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真夏の夜のねっとりとした大気の中を群青色の大きな魚がゆったりと泳いでゆく優雅に…物憂げに…ボクはじっとりと濡れたシャツから漂う熟れた果実のような香りを不快に思いながら魚が泳ぐ様子をじっと見つめている少しも涼しげじゃないゆったりとひれを動かす魚は蒸れた夜気の存在をよりボクに印象付けただけだ
Jul 31, 2006
どうしたのだろういつも波が打ち寄せているはずの場所がいまはただぬかるんだ土地が霧の中に溶け込むはるか先まで続いているだけすえたような潮のにおい足元に転がっているのは魅力を失ったガラクタこれが現実だと言われてもなんのありがたみがあるだろうか気づかずにいたほうが少しは幸せだったのにもしすべての人が現実を直視しなくてはならないというのであればそれは無差別な暴力をもって行なわれるだろう昔からそうであったようにこれからもそうであるように英雄のいない戦いに幻想はないそこにはむき出しの現実があるだけだ
Jul 30, 2006
気温は30度を超えて寝苦しい夜が続くというのに街のショウウインドーもブラウン管の中もバケーションのサインがあふれているというのに続くのはただ暑いだけの日々8月のカレンダーにマークをいれなければ今日が何日だか忘れてしまいそうだかげろうのようにおぼろで曖昧な記憶の繰り返し寝苦しさに目を覚ましシャワーを浴びて綿シャツに腕を通す職場ではそれなりに仕事をこなすが達成感のないまま日が落ちるまで残業のマネごとをして夜の街に出る街の空気はねっとりとして息も詰まりそうな臭気に満ちているやっとの思いで部屋に戻るとその日のことを思い出すことなく冷やされた空気の中に沈んでいくカレンダーにマークを入れていないことを思い出すが億劫だ続くのは暑いだけの日々夏は来ずただ永遠に8月が続いている
Jul 16, 2006
なにもかにもがブチこわしサイコー、カンドー、ナケマシタ友達どうしならいざしらず誰があなたのカンソーききたい?あれが広告会社のすることか?配給会社はマンゾクか?コメディーならばまだいいがアクション、ホラー、メロドラマ?あぁ、なにもかにもが安っぽくなる銀幕の幻想も興ざめだ
Jul 15, 2006
ゆっくりと、ただゆっくりと、歩む。感じるのは足の裏に触れる部分(大地?さぁどうだろう)流れる風(いろんな匂いが混ざっている)そして光(もう明暗しかわからない)ただ、世界を歩むだけのそんな存在なににも干渉せずなににも干渉されないゆっくりと、ただゆっくりと、歩む。
Jul 14, 2006
真っ白な雲の岸壁に蒼い波が 砕け散る青い波しぶきは 球になって降り注ぎ焼かれた大地を 潤していくしぶきの一粒を 指につまんでこっそり 口にふくんだら少し しょっぱいような涙のような 味がした
Jul 13, 2006
振り仰ぐ青空流れ行く衣よ五色の絹の中白い肌包んでまぶしくて手をかざす陽を浴びる笑顔よひるがえる裳裾に薫る風胸焦がす
Jul 12, 2006
ダメですか燃え上がる憎しみを押さえることはできませんかただ戦うことだけが生きがいですか誰かがそうしろと耳元で囁くのですか儲かるのですか溢れ出す血も涙も止められない吹き飛んだ体をつなげ合わせても命はもう戻らないダメです失ったものは戻らない奪った命は戻せないああ、それともすべてを消し去らないとダメですか
Jul 11, 2006
縁側で見上げる入道雲青空を切り抜いたようなその脇からぬっと顔を出すカマスの鋭い横顔夏の陽射しを浴びてギラギラと輝く銀色のとがった顎目が焼けそうにまぶしいというのにじっと見つめる団扇をかざして
Jul 10, 2006
希望はありますか明日目覚めてまた歩き出せますか?それとも、もうこのまま誰からも忘れ去られるほど寝ていたいですか?ひどく左胸が痛みます体は健康でもそれを自覚する神経はもう擦り切れてまた憂鬱な日々が続くのでしょう希望すら私には毒になるときめきは心臓を握りしめるなぁに、そんな人間いくらでもいるいくらでも生きている多分、珍しいことじゃないそれがまた憂鬱の種
Jul 9, 2006
見渡す限り広がる向日葵畑青空の下で大地は鮮やかな黄色と深い緑に覆われる大輪の花の下産毛の光る大きな葉の下を風が渡るように銀色のきらめきが流れていくまるで出口に迷ったように畑の中をぐるぐるとせわしなく影と日向を潜り抜け唐突に身を翻して去ってゆく向日葵の海にこぼれる夏日のかけらせつなにひらめく思い出のような鰯の群銀のさざなみ
Jul 8, 2006
すっかり夜に包まれた住宅地の中を走り抜けていく列車の中は空席が目立っていた。乗客は誰もが眠っているか、呆然とした顔で中吊りの広告を読んでいる。珍しくケータイを手にしている乗客の姿がない。まるで過去にタイムスリップしたようだ。 車窓の外は宵闇の中に輪郭を失った建物の外灯ばかりが流れ去っている。大きなマンションの脇を通ったのだろう、整然と並んだ何十個もの白い光が弧を描いて流れていった。 「今、自分はどこにいるんだろう?」向かい側の窓の外を見つめながら、私はぼんやりと考える。駅のような看板がない住宅地は、窓の明かりか、外灯ぐらいしか目に留まらず、一体列車がどこを走っているか、判断つかない。もしかすると、今窓の外を流れている景色は、まったく知らない街並みかもしれない。そんな不安感が私の想像力をくすぐる。 自分が乗り込んだ列車は、やっぱり自分の知らない土地を走っている。夜に沈んだゴーストタウンを逃げ去るように走り抜けている。ひたひたと押し寄せる夜に襲われた街を見捨てて逃げる我々。ようやく夜から逃れ、光あふれる車輌に逃げ込んだ乗客たちは、もう話す気力もなく、ただ少しの時間でも疲れを休めようと、座席の上で、気絶したかのように眠っている。目を覚ましている乗客は、迫り来る脅威から逃避するためか、日常の名残である広告の文字を何度も何度も読み返している。 次の駅もまだ夜の中だろう。列車は夜から逃れようとする乗客を乗せて走る。向かうは朝。眠りという死を受け入れた、ゴーストタウンを貫いて走る。次の駅は乗客がいるだろうか? ともに逃げる仲間がいるだろうか?
Jul 7, 2006
僕は町を歩き回って鱗と羽を捜しているそれは意外なところに落ちていたり危険な場所にひっかかっていたりまるで僕を試すように存在する時にはそれが僕の目の前に落ちてくるまでずっと待ち続ける二日でも三日でももう家に帰らずに何ヶ月も経った時々、カフェの端末からこうしてブログを更新するのが昔の自分の名残のようなもの今日も空のどこかで人魚が鱗を落とし天使が羽根を散らしている僕はそれを集めているそれが雲の回廊へ向かう季節変わりの風に乗るチケットになるまでさぁ、そろそろ一休みしよう不審に思われるまで柔らかな漫画喫茶のシートで一休みだ
Jul 6, 2006
南風とともに海岸から上がってきた鳥は東京の上で翼を休め暖かな羽毛で街を覆ったそんなに温めてもなにも孵化はしないのにここは、この卵はもう死んでしまっているのだから……
Jul 5, 2006
「殺ってはいけない」それが最低限のルールでもできることならいくらでもある手足をもぎ両目をつぶし舌を引っこ抜いて白いベッドの上に老衰するまで縛り付けたらいいようやく体が動かせるぐらいのカプセルはどうだ一番いいのは同じ目に合わせること何度も何度も反省するまで死なない程度に何度もしないのは本人の自由続くだけだ戸籍からはずして残りの人生は番号で呼ばれ誰にも合わず窓の無い部屋に封じとめておけばいい
Jul 4, 2006
左の肩甲骨の下翼の名残と言われるあたりに時折鈍く"太い"痛みを感じるまるで背後から樫の棒でぐいぐいと突かれるようにあまりの痛みに体が動かなくなる呼吸すらも苦しい苦しみながら不図思い出す昨夜の夢無情にも翼をもがれそのまま打ち捨てられた夢白いエプロンをつけた男が私の背に牛刀を叩きつけ関節ごと翼を引き抜いた飛び散る純白の羽と真っ赤な血飛沫左の肩甲骨の下痛むのは翼の名残と言われるそのあたり
Jul 3, 2006
もう情熱はわかないかつて胸躍らした世界がいまでは心の負担になっているあと半年あまりで辞めるつもりだがいまはこの世界丸ごとから離れたい日に何度もそんな思いが湧きあがるまるで接触の悪い電球のあかりのようにそのたびに心が磨り減っていく無理にでも進んできたがもう息切れいったい、なにがなんだか疲れた苦痛というものはゆっくりと蝕んでいくものだ
Jul 2, 2006
哀愁を帯びた彼の歌声がラジオから流れてくる失われた祖国と民族の源流を慕い憂う歌けれど彼の言葉は異国の言葉はるか昔彼の祖国を奪い民族を解体した国の言葉だからかもしれない余計に悲しく聞こえ深いところを流れる怒りを感じるのは
Jul 1, 2006
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