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HO用のカプラーと言えば、ベーカーカプラーが固定連結用のドローアを除けば、長年普及し、天賞堂の客車やエンドウの貨車などの古いモデルにはかなり装備されています。連結しやすく、走行中に外れにくいので、今もそのまま使っている方もおられると思います。ただ、ベーカーカプラーは見た目や走行中のカプラー同士の干渉音があるほか、外しにくいという難点もあります。私は色々試行錯誤した結果、KDカプラーを原則的に使っています。KDカプラーは極小のスプリングでナックルが可動し、カプラー本体の首部分の左右に付いたヒゲ状の極細スプリングでカプラーを中心位置に保持する構造になっています。紙袋に入ったKDカプラーを購入するとカプラーボックスとともにナックルの極小スプリングも予備として付属しますが、今まで外れたことはありません。KDカプラーは色々種類がありますが、#148が最も優れていると思います。この道40年のれーるぎゃらりー六甲の床次社長に教えてもらったのがきっかけですが、長年使ってみて皆さんにもぜひお薦めします。高価なのが唯一の欠点ですが、連結しやすく走行中に外れにくい、外しやすい、金属製のため耐久性があるというメリットがあります。カプラーのトラブルはストレスが掛かるので、メリットがコストを上回っていると確信します。ベーカーカプラー用の2mm径のネジ穴にそのままKDカプラーを交換に取り付けて問題ありません。ただ、待避線をスペースの関係で550Rの4番ポイントを組み合わせて設けている方も多いと思います。その場合、首の短い#148同士で連結すると、車体の間隔は狭くてリアル感が高いのですが、写真のように車体が浮き上がり脱線してしまいます。そのため、片側だけを首の長い#146に付けると問題なく通過できます。本来は本線と同じく待避線も6番ポイント720Rで統一したかったのですが、かなりのスペースが必要になって、逆に待避線の本数が少くなり、長さも短くなるのは非常に大きなデメリットでした。皆さんも車両の入れ替え頻度が多くなると走らせるのが面倒になって走らせなくなりませんか?#148短と#146長で連結すると車体の間隔が若干開いてしますのですが、どうしても我慢できないという方はKDカプラーの取付位置を少し車体の内側に寄せてタップ穴を切りなおして調整することもできます。私は編成全体を見て、間隔が余程広がっている連結箇所は個別に調整するようにしていますが、実際調整したことは稀です。KDカプラーには天賞堂の「KDタイプカプラー」もありますが、ナックル部分の厚みが薄いので、走行中に外れてしますことがあります。そのため、私は全てKDカプラー#148に交換しています。天賞堂のKDタイプカプラー分かりにくいですが、左がKDカプラー、右が天賞堂のKDタイプカプラーでナックル部分が薄い。KDカプラ―以外には安価なプラ製の「KATOカプラー」もあります。Nゲージの密連カプラーのように、カプラー本体とナックル部分が分かれていて上下にはめ込んで組み立てる構造です。ナックルの開閉がスプリングではなく、プラの弾性に頼っているので、プラ製車両の編成ですと7-8両連結しても問題ありませんが、真鍮製車両は重いので長編成になるとナックルの口が開いてきて走行中に自然開放してしまうことがあります。また、KATOカプラーは1種類のみで、KDカプラーのように首の長短で2種類ある訳ではないので待避線で脱線するようなら、カプラーの取付位置で調整するほかありません、したがって、私はこのKATOカプラーはKATOのプラ製客車や貨車には使っていますが、真鍮製車両には付けないようにしています。赤ボールペン先のバリを必ず削って下さい。KATOのあさかぜカニ21には専用カプラー「1-516C3」が写真のように別売されていますが、私の場合、交換しても4番ポイントR550の待避線を通過できなかったので、結局KDカプラーの首の長い#146を改造して取り付けました。通過できなかったのはKATOのEF65以外に天賞堂のEF66やDD51にも牽引させている関係で機関車側のカプラー首振り幅が少ないせいかと思います。ともかく、先頭客車は格別の注意が必要です。プラ製のカプラーですが、連結がしっかりしている点では、KTMの「エースカプラー」が優れています。写真のように相互に嚙合わせて連結する構造です。真鍮製車両の長編成でもびくともしません。ただ、はずしにくいのが難点です。室内照明のチラツキや脱線などで1両だけを中抜きで編成から外す時は大変です。両車を左右に引き離そうとするのではなく、くの字型に両車の車体を上下で折り曲げるようにすると外れますが、結局周辺の車両が一緒に脱線してしまいます。エースカプラーはKDカプラーと同じく首の長さで長短2種類あるので、KTMやエンドウの車両で退避線やクロスポイントを通過しにくい時は片側を長い方の「エースカプラーⅡ」に交換してください。私の場合は、待避線が4番ポイントR550なので、全て片側をエースカプラーⅡに交換しています。エンドウの成田エクスプレスのように先頭車を中間連結する場合は両方ともエースカプラーⅡに交換しています。プラ製車体のカプラーとしては、TOMIXの「密連TNカプラーHO-CO2」が非常に優れていると思います。連結しやすく、走行中外れにくく、車両の連結間隔も狭く、しかも中間の1両だけを外す時も外しやすいです。4番ポイントR550の待避線も通過します。首振り角度が非常に大きく、かつ伸びないので車両間隔があまり広がらないのが優れた特徴です。あと、古いエンドウの車両には鋳造製のナックル固定型のカプラーが付いている場合もあり、上からはめるようにして連結させる必要はありますが、遡行中に外れることはなく、耐久性があって外しやすいメリットがあります。真鍮製のエンドウ高崎センター旧型客車の場合は完成車両に付いている標準カプラーでは4番ポイントの待避線は通過できないので、片側を首の長いカプラーに交換しました。右側がエンドウの完成品付属カプラー、左側が交換した首の長いカプラーです。片側交換後、4番R550ポイントの組合わせ待避線を無事通過するようになりました。ほかにIMONカプラーも評判がいいようですが、私は使っていません。今後も追加情報があれば、更新していきますので、よろしくお願いいたします。
2024.04.27
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「転写マークやインレタがくっつかない!」とイライラされたことはないでしょうか。ないと答えた方はラッキーというより鉄道模型を十分に楽しんでおられないかも知れません。折角、買われても付属品を全く付けずにそのまま走らせるだけだったり、しまいこんでしまうようでは苦労もない代わりに楽しさも半減です。今まで沢山の転写マークやインレタを貼付してきて、試行錯誤の繰り返しで色々な経験を積んできましたので、皆さんの参考にしていただければ嬉しいです。まず、大まかな貼付作業の難易度をまとめますと次のような傾向です。1.文字の大きさ: <難> 小さい ↔ 大きい <易>2.貼付面の状態: <難> 樹脂無塗装、光沢塗装 ↔ 艶消し塗装 <易>3.製品生産時期(経年変化):<難> 古い ↔ 新しい <易>4.室内温度: <難> 低い ↔ 高い <易> 5.メーカー: <難>TOMIX 、KATO 、 エンドウの順 基本的なお薦め作業手順です。1.貼りたい部分のみカッターナイフで切断2.メンディングテープを上に貼る3.貼りたい車両に載せて、ボールペンで上下左右にこする4.静かに端から剥がしていき、定着しない文字記号があれば、メンディングテープを戻してボールペンでさらに入念にこする。このような手順を踏んでも、全然転写マークやインレタが車体に定着しない、あるいは文字や記号の一部が欠けてしまうということは結構あります。ここでは私が今まで経験した中で最も難しく、メーカーのお客様相談室に激しくクレームを申し入れても効果的な解決策を得られず、結局自分で試行錯誤を繰り返して、何とか貼ることができた事例をご紹介します。「ここまでやるか!」と呆れられる方もいらっしゃるでしょう。これはTOMIXのプラ(殆ど無塗装の樹脂地)製車体に車体番号のメタル転写マークを付ける最悪のケースでの対応手順でしたので、皆さんが直面される状況に応じて適宜取捨選択してご対応いただければと思います。まずは比較の意味で今まで最もカンタンだった事例をご紹介します。それは貨車の所属標記です。レボリューションファクトリー製のインレタで、エンドウの真鍮製有蓋貨車とKATOのプラ製無蓋貨車に計15両、30面に昨年秋に貼りましたが、台紙の上からボールペンで直接上下左右にこすっただけにも関わらず、一度も失敗せずに綺麗に貼れました。大きい文字、半艶消し塗装面、比較的柔らかいシート素材(KATOのように硬くない)のインレタが綺麗に貼れた要因だと思います。次に最悪だった事例です。それはTOMIXの「峠のシェルパ」EF63二次形プレステージモデルです。実車通り重連運用にしようとしましたが、在庫が揃わず、まず右側の1両だけ手に入れました。車番のメタル転写シートを上記の基本手順や下記のTOMIXの取説にもしたがって貼ろうとしましたが、両エンド用のベース板にEF6318の6文字のうち2-3字しか定着せず、ヒートガンでシートを加熱しても、うまくいきませんでした。なお、アンテナは双頭形カプラーの付いた2エンド側だけでなく、1エンド側も転写シートを貼るまでは取付けないで下さい。2エンドでは取付の邪魔になりますし、1エンド側もシートを加熱する場合に熱で細いアンテナが変形してしまう可能性があるためです。TOMIXの取説です。かなり貼りにくいのはメーカーも自認しているようです。そりゃ、そうでしょ!TOMIXお客様センターに電話して状況を説明したところ、応対女性は同じ問合わせが多いのか、マニュアルに沿って上記の基本手順を案内するだけで埒が明きません。男性担当者に代わってもらい、TOMIX側でも手許のEF63の修理用予備転写シートを使って試してもらいましたが、私と同様に定着しませんでした。結局、「シートの経年変化などの影響も考えられる」と新品の転写シートを郵送してくれました。郵送されてきた新品シートを使い、さらに試行錯誤を重ねて何とか1両目で貼るコツを習得したので、2両目のEF63では初めからその手順で貼りました。その手順は以下の通りです。基本手順通り、取り付けたい車番を切り取ります。基本手順通り、次にマスキングテープを貼り重ねます。エンド側の2枚に関しては、メタル転写シートをまずこのベースに定着させたうえで、車体に取り付けるのが無難です。TOMIXの取説にはベースを使わずに車体に直接転写シートを貼付する方法も紹介されていますが、試したところ、とてもくっつきません。裏面の接着面保護シートを外します。この状態では上から①メンディングテープ、②メタルインレタの保護シート、③メタルシートの3層になっています。温風の射出口の小さいミニヒートガンないし、小型ヘアドライヤーで、メタル転写マークの表面と接着面の両面を加熱します。なぜなら、定着しない原因はメタルの接着面の弱さより、むしろメタル文字と表面保護シートが固着しているためと考えられるからです。モノタロウで買ったミニヒートガンです。別稿の「持っててよかったツールとサプライ」を参照下さい。HCで売っている通常のヒートガンでは吹き出し口、熱量、風量とも大きすぎて適しません。ヘアドライヤーで代用する場合もまず遠くから患部に手を当てて温度を確認しながら、注意して加熱してください。加熱し過ぎるとスルメのように縮んでしまい、転写シートが没になります。位置によく注意して、メンディングテープのメタルシートをベースの上に貼り付けます。ベースに貼り付けた状態で、また軽く加熱します。次に基本手順通り、ボールペンでメタル部分を上下左右にこすります。ボールペンを使うのは先端のボールが回ってシートを傷けないから、さらにこすった箇所にインクが出て判別しやすいからです。ドライバーの先端などでこするとメンディングテープが破れてしまう可能性があります。インクで真っ黒になるまで万遍にメタルをこすります。こすり終わってからも、さらにフックの外側でメタルを押さえるようにして圧着します。圧着させながらも軽く加熱します。メンディングテープとメタルの保護シートをはがしていきます。この際、保護シートとメタルがしっかり接着しているためにメタルがベースにくっつかない場合が多いです。ここが最も難関です。くっつかない場合は一旦メンディングテープを戻して、もう一度フックで圧着したり、若干加熱します。ここまでして、やっとメタルがベースに定着しました。メタルがずれて水平垂直になっていない場合はフックの先でメタルをこじるようにして修正します。動かない場合は若干加熱します。メタルの定着したベースを車体エンドにゴム系接着剤で取り付けます。なお、接着剤は爪楊枝の先にまず付けてベースの裏面に引き伸ばすようにします。SLのナンバープレートと同じようにベースの裏側にゴム系接着剤を付けます。軽井沢方向の2エンド側の取付完了状態です。横川方向の1エンド側の取付完了状態です。次に車体側面への取付に入ります。まず、樹脂成型時の金型を外しやすくするオイルが薄く付いているので、研磨布(布ペーパー)で拭き取るとともに表面に非常に微細な凹凸を付けます。ちょうど半艶消し塗装と同じような状態にする訳です。なお、エンド側は車体側面に比べて付着オイルが少ないようですが、ベースを取り付ける時に必要に応じて同じ下処理をして下さい。車体側面はエンドのベースより、面積も大きいのでフックの外側でこすりながら圧着します。ヒートガンで軽く加熱します。加熱し過ぎて車体が変形しないように細心の注意をしてください。メンディングテープとメタルの表面保護シートを一緒に剥がしますが、メタルが車体に定着せず、保護シーと一緒に剥がれる場合が多いので、その場合はフックでメタルを車体に押し付けて定着させます。何とか、メタルが全て車体に定着しました。メタルがずれて歪んでいる場合はフックの先端でメタルをこじるように修正します。動かない場合は軽く加熱します。マーカープレートもゴム系接着剤を固定します。はみ出た接着剤は少し乾いてから爪楊枝の先で向こうに押すようにして切り取ります。代替方法のご紹介です。1両目のEF63に転写シートを貼付する際に余りにくっつかないので、TOMIX付属の真鍮板ベースの代わりに薄手のケント紙を塗装し、EF6319転写シートを試験的に貼付したことがあります。転写シートの付きがベースより良くて綺麗に定着しました。最悪の代替手段として頭に入れておいてください。別の代替方法のご紹介です。最近トレジャータウン社より下記の「機関車ナンバー金属インレタ」が発売されました。まだ付けたことはありませんが、これも最悪の代替手段として覚えておいてください。以上、長々と最後までお読みいただき、お疲れさまでした。メーカーには製品開発設計時にユーザー側の作業性も十分考慮して素材の選定をしてもらいたいものです。このEF63では本来、車体番号は転写シートではなく、天賞堂やKATOのような成型パーツをはめ込む形にすべきではないかと私は思います。下のKATO NゲージD51全流では取付は3-4分で失敗なく、終わります。TOMIX EF61重連 走る姿を見ていると、転写シートの苦労も吹っ飛びます。転写マークを付けずに置いていた方もぜひ、チャレンジしてください!最初からベテランの人はいません。
2024.04.12
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鉄道模型ファンの皆さん、「弘法筆を選ばず」と言いますが、それはウソです。そうでなくても緻密な作業でストレスが貯まるもの。私の今までの試行錯誤の経験からお薦めできるツールとサプライをご紹介します。1.ビスキャッチドライバー車体の奥まったところのビスを締めるのに、中々ビス穴にはまらず、下に落としたり、モーターのマグネットにくっついたりでイライラしたことはありませんか。そんな時にこのキャッチドライバーはいかがでしょう。粘度の高いグリスでビスをドライバーの先に仮止めする手もありますが。2.フック部品を押さえたり、接着剤の乾くまで固定したり、中々くっつかないメタル転写マークやインレタを押さえたり、ナンバープレートにゴム系接着剤を塗る時にドライバーやカッターナイフの先で代用されている方も多いと思います。そんな時にこんなフックはいかがでしょうか。フックの先だけでなく、腹や曲がりの外側部分も使えるので助かっています。N小屋の内装シートを貼っているところ。フックの腹で押さえます。「ナンバープレートくらい自分で付けないとね・・・」とは言うものの、道具と慣れは必要です。3.使い切り瞬間接着剤瞬間接着剤は便利なようで扱いが厄介です。使おうと思ったらカチカチに硬化していたり、強くチューブを押さえると一気に出過ぎて、接着部分が白くなって大慌てという経験はありませんか。こんな小口のチューブを使って重宝しています。まず、付けすぎないのが接着のコツです。余っても、赤い栓をしておくと思いのほか再利用可能で、1回で無理に使い切る(捨てる)必要はありません。モノタロウで買いました。4.拡大鏡いろいろ精密作業には拡大鏡が不可欠ですが、場面に応じて色々揃えておくと助かります。写真のハズキルーペのようなメガネタイプを愛用されている方は多いでしょうが、私のような老人は虫眼鏡でさらに拡大することもあります。また、機関車内部のような暗い箇所を照らして作業する際は片手でLEDライトを持つより、電池照明付きのスタンド型ルーペの下で作業するほうが両手が使えて便利です。5.腰のあるピンセットピンセットは微妙な強さで挟んだ方がいい場合もありますが、逆にしなってしまうので強く握り過ぎてカプラーやドローア―のスプリングなどを飛ばしてしまい、机の下を探し回ったようなことはありませんか。腰が太くて全くしならないピンセットは意外に使う場面が多く、ぜひ揃えておきたいツールです。モノタロウで買いました。手前のタミヤのピンセットと太さの違いにご注目!普通のピンセットよりはるかにグリップ力が強いので、ラジオペンチの小型版のように真鍮線やリン青銅線などを曲げたりする際も便利に使えます。これを新たに見つけましたが、腰がさらに強いタイプで、極小や薄いパーツもしっかり掴めて先を曲げたりするのも容易です。細い糸も結べます。HOZANというメーカー品でモノタロウで1,700円もしましたが、それだけの価値はあります。ステンレス製で元々はどうも手術などの医療用のようです。3本持っておくと便利で、バネやビスを飛ばして机の下を探しまわることも少なくなると思います。6.先端変形ニッパーニッパーの先端部分の刃の裏側が大きくえぐれている変形ニッパーです。プラやABSパーツをランナーから外す際に残りバリが殆ど出ないので切断後にいちいちヤスリで削る手間が省けて作業効率が上がります。7.爪楊枝愛用されている方も非常に多いと思います。色々な使い方ができて綿棒とともに万能ですね。外れにくいKATOの客車やスカートの長い2階建て車体、あるいは鬼のように外れないTOMIXの機関車車体を外す時にクサビとして重宝しています。はみ出したゴム系接着剤やホワイトボンドを除去する場合、ドライバーやカッターナイフでは塗装を傷つけてしまう可能性があるので、爪楊枝に勝るツールはありません。接着剤が乾くまで局部的に押さえたり、角の部分を押し込んだりする時も活躍します。ナンバープレートくらい自分で付けないとね・・・とは言うものの、道具と慣れは必要です。はみ出たゴム系接着剤は爪で引っ搔いても伸びて中々取れにくいですが、カッターナイフは禁物。新品の爪楊枝の先ではみ出た接着剤を押すようにすると車体の塗装を傷つけずに取れます。ウレタンスポンジを切り抜く時の位置決めに。抜いても穴は残りません。なお、切り抜きのコツは別稿の「車両ケースを極める」で解説していますので、ご覧下さい。8.ハンダいろいろハンダが流れない、ハンダを付けようとしたら隣のハンダ付したところが外れた、余分なハンダを削っていたらハンダ付が外れた・・などなど、悩みは尽きません。30W前後の温度調整機能付ハンダコテや100Wクラスの強力ハンダコテ、塩化亜鉛溶液、ヤニ入りハンダ、キサゲ、ハンダ吸取りテープなど、悩み多きあなたの味方になってくれるでしょう。コテ先にまず軽くハンダを付けておく(ハンダメッキする)ことがコツ。ハンダ吸取りテープは銅メッシュで、100Wクラスのコテとともに油分なハンダ部分に当てるとあ~ら不思議、毛細現象でハンダが吸取られる優れモノです。9.アルコール液と介護用綿棒KATOやTOMIXなどのレールクリーナーやクリーニング棒は値段が高すぎます。消耗品ですので普通のアルコール液と介護用綿棒(ケア綿棒)で十分代用できます。価格は半額以下でドラッグスストアやアマゾン、モノタロウなどで手軽に調達できます。アルコールは「れーるぎゃらりー六甲」のこの道40年のご主人床次様に教えてもらいました。なお、アルコールはレールクリーニングのほか、タミヤカラー等で施したウェザリングの除去やエンドウの車体表面に融着した緩衝材の除去など、シンナーでは侵される車体のクリーニングにも使えます。また、TOMIXのプラ車体のように金型脱着用のオイルが薄く残っていて、そのままで塗料が乗りにくい場合、オイルを除去するプライマー代わりにも使えて用途が広いです。綿棒は汚れて黒くなれば、そこだけむしり取ります。写真の綿棒は使用中で大分小さくなっていますが、一度に両方のレールをクリーニングできて助かります。取っ手が長いのでトンネルや架線アングル、切通しの線路など、狭いところでも拭きやすくて楽です。ドラッグストアで安売りしています。全長25cm、綿の直径2cmです。取っ手が長いので、トンネル内のレールクリーニングも楽にできます。写真はNゲージNゲージなら両方のレールを一度にクリーニングできます。両側が切通しになっていうような狭い線路でも便利です。HOですと、一度に2本のレールは無理ですが、綿棒の先が大きいので、アルコールを付けてもよく持ちます。10.電子小型計量器機関車などのウエイト増量のほか、一般的な封筒の計量や台所での調理計量にも活用できます。1Kgまで計量でき精度も悪くありませんが、中国製なので一応商品の評価欄で確認してからアマゾンやモノタロウで買いましょう。蒸機機関車は大体500-600g、プラ製客車は100-150g、真鍮製客車は150-180gで室内照明やN小屋内装シートを装備すれば50g-70g増になるという牽引の目安も認識できます。11.通電促進グリス元々は屋外に晒されることが多いバイクのライトやメーター、バッテリーなどの接点通電促進のために開発されましたが、鉄道模型でも蒸機のドローアや客車カプラーのセンターピン、ピポット車軸、車体と床板の集電端子(特にKATOとエンドウ)、天賞堂カンタム搭載機の機炭連結端子などの通電促進に大いに効果があります。バイクショップ以外でもモノタロウなどで買えます。付けすぎるとが逆に漏電の恐れがあるので、爪楊枝の先に付けて塗布してください。粘度が高いので、精密ドライバーの先に付けてM1.4などの微細ビスキャッチャーに使うこともあります。車体と床板の接点も古いモデルほど繊細なリン青銅線などで錆や接触不良をおこしがちなので、塗布しておくと安心です。12.潤滑グリス色々試しましたが、よく推奨されるシリコンスプレーは粘度が弱いため、回転箇所ではすぐに落ちてしてしまいます。主台枠の上で激しく回転する動輪車軸やギアボックスの潤滑、客車のピポット台車からの異音(特にエンドウ)対策などに最もお薦めできるのがエンドウの「セラミックグリース」です。「必要は発明の母」とはよく言ったもので、エンドウに「新品の完成品でも異音がする」と文句を言ったら逆に強く薦められました。半信半疑で試したところ、キーキー、キュルキュル鳴っていた異音がなくなりました。「これこそ、マッチポンプ!」と苦笑してしまいますが、メーカーとしての努力は認めます。なお、潤滑剤は慎重に選ぶ必要があり、ミシンオイルや鉱物系の潤滑油・グリスはプラ製ギアの成分を侵してギア割れなどのトラブルやギアボックスの経年固着によるトラブルを誘発します。40-50年前はミシンオイルしかなかったので、自転車や真鍮製蒸機モデル(電関)など何にでもジャンジャン付けておりましたが(笑)。13.小型ヒートガン以前はホームセンターで売っているような強力ドライヤー並みのヒートガンを使っていましたが、鉄道模型には風量、熱量とも大きすぎるようです。例えば鬼のように付きにくいTOMIXやKATOの転写マーク(メタルが最悪😢)、インレタを温めようとすると保護したメンディングテープもろともスルメのように滲んだりして台無しになることもありました。この写真の小型ヒートガンは全長25cmほどでコンパクト、作業机の上でも邪魔にならず、風量、熱量も適度に弱いので扱いやすいです。強弱の切替えスイッチも付いており、塗装や接着剤の乾燥、コードの収縮チューブ固定などにも重宝しています。モノタロウで買いました。14.レール・車輪の集電向上剤「れーるぎゃらりー六甲」のこの道40年のご主人床次様からサプラス社の「LOCO」という製品を勧められて半信半疑で使ったところ、確かに効果がありました。M車の集電車輪の踏み面やレールに爪楊枝や綿棒で塗布すると、カーボンの付着が抑制され、ギクシャク走行の緩和やレールをクリーニングする間隔が伸びて作業が軽減されます。また、室内照明のチラつく客車の車輪にも塗布すると効果があります。塗布した状態で走行させるとレール面にも徐々に行き渡るので間接的な効果があるように感じます。原理的には車輪とレールの間のスパークによって黒い斑点のように付着する汚れを落とし、表面に不揮発性の極薄被膜を形成して付着を防止する機能があるとのことです。確かにこの集電向上剤を付けずに、単にアルコールでレールを拭いただけでは当初は非常に好調ですが、延べ3時間ほど走行させると再度クリーニングしないと集電不良によるギクシャクや不始動、スロー不調の症状が出てきます。だまされたと思って一度お試しいただく価値はあります。15.歯ブラシこれも「れーるぎゃらりー六甲」のこの道4年のご主人床次様から教えていただきました。SLや電気機関車のフランジは結構カーボンが付着しますが、綿棒にアルコールを付けたくらいでは擦っても落ちにくいので固めの歯ブラシを使うと頑固な汚れもかなり落ちます。それでも落ちない時はハンダ用のマイクロステンレス製「キサゲ刷毛」を使いますが、ほとんど稀なので真鍮工作の多い方でない限り、常備するほどではないと思います。マイクロステンレスのキサゲハケです。16.Nゲージ分解ハンドブックツールではありませんが、Nゲージの分解をするうえで、まず全体の構造とばらし方を俯瞰するためにイカロス出版の「Nゲージ再生 ビンテージメンテナンス」は作業机に常備しておくべきハンドブックとしてお薦めします。Nゲージがこの世に出てすでに30年。この本はモーターとコンデンサの回路、台車周りのギヤとウエイトとして機能するダイキャスト・モナカ構造の外皮という代表的な構成や完成品の手入れについて、要領よく写真付きで解説されています。メーカー面でもKATO、TOMIX、マイクロエース、エンドウ、学研、しなのマイクロ、中村精密などほぼ全てを網羅した形で全26種をカバーした労作です。構造を理解しないまま試行錯誤で分解を始めるとプラの爪を破損したり、逆に外れずに断念するリスクがあるので、急がばまわれ。ぜひご一読下さい。文字は小さめで老人にはきつい面がありますが、コンパクトさも重要であり、狭い作業スペースでは軽視できません。ビンテージモデルは精密度の妥協だけでなく、スケール面でも大き目だったことを再認識します。最新の超軽量、片軸動力のNゲージモデルからは信じられないくらい金属パーツが多く、HOゲージの構造を踏襲していることが分かります。個人的には電気機関車の分解が最も難度が高いと思います。それだけ、この本が役立ちます。17.作業専用机ツールではありませんが、別稿の「本当のセレブに招待される2」に記載のようにクルマ、バイク、自転車、鉄道模型、ミニカーなどのマニアの隠れ家にお邪魔したところ、何とROLEX社の時計職人用専用机と同一仕様の机を特注されていました。自分で今の作業台を改造されたりする時の参考にご笑覧ください。今のところ、以上になりますが、今後も更新を続けますので、よろしくお願いいたします。
2024.04.03
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1989年に北斗星に続き、豪華寝台列車としてデビューしたトワイライトエクスプレスも北海道新幹線の開通と車両の老朽化には勝てず、消え去ってはや9年を過ぎようとしています。しかし、その優美な旅の感動をもたらした特急寝台列車はぐーくグリーンの貴公子として永遠に多くの方々の記憶に留まることと思います。今回はそのトワイライトエクスプレスを鉄道模型で再現し、雄姿を偲びたいと思います。残念ながら乗車経験がないため、参考本やDVDを集めて雰囲気に浸っています。このブルーレイは走行シーンが色んな時期と場所で撮影され、編成の変遷やJR北海道、東日本の所有区分、各客車の車内外からの解説なども充実しており、モデラ―にとっては数あるビデオの中でお薦めと思います。ヤフオクでお譲りいただいた走行編成のスリット写真です。2013年10月に京都府山崎周辺を快走する姿です。HOのトワイライトエクスプレスTOMIX10両編成にN小屋の内装キットを組み込むのは1日1両が限度で2週間近く掛かりました。サンライズエクスプレスと北斗星に関しては、作業の大変さに着手をためらっていましたが、漸く、乗車を機会にサンライズエクスプレスのディーテルアップに着手し、現在進行中です。本稿では内装完成後の写真を収載していますが、製作過程は別稿の「サンライズを極める」をご覧下さい。NゲージのほうはN小屋内装パーツによるディーテルアップはこれからです。牽引機勢ぞろいです。EF81、DD51、ED76EF81はエンドウ、DD51は天賞堂カンタム、ED76はTOMIXプレステージです。10両編成の牽引はもちろんEF81、前位、後位のパンタグラフを上げて糸魚川からの直流区間を北上中・・。10両編成の牽引はED76の青森からのスポットリリーフで青函トンネルを抜けて北海道に・・・。10両編成の牽引はアンカーのDD51重連にバトンタッチ、五稜郭から札幌を目指して驀進中・・・。実際に急行ニセコとすれ違うことはなかったですが。Nゲージのほうは懐かしいあさかぜKATO7両編成、北斗星TOMIX7両編成とともに・・・。各客車別にN小屋内装パーツによるディーテルアップをご覧下さい。カニ24電源車カニ24電源車 内部に並んでいるトランスの冷却スリットも再現されています。オハネフ25です。オハネフ25です。オハネフ25です。ガイドブックによるオハネフ25の車内風景です。オハネ25です。オハネ25です。オハネ25の通路側です。オハネ25です。下の実車写真と比べると、ソファの背もたれカバーの形状なども再現されています。ガイドブックによるオハネ25の車内風景です。オハ25です。オハ25です。オハ25です。ガイドブックによるオハ25車内のサロン風景です。ガイドブックによるオハ25車内のサロン風景です。食堂車スシ24です。夢があります。食堂車スシ24です。ガイドブックによる食堂車スシ24車内風景です。スロネ25です。スロネ25です。スロネ25の通路側です。スロネ25の通路側です。ガイドブックによるスロネ25の車内風景です。やはり一人部屋でも豪華です。最後尾のスロネフ25です。スロネフ25です。スロネフ25の中間個室です。ガイドブックによるスロネフ25の1号車1番の車内風景です。ガイドブックによるスロネフ25の中間個室の車内風景です。Nゲージのディーテルアップなど、今後も更新していきますので、よろしくお願いいたします。
2024.03.31
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最近はプラ車体のモデルも玩具っぽさが無くなってきましたが、依然レジン成型の関係で単色のみのパーツになるため、室内照明を付けると興ざめすることが多いです。特に窓が大きい車両は放置できません。そこで比較的簡単にプラ車体のリアル感を増す工作をしたいと思います。なお、別稿でも触れておりますので、併せてご覧下さい。・真鍮製ブラス客車、電車:別稿「HO真鍮製ブラス客車・電車の車内作り込み」・室内照明:別稿「HO/N 難物KATOの室内照明を極める」・N小屋内装キット組込み:別稿「忘れ得ぬトワイライトエクスプレスを極める」 別稿「最後の寝台特急サンライズを極める」TOMIX 115系ですが、TOMIXは大体このパターンの構造が多いと思います。言わば無機質のレジン状態です。室内の塗装に当たっては、ネットで実車の配色を調べるのが一番手っ取り早いと思います。最近は誰がこんなに撮っているのかと思うほど、素材が豊富です。HOモデルの大きさでもNゲージほどではないにしても、はっきりした配色のほうが見栄えがいいように思います。レジンに金型抜きのオイルが薄く付いているため、塗装の乗りがよくありません(アルコールで拭き取れますが手間)が、窓ガラス越しに見えるだけなのであまり塗り方に神経質になる必要はありません。そこで近郊型としてはポピュラーな床がライトグレーでブルーとアイボリーグリーンの配色を選び、タミヤカラー(床:XF12明灰白色、シート:XF14明灰緑色、X-4ブルー)で塗装しました。床とシートの座面は特に目立つので丁寧に塗りましょう。分解する時は車体、床板、屋根の前後方向を間違えないよう、私の場合はシールを貼っています。写真では青い○シールです。何も考えずに作業に集中できるので楽です。近郊型でしたので、出入り口付近が伽藍洞にならないよう、吊り輪を付けることにしました。比較のためにパンケーキ社のペーパー製とすずめ模型の3Dプリンター製の2種類を買いました。実車では吊り輪は出入り口付近で3連になっています。上がすずめ模型製、下がパンケーキ製です。すずめ模型の3Dプリンター製はサポート材を最小限にうまく抑えてあるので、カンタンに取り付け可能な状態になります。他方、パンケーキ製はすずめ模型製より安価ですが、市電、私鉄などを意識した小さめの作りで、レーザーカットの切れがまあまあのため、取り外しにやや手間が掛かります。すすめ模型の吊り輪を接着剤(私はボンドGクリアを使用)で取り付けます。3ドアの車体なので、3連の吊り輪を出入り口左右に接着、1両で計12個使います。車体の窓から吊り輪の状態を確認します。パンケーキ社の吊り輪は写真のようにゲタを履かせて高さを調整のうえ、車体に接着することになりました。両社の吊り輪を付けた状態です。左がパンケーキ製、右がすずめ模型製です。取付が終わったら、室内照明を取付け、点灯を確認してから屋根を取り付けます。屋根の脱着が多少面倒ですが、KATOよりも集電端子の接触不良トラブルがないので、個人的にはTOMIXのほうが好きです。115系の完成です。ロングシートで窓が大きいE231-500(TOMIX例)では室内照明だけですと、水族館の水槽のようになってしまうので、室内の塗装に加え、吊り輪(すずめ模型製)と人形(EVEMODEL製 7両編成で計200体)を載せました。人形は1編成7-8両として100-300体ほど使うので、色々なメーカー品を試行錯誤のうえ、コスパを考えてEVEMODELの1/87を使っています。アマゾンで買えます。次にKATOの旧型客車スハ43を題材にした作り込み事例です。まず、例によってネットで実車の車内を確認します。KATOの場合は床板とシートが別パーツで色分けされていることが多いので、窓越しに見て目立つ座席のひじ掛けと背もたれ部分をタミヤカラーでグレー(事例ではXF-12を使用)に着色します。その後、EVEMODELの人形を配置しました。塗り終えたところで車体を被せて、窓越しの見え方を確かめます。室内照明を点灯した完成状態です。N小屋パーツを使った作りこみは、下記の写真のような別稿の「最後の寝台特急サンライズを極める」、「忘れ得ぬトワイライトエクスプレスを極める」をご覧下さい。今後も更新していきますので、よろしくお願いいたします。
2024.03.26
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あさかぜ、トワイライトエクスプレス、北斗星が2015年に一斉に廃止されてから、あとはカシオペアが臨時貸切り列車でたまに走るくらいになり、今や実車に乗れる定期運行列車はサンライズエクスプレス(瀬戸・出雲)だけになりました。寝台特急、急行列車が大好きなマニアとしては非常に寂しい限りで、新幹線を見ると時々腹が立つくらいです。ただ、そういう新幹線も車内販売が無くなって食堂車があった昔のころの旅の味わいなどどこへやら、ひたすらスマホを観ながら短時間で移動するだけの世知がない世の中になりました。それだけにサンライズエクスプレスへの想いは断ちがたく、東京出張の帰りにはぜひと思いながらも予約が中々取れず、結局今回出張の予定を無理やり早く確定してやっとお出かけネットでソロを予約することができた次第です。サンライズエクスプレスは14両編成で下り側の瀬戸7両と上り側の出雲7両が連結された状態で東京駅を出発、途中岡山で切り離されて、各々高松と出雲市に向かいます。定員1名の個室には以下の4通りがありますが、シングルデラックスとシングルツインは乗車1カ月前の発売とほぼ同時に売り切れるので、10:00の5分前から待機して予約入力しないと取れません。私の経験ではネットで取るよりも切符の引取可能駅の窓口に8:00頃に行って整理券をもらい、9:50頃に再訪して駅員に予約を入れてもらうほうが、確実に取れます。当たり前ですが、JRの社内端末のほうがアクセス権が優先しているようです。外部ネットから予約しても切符はあとで駅に引き取りに行かないといけないので、予約と同時に引き取れるなら、手っ取り早いという利点もあります。1.シングルデラックス A寝台 寝台料金13,980円 ベット+向いの机2.シングルツイン B寝台 寝台料金 9,600円 上下2段ベット 2人まで使用可能3.シングル B寝台 寝台料金 7,700円 ソロ+天井高+頭上机4.ソロ B寝台 寝台料金 6,600円3/13-3/14の出張日程が決まった2024/2/22にお出かけネットで予約しましたが、すでにシングルとソロしか残っていませんでした。慌てていて、ソロとシングルのどちらがグレードが高いかも分からないままソロを選択。トホホ・・模型でも葉巻型の太さが目立ちますが、実車もマッチョのイメージです。模型では案内板にも照明があればと思いました。HO KTM銀箱の北斗星には照明を後付けしました。こちらは号車は違いますが、HO模型です。3号車を降りて後方に移動しながら撮影。発車間際で急いでいるのでブレてます。乗車したソロは3号車(瀬戸)と10号車(出雲)にあります。3号車の通路風景。乗車した3号車「ソロ」の室内。手前を頭にして寝たほうが進行方向なので楽です。別に寝台料金1,100円差で「シングル」がありますが、違いは「ソロ」は床下にモーターがある関係で天井が若干低く、頭上にテーブルがないことくらいです。別にモーター音がうるさいとは思いませんでした。基本的にグレードの高い「シングルデラックス」と「シングルツイン」が殆ど乗車1カ月前の発売と当時に売り切れてしまうので、その後、予約で残っているのは「ソロ」と「シングル」が多いです。3/13は学生の卒業旅行などで全席満席でした。デフレ社会と言われますが格差は進んで、何だかバブルの頃の「殿様あさかぜ」を思い出しました。HOのあさかぜはKTM銀箱とKATOの2編成ありますが、KTMは殿様仕様にしています。ベットの幅は手前が若干広くなっているので、身の回りの動きがスムースにできます。3号車から2号車に向かう通路です。扉の手前左右にトイレがあります。14両編成のうち、10両は2階建てになっており、写真はサンライズ瀬戸2号車の2階通路です。2号車は9号車のサンライズ出雲と同じグレード構成で、具体的には2階に「シングル」9室、1階に「シングル」11室、「シングルツイン」3室があります。住宅メーカーとの共同開発で、木調の落ち着いた雰囲気です。人気があるのも頷けます。2号車の2階通路に上がったところです。全て「シングル」個室が並んでいます。こちらは2号車の階段手前にある「シングルツイン」室内です。定員は1名からで2人1部屋でも利用でき、寝台料金は9,600円です。このように自分が予約した以外の個室を撮影したい場合は早めにホームに並んで、自分の個室より先に他の個室を回って乗客が入る前に撮影する必要があります。姫路駅に3/14 5:25に到着。車内放送がないので、乗り越しに注意しましょう!サンライズの下りは京都や大阪に止まりませんので、姫路まで乗り越して戻る乗客が圧倒的に多いです。下車後、サンライズは姫路駅を発車しました。瀬戸と出雲のランデブーは次の停車駅岡山まで。そこからは前7両の瀬戸と後ろ7両の出雲に分かれて各々高松駅と出雲市駅に向かいます。岡山駅での連結切り離しを見る時は前7両のサンライズ瀬戸が先に発車しますので乗り遅れないように!姫路から5:40発の京都方面行快速に乗って戻ります。このように始発から2本目の快速にも関わらず、サンライズからの乗り換え客で結構混んでいます。西宮への戻りも姫路までの乗車券が使えて、自動改札では途中下車扱いになりました。ネット予約の切符を事前に受け取った時の駅員の説明では、「乗車券は一方通行ですから戻る場合は別に切符を買って下さい」との仰せでしたので、何だか得した気分。帰宅して乗車気分も冷めないうちに早速HOとNゲージの手持車両を引っ張り出して走行開始!HOは待避線から出発。品川の東京総合車両センターのイメージです。こちらはNゲージ。待避線で出発待ちです。7両でサンライズ出雲の案内板を付けていますから出雲車両基地のイメージです。走行後、前から買っておいたHOのN小屋の内装パーツセットをいよいよ開封して取付作業開始です。以前、トワイライトエクスプレスの10両編成に取り付けた際に1日1両しか作業が進まなかったトラウマがあり、なかなかサンライズエクスプレスに着手できませんでした。やはり、リアル体験は模型製作の後押しになることを痛感しました。3号車ソロ モハネ285まず、乗車した3号車ソロ個室のモハネ285から始めます。腰の強いピンセットと小型のカッターナイフが中心的なツールです。N小屋の内装セットは数が多いのでまず全部を確認して、一通り解説を読んでから始めたほうが無難です。N小屋の解説はもっと写真を増やして充実させるべきと感じますが、ある程度試行錯誤でシールの貼り間違いが出るのは仕方がない面もあります。したがって1両ずつ材料の使用状況を確認しながら、完結させていくのがよいと思います。大量生産方式で一気呵成に同型客車全てを同時並行で進めると、要領がつかめないうちに貼り間違い、貼り漏れをしたりする懸念があります。内装シールを車体本体に貼る前に、補助シールを主シールに貼り重ねる工程もあります。乗車した1階のソロ部分の個室が片側だけほぼ形になりました。乗車した時は車内から見たイメージですが、内装を作りこむ時は車外からのぞき込むイメージになるので、見える範囲の視点を変える必要があります。また、室内照明を点灯した時に内装シールですき間をふさぐと暗くなる可能性もあるので、その点はあとで実地に調整していきます。2階のソロ個室が出来上がりました。各個室に配布されていた水色の寝間着がN小屋セットにないので、追加で自作して枕元に配置しました。一旦車体を被せてみて、窓から車内のどこが見えるかを確認し、追加に工作すべき箇所が残っていないかをチェックします。今回の場合、ミニラウンジの床が見えるので、TOMIXの素地ベージュを実際のライトグレーに塗装します。既に貼った壁紙とグレー色が合っています。ドアからも床が見えるので、同じくグレー色で塗装します。TOMIXの玩具っぽい艶はABS樹脂の型抜きのオイルが残留しているためと思われ、そのままでは塗料の乗りが悪いので、アルコールなどで予め除去します。ミニラウンジの床塗装も終わり、これで3号車の作り込みは完了しました。室内照明を取り付けて点灯を確認します。車体を被せて3号車の完成です。1階のソロ個室がやや暗いですが、全体の仕上がりを見てさらに改善の必要があるか、検討します。後日4/22になって、N小屋の解説書には記載されていませんが、後出の6号車と2号車のサハネ285と同様にハンガーを1階、2階の各シングル部屋の壁に貼付しました。かなり、目立ちますので、皆さんも貼付された方がよいと思います。付属シートにカットされたハンガーの数はこの3号車に貼っても足ります。4号車シングル・シングルツイン サロハネ285次に手間のかかりそうな4号車のシングル、シングルツインからなるサロハネ285の取付に入ります。2階建てで車体のスカートが深いので、外しにくいようであれば、爪楊枝を挟んで車体を広げると楽です。最初のモハネ285と同様に車体、床板、屋根にカラータグを付けて、組付ける時に迷いのないようにしておきます。内装パーツはかなり複雑になってきて取り付けるに際して車体を何度もクルクル回しながら作業するので、余計な取り違えのないようにしましょう。モハネ285と同様に室内のガラス部分は先にメッキ色のシールを壁シールに貼付します。貼りやすい通路側の壁シートから貼付していきます。木目シートはN小屋の解説と違い、壁シートを車体に貼付してから貼る方が綺麗に貼れます。木目シールも先に貼ってから余計な長さの部分を細工ばさみでカットします。切れ味は作業効率に大きく影響しますので、道具はいいモノを選んで揃えておきましょう。2階への階段は何と細かいシールを1段、1段貼ります。貼る代わりに塗装することも考えましたが、幅の狭い階段の塗分けははみだしやすいので、ともかくシールで色分けをクリアにすることにしました。3つの階段にシールを貼り終えたところです。階段に貼ったシールの不揃い部分を塗装で隠します。ベットシーツを貼っていきます。1階はシングルツインで奥のシーツは貼りにくいので、腰の強いピンセットが重宝します。2階シングルデラックスのシートカバーを貼ります。小さい壁シートはピンセットや鍵形フック、爪楊枝などでよく角を押さえて貼付します。ベット側の内装が一応できあがりました。モハネ285と同じく、各個室に配布されていた水色の寝間着がN小屋セットにないので、追加で自作して枕元に配置しています。通路側の内装も一応できあがりました。ここで車体を被せて窓から車内をのぞいて、追加の加工をする必要箇所がないかをチェックします。追加加工箇所がなければ、室内照明を装着して点灯と1階シングルツイン部屋への照明の届き具合を確認します。これで4号車サロハネ285の完成です。1階への照明も十分届いています。5号車ノビノビ座席 モハネ285一気呵成に3両目の内装作業を進めます。次は寝台料金の掛からない5号車のノビノビ座席からなるモハネ285の取付です。個室が無く、上半身部分に仕切りが付いて寝転がれる形になっていて、2階構造です。2階の床に大きく開口部があるのは室内照明が下に届くようにするためと思われます。床のカーペットを模したシートを貼っていきます。2階部分のシートは開口部のために輪のような形状になっているので、ピンセットで周辺を押さえて定着させます。モハネ285は窓が縦長で大きいので内部がよく見えますので、2階の開口部断面が素地のベージュ色のままですと、変に目立ってしまいます。そこで、同色の塗装をすることにしました。ブルーとグレーの2色の塗料を混ぜて調合しますが、写真のようにトレイの上に2色を離して垂らし、真ん中の部分で混ぜて調色するのがコツです。いきなり混ぜてしまうと色が合いません。調合した塗料を開口部の断面に塗っていきます。開口部の断面を塗り終わったら、2階のパーティションにシートを貼っていきます。N小屋の解説書は非常に簡単にしか記載されていませんが、多種の細かいシートを貼っていく必要がありますが、小片のため、シートのレーザーカットが甘いです。したがってカッターナイフでシートの1辺に切り込みを入れてピンセットで剥しやすくします。2階部分は説明書通り、小片のシートをパーティション部分に貼りましたが、かなり単調な作業が続きます。今回は試みとして1階部分のパーティションはシートを貼るのではなく木調に塗装しました。作業は圧倒的に楽です。無理に全面をシートで貼ろうとすると大変な作業になるので、各自の判断で塗装に代えるのもありかと思います。次に通路側の階段に先出の4号車シングルのサロハネ285と同様に小さな長方形シートを貼ることになっていますが、ここも作業を効率的に行うため、木調に塗装することにしました。木調塗装用の塗料です。N小屋のシールは小片の貼リムラがあってもプラ下地のベージュと比べて目立たないよう、実車に比べてオークグレーの色調が強いように感じます。手っ取り早く塗装するとなると実車に近いナチュラルブラウン色を自由に使えるメリットがあります。ABS樹脂の車体には型抜きのオイルが薄く付いているので、塗料が多少乗りにくいです。本来はオイルをアルコール液やティッシュで除去するのですが、階段は細かいので塗料を乾燥させながら少しずつ塗り重ねています。階段の仮塗装の間に車体を被せてみて外からの見え方を確認します。その結果、2階の開口部がかなり目立つことが分かりました。そのため、窓から見える下半身部分の床シートを急遽貼ることにしました。2階の下半身部分に床シートを追加で貼った状態です。室内照明を搭載して点灯状況を確認します。車体を被せて、最終の窓からの内部の見え方を確認します。2階部分の開口部が半分になったので、目立たなくなり、1階の照明も心配したほどには暗くなりませんでした。これで5号車のノビノビ座席からなるモハネ285の完成です。6号車シングルツイン、シングル サハネ285続けて4両目の内装パーツ取り付けに入ります。シングルの構成なので3号車のモハネ285とほぼ同じかと考えていましたが、ミニサロンに代えてサハネではシングルツインが車両の両端に配されていて変則的な工作が必要になります。加えて、N小屋の解説がカンタン過ぎて迷ってしまうことが多く、かつシートのレーザーカットが甘くて小片パーツをシートから外しにくいため、結構ストレスが貯まりました。ただ、塗装作業はありません。少しでも皆さんの参考になるよう、写真と解説を多めにしますので、ご一読ください。まず、いつもの通り、車体を床板から外したら、前後非対称の車体の方向性を考えなくても済むように識別シール(ここでは緑色〇両端のシングルツインに挟まれて階段がありますが、これは窓から見えませんので内装加工は不要です。内装のどこが外から見えるかを常に意識して作業しましょう。2階部分の壁紙は写真のようにTOMIXの樹脂フレーム高より長いので、フレーム高に合わせて切断のうえ貼っていきます。N小屋の解説では木目シートを壁紙に貼ってから貼るようになっていますが、2階部分は壁紙とフレームの高さをまず揃えてから、木目シートを貼るほうが調整が楽なので後付けしました。次に1階の壁紙は手が入りにくいので、先に木目シートを壁紙シートに貼っておきます。壁紙シートには「1階」、「2階」、「平屋」と区分表示があるだけで、シングルツインに係る「平屋部分」の貼り方が解説不足で非常に分かりにくいです。写真のメッキシートはシングルツイン室用ですが、上下に長すぎるように感じられると思います。しかし、実はシングルツインはTOMIXの樹脂フレームでも2段ベットの床板が室内照明の関係で省略されており、窓の位置関係で隠れて2階に見えるので構いません。1階の壁紙シートも解説にはありませんが、上下の長さを2-3mmほど切断しておく必要があります。写真のように室内照明が1階にも行き渡るよう、1階の壁が途中から内側に湾曲して天井部分が開いているためです。1階と2階の壁紙を貼り終えたところでハンガーシートを貼付します。小片シートはレーザーカットが甘いため、ピンセットでは非常に剝がしにくいので、カッターナイフでめくるようにします。ベットシーツとシングル特有の茶色のデスクを貼付します。シングルツインの室内は車体の上下に分かれた窓が大きいのでよく見えます。ハンガーや木目腰板など手を抜かずに作り込みましょう。車体を仮に被せて、窓から車内がどのように見えるか、追加で内装工作をしなければならない箇所はないかを入念にチェックします。車体を外した状態でも常に窓と内装との位置関係を確認誌ながら作業を進めて下さい。他の車両と同様、ベットの上に配給された寝間着がないので、色紙で小片を作って追加貼付しました。内装の貼付が終われば室内照明を取り付けて、点灯確認を行います。特に1階部分に照明が行きわたっているかに注意しましょう。これで完成です。高松出雲側ですが、シングルツインの室内もよく見えますが、2階部分の床板が成型されていないのは車体に隠れて殆ど気になりません。ここもTOMIXが室内照明の行き渡りを優先したと思われます。完成車体の東京側です。2号車シングルツイン、シングル サハネ285続けて6号車と同じ、2号車の内装パーツ取り付けに入ります。作業の順番を考えて、同じ車体を連続にしたほうが、手慣れた手順で効率が上がります。作業のしやすい2階から1階の順に壁紙シートを貼付していきます。ハンガー、パジャマを除いて取付が終わった状態です。シングルツインは前述のように2段ベットが省略されていますが、窓枠に隠れて見えません。ハンガーは腰の強いピンセットを使うとやりにくい1階部分でも作業がスムースに進みます。ハンガーは外から見ても目立ちますので、しっかり付けておきます。車体を仮組みして、外から見た作業のやり残しがないかを上下左右からチェックします。室内照明を取り付けて、点灯チェック。これで完成です。シングルツインの部屋もばっちり仕上がっています。こちらもOKです。やはり同じ車種の2両目になると試行錯誤がありません。1号車シングルツイン、シングル クハネ285構成としては先の6号車、2号車と同じ、先頭1号車の内装パーツ取り付けに入ります。先頭ということもあって。車体が外しにくいので、爪楊枝でスカートを広げて取り外します。壁紙は2階から貼付しますが、例によってシートの高さが高すぎて、樹脂フレームを越えて照明の邪魔になりますので、5mmほどカットして低くします。2階の壁紙を貼り終えた状態です。高さを低くしたことによるシートの貼り残しの形状にご注目下さい。次に1階の壁紙を貼付します。やはり、腰の強いピンセットを使うと作業が非常に上がります。大まかに窓から見えそうな内装部分をチェックしたところ、ドアから通路がよく見えるので、床に余った茶のシートをカットして貼付しました。内装の貼付を終わったところで、いつものように車体を仮に被せて、窓から見える箇所で内装作業が必要なところが残っていないかを確認します。室内照明を取り付けて前照灯、テール灯を含めて、正常点灯を確認します。なお、室内照明は先頭車1号車、7号車は片側を短くカットして取り付けます。先頭側の完成状態です。向きを変えて反対側の完成状態です。7号車シングルツイン、シングル クハネ285いよいよ最後の内装作業です。構成としては先の1号車、6号車、2号車と同じです。慣れてきたせいか、ここまで壁紙を貼るのに2時間掛かりませんでした。作業を効率的に行うには、シートのレーザーカットが甘いので、形状が細かく入り組んでいるシートはカッターナイフで事前に軽くなぞっておいたほうがいいことが分かってきました。その典型がベットのシーツです。3つのパーツが連なっていますが、事前に切り込みを入れて離れないよう、慎重に剥がすと貼付の作業が倍以上はかどります。ハンガーや寝間着も含め、作業が終わりました。いつものように車体を仮に被せて窓から覗いて、やり残しの内装作業がないことを確認してから、室内照明を取り付けて点灯テストを行います。長さをカットするのは1号車と同じです。先頭の1号車と7号車は前照灯やテール灯がちらつかないよう、接点グリスを塗布しておきます。特に古いモデルの場合はリン青銅線など、車体と床板を繋ぐ接点が細いので、お薦めです。詳しくは別稿の「持っててよかった!ツール・サプライ」をご覧下さい。車体を被せて、照明、灯火類の点灯を確認します。結構、ハンガーや鏡が目立ちます。これで7両とも完成です。内装の作り込みプロセスを最後までご覧いただき、どうも有難うございました。やはり、N小屋のシートを貼る場合は、各シートをまず点検し、同じパターンの車両は連続して作業すると勝手が分かるのと慣れてくるので、早くできるようになります。トワイライトエクスプレスの時は10両編成で、食堂車、サロンカー、展望車など車両のバリエーションも複雑で1両1日のペースでしか、作業できませんでしたが、今回のサンライズは7両で正味4日半の作業を約20日間にわたって行いました。完成後、走行させたのが次の写真です。やあ、素晴らしい姿で大変、満足しています。やはり寝台特急、急行は内装を作り込むと全く見た目が違い、走行させていても楽しいです。ダブルリバースで両面、両方向から編成を見れるので嬉しいです。また、実車を乗ってみたくなりました。このサンライズの作業成果を踏まえて、北斗星のN小屋も取り付けたいと思います。また、投稿しますので、よろしくお願いいたします。
2024.03.23
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私の師匠と仰ぐYさまとは、ヤフーオークションでエンドウの成田エキスプレスをお譲りいただいたご縁がきっかけで、以来、拙宅に息子様とお越しいただくなど交流を続けてきましたが、この度、その工房を訪問させていただきました。工房は東京郊外の緑豊かな落ち着いた住宅地域にあり、HPで「鉄道模型製作販売記」というブログが公開されていて、国鉄蒸機から珍しい地方の電車、気動車まで多種多様なHOブラスモデルが収録されています。また、ヤフーオークションでは「lunaloveisthis」の出品者名でHO真鍮モデルを出品されていますので、一度ぜひご覧下さい。お邪魔したご自宅の工房は塗装と組立のブースに分かれた本格的な作業スペースになっており、部品類や車両の収納スペースも十分確保されています。塗装ブースの下には3台のコンプレッサーが設置され、室外への換気パイプも備わっています。よく見ていると電気スタンドも拡大鏡とともに精密作業の必須アイテムであることを再認識します。ハンダ工作で悪戦苦闘しているので、Yさまには色々ご教示いただきましたが、特に驚いたのは道具の豊富さです。ハンダコテも100W、60W、30Wなどいろいろな容量と円錐形、刀形、L字形などの各種コテ形状を揃えられ、特に車体の床板取付L字アームを取り付ける際のL字形コテなどは初めて見ました。また、塩化亜鉛溶液やキサゲは持っておりましたが、知らないハンダ吸取りテープを薦めていただき、帰宅後早速モノタロウで買って試したところ、カンタンに余分なハンダが吸取られるのでその効果は眼からウロコでした。ハンダの吸取りテープとは要するに金属メッシュですが、幅1.5mmと2.5mmを買いました。新たに買った100Wのコテを使って、ハンダの流れと吸取りメッシュテープの効果を確認。今まで、30Wと60Wの2本を使っていましたが、60Wでは真鍮板同士を留めるには容量不足でした。確かに100Wですとハンダがさっと流れます。また、HO真鍮工作の実例として、写真の珊瑚模型のC59キットや旭川市電モデルなど師匠がディーテルアップして組み上げた作品を拝見しました。精緻化と走行性能の関係や空気作用管の工作方法、ハンダの流し方、キャブ下、発電機周辺のパイピング、窓枠などの真鍮線の太さの選び方、水平・垂直の保ち方、各工作面の三次元での直角の保ち方、キサゲとパテの使い分けなどをご教示いただきました。「これだけ色々な真鍮パーツが隣接していると、ハンダ―付け中に隣のハンダが外れたり、直線位置がずれたりしませんか?」とお聞きしたところ、100Wのコテで一気にハンダを流すのと、熱くてもしっかり手で押さえるのが肝心とのことでした。指紋が無くなるまで・・(笑)空気作用管は私もエコーモデルの組立済キットをC59に取り付けたばかりだったので、砂撒管元栓との接合や継手の六角ユニオン、キャブへの引き込みなどの細部を比較しながら、改めてプロの超絶技巧に感心しておりました。訪問時のご教示を受けて、この道具類で今後はハンダ工作に励むことにしました。Practice makes perfect!なお、塗装はプラモデルで随分鍛えたつもりですが、真鍮は全く別世界でキサゲ加工やプライマー、サーフェイサーなどの下地処理が肝なので、追々ご教示いただこうと思います。
2024.03.22
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NゲージとHOの両方を楽しんでいるからか、Nゲージは存在感を高めるために長編成で室内照明を全車装着しています。あとで増結した場合の継続供給や品質の安定性から社外品は使用せず、割高でも純正品を使うようにしています。どのメーカーの室内照明が装着しやすく、チラツキが少ないなど、個人によって見解は分かれるかも知れませんが、私の経験をまとめたいと思います。まず、結論から申しますと、KATOの室内照明が取付が最も面倒で、接点不良のための不点灯やチラツキが多いと感じます。また、照明の色調も特にNゲージでは白色と蛍光灯色の区別が小さな「カラーフィルター」(オレンジ色のプリズム片)に頼っているため、違いが余りない印象です。ただ、そうは言っても所有車両でKATO製も多いため、弱点克服のために今まで工夫してきたことをまとめてみました。何かのご参考になれば嬉しいです。1.HO室内照明HOでは現行製品で代表的な7-505などのように車両の天井中央にLEDのプリント基板を取付け、左右に透明の照明板を差し込む形式が多いと思います。まず最初の要点はLED基板に取り付ける通電シューのU字部分をラジオペンチなどで軽くかしめて、床板に挟む下側のL字形集電板の先端との接点で接触不良が起こらないようにすることです。U字部分に通電グリスを塗布するとさらに確実です。なお、集電シューをきつくかしめ過ぎると下側のシューが入らずに逃げてしまい、不灯になるので注意してください。床板に挟む下側のL字形集電板の先端を実際にLED基板に取り付ける通電シューのU字部分に差し込んで下に落ちない程度がかしめる場合の目安です。接点グリスは元々バイク用ですが、モノタロウなどで買えます。下のカーボングリスはピポット車軸の円滑化と通電促進の両方に効果があります。次の要点は透明の照明板は車体の突起にはめ込むようになっていますが、両脇のプラ部分が折れやすく取付が不安定になりがちです。これを解消するため、両脇のプラ部分にある車体取付用の突起を削り落としたうえ、LED基板にしっかりはめ込み、両面テープで天井に固定するようにしています。LED基板を天井に直接留めるのではなく、両側の透明照明板に抱えさせた状態で照明板を固定する訳です。透明の照明板の両脇は本来、天井側に突起をはめ込んだ時にしなる構造になっているのですが、折れやすく固定の頼りになりません。したがって、両脇に付いている突起を上の写真のように削り落として天井には両面テープで固定します。左右の照明板を中央のLED基板に差し込んだうえ、両面テープで天井に固定した状態です。これでかなり接触不良による室内照明の不灯やチラツキは解消されると思います。20系客車8両編成 室内照明例 写真では分かりにくいですが、重連にも関わらず、客車8両全部で綺麗に照明が点灯しています。チラついたり、点灯しない車両が出て、足並みを揃えさせるのにかなり苦労しました。2. Nゲージ室内照明11-200番台などのように、LED基板をプラの基盤ホルダーに差し込み、床板の端にはめ込む形式が殆どと思います。LED基板の集電端子を少し内側に曲げて通電促進グリスを塗布しておくと、床板側のL字型の集電シューとの接触不良がかなり回避できます。基板フォルダーの付いた集電ユニットを床板のプラホルダーにはめ込む際に集電端子が外側に逃げてしまうことが多いです。接点グリスは元々バイク用ですが、モノタロウなどで買えます。下のカーボングリスはピポット車軸の円滑化と通電促進の両方に効果があります。白色と蛍光灯色の変化を小さなカラーフィルターに頼っており、車種によって照度の違いが大きいので、色調と照度の調整は半紙、色紙、カラーセロハン、料理用のアルミ箔を貼って行うようにしています。この利点は、LED基板と透明のお照明板の間で光が漏れて端まで照明が届かないトラブルを緩和できることです。電球色にするのはカラー用紙でLED基板と照明板の間を巻くように固定します。照度が低くて照明が車体の端で暗くなる時は、漏れないようアルミ箔で巻いて固定しています。透明の照明板の天井側の面にアルミ箔を貼る場合もあります。白色の場合はホワイトペーパーで巻くように固定します。SLばんえつ物語 室内照明例 白色ですが、明るすぎないようにしています。イチゴの促成栽培のビニルハウスのようにピカピカにしている方がいらっしゃいますが、興ざめです。車内の乗客は眩しくて乗っていられないのでは。なお、照度を落とすとLEDと反対側の端まで照明が行き渡らないこともあり、微妙な調整が必要です。この編成の場合、最後尾の客車は光源側と反対側の照度が違いすぎるので、さらに調整しようと考えています。最後は個車調整になります。旧型客車スハ43等 室内照明例 インテリアのグリーンを反射して照明が多少緑がかっています。さよなら20系客車 室内照明例 これも白色ですが、寝台列車ですから明るすぎないようにしています。つばめ・はと スハ44など 室内照明例 暗めの電球色でレトロ感を出しています。和式客車ふれあい スロ81系 室内照明例 白色ですが、車内全体に均一に照明が届くよう、苦労しました。これが限界です。キハ85系ワイドビュー飛騨5両編成 明るめの電球色で旅情のある高級感がうまく演出できました。113系湘南電車4両編成 照度を落とした電球色で日常性を演出しました。ななつ星 室内照明例 蛍光色を強くして落ち着いた高級感を強調しました。急行ニセコ C622 10両編成 軽量客車ですが実車同様、近代化改造よる蛍光灯変更後の照明としました。スーパービュー踊り子 室内照明例 イルミネーションを楽しみたかったので、天井にアルミ箔を貼って照明を反射させて車両による光色の違いも強調しています。現在までに以上のような工夫をして室内照明に支障がないようにしています。皆さんも一度お試しいただければと思います。
2024.03.19
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HOの車両価格もどんどん高価になり、手放す時のことを考えると元箱や付属品はきっちり保管しておくのが賢明ですが、走らせて楽しむ時には元箱にいちいち入れたり出したりでは面倒で、走らせるのが嫌になっては本末転倒です。またヤフオクや専門ショップで中古品を買ったり、大昔に買ったモデルを再生して楽しむ時には元箱がないことが多いとは言え、そのまま無造作に保管すると傷つけたり、何がどこにあるのか分からなくなることさえあります。こうしたことから、私は模型だけでなく収納するケースにもこだわって楽しむようにしています。まずは市販のケースを活用するのが手っ取り早いですが、ある程度の強度があるものを選ばないと、重たい車両を入れると型崩れして車両を落としたり、互いに擦れ合って傷つくなどのトラブルもあります。今まで試した市販品の感想を写真とともにご紹介します。次に自作する場合も紹介しますが、結構ケースだけでなく、ウレタンクッションの調達や切断、切り抜き加工もネックになってきますので、この点も写真とともに触れたいと思います。安価でウレタンクッションも固めで予め切れ目が入っており、若干外れやすいものの、車両に合わせて整形できるのが利点です。ただ、外箱は華奢でウレタンの中を取り外すと全体的に強度は低く、重い機関車の保管には適しません。長編成の電車や客車をまとめて入れるには収納数の制約がありますが、手軽で安価なのでコスパは高いと思います。キャラウェイの車両ケースは定評があり、コスパが非常に高いと思います。出し入れが楽ですし、ケースもある程度しっかりしている割に軽いので、長編成の車両保管に適しているだけでなく、運転会や貸しレイアウトでの走行などで車両を持ち出す場合にも重宝します。アマゾンで手軽に買えますが、段々価格が上昇しているのが気になります。付属のウレタンが固めなので、車両間や上下面のカバーなど薄くても車両を保護し、破れたりしません。IMONのハードケースです。大人の鑑賞に堪える高級品であり種類も豊富で、長年の使用や積み重ねての保管でもびくともしません。各仕切りが箱として作成されているのが特徴で強度アップに貢献しています。機関車も一緒に収納できるのが有難いです。車両によっては前後にクッションを両面テープで固定して使っています。ラベルはメーカーロゴや実車写真を使って自作しています。エンドウから市販されている銀箱です。緩衝材もエンドウのスチロール製に統一しました。エンドウモデルは車体塗装面と緩衝材の融着トラブルがあるので、厚手のビニールで車両を保護したうえで収納しましょう。YAMA模型から市販されている化粧箱です。丁寧に作られていて木箱のように頑丈です。重いのでどちらかというと携帯用ではなく保管に向いています。重ねて積んでもビクともしません。最近、CASCOから「天賞堂製品対応のSL用収納箱セット」が発売されています。これは天賞堂の真鍮製ブラスモデルを入れていた銀箱と同サイズで3層になっているウレタンクッションのうち、2層目のウレタンフォームには予め切れ目が入っていて、手持のモデルに合わせて整形できるようになっています。外箱はまずまずの仕上がりですが、1層目と3層目のウレタンクッションが柔らかすぎる(硬いクッションのほぼ半額)のと2層目の切れ目の入ったウレタンフォームが高級感に乏しいのが難点です。メーカーに問い合わせたところ、1000個完売で終了するそうです。天賞堂からは従来の完成品収納用の銀箱に合わせて、固めのウレタンクッションで予め定型で3か所を切り抜いた形で販売されています。CASCOに比べ、やはり高級感が全く違い、大人の鑑賞に堪えます。私の場合のリニューアル例を示すと、手許の天賞堂真鍮製ブラスモデルC59が入っていた銀箱は外側にスレや破れがあり、中の黄色のクッションは劣化して変色、破れもあったので、適当に黒のクッションを切って補修しておりました。古くからの天賞堂ブラスファンの方は殆どこのような状態かと思います。そこで、今回CASCOから市販されている外箱に天賞堂の販売ウレタンクッションを入れて、くたびれたC59の収納ケースを入れ替えました。C59の製品名ラベルとTenshodoロゴは既往品ケースからコピーして貼っています。これで見違えるようになりました。別のリニューアル例として、天賞堂のブラスモデルC622に関しては銀箱の外ケースは比較的綺麗で、中のウレタンクッションのみ劣化、変色したために適当な緩衝材で補修していました。そこで、中のウレタンクッションを天賞堂販売の新品に入れ替えました。自分で一から車両ケースを自作したこともあります。段ボールを素材に、市販(モノタロウなど)の化粧紙を貼り、内部はニトリなどのHCで台所用品や事務用品の収納仕切りを買って加工しました。難しいのは次の3点です。1. 上蓋の箱と下の底箱をきっちり蓋が閉まるように寸法を正確に完成させる。2. 化粧紙はスプレー糊を平滑に塗布して空気が残らないよう貼付する。3. 化粧紙の折り曲げ部分の始末を綺麗にできるよう、ある程度現物合わせ部分を残して調整切断する。黒の厚紙はモノタロウなどで買えます。羽二重折の仕切りを作る時は山側の折り曲げ部分の寸法を余分に取って高さを揃えながら貼り付けていきます。無造作に作ると仕切りの高さが揃わず、綺麗に仕上がりません。仕切りは1両分ずつ箱を作って並べるほうが寸法が綺麗に揃って楽かもわかりません。IMONの市販収納ケースは車両を入れる1箱、1箱が内部に並んでいる構造になっています。向こうの2箱が自作です。真ん中のケースはKTMの上蓋のみ使って下の底箱と仕切りを自作しました。手前は比較参考で、仕切りが箱構造になっているIMONの市販ケースです。天賞堂の銀箱に関しては、クラウンモデルと同一仕様で化粧箱とウレタンクッションを特注しました。カンタム搭載SLの現行の青い横長ケースと同一サイズですが、機炭連結状態でドローワー端子脱着トラブルを避けてすっきり収納でき、しかも見た目は従来の真鍮製ブラスモデルの銀箱と同じ仕様です。具体的には1.寸法:天賞堂のカンタム搭載SLモデルの青色化粧箱と全く同一 =真鍮製ブラスモデルの銀箱の横幅275mmを316mmに延長 上蓋寸法181mmX316mmX65mm、底箱寸法176mmX311mmX60mm2.化粧紙 天賞堂と全く同一のエンボス銀色紙3.ウレタンクッション 天賞堂と同一の固めの高級品 3層構造で、上下は15mm厚、真ん中は35mm厚で切り抜き無の仕様仕様の細かい詰めと最低発注量の調整が大変でしたが、非常に品格のある化粧箱ができ、満足しています。現行カンタム搭載モデル用の青色ケースと同サイズです。真ん中のウレタンクッションは切り抜きまで特注すると刃型製作費が非常に高価になるため、手許の各モデルに合わせてカッターナイフ等で切り抜くことにしました。まず、実際のモデルを置いて、要所に爪楊枝を突き立てます。慣れないうちや目の悪い方は赤のボールペンで爪楊枝を繋ぐ切断線を書いて、切断線の外側をカットするようにします。切断後、ボールペンのインクがウレタンに残ったら、アルコールかウェットティッシュで拭き取ります。新しい長い刃に入れ替えたカッターナイフで垂直、水平に注意しながら、金属定規に沿ってウレタンに切り込んで行きます。カッターの刃は新品を使わないと切り口が綺麗に切れませんので、惜しまず使いましょう。下に刃が貫通するまで数回繰り返し切ります。次第にカッターナイフは手前に引く動きから前後に動かす動きに変えるとスムースに切断できます。ウレタンの切れ込みの角は次の写真のようにカッターナイフの刃を垂直に立てて綺麗に切り離します。ウレタンを貫通してからはカッターナイフを前後に動かしながら切るようにすると確実です。切り抜きが終わったところです。左下は付属品入れ、右下はテンダーを切り離して単独で収納するスペースです。前後のカプラー部分はあとで細いカッターで途中の深さまで切り取ります。カプラー部分を切り取った後の状態です。細かい切りくずは最後に除去します。カッターナイフで一応綺麗に切り抜けますが、より完璧を望むなら、ウレタンクッション/発泡スチロール/グラスウールなどの専用カッターがモノタロウなどで買えます。さずが専用カッターだけあって綺麗にスパスパ切れます。切り口もご覧のとおり。単に切るだけでなく、例えばカッターナイフで綺麗な断面に切れなかったときの凸凹を削って平滑にすることもできます。機関車とテンダーを連結状態で収納する際は、厚手のビニールに半紙を挟み、病人を担架からベットに移す要領でビニールの端を両手(写真ではカメラを持つために右手だけで持っています)でウレタンの中に入れるようにするとモデルの損傷を完全に防げます。機関車とテンダーを右手、左手で別々に持って入れるより、はるかに楽で安全です。何も包まずに直接ウレタンに入れると連結解放テコや前照灯、手すりなどが引っ掛かって外れてしまう可能性があります。特注ケースにクラウンモデルのD52を機炭連結状態ですっきり入れることができました。取説のほか、下の左側に付属品も余裕で収納でき、右側にはテンダーを離して単独で収納することも可能です。写真では切り取ったウレタンを埋めてあります。大人の鑑賞に堪える品格があり、とても満足しています。最低発注数の関係で余ったケースをヤフオクでお譲りしていましたが、お蔭さまで11名の方に29箱をお譲りでき完売いたしました。どうも有難うございます。
2024.03.16
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空気作用管は蒸気機関車の落成時から装着されていたのではなく、戦後に各機関区の改造で取り付けられており、集煙装置や重油タンク、増炭枠と同じで仕様が統一されているわけではありません。また、空気作用管は実物が直径2cm前後なのでHOでは0.25-0.35mm程度の繊細な配線になり、しかも途中の継手六角ユニオンやドームの砂撒管元栓との接続を再現しなければならないので、高級モデルの完成品でも昔は付いていないのが一般的でした。ただ、モデルの精密化が進む最近の傾向として、黒色のボディの中でひときわ目立つ存在として欠かせないパーツになりつつあります。そこで、40-50年ほど前の大古SL群のレストアでもディーテルアップの一環で取付けています。結論的にはエコーモデルの組み立て済キットを塗装後の状態に取り付けるのがベストと思いますが、そこに至るまでの紆余曲折にも触れますので参考にしてください。作用管に使う銅線ないし燐青銅(リンセイドウ)線の直径は0.25-0.35mm程度がスケール的に適当で、時々目立たせようと0.8-0.9mmくらいの銅線で自作されている方を見かけますが、完全なオーバースケールで、全体のバランスを崩してしまいます。それでなくても実機の空気作用管はくすんだ茶色なので、綺麗な銅色にすること自体がオーバーデコレーションになっていることを忘れないようにしたいです。C622の梅小路機関区保存機と急行ニセコ現役時代の写真を比較で添付しますが、空気管は実際にははるかに地味な存在で、しかも両者は大きく仕様が異なり、梅小路保存機では一番下に5本目の空気作用管が増設されてキャブからの引き回しでは他の空気管を跨ぐ形で配置され、継手の位置も違ってニセコ時代の六角ユニオンそのものが廃止されていることが分かります。C622の梅小路機関区保存機 空気作用管は5本に追加され、継手の六角ユニオンは廃止されています。C622の急行ニセコ現役時代 空気作用管は4本で、継手の六角ユニオンもはっきり確認できます。空気作用管の引き回しを正確に把握するには、当時写真を見ても判別しにくいので、私は鈴木信雄様のイラスト(サイトあり)で確認するようにしています。空気管の取付けに私が最初に使ったのは「れーるぎゃらりー六甲」のご主人床次様の薦めに従って0.35mmの銅線でした。銅線は燐青銅線に比べ柔らかくて加工しやすい利点がありますが、4-5本並行する空気管の直線部分では柔らかいので形をすっきり整えにくい難点があります。空気管の取付方法としては塗装前の真鍮地肌の段階でキャブからの引き出し部分やランボード、砂撒管元栓との接合部分にドリルで穴を開けてハンダづけする訳ですが、六角形ユニオン部分や継手、ロスト製空気管台座の加工も含め、熱変形やハンダ外れで整形が非常に難しく、結局少し試しただけで早々と断念しました。次の写真は私の師匠と仰ぐ工房プロY様の珊瑚模型C59のディーテルアップ作品です。スクラッチで仕上げた空気作用管の見事さにただ感心します。継手ユニオンと砂撒管元栓と空気作用管の接合部分にご注目下さい。素人はここまでできません。ハンダが流れず、コテを押し付けているうちに隣のハンダが外れて・・(😢)。 別稿で師匠訪問記をアップしていますので、そちらもご覧下さい。次は私のKTM D52の習作です(冷汗・・)。塗装済みの段階である程度ハンダで束ねて台座に固定した銅線をゴム系ボンドで貼付する方法を試しましたが、下記写真のようにすっきりした直線にならず、工作の難しい継手や六角形ユニオン部分は形が整わないので結局取り外して再現を省略する結果になりました。今見るとお恥ずかしい限りで、もっとうまく作れないかと悶々としていたところ、見つけたのが「エコーモデルの組み立て済空気作用管」だったわけです。このKTM D52の空気管は結局全部除去してエコーモデルで作り直しました。(後出事例③参照)エコーモデルのHPを見ると全部で31タイプあるようですが、実際に在庫リストに記載があるのは4-5タイプの場合が多いようですので、在庫のある機種から付けて、欠品していれば電話で再生産をお願いして待つのが得策です。@7,000-8,000円もするのでビックリされる方も多いでしょうが、上記の苦労や失敗を考えるとぜひお薦めします。余談になりますが、欠品になっていたC623の件でエコーモデルに電話したところ、「最近空気作用管の注文が急増した」と喜んでおられました。私は「いいモノはいい」と申し上げるだけで、別に特定のショップや製品の提灯記事を書いて小遣い稼ぎするようなアフィリエイト広告ブローガーではありませんが、心ある代表の阿部敏幸様が経営されるショップが繁盛されることは非常に嬉しいことです。製造業者も見つけにくいような儲からない小物パーツを良心的価格で提供されているので、皆さまもぜひ応援、ご愛用いただければと思います。取付方法は解説書によれば、塗装前に穴を開けてハンダ付する方法が最良のように書かれていますが、私の経験では塗装済の状態でゴム系接着剤で固定するのが作業の容易さと仕上がりの良さからベストと思います。組立済みのハンダがバラバラに外れて失敗すれば、高価なだけにかなりへこんでしまいますしね。ただ、車体塗装済の状態に空気管を接着する方法を採る場合でも、綺麗に付けようとするとそれなりのコツと慣れが必要です。まず、取付前に空気管台座を半艶消黒ラッカーで塗装します。組立製品の台座周辺部分にハンダが毛細現象で流れており、少し変色が見られますが、取り付けてしまうとさほど気になりません。気になる場合は取付後でも銅色ラッカーで塗装できます。①天賞堂C59取付事例いよいよ、天賞堂C59への取付けです。まずキャブ側の引き出し部分に仮置きして既存の他のパイピングを避けてうまく端が揃った状態で取り付けられるよう予め確認して、空気管の右端を切断します。この段階では固定せずに外し、次に砂撒管元栓に向かう空気管をボイラーの曲線に合わせて曲げながら元栓部分の下側を通し、非正規側に向かう空気管はドームの前側の曲線に合わせて徐々に曲げます。砂撒管元栓に向かう空気管(通常は2本)を通して曲げ加工する作業は、この写真のように空気管を全て固定していない仮置きの状態で行います。これが最大のコツです。どこも固定してはいけません。次に砂撒管元栓部分の曲げ加工という最難の関門があります。2本の空気管は前進用と後退用です。ドームに砂撒管が3個あるタイプでは前進用空気管は正規側、非正規側とも前側2本の元栓に、後退用は正規側、非正規側とも一番後ろの1本の元栓に実機では接続されていますので、厳密に再現する場合は各元栓にL字型の短い銅線を付けて空気管と接続する加工が必要になります。うまく行けばそれがベストですが、よほどの加工技術がないと空気管の歪みや不揃いが目立つ格好になってしまうため、私は見た目の印象優先で1本の空気管を砂撒管の間でU字型に鋭いピンセットとラジオペンチで曲げてあたかも元栓と繋がっているように表現するにとどめました。将来、余力があれば短いL字型空気管を銅線(または燐青銅線の切れ端)で別に作って取り付けたいと考えています。作例では2本の空気作用管の1本だけをドームの前を通して非正規側に取り付けました。正規側の空気作用管は砂撒き管の元栓に添える方でU字型に曲げています。なお、取付段階ではみ出たゴム系接着剤はあとでカッターナイフの先などで綺麗に除去できます。非正規側の空気作用管を砂撒き管にU字型に曲げて取り付けているところです。ピンセットとラジオペンチでリン青銅線の先をつまんで曲げます。空気作用管の取付けて試走中のC59です。向こうに見えるのは天賞堂のカンタムC62ニセコ重連ですが、空気作用管を比べても遜色ありません。②天賞堂C59取付事例₋追加上記①の取付後に、さらにドーム前の空気作用管を本来の2本に増やしました。ドームの前に回り込む空気作用管が1本だけで、砂撒管の元栓左右3か所のうち、2か所にしか空気作用管が接続されていないのは、やはりブログで報告した以上、気になっていました。さらに完全を目指します。まず、非正規側の砂撒管元栓付近の空気作用管の形状を完全に整えます。次に追加する空気作用管の先をU字形に曲げたうえで、非正規側の砂撒管の下を通します。通した空気作用管をドームの前方を回り込むように曲げていきます。空気作用管を正規側まで曲げたところで、ホワイトボンドで固定。ピンセットで押さえて、ボンドが乾くのを待ちます。撮影のため、右手のピンセットを一時的に離しましたが、ずっと2本で押さえていました。乾いたら余分なボンドを爪楊枝の先で全て除去します。そして正規側に回しこんだ空気作用管の先を曲げて切断し、砂撒管の元栓に接続しているように形を整えます。非正規側の完成状態です。これで、左右3本の砂撒管元栓に2本の空気作用管が接続したようになりました。ヤレヤレ😥、肩の荷が下りました。完成後の爽快感が病みつきになります。③KTM D52標準形取付事例より完璧を目指し、最初から空気作用管2本を非正規側まで曲げて、砂撒管元栓での接続部分を後付けしました。元々付けていた前出の自作空気作用管は全て撤去し、半艶消しで再塗装しました。空気作用管の取付を始める前に、まず実機の空気作用管と砂撒管元栓との接合状況を確認します。C622梅小路保存機の正規側です。C622梅小路保存機の非正規側です。C571 山口号の非正規側です。いよいよ作業開始!まず砂撒管元栓に繋ぐ2本の空気作用管を腰のあるピンセットでつまんで曲げます。仮置き状態で位置決めし、空気作用管のキャブ引き出し側を切断、空気作用管を砂撒管、手すりなどの下に通します。そして空気作用管2本をドームの前を曲げながら通します。非正規側の砂撒管の下を通し、爪楊枝の頭を使ってこじるように曲げていきます。曲げた空気作用管をゴム系接着剤で固定します。最初の固定点です。非正規側の空気作用管の先端を砂撒管に引っ掛けて固定し、正規側の空気作用管をゴム系接着剤で固定します。次に非正規側の空気作用管の先端を砂撒管元栓に繋ぐ長さで曲げて切断します。空気作用管の先端の形を整えて、ホワイトボンドで砂撒管元栓と接着します。リン青銅線の切れ端を使い、正規側の砂撒管元栓に繋ぐL字型の空気作用管を3本作ってホワイトボンドで接着します。この作業には腰のあるピンセットが非常に役立ちますのでお薦めします。いわば、ラジオペンチの超小型版です。TAMIYAの通常のピンセットと比べて太さにご注目下さい。非正規側の一番手前の砂撒管元栓にもL字形の空気作用管を接着します。乾いたら、新しい爪楊枝の先で、はみ出たゴム系接着剤やホワイトボンドを除去します。ピンセットやカッターナイフを使うとボイラーやドームの塗装を傷つけるので注意してください。砂撒管元栓と空気作用管の接続部分を半艶消しで塗装します。タミヤカラーX-18セミグロスブラックがお薦めです。正規側の完成状態です。非正規側の完成状態です。完成状態を比較します。一番手前が今回仕上げた事例③のKTM D52標準形です。真ん中は天賞堂のカンタムクラウンモデルのD52です。非常に驚きましたが、空気作用管こそ、スクラッチで作られていますが、砂撒管元栓との接合部分はなんと省略されています!時代の流れで職人不足がこの事態を招いたと考えると悲しい気がしますが、反面今回の作業の精緻度に自信を深めた次第です。一番向こうは天賞堂C59で事例①の通り空気作用管1本をドームの前で曲げて一旦完成させ、のちに事例②でもう1本の空気作用管を追加した習作です。いずれにせよ、空気作用管を銅色に輝かせて取り付けるのであれば、砂撒管元栓との接合部分も再現したほうが見た目がかなり違うことを実感しました。慣れもあるでしょうが、今回のKTM D52への空気作用管取付作業は4時間ほどで完了しましたので、皆様もぜひチャレンジしてみてください。
2024.02.29
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KATOのNゲージ用サウンドシステムは、モーター音とプラスティックボディで静々と走行するNゲージの限界をカバーする有難いシステムであり、ダブルリバース線を設けた私のレイアウトでも本線用とリバース用の2台を導入運用しております。サウンドカードの発売種類も増えて、ユーザーも増えていると思いますが、私なりに感じている課題をまとめました。KATO様にも相談しておりますが、すでに解決策をお持ちの方はぜひ、ご教示いただければ、助かります。1.SLサウンドカードの音源の制約コントローラー同調タイプのSL用カードとしてD51, C62, C11, C12/C56, C57/C59, 8620などが発売されており、実機が本線を走行している機種はいいのですが、C62はニセコ現役時代ではなく、梅小路保存機から録音したようで、走行中のドラフト音はボイラー圧を低く抑えているせいか抜けたような弱々しい音色で、自動給炭機音も石炭が大量に流れているのではなく少量流したようなカラカラ音になっています。私は仕方なく、D51用で代用しています。2.リバース線での運用制約私のレイアウトは添付画像のように本線ダブルループと内側のループ本線に両端ギャップ付のリバース線をS字でダブルにクロスさせた配置です。そのため、サウンドシステムは画像のように2系統パワーパックHYPER DXとサウンドシステム2台を装備し、2台のサウンドシステムをループ本線用とリバース線用に分担させています。しかし、実際に運用してみると本線からリバース線に入った途端に急に速度が上がってしまい、リバース線を担当するサウンドシステムのボリュームボタンなどを絞っても症状は改善しません。3.KATO様からのサポートKATO様にはイベントで昨年、一昨年と二度に亘って、対応策をご教示いただきました。<1>.まず、一昨年のサウンドシステムが1台の時に、「パワーパックの使用系統を一つだけにして、フィーダー線に分配コネクターと逆転スイッチを設けて対処する」方法をご教示いただきました。ただ、それでは折角の2系統パワーパックが活かされず、走行させた場合にリバース出口での逆転スイッチの運用が煩雑になるので、添付のように「パワーパックの内部を改造して2系統に配線が分かれる前にサウンドシステムを介在させる」方法がいいのではないかと考えました。ただ、改造するとKATO様のメーカー保証も受けられなくなるので、断念しました。<2>.やむを得ず2台目のサウンドシステムを購入して、多少の電圧の落差はあってもスムースに走るだろうと想像しましたが、上記2のような走行速度ギャップのトラブルに遭遇した次第です。<3>.そこで今年1月のイベントでKATOの別の方に経過を説明したところ、電圧がギャップ区間を超える時に倍に上がるのが原因と説明いただき、「リバース線に入った直後に本線用ディレクションレバーをOFFにする」方法をご教示いただきました。<4>.C62牽引の6両客車列車で試したところ、速度が急に上がる症状は無くなりましたが、画像のように本線上の客車の室内照明が消えました。また、2両目と5両目がM車の7両編成電車では当然ですが、5両目のM車が駆動せず、空転する事態になりました。 この問題は現在も解決できておらず、KOTO様からの回答待ちの状況で、客車列車に限定して途中照明不灯のまま、走らせています。
2024.02.20
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天賞堂のカンタムサウンドシステムを搭載した蒸機やディーゼル機モデルが走行する姿に接した方はそのリアル感に非常に驚かれるでしょう。まさにHO蒸機、ディーゼル機の新時代を切り開いた革新モデルと言えます。ただ、その精緻な構造ゆえ、十分な知識と慎重な取扱いをしないと不調に見舞われ、走らせるのが億劫になる懸念があります。私はカンタムモデルを延べ19両購入し、現在17両保有していますが、今までの試行錯誤で得た経験知をまとめたいと思います。1.カンタムモデルの種類変遷の多いSLモデルに限って説明すると、2006年のD51半流機に始まり現在に至るまで販売されているダイキャストボディのSLモデルに加え、すでに生産販売が終了している全て真鍮製のモデルとダイキャスト・真鍮のハイブリットモデルの3種類があります。真鍮製のモデルは2010年と2013年にC62で普及モデルが、2011年にはD52で精緻を極めたクラウンモデルが発売されましたが、職人不足で以後生産販売が途絶えています。2020年に真鍮とダイキャストのハイブリットモデルがD51の200号機JR西日本のお召し機仕様で販売されましたが、精緻度が劣るため人気が出ず、結局単発に終わりました。したがって、今となっては絶版となっているクラウンモデルがカンタム搭載SLの最高峰になっています。2.カンタムモデルの運用環境パルス制御(パルス幅変調型)のパワーパックは使用不可で、かつ細かい音声制御にはカンタムエンジニア(S 91008/91001)が別途必要となります。従って、パワーパックでもKATO ハイパワーD、ハイパワーDX、KC-1+KM-1,TOMIX N1001CLなどは使用できず、無理に使うとDCCデコーダが破壊され、故障の原因になります。使用可能な純DCパワーパックとしては、天賞堂製品ならすでに絶版ですが、TR-1,3A2PTR、TEP-1、現行製品なら91015(TS-1S), 91006などになります。また、カンタムエンジニアには型番が91001と91008の2種類ありますが、両者の違いはボタンに英字表示されているか、数字表示されているかだけで、機能に違いはありません。天賞堂の模型商品部にも直接確認済み。カンタム搭載機に付属しているテンプレートも共通して使用可能です。3.カンタムモデルの主な故障原因初心者の扱いによるテンダー連結端子の接続不良や端子外れ、接続時に無理に端子を押し込んだために生じるモーターと端子受け口のショート、パルス制御パワーパックで安易に走行させたことによるDCCデコーダーの故障があります。これらの故障があれば、天賞堂の模型商品部に修理を依頼するのが賢明ですが、1-2か月で1-2万円は必要と見込んでください。なお、C62ダイキャストモデルの初期生産品ではギヤ割れや動輪の位相ズレで不調な製品もあったようですが、これはメーカーの無償クレーム対応でした。好調を維持できるよう、テンダーは切り離さずに、必ず端子も結合した連結状態で元箱に収納することをお薦めします。4.テンダーへの石炭搭載テンダー内にDCCデコーダーとスピーカーが装備されていますので、通常のSLモデルのような調子で水で薄めたセメダインホワイトに中性洗剤を混ぜてスポイドで垂らして固めると漏水で故障しかねないので避けたほうが無難です。代わりに、石炭槽の形に予め切り抜いたケント紙や樹脂板の上で石炭を固めてはめ込むか、天賞堂市販の石炭ユニットを買ってはめ込むようにしてください。私の場合は前者の方法で、さらに重油タンクや増炭枠を加工付加してバリエーションを楽しんでいます。5. 空気作用管の墨入れと固定枠の黒色塗装市販モデルはコストダウンと省力化のため、空気作用管は全管と固定枠をまとめてエッチングパーツで一体整形してあり、色も実車とは大違いの輝いた銅色になっています。そのため、固定枠をまずマットブラックに塗装したうえ、シンナーで薄く溶いたマットブラックのラッカーを筆で垂らすと毛細現象により、各作用管の隙間に染みわたって個人的にはかなりリアル感が増したように感じます。一度試されてみてはいかがでしょうか。少しでも以上があれば、天賞堂の模型商品部で点検修理いただいいるので、全両好調、重連も問題ありません。さすがに自分では手を出さないようにしています。DD51もカンタムだと、リアル感が相当違います。重連にすると走行はOKですが、前照灯やキャブ室内灯の照度に違いがあるので、天賞堂に相談しようかと考えています。クラウンモデルのD52 吹田機関区、御殿場晩年、東海・山陽タイプの3両は天賞堂の模型商品部で点検整備をしていただき、外観は完全で走行も絶好調です。ただ、牽引力はブラスの軽量客車シリーズや国定旧客車シリーズでとすと6両前後が限界のようです。今後、対策を考えたいと思います。ダイキャストの通常モデルも一応のレベルにはありますが、やはりクラウンモデルでブラスト音がするとしびれます。天賞堂のパワーパックはKATOやTOMIXに比べ、電圧を上げられるので、カンタム機を重連、3重連走行させる時や30-50年前の大古SLを走行させる時にメーターボックスは非常に重宝しています。微妙なショートも見逃さずに早めに修理対応すれば、走らせるのが嫌になるストレスが貯まりません。カンタムは予備に保有していますが、今まで故障したことはありません。<トラブル事例1>D52クラウンモデルのトラブル事例です。機関車本体とテンダーを繋ぐ接続端子を離そうとコードを抜いたら端子が外れてしまい、元に戻そうと挿入しようとしても中々入りませんでした。結局、天賞堂の模型商品部に相談し、端子の基板を交換して修理いただきました。何度も申し上げますが、機関車とテンダーを切り離さないことが最良のトラブル防止策です。<トラブル事例2>D51カンタム初期型のトラブル事例です。機関車とテンダーの接続端子を繋ごうとして押し込んだところ、スムースに動かなくなりました。原因不明のまま、天賞堂の模型商品部に修理してもらったところ、機関車側の端子基盤が車体とショートしていたことが原因と判明しました。この症状はD51の初期型に多いようです。いずれにせよ、これも機関車とテンダーを切り離さないことが最良のトラブル防止策です。機炭連結の接続端子トラブルが多いので、好調を維持するためにはできるだけ脱着回数を減らすのが賢明です。元箱のウレタンスポンジを少し加工すれば、連結状態のままでケース保管できます。ただ、現行のカンタムSL用ケースはスレが出やすい玩具的な青いケースで商品にふさわしい大人の鑑賞に堪える化粧箱ではなく、ウレタンクッションも無骨ですので、気に入っておられない方も多いと思います。そこで、思い切って専門業者に特注で従来のブラスモデル収納銀箱とほぼ同一品格の化粧箱とウレタンを作りました。ウレタンクッションも固めの高級品を使い、3層に分かれ、真ん中を好みに応じて切り抜くようにしました。切り抜く際にはまず爪楊枝を突き立てて形状を決めます。固めなので、長い新品刃を入れたカッターナイフで、水平、垂直に注意しながら切り抜けます。切り抜いた状態です。ウレタンも固いので上下左右をジャストサイズにすれば、ウェイト増量機も動きません。余り複雑な形状にしないほうが、切り抜く手間も少なくて済むうえ、脱着の際に部品が外れるようなトラブルを防げます。D52のクラウンモデルを機炭連結で収納した状態です。モデルは半紙を挟んで厚みのあるビニールで包み、脱着する時はビニールの先をつまんで、ちょうど病人をストレッチャーからベットに移すようにしますと繊細なドローア―も全く損傷の心配なしにスムースにできます。写真の切り抜きで取説、付属品も余裕で収納でき、テンダーを外して単独でも右下に収納できます。天賞堂の模型商品部に頼みましたがケースを製作してくれないので特注したわけですが、仕上がりがいいので驚いておられました。シャビ―なケースでは折角の高級工芸品が泣きますよね。発注ロットの関係で余分があるので、ヤフオクで出品しており、今までに9名の方に23箱お譲りしています。また、エンドウの市販銀箱(KTM銀箱風で、天賞堂のエンボス化粧紙ではないです。)を流用して機炭連結状態のまま、コンパクトに収納することもできます。ただ、このサイズでは取説や付属品を収納できないので、私は持ち運びに使っています。天賞堂で別売されているテンダーへ石炭積載キットです。品切れが多いのが難点です。自作する場合、石炭の積載は本文記載の通り、テンダー内臓のデコンダー、スピーカーへの漏水トラブルを避けるため、樹脂版か厚手のケント紙をテンダーから現物合わせで形取りしたベースの上にホワイトボンドと中性洗剤の混合液をスポイドで垂らして固定します。その場合、ビニールを敷いたベース板の周囲に石炭をしっかり固定して周囲に液が流れないようにしておくと、脱着時に周辺の石炭が外れなくなるので一石二鳥です。純正の空気作用管の完成品状態です。空気管台座に艶消塗装をして、空気管の間に薄めたラッカーを毛細現象で浸透させた加工後の状態です。急行ニセコ現役当時C622の空気作用管装着状態です。梅小路機関区の保存機C622の空気管装着状態です。別稿の「空気作用管の取付け」編で急行ニセコ時代との仕様の違いを詳しく説明しています。C62重連急行ニセコ 天賞堂ブラスニセコシリーズ客車7両牽引 全く問題なしC62重連急行ニセコ 天賞堂ブラスニセコシリーズ客車7両牽引 全く問題なしD51鷹取式集煙装置、重油タンク付 天賞堂ブラス軽量客車7両牽引カンタム搭載機はスピーカーやDCCデコーダがあるので、ウェイト不足で発進時に空転しながら発車。D51の実車もそうだったので、「まあいいか」と思っています。ウェイト増量が難しいので、一般的には重連運用にするか、プラの軽量客車との混編成にして軽量化を図る必要があります。DD51重連 トワイライト10両編成牽引 TOMIXプラ製客車のため、全く問題ありません。DD51重連 天賞堂ブラス軽量客車7両編成牽引 全く問題ありません。EF66 KATOタンカープラ10両編成牽引 プラなら30両くらいは楽々の感じです。
2024.02.17
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今から50年余り前の小学5-6年生のころに走らせていたHOの真鍮製ブラス大古蒸機として、KTMのD51ナメクジシュパーブライン, D52標準形と門鉄デフ形, AdachiのC57標準形と門鉄デフ形, 天賞堂の9600, C59,C61があります。これらは一部損傷してほとんどが不動状態でしたので、HO趣味再開後も殆ど手つかずのまま、最近の天賞堂のカンタムモデルや電車、DL車に熱中しておりました。しかし、意を決してこの度、全両総検に入り、ほぼ再生を完了しましたので、特にウェイトの増量に関して、まとめてみました。まず、牽引する客車の重量ですが、プラですと室内照明を付けていても@平均150-170g前後でしょうが、真鍮製のブラスモデルになると@平均190-250gほどになり、私のレイアウトでは待避線の関係で7-8両の客車編成にしていますが、C57,C59のようなボイラーの細い蒸機では空転しながら牽引する苦しい状態になる場合が多いです。また、メーカーによってはボイラーにビス止めするウェイトを細いボイラーモデルにも適合するように細めにしているためにボイラーの太いD52でもかなりの隙間が残っています。そのため、機関車の重量が@450gくらいしかなくて4動輪と言えども空転する場合があります。そこで、ウェイトを増量する訳ですが、私は写真のようにバイク用のホイールバランス用ウエイトを重宝していますので、ぜひお試しください。5g、10gの切れ目が入っていて、ニッパーや金ばさみで切断しやすく、薄いのでハンマーでたたくと容易に思いの形に整形できます。ボイラー内の隙間に埋めていくほか、ゴムジョイントやモーターとボイラーの間にもボイラーの曲線に合わせて整形すると結構搭載できます。それでも足らない場合はキャブの屋根裏に屋根の曲線に合わせて整形して貼付すると目立ちません。経験的には@500-550g以上になるまで比較的容易に増量でき、そこまで増やせば空転はまず解消されます。なお、ウェイトの増量に当たっては、モーターのジョイントゴムを新品に交換することをお薦めします。ニッパーなどで切断したウェイトは周辺部分からハンマーで叩いていくと形を整えやすいです。曲げたい場合はウェイトの下にマイナスドライバーなどを挟んで叩きます。①KTM D52標準形モデル事例KTMのD52標準形モデルではボイラーが太いせいか、完成品に取り付けられた純正のウェイトではボイラーとの間にかなり空間があります。そこで、まずボイラーの曲線に合わせてウェイトを曲げてスムースに入るようにします。そのうえでドライバーの先などですき間に整形したウエイトを押し込んでいきます。写真は押し込む前にウェイトを現物合わせで形を調整している状態です。ハンマーなどで無理に叩き込むようなことをするとボイラーが変形しますので注意しましょう。純正ウェイトの両脇にもすき間があるので、増量ウェイトを整形のうえ挿入していきます。あとで増量ウェイトが内部で転がらないよう軽く押し込めるくらいがよいと思います。不安でしたら、ゴム系接着剤でウェイトの端を固定します。ボイラーの上面と側面にウェイトが挿入された状態です。機関車本体で567.9gになり、約60g増量できました。なお、写真の電子測りはモノタロウで買いましたが、サイズも小さくコスパがいいので、重宝しています。②KTM D52門鉄デフ形モデル事例次に同じくKTMのD52ですが、門鉄デフモデルのウェイト増量をします。付いていた純正ウェイトが標準形モデルに比べて細く、両脇にかなりの増量ウェイトを入れることができました。増量ウェイトをボイラーの曲線に合わせて挿入する直前の状態です。キャブの屋根裏にも曲線を合わせて増量ウェイトを接着します。仮置きした状態です。同じKTMのD52ですが、門鉄モデルのほうがより多く、80gまで増量できました。③Adachi D51全流(スーパーナメクジ)形モデル事例AdachiのD51全流(スーパーなめくじ)もネジ止めされた標準ウェイトが細すぎる典型例で、かなりボイラーとのすき間があったので、左右に10gずつとボイラー側に20g(写真のウェイト板)の3方向に追加ウェイトを入れました。この段階で重量を測ると500gちょっとしかなかったので、追加でキャブの屋根下に5gのウェイト2片をゴム系接着剤で追加して固定しました。なお、モーターのジョイントゴムは作業開始前に新品(写真)に交換しています。ボイラー20g+10g+10gにキャブ5g+5gです。約50g増量でき、500gを軽く上回ったのでひと安心です。約55年前のAdachi D51全流スーパーナメクジ形(上記事例③)もウェイト増量とOHでエンドウの真鍮製高崎センター旧型客車7両を牽引して快走しています。約50年前の天賞堂C59標準形もウェイト増量で天賞堂ブラス軽量客車フル装備(室内照明LED交換、インテリア人形付加)7両をらくらく牽引快走します。同じく約50年前のKTM D52標準形(上記事例①)はウェイト増量後にさらに缶モーターに換装し、エンドウの高崎センター客車7両(@250g)を牽引して快走しています。走らないとあきらめずに、地道に手を加えれば再生しますので、頑張りましょう。自分で苦労した車両は愛着が湧いて、楽しさも倍増します。今後も投稿更新しますので、よろしくお願いいたします。
2024.02.15
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今から50年余り前の小学5-6年生のころに走らせていたHOの真鍮製ブラス大古蒸機として、KTMのD51ナメクジシュパーブライン, D52標準形と門鉄デフ形, AdachiのC57標準形と門鉄デフ形, 天賞堂の9600, C59,C61があります。これらは一部損傷してほとんどが不動状態でしたので、HO趣味再開後も殆ど手つかずのまま、最近の天賞堂のカンタムモデルや電車、DL車に熱中しておりました。しかし、意を決してこの度、全両総検に入り、ほぼ再生を完了しましたので、特に可動に至るまでの修理プロセスをご紹介したいと思います。以下、試行錯誤の末に体得した再生手順です。1. 通電しているか、モーター音や駆動部分の確認通電しても不動のままか、モーター音が微かにしたり、空転音のする場合はギアボックスのグリス固着やモーターとギアボックスを繋ぐゴムジョイントの経年劣化破断と思われますので、ギアボックスを分解してパーツクリーナーとブラシ、爪楊枝で洗浄したり、ゴムジョイントを交換します。 2. 棒型モーターの点検棒型モーターはトルクがあると信じ込む余り、電圧を10V以上に上げないと走らなくても平気な方がいらっしゃいますが、端子に直接通電して5Vでブーンと力強く回らないとマグネットが劣化している可能性があります。見た目が綺麗だからと言っても40-50年前のモノですので当てになりません。ヤフオクで中古モーターが販売されていますが、不調モータが多いことを覚悟しましょう。缶モータが棒型モータよりトルクが落ちると言ってもそれは新品同士の比較であって、缶モーターでも真鍮製ブラス客車を7両くらい牽引できますので、交換が必要な時は検討の余地があります。3. ショート箇所の追及次に全く不動か、少し動くがギクシャクして止まる、カーブやポイントで止まるような場合はショートの可能性が高いです。ショート箇所の追及は次のように行います。①機関車とテンダーを連結状態で平面透明のガラス板かアクリル板に置いて先輪、従輪、ドローワーをドライバーなどで左右、上下に動かして曲線走行時の当たり具合をチェックする。②先輪や従輪を外して直線路や曲線路を走らせる。外すと快走する場合は先従輪の台車枠が機関車の主台枠やシリンダーに接触していないか、チェックします。台車枠にこすれて塗装が剥げているような箇所があれば、かなりの重症です。③ドローア―が機関車の主台枠と接触していたり、ドローア―の取付ビスが長すぎてモーター下部と接触していないかをチェックする。④従輪の上下動が少ないために動輪がレールに接地せず浮き上がって集電不良になっていないか、チェックする。⑤テンダー側のドローア―ピンがハンダ外れやビス穴のタップ摩耗でぐらついていて集電不良になっていないか、チェックする。電気の流れを辿るようによく観察してください。4. ショート箇所の解消①機関車本体とテンダーを連結するドローワ―周辺の段付きナット、ビス、ワッシャ、タブ(ひょうたん端子)の交換②モーターとドローワーとのハンダ・配線のやり直し(特にドローワーのタブとのハンダ部分は熱収縮ブーツをはめると無難です。)③先輪・従輪の台枠ショート部分の削除や両絶車輪への交換、④機関車のシリンダーの裏側の削除やシリンダー棒の除去ないし裏面の削除(削りくずが飛散しないよう、患部以外はウェスでカバーする)5. 先入観を捨てる当時の規格で行くと製品の個体差が大きく、同一メーカーの同機種(D52やC57)2両なのに取付位置や部品同士の間隔が1-2mmも異なっていて驚くことも多いです。メーカーが現代のような精度で製作していたと思ってはいけません。また、組立後に曲線や勾配を実際に走行させて全数検査していたとも思わないほうがいいです。それと、電圧を12-15Vくらいに上げて何とか止まらずに走ってもショートしている訳ですから、見過ごさずに修理しておくと、あとのトラブルでストレスが溜まって嫌になることもありません。6. 気分転換と専門ショップへの相談原因が明確にならず修理作業が嫌になった時は一旦中断して、後日気持ちを切り替えて再挑戦してみるのも有効です。分解、組立を何度も繰り返すことは当たり前で、自分が下手なためと思わないで下さい。先輪、従輪など多い時で7-8回くらい付けたり、外したりします。組付けたのに動かないと腹を立てず、面倒臭がらずにまた分解する余裕が欲しいものです。趣味ですから(笑)。何度も繰り返すうちに作業スピードも上がってきます。どうしてもわからない時は模型店に持ち込んで原因を教えてもらうと気が楽になって作業が進みます。もちろん修理を頼むのもいいですが、時間と費用が掛かるうえ、自分のスキルが上がらないので、またお世話になるという繰り返しになりかねません。模型店も自店で購入された製品でない限り、余り引き受けてくれるとも限りません。7.必要工具、消耗品の準備①工具類精密ドライバーセット、ピンセット、ニッパー、ラジオペンチ、ヤスリ、小型ハンマー、低速・高速ルーター、30W程度のハンダ、拡大鏡など②消耗品M2mm径・M1.4mm径のビスとナット、導電・絶縁のワッシャ、熱収縮の配線ゴムブーツ、グリス(モノタローで買える接点グリスやエンドウのセラミックグリスがお薦め)など下が見えて平滑なガラスなどに機関車を乗せて、先輪、従輪、ブロ―ワ―などをドライバーなどで上下左右に動かして、振れの余裕があるか、本体の主台枠と接触しやすい箇所がないかをチェックします。先輪、従輪を外し、ボイラー部分と主台枠を分解して、モーターも主台枠から外します。これくらいまでは一通り分解した方がいいです。5回くらい、分解と組立を繰り返すつもりで。ギアボックスを分解し、グリスが固着したり、ギアの摩耗金属片が貯まっていれば、クリナーと筆、ピンセット、ドライバーなどで除去します。ギアや動輪、クランク周辺をクリーナーで清掃します。ギアボックスや動輪車軸、クランクピンなど摩擦部分にグリスを塗布します。私の経験ではエンドウのセラミックグリスが最もいいと思います。シリコングリスは浸透力に優れていますが、回転部分では流れてしまい効果が持続しません。従輪の台車枠を削っています。削る量が多い場合は、スペースが許す限り大型のルーターを使います。重たいですが、自重と高回転でよく削れるのと回転でやすりが跳ねにくいのが利点です。削り過ぎに注意して、頻繁に止めてどこまで削れているかを確認します。車輪は研磨作業がお会わってから両絶輪に交換します。ともかく集電以外には電気がレールから上に上がってこないようにするのがショート退治の要点です。先輪、従輪とも両絶車輪に交換します。余程の例外を除き10.5mmで適合します。スポーク車輪にこだわると両絶品が少ないので、欠品していれば私はプレート車輪を黒塗装して代用しています。先輪はシリンダーの前端やシリンダー棒、主台枠に接触している可能性があり、写真では主台枠を削っています。軽量小型のルーターでは跳ねて削れません。ドローワーがモーターや主台枠とショートしているケースがかなり多いです。ドローワーのビスを外してビスやナット、ワッシャと主台枠が完全に絶縁されているかをチェックし、できれば新品と交換するのをお薦めします。ビスはモーターとの間隔が取れるよう長さを調整します。タブ端子(ひょうたんワッシャ)には絶縁ゴムブーツを履かせます。ドローワーのスプリングが弱いと主台枠と接触する可能性が高まります。主題枠を削る場合も多々あります。テンダーが上下する時にドローワーが主台枠と接触してショートしているケースもありました。モーターを取り付けたところで、モーター、ギアの回転と動輪、クランクの動きを確認します。レールに載せて、ますテンダーをつないで試走させ、その次に先輪を付けて、その次に従輪を付けてと順番に試していくと確実です。全部組み上げてレールに載せると動かないではがっくり来ます。KTMD52の棒型モーターが5V程度ではスムースに動かず、結局Adachiの小判型缶モーターに換装したこともありました。ウェイトを増量してあり、エンドウの高崎車両センター真鍮製客車(@250g前後)7両編成を牽引できるか心配しましたが、無事空転もせず走行しています。ちょっと静かすぎて、KATOのNゲージSLを動かしているような変な気分ですが、いずれ慣れると思います。ウェイト増量後に缶モーターに換装したKTM D52はエンドウの高崎センター客車7(@250g))を牽引して快走。ヤレヤレ。分解修理している作業台(書斎机)です。段ボール製の自作道具箱です。気に入った工具類と消耗品を省スペースで揃えるには不可欠です。グリスとシリコンスプレーです。殆どオイルは使いません。エンドウのセラミックグリスは優れものですが、車輪がキーキー鳴るエンドウ製というのが面白い!「必要は発明の母」とはよく言いました。接触不良の解消剤です。室内照明のチラツキ対策にも威力を発揮します。接点グリスは元々バイク用です。カーボングリスも同じ通電促進効果だけでなく、円滑効果も高いですが、黒色なので注意してください。ハンダは30Wの温度調整式で配線作業に多用しています。真鍮板工作には別に100Wのコテタイプを使っています。写真のルーターはミニタイプで、小物パーツの研磨とドリル用で多用します。主題枠や先従輪の台車枠を削るには重たい高速回転型ルーターのほうが作業効率が圧倒的に高いです。延長ケーブルは先端が小型なので時々使います。試走レールです。HOとNの切替えが面倒なので、常時両方に通電しています。分解作業中はONのままにして、こまめに正常回転、ショート有無をチェックします。レイアウトでの定番試走コースです。右側の4番ポイントから左の6番本線へ牽引走行させるのと、右側の4番から退避線に入って6番の連続S字を走行させる二通りです。
2024.02.15
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HOとNゲージの複合レイアウトを屋根裏部屋に製作して感じるのは、室内高の制約の中でレールクリーニングや車両の回収、シーナリーの作りこみなどを考えるとお座敷レイアウトにしてシーナリーもモジュール化してよかったということです。人間の想像力は大したもので、車両を走らせていると見える景色を全て整える必要はなく、途中で欠けたりしていても補って見ているので不自然さはそれほど感じません。ストラクチャーも同じで、目立つ象徴的なモノを揃えておけば、眼もそちらに集中するので、気になりません。今回は機関庫・給水塔と信号所、乗車洗車台、トラス橋、待避線構内照明塔、クロス線路を製作設置しましたので、ご笑覧ください。1.機関庫と給水塔など客車列車と蒸機が増えたので、待避線を手前に4番ポイントで増設し、COSMICの2線レンガ機関庫のペーパーキットと珊瑚模型店の真鍮製給水をモジュールに組み入れて設置しました。敷地内には予備レール、枕木、標識、ハシゴ、安全柵、制御盤ケース、作業員・運転手人形、を配置し、機関庫横左右には電設資材、機械部品、トラック、バラスト集積など、雰囲気を高める小物類にも力を入れました。パーパーキットとは言え、屋根や土台は樹脂製で歪みが出ないように工夫されています。煙突を立てる穴を垂直に注意しながら、慎重にハンドテーパーリーマーで開けていきます。完成後の風景煙突と避雷針を付けるとゼブラマークや安全旗などの小物類とともに雰囲気が増してきます。給水塔は珊瑚模型の真鍮製組立キットですが、ベース以外の給水タンク、屋根、ハシゴ、ポンプ小屋はハンダを使わず、ホワイトボンドで組上げました。レールや枕木は余ったレールを分解して素材にしました。機関庫での維持修理作業に必要な工材をそれらしく並べました。機関庫と待避線の間にも待避線用バラスト保管区画、トラック、整備員を配置しました。2.信号所適当な完成品やキットがなかったので、スクラッチでクラフト紙を使い、製作しました。窓を大きく取り、職員人形を配置、屋上には明かり窓を設けて、LED照明なしでも室内の人形が見えるようにしました。また、屋上には無線アンテナと避雷針を付けました。敷地の台紙には樹木、安全柵、制御機器や職員人形、自転車、柵を配置しています。無線アンテナはHゲージの電車付属パーツとランナーを流用しました。貯金箱の投入口のように見えるのが採光スリットです。普段はこのように上から見下ろすことは殆どないので目立ちません。屋上に目立たないようにスリットを開けて、指揮所の内部が見えるようにしました。自転車はエコーモデルが価格もリーゾナブルで形状も破綻していないので、お薦めです。3.乗車台、洗浄台待避線の間に止PLUMの車両洗浄台・乗車台ペーパーキットを組み立てて、半艶のウグイス色に塗装し、運転手と作業員の人形を配置。キットは4台分ですが、取り敢えず2台組み立てました。階段が傾いています😢。皆さんも組立時に注意してください。4.トラス橋KTMの鉄製道床のクロス線路を改造して、KATOの線路とリバース線内で接続していますが、結構通過音が大きく、鉄橋を通過したような音がするので、トラス橋を続きに製作配置しました。橋梁はTOMIXのNゲージ用のトラス橋を分解して真ん中で切断加工し、各種補強板を追加のうえ、タミヤの艦底色で塗装しました。また、橋梁内の線路はKATOのポイント用短線路を連結して両肩の道床部分をカットし、渡り板を取り付けました。TOMIXのNゲージ用の橋梁は種類も豊富でHO加工素材にも流用できます。橋桁補強材や渡り板を付け、線路はHOのポイント用短線路を繋いで両側を枕木幅まで削りました。5.構内照明塔待避線全体を照らす構内照明塔はを製作しました。ベースはヤフオクで出品されている3Dプリンター製の構内照明塔を加工し、LED4灯を付けて待避線にポイントを切って進入時のみ点灯するようにしました。3Dプリンター製のヤフオク出品商品は精密でスケールも良好ですが、サポート材が鉄骨の内部に沢山入っていますので、慎重に根気よく除去する必要があります。サポート材を除去後に艶消し黒に塗装しました。LEDライトはスケール的に合った小型品をヤフオクで入手して4本付けましたが、照度が全く不足したので、オーバースケールになりますが大型品に交換しました。ただ、構内照明塔として遠くから点灯している時に注目するので、LEDライトの大きさは気になりません。LEDライトのコード8本は照明塔の上部でまとめて2本にハンダで束ねたうえで、アルミパイプを通して地上に降ろしました。電源は待避線の入り口でフィーダー線を線路に直接ハンダ付けしました。進入時だけ点灯するよう、電極に注意して取り付けます。私の場合、線路を外すのがかなり大変だったので使いませんでしたが、本来ですと写真のような市販の「ターミナルユニジィナー」を使って集電します。待避線への入線時にだけ点灯するので、リアル感が出ました。6.クロス線路Nゲージに比べるとHOで市販されているポイントや交差線路は種類は非常に限定され、メルクリンを見ているとうらやましくなります。現在のレイアウトは別稿でご紹介しているようにHO、Nゲージともダブルリバースを設けて走行車両を前後左右と逆方向で観れて飽きが来ないようにしていますが、HOの場合蒸機の関係で本線は6番ポイント、最低550R以上を確保したかったので、どうしても交差線路が必要になりました。KATOユニトラックでは90度交差しかないため、色々検討した結果、KTMの昔のブリキ道床線路をヤフオクで調達し、それを改造することにしました。お座敷に敷いた場合の線路面を揃えるため、ブリキ道床の下部を鉄ばさみで切断し、接合ステーも除去し、細かい線路接続の加工を行いました。右がKTM製のブリキ道床線路で左が加工後です。KTMのブリキ道床線路の高さを下部を切り取ってレール上面を揃える作業が肝になるので、ユニトラック線路と比べながら試行錯誤で慎重に合わせていきます。下部の返しの部分や接合ステーを除去しても強度的には特に問題ありません。色々な車両を走らせては調整を加え、現在、全車問題なく通過できています。交差部分にはスノーブローやKDカプラーのアゴなどが引掛かっても大丈夫なように敷板を付けています。湘南115系TOMIX8両編成 通過中。DD51カンタム重連、セキ10両編成 通過中。カンタム補機連結方向違いで前照灯が後方点灯、どうもスミマセン。このクロス線路に関しては、お困りの方もおられると思い、同様に加工した30度、45度のクロス線路をヤフオクに出品したところ、4名の方に落札いただきました。KATOから発売してほしいものです。7.キューピクル(給電盤)線路沿いの名脇役としてはキュービクル(給電盤)があります。従来から3Dプリンターで製作された市販品がありましたが、とても高価でコスパはイマイチでした。この度、PLUMからプラ製の組立キットが発売されましたので、早速試してみました。ホビーサーチで注文しましたら、すぐ来ました。ランナーから外す時は先曲がりニッパーがお薦めです。切り残しが出ないのであとの加工が不要です。先端部分の形状が便利さの肝です。金型の精度が高いので、接着剤なしではめ込むよう要領で組み立てられます。組みあがったら、全体を点検して、軽くヤスリで整形します。30分弱で4種類のキューブ計10個が組み上がりました。塗装なしでも構いませんが、塗装する場合はプラサフを軽く吹いてから、ライトグレーに塗ります。信号所に設置しました。手前だけでなく、建物の両脇にも設置しました。待避線のそばにも設置しました。今後も適宜更新していきますので、よろしくお願いいたします。3.
2024.02.15
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今から50年以上前の小学生5年生のころから亡き兄とともにHOを始めましたが、その頃は完成品、キットはいずれも真鍮製主体であり、その重みと走行時の実感的な金属音、耐久性は記憶に染みついています。そのため、長い中断期間があって10数年前に鉄道模型趣味をNゲージで再開してからもプラ製に飽き足らず、結局工作しやすいHO主体になって、押し入れにあった懐かしいKTMや天賞堂の真鍮製の機関車、電車、DL列車、客車を活かすことから始めました。7-8両の長編成に仕上げるためにヤフオクで買い増したのはいいですが、プラ製とは言え、現在の精巧なNゲージモデルと比べれば、車内のガラン洞と室内照明の蛍光管の暗さには到底我慢できません。途中で、各社の後発HOモデルがインテリア、パネル照明付きにグレードアップされているのに気づきましたが、思い出深い大古モデルも捨てがたく、以下のような経過でレストアしました。1.KTMやエンドウで一部僅かですが、分売のインテリアパーツがあったので、ヤフオクで購入。しかし、適合パーツに限りもあり、多くは改造が必要でした。2.次にTOMIXやKATOのプラ製モデルのバラ売り車内パーツを見つけては改造のうえ、取付け。しかし、これも数が揃わないので躊躇していると、途中でPLUM社からクロスシート内装セットが発売されたので、このセットやロングシート素材などを手直し塗装して内装を本格的に作りこむようになりました。3.人形は当初KATOやプライザーの製品を使っていましたが高価なので、色々試行錯誤の結果、アマゾンでEVAMODELの50体1500円前後の製品を見つけて現在はこれを使っています。LED照明下でも精緻度は問題にならないレベルでお買い得と思います。4.近郊型電車のつり革はすずめ模型の3Dプリンター出力製品を使っています。安価なペーパー製も販売されていますが、レーザーカットの切り離しが非常に面倒なので、止めました。5.M車の縦型モーター使用車両の場合、モーター部分とウェイト搭載部分はTOMIXのシェードパーツを窓ガラス部分に貼付して隠したり、ウェイト搭載部分では座席と人形を片側1列ずつだけにしてウェイトが見えないようにしています。シェードは半開き状態など、部分的に付けると不自然に見えません。6.室内照明はエンドウのLEDパネル長さ188mmの#2626を統一的に使っています。照度も申し分なく明るすぎるくらいなので、色調の調整を兼ねて白やベージュのペーパーをLEDの上に重ねて貼っています。LED照明パネルはヤフオク等でも色々販売されていますが、信頼性や品質の均一性、販売の継続性などを考えて統一しておいたほうが、車両の増結や編成の入れ替えを考えると無難に思います。以上の関連写真を参考にご覧下さい。KTMの特急用シートセットです。後発のインテリア仕様にグレードアップするには最適のパーツですが、ヤフオクでも入手が困難で手持車両分全部が揃わない難点があります。ただ、樹脂シートはアルミ基板に突起をはめ込んであるだけなので、削ってゴム系接着剤で窓位置に合わせて貼りなおして調整すれば広く流用が可能です。エンドウの特急用シートで、これはエンドウのモデルショップで現在も販売されているので、高価ですが揃うので有難いです。メーカー純正パーツを使えると、将来処分する場合も売りやすいというメリットはあります。TOMIXのプラ特急用床板パーツでヤフオクで入手しました。比較的入手しやすいので加工素材としては有難いです。着色するとかなりリアル感が高まります。シートを全て外して、窓感覚に合わせてニッパーなどで切断して流用します。シートを貼付するベース板は金属やプラにこだわる必要はなく、モーターやリレー、ウェイト、床板取付ビス部分の切り欠き加工を考えると、厚手のペーパーのほうが楽です。人形は1編成7-8両として100-300体ほど使うので、色々なメーカー品を試行錯誤のうえ、コスパを考えてEVEMODELの1/87を使っています。アマゾンで気軽に調達できるのが有難いです。クロスシートはPLUMからセットが販売されているので、これを使っていますが、本文に記載の通り、湘南電車など近郊通勤車両ではロングシートが不足するので、別に市販素材を使う必要があります。縦型モーターだけでなく、片軸・両軸MPモーター仕様の場合も動力車のインテリアは現物合わせのシートベース板の切り欠き加工やシートの成形が必要になります。窓の大きい近郊型車両は室内照明を付けただけでは水族館の水槽。手すりやつり革、人形を付けるとかなりリアル感があります。写真の山手線 E231-500系 7両編成では約300体の人形を乗せました。M車では縦型モーターが見える部分にサンシェードを取り付けました。室内照明とインテリアを取付後の車体の裏側です。編成の中に縦型モーターM車が2両入ると通常明るめのLED照明でも照度が落ちます。それでも明るい場合は色紙を貼ると光色の調整にもなります。HOの場合、伽藍洞では回送列車にもなりません(笑)。室内照明を付けると最低、インテリアは装着したいところです。列車の種類や雰囲気によって、さらに床、シートの塗分けやN小屋のシート貼付、人形の配置と色々使い分けて楽しんでいます。KTMやエンドウの最新高級モデル列車はさすがに手放す時のことを考えて、一切手を加えていません。
2024.02.12
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現在のレイアウトは今後のことを考えて、木枠で上げた固定式にはせず、お座敷レイアウトにして作りたいシーナリーやストラクチャーはモジュールで製作しています。また、トラブルをできるだけ回避して長編成列車でリアル感を出したいので、スロープや立体交差、ターンテーブルは設けていません。HOとNゲージはスケールの違いを感じさせないよう、視点を変えた左右に分散させ、両方とも本線のループにダブルリバースを入れて走行車両を左右前後から見れるようにして少しでも飽きが来ないよう、工夫しました。また、車両の出し入れの手間を最小限にするため、待避線を多く確保し、車両保管も7-8両を収容できるIMONやYAMAの特製ケースを利用しています。手許の車両です。今後も適宜更新していきますので、よろしくお願いいたします。
2024.02.09
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今を去ること60余年、小学生2年の頃に亡き兄に感化されてOゲージを走らせるようになったのが鉄道模型の始まりですが、途中プラモデルにも熱中しだし、小学生5-6年にはHOゲージで4畳ほどの山麓レイアウトを製作しました。冬の締めきった屋内でラッカーの吹付塗装をしていて、急性シンナー中毒になり、2か月入院する羽目にもなりました。親から鉄道模型を禁止され、エレキバンドやバイク、クルマに関心が移ったたこともあり、長い中断期間がありましたが、今から15年ほど前に兄が胃がんで亡くなり遺品整理をしたところ、組みかけたNゲージのレイアウトを見つけ、自分も懐かしの山麓レイアウトをNゲージで再現しようと再開しました。何でも凝る方なので、2年余りでレイアウトを完成させ、Nゲージマガジンのレイアウトコンテストに応募したところ、予想外で入選できました。詳しくは同誌の49号に掲載されていますが、その写真を添付します。現在は高齢で眼が悪くなったため、本稿の末尾や別稿の「現在のHO・Nゲージ複合レイアウト」でご紹介しているように、扱いやすいHOゲージに徐々に比重を移し、結局6畳ほどのお座敷レイアウトにシーナリーモジュールを加えて、HOとNの両方を収容しています。車両もNゲージが450両、HOゲージが250両の計700両になり、それでもNゲージはかなりヤフオクで処分したのですが、将来の処分が悩ましい状態になっています。鉄道模型に関しては、HO中心にありますが、レイアウト、ストラクチャーから蒸機、寝台特急、客車、ツール・サプライなどに至るまで16テーマ(4/5現在)を投稿していますので、お手すきの時にご笑覧ください。ここではNゲージレイアウトを中心にご紹介します。途中でパワーパックを交換、サウンドシステムも導入しました。現在のレイアウトも頭出しでご紹介しておきます。詳しくは別稿をご覧ください。HOとNゲージを一緒に盛り込んでおり、両方ともダブルリバースを入れて、走行車両を前後左右から見れて飽きが来ないようにしています。NゲージレイアウトがHOの本線とリバース線の中にすっぽり入っています。
2024.02.09
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