関本洋司のblog

2004年10月17日
XML
テーマ: 戦争反対(1190)
カテゴリ: 日記
 16日に新宿紀伊国屋ホールで、柄谷行人、大澤真幸、高澤秀次らが参加した「思想はいかに可能か」と題したシンポジウムが開かれたので聞いてきました。

 今発売中の「文学界」(11月号)でも同様の発言をしていましたが、やはり彼の憲法第9条に関する発言が注目に値すると思います。
 改憲するなら国民投票をしてほしい、そうすれば国民は気がつくだろう、押し付けられた憲法なのかどうかを・・と柄谷氏は述べました。「超自我」というむずかしい言葉を使わなくてもいいから何とか説明したい・・・という、啓蒙的な身振り、わかりやすく語ろうとする姿勢が特筆すべきことだったと思います。

 冒頭の大澤さんによる柄谷さんの業績の要約は全体として正しいものだったと思いますが、柄谷さんが文学から理論を経て社会運動へ行ったという誤解を与えるものだったかも知れません。柄谷さんの文学への関心は途切れておらず、理論的考察と絶えず併行したものだったからです。
 僕がここで文学を重視したいのには理由があります。
 先のシンポジウムでは、資本、国家、ネーションという三位一体をいかに脱構築し、今後アソシエーションをつくっていくかがテーマになりましたが、文学こそアソシエーション足りうるものだと思うからです。
 例えば(仮説ですが)柄谷氏と中上健次の関係はアソシエーションであったのでは・・・

 さて、僕は柄谷さんを「さん」づけで呼ぶわけは、NAM(代表をくじ引きで選び、地域通貨を事務対価に導入した組織)の運動に参加していたおかげで、本人と話す機会が何度かあったからです。



 シンポジウムの話から脱線してNAMのことに触れたのは、会の後、久しぶりに会ったNAMの会員たちとひさしぶりに新宿で飲んでNAM(2003年に解散)のことを思い出したからです。

 シンポジウムで、NAMの運動を外国でやればうまく行くことがわかっていたのに日本ではじめたことについて、柄谷さんが「僕は愛国的だから」と言っていたのが印象的でした。
 また、柄谷さんはマルクスの「永続革命論」(僕はプルードンの系列弁証法を想起しますが)についても触れられていましたが、これは今後柄谷さんの新たな著作で明らかになるでしょう。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年10月18日 01時10分22秒
[日記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: