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『幸せのちから』(2006)THE PURSUIT OF HAPPYNESS 上映時間 117分 製作国 アメリカ 初公開年月 2007/01/27 ホームレスになりながらも愛する息子を唯一の心の支えに、ついには最後のチャンスを掴んで億万長者となった父子の実話を映画化した感動の物語。主演は「アイ,ロボット」「最後の恋のはじめ方」のウィル・スミス。また、主人公の息子をウィル・スミスの実の息子ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスが演じて話題となる。監督は長編5作目にして初の英語作品に挑んだイタリア人監督のガブリエレ・ムッチーノ。1981年、サンフランシスコ。クリス・ガードナーは高級医療機器のセールスマン。しかし不況で仕事は思うようにいかず、愛想を尽かした妻に去られ、家賃滞納で自宅から立ち退きを命じられる。一流証券会社の研修生となり、半年後にたった一人だけ採用となる正社員への道に最後の望みを託す。その半年間は無給。やがて、過酷なホームレス生活を余儀なくされる。ウィル・スミスも おとうさんなんですね~。エイリアンやロボットと闘ってたかつてのヒーローは、となり、金なし、家なし、職なし、女房逃げる、。。しかし、ウィル・スミスより、もっと憐れな人が結構いました。救護院(ホームレスを泊めてくれる教会)で並ぶ人々の多いこと。そして人数制限で、あぶれる人々。彼等に比べたら、彼には数学に強い:健康:息子がいるそして、メシの種 <機械>がある。。(笑)まだまだ、財産があるじゃないかと、思えました。それでも、ねー。とうとう、駅のトイレで息子を一泊させるなんて、ゆーことは、親としてホントに情けない気持ちになったことでしょう~。前半は ジワジワと真綿が絞まっていくように、生活の足元が崩れだしていくのが、きびしかったですね。別に、生活が荒れてる夫婦ではなく、共働きで真面目にやってるのに、あんな風に生活が厳しくなってしまうというのは、高卒の学歴しかないというハンデや、不況、ちょっと夢見がちで甘いトコロがあったのかな?。「高級医療器械」のセールスっていう仕事、ちょっと、不安定でしたね。売れればいいけど、売れないと、買取商品だから、なんの手当てもない。機械のために、全財産かけちゃった。奥さんは、そんな不安定さに疲れきってしまったんでしょう。五歳の時のことって、息子、覚えているかな?実話だそうですが、主人公は、やがては会社を独立、成功したそうですから、映画の内容は、貴重な<思い出>として振り返れるんでしょうね。息子と二人三脚で乗り切った日々と、頑張った自分、アメリカンドリーム。もちろん、二度と、同じ思いをするのはごめんでしょうが。。だてに重い機械を売り歩いてたセールスマン期間だって、無駄な時間じゃなかったでしょう。面接のチャンスを掴んだのも、ドロドロなカッコでも面接が通ったのも、それまでの経験の賜物?なんだって、無駄な経験は無いってことね。それにしても アノ息子くんは、良い子に育ってましたね。きっと、実の親子関係も良いのだろうな、かわいがられてるんだろうな(ハリウッドスターの子供だもんね)、と伺え見えて、ラストと合わせて幸せな気持ちになれました。あのくらいの時、かわいくて仕方ないでしょう。しかし、なんですか、あの税金に罰金に対する処置。政府が税金を 個人の口座から勝手に吸い上げるなんてことするなんて。驚きです。家主にしても、保育士にしても、ドラッグストアの友人、みんな生活のために、カツカツだろうから、主人公に冷たい言葉も仕方ないでしょうが、。要所、要所で、ジワジワ締め上げてくるのが税金関係というのが、なんとも共皮肉。支払いを、一番最後にしてしまいがちで、もう少し待ってくれないか、と期待してしまうモノ。無職無収入なんだし、失業手当を国がくれよ、、ッと言いたいトコロです。今年から、所得税が減る代わりに、地方税がググ~ンと上がる。。なんで、勝手にそんなことするんだ~。(←自分の現実)親子愛、でも、政府の税金処置に ちょ~納得の行かない気持ちでした。ウィル・スミス親子の為の映画。でも、<親子>のあり方について、大切なメッセージがいろいろ伝わってきました。幸せって何かな、って。こどもはなにがあっても、かわいがらないといけないっとか。
2007年01月31日
『どろろ』(2007) 上映時間 138分 製作国 日本 ジャンル アドベンチャー/アクション/ファンタジー 昭和42年「週刊少年サンデー」で発表された手塚治虫の最高傑作とも言われている怪奇漫画を実写映画化したアクション時代劇。妻夫木聡、柴咲コウ主演。失われた元の体を取り戻すため魔物との闘いを繰り返す百鬼丸とそんな百鬼丸をつけ回す盗人・どろろが繰り広げる旅の行方を壮大なスケールで描き出す。監督は「黄泉がえり」「この胸いっぱいの愛を」の塩田明彦。「どろろ」公式サイト 賢帝歴3048年。大地の東の果てにあるその国では、数十年に及ぶ戦が続き、秩序を失った争いと荒廃だけがすべてを支配していた。そこには、戦国の世を憂う醍醐景光という武将がいた。影光は戦乱の世を治める「力」を手にいれたいと願っていた。そして、自らの野望をかなえるため、やがて生まれてくる我が子を48体の魔物に捧げ、見返りとして巨大なる「力」を手にする。かくして生まれた赤ん坊は、体の部位が無く塊のような姿で生まれ、景光の厳命を受けた母・百合によって捨てられてしまう。20年後…男装をした姑息な盗人・どろろは、ある砂漠の街で一人の男に出会う。原作では室町時代が舞台だが、映画では「賢帝歴3048年」という架空の年代が舞台となっている。原作「どろろ」独特の世界観を余すことなく表現する数々の取り組み、それは、日本映画の既存概念を覆す挑戦でもあった。アジアから世界に向けた映画作りの挑戦だ。映画『どろろ』のキャスティングには、日本を代表する俳優たち。百鬼丸とどろろに妻夫木聡と柴咲コウ。日本映画のみならずアジアで人気を誇る2人が、これまで出演したどの作品でも見せたことのない表情とアクションをスクリーンで見せる。2007年、日本は“本物のエンタテインメント”に目覚める。(作品資料より):ワイヤーアクション『HERO』や『LOVERS』のアクションを手がけ、世界的に著名なアクション監督チン・シウトンのもと:音楽 Mr.Children「フェイク」 ボーカルの桜井和寿が本作のために書き下ろした曲。2007年1月24日リリース。40万枚完全限定生産 手塚治虫ファンだったのか、年配のおじさんの姿が多かったです。それに、子供ももちろん。日本の、ファンタジーの実写って、これまであんまりなかったから、めずらしーなーッと思い、見てみました。原作が手塚さんなら、力が入るのは当然かな?しかし、、ニュージーランドロケとは、張り切りましたね~♪「ロード・オブ・ザ・リング」や「ナルニア物語」に続け~ってこと?評判は、役者にもCGにも不評の声が多いようですが。(笑)私はというと、、意外と気に入っちゃったんです!自分探しのテーマが 爽やかだし。父子の対決や、母子の情愛や。手塚さんの普遍のテーマ:『正義』:『勇気』:『希望』などなど、、妻夫木くん、苦悩と迫力の表情がちと足りないし、紫崎さん、いくら泥を塗りたくっても美貌は隠せない。ふたりの演技力が映画の面白さを引っ張ったかな?でも、健闘してました。そう、やっぱり、、どろろは男役のほうが良いのでは?百鬼丸&どろろには、もっと息のあった男同士の掛け合いが観たかった。シリアスの中にコミカルさもっていうと、結構、難度が高いですが。中井さんは、威厳のある、お育ちのよさそうなお声。原田芳雄さんは、渋いですね!素敵です。しかし、手塚さんモノだけに、身体の切り貼り役でした。中村カズオさんは、文句なしですし。原田美枝子さんにエイタくん、と脇役の方がた、適材適所で締めてましたね。『デス・ノート』も面白かったし、今回も漫画原作モノはストーリーがおもしろい。まもなく『蟲師』も公開が楽しみ。
2007年01月29日
内容(「BOOK」データベースより)バーフォード伯爵邸のオールダリー荘へ、映画関係者たちが新作の下調べにやって来ることに。前回の殺人事件ですっかりパーティ嫌いになっていた伯爵も、ごひいきのスターが来ると聞いて大乗り気。娘のフィアンセ候補や遠来の親戚、飛び入りの大女優なども加わって、邸内は大賑わいだが、そこでまたもや殺人が発生し…。前作を上回る上質のユーモアと華麗な推理合戦、二転三転するプロット。復古本格の王道をひた走る幻の「オールダリー荘」シリーズ第二弾、待望の本邦初訳。 感想途中
2007年01月29日
【内容情報】(「BOOK」データベースより)1930年代の英国。バーフォード伯爵家の荘園屋敷に、テキサスの大富豪、大公国の特使、英海軍少佐など豪華な顔ぶれが集まる。やがて嵐の夜に勃発する、宝石盗難事件と、謎の連続殺人。犯人は15人の中にいるはずだが、手がかりは庭に残された、血のついた茹で卵覆い(エッグ・コージイ)だけ…。復古的な舞台立てと、ロジカルな推理、けれん味あふれるトリック、そして意外な結末。70年代に黄金期本格の味わいを復活させた作品として名高い、伝説のパズラーが待望の復刊。 :この年(1988年)の海外編第一位はトレヴェニアンの『夢果つる街』第二位はスコット・トゥローの『推定無罪』本書は18年前に文春文庫から『血のついたエッグ・コージィ』として刊行。当時は冷遇の憂き目に会う。「推理小説黄金期作品の興趣満点の傑作」として華々しく刊行されたが、「文春ミステリベスト10」では欄外。「このミス」では、ほとんど対象外。当時は本格ブームは起きておらず、(綾辻行人はデビューしていたが、北村薫はまだった)本格ミステリーは過去の遺物という冷たいムードだった。18年ぶりの復刊、奇想天外なトリック、「楽しい殺人のおはなしのエレガンス」「豪華絢爛カントリー・ハウス・マーダー・ミステリー」そう、アガサ・クリスティの『スタイルズ荘の殺人』『チムニーズ館の秘密』『七つの時計』などを思い起こせばすぐ分かります。:本格ミステリーの変遷(あとがきより)1930年以降ミステリーの世界観が多様化。ハード・ボイルド、警察小説、犯罪小説、サスペンス小説など様々なジャンルが活性化、ミステリー世界はファンタジーよりもリアリズムを求める気風が強くなり本格ミステリーは古臭い旧時代の遺物となった。「カントリー・ハウス・マーダー」も肩身の狭い存在となる。1940年代本格ミステリー灰色時代1960年代本格ミステリーマインドの作家達の作品徐々に発表。1970年代本格ミステリー作家次々デビュー、復活の動き顕著。テレビ世界の『刑事コロンボ』『エラリイ・クイーン』1980年代 日本でも、本格ミステリー作品の翻訳が次々と始まる。<怒涛の本格ミステリー旋風> 長い暗黒時代を吹き飛ばせ:ジェームズ・アンダーソンこうした流れのなか、「カントリーハウス・マーダー・ミステリー」は、アンティークの域に昇華したと時代を読んだジェームズ・アンダーソンの2作品が本書『血染めのエッグ・コージイ事件』と「切り裂かれたミンク・コート事件』日本では「ジェシカおばさんの事件簿」アメリカのテレビドラマのノべライズで邦訳された『シャーロック・ホームズ殺人事件』『ハリウッド殺人事件』『ホリディ殺人事件』(創元推理文庫)の著者としてのみ紹介されていた。:シリーズ三作目『39個のカフスリンク事件』(もちろん<オールダリー荘>が舞台)が20数年ぶりに執筆された。今度は、集合する人物らは、バーフォード伯爵の親戚一堂。96歳で大往生を遂げた一族の大長老フローレンス大叔母の葬式のため、親戚一堂がオールダリー荘に集まった。そこで一族の秘密を明らかにすると言った矢先、殺人勃発、というもの。アガサ・クリスティー愛好者だった子供時代に読んだ字句、「オリエンタル急行」「パディントン発 ○時○分」「エヴァンズ」、呼ばれてもいないオールダリー荘のパーティーに参加しようと門柱での車事故の演出、事件の夜の登場人物らの秘密の理由・行動などなど。。パワーアップしたクリスティの新刊を読んだような気持ちになれました。■著作・証拠が問題・殺意の団欒・血のついたエッグ・コージイ・切り裂かれたミンクコート事件
2007年01月29日
『サイレントヒル』(2006) SILENT HILL 上映時間 126分 製作国 アメリカ/日本/カナダ/フランス ジャンル ホラー/サスペンス コナミの人気ホラーゲームを「ジェヴォーダンの獣」のクリストフ・ガンズ監督で映画化。廃墟と化した不気味な街に足を踏み入れた一組の母娘を、想像を絶する恐怖が襲う。主演の母親役に「ネバーランド」のラダ・ミッチェル、その娘シャロン役には「ローズ・イン・タイドランド」で注目を集めたジョデル・フェルランド。ローズとクリストファーの夫婦は、9歳になる娘シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。しばしば情緒不安定になり、“サイレントヒル”とつぶやくシャロン。彼女を救う手掛かりを探すローズは、サイレントヒルという街が実在することを突き止める。そこは、30年前に大火災に見舞われた忌まわしい過去のため今では誰も近づかないゴーストタウンと化していた。ローズはクリストファーの制止を振り切り、シャロンを車に乗せその街を目指す。しかしサイレントヒルへと続く狭い道の途中で事故に遭い、ローズは気を失ってしまう。彼女が意識を取り戻したとき、そこにシャロンの姿はなかった。ローズはシャロンの行方を追って、サイレントヒルの奥深くへと彷徨い込んでいく。ラダ・ミッチェルといえば、「メリンダとメリンダ」がおもしろかったです。出演がも総じて同じで、ラブコメ風と悲恋風の、ふたつのパターンで見せてくれるというもの。ラダ・ミッチェルってうまいなーと強く印象に残った作品です。子役の少女は、最近テリー・ギリアム監督の「ローズ・イン・タイドランド」ニ出演。そちらも、ファンタジーだけど、ギリアム監督得意の作風グロ美しい世界観のようですね。この子は、ホラー系ばっかりやるようになるんでしょうか。。確かにホラーな雰囲気の漂う子ですね。ショーン・ビーンは、「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミア、「フライト・プラン」の機長、「アイランド」の所長と、役幅が広い方ですね。舞台はゴースト・タウン、ローズを呼び止める警官が、なにやら怪しげ。大好きなスティーブン・キングの雰囲気から冒頭はじまり、ホラー情緒たっぷり。空からは雪ならぬ、灰が舞い落ち、全体に白っぽいトーンです。会えない夫婦:サイレント・ヒルにひきよせられていく、ローズ(母)とシャロン(娘)。道路を人が横切り、ハンドルを切った瞬間に、車はスリップ、ローズはハンドルに頭を打ちつけて意識を失う。 気が付いた時、隣にいた娘は消えていた。そこはサイレント・ヒルの{入口}。一方、夫のクリスは、ローズを追ってサイレント・ヒルに到着するが、二人は別次元の世界にいるようで、同じ場所にいてもに出会うことができない。この別次元の世界、ローズの身に町の秘密が次々に襲い掛かるのに、クリスには、何事も起きないのだ。クリスはクリスで町の外で調査を始める。:何故、ローズと警官だけが外部から来た人間として、足を踏み入れるコトができたのか?二人に共通するのは 町に入る前に事故を起こしているということです。さらに、町から出る道路が寸断されふたりは町から出ることができない。そこでここは、日常すごしている世界ではないのだろうな、という事がわかる。地獄の業火、煉獄に囚われたモノの世界、<生>の世界と<死>の世界の狭間のようなトコロのよう。。さてさて、このおはなしホラー オチは、・霊モノか・宗教モノか・SFモノか・臨死体験モノか・バイオ(科学)モノか観ている間はも興味が途切れず、観終わってもあれこれとあれは どういうことだったんだろう、っと、話が弾む話の作品でした。 ■ラダ・ミッチェル出演作 他 ■
2007年01月29日
『ブロークン・フラワーズ』(2005)BROKEN FLOWERS 上映時間 106分 製作国 アメリカ ジャンル ドラマ/コメディ 鬼才ジム・ジャームッシュ監督がビル・マーレイを主演に迎えて贈る哀愁漂うオフビート・コメディ。かつてのプレイボーイが、自分の息子がいるという差出人不明の手紙を手に、昔の恋人たちを訪ねる旅に出る。主人公の元恋人役でシャロン・ストーン、ジェシカ・ラングら豪華女優陣が登場。カンヌ映画祭審査員特別大賞(グランプリ)受賞作。元プレイボーイのドン・ジョンストン。中年となった現在も勝手気ままな独身生活。そんなドンに恋人は愛想を尽かして出ていった。そこへ、差出人不明のピンクの「手紙」。“あなたと別れて20年、あなたの息子はもうすぐ19歳になります” 親友のウィンストンは、当時付き合っていた女性たちを訪ねて回る旅を段取る。気乗りのしないドンを強引に息子探しの旅へと送り出す。カンヌ国際映画祭(2005) 審査員特別グランプリこの時のパルム・ドールは「ある子供」でした。女性をうっとりさせてくれた プレイ・ボーイの代名詞ドン・ファンが年をとったら?ジャームッシュ仮説の 年を取ったドン・ファン。多くの女性を夢中にさせてきた、けれど、後世に残るものナシ。過去の女性(夢砕けた花たち:ブロークン・フラワーズ)を訪ね歩く。でましたね~。ジム・ジャームッシュの脱力系。。初期のジャームッシュ作品のストーリーの無さ、そっけなさには、付いていけず、『ダウン・バイ・ロー』だったかな、かろうじて2作品見たきりでした。それに比べれば、今作はストーリーもあるし、色も付いてる(笑)そ・れ・で・も、三回寝てしまいました。、、でも、ラストまで根性で観て、、良かったです。ラストは、かなり物悲しいですが、人間の、哀れさ?というのか、ジワジワ~っときました。ビル・マレーのアップとともに。ホント、覇気の無い中年男です。ドン・ジョンストン(ドン・ジョンソンではない)。終始、無表情ですし、自分の人生を振り返るようなセリフも一切言わない。そのかわり、過去の女性たちを「息子」の情報を得るために訪ね歩く。彼が女たらしになったのは、名前のせいから始まったのかしら。何故、現在の恋人と、結婚・子作りをしたがらないのだろう。(←ドン・ファンだから?)失った時間は取り戻せないことに気づいて後悔するのか。彼はこれから、「手紙」に書かれた年頃の青年を見るたびに、何処かにいるのかもしれない息子に思いを馳せるのだろうか。。あ~哀れなり、ドン・ファン、、、。ジョニー・デップの演じた「ドン・ファン」は魅力的でした。精神的にあぶないのか?自分の妄想の世界で生きているのか?という青年でしたが、病院の先生(マーロン・ブランド )に若さを取り戻してくれる。捉えどころの無い一種の<妖精>のような描き方でした。「幻の息子」を、これからも、追い求めるのか。自分に視線を向ける青年を、観るたびに、「息子」か?と思う、、かなしすぎますねー。いるならいる、いないならいない、ハッキリして~っと思いそう。それとも「実物の息子」を持つことを決心するのか。出て行った、恋人からの「手紙」もピンクの用紙に 赤いインク「今でも 愛しています」 結局、この騒動は、彼女が仕組んだ茶番劇?それか親友が?
2007年01月25日
資産家の老婦人、マチルダ・ギレスピーは、浴槽に横たわって死んでいた。睡眠薬を服用し手首を切るというよくある自殺の手段。だが、現場は異様な光景で自殺死に疑問が。野菊や刺草で飾られた禍々しい中世の鉄の拘束具「スコウルズ・ブライドル」が、死者の頭に被せられていた。これは何を意味するのか?英国推理作家協会ゴールドダガー賞受賞作。 「このミステリーがすごい! 1998年版」海外編 第4位表題の「スコウルズ・ブライドル」とは、中世における鉄製の拘束具で、当時の口やかましい女に罰として頭にかぶせ、咬ませもので舌を押さえつけるために用いられた。ふたたび”館”もの。 かなり性格のねじれた老婆、その周囲の人々との関係、過去です。やがて他殺と判明していくが、莫大な遺産は娘と孫娘にいかず、生前親交のあった女医セアラに贈るとの遺言。不可思議な殺され方、遺産問題、動機、ヒロインのセアラは 事件と別に夫ジャックとギクシャクしているので、このカップルはしょっぱなから壊れるのだろうか、と思うのだけど、単純ではなかったのうれしかったです。夫のジャックはいわゆるヒロインに協力するとかかっこいいといったヒーローらしい範疇には無いのだけど、はじめから夫婦での登場だし、一癖も二癖もある芸術家タイプ。犯人でもあり得る設定もあり。クーパー警部や上司チャーリー、隣人夫婦、孫娘、、それぞれのキャラクターも、味がありました。わたしは、「女彫刻家」の犯人と同じような犯人を予想していて、外れてしまいました。中盤ころからが 面白くなりました。シェイクスピア作品(とくに『リア王』)の頻繁に引用。性格のねじくれた老婆、の内面が徐々にはがれて行く。彼女がそうなってしまった理由は悲しい。ジャックの絵を見て「本来のわたしは、こうだった筈」と涙するシーンは、胸が痛みました。ラストのページも、あれが彼女の人生のその後を決定づける出来事。人生の原点ともいう核たる場面。 日記が逆行していく手法で、彼女の内面が語られる。 『屍鬼』 小野不由美 の”若御院”の内面が、時折挿入される作中作より、はるかに分かりやすかったです。 ■著作・『氷の家』 CWA 英国推理作家協会最優秀新人賞(1992) ・『昏い部屋』 ・『女彫刻家』 MWA アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞(1993) ・『囁く谺』 ・『鉄の枷』 CWAゴールドダガー賞(1994) ・『蛇の形』 Pelle Rosenkrantz Award(2002 デンマーク)
2007年01月25日
(「BOOK」データベースより)邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。冷蔵庫の出現にともない保冷庫としての役目を終えていたそこで、不意に死骸が発見される。胴体は何ものかに食い荒らされた、無惨な死骸。はたしてこれは何者か?…ここにはすべてがある。悲嘆も歓喜も、幻滅も信義も。これはまさに人生そのもの、そしてミステリそのもの。ミステリ界に新女王の誕生を告げる、斬新なデビュー長編!CWA最優秀新人賞受賞作。 CWA(イギリス・ミステリ作家協会)賞 1992 ジョン・クリーシー記念賞 「このミステリーがすごい! 1995年度」 海外編 7位 「フレッド・フィリプスがはしっている」書き出しから、ひきつけられました。屋敷の庭師が 太鼓腹をゆらしながら、フーフー言いながら走ってくる様に、”三人の女性”が悠然と、でも驚いてみている。イギリスミステリに欠かせない”館”もの。十年前に当主が失踪したストリーチ邸。屋敷に住む女性たちは、何故か村人たちから“三人の魔女”と嫌われている。妻が当主を殺害したのだろうという疑いが晴れないまま十年の歳月が経っていた。そして今回、またも屋敷の敷地内で遺体がみつかり、十年前の未解決事件がまたも蒸し返されていく。”魔女”と言っても、もちろん、ファンタジー・ホラーものではないから、ただの村人からのあだ名。ミステリアスな女性たちです。屋敷も孤立し、どんな事件、秘密を抱えているのか、それとも全くの潔白なのか。今回の遺体は 本当に当主なのか?彼女たちや登場人物たちには、だんだん親近感が湧いてきます。捜査の進退もおもしろく、ラストで語られる、彼女たちが追い込まれた状況や、背景、取らざるを得なかった 悲しい手段なども、ドンデン返し、種明かしがうれしい。■著作・『氷の家』 CWA 英国推理作家協会最優秀新人賞(1992) ・『昏い部屋』 ・『女彫刻家』 MWA アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞(1993) ・『囁く谺』 ・『鉄の枷』 CWAゴールドダガー賞(1994) ・『蛇の形』 Pelle Rosenkrantz Award(2002 デンマーク)
2007年01月25日
『ディパーテッド』(2006) THE DEPARTED 上映時間 152分 製作国 アメリカ ジャンル サスペンス/ドラマ/犯罪 大ヒット香港ノワール「インファナル・アフェア」をハリウッドの豪華スタッフ・キャストでリメイクした犯罪サスペンス。警察に潜入したマフィアの男と、マフィアに潜入した警察の男、そんな対照的な2人を待ち受ける皮肉な運命を、重厚かつリアリティあふれる演出でスリリングに描き出す。主演はレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン、共演にジャック・ニコルソン。監督は「グッドフェローズ」「アビエイター」のマーティン・スコセッシ。監督: マーティン・スコセッシ 製作: マーティン・スコセッシ ブラッド・ピット 出演: レオナルド・ディカプリオ ビリー・コスティガン マット・デイモン コリン・サリバン ジャック・ニコルソン フランク・コステロ マーク・ウォールバーグ ディグナム マーティン・シーン クイーナン レイ・ウィンストン ミスター・フレンチ ヴェラ・ファーミガ マドリン アレック・ボールドウィン エラービー アンソニー・アンダーソン ブラウン マサチューセッツ州ボストン。コリン・サリバン:マフィアのボス:コステロに育てられ、スパイとなるべく警察に送り込まれた。コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わる。ビリー・コスティガン:犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志す。その優秀さを買われ、マフィアを内部から突き崩すべく、コステロのもとへ潜入するという極秘任務を命じられる。同じ警察学校に学んだ2人は、互いの存在を知らぬまま、共に優秀な成績で卒業、それぞれの組織で潜り捜査を開始する。それぞれに緊張の二重生活を送るビリーとコリンだったが、ついに警察、マフィア双方ともに内通者”ネズミ”の存在をかぎつけ、2人は窮地に追い込まれていく。スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」と「アビエーター」みて無いんですよ。しまったね~、こりゃ。映画を観ての一番の感想でした。監督といえば「タクシー・ドライバー」?でも、あれは、年代の差を知らされるだけ。ロバート・デニーロも若すぎる。見直したら相変わらず、ズシッとくるでしょうが。「グッド・フェローズ」は鮮烈でした。、レイ・リオッタ、ジョー・ペシ、マフィア界の狂いじみた常識、慣習、暴力での解決。マフィア界を赤裸々に見せてくれました。でも、やっぱり最近のスコセッシ2作品を見なくてはね! ”暴力と芸術が混同したような作風”というスコセッシ世界をより理解するには。 今回はその芸術性は、あんまりなかったようde、かわりに音楽がすごくてうるさいくらいでした。 音楽にかなり凝ってたようです。音楽に造形の深い監督は 良い作品も多いですね。タランティーノにしても、クリントイーストウッドにしても。 スコセッシ監督は自身はイタリア移民の係流だそうですが、「デパーテッド」ではイタリアマフィアがデカプリオにボコボコにされてました。絶対アイルランド系かと思いましたよ。そうそう、ニューヨークの警官や消防士はアイルランド移民の子が多いんですよね。新教徒の国アメリカに後からやってきたカトリック教徒であるアイルランド人は、イタリア人移民同様、大変な差別を受けました。危険で皆がやりたがらない職業につくしかなかったという事実も、もう一つの理由のようです。もちろん今では誇りある仕事として尊敬を込めてアイリッシュが多い仕事として語られています。アメリカで最も有名なアイルランド系アメリカ人と言えば故ジョン F. ケネディー大統領。映画の冒頭で ニコルソンが「ケネディが大統領になるまで、アイルランド移民は~~~」というくだりがありました。「ディパーテッド」は、スコセッシ監督の描くアメリカ史、ニューヨークのアイルランド移民の徒党、イタリアンマフィア、チャイニーズマフィアなどの、ギャングの歴史の傍流の人物のお話に見事に仕上げたと思います。オリジナルは未見ですが、当然韓国が舞台で、韓国のマフィア&警察の話だったでしょうね。オリジナルに惚れこんだのは、この脚本は舞台を何処に変えても、通用する点だと思いました。監督の中のアメリカ史に組み込むにぴったりだと。 スコセッシ監督作品 見逃してるのを見直さなくちゃという気にもなりました。オリジナルは、いつか機会があったら観てみましょう。さて俳優陣、デカプリオ役のマフィアヘの潜入捜査官の戦々恐々した心理、よく伝わってきましたね。対する、マット・デイモン役はのんびりしたもので。血、暴力、銃、スパイ、裏切り、、正直好きではないし、関係者一同の末路も、観終わって爽やかさまったくナシ。楽しみだったニコルソンですが、マフィアのボスって、こんなに気軽に彼方此方出歩いてるの?ッという感じ。ニコルソンの演じたボスは、イタリア系のゴッド・ファーザーのように、奥の部屋で葉巻をふかしているだけではなく、自身も取引場にいくし、血も浴びるという人でした。 アイルランド系マフィアはそうなの? そんなフットワークの軽いボスを ニコルソンは生き生き演じてましたね。ちょっとおじいちゃんになりすぎましたね~。お疲れではないでしょうか。デカプリオとデイモンのどっちがどっちの役をやるのかな~っと思いましたが、美味しい役をデカプリオをやっている感じが否めません。それに、ヤクの取引を傍受する州警察のシーンで、ふたりの”ネズミ”はハラハラする、見せ場の割りには緊迫感が薄い。 さらにいえば、ふたりの”ネズミ”の対決シーンも、「プライベートでは、仲良しなんだろうな、この二人」、、なんて余計な雑念が、、。(・。・;)オリジナルを知らないので、比べてどうの、、という苦労がなく、スコセッシワールドを堪能できました。三部作になるなら、楽しみです。是非、みたいですね~。■「ディパーテッド」、三部作へ向け始動? 2007/01/22 アカデミー賞でも本命と目されるマーティン・スコセッシ監督サスペンス「ディパーテッド」について、出演者の一人マーク・ウォールバーグが、オリジナルの「インファナル・アフェア」シリーズ同様三部作になる可能性を示唆した模様。スコセッシ監督もその可能性を検討中とのことで、関係者も新たに加わるキャストとしてロバート・デ・ニーロを含む何名かとは既に接触しているとのこと。
2007年01月23日
『ラッキーナンバー7』(2006) LUCKY NUMBER SLEVIN 上映時間 111分 製作国 アメリカ ジャンル サスペンス/犯罪 二転三転する巧みなストーリー展開と豪華キャストの共演で贈るスタイリッシュ・クライム・アクション。不運続きの主人公が対立するギャングの抗争に巻き込まれていくさまをユーモアを織り交ぜテンポ良く綴ってゆく。主演は「パール・ハーバー」のジョシュ・ハートネット。共演にブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレー、ルーシー・リュー。監督は「ギャングスター・ナンバー1」「ホワイト・ライズ」のポール・マクギガン。ニューヨークの空港に現れた謎の暗殺者グッドキャット。彼が語るのは20年前の幸運のナンバー「7」をめぐる陰謀だった。そして舞台はニューヨーク。仕事をクビになり、アパートはシロアリにたかられ、恋人に裏切られ、不運続きの青年スレヴンは、空港に降り立った。友人ニックを頼ってニューヨークへとやって来たのだ。しかし今度は強盗に襲われ鼻を折られる始末。しかも、ニックは不在。そこへ、ニックを狙ったギャングが押しかけてくる。人違いで、拉致されてしまう。親玉“ボス”のところに連れて行かれ、ニックの多額の借金の返済を迫られ、それを帳消しにする条件として、敵対するギャングの親玉“ラビ”の同性愛の息子を殺害することを強要されてしまう。アパートに戻った彼は、隣人の女性リンジーとニックの行方を捜し始める。ニックは何処にいるのか。グッドキャットの狙いとは。二大ギャングの抗争はどう決着するのか。人違いは、解決するのか。毎週金曜に、小倉さんの朝の番組でやってるお○ぎさんの映画コーナーで、先週紹介されていた「ラッキーナンバー7」「これ、最初は、見てて、殺人が起きたり 男が空港で話してたり、なんかはなしがつながらなくて、あたしってばか?あたしって馬鹿?!(@@)って思うんだけど、オチが分かった時には、WA~!☆♪ってなって、MA~ってなって☆!もう、おもしろいのよ~!! 是非、観てください。オススメです。」って、言ってたので、行って来ました~(^^)ほんと~♪ よかったですよ。期待は裏切られずでした。 「ブラック・ダリア」(原作)につづき、サスペンスの男になってますね~ジョシュ君♪鼻が折れてて 鼻血ブ~顔が、なんてキュートなんでしょう。(笑)そして、ブルース・ウィリスさん。熱い男か、冷たい男のどっちかしかやらないの?ッと思う人ですが、今回は冷たい男でした。モーガン・フリーマンとベン・キングズレーが、マフィアの二大ボス。なんとぜ~ったくな!ルーシー・リュー へんな中国人役ではなく、素敵にヒロインやってましたね~。意外。彼女の出演作では、ワイン好き男ふたり旅の「サイドウェイ」での、あの嘘つきナンパ男へをキックとパンチのバコバコシーンが 一番傑作でしたが、今回塗り替えられたかもです(爆)。コトの真相はなんなのか?怪しい人物は誰なの~ッ。ドンデン返しものなので、そういう意味でとっても楽しめましたし、俳優陣も豪華で、なんでコレが全国ではないのか?っという気がします。10年かけて書きあげたという脚本がうまいです。途中でトイレには行けません。「デパー・テッド』の前に、気になってた作品でしたから先に観ることにしました。さてさて、次はデカさんを見に行きます。っというより、ニコルソンが楽しみです♪ 原題は「ラッキーナンバー・スレブン」。 7ではないのですよね。このスレブンが、最後の方で謎解きされます。
2007年01月22日
出版社/著者からの内容紹介母と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所に血まみれの抽象画を描いた女。彼女には当初から謎がつきまとった。凶悪な犯行にも拘らず、精神鑑定の結果は正常。しかも罪を認めて一切の弁護を拒んでいる。わだかまる違和感は、いま疑惑の花を咲かせた……本当に彼女なのか? MWA最優秀長編賞に輝く戦慄の第二弾!「このミステリが面白い 1996年版」 海外編第1位この年の、第2位が「少年時代」 ロバート・R・マキャモン が、素晴らしかったので、それを抜いて第一位に輝いた「女彫刻家」はどういう本だろうかと、気になってました。この本の前に「氷の家」でデビューしてCWA 英国推理作家協会最優秀新人賞を受賞しており、イギリスの女流ミステリの新しい女王と、人気と評価がうなぎのぼりの時だったようですね。ロマンス作家も経験している。ミネット・ウォルターズ、書店ではよく見る名前です。「このミス」でも常連さん。とても読みやすかったです。あとがきにもありましたが、「羊たちの沈黙」を軽くしたような。もちろんレクター博士が至上最大の異常者で、今作のオリーヴ・マーティンより恐ろしさの点では格が違いますが。女流作家本らしくロマンスも不可欠、そういう点も共感もしやすいし、登場人物やストーリー運び、事件の謎、と多方面で充実、いろんな読者が満足いくように、出来ているようです。オリーヴ・マーティンは、5年前に自分の母親と妹を撲殺し、その死体を切り刻んだ罪で無期懲役に服している28歳の女。身長180センチ、体重165キロの巨体の彼女は「女彫刻家」とあだ名されている。この事件を本にするようにエージェントから命令されたフリーライターのロザリンドはいやいやながら面会に行くが、思いもよらない高い知性を垣間見せるオリーヴに興味を持つ。オリーヴは事件当時、自白、裁判中も罪を認めていた。ロザリンドには、事件については語ろうとしない。けれど、彼女との面会を心待ちにしている様子。ロザリンドは調査していくうち、いろいろな矛盾に気づく。オリーヴは無実なのではないか。 過去の事件を洗いなおして、犯人の無実を晴らそうという、作家のヒロイン。自身の私生活も立て直しへ。ヒロインものでは、よくあるストーリーです。でも、飽きさせないのがこの人の凄いトコです。ただ今は、「氷の家」同じくミネット・ウォルターズにとりかかってます。同じ作家に食傷せずに、つづけて読める人には、久々に出会いました。女性作家による、女性読者のための、女性ヒロイが活躍するで、女性翻訳家のミステリ本。4Fというそうですね。■著作・『氷の家』 CWA 英国推理作家協会最優秀新人賞(1992) ・『昏い部屋』 ・『女彫刻家』 MWA アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞(1993) ・ 『囁く谺』 ・『鉄の枷』 CWAゴールドダガー賞(1994) ・『蛇の形』 Pelle Rosenkrantz Award(2002 デンマーク)
2007年01月22日
『キングス&クイーン』(2004) ROIS ET REINE KINGS AND QUEEN 上映時間 150分 製作国 フランス ジャンル ドラマ/コメディ 「そして僕は恋をする」のアルノー・デプレシャン監督が、別れた一組のカップルのその後の物語を並行して描きつつ、悲劇と喜劇が混在する複雑な人生の有り様を巧みな構成で語るコメディ・ドラマ。主演はデプレシャン作品の常連、エマニュエル・ドゥヴォスとマチュー・アマルリック。共演にカトリーヌ・ドヌーヴ。 ノラ・コレトルはパリで画廊を営んでいる35歳の女性。3度目の結婚を控えた彼女には最初の亡き夫と間に息子が一人いる。今は息子は実家で彼女の父親と暮らしている。父親の誕生日に実家へと戻った彼女はそこで父親が体調が芳しくないことを知る。この日も下血をした父親はすでに取り返しの付かない末期癌に侵されていた。彼女は悲しみの中で父との最期の日々を過ごしていくことになる。そこで湧き上がってくるものは多くの思い出だった。 ヴィオラ奏者のイスマエルはこの日も国税局の人間から逃げ回っていた。そんな彼の家の玄関をノックしたふたりの男は彼を精神病院へと放り込んでしまう。彼は自分が正常であることを訴えるが聞き入れられない。それは彼が「第三者による措置入院」で精神病院に放り込まれたからだった。しかし、そうした環境の中でも彼は自分にとっての楽しみ、居心地のよさを獲得していく。 父の死の中でノラは婚約者とはうまくいっていない息子の行き場所を心配していた。彼女が思いついたのはイスマエル。息子は彼にだけはなついていたのだった。ノラはイスマエルの居場所を見つけ、事情を話しに行くのだが。 題名のキングス&クイーン とは、-王様たちと王女様- の物語 という意味で、主人公が王女様。 彼女にとっての王様たちは、<父親><息子><前の彼氏><今の彼氏><息子の父親>になるはずだった彼氏、その他の付き合ってきたであろう<彼氏たち>。。王様たちと王女様といってもコスチュームものではなく、あくまで比喩で現代の普通の男女の物語です。アルノー・デプレシャン監督の『そして僕は恋をする』が公開された時は“フランソワ・トリュフォーの再来”と大きく取り上げられたそうです。物語は、ノラのパートとイスマエルパートが交互に語られます。二人の時間はピッタリ半分の時間配分。そのせいか、間延びして感じるところも。ノラがシリアスで、イスマエルがコメディ色で構成されているそう。(だそうですが、あんまりコメディ感は感じられません。)まずは、イスマエルがほんとに正常なのか、異常な人物なのか?と最初判断に迷いました。精神病院に入るエピソードでは、ただの駄々っ子のよう、お騒がせ人物のよう。魅力なし。ちゃんとした大人とは思えない。。 けれど、病院を出てからは、誰が自分を病院に入れたかを知り、服装などもキチンとしてきて、以前の自分の傲慢さが、いかに周囲に嫌われていたかなど、知る。精神病院で知り合った女との関係が、何故成立するのか疑問ですが。、ノラの息子の会話では、すごいいい事をたっぷり言います。思わずメモして、自分の子にも語ろうかと思ったくらい(笑)。ノラのパートは、父の死が最大のシリアス部分。彼女の父は作家で、死の床にありながらも最後の作品へ情熱をそそぎ、死を恐れている。ノラへの父からの遺書は、戦慄が走りました。作家の父からの娘への苦言。あのえぐるような文は、愛し合う親子だからこそ、読んで理解可能なのでしょうか。深くて知的すぎです。父がいいうほどノラはひどい娘ではなく、普通の女性で、実の父だからこその言葉。 ノラと父との親子関係、ノラの男性たちとの関係は、若い頃のノラと現在のノラはずいぶんイメージが違います。性格も服装も。。ちょっと違和感でした。 ノラは母になり、息子の戸籍問題を闘い、画廊を開いて、大人な女性になっているのですが、父の死でさらにまた成長したようです。それにしてもお国柄の違いか、日本では無さそうな展開にも戸惑いました。「第三者による措置入院」というのも聞き慣れないし、息子を10日間も預かってくれる教師とか、さらに一番不思議に感じたのが、既に没関係になっている、元彼に息子を「養子」にして欲しいと考えるあたり。理由は息子が懐いていたから、なんて。。ちょっとわかりずらい感覚です。芸術家の感性なのか、ノラの独自の感性なのか、フランスの自由な思想の感性なのか?エマニュエル・ドゥヴォス、「リード・マイ・リップス」や「パリの確立」、「真夜中のピアニスト」などより断然、綺麗に、貫禄ついてきてますね~。貫禄といえば、カトリーヌ・ドヴーヌが精神科の女医さん役で出てますが、なんで、こんなに色っぽいの~っという感じです。すごく洗練されていて、ただ座ってイスマエルのわめき話を聞いているだけ。そして、、何故、ノラと手をつないで病院を歩くのか? 初対面のはずなのに、淡々とした表情で、、。やっぱりバター文化の国の所作が良く分からない、、と感じました。ノラが息子を迎えに行くシーンで、「亡き王女のパヴァーヌ」(ラヴェル)が流れていたのですが、とてもゆったりとした良いシーンでした。観る人がみれば いろいろに詰まっている映画なんでしょうが、自分は消化し切れなかったかな~という感じです。
2007年01月21日
『ウエディング・クラッシャーズ』(2005)WEDDING CRASHERS 上映時間 119分 製作国 アメリカ ジャンル コメディ/ロマンス 全米で2億ドルを超えるメガヒットを記録した日本劇場未公開の痛快ラブコメディ。主演は「シャンハイ・ナイト」のオーウェン・ウィルソンと「ドッジボール」のヴィンス・ヴォーン。共演に「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムスとクリストファー・ウォーケン。監督は「シャンハイ・ナイト」のデヴィッド・ドブキン。他人の結婚式に忍び込んでは女の子をナンパするおバカなお調子者コンビそれぞれの恋の行方をコミカルに描く。2006年のMTVムービー・アワードでは作品賞を含む3部門を受賞した。プレイボーイのジョン(オーウェン・ウィルソン)とジェレミー(ヴィンス・ボーン)は離婚調停人の仕事をしているが、週末になるとロマンチストを装い、呼ばれてもいない結婚式に行っては花嫁の付添い人をターゲットにナンパを繰り返していた。そんなある日、二人はいつものように結婚式に行き、怪しげな政治家(クリストファー・ウォーケン)の娘クレア(レイチェル・マクアダムス)と出会い恋に落ちる。しかし、クレアには婚約者がいて……。オーウェン・ウィルソン & ヴィンス・ヴォーン というコンビ、軽妙でしたよ。ヴォーンは、ドンドコドンの山口さんに似ているな~とおもいつつ。。(笑) 結婚式荒らしというト書きを読んで、数々の披露宴をぶち壊すのか?ッと思いましたが、そんな物騒なことはしないのですね。単に、うまい料理といい女をナンパするのが目的。二人の熱い趣味なのです。パーティーは凄く盛り上げるし、女受けしようと、子供を手なずけるなど、面白おかしいです。 レイチェル・マクアダムスやクリストファー・ウォーケンがいますが、ちょっと添え物的でした。ウエディング・コメディということで、実に軽く楽しめます。この作品が、公開当時「チャーリーとチョコレート工場」を抜いて一位だったのというのは驚きますが。。ただR15指定だったそうですけどね。日本では公開もしてないし。内容的には、やっぱり日本では受けなかっただろう、、という感じです。オーウェン・ウィルソン & ヴィンス・ヴォーンも、日本ではジョニーほどの知名度はないですしね。レイチェル・マクアダムス、可もなく不可もなくといったところでしょうか。彼女の魅力が一番見れるのは、「君に読む物語」だと思います。「ミーン・ガールズ」や「幸福のポートレート」でも、意地悪振りがうまく出てましたが。ウィル・フェレル がでてきて、噴出しちゃいました。この人の、面白いような寒いような、ウドの大木的大げさな三枚目の味は、だんだん癖になりそうです。(爆)オーウェン・ウィルソンが、いままで一番爽やかに感じました。”パーティー荒らし”初めて こんな言葉を知ったのは、イーヴリン・E. スミス『ミス・メルヴィル』シリーズです。 著者: イーヴリン・E.スミス /長野きよみ 出版社: 早川書房 名家の生まれだが貧乏暮らしのミス・メルヴィルは突然、収入源である美術教師の職を失ってしまった。パーティーにもぐりこんで食費を節約してはいるものの、生活は苦しくなるばかり、ついに彼女は自殺を決意した。ところが、ひょんなことから射撃の腕を見込まれて、フリーの殺し屋として働くことに…お嬢さま育ちのオールド・ミスが繰りひろげる痛快な活躍。ニューヨークを舞台に、軽妙なタッチで描くシリーズ。 アメリカ、それも、ニューヨークといえば、華やかなパーティーが様々に開かれている。それらは新聞などで、どこそこで慈善パーティーがあるか情報が簡単に得られるようです。そんなニューヨークならではの風物詩?な”パーティー荒らし”だと思いました。いいトコの育ちの、それも良いお年のご夫人のメルヴィルが、”パーティー荒らし”をし、何故か殺し屋稼業を繰り広げる。1980~1990年代に発行しているから、15~20年前の本ということになります。 当時の女性探偵モノでは、『ミス・メルヴィル』は柔らかいタッチで読みやかったものです。
2007年01月21日
『ラッキー・ガール』(2006)JUST MY LUCK 上映時間 103分 製作国 アメリカ ジャンル コメディ/ロマンス 全米ティーンに大人気のリンジー・ローハン主演で贈るラブコメディ。幸運の持ち主であるアシュリーと運のないジェイクが仮装パーティーで出会いキスをすると、ふたりの運命は入れ替わってしまう。アシュレーは、なにをやってもついている幸運の持ち主。雨の日にアシュレーが出かけようとすれば突然青空になるし、どんなに週末で忙しいときでもタクシーは必ずつかまる。一方ジェイクの人生は、道を歩けば鳥の糞がかかり、仕事でも全く評価されない運のなさ。そんなアシュレーとジェイクが、仮装パーティーで出会い、お互い顔も名前もわからないままキスをしてしまう。すると二人の運命は入れ替わり、アシュレーはたちまち運から見放されてしまう。再び同じ男性とキスをすれば運を取り戻せると知った彼女は、不運な生活の中で、やがて心優しい青年に出会う。少しずつ彼に惹かれていった彼女だったが、その青年こそが、パーティーでのキスの相手、ジェイクだったことが発覚。アシュレーの恋の展開と、運命の行方はいったいどうなる?!リンジー・ローハンのための映画。「フォーチュン・クッキー」では、母親と魂が入れ替わってしまうが、これは男の子と入れ替わる。しかし入れ替わるのが”幸運”になっているというもの。リンジーも、もう、OL役をやるようになってきたのね~。リンジーの薄汚れた姿には、ファンには不評のようです。彼女にふりかかる不運は、やっぱり早送りしちゃいました。対する、彼の方は、なかなかテンポのいい不運ぶりでした。<20世紀フォックス>のプリティ・ピンク・コメディーシリーズ 第五弾『幸せのポートレート』『2番目のキス』『ラッキー・ガール』『ウエディング宣言』
2007年01月21日
『2番目のキス』(2005)FEVER PITCH 上映時間 103分 製作国 アメリカ ジャンル コメディ/ロマンス/スポーツ イングランドの人気サッカークラブ“アーセナル”の熱狂的サポーターを主人公にした人気作家ニック・ホーンビィの自伝的ベストセラー『ぼくのプレミア・ライフ』を、97年のコリン・ファース主演作に続いて2度目の映画化。設定をメジャーリーグ“ボストン・レッドソックス”の熱狂的ファンに置き換え、全てがチーム最優先の男を恋人に持つヒロインの戸惑いと苦労をユーモラスに描く。主演は「50回目のファースト・キス」のドリュー・バリモアと「TAXI NY」のジミー・ファロン。監督は「メリーに首ったけ」「愛しのローズマリー」のファレリー兄弟。高校の教師ベンは、生徒たちとビジネス・コンサルタントの会社を社会見学で訪問する。そこでやり手の才色兼備の女性社員リンジーと出会う。これをきっかけにふたりは交際をスタート。リンジーの女友達は、一様にベンが気に入る。彼女らは上昇志向の強い女たちで いわゆる”一流”な男性が恋愛対象。しかし、そうした男性との付き合いにリンジーはことごとく失敗してきた。友人らはしかし、応援賛成しつつ 彼のような”いい男”が初婚で、ずっとひとりなのは、絶対、どこか問題があると疑問を発する。その疑問の答えはやがて明らかになる。それはベースボールのシーズンが始まる春。彼は熱狂的なレッドソックスのファンだったのだ。リンジーはレッドソックス狂のベンに振り回されることになっていく。ドリュー・バリモアってかわいいですね。「25年目のキス 」、「50回目のファースト・キス」ときて、今回も邦題はシリーズとなりましたね。スティーブン・セガールのシリーズのように、邦題付けには 法則でもあるのかしら~。これがファレリー兄弟の作品と聞いて ちょっと意外でした。「ローズマリー」は同じくラブコメでしたが、人を外見で判断するアメリカ社会への痛烈な批判。他の作品でも非常に辛口なものもありましたね。で、今作、以前のような辛口度は薄れてきたかな? でも、レッド・ソックスファンの実情や心理をユーモアを込めておもいっきり皮肉ってますよね。でも、やさしさも感じられて、私は好きですすっごい笑えました。野球ファンなら切実な場面だろうケド、そうでない自分はとにかくおかしかった。ベンだけではなく、大なり小なり、レッドソックスファンが登場し、リンジーの友人の夫や彼氏たちはベンと出会って、「君と知り合えてよかったよ」「分かれたらリンジーをゆるさない」”バンビーの呪い”も勉強になりました。レッドソックスファンには禁句のようですね。日本のサッカーでも”ドーハの悲劇”がありますねー。レッドソックスファンってこうなんだ~というのがよ~く知ることが出来ておもしろかったです。松坂大輔 大変なファンばかりが見守ってて いかに責任重大ってことか、分かってるのかな~?なんて変な心配をしてしまいます(^^;)ところで、、こういう子供大人な男性は、けっこう世の中には多いと思いますね~。何事も、自分の趣味や夢、仲間を優先する男性。それが、なにか、女性がついていけるもの、辛抱できるものかは度合いもさまざまでしょうが、。題名の「2番目のキス」というのも、「わたしは野球の次の存在なのか?」という意味のよう。野球だったら、一緒に楽しめる範疇だと思いますけどね。夫婦になって何年もすれば「亭主元気で留守がいい」となれるでしょうが、ラブラブ時代だと なにかと大変でしょうね~。『ラッキー・ガール』も続けてみてしまいました。こんな風にラブコメが 観たくなる時って、ちょっと弱った時やへこんだ時なんですよね~。 そして今回もやっぱりなんだか元気がもらえました!(なんて単純なおんなでしょう~(^^;)<20世紀フォックス>のプリティ・ピンク・コメディーシリーズ 第五弾『幸せのポートレート』『2番目のキス』『ラッキー・ガール』『ウエディング宣言』
2007年01月19日
『幸せのポートレート』(2005) THE FAMILY STONE 上映時間 103分 製作国 アメリカ ジャンル ドラマ/コメディ 「SEX and the CITY」のサラ・ジェシカ・パーカー主演のハートウォーミングなコメディ・ドラマ。お堅いキャリアウーマンのヒロインが、何ごともオープンな婚約者の家族に戸惑いながらも、受け入れてもらおうと奮闘する中で本当の幸せを見つけていく姿を描く。共演は「恋愛適齢期」のダイアン・キートン。ニューヨークのマンハッタンで働くバリバリのキャリアウーマン、メレディス・モートン。恋人は、優しく仕事のできる理想の男性エヴェレット・ストーン。クリスマス休暇に、メレディスはエヴェレットの実家に初めて招かれる。年に一度の休暇を一緒に過ごすため、ストーン家には家族が次々と集まってくる。ストーン家は一様に自由奔放なんでも気軽に話し合うオープンな性格で、堅物で神経質なメレディスとは対照的。互いになかなか馴染めず、家の中には気まずい空気が立ち込める。そこで、事態の打開を図ろうと、メレディスは妹のジュリーを呼び寄せるが。。もっと、ドタバタするのかな~っと思ってましたが、いろいろジンワリ感じるところのある良いドラマでした!初めは、とにかくメレディスの数々の失態。真面目で努力家、婚約者の家族に煙たがれてしまう。家風とのズレ。彼女なりに気を遣うのだけど裏目裏目に出てしまう。このズレの感じは、彼女ってプライドが高いとか、気取りやとか、家族からレッテルを貼られつつも、不器用さや善意、緊張、を感じるので、可哀想。 一方で、どうしてこんなに彼女を家族は嫌うのか。父母が彼女の何にひっかかっているのか、徐々に見えてくる。「あの子(息子のこと)は自分のことがわかっていないし、彼女も自分自身をわかっていない。」おそるべし父母の慧眼です。本人より親にはみえているものがあるんですね。第一印象ってその後の関係に大きく影響を与えるもの。本人はそんなつもりはないのに、間違った印象をもたれてしまうこともある。第一印象がとにかく悪いって損な性分の人もいるものです。良く知り合えば、”極悪人”でない限り好意は伝わるものなのでしょうが。。がんばりすぎて、周囲の空気を害してしまう、気の毒な女性メレディスが可哀想でもあり、おかしくあり。。こういう人物は、通常、ドラマでは、ヒロインの彼の姉とか、兄弟の妻とか、、脇役に見かけますよね~。妹役にレイチェル・マクアダムズがいましたが、意地悪・わがままそうな表情とか似合ってました~(笑)要はやっぱりダイアン・キートン。クリスマスの朝の大団円?は、ありがちかもしれないけど、ホロリときました。昨晩の夕食での失態・失言があっただけに。メレディスは不愉快な闖入者ではない、ただ、相性の問題だったということでしょうか。不器用なヒロインが、最後は家族に溶け込むまでの定番モノかな、っと思って観ていましたが、、それもありますが、派手なドタバタのない家族愛のクリスマス・ストーリーでした。ラストの一年後のクリスマスのシーンも良かったです~。監督: トーマス・ベズーチャ 出演: サラ・ジェシカ・パーカー メレディス・モートン ダイアン・キートン シビル・ストーン クレア・デインズ ジュリー・モートン レイチェル・マクアダムス エイミー・ストーン ダーモット・マローニー エヴェレット・ストーン クレイグ・T・ネルソン ケリー・ストーン ルーク・ウィルソン ベン・ストーン タイロン・ジョルダーノ サッド・ストーン ブライアン・ホワイト パトリック・トーマス エリザベス・リーサー スザンナ・ストーン・トゥルースデイル ポール・シュナイダー ブラッド・スティーヴンソン ジェイミー・ケイラー ジョン・トゥルースデイル サヴァンナ・ステーリン エリザベス・トゥルースデイル <20世紀フォックス>のプリティ・ピンク・コメディーシリーズ 第五弾『幸せのポートレート』『2番目のキス』『ラッキー・ガール』『ウエディング宣言』
2007年01月17日
原作本東野圭吾特集 映画ドラマ化記念 2009年本屋大賞特集ドラマ化DVD 「ガリレオシリーズ」第一弾探偵ガリレオこと帝都大学理工学部物理学科助教授:湯川学が、摩訶不思議な事件を論理的に解決していく本格推理短編集。 初長編 直木賞受賞作品『容疑者Xの献身』は映画された。【目次】「燃える」夜毎、自販機の前でたむろし町の迷惑になっていたバイク少年たち。傍らのポリタンクに引火したのが原因だが、出火原因は不明であった。「少年の髪が先に燃えた」「ピンと張った赤い糸が見えた」この証言から湯川が導き出した真相とは? 「転写る」中学の文化祭。不気味なデスマスクが展示されていた。そのデスマスクは死体で発見された歯科医の顔と一致した。どのようにしてデスマスクはできたのか…。歯科医を殺害した犯人とは? 「壊死る」スーパー経営者が風呂場で心臓麻痺により死んでいた。しかし死体の胸部には皮膚が腐ってできた痣があった。被害者と関係のあったホステスが関与しているのか。彼女はどうやって被害者を殺害したのか。 その殺害方法は? 「爆ぜる」海水浴でにぎわう湘南。突然海面に火柱があがり、女性ひとりの死亡事故となった。別の場所で、自宅のアパートで死後二日の男性の遺体が発見される。ふたつの事件をつなぐもの、犯人は? 「離脱る」女性殺害事件で交際していた男性が容疑者となった。事件当時のアリバイは仕事をさぼって車で休んでいたというものだったが、アリバイは証明されず殺人現場で男性の車を見たという証言も出てきた。ところが、男性が休んでいた場所の近所から特異な形の目撃証言が飛び出した。それは、幽体離脱した少年が男性の車を描いた絵だった…。幽体離脱のカラクリとは!? 人気の東野圭吾さんを読み始めた頃に、「ガリレオシリーズ」で初めて読んだのは『予知夢』でした。オカルト+サイセンスという、味付けには感動しました。超常現象からはじまるのに、論理的に解決というのは、なんとなく京極夏彦さんとおなじスタンスなんですね。舞台が現代と、昭和や江戸時代などの昔の違いはありますが。 『探偵ガリレオ』は、『予知夢』よりは、オカルトテイストが薄まって感じました。事件発生時のホラー色がもっと強いほうが、おもしろいかな~とちょっと思いました。本書の出版の頃は、湯川助教授のモデルとなった俳優・佐野史郎さんがテレビで「200X」の司会(研究所:所長)をされていただそうです。佐野史郎さんがモデルだったんですね!福山さんとはまるで違いますね。今では、福山さん以外では考えられません。「200X」、面白かったです。各地の怪奇現象など、ネタ証し解明されて。短編はあまり読みませんが、ジャック・リッチーの『クライム・マシン』などのように、短編はアイデアとストーリーに感動やら、なにもかもギュッと凝縮している、凄いものがありますね。東野さんの短編モノもハイレベルですね。
2007年01月17日
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。 最先端医学を扱った『変身』『分身』『宿命』の3部作。この本の翌年に『変身』を書いたそうですが、こっちの方が骨太感があって好きです。登場人物も多い。事件の解明そのものよりも、ふたりの男の宿命が どういう締めを迎えるのか、という方に興味津々でした。つまり著者の東野さんの狙い通りということですね。「犯人は誰か、どういうトリックかー手品を駆使したそういう謎もいいけれど、モット別のタイプの意外性を創造したいと思いました。一番気に入っている意外性はラストの一行にあります。」(著者インタヴューより)確かに、ラストの一行を読むと、ふたりの宿命が一発で分かっちゃって読む楽しみが削られちゃうでしょう、先に 読んではいけませんね。 ドラマ化されてますね。藤木直人さん、柏倉崇さん、本庄まなみさん。藤木さんは、本の主役のなのかと思ったら、その宿命のライヴァル役でした。努力家で人望があるちょっと泥臭さを感じるより、裕福で優秀で万能で冷たい印象ののほうが、藤木さんには合ってますかね。藤木さんは、”理数系人間”だそうですが、そういう点でも東野作品になんだかよく合ってるという気がします。『game@』もそうですが、冷たく理知的な男性がよく合いますね~。そのギャップのせいか、ニコッと笑うと素敵です~(*^▽^*)『分身』『秘密』『変身』などより、この作品のほうが、ツボにきました。それと湯川博士シリーズにとりかかるのが楽しみです。『探偵ガリレオ』『予知夢』『容疑者Xの献身』のシリーズ、ホラーと科学の合体。■東野圭吾原作の実写作品放課後(1986年) 眠りの森(1993年) 秘密(1999年) 世にも奇妙な物語 「マニュアル警察」(1999年) 浪花少年探偵団(2000年) 悪意(2001年) 世にも奇妙な物語 「超税金対策殺人事件」(2003年) g@me(2003年) レイクサイド マーダーケース(2004年) 宿命(2004年) トキオ 父への伝言(2004年) 変身(2005年) 白夜行(2006年) 手紙(2006年)
2007年01月16日
『モンスター・ハウス』(2006)MONSTER HOUSE メディア 映画 Anime 上映時間 90分 製作国 アメリカ スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが製作総指揮を務めたフルCGアニメーション。古い一軒の屋敷が人を飲み込む生きている家だと気づいた子どもたちが、自分たちだけでその恐ろしい屋敷に立ち向かうホラー・コメディ。監督: ギル・キーナン 製作: ジャック・ラプケ スティーヴ・スターキー 製作総指揮: スティーヴン・スピルバーグ ジェイソン・クラーク ロバート・ゼメキス ライアン・カヴァノー 原案: ダン・ハーモン ロブ・シュラブ 声の出演: ミッチェル・ムッソ サム・ラーナー スペンサー・ロック スティーヴ・ブシェミ マギー・ギレンホール ジェイソン・リー ケヴィン・ジェームズ ニック・キャノン キャサリン・オハラ フレッド・ウィラード キャスリーン・ターナー 大人が深読みもできる王道のファミリー・アドベンチャーどんな町にもあるという、怖い家の噂。 町の”幽霊屋敷”ならぬ”化け物屋敷”ハロウィン前日、12歳の少年DJは、いつものように望遠鏡で向かいの老人ネバークラッカーの家を観察していた。「あの家は、絶対おかしい!」。そんな中、ついに目撃した家の正体は、何でも呑み込んでしまう、命を持ったモンスター・ハウスだった!彼は親友チャウダーと憧れの少女ジェニーと共に、町を守るため、その恐ろしい家に戦いを挑んでいく。 モンスターハウスというけど、ちゃんと住人がいる。その住人が このおじさんで、吹替え版では泉谷しげるさん。ピッタリです。 子供たちだけが知る、普遍的な空想ホラーを、巨匠コンビが全世界に贈り出した。 ぜメキス監督というと、やっぱり「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作が、タイムトラベルSF映画の金字塔。あの、ハラハラドキドキ感がここにもありましたねー。 スピルバーグは、言うまでも無く作品数は天井知らずです。なんでもこい、なんでもあり、なんでもやれちゃう、映画界のドンのドンですね。子供にしか見えない、空想ホラー、大人がこれにどう介入するのか。映画に登場する、両親にしても ベビー・シッターや警官などは、「子供というのは ちいさなことや、くだらないことで大騒ぎしたり、夢中になったりするもんだ」的な 表情や対応をしてくる 常套パターンな大人でした。この大人たちが、どこまで事件に巻き込まれるのか。子供の空想ホラーオチなのか、それとも超常現象オチなのか、、。どっちでも おもしろければいいんですけどね(笑) ”少年時代”の、大人になりかけた子供達の物語で、子供は子供で楽しめるし、大人としては、モンスターハウスの隠れた”秘密”が明かされたとき、悲しさを感じ、ある”解放”がなされた時は、本気でホロリときました。あの家は お墓 であり、泉谷さんは墓守り なのだと。そしてラストのED後、巻き込まれた大人のオチが 見れます。のでしばし席を立たない方が良いでしょう。比べちゃわるいですが、「エラゴン」より感動できるという点で出来は上かな~と思っちゃいました。子供らに聞くと、「どっちも面白いけど、基本はエラゴン!」基本ってなんだ?とおかしかったです。アニメと実写では、迫力・映像力で、実写のほうが子供への印象は勝るのでしょうかね。前半、家が小出しに襲ってくるあたりで、なんども横で「こえ~、こえ~」とうれしそうにうめいていたの超おかしかったです。小学生以上なら、「怖おもしろい!」と楽しめるようです。小さい子には、怖すぎかな?大人は、全然怖くはないと思います(笑)
2007年01月14日
ミステリー作家ポールは悲劇の人だった。少年の頃、事故で両親をなくし、その直後、目の前で姉を惨殺されたのだ。長じて彼は「恐怖」の描写を生業としたが、ある日、50年前の少女殺害事件の謎ときを依頼される。それを機に“身の毛もよだつ”シーンが、ポールを執拗に苛みはじめた―人間のもっとも暗い部分が美しく描かれる。 「このミス」2000年 第7位 トマス・H・クック『記憶』シリーズ第4弾。 トマス・クックは以前 『心の砕ける音』を読んで、『記憶』シリーズにすすむ前に、挫折した作家さん。主人公がとにかく暗いし、展開もテンポも悪く、うーん、、とにかく飽きてくる。ところが、最新の「このミス」で”この18年間でのベスト10” にこの『夜の記憶』がしっかとランキングしていた。 編集者からも良い作家だと評価高し。ふ~ん、というわけで、もう一度クックさんに取り掛かったわけです。なるほど~。『夜の記憶』はクックさんの作品の中でも人気なのかも。それに彼の本は ”退屈”、という印象を改めました。ミステリと言っても、こんなミステリは初めてです。言ってみれば アガサ・クリスティのミス・マープルみたい。謎解き役の主人公の作家ポールが、マープルさんのように、いろんな人の話だけで、事件の背景や人物像をどんどん想像&創造する。しかも公式な調査ではなく、「50年前の事件」の真相解明を依頼され、別にそれが真実でなくても良いというのです。とにかく、納得できる真犯人と事件の解明の”おはなし”を作ってくれればよい、というのですから。またこの作品を面白くしているのは、3つのはなし:事件が絡まり合うところです。登場する事件:・「50年前の殺人事件=フェイの事件」・ポールの子供時代のトラウマ「グウェンの殺人事件」・「ポールの小説の事件シリーズ」探偵役:・「フェイの事件」を調べた刑事:ポートマン・「グウェンの事件」を調べた保安官:スローン・「ポールの小説」の主役の刑事:スロヴァック被害者:・フェイ・グウェン・「ポールの小説シリーズ」の名も無き複数の被害者たち犯人:「フェイの事件」の犯人: 調査中 複数の推理がいろいろ語られる「グウェンの事件」の犯人: ポールは一部始終見ていたらしいが 何か秘密がある?「ポールの小説」:ケスラーとその相棒 いつも逃げおおせる現在調査中の「50年前の事件」については、いろんな説が出ては、泡のように消えますが、主人公の作家ポールが、つねに過去の記憶、亡くなった姉の最後のシーンに絶えず苦しめられているのが、作品全体を通して、とても暗く、怖いです。怪奇現象はないけれど、ポールのような、事件の体験者が知ってしまった世界というのが。複雑そうですけど、登場人物が多いので、ちょっと名前など煩雑ですが、結構サクサク読めました。それにポールの過去の事件には、一体なんの秘密が、オチがあるのか、最後まで気になっちゃうのです。トマス・クック、これからも、たまに読んでみようと思います。この人も J・エルロイ「ブラック・ダリア」のようなタッチでした。人間の残虐面を見てしまい、二度と安心な世界に戻れなくなってしまっている。後戻りできない暗黒面に囚われ続けていて痛々しいです。■著作だれも知らない女過去を失くした女熱い街で死んだ少女夜訪ねてきた女鹿の死んだ夜闇をつかむ男緋色の記憶死の記憶夏草の記憶夜の記憶心の砕ける音神の街の殺人
2007年01月14日
『敬愛なるベートーヴェン』(2006)COPYING BEETHOVEN メディア 映画 上映時間 104分 製作国 イギリス/ハンガリー “第九”完成前後の晩年のベートーヴェンに光を当て、彼とその創作を支えた一人の若き女性との心の交流を綴る音楽ドラマ。主演は「めぐりあう時間たち」「ポロック」のエド・ハリスと「トロイ」のダイアン・クルーガー。監督は「太陽と月に背いて」「秘密の花園」のアニエスカ・ホランド。 1824年のウィーン。“第九”の初演を4日後に控え、未だ合唱パートが完成していないベートーヴェンのもとに、作曲家を志す若き女性アンナがコピスト(写譜師)として送り込まれる。女性のコピストが現われたことに激怒するベートーヴェンだったが、やがて彼女の才能を認め、写譜の仕事を任せるのだった。 ベートーヴェンの音楽を深く理解するアンナは苦悩するベートーヴェンを力強くサポートしていく。そして、ついに迎えた“第九”初演の日、難聴のため指揮棒を振ることに怯えていたベートーヴェンだったが、アンナに励まされ指揮台に立つと、彼女の合図を頼りに指揮をやり遂げるのだった。「第九」のシーンは良かったですね。でも、ちゃんと聞きたければ、やっぱりコンサートに行くとか、CDを聞くとかした方がいいですよね。 「音楽は 神からの贈り物」モーツァルトの映画「アマデウス」の テーマでもそうでした。音楽、出来上がったものをただ聴くだけの側の人間としては、そうした特別なギフトを得た側の人の苦悩や、歓びというのは、対岸のこととしてのみ感じることで、寂しいかぎり。。 不滅の恋/ベートーヴェン (1994) ふたつを比べてどうこうというのも、おこがましいですが。「不滅」ではゲイリー・オールドマンが、「敬愛」ではエド・ハリス。 変人・傲慢・偏屈な人だったというベートベン。エド・ハリスの方はちょっと弱さやかわいげが垣間見えました。 架空の女性のアンナに心を開いて接する様子など。でも、沐浴?させてもらうシーンはちょっと嫌だな~っと思いました。そこまで二人の気持ちが近づいたって事でしょうか。 耳にラッパみたいな装置をつけて作曲する姿は、ユーモラスでした。本人にとっては面白いドコロではないんでしょうけど。不思議ですね。難聴じゃなかったらベートーベンの音楽は違ったでしょう。 静謐の中にこそ 音、旋律、調和が生まれ出るってのいうは。 そうそう、ベートーベンの甥、いましたねー。「不滅」では実は息子だったという説になってましたが。「敬愛」では、そこまで偏愛ではなく、逆に可哀想な老人でした。。 すごい才能と、私生活の孤独さ。 アンナの開いたラストのドアは、音楽への道の象徴だったのかしら?それとも、師匠から旅立ち、わが道へと歩み出たというで、、結婚?しかし、ラスト「マエストロ!」と駆けつけたってことは、離れた暮らしをしていたってことのよう。まーしかし1824年だから、19世紀ですね。映像化すると、音楽の都ウィーンも、汚らしいですね。オ○ッコの溜まったオマル、中身はまさか道に捨ててないよね~。それに、ベートーベン、沐浴の水が下の部屋の人の食事””グラーシュ”がメチャメチャだっと怒鳴られてました。それでも、偉大な(当時)すでに名は売れていたようだ)ベートーベンとご近所さんというのは、素晴らしいでしょうよね~。今だったら、ちょっとの前(だいぶ前かしら)の「小室哲哉が同じマンションに住んでるけど、あいつは変人でサ~!ひっで~の!」(それか 井上揚水とか、拓郎さんとか。。?いまの大物音楽プロデューサーの売れてる人って誰かしらん)っと、友人にちょっぴり自慢げに愚痴る図とか?そんな当時の暮らしぶり、石畳の街や、郊外の畑や、街道ですれ違う人々の一瞬の表情に、曲が充ちる映像が、圧巻でした。「アマデウス」には規模的に叶わないでしょうが、小作品でよかったデス。ベートーベンの「第九」をちゃんと聞きたくなるのは 間違いない。そんなこんなでモーツァルトの「レクイエム」やら、いろいろ聴きたくなっちゃいます。クラシック・ブームですね~♪
2007年01月12日
ライラの冒険:『黄金の羅針盤』 映画化 11月米公開予定 日本は来年1月? 最新製作映像が公開になりましたね~。オックスフォード大学や、北極のシーンが撮られてます。鎧グマは CGかな、実写かな?それはどんな姿デザインになるんでしょうかね~。(← こんな感じ?)で鎧を着てしゃべり、ライラを守って 走ったり戦ったりするのね。(←それともこんな感じ?)「ナルニア国物語」では、北極クマは白い女王のソリを引いてました。アスラン並に、手厚いCG処理をお願いしたいです~。そして「ダイモン」ですね~。まさか「ハリポタ」のドビーのようにカットしないわよね。カワイイのがいいですねー。ライラの世界では、その人となりを現す”魂”のような存在ですから。第2巻の「神秘の短剣」の脚本が「日蔭のふたり」「鳩の翼」のホセイン・アミニに決まったってことは、続編も予定通り動き出したってことですね。ウィル少年のオーディションの話を次は待ちます!第一巻「黄金の羅針盤」原作本感想第二巻「神秘の短剣」原作本感想第三巻「琥珀の望遠鏡」原作本感想 ライラの冒険「His Dark Materials」概要イギリスの作家フィリップ・プルマンが1995年から2000年にかけて発表したファンタジー三部作。 ファンタジーファンが認める「極上の物語」。喋って鎧を被り歩く熊,持ち主の問いかけに針で答える羅針盤,誰にでも付いている守護霊など独特の世界観がオーロラの下に広がります。イギリスではカーネギー賞、ガーディアン賞、年間最優秀作品賞をも獲得した大評判の作品。骨太の読み応えは、読後現実に戻るのにひと苦労させられるほど。日本ではさほど知名度は高くないものの、知る人ぞ知る極上のファンタジー!『英米ではJ・R・R・トールキンやJ・K・ローリングと並んで有名である。 我々の世界と良く似た別世界に住む11歳の少女ライラは、。我々の世界に住むのは、12歳の少年ウィル。ふたりの、無数に存在するパラレルワールドを旅する冒険ファンタジー小説の映画がいよいよ始まります。ライラの物語には、人間には誰もが分身ともいえる守護精霊動物:「ダイモン」がいる。”魔女”や”鎧(よろい)グマ”などが住んでいる世界。物語は 著者フィリップ・プルマンの母校、オックスフォード大学から始まる。両親が亡くなって オックスフォードに預けられ、長じたライラ。ジョーーダン学寮が彼女の我が家。最近子どもたちが連れ去られる事件が相次ぐ。ゴブラーという組織が、北極で子ども達を何かの実験に使っているという噂が聞こえてくる。やがて、ライラの親友ロジャーがさらわれた。↑ 捜索に出た北極で、彼女はロジャーを見つけるのか?おじのアスリエル卿卿は寮を訪れ、北極へと降り注ぐ不思議なダスト、そしてオーロラに浮かぶ異世界の都市の話を披露し、大学から 北極探検の費用を引き出す。だが、卿は消息を断ち、鎧をつけた熊が護る牢獄に監禁されてしまう。ライラと彼女の「ダイモン」は、船上生活者ジプシャンたちとともに、ロジャーら失踪した子どもたち、アスリエル卿を救出するために、北極へと旅立つ。学寮長から渡された世界に6つしかないという「真理計(アレシオメーター」?第三の重要人物:コールター夫人ライラを一目でとりこにしてしまうほど魅力的な女性なのだが、実は悪い人、というか、美しく、優しく、独善的であり、アグレッシブ、残酷、そして自信にあふれる、「いい女」。ライラの性格について書かれた本文中の文章。”ライラは夢見がちでなく、想像力に乏しい””だからこそ危険や恐れを感じることなく、冒険に飛び出せるのだ”。主人公でありながら、原本を読んだ人は多く感じたと思う。ライラは、魅力を感じない登場の仕方をするのだ。他のファンタジー本のヒロインのように、すぐには彼女に親しみは湧かない。映画での彼女はどうなのか?【記事抜粋】“ライラの冒険シリーズ”、最新画像&第2作の脚本家が決定 2007/01/05 フィリップ・プルマン原作“ライラの冒険シリーズ”第1作『黄金の羅針盤』(新潮社)の映画化「The Golden Compass」の最新画像が公開された。また、同シリーズの第2作『神秘の短剣』の脚本家として「日蔭のふたり」「鳩の翼」のホセイン・アミニが起用されたことも “ライラの冒険シリーズ”、新たにダニエル・クレイグの出演が決定 2006/08/18 フィリップ・プルマン原作“ライラの冒険シリーズ”第1作『黄金の羅針盤』(新潮社)の映画化で、「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグの出演が決定した模様。主人公の少女ライラのおじで冒険家のアスリエル卿を演じる。同役はこれまでポール・ベタニーが有力視されていたもの。ライラ役は新人 Dakota Blue Richards、その他コールター夫人にニコール・キッドマン、魔女セラフィナ・ペカーラ役にエヴァ・グリーンが決定している。監督はクリス・ワイツ、撮影は9月開始の予定。 ニューライン、“ライラの冒険シリーズ”製作を正式スタート 2006/06/29 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのニューライン・シネマは、新たなファンタジー超大作として準備を進めていたフィリップ・プルマン原作“ライラの冒険シリーズ”の第1作目『黄金の羅針盤』(新潮社)の製作に正式にゴーサインを出した模様。予算は1億5000万ドル(約175億円)で、9月からイギリス国内で撮影が開始される。監督は「アバウト・ア・ボーイ」のクリス・ワイツ、主人公の少女ライラ役は1万人を超える大規模なオーディションで選ばれた新人 Dakota Blue Richards が演じる。公開は来年11月の予定で、その後第2部『神秘の短剣』、第3部『琥珀の望遠鏡』(いずれも新潮社)が続けて製作される見込み。
2007年01月11日
遅ればせながら、新年もよろしくお願い致します(☆☆) 今年は 暖冬なのか、田舎はあまり雪が無く、スキーは二回だけでした。去年は スキーをやりすぎ?て風邪ひいたりしたので(子供が)、今年はセーブ気味でしたが、そもそも、雪下ろしもするほどの量もありませんでした。けれど、帰省の家族が帰ってから、吹雪いたようです。。お義父さん、お義母さんがんばってください~。。家族でみた DVD「ナルニア国物語 ライオンと魔女」「ダヴィンチ・コード」でした。どっちもやっぱり 面白ですねー♪「パイレーツ・カリビアン2」をレンタルに行ったら、田舎道でパンクして立ち往生というハプニングが、年末、おこって焦りまくりました。。お義父さん、ごめいわくをかけました! パパ、そんなに怒らないで。。(汗)ミソがついたので、ジョニーのDVDレンタルは 諦めました。(T T)こっちで観ます~~。ところで、連ドラ「のだめカンタービレ」は終わっちゃいましたが、なんだか面白そうな「花より男子」とか「華麗なる一族」とか「東京タワー おかんと僕と時々おとん」とか始まるようですね~。どれも 番組宣伝長くて 見ていたら連ドラを また見たくなりましたよ。~小栗旬くんや 木村拓哉とか、なかなかたのしみですね~♪ パンクやら、雪なしにもめげず、なにかと読みまくった本の感想を、前述ページに、簡単にアップしとります。お正月中おもしろかったのは、「このミス 海外編1位 あなたに不利な証拠として」 ですかね。東野圭吾さんも面白かったです。 ゴチックなゴダードと、ファンタジック・ホラーのマキャモンはちょっと不発だったかな。
2007年01月08日
警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは…MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。2007年 「このミステリが面白い」 海外編 第一位第一位となった本ということで早速購入。オムニバス形式で、何人かの女性警官のエピソードが語られる。「傷痕」は文句なしに良く出来た短編だと思います。でも、他の話でも、著者が警官をしていたことがリアルに浮かび上がる。事故の一瞬、時間が伸びて感じるくだりはよく書けてるな~っと思いました。ラブ・サスペンスとは一線を画した、本格路線。警察機構内、事件よりも彼女たち自身についての本。ということで、一風変わった警察ミステリということらしい。わたしは好きです。もっと、この著者の本を読んでみたいと思いますね。かつての、女性探偵ヴィク(サラ・パレツキー)やキンジー(スー・グラフトン)を彷彿。でもそれほど孤高ではなくて、もっと現実に即した等身大の女性警察官たち。ケイ・スカーペッタのようなスペシャリスト&カリスマ性はない。(パトリシア・コーンウェル)他にも国内編、気になってるのが、『名もなき毒』『赤い指』です。海外編では、10位以内以外でも 気になる本がいくつかありです。10位以内では、リチャード・マシスンやマイケル・コナリー、『風の影』もどんな感じやら。。ジェフリー・ディーヴァーは、短編モノらしいので、どうかな?『数学的にありえない』というのも、とても気になるけど、ハードカヴァーなので、いずれ、、。『このミステリーがすごい! 2007年版』 国内1 独白するユニバーサル横メルカトル2 制服捜査3 シャドウ4 狼花5 銃とチョコレート6 名もなき毒7 贄の夜会8 怪盗グリフィン、絶体絶命9 赤い指10 夏季限定トロピカルパフェ事件/デッドライン海外1 あなたに不利な証拠として2 クリスマス・プレゼント3 荒ぶる血4 風の影5 数学的にありえない6 12番目のカード7 奇術師の密室8 天使と罪の街9 絞首人の1ダース10 わたしを離さないで
2007年01月08日
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞した東野さん、おめでとうございます。そちらも、はやく読みたいです。あらすじ読めばわかる、”父親がかつて息子らしき青年と会っていたはなし”なのね。なんですが、ネタが分かっていても面白いという本がありますね。正月番組 お笑い芸人相方シャッフル見ました?志村ケンの”牛乳”ネタ見ました?ネタが分かっていても笑っちゃった、しかも、一等賞。分かっているお決まりの展開なのに。。それと一緒ですね。(笑)ラストの「あいつは 新しい旅に出るんだから」分かっていても、やっぱり、ダ~ッと号泣。筆力っすよね。 NHKDVD「トキオ 父への伝言」
2007年01月08日
死者の魂を鎮める能力を母から受け継いだビリー・クリークモア。ある日、伝道者ファルコナーが治癒の奇蹟を起こす息子ウェインを連れて彼のいる町にやって来る。が、ビリーが伝道集会で見たのは奇蹟ではなく死の予兆だった! 『少年時代』『遥か南へ』を経て『魔女は夜ささやく』に至るマキャモン文学の源流、ここに復活! 両親を故郷に残しカーニバルに身を投じるビリー。だが、邪悪な影は執拗につきまとう。さらに、ファルコナーの死後、教団を継いだウェインは、ビリーを悪魔の化身と信じ、彼の命を狙う。だが、二人は知らぬまま、たがいに運命の糸を手繰り寄せていた……。善と悪の対決を少年の成長に託して描く傑作、感動の終幕へ!1950~60年代のアメリカを舞台とした、霊視能力を持つ血統に生まれた少年の成長物語マキャモンの本は初期の本は絶版になってるのが多く、コレも復刻希望に答えて再登場した人気作品ですね。読んだ感じは 『少年時代』と似てました。『少年時代』は文句なしに面白かった。年末発売した「このミステリがおもしろい 2007年版」で、海外ミステリ過去18年のベスト10というランキングがありましたが、『少年時代』はみごと10位に入る作品という編集者連の評価も高いようです。マキャモンは、18年間の「このミス」の歴史でも、存在感の強い作家さんということが分かりますね。『少年時代』と似ているとはいえ、舞台がアメリカ南部の田舎が共通なことを覗けば、霊感・霊視モノで周囲からは冷たい視線、と、『少年時代』の<明>とは違う<陰>が主人公を取り巻いている感じ。下巻で<フリーク・サーカス>が出てくるけど、これは、『ダレン・シャン』を連想しちゃいましたね。F・ポール・ウィルソンでもこうしたサーカスが出てきてたし、、欧米人の子供時代の心象風景には、異形のモノを見世物にしたお祭りが恐怖や哀愁などと混在しているのかしら。マキャモン、かつてはキング・クーンツと並ぶホラーの旗手と喧伝されていましたが、最近はホラーから離れているようだし。ホラー時代の『スティンガー』とか『奴らは乾いている』など、古書店でなぜか、下巻のみ見つかるという椿事です。 マキャモン 著作1978 『Baal』 1980 『Bethany's Sin』 1980 『ナイト・ボート』 1981 『奴らは渇いている』 1983 『ミステリー・ウォーク』 1984 『アッシャー家の弔鐘』 1987 『スワン・ソング』 1988 『スティンガー』 1989 『狼の時』 1990 『マイン』 1990 『ブルー・ワールド』 1991 『少年時代』 1992 『遥か南へ』 2002 『魔女は夜ささやく』
2007年01月08日
原作本東野圭吾特集 映画ドラマ化記念 2009年本屋大賞特集ドラマDVD化 「探偵ガリレオ」シリーズ第2弾帝都大学理工学部物理学科助教授、探偵ガリレオこと湯川学が、摩訶不思議な事件を論理的に解決していく、本格推理短編集である。 長編に直木賞受賞作品『容疑者Xの献身』がある。 素封家の屋敷に侵入者があった。犯人は27歳の青年。2階で眠っていた娘を襲おうとしたらしい。逮捕された犯人は、17年前、その少女と結婚する夢を見たという。夢に現れた少女が現実に存在するとは? 予知夢はあるのか? 【目次】「夢想る(ゆめみる)」「霊視る(みえる)」「騒霊ぐ(さわぐ)」「絞殺る(しめる)」「予知る(しる)」軽快な文章中に凝縮された、オカルチックな題材と巧妙なトリック、明晰な推理と確固たる論理。本書はたぐい稀なるストーリーテラーである著者の技を堪能できる作品といえよう。(冷水修子) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。『容疑者x~』も、面白そう。ホラーから始まるのに、解決はどれも科学的に終結し、しかもミステリーというのは、理数系の東野さんだからできる技でしょうね。これまで読んだ『変身』や『分身』も科学ネタが入ってましたが、短編でスキッとまとまってる今作は、とってもレベル高いと思いました。
2007年01月08日
リオノーラは娘に昔語りを始める。ミアンゲイト館での彼女の少女時代の記憶は暗く、謎に満ちていた。ソンムの会戦(第1次世界大戦)で戦死した父親、出生の秘密、母リオノーラ(同名)、殺人事件。やがて彼女の元に訪れたウィリスという男は語る。そのウィリスが死に、遺産が彼女に贈られていた事から新たな謎が浮かび上がる・・・。第1次大戦の時代を舞台に、一人の女性の生涯を探るゴチック・ロマンな推理小説。ゴダード2作目。『千尋の闇』の方が一般的には評価が高いようですが、ゴチック小説好きにはこちらや『闇に浮かぶ絵』が人気のようです。年老いた母親が娘に第一次世界大戦のときの数々の秘密を語り聞かせる物語。第一次大戦直後の英国を舞台に、ある屋敷で起こった殺人事件の真相、隠された出生の秘密、愛憎劇のゴタゴタが徐々に明かされていく。悲しい、、悲しいけど、それほど悲壮感はないストーリー。ファンの投票で、本作は、ゴダード作品のベスト7だとか。600ページというボリューム。ゴダード得意の何層にもなった謎解きの面白さ。ちと、長いけど、ゴチック好きなら満喫できる。これがゴダード調かあ。やっと初めて読み終えました。■著作石に刻まれた時間一瞬の光のなかで 今ふたたびの海 さよならは言わないで 惜別の賦 蒼弓のかなたへ 千尋の闇 ; 鉄の絆ISBN:閉じられた環 永遠に去りぬ 日輪の果て 秘められた伝言 闇に浮かぶ絵 リオノーラの肖像
2007年01月08日
「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」。7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。それは、めったに人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。そこで二人を待ちうける恐るべき真実とは…。超絶人気作家が放つ最新文庫長編ミステリ。 書き出しのエピローグ、「父親だった人物」だとか「母親だった女性」という記述が引っ張りました~。一人称の物語で、主人公が元カノと、彼女の記憶をたどる小旅行に出る。その”家”と、登場人物ふたりのみで、ここまで引っ張れるかっと、そこで感心しまくりました。 お正月、田舎のそばの”JU●CO”でぶらぶらしていて、書店で購入、東野圭吾作品三冊のうちの一冊目。 薄くて、なにかと行事や移動の合間にパラパラっと読むのに、最適でした。
2007年01月08日
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