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2006年ですね、MITSUBISHIの1.5Lコンパクト・ハッチバック車が出ました。その名は、コルト・ラリーアートVersion-R・・・です。MSN自動車のシリーズ「マイスターの逸品」からです。
コンパクトカーのコルトをベースとし、FIA世界ラリー選手権(WRC)をはじめとする長年にわたるモータースポーツ活動やランサーエボリューションの開発で培ったノウハウを注力して開発されたラリーアート Version-R。そのボディには、必要最小限の重量増で最大限に効果を発揮する補強が施されている。 ボディ設計部の高崎静一氏は、「作り手としてこだわったのは、フィーリングです。どの部分をどういうふうに改良すれば、走りとして最適になるのかという課題をクリアすべく、解析結果に開発者の経験やアイデアを加え、実車でのテスト走行を何度も重ねながらトライ・アンド・エラーを繰り返す、昔ながらの職人の技を活用したチューニングをしていきました。時間と手間をかけ、こだわりを持って努力してきた結果、このボディが誕生したのです」と語る。 ポイントは、ボディ剛性を向上させるためにスポット溶接を効果的に増やしたことと、ボディの泣き所といわれるハッチバックの開口部を補強したことにある。開口部の上角を固めることが、ボディ剛性にはとても効果的なのだという。 「スポット増打ちについては、重量を増加させずに剛性を向上させる有効な手段としてランサーエボリューションに採用していますが、コルト ラリーアート Version-Rの場合はこれをさらに推し進め、前代未聞といえる適用範囲の拡大、さらにスポット間最短ピッチを実現し、より強力な効果を得ました。これにはとても苦労しましたが、おかげで『やわなボディとは言わせないぞ』と胸を張って申し上げられます」(高崎氏) ボディチューニングの基本と、そのノウハウや技術を培ってきたエンジニアの技、テクノロジーの蓄積の相乗効果が、一台のスポーツモデルに結実した。 スポット溶接の増打ちなど、重量を極力増加させない方法で各部を強化させたラリーアート Version-R。高速域でのスムーズなレーンチェンジや直進安定性を求めて前輪の接地感にもこだわり、フロントエアダムの形状を徹底的に追究。ボディチューニングでは、データ検証だけでなく実車によるテスト&トライを繰り返し、ドライバーが肌で感じる最適な方向性を突き詰めていったのだ。 「バネを硬くして、ショックアブソーバーの減衰力を上げれば、確かに速くなるかもしれませんが、日常での乗り心地が悪くなります。快適性をある程度考慮した上で、操縦性や安定性を考えるとなると、一番重要になるのがボディなのです。まずはそこに力を注ぎました」と、第一車両実験部の西秀樹氏は開発過程を振り返る。 前後のサスペンションやパワーステアリング(ギア比)は、欧州仕様のターボモデル(当時の「コルトCZT」)をベースに専用チューニングを施した。バネやダンパーのセッティングにとどまらず、マウントやブッシュ、バンプストッパーなど細部にわたってファインチューニングを行った。 「ボディをしっかり補強し安定性を向上させたことで、ハイグリップなタイヤを装着し、パワーのあるエンジンを搭載しても、ハンドルを切った瞬間に行きたいところに行けるような高い操縦性を実現することができました」(西氏) ユーティリティー性がセールスポイントのコンパクトカーがベースでありながらも、ランサーエボリューションで培ったノウハウが注ぎ込まれているコルト ラリーアート Version-R。開発当初よりエンジンフードにランサーエボリューションのようにエアアウトレット孔を開け、エンジンルーム内の空気を抜くという構想があった。ランサーエボリューションを担当するデザイナーやエンジニアと話し合いながらデザインを検討し、何度も実験を重ねて、この形状のフロントフードになったという。 フロントバンパーやフロント&サイドのエアダム、オーバーフェンダーに関しても同様に、描き起こしたスケッチを検討し実験を重ね、スポーツモデルをアピールする迫力あるデザインとフロントリフトを抑える空力性能を高次元で両立した。テールゲートガーニッシュは、ブラック樹脂パネルをあえてそのまま使用することにより、素材感が強調され無骨な雰囲気を醸し出し、計算通りハイパフォーマンスイメージを強く印象付けることに成功した。 それまでのコルト ラリーアートの「走り」をより進化させたコルト ラリーアート Version-Rには、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ボディにいたるまで、すべてのパーツに開発者の情熱が込められていると、開発を取りまとめたBセグメント商品開発プロジェクトマネージャーの天野誠一郎氏は振り返る。「高性能な走りをサポートするブレーキも、フロントブレーキのディスクを大型化したほか、リヤブレーキのピストンをサイズアップするなどして、高い耐フェード性能を実現しました。5速マニュアルトランスミッション車においては、ASC(アクティブスタビリティコントロール)を標準装備して、より一層の安全性の向上を図っています」
ASCは、三菱自動車が得意とする先進電子制御技術を駆使した統合制御デバイス。車輪速、ステアリング角、ヨーレート、横Gを各種センサーが検知すると、適切な車輪に制動力を配分、状況に応じてエンジン出力も制御することにより、コーナリング時の安定性を向上させるスタビリティコントロール機能と、雪道などの滑りやすい路面でスムーズな発進加速を補助するトラクションコントロール機能を持つ。
「本格的なスポーツドライビングを、手が届きやすい価格帯のコンパクトカーで楽しみたい、というご要望にお応えすべく開発したのが、コルト ラリーアート Version-Rです」(天野氏)。

従来のコンパクトスポーツに革命(Revolution)を起こしたいという願いを込めたネーミングからも、三菱自動車の走りのDNAを詰め込まれたクルマであることがうか
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