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『ジャンパー』(2007)JUMPER上映時間 88分 製作国 アメリカ ジャンル アドベンチャー/サスペンス/SF テレポート能力を持つ主人公に迫る宿命的な危機を最新のVFXを駆使しサスペンスフルに描いたSFアクション・アドベンチャー。スティーヴン・グールドの傑作SF小説『ジャンパー 跳ぶ少年』を映画化。主演は新スター・ウォーズ・シリーズのヘイデン・クリステンセン。監督は「Mr.&Mrs. スミス」のダグ・リーマン。監督: ダグ・リーマン 出演: ヘイデン・クリステンセン デヴィッド・ライス ジェイミー・ベル グリフィン・オコナー レイチェル・ビルソン ミリー・ハリス サミュエル・L・ジャクソン ローランド・コックス ダイアン・レイン メアリー・ライス ▼『超映画批評』 60点公式サイト 【こんな話】ミシガン州に住むデヴィッドは同級生のミリーに想いを寄せるごく普通の高校生。そんな彼は冬のある日、川に転落してしまう。だが、溺れそうになったデヴィッドは次の瞬間、図書館へ移動していた。自分にテレポート能力があると知った彼は、母が家を出て以来、人が変わってしまった父のもとを離れニューヨークへ。そして、その力を悪用して銀行の金庫から大金をせしめ、自由を満喫するのだった。しかし一方で、デヴィッドと同じ能力を持つ“ジャンパー”たちの抹殺を使命とする組織“パラディン”のリーダー、ローランドにその存在を気付かれ、つけ狙われ始める。10年後、瞬間移動で世界中を旅していたデヴィッドは偶然ミリーと再会、またやがてジャンパーのひとり、グリフィンに出会うのだが…。【感想】息子くんたちとの予定がようやく合って、見ることが出来ました。外はザーザー雨。 こんな日は、のんびり映画鑑賞がうれしいです~。最近、次男くんとは「魔法にかけられて」やら「のび太とどらえもん 緑の○○」など観てましたが、長男くんとは、久々に一緒に観れました~。エジプトのピラミッドや、ローマのコロッセオなど、素敵な場所でロケしてましたね~。海外旅行推進委員会 作品?スフィンクスの頭で日光浴とは、なんと贅沢な~!(笑)コロッセオでのアクションシーンは、まさかまさかホントにやってはいないよね~っと思いつつ観てましたが、。世界的な遺産に傷をつけてはいかんですよ~。。さてさて、このジャンパーは、テレポート能力で世界中ありとあらゆるところに行くことができる。銀行強盗したお金で、好きな場所で好きなことをしてアクセク働くこともない。ホントに夢のような暮らしですよね~。でも、そんな能力は、当然隠さなくてはならないので、孤独です。好きな彼女にも、親にも(そもそも親の愛情に恵まれていないのだが)ヒタ隠し。ともだちだって、当然いません。そのジャンパー達を狩るのが、サミュエル・L・ジャクソン率いる"ジャンパー駆除軍団"。ジャンパーのヘイデン・クリステンセンも、ジェイミー・ベルも、孤独で生い立ちが可哀そうだけど、大きな意味では、その存在はやっぱり、迷惑な存在でしかない。例えば、彼らが人類が滅亡することを望んで、核爆弾を押したくなったら、彼らを阻むことはできない。ささやかな幸せを望んでいるだけのようだけど、一生、そうとは限らないし。狩られる恐怖と隣り合わせに生きているのが、丁度良いのかも。{実はジャンパーとは唯一無二のスーパーパワー=アメリカ合衆国を比喩しているのでは、という驚愕(?)の事実。(他人から奪った金で)豊かな暮らしをする彼らは、平和を愛する穏やかな善意の種族(と自分たちは思っている)。 (略)いまアメリカでは自虐的な自己反省映画が流行中だが、これもその内のひとつということだ。} (映画超評論より)↑ということは、これは「バンテージ・ポイント」とは違う、アメリカ万歳な作品ではないということでしょうかね。東京ロケのシーン、楽しみでしたが、お!渋谷か? とか、地下鉄の「丸の内線」表示とか、やっぱりなんだかうれしかったです。 テレポートの映像などは、迫力があり見ごたえがあり、ロケもおおがかりで、スケールが大きく、映画館で観て損は無い感じでした。
2008年03月21日
『魔法にかけられて』(2007)ENCHANTED上映時間 108分 製作国 アメリカ ジャンル コメディ/ファンタジー ディズニーが伝統のアニメと実写を融合させ、さらにセルフ・パロディやミュージカルなど様々な要素も随所にちりばめて描いたファンタジック・コメディ。魔女に騙され、おとぎの国(アニメーション)から現実世界(実写)に追放されたプリンセスが大騒動を繰り広げる。主演は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のエイミー・アダムス。 監督: ケヴィン・リマ 出演: エイミー・アダムス ジゼル パトリック・デンプシー ロバート・フィリップ スーザン・サランドン ナリッサ女王 ジェームズ・マースデン エドワード王子 ▼『超映画批評』 85点公式サイト 【こんな話】魔法の王国“アンダレーシア”に暮らす心優しいプリンセス、ジゼル。彼女はある日、エドワード王子と運命的な出会いを果たし、晴れて結婚することに。だがその一方、彼らの結婚によって王位を手放すことになるナリッサ女王は一計を案じる。実は彼女の正体は魔女だったのだ。そして結婚式当日、老婆に化けたナリッサはジゼルに接近し、彼女を井戸に突き落としてしまう。やがて、ジゼルが辿り着いた場所は、現実の世界、現代のニューヨークだった。しかし、周囲に助けを求めるものの誰も手を差し伸べてはくれず、途方に暮れるジゼル。そんな中、彼女はバツイチの離婚弁護士ロバートとその娘モーガンに救われるのだが…。【感想】●まったく相反する世界の、ディズニーファンタジーの世界と現代。・ファンタジーの世界からやって来たジゼルは<永遠の愛>の存在しないという現実世界にショックを受ける。・現実世界の弁護士の離婚経験者ロバートはファンタジー世界から来た、非常識な?変人(現実世界では)ジゼルにカルチャーショック。すごいですね~。ディズニー。「シュレック」の製作会社は、ディズニーを皮肉ってたそうですが、本家本元がこんな風に出るとは。●最高に面白いのは、ジゼルを、現実世界では徹底的に浮いた存在に描いちゃってるトコロですね。●ディズニーショーのような歌と踊りは楽しくて、もっと観ていたかったです♪そうは言っても、やっぱり「永遠の愛」。現代人も信じたいですから、ラストの大団円には満足です。観終わって、オーソドックスなディズニー作品を観たくなりましたね~。「美女と野獣」が大好きなので、もう一度、あの、ダンスシーンや、野獣が人間に戻るシーンが観たいです。野獣が、オズオズとやさしい仕草をするところが好きですね~。(^^)登場人物は、注目は「X-man」のスコット、ジェームズ・マースデン。「X-man」ではすっとサングラスでシリアスでしたからね~。ところが今回は、なんと言っていいのやら。。ファンタジーの世界からやってきた、調子ッぱずれな王子。けがれのない笑顔 単純さ 突き抜けるような明るさ 観ている方が恥ずかしくなるような無邪気さです。ちょうど「貧乏メン」の小栗くんのような違和感・・。あの、ちょうちん袖の王子服がウザイくてですね~(爆)。結構、こういう顔が好きだな~と思ったのが弁護士役のパトリック・デンプシー。バツ一で娘と暮してる。冷静で有能な恋人がいて突然あらわれたジゼルにかき回される。男性ふたりを見比べると、どうも、魅力としてはこちらに軍配でした。そしてジゼル。ファンタジックなドレスと、クリクリカールのヘアスタイルを取って現実世界の女性らしいシンプルドレス姿の、なんとも貧弱なのに、ガッカリ(爆)結構、肌につやも無くて。ファンタジー世界のお姫様たちって、ティーンエンジャーのイメージガだっただけに度びっくり。でも、裁縫の腕前はすばらしいですね♪カーテンや敷物から、すばやく自分に似合ったドレスを作っちゃう。それに魔女に、スーザン・サランドン。ものすごくはまってました。魔女メイク、ばっちり。夏木マリさんも真ッ青。
2008年03月20日
『バンテージ・ポイント』(2008)上映時間 90分 製作国 アメリカ ジャンル サスペンス/アクション 一発の凶弾が巡る真実を追った豪華キャスト競演のサスペンス・アクション。大統領狙撃の瞬間を目撃した8人の異なる視点から暗殺事件の真相に迫るさまをスリリングに描く監督: ピート・トラヴィス 出演: デニス・クエイド トーマス・バーンズ マシュー・フォックス ケント・テイラー フォレスト・ウィッテカー ハワード サイード・タグマウイ スワレス エドゥアルド・ノリエガ エンリケ エドガー・ラミレス ハビエル アイェレット・ゾラー ベロニカ シガーニー・ウィーヴァー レックス ウィリアム・ハート アシュトン大統領 ▼『超映画批評』 95点公式サイト 【こんな話】テロ撲滅の国際サミットが開催されるスペインのサラマンカ。大観衆を集めた広場では、アシュトン米大統領によるスピーチが行なわれようとしていた。だが、演説が始まろうとした矢先、一発の銃声が轟き、大統領が狙撃されてしまう。続いて爆発も発生。パニック状態に陥った広場の中で、狙撃の瞬間を目撃した8人は……。【感想】なんの映画を観ようか、時間と相談が必要で、「魔法にかけられて」とどっちにしようか迷いましたが、子どもと観たいものは残しておこうと、これにしたのですが、最初、ちょっと集中できなくて、もしかして、楽しめないかな~なんて、危惧がありましたが、とんでもない。あっという間に引き込まれました。ただ、1人目の視点が終わると、時間が巻き戻って2人目、また巻き戻って3人目という描き方をしているため、途中で集中力が続かなくなりそう。3人目か4人目以降は「またか」と思わされてしまうかも。ちょっとくどいという感想もあるようです。事件の起きる瞬間をゼロ時間として、そこを集約して様々に見せるという手法が好きな人は、飽きずに楽しめるでしょう。たとえば、パッと思いつくものでは、・アガサ・クリスティのミステリ小説『ゼロ時間へ』とか・昔みたパニック映画 旅客機事故の瞬間までの群像劇・アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の一連の群像劇『バベル』『アモーレス・ペロス』『21グラム』などなど。。・タイム・スリップもの『バタフライ・エフェクト』や『デ・ジャブ』これは、もう一度見ようよ、と言われたら、いいよ、と言いたくなる一本でした。時間を忘れました。ただ、まあ、最後に助かる人らを観てみると、「結局、大きな変化はなにもないということだなぁ」と こころのつぶやきがポロリ。大勢死ぬけど、死んで欲しくない人は死なないという一種の大団円。そんなに、その人は重要なのかな?なんてチラリと思えてしまったのは、アメリカ人じゃないからかしら~。俳優で注目は、大ヒットテレビシリーズ『LOST』のマシュー・フォックス。でも、『LOST』のジャックと同じ髪型で、ジャックにしか見えないのがおもしろいですね。なんで髪型を変えてないんでしょう。ちょっと、ロンゲの方がイケメンなのに~。シークレット・サービス役だから?デニス・クエイドの役は、トミー・リー・ジョーンズで観たかった♪どうしても、イメージがだぶりました。(笑)フォレスト・ウィッテカーが、名も無い群集のひとりですが、よかった。冒頭に登場する女性プロデューサー、どこかで観た顔、、っと思っていましたら、シガニー・ウィーバーだったのね!最近「エイリアン 2」を家族で観たのですが、やっぱり、リプリー最高。
2008年03月14日
『クィーン』(2006)THE QUEEN上映時間 104分 製作国 イギリス/フランス/イタリア ジャンル ドラマ 離婚後も絶大な人気を誇ったダイアナ元皇太子妃の突然の事故死という事態に直面し、その対応に苦慮する英国王室の内幕に迫る実録政治ドラマ。予期せぬ悲劇に国民が悲嘆する中、適切な対処を怠りマスコミの非難の矢面に立たされ苦悩を深めるエリザベス女王と、新首相として国民からの信頼獲得を必要としていたトニー・ブレアがそれぞれの思惑を胸にこの政治的難局を乗り切るまでを赤裸々に描き出す。エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめその年の主演女優賞をほぼ総ナメにした。ブレア首相役には「アンダーワールド」のマイケル・シーン。監督は「ハイ・フィデリティ」「ヘンダーソン夫人の贈り物」のスティーヴン・フリアーズ。▼『超映画批評』 40点公式サイト 【こんな話】1997年8月、パリでダイアナが交通事故に遭い、帰らぬ人になった。王家においてダイアナはいつも頭痛の種で、民間人となっていたダイアナの死は本来関係のないことであった。女王はコメントを避けるが、ダイアナを称える国民の声は次第に高まっていく。やがてダイアナの死を無視し続ける女王に、国民の非難が寄せられるようになる。若き首相ブレアは、国民と王室が離れていくことに危機を感じ、その和解に力を注いでいく。誰も知らないが、できれば知りたいダイアナに対するロイヤルファミリーの本音。ダイアナの突然の悲劇からの一週間、良き君主であろうとしてきた女王は、人生を捧げてきた国民から怒りをぶつけられていることを知り、大きなショックを受ける。そんな女王の苦悩を救い、国民と和解させようとするのが、ブレア首相というのが面白い。威厳をたたえる女王だが、本作ではユーモアを失わないチャーミングな女性としての一面も強調している。女王はイギリス国民全員の「愛すべき母」なのだと言わんばかりに。この映画を観た後は、誰もが女王を好きにならずにはいられないだろう。2007年アカデミー賞でヘレン・ミレンが主演女優賞を受賞した。【感想】イギリス王室側の視点に終始しているし、ダイアナ元王妃自身の人柄や功績や、陰謀説、事件の検証などはゼロでした。それでも、エリザべス女王の心境や人柄は、結構同情できました。姑の立場、それも重責の立場の考え方などあるでしょうから、ダイアナさんを苦々しく思う気もちは分かりますね~。感じたこととしては・ダイアナさんとチャールズ皇太子が愛ある夫婦関係だったら、彼女も立派な王妃として問題なかったでしょうに、と感じました。夫婦の問題は当人しか分からないでしょうが、愛情や相性やらに疑問が発生すれば精神的に不安定にもなるでしょう。ダイアナさんが幸せな人生をおくれていたらよかったのに、とあらためて感じます。・パパラッチやマスコミの執拗な追っかけや取材がとにかく大変そう。常軌を逸しているんじゃないかと思います。あんな風にされたら、誰だって自分を守る為には取材に応じたり弁明したりも必要になるんじゃないでしょうか。王室やチャールズ皇太子は、ダイアナさんを守ってあげてたのでしょうかね。・ダイアナさんはイギリスの貴族出身とはいえ、もともと生まれが王室の人と、外の人では、意識や常識が違う気がします。エリザベス女王のような、「国民のために身を捧げる」「イギリス国民を信じている」「国民に愛されている」という同じような、受け止め方をダイアナさんはできたのでしょうか。人々に私生活を覗かれたり、噂の的にされることに苦痛を感じることが多かったのでは。。王室を離れて解放されるかと思えば、また、、というような感じですし。・浩宮さまの「僕が雅子さんを守ります。」っていう言葉が思い出されてなりませんでした。・公にはできない裏の事情が山ほどあるんだろうと、作品のシンプルさに、なおさら感じる一本でした。
2008年03月14日
日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。 待望の最新刊!「貴志祐介」このミステリがすごい2005年版 国内編 第6位日本推理作家協会賞を受賞貴志祐介さんといえばホラー小説。『黒い家』が、なんといっても強烈です。映画『黒い家』1999年
2008年03月11日
首を切り取られた石膏像が、殺人を予告する―著名な彫刻家・川島伊作が病死した。彼が倒れる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏像の首が切り取られ、持ち去られてしまう。悪質ないたずらなのか、それとも江知佳への殺人予告か。三転四転する謎に迫る名探偵・法月綸太郎の推理の行方は―!?幾重にも絡んだ悲劇の幕が、いま、開く。 このミステリがすごい2005年版 国内編 第1位初めて 法月綸太郎作品を読みました。新本格派ミステリー作家の代表的な一人。久々に、探偵の登場するミステリでした。2005年の「このミス」で第1位。強烈な個性や新しさは無いですけど。昔読んだ 海外のミステリを彷彿させられます。ご本人の談によるとエラリー・クイーン心酔者とのこと。エラリー・クイーンはミステリで育った者には親近感です。警視の父を持つ、ミステリ小説家、法月倫太郎。著者の名前そのままに、本のなかで活躍されます。殺人あり、密室トリックあり、被害者の出生の秘密、動機。。「火曜サスペンス劇場」などに出来そうです。(^^)読む前に、期待はずれだったという評価談をいくつか見かけましたが、それほどつまらないとは思いませんです。主人公の綸太郎が探偵役になるとは知らず、父が警視とも知らず、あれよあれよと、事件が進み。。被害者の出生の秘密にまつわるはなしや、亡くなった彫刻家の遺作をめぐる思惑や、最後まで飽きないで読めました。あんまり、都合のよい展開の名探偵の活躍するミステリはちょっと読みたくありませんが、法月さんの初期の作品を全然しりませんので、これから読んでみたいです。1994年の『二の悲劇』(祥伝社)以来、短編集は3冊。「長編恐怖症」に陥っていたそう。「オウム事件、阪神大震災、そして酒鬼薔薇事件と、世間の流れがあまりに速く、作家としての自分の立脚点が分からなくなった」綾辻行人、我孫子武丸らと同じ京都大推理小説研究会出身で、「新本格」作家としてのデビューもほぼ同時期。ホラーにも越境する綾辻氏に対し、あくまで謎解きの“求道者”を貫く姿勢は「悩める作家」とも評される。長編の新刊が出なくなって久しいという法月綸太郎さん。その文体は 村上春樹を彷彿とさせるデビュー作「密閉教室」。名探偵法月綸太郎初登場の「雪密室」。今読むと結構タイムリーな「誰彼」黄金の三部作「頼子のために」「ふたたび赤い悪夢」「一の悲劇」この後の「二の悲劇」短編集の「法月綸太郎の冒険」短編集「パズル崩壊」法月作品はこの順番がおすすめとのこと。短編集「法月綸太郎の冒険」、連作集「図書館シリーズ」のヒロインはとても魅力的なので、重いテーマが苦手な方はこちらから。法月綸太郎(のりづきりんたろう、1964年10月15日 - 日本の推理作家、評論家。本名山田純也(やまだじゅんや)。島根県松江市出身。島根県立松江北高等学校、京都大学法学部卒業。京大推理小説研究会出身で、我孫子武丸、綾辻行人らと交流がある。京都市在住。新本格派ミステリー作家の代表的な一人。協和銀行勤務を経て、1988年に『密閉教室』で江戸川乱歩賞候補になり、島田荘司の推薦でデビューした。[編集] 小説『密閉教室』 『雪密室』 『誰彼』 『頼子のために』 『一の悲劇』 『ふたたび赤い悪夢』 『法月綸太郎の冒険』 『二の悲劇』 『パズル崩壊』 『謎解きが終ったら』 『法月綸太郎の新冒険』 『法月綸太郎の功績』 『生首に聞いてみろ』 『怪盗グリフィン、絶体絶命』 『ノーカット版密閉教室』 『犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題』 [編集] 評論『謎解きが終ったら 法月綸太郎ミステリー論集』 『法月綸太郎ミステリー塾 日本編 名探偵はなぜ時代から逃れられないのか』 『法月綸太郎ミステリー塾 海外編 複雑な殺人芸術』
2008年03月10日
川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大薮春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。 映画 犯人に告ぐ 公式サイトこのミステリがすごい 2005年版 国内編 第8位雫井さん原作の、映画「クローズ・ド・ノート」を以前に観ました。それがきっかけで、雫井さんの本を何冊か読みました。「虚貌」と「栄光一途」。「クローズ・ド・ノート」とはまったく違った一面の作品でした。雫井さんの「虚貌」と「栄光一途」は、それぞれ、一家惨殺殺人事件と、柔道界を舞台にしたドーピング、という、工夫のこらされた事件が題材でした。感想としてアップしなかったのは、なにか釈然としなかった。事件や題材は特異なのですが。で、映画化されるというこの「犯人に告ぐ」。主演は豊川悦司さん。主人公の巻島に風貌やら、似ていますね~。一度どん底に落とされた、また帰ってきた男の、飄々とした風格。ただ、ストーリーは、やはり、なんだか釈然としない。幼児連続殺人事件という、重大な事件だというのに、事件の打破ができないからと、過去に飛ばされた人を、ホントに人材投与するものか?とか、。また、重大事件のトップに、軽薄で経験も無いような人物だけ据えておくものか?とか、ちょっと疑問。ほんとに警察の人事こんな裏事情があるのなら、がっかりです。この頃の、警察への不振という、世間の感情が取り入れています。警察だって、会社と同じで人間が運営しているのだから、完璧ではないにせよ。。幼児連続殺人事件解決へがメインではなく、主人公の周囲の思惑で右往左往しているような、おはなし。右往左往、させるのが巻島の上司の軽薄男。巻島が飄々としていることをよいことに、自分の大学時代に好きだった女のいるマスコミに、事件の内部情報をちらつかせて気を惹こうとする。巻島に敵対心を燃やす、、ワケではないようだけど、お坊ちゃんのエリートで、過去の失態で飛ばされた巻島を軽んじ、飄々とした内側の心情を思いやろうともしない。人間的に未熟で底が浅い姿が徹底的に描かれてますね。全てが終わって、この男もマスコミの女も、失ったものの大きさに呆然としたことでしょうが。全体的に、被害者の家族や、事件そのものは脇役のような印象でしたが、被害者の家族の感情の爆発による〆が、それを補っているかのようでした。<劇場型捜査>という設定は、また特異なテーマですから、映画に映えるでしょうね。ニュース番組内で、現場の捜査官が犯人に語りかける、という。そんな風に進歩的な捜査方法で事件の解決をしようとする割には、終始、警察内の裏切りやマスコミへのリークの方がメイン。裏切る人物の動機がまた、薄っぺらい。ところで、この主人公は、家族に恵まれてます。「犯人や、被害者より、自分の娘の方が大事だ!」大失態を引き起こした、過去のマスコミ対応での発言は、読んでいて辛いものがありましたが、自分が、こういう人の娘だったら、嬉しいだろうと感じます。 夫が重大事件を抱えようがが、窮地に追い込まれようが、淡々とした元婦警の奥さん。佐々木譲作品や、横山秀夫の重厚な警察小説のような、仕事人間と化した孤高の人とは対照的。「虚貌」の犯人の人物像についても、ちょっとどっちつかずな印象で、それに似た感覚です。雫井さんの作品の人物の特長でしょうか。
2008年03月10日
政治家の映るテレビ画面の前で目を充血させ、必死に念を送る兄。山の中で一日中、呼吸だけを感じながら鳥の出現を待つ弟。人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する。ひたひたと忍び寄る不穏と、青空を見上げる清々しさが共存する、圧倒的エンターテインメント。asahi.com: 魔王 [著]伊坂幸太郎 - 書評 - BOOK不気味で不思議な一冊。「魔王」と「呼吸」の二部構成・「魔王」 安藤兄が語り手・「呼吸」 安藤弟の妻:詩織の視点。魔王のラストから5年後の話軽快で爽やかな伊坂作品。この本は、現在の日本の政治と大衆の状況に切り込んでいる異色作です。↑対になっている2作品から成っています。題材はファシズムと憲法改正です。異色作ですが、優しさ、兄弟愛、軽快なテンポはいつも通りの伊坂作品でした。舞台はすべてにあきらめムードが漂う日本。大胆な改革や強硬外交を打ち出す野党政治家:犬養の人気に、主人公:安藤は、漠とした「ファシズムの恐怖」を感じ始める。「死神の精度」の千葉が、さりげなく登場~~。千葉が誰かというのは、「死神の精度」を読めば一目瞭然。今月の金城武主演映画の予告を観たひとでもピンとくるでしょう。(笑)主人公は余命わずかなのかしらね、と思わされます。しかし、千葉の調査がどう出るかは、読み進めなければわかりませんからね。。例外もあるわけで。 「憲法改正を取り上げる」ことも最初から決めていました。単なる予感として、「近い将来、憲法改正の国民投票は必ず行われる」「その時になって、小説で描くよりも、今から先に描いているべきではないか」と考えずにはいられなかったからです(どんな物でも先にやった者勝ちではないか、という色気もあったのかもしれません)。 (伊坂幸太郎 談 抜粋)↑真正面から”政治に取組んだ小説”とされるには伊坂さんご本人恐怖を感じるとの談話がありました。 わたしのような小市民でも、日々のニュースで感じることがあり、この小説で語られる”日本は何処へ向かっているのか?”というテーマには疑問を感じることがあります。伊坂さんの描いた 日本の抱える現実と、主人公の特殊能力という非現実を、不思議に溶け合わせたおはなし。 独特ですね。 ちょっと、スティーブン・キングの「デッド・ゾーン」を連想。 あの主人公の特殊能力は握手した相手の未来が見えるというもの。 終盤、大統領に立候補した男が核爆弾のスイッチを押すことになる人物と知った主人公がある行動をとるわけです。主人公:安藤は、だんだん力をつけていく野党政治家:犬養に、TVを見ていて勝手に危機感を感じます。ムッソリーニやファシズムというイメージが止められない。けれど、「デッド・ゾーン」ほどファンタジー設定が強くなく、安藤の不思議な能力が、直接、国を変えていくわけではないし、大筋に影響もしない。、その後のストーリーの展開や、未来にあいまいさが漂います。でも、この白黒はっきりすぐにつかないのが、より現実感があり、未来がちょっと明るいものに感じる終わり方でした。 これまた、息子にオススメしたい一冊。自分の国を考えるきっかけになっていくれれば。「考えろ 考えろ。。」安藤兄はいつも考えてますから(笑)そして、空を見上げて一時間過ごせるような、大きな心持ちの人間になっても貰いたいです。安藤弟のように。(笑)「魔王」の漫画ジュブナイル作品として大きくリメイク。 伊坂氏の他の小説作品からいくつかの設定が持ち込まれ、氏のファンならば間違いなくニヤリとさせられるでしょう。 「デスノート」以来の傑作というファンの声も。 魔王 1 (1) (少年サンデーコミックス) 魔王 2 (2) (少年サンデーコミックス) 魔王 3 (3) (少年サンデーコミックス)
2008年03月06日
【第44回日本推理作家協会賞受賞】『空飛ぶ馬』につづいて女子大生の〈私〉と噺家の春桜亭円紫師匠が活躍する。鮮やかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線と、主人公の魅力あふれる語りが読後の爽快感を誘う。第四十四回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開する契機となった第二作品集。●収録作品「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」このミステリがすごい1991年版 国内編 第2位円紫シリーズ第2作 日本推理作家協会賞受賞 第2短編集呼吸するように本を読む主人公の「私」を取り巻く女性たち―ふたりの友人、姉―を核に、ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦纏の三編。色あざやかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線が読後の爽快感を誘う。第四十四回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開するきっかけとなった第二作品集。この年の、「このミス」ランキングをみると、以下の通り。1991 年版 1位 『新宿鮫』 大沢在昌 2位 『夜の蝉』 北村薫 *************** 3位 『炎流れる彼方』 船戸与一 4位 『遥かなり神々の座』 谷甲州 5位 『天使たちの探偵』 原 "寮" 6位 『帰りなん、いざ』 志水辰夫 7位 『霧越邸殺人事件』 綾辻行人 8位 『還らざるサハラ』 藤田宜永 9位 『魔術はささやく』 宮部みゆき 10位 『暗闇坂の人喰いの木』 島田荘司 大沢さんの、ハードボイルドシリーズのすぐ下につけて、『空を飛ぶ馬』に続き堂々2位なのですよね~。宮部さんの『魔術はささやく』以外、読んだことない作家さんばかりですが、”殺人事件”と銘打つ題名もあるように、他は、事件や冒険や社会派、ミステリの王道作品、定番が目白押し、。この頃は、宮部さんの作品を夢中で読んでおりました。ミステリジャンルが、活気を取り戻し、いろいろな特色の”派”が生まれたころ、この<日常の謎>派が登場し確立したのですね。軽めのモノが読みたい時にピッタリですよね。キチンとミステリにもなっていますし。【朧夜の底】 友達の正ちゃんがアルバイトする書店で、ふと「私」が見たもの。本が逆向きに置かれている本棚があった。つまり本の題名が読めないような置き方。ただのイタズラ? 別の日には又又、何冊かが逆さまに入れてあった。その後「私」が円紫師匠をその本屋につれて行くと、今度は本と売上スリップが違っていた。スリップが別の本のものに変えられていたのだ。【六月の花嫁】 「私」と大学の学生ら合わせて5人の若者が、軽井沢の別荘に行く。・はじめに無くなったのはチェスのクイーンの駒だった。・次に卵が一つ消えていた。・最後に鏡がなくなった。 鏡はチェス板の下に隠されていた。駒、卵、鏡の三題話の真相は… 【夜の蝉】 ある夜、「私」と姉の2人で深夜ビールを飲む。姉のはなしは…姉の彼氏が、社内の若い女の子に心変わりをしたという。姉は、彼氏に歌舞伎の招待券を送ったが、歌舞伎に現われたのは相手の若い女の子だった。後日、姉は彼に、思いがけず責められる。「悪いいたずらをするな」と。相手の子の元に、彼氏の名前で招待券が送られたというのだ。姉は彼の宛名で招待券を、ほかの会社の郵便物と一緒に会社の前のポストに投函したのに、何故ちがう結果となったのか。
2008年03月06日
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