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2020.03.11
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第45話「真心を捧げて」

職人たちの暴動に巻き込まれ、周瑩(シュウエイ)は喀血して倒れた。
昨夜、知らせを受けていた呉蔚全(ゴイゼン)はまさかこんな大ごとになるとは思わなかったと後悔し、何らかの手を打てたかもしれないと嘆く。
趙白石(チョウハクセキ)は周瑩が心配で呉家で待っていたが、王世均(オウセイキン)から頭に血が上っただけだと報告を受け、一安心して帰ることにした。
その時、ちょうど呉漪(ゴイ)が母・陳(チン)氏と一緒に別院にやって来る。
2人は気まずそうに挨拶を交わして別れたが、超白石はふと足を止めた。
「漪小姐、夫人のことを頼みます」

胡咏梅(コエイバイ)は周瑩がまたしても助かったと知って驚いた。

胡家職は同情したが、胡咏梅は呉家が数年分の稼ぎを失ったと知り、胸がすく思いだった。


一方、杜明礼(トメイレイ)は沈四海(シンシカイ)を訪ねていた。
実は明日にでも数人で役所へ行き、織布局の操業停止を求める請願書を出して欲しいという。
しかし沈四海は職人たちが人の財物を壊した罪人だと指摘、英雄扱いすることはできないと断った。
すると杜明礼は貝勒(ベイレ)の目的が趙白石を陝西から追放することだと教え、すでに沈四海も貝勒の配下だという。
驚いた沈四海はあくまで合資関係を結んだに過ぎないと訂正したが、杜明礼が見逃すはずがない。
これまで数々の軍需品を受注できたり、各地の関所をすんなり通れたり、入手困難な物が買えるのも、全て貝勒の威光を利用したおかげだろう。
沈四海はそれでも遠回しに拒否したが、沈四海は沈星移を持ち出して強要した。
「機器織布局が襲撃された時、二少爺が趙白石を助けようとしたとか…深手を負ったそうですね?」
息子が逆らったと貝勒に知られたらどんな末路が待っているか、それを誰より分かっているのは沈四海だった。

沈星移は肋骨を骨折したが、幸い肺は無事だった。

沈星移は皆のためだと答えたが、この騒動に杜明礼が絡んでいると察しがついた。
息子のおかげでまた窮地に立たされた沈四海、しかし沈星移に良心のある者なら自分と同じことをしたと言われ、返す言葉もなく帰ってしまう。

周瑩は床を離れたが、大夫から完治まで半月からひと月かかると言われた。
しかし自分を守って怪我をした沈星移に責任を感じ、非難を覚悟で見舞いに行くと決める。
すると小藕(ショウグウ)が慌てて飛び込んできた。


周瑩が表門へ出て行くと、先に対応に出ていた鄭(テイ)氏が困惑していた。
「どうしました?にゃん?」
鄭氏は横柄な大夫人の侍女に憤慨していたが、周瑩は冷静に何の用かと聞く。
するとようやく輿から大夫人が姿を現し、周瑩に暴言を吐いた。
「女狐のような風貌だね~よくお聞き?夢を見るのは今日でおしまいにして
 星移は遊び人だけど、沈家に嫁入りできるのは名門名家の生娘だけだよ」
そこへ韓三春(カンサンシュン)たちが駆けつけ、大夫人たちを追い出そうとした。
しかし大夫人の手には皇帝から賜った二品の爵位の勅書があり、うかつに手を出せない。
「お前のような容色の衰えた淫乱な女が、私の孫を誘惑できるとでも?」
「なんて言い草なの?!」
さすがに鄭氏は反発したが、周瑩はバカバカしくなり、黙って別院に帰ることにした。
「沈家の者は皆、清廉潔白よ!後ろ暗い呉家東院とは違う!」
大夫人の暴言は続いたが、周瑩は無視して歩いていた。
「孫の沈星移は公明正大!強欲で好色な呉聘(ゴヘイ)とは違う!」
その言葉を聞いた周瑩はふと足を止め、急に引き返して来た。

呉聘を悪く言われた周瑩は激怒し、立ちはだかる侍女を突き飛ばしたかと思うと、大夫人が抱えていた勅書を放り投げた。
「目上だと思って遠慮してたら、ますますつけあがって、爵位を買えば清廉潔白だとでも?
 へそで茶を沸かすわ!金持ちなら人を侮辱してもいいって言うの?」
「うぉ(我)…」

「よく聞きな!らお・たい・ぽぉ!
 お金で虚勢を張る沈家なんぞ、こっちから願い下げだっつーの!」
周瑩に凄まれた大夫人はその迫力に驚き、その場で卒倒してしまう。

沈星移は祖母が呉家で周瑩に罵倒され倒れたと聞き、怪我を押して駆けつけた。
「奶奶?!大丈夫ですか?」
しかし実は祖母が周瑩を罵りに行ったと知り、星移は焦燥する。
「なぜ余計なことを…」
一方、大夫人に威勢良く言い返した周瑩だったが、寝殿に戻ると悔しさと寂しさで号泣した。
騒ぎを聞いた千紅(センコウ)は別院に様子を見にやって来たが、周瑩を好きなだけ泣かせてから部屋に入ってみる。
そこで千紅は沈星移が軽薄そうに見えて実は頼り甲斐があると話し、周瑩に対して本気なのだと分かると言った。
「今日の騒ぎはそのうち涇陽(ケイヨウ)中に知れ渡る
 何もせずにいたら名誉を傷つけられて終わりよ?」
するとそこへ春杏(シュンキョウ)がやって来る。
沈星移が訪ねて来たと言うのだ。

沈星移が周瑩に会いに来たと知り、鄭氏も別院に乗り込んだ。
すると沈星移が自分の誕辰を書いた紙を渡し、正々堂々と求婚する。
鄭氏は激怒して紙をビリビリに破いて捨てたが、星移はひるまなかった。
「分かっている、お前は私を友だちとしか思っていないと…だから戸惑っている
 返事は急がない、ただ私の真心を伝えておきたかった
 …沈家の態度がどうあれ、お前を必ず私の妻にしてみせる
 図爾丹(トゥーアルダン)に言ったんだろう?お前の心は呉聘と共に土の下に埋まっていると
 ならば私が自分の心を差し出す」
しかしそんな星移の強い思いがかえって周瑩を追い詰めた。
周瑩は王世均(オウセイキン)になぜか全員を祖廟に集めるよう頼み、趙白石にも来てもらうよう告げる。
一体、何を始めるつもりなのだろうか。

祖廟に呉家の人間が揃い、やがて趙白石も到着した。
そこで周瑩は趙白石に片付けておくべき問題があり、立ち会って欲しいと頼む。
趙白石が了承すると、周瑩は先祖たちの位牌を前にひざまずき、突然、誓いの言葉を述べた。
「祖先の名において、呉家第5代・呉聘の妻・周氏がここに誓いを立てます
 今後は誰にも嫁がず、寡婦を貫き、呉家の名で死にます
 誓いを破れば地獄に落ちても構いません」

沈星移は呆然とたちすくんでいた。
すると周瑩が立ち上がり、自分の答えを聞いた沈星移に帰るよう告げる。
深く傷つき祖廟をあとにする沈星移、その後ろ姿を見ながら周瑩は人知れず涙を流した。
しかしその一方で、呉漪は衝撃的な事実を目撃する。
趙白石がまるで怒りを堪えるかのように握りしめたこぶしを震わせていた。
その目線に先にいるのは周瑩…。
呉漪は気になって韓三春を訪ねた。
当時、韓三春が周瑩と間違えて自分をさらったが、趙白石が自分を助けてくれた時に何か言っていたか聞いてみる。
すると韓三春は確か″夫人を離せ″と言っていたと教えた。

翌日の朝議、周瑩が寡婦を貫くと誓いを立てたことから、呉蔚武(ゴイブ)と呉蔚全は呉家の大当主の座と式易堂大印(シキイドウダイイン)を周瑩に返した。
また機器織布局の副局長も周瑩に引き継ぐことにする。
周瑩は改めて呉家の商いを必ず繁盛させてみせると誓うと、真っ先に機器織布局の再建を提案した。
確かに大損害を受けたが、機器織布局なら速やかに損失を補えるという。
呉蔚全はまだ懲りていないのかと猛反対、しかし呉蔚武は黙っていた。
「二叔?何かご意見は?」
「周瑩や、式易堂大印はお前の手にある…好きなようにやりなさい」
周瑩は安堵したが、呉蔚武の話にはまだ続きがあった。
「だが私は参加しない」
呉蔚武は織物業から西院は手を引くと言った。
西院の残りの財産だけは何としても守らねばならない。
すると呉蔚全も手を引くと言い出し、結局、3院の合資関係は解消となった。

つづく

( ๑≧ꇴ≦)待ってました〜らおたいぽぉ!あ〜スッキリしたw





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最終更新日  2020.03.11 23:12:32
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