こります。ギデオン・フェル博士ものですが、博士は船を下りてやってきた推理作家・モーガンから話を聞くだけで 真相を推理します。安楽椅子探偵というわけです。発端は、外交官のウォーレンが持つ、国際スキャンダルを招きそうな映画フィルムが盗まれてしまったことです。それを知ったヴァルヴィック元船長やペギーやモーガンたちは、ひそかに犯人を捜そうとするのですが、殺人事件に遭遇し、混乱の中で船長を殴って 船客の宝石を奪い取ってしまう羽目になるのです。その後、宝石の始末に困ったり、死体が消え失せたりと混乱は続くのですが、とにかく彼らの愚かな行動のおかげで、良識がありそうなモーガンまでが どんどん窮地に陥っていく様子が笑えます。この作品はミステリとしてはフェア・プレイです。フェル博士は 謎を解く16の鍵を教えてくれますし、事件を解説する時には 手がかりが何ページにあったかがそのつど明記されています。とはいうものの、私はすっかりファルスに翻弄されて、真相は見抜けませんでした。先に読んだ娘が、「ウォーレンはあれでよく外交官が務まるね~。」とあきれていましたが、同感ですw盲目の理髪師新版 : ディクスン・カー
2008年01月09日
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上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられたのはご存知「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスは、異人たちの住む麻衣椰村に目をつけるが…。辰次郎、NY出身の時代劇オタク・松吉、海外旅行マニア・奈美といった面々はもちろん、女剣士朱緒をはじめ新メンバーも登場し、ますますパワーアップした異色時代小説。(「BOOK」データベースより)『金春屋ゴメス』(感想)の続編は、期待通り面白かったです。タイトルの通り、今回は芥子の実からできる阿片が問題となります。最近 亜細亜各国に出回っている大量の阿片が、江戸国から密輸された物らしいということで、長崎奉行のゴメスが老中から探索を命じられるのです。病気の父親の面倒をみるために田舎に引っ込んでいた辰次郎は、父親が小康状態となったので復帰してきます。武術を習い、少しだけたくましくなって。ゴメスもさらにパワーアップしています。迫力あるシーンもありました。冷酷無比、極悪非道と言われるのも無理はないと思えます。こ、こわい…w一方背中に寂しさを漂わせることも……。そんな親分を辰次郎はちゃんと見ています。ゴメスの隠されたエピソードが 少しずつあきらかになっていくところも見逃せません。前作で、この世界のことは大体頭に入っているので、なじみのあるキャラクターたちが大暴れする姿を、わくわくしながら楽しむことができました。また、新キャラクターとして、奉行所で働く若く美しい女剣士の朱緒や、探索の過程で知り合う異人の少年サクが活躍します。島流しや隠密同心との出会いなど、松吉が喜びそうな 江戸らしさを感じる出来事も新たに出てきました。最後には「江戸国」の存続を揺るがす巨悪の存在もほのめかされますし、この先どうなるのかが、とても気になります。芥子の花 : 西條奈加
2008年01月07日
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幼かった遠い昔。狂ったような桜吹雪の夜、母は桜の枝で……。過去をひきずり、胸の底に水色の“虚無”を沈めた絵馬師の半次に持ち込まれる事件は、どれも哀しい。まだ青い林檎のような岡っ引の娘・お小夜に頼られ、慕われ、謎を解いてゆくうち、半次が辿りついた風景とは。江戸情緒あふれる捕物帖の傑作!(出版社より)童子は嗤う /振袖狂女 /三本指の男 /お千代の千里眼 /水中花 /昨日消えた男 /恋ひしくばこれは昨年早稲田で行われた道尾秀介さんの講演の中で、道尾さんがその頃読んで面白かった、と言っておられた作品です。そういう縁がなければきっと手に取らなかったと思います。久世光彦(くぜ てるひこ)さんといえば、「寺内貫太郎一家」、「時間ですよ」などのドラマの演出で有名ですね。小説も書かれていた事は知りませんでした。この作品が唯一の時代小説のようです。主人公である半次は好い男です。雨上がりの蒼い月と、秋の蝶が似合うくらいに……。そして、幼い頃母を亡くした時の記憶を、いつまでもひきずっています。美男子で色気があってどことなく憂いのある男、でもなかなか捕まえられない絵馬描きの半次のことを、江戸の女たちは恨みと愛をこめて「逃げ水半次」と呼ぶのです。半次は、怪我がもとで足腰が立たなくなった元岡っ引の佐助の世話になっていて、その娘で岡っ引のお小夜が持ってくる様々な事件の謎解きを手伝っていきます。最後に辿り着いたのは半次自身の謎でした。江戸を舞台にしたこの作品は、何とも色鮮やかなイメージが広がります。そして艶っぽい。こういうものを美文というのでしょうか。一つ一つの文章からぬめりを帯びているような怪しさが漂い、酔いそうになりました。謎解きは結構楽しめますし、女の情念や業が描かれながらも最後は明るさが見えます。私には新鮮なタイプの話でした。逃げ水半次無用帖 :久世光彦
2008年01月04日
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12月に読んだ本です。何を読んだのかすぐに忘れてしまうので、こうやって毎月保存しておけばいいではないかと思いついて、11月から始めたのでした。11月より少ないので大きな画像を載せられました。できるだけ感想も追いつくようにしたいと思います。 上段左より『逃げ水半次無用帖』九世光彦『遠まわりする雛』米澤穂信『『クロック城』殺人事件』北山猛邦 『クリスマス・プレゼント』ジェフリ・ワイルズ・ディーヴァー『盲目の理髪師新版』ジョン・ディクソン・カー下段左より『芥子の花』西條奈加 コミック『銀魂(第21巻)』空知英秋『シガテラ』古谷実
2008年01月03日
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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。新しい年を平穏に迎え、近所の神社に初詣に行ってきました。ところが昨日のハイキングの影響で筋肉痛が……。坂や階段を上がったり下がったりする度に「あいたた」と言いながら、かっこ悪くお参りしてきました。昨日歩いたのは、鎌倉の「天園ハイキングコース」北鎌倉駅→建長寺→天園→瑞泉寺→鎌倉宮 という約6キロ…約2時間のコースでした。訪れるのはもう何度目かで、大晦日に行ったことも3回くらいあります。1月1日には人と車であふれる鎌倉も、12月31日はすいています。建長寺から天園までは勾配のきつい登りが続くので、息が上がりました。昨日はもやがかかっていたので稲村ケ崎の海までしか見えませんでしたが、天候が良ければ天園からは富士山、伊豆の山なみまで見晴らせます。日頃運動不足の私には、パノラマを堪能するゆとりはありませんでした。少し先の「天園 峠の茶屋」までたどりつきましたが、くたくたになっていたので 天園ではなくて天国と読んでしまう始末ですw景色の写真を撮る余力もなく、やっと撮った写真はこれだけ。峠の茶屋で飲んだ甘酒ですw下りで少し元気を取り戻して撮ったのがこれです。風の音と杉の香りを思い出します。
2008年01月01日
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