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「夢は今もめぐりて忘れがたきふるさと」 ぼくは近年、シリア紛争(イラク北部も含む)についてのドキュメンタリーを積極的に探しては観るようにしてるのだけど、気が付いたら10本観たので、ここに簡単に記録しておこうかと。 ただ、どの作品を観ても、てか観れば観るほど、どうしてこうゆうことになっちゃったのか、誰が何をどうしたいのか、誰が誰をなぜ殺してるのか、イスラム過激派組織IS(イスラミックステイト)は何に対して不満なのか。次から次へを疑問が湧いてくる。ぼくの理解力が乏しいだけなのか。 確かにいろいろ調べてくうちに少しずつ点と線がつながっていく気もするけど、自分がもしシリア人としてシリアに生まれてたら、そして幼い子どもがいたらどうゆう対応をとるか全く見当つかない。難民として国外に脱出したいとは思うだろうけど、受け入れてくださるお国はあるだろうか、とか。 実際ぼく自身、長いこと母国を離れて暮らしているけど、母国というものは常に存在しており、「帰ろうと思えてばいつでもそこにある」のは当たり前なわけで、難民の苦悩「帰りたくても帰れない」という感情は、やっぱり当事者じゃないとわからない。 ぼくが今までに観た10本は以下。日本語字幕で観られるのも多い。こうゆうドキュメンタリーって、一般に、非イスラム教徒のガイジン記者が取材したものより、現地の市民が手探りでスマホとかで撮影したもののほうが生々しく現実味がある。 あと、主な三つの街(アレッポ、モスル、ラッカ)を定点観測的に記録したものは特にわかりやすいと感じた。それでも僕は帰る Return To Homs(2013年シリア) 感想はここ Syria: The Legions of Holy War(2015年フランス/シリア) 絶句するような場面ばかり。取材に協力してくださってた方が眼前で銃殺されたり、極めつけは代表格の兵士さんが爆弾を身体に巻いて敵地に乗り込み自爆する場面。ほかにも、戦禍での結婚式とか兵器の調達事情とか刑務所の様子、女性(妊婦含む)や子どもの軍事訓練受けるところなど。ラジオ・コバニ Radio Kobani(2016年オランダ) 日本語のサイトは https://www.uplink.co.jp/kobani/ クルド人の町でラジオの語り人を務める若い女性を取材。ISに攻撃されて無残になった町の再建をめざす町の人々にとって、朝にラジオから聞こえてくる彼女の声は癒しの光。7 Days in Syria(2015年アメリカ) 女性報道家二人がシリアを訪れ、市民の住居、病院、死体埋葬地などを取材。特に実際の前線での銃撃戦、目の前で人が撃たれる場面などには息を呑む。ラッカは静かに虐殺されている City of Ghosts(2017年アメリカ) 日本語のサイトは https://www.uplink.co.jp/raqqa/ シリアの若者により結成された組織RBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)に関する実録映画。市民が撮影した動画は涙なくしては観られない。何の罪もない人間が目の前で殺されていく場面が連続する。シリアからの叫び Cries from Syria(2017年アメリカ・チェコ) 日本公開時のサイトは http://unhcr.refugeefilm.org/2017/movies_detail/movie_f/ 映像的に最も残酷なのがおそらくこれ。2011年ごろからの2016年までを順を追って紹介されている。虐殺された無残な遺体、しかも子ども。生きてても食べ物がなくて餓死寸前の彼らは、道ばたに生えてる草を食べるしかない。娘は戦場で生まれた For Sama(2019年シリア/イギリス) 日本語のサイトは http://www.transformer.co.jp/m/forsama/ 2011年から2016年までのアレッポ市を妻/母の目線で若い女性が撮影しまくる。夫が医者で病院勤務で、爆撃のたびに次々と運ばれてくる血まみれの瀕死患者の様子が生々しい。 アレッポ最後の男 آخر الرجال في حلب Last Men in Aleppo(2017年シリア/デンマーク) 感想はここ Fabrication d'un monstre(2017年フランス) 英語の題は ISIS, Birth Of a Monster(怪物の誕生)。シリアではなくイラクが舞台。ISIS/ISILが誕生するにいたった経緯を、21世紀初頭のイラク戦争にさかのぼり、アメリカの「余計な」侵攻のせいでイラクが分裂、結果的にISの誕生につながったと紹介。Refugee(2018年イギリス) シリアから逃げるべく海上での恐怖の体験を経て欧州へ移動するも、途中でに離ればなれになってしまったシリア人難民家族を取材したもの。難民収容所も場所によって居心地は全然違う。電話で会話したり、取材陣を通じてやりとりはできてるものの、なかなか合流できない。 以上。ふぅ。 ちなみに、ぼくはまだ観てないけれど今後観てみようかなと思ってる作品も以下に列挙。欧州や中東のテレビ局で制作されてて、ネット上でもなかなか簡単には観られないのも多いけど、どれもよく取材されてて高評価らしいので、いつか観てみたい。シリア・モナムール Silver Water, Syria Self-Portrait(2014年)カーキ色の記憶 A Memory In Khaki(2016年)シリアに生まれて Born in Syria(2016年) セメントの記憶 Taste of Cement(2017年)父から息子へ戦火の国より Kinder des Kalifats / Of Fathers and Sons(2017年)Zanani ba Gooshvarehaye Barooti / Women with Gunpowder Earrings(2018年) Inside The War On ISIS(2018年)Mosul(2019年)ザ・ケーブ The Cave(2019年)
Nov 29, 2020
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「あまちゃんs」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) この映画の舞台は1970年代のニューヨーク郊外の閉鎖的な漁村。 英語版ウィキはここ→ https://en.wikipedia.org/wiki/Diggers_(2006_film) 日本では公開されなかったもよう。てゆーか、こちらアメリカでも全く話題にならなかった地味な作品。 たしかに「いったい何が言いたいの」系映画なのだけれど、こうゆう、当事者以外の人には特に劇的ではない日常を描いた物語って、もし自分が監督だったらどうゆう演出をしようかと考えながら観るとすごく楽しめる。 ポール・ラッドさん演じる主人公ほか、基本的にはおバカな男どもの話だけれど、むしろ脇役の女優さんたちがもれなく名演。ローレン・アンブローズさんとか。 彼らの職業は clam diggers(シジミ/アサリ/ハマグリなどの二枚貝を採取する漁師)。日本だと、おそらくあま(海女、海士)と呼ばれる漁師さんに近いのかも。
Nov 28, 2020
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「いきなりステキ」 大人数で集まってオーケストラで交響曲を弾いてた日々が懐かしく思い出される今日このごろ。いつになったらオケ活動を再開できるのか。今の感染状況では当分無理そう。 あまりに淋しくて耐えられないので、こうなったら自宅で「ひとりオーケストラごっこ」。まずはパート譜を準備し個人練習、そしてユーチューブ動画に合わせ、指揮者の振りっぷりをチラ見しながら本番さながらにマジ弾き。 さすがに本番衣装を着るとかまではしないけれど、気分を高めるために、頭のなかで「本番」という設定を意識することが大切。そして動画はできるだけ生演奏感にあふれ、セレブ指揮者さまが名門オケを由緒ある会場で振ってるものとかを選ぶのがコツ。カタチから入るのは基本中の基本なわけで。 選曲に関しては、自分が今まで弾いたことのないのをやってみたかったので、今回はベートーベンの2番に挑戦。 初めて演奏してみた感想としては、この曲、ぼーっとしてると名曲とは気づかない。というか名曲とは言い難い。あれこれ詰め込みすぎているわりに、鼻唄で歌えるような印象的な旋律がほとんどないのが弱点か。 例えば第1楽章は序奏が長いわりにあんまり効果的でない。てか長く感じてしまう。あまりに長すぎて、このままアダージョ楽章と呼んじゃってもいいのかもと思ったころに、お約束のアレグロ・コンブリオで始動。 最初から最後までビミョー系交響曲というわけでもなく、こうゆう和音で解決するんだろうと思わせといていきなりかっこよく転調したり、細々と仕掛けてきてる点は面白い。 ちなみに、ベートーベンはこの交響曲を自身でピアノ三重奏にも編曲なさっており、そのバイオリン譜も使ってみた。トリオ版のバイオリンは、原曲でいうところのフルートだったりオーボエだったりクラリネット第一バイオリンだったり、おいしいところおいしくないところを行ったり来たり。
Nov 26, 2020
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「孫の手も借りたい」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) 画商老人が主人公。競売にかけられた一枚の謎めいた肖像画をめぐって、孫の協力も得ながら作者を突き止めようとする。 日本語のサイトは http://www.lastdeal-movie.com/ なかなか良い映画だと思ったけど、起承転結な構成ぢゃないし、明快なドンデン返しもないし、登場人物のキャラ設定も弱いし、全てビミョーに中途半端でわかりにくい。惜しい。 音楽はいい感じ。 ま、フィンランドなどの北欧映画はなかなか観る機会がないし、文化的にも興味深いし、もっと観てみたいところ。
Nov 25, 2020
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「(迷)探偵物語」(評価 ★★☆☆☆ 二つ星) ぼくはアガサクリスティの「そして誰もいなくなった」が(小説も戯曲も)大好きで、今までもイギリスやアメリカで映像化されたものをいくつか鑑賞済み(題は And Then There Were None または Ten Little Indians)。今回はテレビ朝日制作で舞台を平成末期の日本に置き換えたものを鑑賞。「くーるじゃぱん」な映像作品なのかもと思って、なにげに期待しまくる。 感想としては、思い入れが強すぎたからかもしれないけど、ぼくは全く楽しめなかった。現代を舞台にしたわりには洗練されてない。映像も安っぽい。照明なのか場面設営なのか、画の見えかたに統一感がなくて気になった。 音声もごちゃごちゃしてた。音楽と周囲の音(雷とか波とかカモメとか)がうるさすぎる。無人島が舞台なんだし、もっと殺伐とした風景を静かに演出してほしかった。 役者さんの演じっぷりもばらばら。主役脇役とかが明確ではないこうゆう作品の場合、演技のお上手なお方とそうでないお方との差がばっちり出てしまう。 3時間半の大作だけど、長けりゃいいってもんぢゃない。いちいち過去の場面を挿入してたけどもっと削れたはず。あるいは、番組の編成上の都合なのか、無理に長大ものとして引き延ばそうとしたのかとすら思わせる。 そもそも謎解きの部分に1時間も費やしたのは大失敗。せっかくの前半の緊迫感が一気に失せてて逆効果。てか、原作の魅力は十人の登場人物が次から次へと不可解な死を遂げる過程にあるわけで、見事に推理する名探偵を称える作品なんかぢゃない。しかも名探偵さまが自力で推理なさるならともかく、何十人もごちゃごちゃ捜査員が登場しては三密ごっこで大騒ぎ。そのくせ結局は犯人の自白動画により真相が明らかになるって、そんなら最初から名探偵キャラいらないじゃん。普通に脇キャラの警察官で充分。 ちなみに2015年にイギリスのテレビ局が作った版も観てみたけど、それも期待外れ。名探偵さまこそ登場しないもの、2時間45分もかけてだらだら展開、やはり緊迫感に欠けてた。 今までにぼくが観たなかで一番良かったのは、なんだかんだ言って1945年のアメリカ版。わずか1時間37分に収めててお見事。もったいぶらずに簡潔に完結。どんどん人が死んでいって緊迫感も維持しつつ、最後のどんでん返しとかも爽快だった。
Nov 23, 2020
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「対岸も火事」(評価 ★★★★☆ 四つ星) 逃げるのも危険、とどまるのも危険という戦禍において、怯えながら身を寄せてアパートで過ごす家族を描いた話。 日本のサイトは以下。現在公開ちゅう。https://in-syria.net-broadway.com/ ちなみにぼくは近年、シリアの惨状を取材したドキュメンタリーを積極的に観まくるようにしてるのだけれど、どれもこれも観てて辛くなるものばかり、感想をここに記すのもためらわれるくらい。 今日観たこの映画は、ちゃんと台本があって役者が演じてるものであり、ドキュメンタリーではない。そうゆう意味では安心して観られた。残虐な場面も全て作りものとわかってるからこそ、なんとか最後まで観られる。 それでもやっぱり心臓ばくばく。何の罪もないフツーの市民が、なんであんな目やこんな目にあわなきゃいけないのか。 二人の女性を主人公として話は進んでいく。演じた役者さん、お二人とも大熱演。
Nov 22, 2020
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ピアノ三重奏曲第1番 Es Op1-1.その2.その3.その4.その5ピアノ三重奏曲第2番 G Op1-2ピアノ三重奏曲第3番 c Op1-3.その2.その3.その4ピアノ三重奏曲第4番 B Op11「街の歌」ピアノ三重奏曲(七重奏曲Op20の編曲版) Es Op38.その2ピアノ三重奏曲第5番 D Op70-1「幽霊」ピアノ三重奏曲第6番 Es Op70-2ピアノ三重奏曲第7番 B Op97「大公」.その2 数えかたにもよるけれども、ベートーベンは全部で上記八曲のピアノ三重奏曲を遺したとして、ぼくは全て弾いたことがあるので、このたび勝手に順位をつけてみようかと。あくまで奏者目線で。一位:変ホ長調「大公」作品97二位:ハ短調作品1の3三位:ニ長調「幽霊」作品70の1 「大公」を一番にしたのは弾いてて楽しいと思えたから。聴くぶんにはビミョー。長すぎるし曲調がちょっとまったりしすぎ。 第二位は悩むところ。「幽霊」もいいのだけれど、肝心の不気味楽章(第2楽章)だけは好きになれず。あくまで弾くうえでの主観。ハ短調1の3は終楽章がかっこよいから高評価を差し上げた次第。 てゆーか、ベートーベンのピアノトリオって、彼の生涯に照らし合わせて初期、中期、後期っ!みたいなわかりやすい分類が当てはまらないような気がする。せっかく完奏したのに器用にまとめられずもどかしい。<おまけ:過去にまとめた「完奏の感想」> モーツァルトの弦楽四重奏曲のまとめ モーツァルトのピアノ三重奏曲のまとめ メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲のまとめ ロマン派の弦楽六重奏曲のまとめ
Nov 17, 2020
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奏者:Lさん(ピアノ)、ぼく(バイオリン)、Eさん(チェロ)楽曲:ユー・レイズ・ミー・アップ 久しぶりに教会の礼拝で演奏しました。といっても生演奏での出演ではなく、事前収録しておいた演奏動画が本日の礼拝のなかで上映されたというのが正しい表現。 最近はどこも教会への立ち入りは制限されており、礼拝はネット中継。信者さんたちはご自宅から遠隔参列。 この教会では音楽関係者で現場入りできるのはオルガン奏者ロナルドさん一名のみ。聖歌隊も不在なので賛美歌は伴奏だけが鳴り響き、カラオケ音源状態。 そんななか、ぼくらは先日集まった時に「ユー・レイズ・ミー・アップ」を録画しており、今日はそれを礼拝の最中に流していただきました。教会のサイトを教えてもらい礼拝中継を観ることができました。てか、自分の本番演奏を鑑賞するのって不思議な感じ。 ネット中継の画面上では、そのときの視聴者数だけでなく、見てる人がときどき「いいね」を押したり、信者さんどうしで会話したりするのも表示されます。ぼくらの演奏のときもちらほら反応があって、緊張しながら観ました。 なお、「ユー・レイズ・ミー・アップ」って便利な曲だなと改めて思います。品のある曲だから結婚式とか教会で使いやすい。クラシック音楽ほどにはおカタくない。この曲は苦手なんだよねーとかいう人はまずいない。今後も選曲に困ったらこの曲弾こうと思った次第。
Nov 15, 2020
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今日は結婚式にて演奏いたしました。共演はアグさんとトーマスさん。 挙式だけでなく祝宴でも演奏、さらには珍しく「舞踏の儀」での音楽もぼくらが担当しました。First Dance(夫婦としての最初の舞踏): You're My Best Friend (Queen) Father/Daughter Dance(新婦と新婦パパ): Sweet Child O' Mine (Guns 'n Roses)Mother/Son Dance(新郎と新郎ママ): 100 Years (Five for Fighting) 晩餐時のセットリストは以下。レッド・ゼッペリン「カシミア」とメタリカ「ナッスィング・エルス・マターズ」も弾きました。これらって一部の方々にとっては「神曲」。かなりの難曲。All you need is Love- The Beatles Can't Help Falling in Love with You- ElvisDon't Stop Believing- JourneyI'm Yours- Jason MrazBittersweet Symphony- The VerveHey There Delilah- Plain White TsMoondance- Van MorrisonWonderwall- OasisHey Jude- The BeatlesJust Like Heaven- The CureYou Raise Me Up- Josh GrobanKashmir- Led ZeppelinNothing Else Matters- MetallicaSomewhere... Rainbow/Wonderful World- I.Kamakawiwo'oleMake you Feel My Love- AdeleHalo- BeyonceSafe and Sound- Capital Cities
Nov 8, 2020
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「ダブル・トラブル」 今日はベートーベンの作品70の2に挑戦(ピアノ弾きLさん及びセロ弾きEさんとともに)。 この曲、「幽霊」と「大公」のはざまで埋もれてしまってて全然知られてない曲。 実際に弾いてみたらやっぱし地味すぎる。人気がないのは仕方ないなというのが正直な感想。 第1楽章が最もフツー。楽しく弾ける。 第2楽章はピアノは楽しそう。「主題と変奏」なんだろうけど主題の旋律は決して美しくないし、そもそもわかりにくい。ちょっと調べてみたら、この曲は主題がふたつあって、それぞれに変奏がある。業界用語で二重変奏だか交互変奏だか呼ばれる高度なワザらしい。どうりでわかりにくいわけで。 第3楽章はいい感じ。ぼくは気に入ったけどチェロがつまんなそう。 第4楽章は最も難しい。ベートーベンの後期ものをやったことのある人ならば攻略可能。 結論としては、時間と労力があるなら、やはり前作「幽霊」か次作「大公」のほうに取り組んだほうがよろしいかと。
Nov 7, 2020
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「きれいなだけならいいけどちょっと哀しすぎるのよ」(評価 ★★☆☆☆ 二つ星) おじさん二人組による美食紀行ものの第三弾(←第四弾かも)。今回は「ギリシャは呼んでいる」の巻。マイケル・ウィンターボトム監督。 ちなみに過去作品の感想は以下: 「イタリアは呼んでいる」2014年 https://plaza.rakuten.co.jp/picardy3rd/diary/201509120000/ 「スペインは呼んでいる」2017年 https://plaza.rakuten.co.jp/picardy3rd/diary/201712300000/ 前二作はイマイチだったので今回もイマイチなのは容易に予想できたけれど、舞台がギリシャということでやっぱし観ることにした。そしてやっぱしイマイチだったわけで。 このおじさんたち、二人ともどっちもどっちで、ボケとツッコミとか太陽と月とかのわかりやすいキャラ設定をしてくれてない。彼らのイギリス系おやじギャグを面白いと思える奇特なお方だけが楽しめる映画。 それに、取材旅行なんだか自分探しの旅なんだか現地で会った美女との不倫旅行なんだか、あらゆる小ネタが不完全燃焼。 ただ、さすがギリシャだけあって、どことなく奥深い映画っぽくも感じる。神話や廃墟ネタとかも次々登場。この国の哀しくも壮絶な歴史についてもきちんと知っておかないと。 彼らの訪ねた町々も、ぼくは知らないとこばかりで焦った。国全体が観光地とはいえ、こてこての観光地を避けたのは良かった。さすがに映像は美しい。 背景に流れる音楽がこってり系バイオリンの曲ばかりで思わず聴き入ってしまった、マイケルナイマンとかフィリップグラスとのこと。
Nov 3, 2020
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「走る走る、俺たち」 ぼくは走るのはけっこう好きで、てか、これまでも毎年のように大会に出場し、なんとか完走してはドヤ顔写真をここに載せて自慢したりしてきたけれども、今年はコウビッドのせいで何もかも中止。 ま、大会があろうとなかろうと健康のためにときどき走るべきだけど、目標がないとどうしても気が乗らない。そんな自分を何とか盛り上げるべく、今日は関連する英単語などをまとめてみようかと。ランニング、ジョギング - 「走る」は run、ゆっくり(楽しく)走るのは jog。 - ほかにもいろんな「走る」があると思うので、速度に応じて「歩く」から順番に並べてみると、 walk brisk walk, power walk(←競歩 race walk のような早歩き) jog run sprint(←全力走) - 余談。英語の表現で do a runner というのがあって、とんずら、喰い逃げするとかいう意味。マラソン、長距離走大会 - マラソンという単語って、日本や一部の国では長距離走(long-distance running)と同義で使われてしまってるもよう。例えば、単にジョギング好きな人が「趣味はマラソンなんですぅ」と言い放ったり、長距離走の大会を「市民ふれあいマラソン祭り」みたいに呼ぶ自治体があったり。英語だと marathon はずばり42キロメートルの race のことだけを指す。 - その半分は half marathon (21km)。 - さらにその半分の「四半マラソン」という競技名は聞かない。そのかわり10km走という種目はよくあって、10K(テンケイ)と呼ばれる。そのさらに半分は5K(ファイブケイ)。こちらアメリカはキロメートルではなくマイルの世界のはずなのだけれど、陸上業界では素直にキロメートルをご採用。 - 10Kと5Kのあいだの種目があるとすれば、それはおそらく4 miler(フォーマイラー)。←6.5kmぐらい - 半マラソンと10Kのあいだの種目があるとすれば、それはおそらく10 miler(テンマイラー)。←16kmぐらい大会本番 - 走者番号の記された布切れ(ゼッケン)のことは race bib(ビブはよだれかけの意)。ちなみに日本語でビブスというと、サッカーの練習試合とかで敵味方に分かれるときに被る袖なしの色付きチョッキ training bibs を指すはず。←英語だと pinnies とも呼ばれる - 「位置について、用意、ドン」は、Ready, Set, Go。あるいは、On your marks, Get set, Go。 - 全員が一斉に出走する場合もあれば、「密」を避けるために15秒おきとかの時間差出走の場合もある(wave start)。シード seed という単語もたまに聞く。トーナメント式競技以外でも使える単語らしい。 - ほかにも混雑を避けるための措置として、みんなごっちゃに並んで開始を待つのではなく、予定速度とか完走予定時間(自己申告)に応じて似た者どうしの班をいくつか作っておき、速い走者群を先頭にした状態で走り始めるという方式もある。その集団のことを corral と呼ぶ。走るの遅いくせに先頭集団のコラールに間違って入っちゃうと顰蹙を買う。 いちいち追い越し追い越されが発生するので。 - 走路の幅にもよるだろうけど、何人も横並びで走るのは礼儀違反。横並びで走ることを英語では run side by side でよいのだけど、例えば三人並んで走ることを run three abreast と表現する。ちょっと耳慣れない単語。 - 追い越し追い越されというのも約束ごとがあって、大会事務局から事前に説明があるはず。右側走行(run to the right side とか keep right)の大会の場合は、追い越すときは目の前の人に「On your left.(左から追い越しまっせ)」とひとこと声をかけるのが礼儀。 - 走ってる最中にどうしても用を足したくなったら(if nature calls)、仮設便所をご利用。portable toilet でもいいけど、porta potty とよく呼ばれる。 - そろそろ終了地点が近づいてきたら「最後のスパート」。綴りは spurt。実はこの単語はあんまし使われないような気がする。むしろ前述の sprint か。 - 終了地点は、走者にはっきりわかるよう派手に装飾された鳥居みたいのがあったり、誘導柵が設けられたりして、シュート finish chute と呼ばれる。一本の線 finish line だけじゃわかりにくいし。 - 無事に完走したら自分の記録を確認。時間を表現するときに gun time と chip time とを使い分ける大会も多い。「用意ドン」が鳴ってから長蛇の列がどんどん動き始めるわけで、どうしても先頭と最後尾とで時差が生じてしまうから。用意ドンの瞬間からの一律の記録を gun time、走者個人個人のビブに埋め込まれたチップをもとにその人の開始地点から終了地点までの実際の記録を chip time と呼ぶ。ガンとチップのほかに、gross と net とも言う。 - race bandit という単語もたまぁに聞く。正式に参加登録をせずに(ゼッケンなしに)普通に走る人。悪気がなくとも選手たちと一緒に公式走路を走るのは迷惑。あと、替え玉として他人のゼッケンつけて走ったり、途中ズルして自転車で移動したりするイケナイ行為もバンディットに含まれるみたい。 - 残念ながら完走できずに大会を途中で棄権してしまった場合を略語で DNF (did not finish)。関係者、観戦客 - 大会に関わる様々な人にも言及すると、例えば、先頭集団を先導する自転車を lead bike、最後尾の走者を後ろから見守るのは sweep bike。 - 大会によっては、pace runners あるいは pacers と呼ばれる上級走者さまが一緒に走ってくださる。一定の速度を保ち、予定完走時間(5分おきとか)書いた旗とか掲げながら走ってるので、その人の先導する pace group についていけば速度管理を自分でやる必要なし。ちなみに最近知ったのだけど、ペーサーさんのことを rabbit との愛称で呼ぶこともあるらしい。 - 途中にある給水所のことは、water station とか hydration station。基本的には水と運動飲料(Gatoradeなど)のみ。果汁や菓子などの refreshments があるとこもある。 - 要所要所の各給水所とか休憩所とか医療関係者待機所とかには、張り切って仕切ってる親分肌の人がいて、その役職のことはおおげさにも marshal(指揮官)。どうやら運営関係ではかなり栄誉ある役職。 - 走者に何かあったときのために待機/巡回してる車をSAGと呼ぶ(サポートアンドギア)。水や食料や応急処置用のこまごまとしたものを搭載。事務局の人や医療関係者が乗ってると思われ。 - 沿道で応援する観客のことは spectators。 - 観客が走者を応援するときのエール yell to encourage runners、つまり「頑張れ」を英語で何て言うか。これって意外に難易度高い。無数にあるだろうけど、こちらアメリカでは以下のような表現をよく聞くような気がする。 Almost there! Hang in there! You can do it! Looking good! Keep it up! - 走者の健闘を褒め称えてあげたいときは、Good job!。あと、Way to go! も非常によく使われる。 - ぼくには縁がないけど、上位入賞の方々は、表彰式 award ceremony で表彰台 podium に立ってみんなに祝ってもらう。
Nov 2, 2020
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