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FERRARI車の中では、やや小さめの一台となりますが・・・カリフォルニア たっぷり堪能してください。記事はCar Watch武田公実レポートからです。
この新型カリフォルニアのトピックは主に2つ。軽量化が行われるとともに、エンジンの出力向上が図られたことである。
これにより、ボディー剛性やパフォーマンスに影響を及ぼすことなく、従来モデルから30kgの軽量化に成功。車両重量は1630kgとなった。
第2のトピックは、フロントに搭載される4.3リッターV型8気筒直噴ユニット。新設計のエグゾーストマニホールドとエンジンマネージメント・コンピュータのマッピング変更などによって、従来型カリフォルニアに対して最高出力で30PS増の360kW(490PS)/7750rpm、最大トルクでも20Nm増となる505Nm(51.5kgm)/5000rpmを発生する。また、トルクカーブも改良され、全回転域で高いトルクを得られるようになった。
これらにより、もとより充分以上だった動力性能はさらにスープアップ。公表されたデータによると、最高速は従来型の309km/hから312km/hまで高められたほか、0-100km/h加速も従来型から0.2秒短縮となる3.8秒を達成している。
そして、この2つのブラッシュアップにまつわる数字「30」を高らかに謳うべく、今回のマイナーチェンジを機に、「カリフォルニア30」という新たなネーミングが与えられることになったのである。
加えて、新カリフォルニア 30では新たに「ハンドリング・スペチアーレ」と呼ばれるオプションパッケージも設定されることになった。このハンドリング・スペチアーレ仕様は、最新世代の電子制御式磁性流体ダンパーを標準装備し、減衰のレスポンスタイムを50%短縮。また、よりハードなスプリングを採用することで、コンフォート性を損なうことなく正確なボディコントロールを確保したとのこと。
さらに、ステアリングレシオを従来から約10%速めた新設計のギアボックスを搭載することで、ステアリング舵角の小さい領域でもさらに俊敏なハンドリングを実現するに至ったという。
フェラーリ カリフォルニアのステアリングを握るという、この上ない僥倖に筆者が恵まれるのは、これが2度目。最初は3年ほど前の日本初導入時で、この時に乗せていただいたのは、当然ながらスタンダードモデルであった。
他方、今回のインプレッションにご提供いただいたのは、新たに設定されたハンドリング・スペチアーレ仕様である。
走り出した瞬間に感じたのは、意外にも乗りごこちのよさ。
今回の試乗ルートである東京・お台場近辺は、大型トラックなどの通行による深い轍がそこかしこにあるなど、路面状況は決してよいものではない。ところが、固められたはずのハンドリング・スペチアーレのサスペンションは非常に効率よく動くようで、乗員に不快なショックやハーシュネスをまるで感じさせないのだ。
また、路面のギャップや轍でトラクションが抜けてしまうような「お行儀の悪さ」を露呈することもない。これはハンドリング・スペチアーレに標準装備される、最新世代の電子制御式磁性流体ダンパーの効力と見て間違いあるまい。
もちろんこの磁性流体ダンパーは、あらゆるスピード域のコーナーリングでも最高のマナーとドライビングの楽しさを体感させてくれる。現在ではフェラーリが世界の最高峰にあると思われる駆動系の電制システムに、クイックになったステアリングレスポンス。
そして30kgの軽量化も相まって、車両のコントロール性は大幅に高められているのだ。そしてこれらの改良により、現代のFRスーパーカーの中でも、ハンドリングでは間違いなくトップクラスに返り咲くことに成功したと言えるだろう。
一方、30PSのパワーアップといえば、500PS級の大排気量スポーツカーとしては大したことでもないと思われがちだが、実際の印象はそうではなかった。従来型カリフォルニアの460PSユニットは、フェラーリとしては初めての直噴エンジンだったことから、当時の直噴エンジンの技術的トレンドに従ったフラットトルク感を強く感じた。しかし、今回のカリフォルニア 30では圧倒的とも思えるトルク感はそのまま、レスポンスが明らかに向上しているほか、高回転域に至る吹け上がりの気持ちよさもアップしている。
そしてパワーアップのために排気系の設計をリニューアルしたとのことだが、その副産物なのだろうか、サウンドの点でも従来型よりも明らかにダイナミックなものとなっている。特に車両統合設定システム「マネッティーノ」を「SPORT」モードに設定した際のサウンドは、いかにも現代フェラーリを象徴するレーシーなもの。つまり、スーパースポーツとしての資質については、まさにドラスティックというべき進化を遂げていることが確認できたのだ。
フェラーリでは、ピュアスポーツであるミッドシップの458シリーズと、FRのGTであるカリフォルニアとではキャラクターに大きな違いがあるとアピールしている。しかし、これはあくまでシティドライブやワインディングをちょっと楽しむ程度のペースでの話なのだが、FRならではのナチュラルなハンドリングも含めて、458シリーズにも決して負けないほどに官能的なドライビングプレジャーを実現していると感じたのである。
さすがに現代スーパーカー界の絶対王者たるフェラーリが、満を持して送り出した車だけのことはある。その内容は単なるフェイスリフトとは次元の異なる、大規模なものとなっていたのだ。そして、先に述べたメインの改良に加えて、明文化されていない部分でも多岐にわたるアップ・デートが施されていることも分かった。
例えば、フェラーリではカリフォルニアとともに初導入され、現在ではすべてのモデルに標準化されたデュアルクラッチ(DCT)式の7速ロボタイズドMTについて。2009年に乗った最初期モデルでは変速スピードは充分に速いが、エンゲージに若干のショックがあったと記憶している。
ところが今回乗ったカリフォルニア30では、F1マシン的に迅速な変速スピードとダイレクト感を失うことなく、圧倒的なシームレス感を獲得。AUTOモードならば、まるでトルクコンバータ式ATのごときスムーズな変速マナーを見せるようになった。
一方、フェラーリ自慢の「HELE(ハイ・エモーション/ ロー・エミッション)」システムを搭載したカリフォルニアに乗るのは今回が初めてだったのだが、問題のスタート&ストップ機構は、交差点などでブレーキを掛けつつ停車した際にのみ巧みに作動し、余計なところでは介入しない。また再始動時のマナーもよく、非常に練り込まれていることがよく分かる。
また初期型のカルフォルニアでは「ご愛嬌」のごとく、少々のガタツキ感のあった格納式ハードトップの作動も格段にスムーズなものとなっているなど、フェラーリの技術陣は弛まぬ努力により、現時点で考えられる最高のカリフォルニアを提示してきたのである。
ところで、新型カリフォルニア 30では、フェラーリ・チェントロスティーレによるカラー選択にも新たな技術が導入されており、幅広いカラーバリエーションには、2トーン仕上げや3コート塗装、現代的解釈によるヒストリック・カラースキームの再現なども含まれ、パーソナライゼーションの可能性が格段に広がったとのことである。
さらには、7年間無料となるフェラーリ純正メンテナンス・プログラムが標準で提供されることも、今後カリフォルニア30の購入を考える幸福な潜在的ユーザーにとっては重要な変更点と言うべき。
フェラーリ・カリフォルニア30という車は、あらゆる点を勘案しても、スーパーカー界の盟主の地位を謳歌しつつも、常にさらなる高みを目指すフェラーリの「現在」を、如実に示す一台と思うのである。
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