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メインの鴨は、フランスのロワールの河口あたりでシャラン産の窒息鴨と同じ地域で作られているバルバリー種のメスの若鴨です。鴨はcanardでこれは成鳥のオス、canetteがメスの若鴨ですから、Filet de canetteで若い雌鴨の胸肉という事になります。 ソースのタプナードは南仏風の調味料で黒オリーヴやアンチョビケッパーなどをペースト状にしたものです。タプナードはフランスなら瓶詰や缶詰で普通に売っているのですが、日本にはないので私が作ります。ソースは鶏ガラと牛スジでとった出汁にタプナードを加えてサルディニア島産のオリーヴオイルで味を調えます。アンチョビが入っているので発酵系の魚介の旨味が肉に重なってとても美味しい料理です。 鴨は焼きが肝心です。皮目はしっかりカリカリに焼きあげて、赤身はしっとりと柔らかくしかも生ぽっさは無いように余熱をうまく使った焼き方ですね。自分で言うのもなんですが、、鴨の焼きは私の名人芸ですからね! サンク・オ・ピエの鴨を食べたことがない方は、鴨というと少し硬かったり癖があったり、あるいは生臭かったりというイメージがあるかもしれませんが、私の焼いた鴨は別物ですよ。ワインは、先日試飲会で美味しかったドメーヌ・ビアーのブルゴーニュ、オート・コート・ド・ボーヌです。軽くて綺麗な鴨の味わいと良くバランスがとれていると思います。 フランス料理では色々な鴨を使いますが、このバルバリー種がフランスでは一番多く飼育されています。その中でもメスの若いcanetteが一番好まれます。やはり柔らかいし、脂肪も鴨にしては少なめでさっぱりしていますからね。美味いですよ!
Apr 24, 2015

魚のスープは、要するにブイヤベースですね。鮮魚の頭や中骨を使います。魚は白身魚ですね。今回作ったのは、真鯛、金目鯛、イサキ、クロムツなどを使いました。これら白身魚は中層から深海の魚で種類によって違いますが、海老カニ類やイカや貝類など食べている魚たちなので、良い出汁が出ます。不思議なことに魚だけでとったスープにイカやエビや貝のうま味を感じるんです。これは天然ものの良い魚を使わないとだめです。養殖の鯛の頭なんか安く売ってますが、あんなの入れるともうだいなしですよ。 オリーヴオイルで玉ねぎとニンニク炒めて、フェンネルも入れてから水でよく血抜きした魚の頭や骨を入れて崩れてグスグスになるまで炒めます。そこに水とトマトを入れて煮込みます。良く炒めてあるので30分も煮れば味は出ます。濾したら、サフランを入れて適度に煮詰めて出来上がりです。 ホタルイカは、ピンセットで軟骨やくちばしや目玉を取って掃除してスペインのハライス・デラ・ベッラ産のパプリカなどでマリネしておいたものをスープで温めておきます。スープカップにはあらかじめ薄切りのバゲットのトーストにアイオリソース(オリーヴオイルで作るニンニクマヨネーズのソース)を塗っておいてそこにホタルイカを乗せてスープを注ぎます。仕上げにパプリカとパルミジャーノ・チーズをを少し。 合わせるワインはブイヤベースの本場マルセイユの近くのカシ・ロゼのワイン、定番ですね!ドメーヌ・フェルム・ブランシュ、相川商店のワインです。本場マルセイユでは、かなり粗く漉してどろっとした仕上がりのスープにするのですが、私の場合は目の細かいシノワで漉してさらっとしたスープにします。 美味いですよ!
Apr 23, 2015

フォアグラは今が旬の新ニンジン(四国や九州のものが多いです。千葉は5月の終わりごろかな?)を柔らかくブレゼ(蒸し煮)してクミンシードで香りをつけました。ニンジンの自然な甘さをクミンの甘い香りが引き立てて、フォアグラの味わいを心地よく押し上げます。 この料理はヌーベルキュイジーヌ華やかなりし頃鬼才と言われたシェフ、アンリ・フォージュロン氏の料理を元にしています。オリジナルではクミンの香りを使っていませんが、、、。ワインは、北フランスアルザスのゲヴェルツトラミネール、ちょっと甘くてライチや花のような香りと胡椒やスパイスの風味があるとてもユニークな白ワイン。 アルザス地方は今でこそ少なくなりましたがかつてはフォアグラの名産地でそれに合わせる代表的なワインがゲヴェルツトラミネールです。さらにアルザスにはミュンステールというウォッシュタイプのチーズがありまして、オレンジ色でちょっと湿った感じの皮と乳白色の中身の 新しいうちはクリーミーで食べやすいチーズです。そのチーズにクミンシードまぶして熟成させたミュンステール・キュマンというのがあります。キュマンはクミンのフランス語読みです。熟成させると皮がちょっとネバネバしてきて香りもかなり強くなってきます。そこにクミンの甘い香りがあいまってかなり特殊な味わいなんですが、ゲヴェルツトラミネールのヴァンダァンジュ・タルティヴという遅摘みの甘口ワインを合わせると、究極的マリアージュといわれてますね。凄いです。ちょっとエロいです。フランス人が好きそうな感じですね。まあ、その感じを少しフォアグラにも応用してみたわけです。美味いですよ!
Apr 22, 2015

サンダニエーレの生ハムですね。サンダニエーレは、こちら。(リンクページの下の方に地図が付いています。) ちなみにイタリア生ハムの代名詞のパルマは、こちら。パルマからみるとサンダニエーレはずいぶん北なのが分かります。イタリア半島とギリシャ、ボスニア、クロアチアなどが面するアドリア海の一番奥地で北はもうすぐオーストリアやスイスですから、アルプスの麓ともいえますね。 サンダニエーレの生ハムは、アルプスの冷たい乾いた吹き下ろしの風とアドリア海の湿った暖かい海風の絶妙なバランスが独特の風味をもたらすといわれています。それにパルマよりずっと涼しいので、肉の塩分量が少なめでも保存できるために、生ハムとしては結構薄塩なんですね。それがまた上品です。普通生ハムは塩っぱいですから、50グラムも食べるともう手が出なくなるものですが、サンダニエーレの生ハムなら100グラムくらいいけそうです。そのくらい塩が薄い。 また、血抜きを良くするためにプレスにかけてギターのような形に仕上げるのも特徴で、血抜きが徹底しているためにハムの色合いが淡いピンク色でこれもとても美しく食欲をそそります。 生ハムはいかに薄く切るかが、大切。厚切りなんてとても食えたものじゃありません。私の場合は、刃渡り40センチ近い特大の牛刀で切るのですが、まあ、このやり方はあまり誰もやっていないでしょうね。電動スライサーを超える手切りを目指して、特殊な切り方にはまってしまいました。イタリアの生ハムの輸入が解禁になったのが1996年なのでもう20年近く生ハム切ってますけど、いまだに少しずつは上手になっている気がします。イタリアやスペインから生ハム切りの名人というのが来てのデモンストレーションを何度か見てますが、「これは負けた。」と思ったことはないですよ(笑)さかもとこーひーの坂本さんも「サンクの生ハムに慣れてると、他のところのはたいていイラっとくる。」なんて言います。 生ハムには、今回お勧めワインを3種類用意しました。トゥーレーヌ・シュノンソー・ソーヴィニヨン・ブランはフランスロワールの辛口白、相川商店のお勧めです。私としてはちょっと意外な組み合わせだったんですが、合わせてみると、ロワールの白にしては柔らかくてほど良い濃厚さもあってサンダニエーレの生ハムには良いマリアージュでした。これは、パルマの生ハムやスペインのハモンセラーノではきっと合わないでしょうね、、。実は生ハムとワインの組み合わせはなかなか難しいんです。さて、ワイン。もう一つはやはりロワールのカベルネ・ドゥー・ロゼ。これはほんのり甘いロゼワインで生ハムの塩気とやんわり調和します。良く生ハムにメロンなどのフルーツを合わせますよね。あのフルーツの役目をワインがするわけです。それから、シェリータイプのワインでペドロヒメネスのフィノ。これはスペインバル的定番の組み合わせですね。
Apr 21, 2015

昨年サンク・オ・ピエに初登場で大好評だったサンダニエーレの生ハムが入ってきます。イタリアの生ハムと言えばパルマ産が有名ですが、このサンダニエーレは至宝の生ハムと言われる高級品です。本物の生ハムというのは豚肉と塩だけで作る保存食ですから、結構塩気が強いのですが、パルマよりずっと北に位置するサンダニエーレのハムはややうす塩で味わいが上品で食感もしっとりしてるのが魅力的です。私も去年食べてみて、すっかり気に入ってしまいもうパルマのハムには戻れない気がします。 毎年恒例!4月からの生ハムの導入とそれに合わせた4月5月のコースです。サンク・オ・ピエ4月5月のコース2015ご予約限定メニュー(3日前までにご予約お願いします)4月9日よりスタート、5月末ごろまで¥5800(税別)Prosciutto di SAN DANIELE avec saldeイタリアの至宝!サンダニエーレ産生ハム自家菜園のサラダ添えFoie gras chaud aux carottes nouvelles Parfume cuminsフォアグラのソテー、新ニンジン添えクミンの香りSoupe de poissons provençaux et HOTARUIKA南仏風魚のスープ、ホタルイカ入りFilet de Canette Barbarie poêlée A la tapenade aux olive noire若い雌のバルバリー鴨の胸肉のポワレ、黒オリーヴのタプナード風味Mousse au framboisesSorbet au fraises à la vieille balsamicoPave de chocolat au cassisフランボワーズのムースフランス産完熟イチゴのソルベ、熟成バルサミコ風味カシス風味のパヴェ・ド・ショコラCafe de SAKAMOTO ou Thé 2painsさかもとこーひー4月5月のコースブレンド又は紅茶、2種のパン ホームページもご覧ください! 生ハムは、お昼も夜も通常のコースメニューでご注文いただけます。本当に美味しい生ハムですから、ぜひ召し上がってみてください。
Apr 3, 2015
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