2023.01.21
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前回に続いての 比較テイスティング・コメント です。

今回は、20年ぐらい熟成させてから飲もうと思って、 10年以上マイセラーに保管 していたワインです。
最近は、マイセラーでは健全に熟成しないということを痛感してきていることもあり、とうとう開けることにしました。
そのワインは、 全く同じ畑の違う生産者 のキュベです。 よって、ヴィンテージは異なります。
所有者のジャック・フレデリック・ミュニエからフェヴレに長年貸し出されていた 『ニュイ・サン・ジョルジュの一級畑、クロ・ド・ラ・マレシャル』 です。
50年に亘る賃貸契約が切れ、2004年からミュニエが栽培・醸造を行っているようです。

さて、ヴィンテージが違うとは言え、 造り手の違い が顕著に表れている
( エレガントなスタイルが特徴と言われているミュニエと、「長期熟成型を標榜する頑強な」フェヴレイの特徴は出ているのでしょうか? ... )




Nuits Saint Georges Premier Cru
Clos de la Marechale 2006

( Jack Frederic Mugnier )
    VS Nuits St Georges 1er Cru
Clos de la Marechale 2002

( Faiveley )


( こちらのコルクはかなり長い。
 イブコランやペロミノと同じくらい。
)


<=購入元:今は閉店してしまった「ピノノワール・オンライン」
( ヤフー の方ではやっているよう
 ですが、同じショップかは不明。 )



 購入元:=> かわばた酒店
「フェヴレ」
( 流石に2002のワインはもうないですが ... )


( 途中でコルクが切れてしまって
 下半分はボトルの中に。
)

【比較テイスティング結果】
  • 色、香り
    色はどちらも かなり オレンジ の入ったルビー 。20年程(or近く)経っているとは思えない濃さで同じくらい。
    でも、4年の差があるからかフェブレの方がオレンジの入りが多く、且つ透明度は高そう。

    フェブレは 最初から開いて いて、トップノートでは 赤系に少し 黒系の果実香 (ブルーベリーとかアメリカンチェリーか?)が感じられる。
    一方、ミュニエのトップノートはごく普通のブルピノの感じで平凡だが、10分ぐらい経つと 少し妖艶な香り も出てくる。果実は 赤系のフランボワーズやサクランボ か?
    フェブレは時間が経つと、 鼈甲飴のニュアンス も感じられるようになり、 健全な熟成はしていない 感じがする。
    一方、ミュニエもエレガンスさの片鱗は感じられるものの、おとなし目で 真価は発揮していない 感じである。

  • 味わい、料理との相性
    ミュニエは、コク・旨味もあり 1級らしい濃縮感があり美味 と思ったが、2杯目以降 アフタにチョット苦味 を感じる。
    フェブレはミュニエより 濃い味わい で、同時に アフタの苦味も強く 感じる。

    料理との相性では、ブラックオリーブ&ドライトマトは明らかにミュニエの方が合うが、鴨燻やステーキではほぼ同じかと。
    味わいの バランスがミュニエの方が良い ので、大体はミュニエの方が合う。( 鮪よりはローストビーフの方がどちらにも合う感じ。 )

  • 翌日以降の香りと味わい
    翌日は、どちらも香りが少し落ちた感じがし、特にミュニエはボリュームが少なくなった。
    フェブレは、 鼈甲飴の香りが強く なり、味わいは滑らかにならず、むしろ 尖がりが強く なった感じがする。相変わらずパワー(濃さ)はあるのだが、イマイチ感が強くなった。
    ミュニエは初日の味わいと大差ないが、 3日目は大分滑らかになって美味しく なった。 バランスも良く エレガントな味わい と言える。
    余韻もそこそこあり、 フェブレより長い
    そして、 3日目のミュニエの香り は、持ち直して(初日程ではないが、)少し良くなった。でも、果実香は大分後退し、妖艶さはすっかり無くなった(時間が経つとチョット出てくるが ...)。

  • 総合評価、その他
    どちらも状態がイマイチのようなので、正しく評価はできないですが、 香りも味わいもミュニエ に分があり、特に 味わいのエレガンスさ が特長のミュニエ パワーと濃さ のフェブレ と言ったところでしょうか?
    購入時の価格ではありますが、 ミュニエの方が1.5倍以上高い です。香りに関しては それ程の差はない ですが、味わいの差は 価格相当かそれ以上 と想われます。
    澱はミュニエの方が出ていて、最後のグラスは 結構濁り も感じます。 フェブレは殆ど澱も濁りもなく、 透明な細かい澱 がボトル壁に付いている程度。( これは意外! )







































状態の良いクロ・ド・ラ・マレシャル を飲んでみたいですが、フェブレは既にないし、 最近のミュニエではバカ高い ので買えません。
そして、これらのワインにもまして マイセラーで10年以上保管 していたものが、軒並み外れです。良かったのは、 ジャック・カシューの Echezeaux 2005 だけです。
最近になって、 大体のホームセラーでは長期保管しても、健全に熟成しない のではないかと考えるようになりました。
(私が元々状態の悪いワインを買っているのか、セラーにワインを 詰め込み過ぎ ているのか、 動かし過ぎ なのかもしれませんが ... )
同じような経験、感想をお持ちの方 はコメント頂けると有難いです。

ちなみに、特に状態が酷く期待外れ感の大きかったものを挙げると下記のとおりです。

【状態が酷く期待外れだった主なワイン】
  • Chambertin-Clos De Beze 2007 ( ぺロ・ミノ )
  • Vosne Romanee 1er Cru Beaux Monts 2008 ( デュジャック )
  • Pavillon Blanc 2005 ( シャトー・マルゴー )
  • Romanee-Saint-Vivant 2002 ( ルイ・ラトゥール )
  • Bonnes Mares 2005 ( ドルーアン・ラローズ )
  • Gevery-Chambertin Combe-du-Dessus 2002 ( ドニ・モルテ )
  • Echezeaux 2006 ( ギュイヨン )
  • Chambolle-Musigny 1er Cru Sentiers 2005 ( ジャッキー・トルショー )
  • Chambolle-Musigny 1er Cru Carrieres 2008 ( アンリ・フェレティグ )
  • Grootte-Chambertin 2014 ( ぺロ・ミノ ) etc

  • 追伸: こんな訳で、最近古いワインを開けることが多く、コルクが古くなっているので 途中で切れる ことが多いです。
       貰い物の安ソムリエナイフを使っていることもあり、 真っ直ぐ入ってない ことが一番の原因ですが、 ゆっくり回しながら抜く 等の訓練が必要かとも痛感しています。





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    最終更新日  2023.01.21 08:00:08
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