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今月の新譜、ラン・ラン(パンダではありません)のラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番を聴いた。伴奏はゲルギエフ指揮、マリインスキー歌劇場管弦楽団。 いやぁホントにこの人はうまい。というかよく指が動くよな、と感心してしまう。中国の英才教育を受けた人で、NHK特集か何かで知ってからこのラン・ランには注目しているのだが、とにかく演奏のスピードが恐ろしく速いのだ。しかもそれを時にはにこやかに笑いながらやってのける。グラモフォンに同じラフマニノフの3番があるが、これも楽々と弾きこなしている印象だった。 そういう圧倒的な力量を誇る人がラフマニノフを弾くとさぞかし素晴らしい演奏が生まれるか、というと、必ずしもそうはならないのがクラシックの面白い(?)ところ。(私は)この演奏はテクニック的には文句のつけようがないが、ラフマニノフにしてはちょっと明るすぎるかな、と感じた。 ラフマニノフのピアノ協奏曲の魅力は、明るく華麗極まりない旋律と、ほの暗いロシアの冬を感じさせる憂愁が絶妙にブレンドされている点にあると思う。 昨年大好評だったツイマーマンの同じく2番は、敢えていうならば非常にクールな演奏だった。(だから私は物足りなく感じた)それに対してこのラン・ラン盤は逆に、あまりにも明るくあっけらかんとしていて「ラン・ランの音楽」になりすぎているというふうに感じた。まぁそれはそれで十分楽しめる演奏になっているのだが・・・ それにしてもこのジャケット・・・ティーレマンのブルックナーといい、クラシック初心者開拓への涙ぐましい努力を感じさせる・・・
2005年03月30日

ブルックナー5番の新譜を久しぶりに購入した。クリスチャン・ティーレマンがミュンヘン・フィルの音楽監督に就任した昨年10月のライブ録音。ティーレマン初のブルックナーだ。 ティーレマンはまだ46歳。カラヤンやバーンスタインが相次いで亡くなり、DG(ドイツ・グラモフォン)が満を持して「スター指揮者」として送り出そうとした人だった。97年に発売されたデビュー盤はベートーヴェンの5番/7番という「王道」カップリング。デビューでこの曲を録音するあたり、レーベルの期待度も分かろうというものだ。 しかし結論からいってしまうと、ティーレマンは(日本では)まだスター指揮者という位置づけには至っていない。私は好きな方だが、彼の指揮がかなり大時代がかった、ちょっと古臭いと評価されることが多いからかも知れない。同じ年齢層になるラトルとは確かに違う。ラトルが信念を持つ革新者ならば、ティーレマンは頑固な復古主義者。その音楽作りは重厚、おおげさにポルタメントを多用したっぷりとしたハーモニーを響かせる。 そういう芸風の人だから、早くブルックナーを録音すれば良いのに、と個人的には昔から思っていたら、ようやく発売された。しかもなんと5番。それもミュンヘン・フィル。 ミュンヘン・フィルといえばチェリビダッケがものすごいブルックナー録音を残しているから、ブルックナー演奏にはうってつけの楽団なのだ。 5番は初心者向きではないが、ブルックナー好きの間では、第九を超えて彼の最高傑作と崇められる曲だ。雄大・豪壮、峻厳な岩山を一歩一歩登るがごとき音楽。これを最初の録音に持ってくるとは、ティーレマンの自信が伺える。 演奏は予想通り、悠揚迫らぬテンポ、深い呼吸のハーモニーをたっぷり聴かせるものとなっている。一枚のCDに82分の演奏が収められており、録音も優秀。ケンぺやマタチッチよりも遅い演奏だが、聴いていて過度な遅さには感じない。変に重さだけが残る演奏ではなく、この曲の重厚さと美しさをきちんと表現できた演奏だと感じた。 それにしても最近のDGのパッケージ、若年層を意識したものと思うが、とてもクラシックのCDに見えない。まぁ努力は買うけどちょっとやりすぎでは・・・? このジャケットと比べるとかなりのセンスですよね~【音楽CD】《ワーグナー:管弦楽曲集》これはポップスのジャケットか?※輸入盤 DG 00289 477 5377
2005年03月27日
今週は送別会やら年度納会やらが連日続き、更新が滞ってしまった。この時期は仕方ないのかな。結構書きたい新譜もあるのだけれど、また明日にでも。 ちなみにちょっとだけ書くと、ラン・ランとゲルギエフのラフマニノフP協2番。ラン・ランの超絶技巧は楽しいが、これってイマイチラフマニノフに聞えないのは何故かしらん? ティーレマンとミュンヘン・フィル初の共演CD、ブルックナーの5番。懐古主義者?ティーレマンの面目躍如、ゆったりと、まるで音を刻むがごとく音楽を作っていく。通常5番は2枚組だが、これは一枚のCDに82分収録。そういう意味ではお得?かも。 ロイド・ジョーンズによるエルガーのピアノ協奏曲(!)もちろん生前に未完成だったものに手を加えて演奏できる形にした作品。う~ん、エルガーファンとしては彼の知られざる作品を聴けることは嬉しいが、何年もかけたのに完成できなかった作品だけあって、出来はちょっとまとまりにかける。 このあたりについて明日はゆっくり書いてみたい。
2005年03月26日

せっかくの三連休なのに花粉症のせいなのかちょっとだるく、今ひとつな休みでした。先週観た映画「ローレライ」について感想を記しておきます。 いわずと知れた大ヒット小説「終戦のローレライ」の映画化。戦争を体験していない世代だけで制作した新感覚の戦争映画だ。(まだ観ていない方には申し訳ないが多少ネタバレあります) 終戦間際の広島に原爆を投下された日本。海軍は帝都東京への原爆投下を察知、これを防ぐために、ドイツから供与された巨大潜水艦「伊ー507」をサイパン・テニアンに急行させる。この伊ー507には戦局を一変させる秘密兵器、「ローレライ」が搭載されていた。果たして「ローレライ」とは何か?東京への原爆投下は防げるのか? あらすじは大体以上の通り。「隠された戦史」という設定で、架空の潜水艦の活躍が描かれる。 一言で言うと「SF戦記映画」で、楽しめるエンターテイメントになっている。やはり艦長役の役所広司の演技が素晴らしい。彼がいるだけで画面が引き締まって見えるからすごい。 私は原作も紹介記事も読まずに観て、映像への尋常ならざるこだわりを感じたが、それもそのはず。監督の樋口真嗣は「平成ガメラシリーズ」の斬新な映像でファンを魅了した人だし、画コンテには「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明、劇中B29のマークデザインに「攻殻機動隊」の押井守までが参加している。これはもはや「オタク大集合映画」なのだ! そういうワケで、映像へのこだわりは半端ではない。VFXを多用した戦闘シーンはよく出来ているし、潜水艦内の兵の動きは海上自衛隊の監修を受けているだけあって、多くの日本映画にありがちな軟弱さを排することに成功している。また、アメリカ軍側をアメリカ人に任せて撮影しているので、敵側の動きもきびきびしている。 簡単に言ってしまうと、立派になったオタク達が作った「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク、と云った感じか。滅亡の危機に瀕した地球を救うため、たった一艦でイスカンダルに向かうヤマトと基本設定は全く同じ。秘密兵器「ローレライ」を作動させるのは実はいたいけな少女、というのも松本零士の好きそうな設定。いやはや、松本氏の「戦場漫画シリーズ」を彷彿とさせる設定なのだ。これはもはや完全なSF映画である。 あえて気になった点を記すならば、この映画には戦中・戦後派の監督達が制作してきた歴代の戦争映画のように、「あの戦争は何故起きたのか」や「戦争で散っていった人達への鎮魂」、「戦争への疑問」はほんの僅かしか出てこない。「天皇陛下のために」「悠久の大義のために」といった決まり文句も皆無である。登場人物達は「愛する者のために」「家族のために」散っていくのだ。登場人物達は皆優しい、いい男達なのだ。 日本の戦争映画で、ここまで「あの戦争の意味」について素通りしている作品もかなり珍しいのではないか。戦争映画にはそういう部分がないといけない、と感じる方にはちょっと耐え難い映画だろう、と感じた。 私個人は、この「ローレライ」は「戦争映画」というよりも純粋な「SFエンターテイメント作品」として十分楽しめた。痛快なアクション映画ではあるが、決して戦争を賛美するものではなかったのは云うまでもない。 それにしてもこの話題、いつも来て下さるクラシックファンの方々にはチンプンカンプンかもしれないなあ・・・・原作といっても多少中身は違うようです終戦のローレライ(上)( 著者: 福井晴敏 | 出版社: 講談社 )終戦のローレライ(下)( 著者: 福井晴敏 | 出版社: 講談社 )
2005年03月21日

世界的に有名なマーラー指揮者、ガリー・ベルティーニが17日、テルアビブで亡くなった。77歳だった。98年から東京交響楽団の音楽監督に就き、ミューザ川崎のこけら落としでも「千人の交響曲」を演奏した人だった。 我が国におけるベルティーニの名は、90年~91年にかけてケルン放送交響楽団と行ったマーラーチクルスで一気にブレイクした。その頃丁度日本でのマーラー・ブームが頂点を迎えつつあり、シノーポリ・インバル・ベルティーニは、ちょっと別格のバーンスタインを加えてマーラー演奏の「四天王」的な役割を担っていた。 いささか乱暴だが、私が感じている四人のマーラー演奏の特徴を書き出してみる。・狂おしいまでの「情念の人」、バーンスタイン・精緻で虚飾を廃し、振幅がダイナミックな「分析の人」、インバル・圧倒される細部へのこだわりと爆発力、「赤裸々な人」、シノーポリ そしてマーラー特有の神経質な旋律の動きを全て把握しながら、それでいてどこか暖かい人間味を感じさせる「知の人」がベルティーニだったと思う。ロシア生まれのユダヤ人。それ故にマーラーには特別の思い入れがあったのだろう。 不滅の記録であるマーラー全集は東芝EMIから発売されている。特に第九は91年の来日時、サントリーホールでの録音。私は幸運にもその場に居合わせることが出来た。磨き抜かれた隙のない演奏の中に、洗練されて暖かい人間味を感じさせる、彼特有のマーラーだった記憶している。 また一人、マーラー指揮者が逝ってしまった・・・合掌。※よろしければ私のマーラー全集もご覧下さい。楽天には氏のディスクはありませんので、私の全集から・・・マーラー:交響曲第3番G.ベルティーニ指揮:ケルン放送交響楽団 (85年録音)東芝 TOCE-6315-16圧倒的なスケール感!マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」G.ベルティーニ指揮:ケルン放送交響楽団(91年録音)TOSHIBA 07777 5484625
2005年03月19日
本日がインバル/ベルリン交響楽団日本公演最終日。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とマーラーの5番を聴いた。メンデルスゾーンを弾いた川久保賜紀さんの音はきりりとしてよく通っていた。ただ、私の関心はマーラーにあったので、あまり真剣に聴いておらず・・・すみません。 そしてマーラーの5番。第九と同様、素晴らしい演奏だった。 マーラーの音楽は実は非常に細かい、計算されたフレーズの集合体なのだ、ということを存分に分からせてくれる演奏だった。 以前チョン・ミュンフンやコバケンの演奏で感じた不満・・・音の強弱やフレーズの緩急の付け方の曖昧さが微塵もないのだ!全ての音が、研究しつくされた、自信に溢れた指揮によってあるべき強さとスピードにコントロールされている。その細かい理にかなった旋律の積み上げが、結果として理想的な音楽の流れを形成し、これぞマーラーという音響世界を作り上げるのだ。 病的とも言える細かいこだわりが最も効果を上げるのが第二楽章と第三楽章。とにかく舌を巻くテンポ設定の良さだ。一つだけ注文があるとすれば、第四楽章アダージェット。清廉ともいえる早いテンポ、僅か9分くらいで終わってしまった。私はカラヤン盤を押すくらいだから耽美的で遅い方が好きなので、この楽章だけはちょっと残念だったが、今夜の音楽の全体設計からすればそれも納得できる。 そして終楽章が奔流のように駆け抜けた直後、「ブラヴォー」の嵐。最近こんなにブラヴォーが続いた演奏会は珍しい。拍手は10分ほど続き、その間ブラヴォーも鳴りやまなかった。それだけ聴衆の感動も深かったと云うことだろう。今夜も素晴らしい演奏に心から感謝したい。 そして今夜、遂に5万アクセスに到達しました!踏んでくださったちゃれさんをはじめ常連の方々はもとより、ゲストの皆さん、本当に有り難うございます!このようなページに足を運んでくださり毎日本当に感謝しております。ただ、1万ごとに書かせて頂いていたアクセスへの御礼はこの次は10万アクセス到達時にさせて頂きたいと思います。そろそろアクセス数への反応も押さえていきたいと思いますので。ちゃれさん、イタ飯でよろしいですか~?
2005年03月15日

16日にTVで「街の灯」の放送があるようだ。実はおさるは(最近こちらを訪れるようになって頂いた方は、こちらをご覧下さい)この映画に大きな思い出がある。 おさるがこの映画を初めて見たのはイタリアの小学校だったと思う。年に数回、学年全体が講堂に集められて映画鑑賞会があった。小学生にも分かりやすい映画なのだが、その感動はずっと胸にあった。 話はおさるの高校時代に飛ぶ。(この時は千葉県の県立高校でした)おさるは学園祭の実行委員長をやっていた。最終日、全校生徒を集めて映画鑑賞会をやろう、ということになり、どの作品をかけるかでもめにもめた。おさるの学校はかなり程度の悪い方だったので、全校生徒が講堂に集まろうモノなら私語が乱れ飛んで、校長訓話なんて誰も聴かないのだ。こんな中で映画などやっても、興味が湧かない連中は何をし出すか分かったものではない。 学生へのアンケートでの一位は当時はやっていたブルース・リーの「燃えよドラゴン」。学校側からは「暴力的」として当然NGが出た。じゃあ一体何を上演すればいいんだ!? その時おさるの頭に閃いたのが「街の灯」だった。サイレントだから(音楽は入っているが)字幕は追わなくてもいい。というか、字幕は無くても、小学生が見ても分かる話なのだ。さらにギャグが至る所に散りばめられていて、隣のヤツが話をしていても邪魔されずに楽しめる。そして最後にほろりとさせる、人間愛の映画なのだ。そして、「名作」の折り紙付きだから学校側を説得しやすかった。 けれども、おさるにもちょっと心配はあった。私語とケンカが好きな荒くれどもが、モノクロサイレント映画にどう反応するだろうか?古臭いと云って席を立って出て行ってしまうのではないか? 緊張のうちに学園祭がやってきて、上映が始まった。いつもの通りざわついている場内。最後まで持つのか?10分、20分、30分・・・誰も席をたたない。というよりも、場内は次第に静まっていき、爆笑の波が生まれている。 そして最後ー信じられない事が起こった。チャップリンが(元)盲目の少女から「私を助けてくださったのはあなただったのですね」と云われ、何とも云えない笑顔で映画の幕が下りた瞬間、場内は割れんばかりの拍手に包まれた。なんとあの行儀の悪い連中がみんな、立ち上がって拍手をしているではないか・・・中には泣いているヤツもいるではないか。 この瞬間、おさるは超一流の作品が持つ凄さを実感した。国籍も年代も関係ない。素晴らしいものはあらゆる人々の胸を打つことが出来るのだ・・・と。もしまだご覧になっていない方がいたら、是非一度見て欲しい、珠玉の名画である。本当に素晴らしい、名画の中の名画です!街の灯 コレクターズ・エディション
2005年03月13日

ようやく購入しました、ダ・ヴィンチ「のだめ」大特集号!いやあ、結構力入ってますなあ。単行本11巻累計で400万部突破という実績をひっさげているから当然と言えば当然なのでしょうね。 各界の「のだめフリーク」インタビューとか(なんとその中にホリエモンも混じっている!)はまぁありがちですが、今回面白かったのは二ノ宮先生と「リアルのだめ」へのインタビュー。単行本とかで「リアルのだめ」が実在するのは知ってましたが、今回はその彼女の音大生時代の部屋の写真が載っておりまして、これがびっくり仰天メチャ汚くて漫画そのまま。床には酒瓶が転がっている有様・・・二ノ宮さんはこの写真にインスピレーションを受けて作品化を思い立ったとか。いやほんと、何がきっかけになるか分かりませんね。 今回の特集では漫画の舞台になっている音大の学生達や音楽関係者にもインタビューをしております。その支持率はかなり高いようですが、その理由は描写のリアルさにある、という意見が多数を占めているのです。 「他の音楽漫画は皆あまりにも現実離れしているのでしらけるが、のだめは楽器の弾き方やコンクールの過程なども描写が綿密」という意見が多く、そこに更に絶妙のタイミングで秀逸なギャグがかませてある、というところが大人気をささえているのでしょうね。 で、多くの音楽関係者が千秋そっくり!と名を挙げたのが、現在大阪センチュリー交響楽団専任指揮者の金聖響氏。確かに若くてかっこいいですからね~。彼のベートーヴェンの英雄と5番、結構面白いですよ。 さて、これほどの大特集でも映像化のニュースは一切なし・・・やっぱり難しいんですかねぇ。ホントに面白いです。まだの方は是非ご一読を!のだめカンタービレ(11) これが金聖響。怒濤の5番をお聴き下さい! ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》 エグモンド序曲
2005年03月12日

先月の「幻想」がまあまあだったので、佐渡裕のマーラー5番を聴いてみたが・・・ 正直これにはかなり失望した。う~ん彼は「幻想」のような暴走系?の音楽には向いているかも知れないが、マーラーのような神経質にこまかくフレーズを操作しなければならない音楽には向いていないのではないか、と感じた。 交響曲を指揮するうえで大事なのは、40分ほどの音のドラマの中で、クライマックスをどう構築するか、作曲家の云わんとしていることをどう斟酌するか、という点なのだが、今回の佐渡の音楽がどこに重点を置いているのか正直よく分からないのだ。佐渡は良くも悪くも力みなぎる指揮が持ち味だと思うが、この録音では意外なほど平板で、得意?のラストの盛り上がりもない。4楽章のアダージェットも「あれ?」と感じるほどあっさり。完全に肩すかしを食った感じなのだ。 録音もあまり良くなかった。各楽器の音の分離が悪く、ちょっと離れて全部がまとまって聞こえてしまっている。これは悪いときのEMIの録音に似ているなぁ。 発売元はかのエイベックス。クラシックの新興レーベルとして応援したい気はやまやまだが、この録音はちょっといただけない。しかも録音が2001年というのも、ちょっと古い感じがする。何故3年以上も眠っていたのだろう?佐渡としても、必ずしも自信のあるものではなかったのかも・・・? 佐渡には「バーンスタイン最後の弟子」という肩書きがあるのだから、師匠に続いてやはりマーラーのエキスパートになって欲しい。バーンスタイン、カラヤン、シノーポリ、テンシュテットと、独自のマーラーを聴かせてくれた天才達は皆他界してしまった。インバルももうすぐ70歳に手が届く。小澤もいいが、日本人でマーラーのスペシャリストと云われるような人材が欲しい。佐渡、頑張れ~!この人はこういう曲が向いているのかな~ブラスの祭典2これは熱気ほとばしるすごい演奏です。EMI CLASSICS 決定盤 1300 14::マーラー:交響曲第5番このアダージョはもはや病的ですが、私は大好きです!【音楽CD】《アダージョ・カラヤン・ベスト》これもいい演奏です。【音楽CD】マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調なんとも楽々と演奏している様子がすごいです!サイモン・ラトル&ベルリン・フィル/マーラ:交響曲第5番 (DVD)
2005年03月11日

私は「有名交響曲ベストテン」コーナーに書いているとおり、マーラーの第九交響曲こそが、その規模と構造の複雑さ、内容の深遠さにおいて、現存する交響曲のトップに君臨する曲だと信じて疑わない。 この曲はマーラーの「辞世の歌」と云われている。彼が生前完成した最後の曲であり、内容的にもこの世に別れを告げるがごとく、切なく悲しい調べに満ちているからだ。 今日はこの曲をインバル指揮:ベルリン交響楽団で聴いた。インバルは約20年前に、フランクフルト放送交響楽団と共にマーラー全集を完成させた、自他共に認める「マーラー指揮者」だ。 当然ながら私は彼の第九のCDを持っている。録音は86年。果たして差があるのかどうか?固唾を呑んで演奏を聴いた。 素晴らしかった。非の打ち所のない、およそ文句のつけようのない演奏だったと思う。最終楽章最後の「死滅するように」と指定された、PPPで消え入るように終わる部分で・・・インバルが聴衆に向き直るまで、拍手は起きなかった。観客全員が音楽の余韻に浸りきっていたと言えるだろう。 誰にでも、同じ曲を何度も聴いていると、自分の中に「この曲はこういうテンポで弾いて欲しい」という「好みのテンポ」があると思う。私の第九に対するテンポ訴求は結構厳しい。しかし今日のインバルは見事にというか恐ろしいほど私の好みに合致していた。第一楽章は遅くただれたように演奏し、第二楽章はちょっと粗っぽく、第三楽章は荒れ狂ったように、そして第四楽章は涙に暮れる寸前の悲しさで・・・ ベルリン交響楽団はインバルに厳しく鍛えられ、特に弦楽パートが見事だった。この曲は弦が崩壊寸前まで呼吸を合わせて初めて、その美しさが表出される。インバルはそれを意識して指揮し、オケも必死でそれに答えていた。 最終楽章のクライマックスで私は思わず落涙していた。それほど今宵は甘美な体験をさせてもらった。20年近い歳月を経て、インバルのマーラーは更に深みを増したと思う。曲の構造をこれでもかと暴き立てた録音から、曲の本質に共鳴した演奏へ・・・確かに彼は当代随一のマーラー指揮者になったのだ、と確信した夜だった。この曲のおそらく最も美しい演奏です H.V.カラヤン/BPO 1982年録音[DG 439024-2] ]
2005年03月07日

ちょっと風邪気味で微熱があり、更新が鈍ってしまっている。インフルエンザでないだけましかな・・・ 六本木ヒルズで「東京大空襲展」を開催しているとニュースで見た。人と人が殺し合う戦争で汚いとか酷いとか云ってもきりがないことは分かっているのだが、二発の原爆投下とこの東京大空襲を頂点とする米軍の無差別焼夷弾爆撃は、軍人や軍関連施設でない場所を恣意的に攻撃した点において、重大な戦争犯罪だと私は今も思っている。 今から60年前の3月10日未明。サイパン・テニアンから飛び立った325機のB29は一機につき約6トンの焼夷弾を積んでいた。 指揮官の第21爆撃団のルメイ少将は、それまでの爆撃効果報告から、日本の都市爆撃には高々度からの精密爆撃よりも低高度からの焼夷弾攻撃の方が効果が高いと推測していた。日本の家屋は木造が多く、通常爆弾による破壊よりも焼夷弾に因る延焼の方が被害を与えることが出来る、と計算したのだ。 それまでB29は高度8千メートルから1万メートルの高度から爆撃を行っていた。これに対する日本の迎撃体制は貧弱極まりなく、高々度迎撃用の戦闘機、レーダー、さらにはパイロットの質的低下により、B29には全く歯が立たなかった。 この3月10日、日本軍の抵抗が貧弱であると見抜いたルメイは、なんと全爆撃機から機銃を降ろし、その分余計に焼夷弾を積ませた。その結果、通常の二倍近い搭載量となった。 結果は恐ろしいものだった。二時間半の空襲で10万人が死亡、12万人が負傷。100万人が家屋を失った。東京全体の2割近い26万戸が消失した。その火災は240キロ離れても眺めることができたという、地獄の業火が東京を燃やし尽くしたのだ。 国民を守ると豪語していた日本の防空能力は全くお粗末だった。この日、米軍の出撃数325機のうち撃墜は僅かに14機。日本側は夜間飛行可能な搭乗員が少なく、40機ほどが迎撃できただけだった。 無差別で非戦闘員を殺戮した米軍には当然怒りを覚えるが、貧弱な武装で米軍と戦い、この時期すでに戦争の勝敗が決していたのになおも国民を戦争に駆り立てていた軍部の無知蒙昧と無責任さには本当に腹が立つ。 現代の戦争はどんな大義名分があっても所詮最後は非戦闘員を巻き込んでの殺戮戦になる。軍の上層部と為政者は情報を独占し、自分たちに都合の良いように国民を操る。そうならないように、為政者は常に厳しく監視されなければならないはずだ。 とにかく戦争だけは絶対に起こしてはならない、と3月10日が来ると思う。 物語の舞台は神戸ですが、空襲の恐ろしさ、戦争の悲惨さが伝わってきます。異色のジブリ作品です。火垂るの墓【DL-93142】 =>20%OFF!《発売日:00/12/16》
2005年03月05日

今日の話題は分からない方にはさっぱり分からないかも・・・漫画がお好きな方向きな話題です。漫画「ベルセルク」の28巻が発売された。ご存じの方には今更云うまでもないが、三浦健太郎による日本ファンタジー漫画の最高峰だ。確か数年前に朝日新聞主催の手塚治虫文化大賞も受賞していた。漫画界でも大きく認められた存在なのだ。 すでに連載が開始されて10年以上経つと思うが、その作品ポテンシャルというかテンションが全く下がらない点がとにかく凄いと思う。 物語は中世のヨーロッパによく似た世界 ストーリーもさることながらとにかく圧倒されるのがその画力。連載当初はやや堅さがあったものの、「鷹の団」壊滅の辺りでは不気味さの頂点を迎え、最近では以前からの迫力に加えて非常に繊細で柔らかい線が目立つようになってきた。これだけの迫力と繊細さを完璧に兼ね備えた画力を持っている漫画家は、そうそう居ない。 三浦氏はここ数年この「ベルセルク」一本に絞って制作しており、その真摯なストイックさがこの作品の非常に高い完成度を維持している最大の要因と言えるだろう。 連載されている白泉社刊の「ヤングアニマル」はお世辞にも売れている雑誌ではない。ハッキリ言って小学館・講談社の青年漫画誌には部数の面で大きく水をあけられているだろう。でもだからこそ、三浦氏が他の仕事を抱え込むことなく済んでいるのかもしれない。 通常漫画家は大ヒットを一発飛ばすと、どんどん連載を抱えることになる。漫画を書くということは完全な肉体労働・家内制手工業であり、人気が出ると云うことは、更に肉体と頭脳を酷使することに繋がっていくのだ。三浦氏が長きに渡って「ベルセルク」に専念できているのも、白泉社という青年漫画ではマイナーに属する出版社で活動しているからかもしれない。(もちろん、少女漫画では実績を持っているが) この「ベルセルク」の持つ物語の壮大さは「ロード・オブ・ザ・リング」に十分匹敵するものだといって差し支えないと思う。そのような素晴らしい物語が日本で生まれ、今もなお連載されているという事実に誇りと驚愕を感じる。この不世出の作品がさらなる完成度を持って進化していくことを願ってやまない。ファンタジー漫画の最高峰、記念すべき第一巻!ベルセルク(1) ( 著者: 三浦建太郎 | 出版社: 白泉社 )まとめて読んだらすごい!ベルセルク 1~27巻+ジャパン 計28冊 三浦建太郎/画・武論尊/作
2005年03月03日
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これまでブルックナーのすごさはその美しさにある、というような書き方をしてきた。確かに7番の第一楽章や第二楽章、8番のアダージョ、9番の第三楽章などは弦を主体とした崇高さに満ちた美しい調べであり、「神にその音楽を捧げた」ブルックナーらしい音楽となっている。しかし、法務サポートさんのメールにもあったように、もう一つの魅力、「激しさ」もまたブルックナーの大きな魅力だ。 実は私も、ブルックナー体験の始まりは4番の「ロマンティック」だった。第一楽章や終楽章のホルンやチューバをフル稼働させる金管群の咆吼にしびれまくった記憶がある。「なんという圧倒的な力強さなのだろう!」金管の威力とはこんなに凄いものなのか、と打ちのめされた。 実際の演奏会場で聞くと、オケの最後列にずらりと並んだ金管は、見るだけでも「強そうな」雰囲気であり、さらにそれらが一斉に強奏されると、弦楽器群が必死になって音を出してもかき消されてしまう。 この金管群の音は、残念ながらいまだに日本のオケと海外オケとの間に相当な実力差があるように思う。ブルックナーの曲は、動的な部分を担う金管の音が弱々しかったり余裕がなかったりすると聴く魅力が半減してしまうのだ。日本のオケで聴く場合、「金管はきちんと音を出してくれるだろうか」といらぬ心配をしながら聴くことが結構多い。 その金管の力強さを味わうのに最適なのどの曲だろうか。これは結構難しい。いずれの曲も金管がメインであり、終盤はその見せ場に溢れているからだ。この「力強さ」からブルックナーを聴く場合は、3番に、4番「ロマンティック」が聴きやすいだろうか。さらに5番・8番も負けてはいない。5番は初心者の方にはちょっとつらいが、3・4・8番あたりなら楽しめるのではないか。 それにしてもブルックナーの交響曲ほど音量的に「動」と「静」の差が激しい作曲家は他にいないかもしれない。天国にいるかのごときアダージョ楽章と、重戦車の突進を見るがごときの終楽章は、「音楽を聴く愉しみ」を十分に満喫させてくれると思う。気迫に満ちた素晴らしい演奏です。【音楽CD】ブルックナー:交響曲第8番こちらもいいですねえ【音楽CD】ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」BPOの金管群はやっぱりすごい!カラヤン/ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調
2005年03月02日
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