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昨日だったかおとといだったか帰りの電車で7時ごろ、大崎あたりから池袋まで延々と、会社の上司の悪口を同僚に向かっていってるヤツがいた。そいつはまだ7時だというのに泥酔していて、悪口をいう声は非常に大きく、車両中に聞こえていた。同僚だけではなく、もっと大勢の人に不満を聞いてもらいたがっているようだった。昨日だったかおとといだったか、職場のビルの外にある喫煙スペースで、緑色の作業服を着た若い工事関係者のグループが、サラリーマンの悪口をいっていた。「サラリーマンてただ座ってるだけでしょ」「ネットみてるだけなんじゃねえの」「日々ストレスたまってっから電車の中だけ強気発揮してんだよ」オフィスビルの喫煙スペースだから周囲にはネクタイを吊るしてサラリーマンのような格好をした人が何人もいたが、全員が聞こえてないようなふりをしていた。給料もらってる以上おまえらもサラリーマンですから、というギター侍のような意見を持ったオレ自身もその中の一人だった。確かにただ座っているだけかも知れない。座って仕事をしているふりをしているようにはた目から見えてしまっている以上、しかもそれを否定する有効な手段がない以上、「ただ座ってるだけでしょ」といわれたら、そうには違いないということになる。なにかしゃべっていれば、仕事をしているように見えるのかもしれない。確かにしゃべっていると、仕事をしているような気持ちになることがある。ただこのとき、手は動いていないから、実際は何も生産しておらず、つまりしゃべればしゃべるほど、仕事をしていないということになるのだけれども、はたから見るとやっぱり、しゃべっている人間のほうが、生産力が高いと思われてしまうのだろう。職場の後ろの席にはおこりんぼさんがいる。常に怒っているか、威勢をふりまいているかのどちらかの態度でしか人と接せられないようだ。情報をただ伝達することよりも、威厳をふりかざして誰かに高く見られることのほうが彼にとっては重要らしい。オレはそんな彼をもっとも低く評価しているが、それも負け惜しみと言われればそういうことになるのだろう。前のシマには違う会社の、「だからぁ」が口癖のイヤなやつがいる。あんまり話したことはないからひょっとすると、話してみたらいいやつだった、なんてことはあるかもしれない。でも「だからぁ」が口癖のヤツなんて一生好きにはなれないだろうし、もし「だからぁ」なんて直接いわれてしまったら、「あ?」とか言い返してしまうかもしれない。不遜に「あ?」とか言ってしまうオレもきっと、イヤナヤツと思われてしまうんだろうなあ。イヤナヤツを犯罪者として取り締まる法律がない以上、言ったもん勝ちである以上、イヤナヤツに成り下がるか、でなければ貴族のようにふるまうしかない。さもなくば武士の世の中になるがいい。「無礼者、名を名乗れ。名乗らぬか。名を名乗れぬとは人に非ず。斬る。」とか言ってる自分を想像するとちょっとぞくぞくする。ああでも、イタイヤツとか思われるだけかもしれない。でもそしたらイタイヤツは、イヤナヤツよりも階級を上にしてほしい。
2007.04.25
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翌朝起きてみると二日酔いの頭痛がした。それでも携帯を手にとりこすりつけに連絡したのは、昨夜別れ際に「じゃあまた明日」と言われたことが頭の隅に残っていたからだった。いくらジャージの結婚式だからといって、店が閉店時間を延ばしてくれるはずもなく、深夜1時頃に店を追い出された我々は、万歳三唱とそしてジャージの胴上げをしてから別れた。胴上げするには人数不足とも思われ、ジャージもためらっていたのだったが結局見事に宙を舞った。「東京タワーに上ってから新宿に行く。3時ぐらいから会おうか」という旨の返信がこすりつけからきた。ジャージの連絡先を知らないわけではない。というよりもジャージのメールアドレスはこの結婚の連絡のときに初めて知った。3月某日、「一部報道でもありましたように、このたび結婚することになりました。」のような不審なメールが送られてきた。不審と思ったのは、宛名が自分の携帯に登録されておらず、誰のものかを特定できないような体系のアドレスでもあったからだった。有名人に知り合いはいないはずだし、新手の迷惑メールとも考えられた。どう対処していいかわからずしばらく放置したままにしているとやがて、「ジャージでした」とだけ送られてきて、アドレスが先の不審がっていたものだった。彼特有のジョークとともに、5年越しの友人のメールアドレスが初めて伝わったのはこのときだったが、これは余談である。新宿歌舞伎町の外れ、西武新宿線駅の目前に「ミカド」というゲームセンターがあり、こすりつけらはそこにいた。格闘対戦ゲームの聖地として知る人は知っている有名なゲームセンターでジャージとこすりつけは、古い対戦ゲームを繰り広げていて、そして彼らが対戦するゲーム台の周囲を大勢のギャラリーが取り囲んでいた。そこにはノリさんもいて時には入れ替わって対戦をしているようだった。杖レは朝早く、新幹線で帰っていったらしかった。ペットとして飼っている犬を専用のホテルに預けていてその契約期限のためだった。我々と犬とどっちが大事なの、と言いたかったが、どちらも大事に違いなかった。オレは麻雀ゲームに熱中していたが、しばらくすると「そろそろいこか」の合図がかかった。「おれら3人はいいけど、中村はおのぼりさんみたいにしてたらアカンやろ」とジャージはいった。確かに歌舞伎町は不案内だった。どこを探してもメシを食わせてくれる店は見つからなかった。夕方、陽は黄昏を示している。日本一の歓楽街である歌舞伎町が一番静かな時間帯かもしれなかった。それでもようやく探し当てたのは「ペッパーライス」という、初めて聞くような名前のグリルランチチェーン店だった。この食事が済んだらジャージはクルマで嫁を迎えに行き、その足で長野へ帰る。きっと別れを惜しむわけでもなく、再会を誓うわけでもなく、ただ帰るために去っていくのだろうと思ったし、そういう別れ方をするところが、最もジャージらしいとも思う。思いつでに昨日2次会で、新郎新婦入場の途中でオレと目があったジャージはコクンと一つアゴを傾け、「お、きたか」という表情をしただけだった。だからオレはおめでとうの言葉一つもかけてやることすら忘れた。そういうことも思い出したりしたのだが、この別れ際にあらためて言う言葉でもない。唯一惜しむべきは花嫁とたしか一言も会話していなかったなということで、もしその機会が与えられていたなら間違いなく心から「おめでとう」と言っていたに違いなかった。それは数回しか会っていないながらも、男からみたジャージは本当にいい男と思うし、そんなジャージと結婚することはきっと「めでたい」ことに違いないはずだからだ。やはり別れを惜しむわけでもなく、再会を誓うわけでもなくジャージはただ去っていった。夕暮れの歌舞伎町に白いクルマが溶け込んでいって、やがて見えなくなっていった。また忘れたころ何年後かにはきっと会うことになるのだろう。。「忘れものした!今どこにおるン?」ノリさんがジャージのクルマに何か置き忘れたらしい。携帯でジャージを呼び止めていた。我々は再度ジャージと合流し、無事ノリさんの忘れものは解消されたがなんというか、ぐだぐだである。
2007.04.14
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男数名で押しかけて行った店の1階のテーブルには、嫁側の友人らしきうらわかき女性たちがちょうど我々と同じぐらいの人数でいた。司会者と隊長とおぼしき男の姿も見受けられた。ちょっとこれは女子をめぐり競合するかもしれないな、とも思った。1階のテーブルには席がほとんど残っておらず、途中から押しかけた我々は2階へ案内されることとなった。しかし同じパーティーに出たもの同士、1階と2階に分かれている状態はあきらかに不自然であることから、やがて2階で合流できるに違いなかった。現にその通りになった。コップだけを手におそるおそる狭い階段を上ってきた女性たちはすぐには着席せず、不安そうに、またはその不安さを押し隠すようにしてコートや荷物の置き場所を探すそぶりをしていたのは、なにか本能的な危険を感じたことによる警戒感の現れかもしれなかった。横に長い3つのテーブルを使う権利を与えられた男女2つのグループは、双方のグループ同士で固まるのもいかがなものかということで、各席に分散することとなった。その結果、壁際に男が一列に並び、向かい側の一列を女性たちに空ける格好になった。いわゆる「合コンスタイル」である。こちらとすれば「合コン望むところ」であろうが、女性側にしてみれば、ほとんど初対面の素性も所属もわからない男たちを利してやる道理はどこにもなく、むしろ迷惑に感じたに違いなかった。しかし「これも何かの縁」という価値観を前面に打ち出していたノリさんが「新婦とはどういったご関係のご友人ですか。」ときりだし、辛くも3次会合コンはスタートしたのであった。いきなりそんな高いところからはじめるか、と思ったのは、終電まであと30分しかなかったからだった。顔立ちの整ったノリさんが紳士的な役割をこなすなら、オレは30分間の間にうまく印象をアピールできるかどうか、ということに狙いを定めようとした。詳細をここで述べるつもりはないが、我々には(オレひとりだけかもしれないが)美しき女性を目前にし、求愛のダンスを踊らない理由はどこにもなかった。ダンスを気に入ってくれたかどうかはわからないがそんなことはどうでもよく「ダンスのようなことをしていた人」という印象さえ与えれば目的の半分は達成したとみていいだろう。というような、妙な理屈で自分を納得させなければならないほどの成果だったことは、その場にいた誰もが知ることでもある。ただひとつ、あわよくば彼女らと再会する機会が与えられたときに、話題のよりどころとして、季節はずれではあるが「ダウンジャケット」というきっかけを獲得したことだけが唯一の救いといえば救いではあった。差し迫る終電時刻のために女性たちのグループはまとまって帰っていった。「アディオス!」とでも叫びたかったが残念なことにオレはそんなキャラクターではなかった。取り残されるような形になった「自転車がらみ」の我々男グループの心の中には少しの空白がもたらされた。華やかであるべきところから華やかなものが失われてしまうだけで、こうも男の心は沈むものなのだろうか。ということのまるでこれは標本だった。そんな我々の空白は、ジャージの出現によって埋められることとなった。新郎用の白い正装からカジュアルな服装に着替えてきてはいたものの、主役としての残り香をまだ身にまとっていたし、やはり座にジャージという「主題」がもたらされたことによるところが大きい。「わたしと仕事とどっちが大事なの?」という女性的な質問がある。そんなのはどっちも大事に決まっている。この場合「仕事」は例えば他のなんでもよく、つまりは「主題」のことである。華やかなりしものが失われたとき、男は「主題」をよりどころにして生きるのだ。今日の主題は「ジャージの結婚」だった。オレはしばらくそのことを忘れていた。
2007.04.13
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竹芝ふ頭から歩いて200メートル先にある浜松町へ向かうことにした。「ふ頭の『ふ』ってなんでひらがななの?おかしくない?」と妙なところにこだわっていたミミは帰らなければならない時間になってしまったらしく、タクシーで同駅まで送った。浜松町には先週もきた。会社を辞めて田舎に戻り、地元の役場に就職する女のコを見送るためだった。夜行バスのターミナルがある。ボストンバッグをひとつだけ抱えた彼女に「おまえは浜田省吾か」と、おおフランスのようなツッコミを入れたのだが、いまどきの若者に通じるはずもなく、不思議な顔をされたことなどを思い出した。やがて仲間がやってくるのが見えた。中央には白っぽい服を着たこすりつけがいる。旅なれているのだろう、舞い上がっている風でもなく前を向いて歩いている。浜松町が「夜ちゃんと眠る街」であることは、この辺りで働いていたことがあるので知っていた。23時。帰ろうかどうするか、誰もが決断を迫られる時間でもある。大門の交差点。盛り場の灯火はぽつぽつと消えていった。黄色い看板の店をあたった。12時で閉店と告げられたが寒かったこともあり入った。客は我々の他に浮浪者のようなグループしかおらず、店員を含めても、女がひとりもいなかった。華やかだったリストランテに比べてこのザマはなんだ、と思っているとこすりつけの携帯が鳴った。「隊長」からだった。花嫁友人らグループが別の赤い看板の店に入っているという。隊長は「合流しないか」と打診してきたのだった。隊長が誰かはこの時点で知らなかったが、「さすが隊長!」と思わずにはいられなかった。我々はとるものもとりあえず、運ばれてきていたビールも残したまま、隊長とそして花嫁の友人たちがいる、赤い看板の店へ向かった。ほとんど駆け足で。
2007.04.12
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「エッチになるとかたくなる棒は?」の答えがすぐにわかったのでチームリーダーにその旨を告げた。結果オレンジチームはジャンピングチャンスをものにし、賞品を獲得した。オレが唯一この場で光り輝いた瞬間だった。どこか遠くのチームではなぜかこすりつけがリーダーのようになっていて、自信たっぷりに「ちんちん」と書いたボードを掲げて失笑を買っていたがそんなのが正解なわけはなかった。。漢字読み取りクイズのときに答えがわからなかったジャージは全ての回答に嫁の名前を書いて喜ばれていたが最終問題の回答はわかってしまったようで、嫁の名前を書きつらぬくことはかなわかった。誰と何を話しただとかどんな料理を食っただとかほとんど覚えていないほどめまぐるしく時が流れ、気づくともう新郎新婦は退場していってしまうような時間になっていた。進行はよくプログラムされていて、いるだけで満足されられてしまうような、ショーのようなパーティーだった。料理がおいしかったので、せめて皿に残ったものだけでも食って、あわよくば誰かと談笑しながら最後まで居続けたかったが、スマートじゃないのでそうしなかった。ジャージと花嫁は誰よりも先に会場を出て、リストランテのエントランスに立ち、名残惜しくもコートを着て家へ帰る招待客にひとりひとりあいさつを述べている。最初から2次会だけで帰るつもりはなかった。朝までコースを期待していたし、タクシー帰りも覚悟してきた。ジャージと花嫁は大勢の招待客に取り囲まれていてその列はしばらく止みそうにない。我々だけで一足先に店を探し、そこでジャージを待つことにした。「我々」とはほぼ、自転車がらみの友人たちだ。自転車がらみとはいえ、多分その中で一番自転車と遠いところにいるのはオレだ。あとジャージの古い親友でノリさんもそれほど自転車には関係ない。のりさんとは乗鞍岳へスキーに行ったとき以来ぶりで、それが何年前かは思い出せない。「絶対気持ちがいいですよ」無駄に背の高い男がそのノリさんに自転車に乗ることを勧めていた。カーボンフレームの快適さと耐久年数について一人とつとつと話し聞かせていたのだが、当のノリさんは、スポーツ自転車に興味がないからそんなことを聞かされてもなんのことだかさっぱりわからない。「中村さぁ、(スポーツ)自転車のいいところはひとことでいうとなに?」無駄に背の高い男は隣にいたオレにたすけ舟を求めてきた。さんづけなのかため口なのかはっきりしない。いろんな意味で一瞬困ったが、「そりゃやっぱり、ドロップハンドルなところでしょ。」と言った。それからオレはドロップハンドルについて、しばらくの間語り続けなければならなかった。
2007.04.11
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ジャージは気恥ずかしそうな薄ら笑いを浮かべながら、そして花嫁は堂々と招待客ひとりひとりの顔を見ながら、ふたりは並んでひな壇に立ちカメラのフラッシュライトを浴びている。司会者が主役のふたりのいきざまやなれそめを紹介するのと前後して、客席では酒が盛られていった。どんないきさつでふたりが知り合ってそして恋に落ちたのかということは、このときの司会者や友人らのスピーチで初めて知ることとなった。ひょっとするとおととしの夏、長野の別荘地に遊びに行ったときのイタズラメールの相手が今日の花嫁だったとしたらオレはこの結婚に一枚かんでいることになり非常にドラマチックだなとも話していたのだが、どうやらそういうことではなく、もっと電撃だったらしい。一枚かむどころかオレはかすってもいなかったことがわかったので、詳しい馴れ初めについては紹介する資格はない。司会者はひっきりなしにしゃべっている。ウェディングケーキのイベントがあり、大型スクリーンにはふたりのスナップショットが映し出され、2次会というよりもまるで披露宴のような進行により、あっという間に時間は経過していった。中座して帰ってくるとテーブルの配置が変わっていて、同時に司会者も替わった。どう替わったというと、招待客参加型のクイズを始めるために中央にあったテーブルは端によけられ、司会者はよりバラエティ向けなツッコミタイプからボケタイプに替わった。受付で配られた色つきのリボンは実はクイズのグループ分けのために使われるものだった。オレンジ色のリボンを持っていたので当然オレンジチームだったが、誰一人として知った顔が同チーム内におらず、ここで果たして発言権が得られるのか心細くなった。一問目は主役ふたりが住む長野にちなんで「長野県の人口は何人でしょう?」だった。ヒントとして引き合いにだされた和歌山県の人口は「1千万人」だった。冷静になって考えてみると絶対そんなはずはないのだが、誰一人として異を唱える者がいなかったのは、めでたい席で舞い上がっていたのと、司会者の巧みなトークによるものだろう。オレはジャージのひな壇のすぐそばにいたから、ジャージに直接何人か聞いて、それをチームのボスに伝えるという微妙な仕事をこなし、チーム内でのポイントを稼いだりしたのだけれども、結局その問題は1問目だったこともあり、ヒントがデタラメだったこともあり、「練習問題」扱いとなりポイントは全てリセットされた。その後漢字問題が何題か出題された。漢字の読みを当てるクイズだった。得意分野かと思いきや、一つも読めず苦い思いをした。最後はジャンピング問題として2点加算されることになった。オレンジチームは1ポイント差で2位タイにつけており、正解すれば逆転の可能性も十分にあった。ジャンピングチャンス問題が告げられた。「エッチになるとかたくなる棒は?」「エッチになるとかたくなる棒は?」司会者は問題を何度も繰り返した。
2007.04.10
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東京湾クルーズ船や伊豆諸島への運行船の港として知られる竹芝ふ頭にあるオフィスビルの低層階にある、イタリアンレストランでジャージの結婚式の2次会は行われた。「レストラン」ではなく「リストランテ」と呼ばれていて東京湾を一望でき、お台場の観覧車やレインボーブリッジを遠くに臨めることなどから、普段は絶好のデートスポットに違いなかった。受付には華やかに着飾ったキレイな女性が数名いて、受付をすませると一人一人記念写真を撮影された。白紙のメッセージカードとクラッカーと、あとどういうわけか色の着いたリボンが渡された。どんなメッセージを書こうかと悩みながらリストランテの中に入ると、椅子は全て片付けられ端っこのほうに並べられていた。立食である。円卓がいくつか置かれていて、その一つの傍らでメッセージの文面を考えていると、ウェルカムドリンクを配るボーイが回ってきた。白ワインを受け取る。メッセージを書き終える頃になると招待客の数も増えてきていて、とりわけ着飾った女性客のアップにした髪の毛がひょろっと出ているうなじとか、背中の開いたドレスの背中とかに着目せずにはおられず、また同時に、謎のドレスコード「きれいめで」の回答に納得せずにはおられず、ネクタイぐらいはしてきてもよかったかとも思わずにもいられず、そうこうしている間にやってきたこすりつけや杖レが、オレと同じぐらいのドレスコード解釈だったからようやく安心感を得た。彼らと再会するのは1年とか2年とかそれぐらいぶりであり、再会するたびに思うのはそれほど懐かしくもない、ということだった。とはいえ、まるでうれしくないというわけではない。司会者席に司会者が立ち、招待客を労った。入り口付近ではすでにジャージと新婦が待機しており、人垣の隙間から見えるジャージのひょうひょうとした顔も、いつもと変わりがない。いつも、とはいえそれほど頻繁にジャージの顔を見ているわけではない。たとえばこすりつけや杖レの顔を見ると、何か胸騒ぎがするというか、何が起こるかわからない期待や不安を押し付けられているような気分になるが、ジャージの場合は全く逆で、どちらかというと安心感を与えられているような気になる。嫁もその安心感にやられてしまったのかも知れないなと一人合点がいき、うまくまとまったところで音楽のボリュームが上がった。白い衣装を着たジャージが白い手袋を持ち、新婦をエスコートして登場した。大きく肩の開いたウェディングドレスをまとった新婦はとても美しく、まるで女優みたいだな、と思った。
2007.04.09
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ジャージの結婚式に行ってきた。正確に言うと結婚式の二次会に呼ばれて行ってきた。ジャージは大阪の友人だが今は長野に住んでいる。正確に言うと、友人と呼べるかどうかわからない。なにしろ今まで5回ぐらいしか会っていない。会った回数が「友人指数」にそれほど影響するとは思っていないが、なんとなく二次会から呼ばれるのは非常にちょうどいいような感じがした。二次会は東京湾を臨む竹芝で行われた。新婦の家族や親戚筋、会社の同僚などが多くいることなどから結婚式は東京で行われることに決まったらしい。「ドレスコードはきれいめで(ちょっとだけフォーマルで)。」というメールが送られてきていた。悩ましい。ネクタイをせずジャケットだけ着ることにしたオレはミミをエスコートしながら会場へ行った。前とそれほど変わらず明るいミミの姿を見てうれしかった。やがてこすりつけや杖レらも登場してきて、彼らと会うのも久しぶりだったが、ミミと再会したときほどの感激はなかった。そしてジャージと(謎の)新婦は、入場の音楽に乗って登場するのだけれども、それらの様子は、おいおい書いていくかもしれない。ジャージが日常的にここを読みにきているとは考えにくいが、一つだけ言い忘れたことがあるので、取り急ぎ伝えたい。おめでとうございます、どうぞお幸せに。
2007.04.08
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