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2026.08.25
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カテゴリ: 錦月如歌 あらすじ



第22話

肖珏(ショウカク)と楊銘之(ヨウメイシ)の間には程鯉素(テイリソ)も知らない軋轢があった。
険悪な雰囲気に包まれた旧友の再会に困惑する禾晏(カアン)たち。
その時、どこからともなく琵琶の音が聞こえて来た。

琵琶を弾いていたのは花游仙(カユウセン)だった。
花游仙は曜京(ヨウケイ)最大の妓楼・入雲(ニュウウン)楼の名妓で、肖珏たちも賢昌(ケンショウ)館時代に店を訪れ、顔見知りである。
すると花游仙は肖珏たちの部屋で一曲、披露してくれた。

花游仙は当時を懐かしみ、かつて恋文をくれた人もいたと暴露した。

「ほら!否定しないだろう?」
肖珏は黙っていたが、ふいに花游仙と酒を酌み交わしたいと言い出した。
すると明らかに楊銘之の様子がおかしくなり、2人が酒を飲むと急に席を立ってしまう。

程鯉素は京城の売れっ子名技がなぜ崇淮(スウワイ)にいるのか聞いた。
実は花游仙は愛する人に出会って身請けしてもらい夫婦になったという。
しかし夢に見た生活とは違い、結局、離縁していた。
「入雲楼を去る時、女将から″飛んで火に入る虫の末路を知っているか″と言われたわ
 まだ若かった私は一瞬でも穏やかな光があればいいと思っていたの
 だけど愛は跡形もなく消え、私は身を引いた…よくある話よ
 今はこの崇淮で自由に楽しく過ごしている、自分の選択に後悔したことはない」
それまで黙って聞いていた禾晏だったが、潔い花游仙に感銘を受けた。

「ありがとう(姑娘)」
「お気づきでしたか…」
すると肖珏が独り身の花游仙に掖州(エキシュウ)衛から誰かを紹介しようと持ちかけた。
禾晏は肖珏の意外な提案に動揺したが、すぐその理由に気づく。
「肖珏!何のつもりだ!」

実は花游仙に恋文を渡し、身請けしながら離縁したのは楊銘之だという。

…楊銘之は花游仙に一目惚れ、見受けしたいと告白した
しかし息子が罪人である肖大将軍をかばった上に名妓を娶ると聞いた兵部尚書は激怒
門を出たら縁を切ると迫った
楊銘之は迷わず家を捨て花游仙と夫婦になったが、幸せな時間は長く続かない
くすぶっていた楊銘之は酒に溺れるようになり、花游仙はそんな夫に愛想を尽かして別れを決めた…

禾晏は誇りを守って身を引いた花游仙に感服した。
しかしそれに比べ肖珏と花游仙を傷つけた楊銘之はとんだ愚か者だと罵ってしまう。
「あの時の都督は両親と戦友を失い、友に裏切られ、陥れられた証拠も見つけられずにいた
 己の無力さがいかに辛かったか…
 嫁いでくれた彼女のことも尊重せず冷遇した、殴らず、罵らなければ君子の道に背かぬとでも?
 冷淡な態度を取られる方がよほど傷つく、相手の心に己がいないことを意味するからだ」

肖珏は楊銘之を水亭に呼び出した。
父の汚名は楊銘之のせいではなく、そもそも簡単に形勢が変わるとも思っていなかったという。
「確かに当時、心ない言葉を恨んだが、すでに過去のことだ、責める気はない、引きずるな
 彼女のことは己を責めるより何か行動しろ」
一方、花游仙と残った禾晏はやけ酒をあおっていた。
「悩み事があるのね?」
「あんな偉そうな事を言ったけれど、私も逃げてばかり
 私に楊銘之を責める資格なんてないの
 ふっ、私の事情なんてあの人の苦痛に比べたら些細なことなのに…」
「でもあなたも苦しんでいるのね」
そこへ肖珏と楊銘之が戻って来た。

楊銘之は深々と頭を下げ、花游仙に謝罪した。
「許してくれとは言わない、だがもしよければ君のそばに戻り、償いたい」
「私たちはもう無関係よ」
すると花游仙は席を立ってしまう。
しかし楊銘之はあきらめず、花游仙を追いかけ説得した。
「無視されても拒まれてもいい、そばにいたいんだ、君を愛している」
楊銘之が花游仙の手を握りしめながら思いの丈をぶちまけると、頑なだった花游仙が思わず微笑んだ。

一方、肖珏は禾晏の様子がおかしいことに気づいていた。
「実は…実は私は…」
肖珏は禾晏がついに秘密を明かしてくれると期待したが、禾晏はそのまま酔い潰れてしまう。
「一体、どれだけ飲んだんだ?」
「…私を恨むか?(ボソッ」

翌朝、肖珏は飛奴(ヒド)から禾晏の手紙を受け取った。
…江畔の長亭で待っている…
肖珏はともかく出かけることにしたが、その時、花游仙が現れた。
「私と楊銘之のために心を砕いて頂き感謝します
 ところであの方は?今もお元気?仮面を着けて家名を伏せていた…」
「そやつについて話すことはない」
花游仙は肖珏と何如非(カジョヒ)が疎遠になったと知って残念がった。
「まあ、女子ではあなたと連絡も取りづらいわよね」
「何だと?」
「あら知らなかった?さらしを巻いていたし、あの恥じらい方は明らかに女子だったわ」

禾晏が橋の上で待っていると突然、黒衣に覆面の男が襲いかかって来た。
2人は激しく剣を交えたが、やがて男はまるで2人の縁を切るかのように橋を破壊し、落としてしまう。
「都督…」
禾晏は黒衣の男が肖珏だと気づいていた。
すると肖珏が覆面を外す。
「お前の正体が分かった、肖家の者を除き、その技の使い手は1人しかいない」
「そうです、私はかつて何如非だった、本当の名は何晏(カアン)、何如非の義理の妹です」
何晏は物心ついた頃から義兄の替え玉として育った。
当時、義兄は余命が短いと言われ、爵位を保つためにはこの方法しかなかったという。

ただの身代わりで終わりたくなかった何晏は無越(ブエツ)軍に志願、軍功を立て褒賞を得たが、結局、義兄が早逝することはなかった。
急に何家に戻った何如非は身代わりだった義妹を失明させて飛鴻(ヒコウ)将軍の身分を奪い、命まで奪おうとしたという。
しかし天の情けか、生き延びた何晏は″禾晏″として生まれ変わった。
「何如非と同じ高みに立ってこそ奴の嘘を暴き、罪なき者たちを守れる
 私のものはこの手で取り戻す!…すまない、肖珏、ずっと隠していて
 どう向き合うべきか分からなかったんだ」
「ひとつだけ答えろ、鳴水(メイスイ)の戦いで遅れて来た何如非はお前か?」
「…そうだ、あれは私だ」

激情に駆られた肖珏は剣を構えた。
禾晏はあの戦には裏があると釈明したが、肖珏は信じる術がないという。
「すぐ信じてもらえるとは思っていない、必ず証拠を探して真相を突き止めてみせる
 でも私の顔も見たくないのなら去る」
肖珏は何如非への憎しみと禾晏への情の間で揺れ動いた。
その時、飛奴が駆けつけ、自分が何如非を成敗するという。
しかし肖珏は飛奴を止めた。
「そう簡単には終わらせない、掖州(エキシュウ)衛にいろ、真相が分かるまでどこにも逃さぬ」




掖州衛への帰り道、肖珏と禾晏は一言も口をきかなかった。
気まずい雰囲気の中、程鯉素が口火を切ろうとしたが、宋陶陶に止められてしまう。
やがて馬車は掖州衛に到着した。
季陽(キヨウ)から持ち帰った禾晏の荷物には女子姿の新粉(シンコ)細工や人魚が織った美しい衣がある。
すると禾晏は肖珏との美しい思い出を全て箱にしまって封印し、再び男に戻った。

つづく


( ๑≧ꇴ≦)盛り上がってまいりました〜!





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最終更新日  2026.08.25 18:22:24
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