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2016.03.31
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カテゴリ: 小説
ハインリヒが夢の中で見た青い花の少女に似たマティルデに会って恋をする話。

●あらすじ
第1部 期待
13世紀に故郷の町から出たことがない世間知らずの20歳のハインリヒ青年がある日青い花が少女に変化する不思議な夢を見ると、父親も不思議な夢を見たことがあって結婚したという。ハインリヒは祖父のシュヴァーニングに会いに母親と一緒に母親の故郷に旅行することになり、道中で商人からアトランチスの王女の恋の伝説を聞いたり、騎士から十字軍の話を聞いたり、少女ツーリマから反十字軍の意見を聞いたり、ボヘミア出身の宝堀りおじいさんから宝石採掘の話を聞いたり、洞窟を探検して洞窟に住む元武人の隠者ホーエンツォレルン伯に話を聞いたりして見聞を広める。祖父の家につくと詩人クリングゾールに詩人の才能を見出されて弟子入りして、クリングゾールの娘で青い花の少女に似ているマティルデに初恋をしてそのまま婚約して愛と詩は最高だと有頂天になって、クリングゾールからエロスとファーベルのメルヘンの話を聞く。

第2部 実現
巡礼しているハインリヒは父親の知り合いの医師ジルヴェスターと会って道徳について会話する。未完。遺稿の草稿によると、このあとハインリヒは寓意の国に旅して名士と会ってアメリカや東インドの話を聞いたり、イタリアと交易をして将軍になって戦争をしてギリシャに漂流してからローマに戻ったり、マティルデの子供(星人)が生まれて奇跡の世界が展開して、現実世界から奇跡の世界に行って死んだり輪廻したりする予定だったらしい。

●感想
三人称。第1部、第2部、遺稿という構成。途中で歌や詩が若干さしはさまれるものの、通常の言葉で散文が展開していていまどきの純文学よりも読みやすい。
この物語は主人公のハインリヒを世間知らずの受動的で穏やかな青年にしたことで読者もハインリヒと同じ視点から珍しい話に興味を持ちやすくなるという点では成功している。しかしハインリヒが見聞を広めて内省する部分よりも他人の話のほうが長くなってしまっていて、脱線気味な上にハインリヒの主人公としての役割が薄れているのはよくない。

ちなみに作者は22歳のときに12歳の少女ゾフィーに恋したようで、つまりはロリコンである。作中ではマティルデの年齢は不詳だけれど少女と書かれているからには未成年だろうし、作中のハインリヒのマティルデへの愛の賛美を現代人が素直に受け取るのは危険かもしれない。この小説は恋愛文学の世界的古典みたいな位置づけでやたらと評価が高いけれど、いくつかレビューを読んでも誰もロリコンに触れてないのはなんでなのか。ロリコンでも昔の人だからノーカウントなのか、あるいは純愛ならロリコンでもOKなのだろうか。少女と会ったその日に相思相愛になってチュッチュしてろくに話もしないうちに翌日婚約するようなロリコン的愛情には私は違和感があって、ハインリヒとマティルデが愛と呼ぶほどお互いを理解できていたとは思えないのだ。少女とチュッチュして興奮しているハインリヒをきもいロリコンだと思って引いてしまう私は心が穢れてしまっているに違いない。

★★★☆☆

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最終更新日  2016.03.31 11:27:44
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