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2008年09月26日
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カテゴリ: 「秘密」詩・小説


 なのですが反省しています。m(_ _)m

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 岡部は薪の眠りをさまたげないように部屋の小さな照明をつけて、
 サイドボードに作ってきたお粥を置いた。
 そして、薪の寝顔をそっとのぞきこんだ。
 薪は熱があるためか苦しそうに眉をしかめて苦悶の表情を浮かべ
 ていた。
 うっすらと開いた唇からは甘い吐息が漏れている。
 寝苦しいのか着ていたガウンの前がはだけてシルクのパジャマの
 隙間から鎖骨が見えていた。
 薪の首は雪のように白く、片手でつかめそうなほど細かった。
 岡部は吸い寄せられるように寝ている薪の顔に近づいた。
 するとその時、薪の閉じた瞳からひとしずくの涙があふれて、

 薪は寝言を言ったかと思うと岡部にしがみついてきた。
 「薪さん。ど、どうしたんですか。起きて下さい。」
 岡部は慌てて薪に言った。
 「鈴木」
 耳元で薪がつぶやく。

 薪の流した涙が頬を伝って岡部の頬を濡らした。
 岡部は薪の髪を撫でながら、優しく引き離して顔を見つめると、
 薪は寝ながら泣いていたのだった。
 「う~ん・・・むにゃむにゃ・・・」
 なおも寝言を言う薪に岡部はため息をついて独り言を言った。
 「薪さん、まだ鈴木が忘れられないんですか。俺じゃダメですか。」
 その時、薪の大きな瞳が開いた。突然、薪の目が覚めたので、
 岡部は動揺した。
 薪は不審そうに岡部をじっと見つめていた。
 独り言を聞かれたかもしれないと思って岡部は真っ赤な顔に
 なってしまった。
 「どれだけ寝てた?何か喋ったか?」
 薪は岡部に尋ねた。
 薪は寝言で何か言わなかったか心配しているようだった。
 「いいえ。何も。」
 岡部は薪を安心させる為に嘘をついた。
 「お粥ができたんで召し上がってください。」
 「うん。」
 「食べさせてさしあげましょうか?」
 「うん。」
 てっきり断られるかと思ったら、素直にうなずかれて、
 岡部はまた真っ赤になった。
 「自分で聞いておいて何を赤くなってるんだ?」
 薪は意地悪く言うと、微かに笑った。
 からかうつもりがからかわれたと知って岡部も笑った。
 「おまえがいてくれて良かったよ。」
 薪は岡部の手をとって言った。
 「薪さん。」
 岡部は薪の手を握りしめて真顔になった。
 「食べさせてくれ。」
 薪も今度は真剣な顔で言った。
 岡部は一瞬、躊躇したが、次の瞬間、魔法にかけられた
 かのようにお粥をスプーンですくっていた。
 岡部がおそるおそる薪の口元にスプーンを運んでいくと、
 薪は大きな瞳をさらに見開いて、スプーンをくわえた。
 そして、ごくりとお粥を飲み込んだ後、媚びるでもなく
 また口を開けた。
 岡部は薪にお粥を食べさせながら、これは何かの儀式の
 ような錯覚に陥った。
 上司にお粥を食べさせているだけなのに、信頼関係以上の
 ものが築けた気がするのは何故だろう・・・
 だがそれはつかの間の幻想に過ぎないことを岡部は悟っていた。
 熱が下がれば、いつもの冷徹な上司に戻るに決まっている。
 この人はただ淋しかっただけなのかもしれない・・・
 赤ん坊のように無心でお粥を食べている薪を見て岡部は思った。
 薪の美しさが男を狂わせることを本人は自覚していない。
 窓から差し込む月の光は二人を照らし、空に浮かぶ月は
 嘲笑うかのように二人を見ていた。
                            (完)

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最終更新日  2008年09月26日 23時07分27秒
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