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ミーナの行進 2006年の谷崎潤一郎賞受賞作です。これもよかった! 舞台は1972年、芦屋の豪邸です。家の都合で一年間過ごすことになった朋子(中一)が従妹のミーナとその家族との思い出を語ります。 豪邸というとやたらに高そうなインテリアで埋め尽くされた嫌味なイメージを持つ私は貧民だからでしょうが、いやはや、小川さんの手にかかるとどうしてこうも格調高く上品で幸せな気分でいっぱいになってしまうのでしょう。 病弱なミーナはコビトカバのポチ子に乗って通学しています。コビトカバなんてどうやったら発想できるのかしらん。ハーフの伯父様はあくまで美しく品があって、でもちょっとわけありらしいのですが、そういう俗的なものにはストレートにメスは入れず、かといってそういう世界とは無縁の童話的世界に逃げ込むでもなく、読者を納得させながらいっしょに芦屋の豪邸での生活を満喫した気分に浸らせてくれるのです。 ミーナが集めているマッチ箱のお話も素敵です。これだけ独立して絵本としても売れると思います。あ、また俗的になってしまいました。いけないいけない。
2009年03月29日
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バスジャック 新聞で紹介されていた三崎亜紀氏の文庫本を買ってみました。本命は『廃墟建築士』なんですけどね。まだ当分予約が回ってこないみたいなので。 もう、あれです。「世にも奇妙な物語」です。きっとスタッフが一番喜んでいるんじゃないでしょうか。 ちょっと現実から外れた世界のお話。だからライトです。短編が多いのですが、中には意味不明なままのものもありました。 若い人向き、かな。とりあえず他のも読んでみてからですね。
2009年03月26日
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ありふれた奇跡 / 仲間由紀恵/加瀬亮 もう終わっちゃったんですねえ。だいたい毎回眠くても見てました。 やっぱり山田太一さんのおそらく最後のテレビドラマを見逃したとあってはならないと思うわけです。第一回を見たときは、山田氏が生きていてくれてよかった、と思いました。 死のうと思ったことがある人たちのお話です。心優しいばかりに折れてしまった人たちへの応援歌です。加瀬亮クンが、いいんです。じれったいんだけど、いいんです。 でもね、視聴率は10パーセントを切った回もあったようです。中盤だれました。なぜかというと、仲間由紀恵扮する女性に共感しにくかったとこでしょう。あんまり仲間さんを好きでないからかなあ。他の女優さん、たとえば星野真理さんとかがやったらもっと温かく見ていられたかもしれません。あの人、そんなに綺麗でしょうか?演技も上手でしょうか?松嶋奈々子もそうですが、NHK大河ドラマで当たった人にどうにも違和感があるんですねえ。 まあ、それはいいとして、最終回のじいちゃんの話はずんときましたね。「ほんとうのどん底はこんなもんじゃない」。重いです。 11回の放映というのは予定をカットされたのでしょうか。どんどんはしょってしまった感がありました。いろいろと途中を飛ばして終わってしまいました。悲しいなあ、もう二度と民法の連ドラはやらないと思っただろうなあ。数字なんか無視して、思いっきりやらせてあげられなかったのかなあ。それくらい、敬意を払ってもいい人でしょうに。なんだか山田さんに謝りたい気がしてしまいました。
2009年03月22日
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とんび 気にはなっていたんですよね、とんびとしては。おそらく鷹を生んだ父親が悩む話だろうと思っていました。でも、それほどの鷹ではない。どちらかというと平凡な生活です。 とんびこと、ヤスさんは実直な働き者です。若い頃は暴れん坊でしたが、優しい奥さんといっしょになって待望の男の子も産まれて、幸せをかみ締めます。ところが息子が3歳の頃、職場で荷物の下敷きになって奥さんは亡くなってしまいます。息子をかばってのことでした。 それからその秘密を隠したまま息子は成長していき、東京の大学に進み、やがて結婚します。息子のいない生活に未練たらたらのヤスさんの挙動は無骨でちょっと大袈裟かなと思えるくらいです。 そこでやっと気がつきました。重松は「親」のあり方をお手本として描きたかったのではないか、と。 子どもに淋しい思いをさせてはならない。子どもがいるだけでありがたい。子どもが悩んでいる時はその悲しみを吸い込む海であれ。たとえ血が繋がっていなくても家族は家族である。 今日、さまざまな子どもの問題が起きるたびに、親としてどうあるべきかを語ることが少なくなってきていることが浮き彫りになります。対処法は載っていても、どういう心構えでいるべきなのか、さまざまな教育問題に正面から向き合ってきた重松だからこそ、そのお手本を示したかったのでしょう。 ヤスさんは「無法松の一生」の松五郎に似ています。腕っ節が強くていつでも子どもの味方で、涙もろく情に厚い。こんな人がそばにいてくれたらどれだけ心強いでしょう。 父子家庭を支える多くの人たちも忘れてはいけません。子どもがいない夫婦にもできることはある。ちょっと周りを見てみたら世界は変わるのだということを教えられた気がします。 まあ、だからできすぎの話は好かないという人にはつまらないかもしれません。何しろこれは「親の教科書」ですから。
2009年03月22日
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猫を抱いて象と泳ぐ 日々量産される小説の中で、文学として生き残れる作品はどのくらいあるでしょう。 小川さんのこの作品は、まちがいなく文学作品です。ああ、同じ文字を使ってここまで「世界」を構築できる才能はどこから溢れてくるのでしょう。 冒頭から音楽が流れるのです。欧州のどこか、おそらくフランスの田舎町。たった数行で読者をその異国に連れて行きます。 つつましい生活の中でデパートの屋上にある今は亡き象インディラへ思いを馳せる少年。大きくなりすぎたために一生屋上で過ごさねばならなかった象と、壁の間に挟まったままミイラになった少女(ミイラ)だけが少年の友だちでした。 そしてチェスとの出会い。チェスを教えてくれたのは廃棄バスに住んでお菓子をこよなく愛するマスターでした。甘い香りが漂う中で、マスターはチェスがいかに紳士的で奥が深くて美しいものかを語ります。 文章に浸るここちよさ。どんな世界でも極めることは美に繋がるということ。真の幸福とは何か。いろんなことが押し付けでなく、淡々と語られます。 小学校の高学年ぐらいなら読めます。まだ純真な心を失っていない若い人たちにたくさん読んでほしい作品です。もちろん、年をとった人ならその分人生について語れることでしょう。 小川さんは自分より年下だったんですね。もっと上だと思っていました。 自分が翻訳ものを苦手とするのは持って回った言い回しとか気取った言い草が鼻につくからですが、小川さんの文章はなんと美しく異国を表現してくれるのでしょう。もし小川さんが訳してくれたらもっと多くの海外作品にも目を通していただろうなと、読みながらそんなことを思い続けました。 ブランチのマッチョイでも言ってましたけど、これはすでに今年のベスト1でしょう。そして、ずっと文学史上に残る名作です。
2009年03月19日
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木曜あたりから微熱でぞくぞくした。 それで金曜は半休をとって、寝ていた。 土曜はだいぶよくなったので息子とか親戚へみかんを送る手配をした。 日曜は美容院に行こうと思っていたのだが、第3日曜で休みだった。それでだらだら寝ていた。 なんだかまだ鼻がずるずるする。もしかしたら花粉症かもしれない。 病は気から、の見本みたいだな。 いつから春は待ち遠しい季節から疎ましい季節になってしまったのだろう。 おのれ、住友林業め、と言ったら、だんなが国策が悪いんだから住友だけを責めても仕方がない、という。 今にナウシカみたいにみんながマスクをしていないと生きていけなくなるのかな。 花粉がまかれる前に花をばっさばっさと切り倒せないものかと思う。誰かプロジェクト組んでほしい。
2009年03月15日
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考えてみれば、角田さんの作品をひとつも手元にもってないことに気がつきました。これはいい!と「ブランチ」でも言っていたし、予約は3桁を超えているので思い切って新刊を買いました。 帯に「気持ちのいい明るい話ではありません。でも、どうしても書きたかった」とあります。そういう角田さんの思いがひしひしと伝わります。 やはりあれですね、お受験殺人事件ってのがありましたが、あれがモチーフなんでしょう。 5人の東京に住む母親が登場します。彼女たちの関係が次第にぎくしゃくしてくるさまを丹念に描いているのです。とくに同じ幼稚園に息子を通わせている3人が小学校受験を意識し始めてから関係は悪化していくのです。 まず東京に住むのってこんなにたいへんなんだというのが感想です。できたら子育てしたくないところと思ってしまいます。地方でもお受験はありますが、これほど生活のシェアを占めていません。 高級住宅街っていっても便利な店は近くにないとか、ちょっと預かってもらえる知り合いがいないとか、ああ、自分らが住んでいるところはなんて便利で快適なんだろうと思いましたよ。 東京といっても、いろいろでしょうけど、つまり「地域」がないところなんですね。そういう場所で専業主婦をやっている女性の閉塞感が子どもへと向けられていくのですね。 5人の中に、ああいるな、こんな人、と思える人が出てきます。べとっとはりつくように依存してくる人。つるまないと生きていけない人。学生のときだっていたっけなあと思い出しました。そういう人とは距離をとってつきあうべきですね。 男の人が読むと、なんでこんなに思い込む必要があるんだろうと思うでしょう。でも自分も子育て、とくに保育園に入れるまではあれこれ悩みました。なにしろ子どもには無限の可能性があるわけですから、親の責任で可能性を潰したとあってはならないのですから。 息子が3歳まで地域で赤ちゃん体操のサークルに入っていました。そこでは受験の話もしたような記憶があります。双子なので大学付属にしようかとか言ったような。。。。今では笑える話です。 幸い通った保育園がとてもよく、子どもたちはのびのび育ちました。公立の小学校も元気いっぱい過ごせました。陰湿だったり陰険だったりというものから遠いところで育ったと思います。ああ、これ以上親ばかの話してもつまらないですね。 終わりの方に、ただひとつ「彼女」の描写が続く章があります。いったいこれは誰のことなのか。それが読者の興味をそそりますね。おそらく誰にでも起こり得るということを描きたかったのでしょう。誰にでもそういう気分になることはあるんです。それを世の男性方、分かってあげてくださいね。
2009年03月14日
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道尾氏が2004年の第5回ホラーサスペンス大賞特別賞をとった作品。ホラーです。こわいです。夜中に読んでいるとトイレに行けなくなってしまいます。 横溝正史の金田一シリーズみたいなおどろおどろしたものが流れています。映画化してもおかしくない。 冒頭から ・・・レエ、オグロアラダ、ロゴ・・・・ ですもんね。もう耳から離れないです。 でも、まあ、こういう心霊現象が肯定されてしまうという内容にはあまり評価はしないのです。できたら「背の眼」も学術的になんとかしてほしかった。 天狗伝説についての知識がありすぎて、犯人がそこまで知ってるかよと突っ込みたくなる部分もありました。応募作は多分もっと冗長だったみたいで、審査員も「ここまで長くする必要があったか」というコメントを書いていましたね。 あの「白い女」も、それかよ!です。もっとあってほしかったなあ。 まあ、いろいろ文句を書きましたが、面白いことは面白いです。ホラー好きな方にはお勧めです。
2009年03月14日
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ちょっと前のあったかい日だったと思いますが、知り合いの男の子がこんなのを見つけてきました。 どうです、ただの枯れ葉に見えるでしょう。 角度を変えて見てみます。 調べてみると、「アケビコノハ」という蛾でした。 前から見るとこんな感じ。 とても蛾には見えません。よろいをつけているみたいです。 羽を広げると、どぎつい模様が。。。。飛び立とうとしています。 ここで男の子からストップがかかったので撮影終了。 そういえば前にもこんなのいたなあと以前のブログを見てみたら、やはり同じものでした。このときは「カレハガ」だと思っていましたが、これは間違いなく「アケビコノハ」です。 こいつは幼虫のときもおぞましい目玉みたいな模様をして威嚇するみたいです。 男の子はうれしそうにもって帰ってました。少年の心、失いたくないですねえ。
2009年03月08日
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読んだのはもうずいぶん前なんです。例によって課題なのですが、自分で選んでおきながらデータの多さに辟易してしまいました。これだけじゃ書けない。 予想はしていたとはいえ、貧困層は明らかに増大しているのですね。給食費を払わない家庭の話ばかり報道されますが、現に払えない家庭がたくさんいるということをもっと知らせなくてはならないですね。 貧困家庭に育つと学歴も低くなってしまうのは、本人の努力が足りないからだといっている場合ではないということが本書を読むとはっきりと分かってきます。 ちょっと前ですが、東大入学者の大都市の裕福層の割合がかなり高いという話を聞きました。以前なら広く地方に渡っていろんな階級の人の子どもが頭さえよければ入れたでしょう。でも、今は高価な塾に通わせ、有名私学などに通わせられるだけの財力がものをいうらしいです。 それと真逆なことが底辺で起こっているのですね。 さて、日本のこの現状を語るにはこの本を読むといいとだんなが勧めるので、『貧困大陸アメリカ』を読んでいます。同じく岩波新書です。 こっちはジャーナリストが書いた文章で、とても読みやすいし、分かりやすいです。 アメリカの給食がジャンクフードで高カロリーというのは驚きでした。肥満=貧困という図式がアメリカでは常識みたいです。ああ、日本もすぐこうなるんだという予感がいっぱいです。 あとはこれをまとめないといけないのですがねえ。 そのほか、あびるとしこさんの『スタートライン』も読みました。児童書です。こっちのほうがよかったな。でも、まあ児童書です、はい。
2009年03月06日
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昼、仕事中に凹りんから電話があった。私はふだん職場では携帯を持ち歩くことはほとんどないのだが、まったく偶然今日だけそばに置いてあったのだった。で、インターンシップ(職場体験)のための親の承諾書が明日までに必要だと。 今日はぺぺりんの住所変更のため少しだけ早く勤務を終え、市役所に行った。そこで「もう電車に乗った」というメールを確認。市役所ではさんざん待たされた。窓口が3つもあるのにちっとも順番が回ってこない。おしゃべりしてないでとっとと仕事しろよと言いたくなった。 ついでに学費の支払いも済ませようとしたが、今は現金で10万円しか振り込めないんだって!半年前にはできたのに。 どうやって支払ったらいいのかと本部に問い合わせると、口座から振り込めとのこと。それで凹りんを駅まで迎えに行って、地元の銀行に行く。そしたら「限度額を超えているので支払えません」と出た。なんと! 窓口で払える時間帯にいけるひとばかりではないのだぞ。これもオレオレ詐欺のせいだ。いや、もしかしたら手数料ほしさに銀行が後ろで糸引いてるんじゃないのかと思ってしまった。 いつもは日中仕事場から出ないので世間とずれてきているのかもしれない。ほんとにこんなんじゃお年寄りはたいへんだろうなあ。もう銀行に預けるのやめようかと思ったぞ。 さて凹りんは、ただ一枚のサインのためにわざわざ戻って今日中に帰るという。それならぺぺりんが送ってくれと言っていた背広を持って帰ろと命令する。 腹減ったというので、久しぶりに夕飯を作った。ちょうど鶏肉を昨日買ったのだった。ご飯も朝炊いたのがあった。味噌汁もあったし、たらこもあった。ニンジンも煮て野菜ソテーもつけて。奴はぺろりと平らげて、こんなことを言う。 やっぱりね、ぼくらのガタイがいいのってこういう食生活があったからこそだよね。 で、帰りの汽車賃も渡し、ばーちゃんからもお小遣いをたんまりもらって奴は帰っていったのだった。新幹線の駅まで送って戻ったら9時半。ああ、持ち帰り仕事がいっぱいあるんですけど、もう何もしたくないよお。
2009年03月02日
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ラットマン また道尾氏のを借りてみました。 「ラットマン」っていうのは、動物の中にあるとうさぎ、人の顔の中にあると人に見える絵のことで、いわゆる先入観のことみたいです。 冒頭のエレベーターのホラーとか章ごとの詞がもっと深い意味があるのかと思いましたが、あまり関係なさそうでした(ほんとはあったりして)。 読者の予想を裏切るという道尾氏の手法に慣れた私としては、またやってるな、と冷めた目で読みました。ちょっと飽きたかなぁ。前半のバンドのシーンがずいぶん丁寧ですが、後半にはあまり関係していません。もうちょっとですね。
2009年03月01日
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