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2026.06.09
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カテゴリ: 朝雪録 全38話
※ATTENTION:ドラマにはグロテスクな内容が含まれています

朝雪录 Coroner‘s Diary
第5話

宋柔(ソウジュウ)の検視を終え、燕遅(エンチー)と義荘を後にした秦莞(シンワン)。
その時、ようやく徐河(ジョカ)がやって来た。
聞けば検視道具をひったくられ、後を追ったが見失い、仕方なく衙門へ通報することにしたが、驚いたことに入り口に道具箱が置かれていたという。

検視道具は何ひとつ欠けずに戻ってきた。
しかし検視記録を改めた秦莞は紙についた骨折に効く膏薬の匂いに気づく。
「これは都で買える希少薬です」
検視道具を盗んだのは骨折を負った身分の高い者だと分かった。

すると魏家嫡子・魏綦之(ギキシ)を調べていた白楓(ハクフウ)が戻ってきた。
「あ!何も見ていませんよ!」
その時、ちょうど燕遅は証拠品に触れないよう秦莞の腕をつかんで引き寄せ、報告書の匂いを確認していた。

魏言之(ギゲンシ)が花嫁の護送の代役になったのは魏綦之が宋国公に右足を折られて軟禁されたせいだった。
しかし魏綦之は花嫁の出発翌日に逃げたという。
秦莞は灯会で魏言之を装い、自分を矢倉へ誘き出した男が片足を引きずっていたことを思い出した。
ともかく魏綦之を探し出すしかない。
そこで燕遅は秦莞に検視の続きを任せ、魏言之を問いただすことにした。

燕遅は荊(ケイ)州知府・霍懐信(カクカイシン)を伴い、安陽(アンヨウ)侯・岳瓊(ガクケイ)に検視結果を報告した。
思わぬ事態に岳稼は憤怒、魏言之と魏誠(ギセイ)を呼びつけ追求する。
魏言之は罪を認めて謝罪、宋柔の汚名を残さぬよう魏誠に放火を命じたと言った。

「懐妊が露見した宋娘子は大公子との関係を告白しました
 大公子も関係を認めたため、憤った宋国公が大公子の足を叩き折ったのです!」
そこで燕遅は霍知府に合図を送り、魏誠を投獄させて魏言之から引き離した。



魏言之は同じ屋根の下で暮らしながら、兄と宋柔が深い仲になっていることに気づかなかったと釈明した。
2人が過ちを犯したと知ったのは護送の代わりを命じられた時だったという。

実は嫡母が兄と宋柔の婚姻を望んだが魏家を見下す宋国公に却下され、それ以来、兄と宋国公が疎遠になり、弟が恩恵を受けるのも嫌がったという。
「それで魏綦之は左利きか?」
「そうです、嫡母は左利きが不吉だと言って幼少から右手を使うよう矯正しました
 内輪の話です」

岳瓊は魏言之に東苑での謹慎を命じた。
燕遅は裏を取るため早急に宋柔の頭部と凶器を見つけるよう指示、義荘へ戻る。
その時、秦莞はちょうど胃の内容物から紙片を発見していた。
字は胃液で消えていたが、恐らく情人の痕跡を隠すため飲み込んだのだろう。
すると燕遅が紙片に混ざっている金の粉が石黄(セキオウ)だと気づいた。
″曳金箋(エイキンセン)″は石黄で作った金漆(キンシツ)を混ぜて作る紙、ほのかに漆の香りがあり、高級紙より安価なため、一般の貴族は文や書道に用いる。
確かに魏綦之はこだわりが強く、白楓の調べでも白磁を好んで買い揃える程だと聞いていた。

徐河が露店で食事をしていると案の定、再び何者かが検視道具をひったくった。
しかし今回は罠、すでに物陰に潜んでいた白楓たちが盗人を追跡し、隠れ家を見つける。
検視道具を盗んだのはやはり魏綦之の従者だった。
道具箱を受け取った魏綦之は早速、ふたを開けたが報告書が入っていない。
その時、捕吏が踏み込んだ。

秦莞は魏言之に確認したいことがあった。
魏言之は風邪を引いて熱を出していたが、燕遅は診察を口実に秦莞を東苑へ案内する。
燕遅は秦莞が脈診している間に部屋を観察しながら、掛け台にある宝剣・承影剣(ショウエイケン)に目を留めた。
「拝見しても?」
「お待ちください!」
魏言之は慌てて席を立ち、燕遅のもとへ急いだ。
「承影剣は宋国公からの贈り物、私にとっては命も同然なんです、どうかお許しを」
すると燕遅が魏言之を引きつけてる間に秦莞は火鉢を調べた。
「魏副尉、室内で大量に炭を燃やすとかえって乾燥しすぎて回復を妨げます」
「夜になると悪寒がひどくて…昼は炭を減らすことにします」

秦莞は魏言之が窓を開けて炭を燃やし、香まで焚いているのことを訝しんだ。
燕遅も宋国公が外甥(ガイセイ)の庶子にあの名剣を贈るとは到底、思えないという。
そこで府中の残灰(ザンカイ)を全て集め、2人で調べることにした。
残灰のほとんどは魏言之の部屋から出たものだったが、その時、白楓が駆けつける。
「魏綦之が投獄されました、それが霍知府が拷問にかけて…」

魏綦之は地下牢ではりつけにされ、折られた足から血を流して意識を失っていた。
自白を強要した霍知府に怒り心頭の秦莞と燕遅、そこへ魏綦之の従者が連行されて来る。
哀れな主の姿を目の当たりにした従者は呆然、世子に誤解だと訴えた。
魏綦之は宋柔の秘密がばれるのを恐れて追いかけてきたが、荊州で花嫁の訃報を聞いて検視記録で事情を知りたかっただけだという。
「大公子は左手で書けるか?」
「二公子だって左手で書けます!」
従者の話によれば、夫人がまだ幼い大公子に右手書きを強要したが拒まれ、大公子が冷遇されるのを恐れて右利きの二公子に左手書きを強いたという。
しかし大公子が二公子のため右手に改め、結果的に二公子は左手書きが上達していた。
「では大公子が白磁のみ愛用しているのは本当なの?」
「確かに大公子は昔から漆の匂いが苦手で漆器ではなく白磁を使っています」

屋敷へ戻った秦莞は相変わらず残灰から証拠を集めていた。
すると燕遅が現れ、魏言之を拘束して尋問するため、探す必要はなくなったという。
秦莞は断罪するには多くの実証が必要だと訴え、自白だけでは不十分だと諌めた。
「断罪は容易ですが誤審なら人の一生を壊します、一時の焦りで法を軽んじぬよう」
「それも沈毅(シンキ)大人の言葉か?」
「そうです」
「胸に刻んでおく」

秦莞は魏綦之の無実を立証するため審問を頼んだ。
そこで足を負傷している魏綦之にわざと漆塗りの椅子を用意する。
霍知府は特別に座ることを許可したが、魏綦之は断って椅子の背を支えにして立った。
すると魏綦之は確かに2ヶ月前、宋柔との私通を認めて宋国公に足を叩き折られたと認める。
「宋柔の名声を守るためなら私は何だってする」
…宋柔はある男との私通を宋国公に知られ、咄嗟に魏綦之の名を出した
事情を知った魏綦之は問い詰めたが、宋柔は相手の名前を明かそうとしない
『もし言ったらあの人の将来が台無しよ、心から彼を愛している』
魏綦之は宋柔のため約束を守り私通を認め、宋国公から厳罰を受けてしまう

宋柔が罰せられていないと知って安心し、療養していた魏綦之
しかし宋柔が嫁いでもなお相手の男は鳴りを潜めていた
憤った魏綦之は宋柔が心配になって後を追いかけたが、荊州で訃報に接し愕然となる…
するとそこまで話したところで魏綦之が体を掻きむしりながら苦しみ始めた。

魏綦之は漆の椅子にふれたせいで発作を起こした。
秦莞の手当てで無事だったが、これで確かに魏綦之が漆に触れることができないと証明される。
金漆を含む曳金箋が使えなければ宋柔の情人ではない。
実は秦莞も燕遅もすでに真犯人に気づいていた。

燕遅たちは逃げようとしていた魏言之を捕え、部屋へ連れ戻した。
そこで燕遅はわざと承影剣に手を伸ばし、魏言之の自白を引き出す。
「辱めは受けぬ、この剣は誰にも触れさせたことはない」
「霍知府、聞いたか?魏副尉は認めた」
「はい!しかと聞き届けました!」

秦莞が箱を持って入ってきた。
すると魏言之が使っていた火鉢の鉄鉗(カナハシ)を示し、焦げた油脂の汚れがついていると指摘する。
本来、炭を挟むだけならこんな汚れがつくはずもなく、秦莞は魏言之が頭蓋骨を砕いて火鉢で焼いていたと推察、残灰を全て調べていた。
その時、衛兵がやって来る。
「少帥、見つかりました」

残灰を手分けして探していた衛兵が2つの破片を届けた。
秦莞は箱から修復した頭蓋骨を取り出し、最後の2つをはめ込む。
すると燕遅は魏言之が唖然としている隙に承影剣を抜き取り、頭蓋骨の穴に差し込んだ。
頭蓋骨に出来た穴に承影剣がぴたりと合致、これが決め手となる。
「下手人は背後から死者の後頭部に剣を差し、その痕を隠すため斬首した」



魏言之は死者の血を喜轎(キキョウ)につけ殺害現場を偽装、遺体に新しい衣装を着せて中に置いた。
秦莞の検視を阻むため幽霊を装って脅かし、魏綦之に罪を着せるためわざと衣装に墨をつけておく。
検視で真相が暴かれないよう魏誠に魏綦之を装わせ秦莞の命を狙うも失敗。
解剖が避けられぬと悟るや義荘に放火して証拠隠滅を図った。
魏言之は自ら承影剣に誰も触れたことはないと断言、最後は自分で自分の首を絞めることになった…

あの夜、魏言之は林の中に宋柔を呼び出した
『着替えずに来たのか?』
『早く会いたくて…嬷嬷を追い払ったから大丈夫、ばれないように文も飲み込んだわ
 私を連れて逃げて、私は死んでも他の男に触れられたくない、永遠一緒にいたい』
2人はそのまま肌を重ね、魏言之は宋柔の肩を噛んだ
『私はもう宋国公の娘でも安陽侯府の花嫁でもない
 質素な身なりの魏夫人よ、あなたと共に放浪し、一生添い遂げるの』
その時、魏言之は背後からいきなり宋柔の後頭部に剣を突き刺した
『残念だ私は望まない』

…宋柔は愛する人のために栄華を捨てたが、魏言之は女のために前途をあきらめられなかった。
「あの愚かな女は愛で私の一生を滅ぼそうとした!死んで当然だ!
 私に愛はなかった、だから私に殺されるなど馬鹿げている、全て間違いなんだ!」

何とも後味の悪い結末だった。
秦莞はやるせない思いのまま義荘へ戻ったが、宋柔を気にかけてくれる魏綦之の存在がせめてもの救いとなる。
「遺体を修復するわ」

燕遅や魏綦之が見守る中、秦莞は宋柔に花嫁衣装を着せた。
そして最後に復元した頭部を乗せて紅を塗り、首の切断部を覆うように赤い布を置く。
魏綦之は悲しみの中、手を尽くしてくれた秦莞に頭を下げた。
その時、秦莞は魏綦之の隣で一緒に頭をさげる宋柔の幻を見る。
…ありがとう…




その夜、魏綦之は弟と面会した。
しかし魏言之は反省するどころか、庶子として虐げられてきた恨みつらみをぶちまける。
実は魏言之の生母は嫡母に殺され、死に目にも会えなかった。
「あんたが嫡母に躾けられている時、私は倍の罰を受けた
 あんたが国公を嫌えば巻き添えになった
 私が好きだった琴だって学んだのはあんただけ!
 私は小柔に教わるはめになり、こんな事態に陥った!」
「そんなに私を恨んでいたのか…すまなかった」
「悲しそうなふりをするな、仲良し兄弟を演じてきたが、もう限界だ」
「…お別れだ、来世では悔いなく生きろ」

魏綦之は荊州に宋柔を埋葬した。
秦莞と一緒に墓参りに来た岳凝(ガクギョウ)は無惨にも殺された宋柔を思うと哀れで仕方がない。
「女は男を深く愛したために殺され、父親は家の名誉のために後事も行わない
 男って酷い生き物ね!」
「男も女も関係ない、ただ宋国公と魏言之が身勝手過ぎただけよ」
「女は一生、情など持たず、身を守るべきだわ!」
その様子を遠目から燕遅と白楓が見ていた。
「花嫁事件は解決です、そろそろ帰京しますか?」
「白楓、晋(シン)王事件は進展しそうだ、有能な助っ人を得たからな」
すると燕遅は兵部入りを保留し、刑部に入ると決めた。

つづく


( ๑≧ꇴ≦)終わった~!掴みは良かったのに長いわw
でも最後はちょっとホロリとなった





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最終更新日  2026.06.09 19:36:49
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